JP2008170678A - 配向膜の形成方法及び液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜速度の向上及び装置サイズの小型化が可能な配向膜の形成方法を提供する。
【解決手段】液晶分子を配向する配向膜の形成方法であって、プラズマ化学気相法を用いて基板上にプラズマ重合膜86aを形成するプラズマ重合膜形成工程と、紫外光を照射することによって上記プラズマ重合膜86aに凹凸を形成し、これによって上記プラズマ重合膜を上記配向膜とする紫外光照射工程とを有する。
【選択図】図5
【解決手段】液晶分子を配向する配向膜の形成方法であって、プラズマ化学気相法を用いて基板上にプラズマ重合膜86aを形成するプラズマ重合膜形成工程と、紫外光を照射することによって上記プラズマ重合膜86aに凹凸を形成し、これによって上記プラズマ重合膜を上記配向膜とする紫外光照射工程とを有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、配向膜の形成方法及び液晶装置の製造方法に関するものである。
液晶テレビや液晶プロジェクタの光変調手段等として用いられる液晶装置では、液晶の初期配向制御を行うために液晶層に当接して配向膜が設けられている。配向膜としては一般的にポリイミド膜が用いられているが、液晶プロジェクタのように高出力光源を備えた機器に用いる場合、光エネルギーによる配向膜の劣化が問題となる。そこで、シリコン酸化物等の無機材料を用いた配向膜(無機配向膜)が提案されている。
無機配向膜では、所望の配向規制力を得るために所定方向に配向した柱状構造を膜面に形成する必要があり、かかる無機配向膜の形成方法としては、真空蒸着法が知られている。
例えば、下記特許文献1に記載の技術では、ターゲットから放出されるスパッタ粒子を被成膜基板に対して一方向から斜めに入射させることで、上記柱状構造を形成するようになっている。
特開2004−170744号公報
無機配向膜では、所望の配向規制力を得るために所定方向に配向した柱状構造を膜面に形成する必要があり、かかる無機配向膜の形成方法としては、真空蒸着法が知られている。
例えば、下記特許文献1に記載の技術では、ターゲットから放出されるスパッタ粒子を被成膜基板に対して一方向から斜めに入射させることで、上記柱状構造を形成するようになっている。
しかしながら、蒸着法では、基板上に均一な配向膜を形成するために蒸着源と基板との距離を極めて大きくする必要があり、装置サイズ、成膜速度等の面で多くの課題を有している。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、成膜速度の向上及び装置サイズの小型化が可能な配向膜の形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の配向膜の形成方法は、液晶分子を配向する配向膜の形成方法であって、プラズマ化学気相法を用いて基板上にプラズマ重合膜を形成するプラズマ重合膜形成工程と、紫外光を照射することによって上記プラズマ重合膜に凹凸を形成し、これによって上記プラズマ重合膜を上記配向膜とする紫外光照射工程とを有することを特徴とする。
このような配向膜の形成方法によれば、プラズマ重合膜形成工程において形成されたプラズマ重合膜に、紫外光照射工程にて紫外光が照射されることによって凹凸が形成される。凹凸を有するプラズマ重合膜は、液晶分子に対する配向規制力を有するため、本発明の配向膜の形成方法によれば、配向膜を形成することができる。
このような本発明の配向膜の形成方法によれば、蒸着源を必要とせずに基板上に配向膜を形成することができる。したがって、蒸着源と基板との距離を確保することによって生じる成膜速度の低下及び装置サイズの大型化を抑制することができる。
したがって、本発明の配向膜の形成方法によれば、成膜速度の向上及び装置サイズの小型化が可能となる。
このような本発明の配向膜の形成方法によれば、蒸着源を必要とせずに基板上に配向膜を形成することができる。したがって、蒸着源と基板との距離を確保することによって生じる成膜速度の低下及び装置サイズの大型化を抑制することができる。
したがって、本発明の配向膜の形成方法によれば、成膜速度の向上及び装置サイズの小型化が可能となる。
また、本発明の配向膜の形成方法においては、上記紫外光照射工程は、マスクを介して上記紫外光を上記プラズマ重合膜に照射する工程であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、容易に凹凸を形成することが可能となる。また、例えばマスクとしてラインアンドスペースマスクを用いた場合には、プラズマ重合膜に形成される凹凸が、所定方向に延在する複数の溝となる。よって、本発明によれば、当接する液晶分子の配向方向を一様とすることができる配向膜を容易に形成することが可能となる。
このような構成を採用することによって、容易に凹凸を形成することが可能となる。また、例えばマスクとしてラインアンドスペースマスクを用いた場合には、プラズマ重合膜に形成される凹凸が、所定方向に延在する複数の溝となる。よって、本発明によれば、当接する液晶分子の配向方向を一様とすることができる配向膜を容易に形成することが可能となる。
また、本発明の配向膜の形成方法においては、上記紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気は、所望の上記液晶分子のプレチルト角に応じて設定されるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、上記紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気を決定することができる。逆に、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気を調整することによって、任意のプレチルト角を液晶分子に付与する配向膜を形成することができる。
このような構成を採用することによって、上記紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気を決定することができる。逆に、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気を調整することによって、任意のプレチルト角を液晶分子に付与する配向膜を形成することができる。
次に、本発明の液晶装置の製造方法は、互いに配向膜が形成された一対の基板に狭持される液晶層を備える液晶装置の製造方法であって、上記配向膜は、本発明の配向膜の形成方法を用いて形成されることを特徴とする。
本発明の配向膜の形成方法によれば、均一な特性を有する配向膜の成膜速度の向上及び該配向膜の成膜に用いられる装置サイズの小型化が可能となる。
このため、本発明の液晶装置の製造方法によれば、信頼性の高い液晶装置を短時間で製造することができる。
このため、本発明の液晶装置の製造方法によれば、信頼性の高い液晶装置を短時間で製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る配向膜の形成方法及び液晶装置の製造方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態の配向膜の形成方法を用いた液晶装置の製造方法によって製造される液晶装置(以下、本実施形態の液晶装置)が備えるTFTアレイ基板80の平面構成図である。図2は、本実施形態の液晶装置の等価回路図である。図3は、TFTアレイ基板80の画像表示領域を拡大して示す平面構成図である。図4は、図3のA−A’線に沿う液晶装置の断面構成図である。
本実施形態の液晶装置は、図4に示すように、対向配置されたTFTアレイ基板(第1基板)80と、対向基板(第2基板)90との間に液晶層50を挟持した構成を備えたTFTアクティブマトリクス方式の透過型液晶装置である。
図1に示すように、TFTアレイ基板80の中央には画像表示領域101が形成されている。画像表示領域101の周縁部にシール材89が配設されており、かかるシール材89により上記TFTアレイ基板80と対向基板90とを貼り合わせ、上記両基板80,90とシール材89とに囲まれる領域内に液晶層(不図示)が封止される。シール材89の外側には、後述する走査線に走査信号を供給する走査線駆動回路110と、後述するデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動回路120とが実装されている。TFTアレイ基板80の端部には外部回路に接続する複数の接続端子79が設けられており、かかる接続端子79には上記駆動回路110,120から延びる配線が接続されている。シール材89の四隅には上記TFTアレイ基板80と対向基板90とを電気的に接続する基板間導通部70が設けられており、基板間導通部70も配線を介して接続端子79と電気的に接続されている。
図2は、液晶装置の等価回路図である。液晶装置の画像表示領域には、複数のデータ線46aと、データ線46aと交差する方向に延びる複数の走査線43aとが形成されており、隣接する2本のデータ線46aと隣接する2本の走査線43aとに囲まれた矩形状の領域に対応して画素電極49が配置されており、画像表示領域全体では画素電極49が平面視マトリクス状に配列されている。各画素電極49には、画素電極49への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT30が接続されている。TFT30のソースにはデータ線46aが接続されている。各データ線46aには、前述したデータ線駆動回路から画像信号S1、S2、…、Snが供給されるようになっている。
また、TFT30のゲートには走査線43aが接続されている。走査線43aには、前述した走査線駆動回路から所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。一方、TFT30のドレインには画素電極49が接続されている。そして、走査線43aから供給された走査信号G1、G2、…、GmによりTFT30を一定期間だけオンすることで、データ線46aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、画素電極49を介して各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれるようになっている。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極49と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極49と容量線43bとの間に蓄積容量17が付与され、液晶容量と並列に接続されている。
図3は、TFTアレイ基板80の平面構成図である。本実施形態の液晶装置では、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極49(破線49aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。各画素電極49の縦横の境界に沿って、データ線46a、走査線43a及び容量線43bが設けられている。本実施形態では、各画素電極49の形成領域に対応する矩形状の領域が画素の平面領域に対応しており、マトリクス状に配列された画素毎に表示動作が行われるようになっている。
TFT30は、ポリシリコン膜等からなる半導体層41aを備えている。半導体層41aのソース領域(後述)には、コンタクトホール45を介して、データ線46aが接続されている。また、半導体層41aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール48b(48a)を介して、画素電極49が接続されている。一方、半導体層41aにおける走査線43aとの対向部分には、チャネル領域41a’が形成されている。
図4は、液晶装置の断面構造を示す図であり、図3のA−A’線に沿う断面構成図である。図4に示すように、本実施形態の液晶装置60は、TFTアレイ基板80と、これに対向配置された対向基板90と、これらの間に挟持された液晶層50とを備えて構成されている。TFTアレイ基板80は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体80A、及びその内側(液晶層側)に形成されたTFT30や画素電極49、さらにこれを覆う配向膜86などを備えている。一方の対向基板90は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体90A、およびその内側(液晶層側)に形成された共通電極61、さらにこれを覆う配向膜92などを備えている。
基板本体80Aの内面側には、後述する第1遮光膜51aおよび第1層間絶縁膜52が形成されている。第1層間絶縁膜52上に島状の半導体層41aが形成されている。半導体層41aにおける走査線43aとの対向部分にはチャネル領域41a’が形成されており、チャネル領域41a’の両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。TFT30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しており、ソース領域およびドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。チャネル領域41a’側から順に形成された低濃度ソース領域41bと高濃度ソース領域41dとが上記ソース領域を構成し、チャネル領域41a’側から順に形成された低濃度ドレイン領域41cと高濃度ドレイン領域41eとが上記ドレイン領域を構成している。
半導体層41aの表面にゲート絶縁膜42が形成されており、ゲート絶縁膜42上に走査線43aが形成されている。走査線43aのうちチャネル領域41a’との対向部分はTFT30のゲート電極を構成している。ゲート絶縁膜42及び走査線43aを覆って第2層間絶縁膜44が形成されている。第2層間絶縁膜44上にデータ線46a、及びドレイン電極46bが形成されており、データ線46aの一部は第2層間絶縁膜44に貫設されたコンタクトホール45内に埋設されて高濃度ソース領域41dと電気的に接続されている。一方、ドレイン電極46bは、第2層間絶縁膜44に貫設されたコンタクトホール48aを介して半導体層41aの高濃度ドレイン領域41eと電気的に接続されている。
第2層間絶縁膜44、データ線46a、及びドレイン電極46bを覆って第3層間絶縁膜47が形成されている。第3層間絶縁膜47の表面に画素電極49が形成されており、画素電極49は第3層間絶縁膜47を貫通してドレイン電極46bに達する画素コンタクトホール48bを介してドレイン電極46bと電気的に接続されている。かかる構造により、画素電極49とTFT30とが電気的に接続されている。さらに、画素電極49を覆って配向膜86が形成されている。配向膜86には、当接する液晶分子に対して所定方向の配向規制力及びプレチルト角を付与するための微細な溝が形成されている。
半導体層41aを延設して第1蓄積容量電極41fが形成されている。また、ゲート絶縁膜42を延設して誘電体膜が形成されており、かかる領域のゲート絶縁膜42を介して上記第1蓄積容量電極41fと対向する位置に第2蓄積容量電極を成す容量線43bが配置されている。これにより、上記第1蓄積容量電極41fと容量線43bとが平面的に重なる位置に前述の蓄積容量57が形成されている。
また、TFT30の形成領域に対応する基板本体80Aの表面に、第1遮光膜51aが形成されている。第1遮光膜51aは、TFTアレイ基板80の外側からの光が、半導体層41aのチャネル領域41a’、低濃度ソース領域41bおよび低濃度ドレイン領域41cに入射して光リークを生じるのを防止するものである。
また、TFT30の形成領域に対応する基板本体80Aの表面に、第1遮光膜51aが形成されている。第1遮光膜51aは、TFTアレイ基板80の外側からの光が、半導体層41aのチャネル領域41a’、低濃度ソース領域41bおよび低濃度ドレイン領域41cに入射して光リークを生じるのを防止するものである。
一方、対向基板90における基板本体90A上には、第2遮光膜63が形成されている。第2遮光膜63は、対向基板90側からの光が半導体層41aのチャネル領域41a’や低濃度ソース領域41b、低濃度ドレイン領域41c等に入射するのを防止するものであり、平面視において半導体層41aと重なる領域に設けられている。上記第2遮光膜63を覆う対向基板90のほぼ全面にITO等の透明導電材料からなる共通電極61が形成されている。そして、共通電極61を覆って配向膜92が形成されている。配向膜92には、当接する液晶分子に対して所定方向の配向規制力及びプレチルト角を付与するための微細な溝が形成されている。
TFTアレイ基板80と対向基板90との間には、ネマチック液晶等からなる液晶層50が挟持されている。ネマチック液晶分子は、正の誘電率異方性を有するものであり、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向する。またネマチック液晶分子は、正の屈折率異方性を有するものであり、その複屈折と液晶層厚との積(リタデーション)Δndは、例えば約0.40μm(60℃)となっている。TFTアレイ基板80側の配向膜86による配向規制方向と、対向基板90側の配向膜92による配向規制方向とは、約90°ねじれた状態に設定されている。基板本体80A、90Aのそれぞれの外側(液晶層50と反対側)には、偏光板58、68が互いの透過軸を直交させた状態(クロスニコル)で配置されている。従って、本実施形態の液晶装置60は、TNモードで動作し、捻れ配向した液晶の旋光性を利用した白表示と、電圧印加により垂直配向させた液晶の透過性を利用した黒表示との間で階調表示を行うものとなっている。
なお、本液晶装置60をプロジェクタのライトバルブとして用いる場合には、偏光板58、68については、サファイヤガラスや水晶等の高熱伝導率材料からなる支持基板上に装着して、液晶装置60から離間して配置することが望ましい。
なお、本液晶装置60をプロジェクタのライトバルブとして用いる場合には、偏光板58、68については、サファイヤガラスや水晶等の高熱伝導率材料からなる支持基板上に装着して、液晶装置60から離間して配置することが望ましい。
本実施形態の液晶装置60では、配向膜86,92は、プラズマ重合膜に紫外光を照射することによって、液晶分子の配向規制方向を決定する微細な溝となる凹凸が形成されたものである。このような配向膜86,92は、通常のスパッタ成膜にて形成される無機配向膜と比較して、成膜速度が速くかつ小型な成膜装置にて形成することが可能となっており、生産性が高いものとなっている。
したがって、本実施形態の液晶装置60は、従来の液晶装置と同様の品質であれば廉価なものとなる。
したがって、本実施形態の液晶装置60は、従来の液晶装置と同様の品質であれば廉価なものとなる。
次に、このような配向膜の形成方法を含む、本実施形態の液晶装置の製造方法について図5〜図7の模式図を参照して説明する。なお、図5〜図7では、製造工程の説明に直接関係しないTFT30等の図示を省略している。
まず、上述のTFTアレイ基板80の基体である基板本体80A上に、遮光膜51a、TFT30、複数の層間絶縁膜52,44,47、画素電極49等が形成された素子基板80aを用意する(図4参照)。かかる素子基板80aの製造に際しては、公知の製造方法が適用できるため、ここでは詳細な説明は省略する。素子基板80aの最上層には、図5(a)に示すように、画素コンタクトホール48a(図4参照)を介して下層側のドレイン電極46b(図4参照)と電気的に接続される画素電極49がパターン形成されている。
続いて、図5(b)に示すように、画素電極49が露出して形成された素子基板80a上にプラズマ重合膜86aを形成する(プラズマ重合膜形成工程)。
図6は、素子基板80a上に、プラズマ化学気相法を用いてプラズマ重合膜86aを形成するためのプラズマCVD装置100の概略図である。プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置100は、チャンバー111の側面に接続された導管112を有しており、制御バルブ115が設置された導管112を介して、チャンバー111内にアルゴンガス、シリコーン等が導入される。チャンバー111内には、対向する一対の平面電極113,114が上下に設置されている。
そして、下側に設置される平面電極114によって素子基板80aが固定されるとともに、上側に設置される平面電極113に発電機116から電力が供給される。このような状態にて、導管112を介して、アルゴンガス、シリコーンが導入されると、アルゴンプラズマ中で気化したシリコーンが重合反応して素子基板80a上に、下式(1)からなるプラズマ重合膜86aが10nm〜500nm形成される。
このように本実施形態の液晶装置の製造方法(配向膜の形成方法)では、プラズマ化学気相法を用いてプラズマ重合膜86aが形成される。
図6は、素子基板80a上に、プラズマ化学気相法を用いてプラズマ重合膜86aを形成するためのプラズマCVD装置100の概略図である。プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置100は、チャンバー111の側面に接続された導管112を有しており、制御バルブ115が設置された導管112を介して、チャンバー111内にアルゴンガス、シリコーン等が導入される。チャンバー111内には、対向する一対の平面電極113,114が上下に設置されている。
そして、下側に設置される平面電極114によって素子基板80aが固定されるとともに、上側に設置される平面電極113に発電機116から電力が供給される。このような状態にて、導管112を介して、アルゴンガス、シリコーンが導入されると、アルゴンプラズマ中で気化したシリコーンが重合反応して素子基板80a上に、下式(1)からなるプラズマ重合膜86aが10nm〜500nm形成される。
このように本実施形態の液晶装置の製造方法(配向膜の形成方法)では、プラズマ化学気相法を用いてプラズマ重合膜86aが形成される。
続いて、図5(c)に示すように、プラズマ重合膜86aに紫外光を照射することによって凹凸を形成する(紫外光照射工程)。
具体的には、図7に示すような開口部がライン状に複数形成されたラインアンドスペースマスクMを介して、プラズマ重合膜86aが形成された素子基板80aに波長172nmの紫外光を大気雰囲気あるいは酸素雰囲気において照射する。
そして、紫外光が照射されたプラズマ重合膜86aの部位が、紫外光によってCH3の結合が切れるとともに雰囲気中の酸素と反応してシリコン酸化物化する(下式(2)参照)。この結果、紫外光が照射されたプラズマ重合膜86aの部位がシュリンクし、図5(c)に示す凹凸が形成される。
具体的には、図7に示すような開口部がライン状に複数形成されたラインアンドスペースマスクMを介して、プラズマ重合膜86aが形成された素子基板80aに波長172nmの紫外光を大気雰囲気あるいは酸素雰囲気において照射する。
そして、紫外光が照射されたプラズマ重合膜86aの部位が、紫外光によってCH3の結合が切れるとともに雰囲気中の酸素と反応してシリコン酸化物化する(下式(2)参照)。この結果、紫外光が照射されたプラズマ重合膜86aの部位がシュリンクし、図5(c)に示す凹凸が形成される。
このように本実施形態においては、プラズマ化学気相法を用いて素子基板80a上にプラズマ重合膜86aを形成するプラズマ重合膜形成工程と、紫外光を照射することによってプラズマ重合膜86aに凹凸を形成し、これによってプラズマ重合膜86aを配向膜86とする紫外光照射工程とを有し、これらの工程によって配向膜86が形成される。そして、素子基板80a上に配向膜86が形成されたTFTアレイ基板80が形成される。
なお、配向膜86に当接する液晶分子のプレチルト角は、凹凸の深さに依存する。そして、凹凸の深さは、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気によって制御可能である。このため、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気は、配向膜86に当接する液晶分子に対して付与されるプレチルト角に応じて設定されている。
なお、配向膜86に当接する液晶分子のプレチルト角は、凹凸の深さに依存する。そして、凹凸の深さは、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気によって制御可能である。このため、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気は、配向膜86に当接する液晶分子に対して付与されるプレチルト角に応じて設定されている。
また、同様の工程を経て、対向基板90の共通電極61が形成された側の面に、配向膜92が形成される。
そして、TFTアレイ基板80と対向基板90と貼り合せ、TFTアレイ基板80と対向基板との間に液晶を封入することによって液晶層50を形成し、必要な配線を引き回すことによって、互いに配向膜が形成された一対の基板に狭持される液晶層を備える液晶装置が製造される。
そして、TFTアレイ基板80と対向基板90と貼り合せ、TFTアレイ基板80と対向基板との間に液晶を封入することによって液晶層50を形成し、必要な配線を引き回すことによって、互いに配向膜が形成された一対の基板に狭持される液晶層を備える液晶装置が製造される。
以上の説明のように本実施形態の液晶装置の製造方法は、プラズマ化学気相法を用いて基板上にプラズマ重合膜を形成するプラズマ重合膜形成工程と、紫外光を照射することによって上記プラズマ重合膜に凹凸を形成し、これによって上記プラズマ重合膜を上記配向膜とする紫外光照射工程とを有している。
このような液晶装置の製造方法によれば、プラズマ重合膜形成工程において形成されたプラズマ重合膜に、紫外光照射工程にて紫外光が照射されることによって凹凸が形成される。凹凸を有するプラズマ重合膜は、液晶分子に対する配向規制力を有するため、プラズマ重合膜形成工程と紫外光照射工程とによって配向膜86,92を形成することができる。
このため、蒸着源を必要とせずに基板上に配向膜を形成することができる。したがって、蒸着源と基板との距離を確保することによって生じる成膜速度の低下、及び、成膜装置の装置サイズの大型化を抑制することができる。
したがって、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、成膜速度の向上及び装置サイズの小型化が可能となる。
また、本実施形態の液晶装置の製造方法において用いられる成膜装置は、従来の無機配向膜の成膜装置のように原料の入射角を制御する必要がないため、装置の簡便化が容易となる。
このような液晶装置の製造方法によれば、プラズマ重合膜形成工程において形成されたプラズマ重合膜に、紫外光照射工程にて紫外光が照射されることによって凹凸が形成される。凹凸を有するプラズマ重合膜は、液晶分子に対する配向規制力を有するため、プラズマ重合膜形成工程と紫外光照射工程とによって配向膜86,92を形成することができる。
このため、蒸着源を必要とせずに基板上に配向膜を形成することができる。したがって、蒸着源と基板との距離を確保することによって生じる成膜速度の低下、及び、成膜装置の装置サイズの大型化を抑制することができる。
したがって、本実施形態の液晶装置の製造方法によれば、成膜速度の向上及び装置サイズの小型化が可能となる。
また、本実施形態の液晶装置の製造方法において用いられる成膜装置は、従来の無機配向膜の成膜装置のように原料の入射角を制御する必要がないため、装置の簡便化が容易となる。
また、本実施形態の液晶装置の製造方法においては、紫外光照射工程にて図7に示すようなラインアンドスペースマスクを介して紫外光を上記プラズマ重合膜に照射する。このため、プラズマ重合膜に形成される凹凸が、所定方向に延在する複数の溝となる。よって、当接する液晶分子の配向方向を一様とすることができる配向膜を容易に形成することが可能となる。
また、本実施形態の液晶装置の製造方法においては、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気は、所望の上記液晶分子のプレチルト角に応じて設定される。逆に、紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気を調整することによって、任意のプレチルト角を液晶分子に付与する配向膜を形成することができる。
次に、本実施形態の液晶装置の製造方法によって製造された液晶装置を備えるプロジェクタの一実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、前述した実施形態の液晶装置を光変調手段として備えたものである。
図8において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
前述したプロジェクタは、上記の液晶装置を光変調手段として備えている。この液晶装置は、前述したように、従来の液晶装置と同様の品質であれば廉価なものとなる。このため、このプロジェクタ自体も従来のプロジェクタと同様の品質であれば廉価なものとなる。
なお、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上記実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を備えた液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、上記実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、反射型液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、上記実施形態ではTN(Twisted Nematic)モードで機能する液晶装置を例にして説明したが、VA(Vertical Alignment)モードで機能する液晶装置に本発明を適用することも可能である。また、実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
また、本発明の液晶装置の製造方法によって製造せれた液晶装置を、プロジェクタ以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、前述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
60……液晶装置、80……TFTアレイ基板(基板)、90……対向基板(基板)、86,92……配向膜、86a……プラズマ重合膜、M……ラインアンドスペースマスク
Claims (4)
- 液晶分子を配向する配向膜の形成方法であって、
プラズマ化学気相法を用いて基板上にプラズマ重合膜を形成するプラズマ重合膜形成工程と、
紫外光を照射することによって前記プラズマ重合膜に凹凸を形成し、これによって前記プラズマ重合膜を前記配向膜とする紫外光照射工程と
を有することを特徴とする配向膜の形成方法。 - 前記紫外光照射工程は、マスクを介して前記紫外光を前記プラズマ重合膜に照射する工程であることを特徴とする請求項1記載の配向膜の形成方法。
- 前記紫外光照射工程における紫外光の照射時間、光量及び雰囲気は、所望の前記液晶分子のプレチルト角に応じて設定されることを特徴とする請求項1または2記載の配向膜の形成方法。
- 互いに配向膜が形成された一対の基板に狭持される液晶層を備える液晶装置の製造方法であって、
前記配向膜は、請求項1〜3いずれかに記載の配向膜の形成方法を用いて形成されることを特徴とする液晶装置の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2007003241A JP2008170678A (ja) | 2007-01-11 | 2007-01-11 | 配向膜の形成方法及び液晶装置の製造方法 |
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CN113406827A (zh) * | 2013-08-19 | 2021-09-17 | 罗利克有限公司 | 可光配向的物体 |
-
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