JP4711652B2 - 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

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本発明は、眼鏡用プラスチックレンズの製造方法に関し、特に、外観上正常なレンズと見分けが付かない不良なレンズを、出荷前に簡便に発見することができる眼鏡用プラスチックレンズの製造方法に関するものである。
近年、プラスチック製レンズは、無機ガラス製レンズに比べて軽量性、安全性という特性を有するため広く利用されるようになってきている。特に、眼鏡用レンズにおいてはジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(以下、「CR−39樹脂」という)が主流であった。しかしながら、この樹脂は屈折率が1.50程度と低く、ガラスレンズと比較するとレンズが厚くなると言う欠点があり、プラスチックレンズの高屈折率化の提案が種々なされている(例えば、特許文献1及び2)。特許文献1に記載されている、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させて得られるポリチオウレタン樹脂や、特許文献2に記載されているエピチオ基を有する化合物と、ポリチオール化合物と、ポリイソシアナート化合物とを重合させてなるプラスチックレンズは屈折率が高くアッベ数も大きいことから広く利用されるようになってきている。
しかし、これに伴い、製造工程では主成分として2種以上のモノマーを組み合わせた組成物を用いることが多くなり、調合工程は従来のCR−39樹脂よりも複雑化してきている。このことは調合トラブルを生じる誘因となっており、例えば、原料の秤量や調合タンクへの投入時の人為的なミス、自動調合システムにおけるコンピューターへの入力ミス、又はコンピューターの誤作動等が考えられる。このような場合にも、時として後工程に問題がなく、外見上正常レンズと見分けがつかないレンズができてしまうことがある。しかし、このようなレンズは機械的強度や耐熱性といった基本物性が正常レンズよりも著しく劣っており、本来の物性規格を満足しないのが常である。製造工程においてはこのような調合トラブルによるレンズが製品として出荷されることがない様な検査体制を組むことが重要になっている。
特開平7−316250号公報 特開2001−330701号公報
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、製造工程のトラブルによって発生する外見上正常レンズと見分けのつかない不良レンズを、特別な分析装置を用いることなく、出荷前に見つけ出すための簡便な眼鏡用プラスチックレンズの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物を含む組成物を反応させて得られるプラスチックレンズには眼鏡用レンズとして好ましい組成範囲が存在することを見出した。本発明者はこれら好ましい組成範囲を逸脱した組成物から得られたレンズと、好ましい組成範囲内の組成物から得られたレンズとでは、染色濃度が異なることに着目し、本発明の製造方法を完成させた。前記組成物から得られるプラスチックレンズ(ポリチオウレタンレンズ)の場合、好ましい組成範囲を逸脱した組成物から得られた不良レンズは、好ましい組成範囲内の組成物から得られた正常レンズよりも一定染色条件下で常に高濃度に染色されるのである。従って、正常レンズよりも一定の有意差をもって高濃度に染色されるレンズは、好ましい組成範囲を逸脱した組成物から得られたレンズと判断できるのである。これらより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と少なくとも1種のポリチオール化合物とを含む組成物を準備する工程と、該組成物を複数のレンズ型に注入し、該複数のレンズ型を同一重合炉に入れる工程と、該組成物を重合して複数の眼鏡用プラスチックレンズを得る工程と、重合して得られた前記複数の眼鏡用プラスチックレンズのうち、任意の枚数のレンズを取り出して水浴中で染色し、その任意の枚数のレンズの染色濃度により、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの全てが、所望の物性を有しているか否を判定する検査工程とを有する眼鏡用プラスチックレンズの製造方法を提供するものである。
本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法によると、特別な分析装置を用いることがなく簡便な方法で、外観上正常なレンズと見分けが付かない不良なレンズを出荷前に発見することができる。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法は、少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と少なくとも1種のポリチオール化合物とを含む組成物を準備する工程と、該組成物を複数のレンズ型に注入し、該複数のレンズ型を同一重合炉に入れる工程と、該組成物を重合して複数の眼鏡用プラスチックレンズを得る工程と、重合して得られた前記複数の眼鏡用プラスチックレンズのうち、任意の枚数のレンズを取り出して水浴中で染色し、その任意の枚数のレンズの染色濃度により、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの全てが、所望の物性を有しているか否を判定する検査工程とを有する。
本発明の製造方法での組成物を準備する工程において、レンズの原料となる組成物に含有されるポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物は、特に限定はされない。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−キシシレンジイソシアネート、イソフォロンイソシアネート等が挙げられ、ポリチオール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトメチルジチアン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン等が挙げられる。
これらの中でも、特に、ポリイソシアネート化合物がビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンであって、ポリチオール化合物がペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)及び/又はジメルカプトメチルジチアンであると好ましい。
前記組成物は、必要に応じ、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物以外の成分として、通常、眼鏡用プラスチックレンズの添加物として用いられる物質を含んでいても良く、例えば、エピチオ基を有する化合物等が挙げられる。
前記組成物におけるポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物の割合は、ポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物のみからなる場合にはNCO基/SH基のモル比は通常0.9〜1.2の範囲であり、好ましくは0.98〜1.05の範囲である。NCO基/SH基のモル比が0.9以上であれば未反応のSH基が残らず、組成物が十分硬化し、耐熱性、耐湿性、耐光性に優れた樹脂が得られ、NCO基/SH基の比率が1.2以下であれば未反応のNCO基が残らず耐熱性、耐湿性、耐光性に優れた樹脂が得られ、未反応のNCO基を減らすために反応温度を上げる必要もなく、着色等の欠点が見られず、プラスチックレンズ材料として好ましい。
また、前記組成物がポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物以外のモノマー成分を含む場合は、プラスチックレンズ材料として好ましい組成はさらに複雑になってくる。しかし、この場合も前記組成物がポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物だけからなる場合と同様に好ましい組成範囲が存在し、いずれの場合も製造工程においてあらかじめ設定された好ましい組成範囲に調合された組成物を反応させてレンズを製造する必要がある。
万一、原料の秤量や調合タンクへの投入時の人為的なミス、自動調合システムにおけるコンピューターへの入力ミス、又はコンピューターの誤作動等の何らかの製造上のトラブルにより好ましい組成範囲を逸脱した組成からレンズを製造してしまった場合には、基本物性が低下し本来のレンズ性能が得られないが、本発明においては、以下に説明する検査工程で製造上のトラブルによる異常ロットを簡単に発見することができる。
本発明の製造方法における、前記組成物を複数のレンズ型に注入し、該複数のレンズ型を同一重合炉に入れる工程、及び前記組成物を重合して複数の眼鏡用プラスチックレンズを得る工程は、通常の眼鏡用のプラスチックレンズの製造工程と同様に行えば良く、特に限定されるものではない。
次に、本発明の製造方法における、前記重合工程で得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの検査工程について説明する。
本発明の検査工程において、あらかじめ眼鏡用プラスチックレンズを染色するために、染料分散浴を調製する。この染料分散浴は、水の中に、例えば染料濃度が0.1〜5重量%程度になるように、所定の割合の分散染料とキャリアを添加し、さらに必要に応じ、従来分散染料による染色において慣用されている公知の分散剤を適宜添加することにより、調製することができる。次に、このようにして調製された染料分散浴を70〜100℃程度に加熱し、この浴中に前記の眼鏡用プラスチックレンズを、10分ないし5時間程度浸漬することにより、所定濃度に染色した眼鏡用プラスチックレンズが得られる。これらの染色条件を一定に保つことで、好ましい組成範囲の組成物から正常に製造された眼鏡用プラスチックレンズは、常に一定の範囲の濃度に染色されることになる。
前記検査方法において、染料としては分散染料が用いられると好ましい。この分散染料は水に難溶であるが、分散剤としての界面活性剤を加えることで一部が溶解し、レンズ内部へ分散していくことで眼鏡用プラスチックレンズが染色される。分散染料の種類としては、アゾ系、アントラキノン系及びニトロアリルアミン系等が挙げられる。アゾ系及びニトロアリルアミン系のものは、主として黄色、橙色、赤色系であり、アントラキノン系は青色、紫色系のものが多い。
前記分散染料の代表的な例としては、以下に示すものが挙げられる。
(1)青色系染料:
ダイヤニックス ブルーAC−E、ダイヤニックス ブルーRNE(C.I.ディスパースブルー91)、ダイヤニックス ブルーGRE(C.I.ディスパースブルー81)、スミカロン ブルーE−R(C.I.ディスパースブルー91)、カヤロン ポリエステルブルーGR−E(C.I.ディスパースブルー81)
(2)赤色系染料:
ダイヤニックス レッドAC−E、ダイヤシェルトン ファストレッドR(C.I.ディスパースレッド17)、ダイヤシェルトン ファストスカーレットR(C.I.ディスパースレッド7)、ダイヤシェルトン ファストピンクR(C.I.ディスパースレッド4)、スミカロン ルビンSE−RPD、カヤロン ポリエステルルビンGL−SE200(C.I.ディスパースレッド73)
(3)黄色系染料:
ダイヤニックス イエローAC−E、ダイヤニックス イエローYL−SE(C.I.ディスパースイエロー42)、スミカロン イエローSE−RPD、ダイヤシェルトン ファストイエローGL(C.I.ディスパースイエロー33)、カヤロン ファストイエローGL(C.I.ディスパースイエロー33)、カヤロン マイクロエステルイエローAQ−LE
(4)橙色系染料:
ダイヤニックス オレンジB−SE200(C.I.ディスパースオレンジ13)、ダイヤシェルトン ファストオレンジGL(C.I.ディスパースオレンジ3)、ミケトン ポリエステルオレンジB(C.I.ディスパースオレンジ13)、スミカロン オレンジSE−RPD、スミカロン オレンジSE−B(C.I.ディスパースオレンジ13)
(5)紫色系染料:
ダイヤニックス ヴァイオレット5R−SE(C.I.ディスパースヴァイオレット56)、スミカロン ヴァイオレットE−2RL(C.I.ディスパースヴァイオレット28)
これらの分散染料は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の検査工程において、分散染料のキャリアとしては、より高い染色濃度を得るために、例えば、オルソフェニルフェノール、パラフェニルフェノール、トリクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、メチルナフタレン、各種ベンゾフェノン系化合物等の芳香族炭化水素、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、テトラクロロベンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、モノクロロナフタレン、各種ポリクロロナフタレン等のハロゲン化芳香族炭化水素を用いても良い。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
前記分散染料とキャリアの使用割合については特に制限はなく、染色すべき眼鏡用プラスチックレンズや分散染料の種類などに応じて適宜選定すれば良いが、一般的には、分散染料100重量部に対し、通常キャリアが1〜500重量部、好ましくは20〜200重量部の割合で用いられる。
染色濃度とはレンズカラーの濃さを表す数値であり、本発明の検査工程において、前記染色濃度は、下記式(I)
染色濃度(%)=100(%)−所定波長での光線透過率(%) (I)
で決定され、式中の所定波長としては、通常380nm〜780nmであり、550nmであると好ましい。
所望の染色濃度を設定し、その許容しうる染色濃度の範囲をあらかじめ設定しておき、重合して得られた前記複数の眼鏡用プラスチックレンズから取り出して染色した任意の枚数のレンズの全てが前記染色濃度の範囲を満たすことにより、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの全てが、所望の物性を有していると判定でき、もし、前記染色濃度の範囲を満たさないものがあれば、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズに所望の物性を有していないと判定できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)眼鏡用プラスチックレンズの製造
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)97重量部に室温で、触媒としてジメチル錫ジクロリド0.01重量部を混合撹拌して混合液を得た。
この混合液にペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)(PETMA)54重量部及びジメルカプトメチルジチアン(DMMD)53重量部、並びにジブトキシエチルアシッドフォスフェート及びブトキシエチルアシッドフォスフェートの混合物0.10重量部を添加して十分混合し組成物を調製した。
次に、この組成物を5mmHg下で脱気した後、ガラス型と軟質プラスチック製ガスケットよりなるレンズ型中に注入し、次いで熱風循環式重合炉に入れた。混合物注入レンズ型を30℃から120℃まで24時間かけて昇温し、120℃にて3時間加熱した後、レンズ型を重合炉から出し、レンズ型からプラスチックレンズを取り出した。このレンズを正常組成レンズ1とする。
同時にH6XDIをそれぞれ101.85重量部(NCO5モル%過剰)、106.7重量部(NCO10モル%過剰)、111.55重量部(NCO15モル%過剰)、116.4重量部(NCO20モル%過剰)に変化させた以外は同様にしてプラスチックレンズを作製した。これらのレンズを、それぞれNCO5モル%過剰レンズ1、NCO10モル%過剰レンズ1、NCO15%過剰レンズ1、NCO20モル%過剰レンズ1とする。
さらに、PETMA及びDMMDを、それぞれ56.7重量部及び55.65重量部(SH5モル%過剰)、59.4重量部及び58.3重量部(SH10モル%過剰)、62.1重量部及び60.95重量部(SH15モル%過剰)、64.8重量部及び63.6重量部(SH20モル%過剰)に変化させた以外は同様にしてプラスチックレンズを作製した。これらレンズを、それぞれSH5モル%過剰レンズ1、SH10モル%過剰レンズ1、SH15モル%過剰レンズ1、SH20モル%過剰レンズ1とする。
以上で作製した全てのプラスチックレンズはすべて無色透明であり、外観上見分けることができないものであった。
(2)眼鏡用プラスチックレンズの染色
(染色液の調製)分散染料としてアリアーテローズグレー(HOYA(株)製)を20gと界面活性剤として非イオン系のニッカサンソルト7000(日華化学(株)製)8ccを4リットルの水に添加し、90℃に加熱して4時間保温し染料液とした。ついで、予め1リットルの水に、キャリアとして2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを10gとニッカサンソルト7000を40g添加し、90℃に30分間保温した溶液の上澄み液を400ミリリットル量り取り、前記染料液に添加して染色液を得た。
(染色)90℃に加温された前記染色液に、(1)で得られた全ての前記プラスチックレンズを30分間浸漬して染色されたプラスチックレンズを得た。これらレンズの550nmにおける光線透過率を測定し、前記式(I)により染色濃度を算出した結果を表1に示す。
(3)眼鏡用プラスチックレンズの耐熱性測定
(1)で作製したプラスチックレンズと同時に作製した同仕様のプラスチックレンズの耐熱性(耐熱温度)を(株)リガク製TMA8140を用いて測定した。耐熱性テストは、ピン径0.5mm、荷重10g、昇温速度10℃/分で変位勾配がプラスからマイナスに転じた点を耐熱温度とした。測定結果を表1に示す。
表1に示したように、H6XDI(NCO基)の過剰組成、PETMA及びDMMD(SH基)の過剰組成では、正常組成レンズ1を頂点として著しく耐熱性が低下した。
(4)眼鏡用プラスチックレンズ製造の再現性試験
(1)と同様にして組成物を調製し、正常組成レンズ1の作製を30回行い、サンプル1〜30とし、それぞれ(2)及び(3)と同様にして染色濃度及び耐熱温度を測定した。これらの結果を表2に示す。
表2に示したように、染色濃度は52±2%の範囲で推移しており、このときの耐熱温度は118±2℃と極めて安定していた。
このように、表2に記載のサンプルのうち、任意の枚数をピックアップして、染色濃度を測定、算出すれば、その任意の枚数全てが52±2%の範囲にあり、30のサンプル全てが所望の物性である耐熱温度118±2℃の範囲である。
Figure 0004711652
Figure 0004711652
以上のように耐熱性といった眼鏡用プラスチックレンズとしての基本物性は正常組成で最高の性能となるが、組成がずれることによって著しく低下するため、染色濃度を確認する検査工程を設けることによってモノマー原料の調合工程で組成のずれが生じたかどうか分かる。また、この方法は再現性にも優れ、染色濃度が安定していれば基本物性も安定していることが分かる。ここで染色濃度の正常範囲を52±2%に設定し、これを管理すれば直接測定を行わなくても製造したレンズの耐熱性は安定していると判断できる。
本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法によると、特別な分析装置を用いることがなく簡便な方法で、外観上正常なレンズと見分けが付かない不良なレンズを出荷前に発見することができるため、製造工程での物性管理方法として極めて有用である。

Claims (3)

  1. 少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と少なくとも1種のポリチオール化合物とを含む組成物を準備する工程と、該組成物を複数のレンズ型に注入し、該複数のレンズ型を同一重合炉に入れる工程と、該組成物を重合して複数の眼鏡用プラスチックレンズを得る工程と、重合して得られた前記複数の眼鏡用プラスチックレンズのうち、任意の枚数のレンズを取り出して水浴中で染色し、その任意の枚数のレンズの染色濃度により、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの全てが、所望の耐熱温度を有しているか否を判定する検査工程とを有する眼鏡用プラスチックレンズの製造方法であって、
    前記検査工程において、染色濃度の範囲をあらかじめ設定して、その範囲内であるか否かにより、重合して得られた複数の眼鏡用プラスチックレンズの全てが、所望の耐熱温度を有しているか否を判定する眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  2. 前記組成物におけるポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物との割合が、前記組成物がポリイソシアネート化合物とポリチオール化合物のみからなる場合にはNCO基/SH基のモル比で0.9〜1.2である請求項1に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  3. 前記ポリイソシアネート化合物が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンであり、前記ポリチオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)及び/又はジメルカプトメチルジチアンである請求項1又は2に記載の眼鏡用プラスチックレンズレンズの製造方法。
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