JP4709956B2 - 人工半月板 - Google Patents

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Description

この発明は、生体内の中でも最も過酷な力学環境下にある関節間に長期間配されても、適度な力学強度を維持し、かつ、変形性関節症の発症の恐れもない人工半月板に関する。
膝関節は、その関節表面形状や関節運動の自由度の特性より、最も過酷な力学環境下での機能が要求されている。その荷重伝達や衝撃吸収などの重要な機能を担っているのが半月板である。
半月板は、大腿骨と脛骨の間に存在し、大腿から受ける荷重を分散して衝撃を吸収する作用と膝関節の安定性や円滑な運動をもたらす役割を担っている。半月板は、線維軟骨とコラーゲンから形成されており、周辺の関節包より血行をもらい、関節液から栄養を受けている。
この半月板の損傷や変性等に関わる半月障害の治療では、その力学的機能の修復が重要である。ここで、修復可能な障害に対しては、保存的治療(ギブス固定や装具療法等)や手術的治療(縫合術や切除術)が施されるが、修復不能な障害に対しては、半月板は再生しないため、欧米で報告されている同種半月板移植や、近年注目を集めている再生医療(半月板から培養した細胞を利用して半月板を埋めて再生する半月板再生手段)が提案されている。しかしながら、半月板移植に関しては、我が国においては半月板を入手することは非常に困難であり、また、再生医療に関しても、現時点では未だ実用化に至っておらず、かつ、再生に至るまでの時間とコストが非常に大きくなることが予想される。
そのため、人工半月板の出現が非常に期待されているが、前記のように、関節と関節の間は、生体内の中でも最も過酷な力学環境下にあるため、このような過酷な環境に耐え得る素材は、現状では存在していない。加えて、生体内で長期適用した場合、適度な力学特性が長期に亘って維持されなくてはならないという問題と、更には、変形性関節症の誘起してはならないという問題がある。したがって、本発明は、一義的には、現実に使用可能な人工半月板をはじめて提供すると共に、副次的には、生体内で長期適用した場合、適度な力学特性が長期に亘って維持され、かつ、変形性関節症を誘起しない人工半月板を提供することを目的とする。
本発明(1)は、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板である。
本発明(2)は、該ハイドロゲルを構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体、或いは/並びに、天然高分子又はその架橋体である、前記発明(1)の人工半月板である。
本発明(3)は、電荷を有する不飽和モノマーが、酸性基及び/又は塩基性基を有する不飽和モノマーである、前記発明(2)の人工半月板である。
本発明(4)は、酸性基が、カルボキシル基、リン酸基又はスルホン酸基或いはそれらの基の塩である、前記発明(3)の人工半月板である。
本発明(5)は、酸性基を有する不飽和モノマーが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの塩である、前記発明(3)の人工半月板である。
本発明(6)は、電気的に中性である不飽和モノマーが、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチル−アクリルアミド、ビニルピリジン、スチレン、メチルメタクリレート、フッ素含有不飽和モノマー(例えば、トリフルオロエチルアクリレート)、ヒドロキシエチルアクリレート又は酢酸ビニルである、前記発明(2)〜(5)のいずれか一つの人工半月板である。
本発明(7)は、該ハイドロゲルが金属イオンを含み、かつ、該ハイドロゲルを構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、該金属イオンと錯体を形成しうる基を有する、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの人工半月板である。
本発明(8)は、天然高分子が、バクテリアセルロース又は電荷を有する天然高分子である、前記発明(2)〜(7)の一つの人工半月板である。
本発明(9)は、電荷を有する天然高分子が、ゼラチン、コラーゲン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、カラギーナン、キトサン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン及びアグリカン並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される、前記発明(8)の人工半月板である。
本発明(10)は、該ハイドロゲルが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を原料モノマーとする網目構造と、アクリルアミドを原料とする網目構造とから構成されているか;バクテリアセルロースからなる網目構造と、N,N−ジメチル−アクリルアミドを原料モノマーとする網目構造とから構成されているか、又は;バクテリアセルロースからなる網目構造と、ゼラチンからなる網目構造とから構成されている、前記発明(1)の人工半月板である。
本発明(11)は、ハイドロゲルを構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体である、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板の製造方法であって、
第一のモノマー成分(ここで、該成分の10モル%以上が、電荷を有する不飽和モノマーである)を溶媒存在下で重合し架橋することにより第一の網目構造を形成させる第一工程と、
第一の網目構造中に第二のモノマー成分(ここで、該成分の60モル%以上が、電気的に中性である不飽和モノマーである)を導入した後、第二のモノマー成分を溶媒存在下で重合することにより、第一の網目構造中にポリマーを形成させる工程か、場合により更に架橋することにより、第一の網目構造中に第二の網目構造を形成させる第二工程(ここで、第二のモノマー成分を重合し架橋する場合には、第一のモノマー成分を重合し架橋する場合よりも架橋度を小さく設定する)とを含む方法(ここで、第一のモノマー成分量:第二のモノマー成分量が、モル比で1:2〜1:100である)である。
本発明(12)は、第一のモノマー成分に対して架橋剤を0.1〜50mol%の量で用い、第二のモノマー成分に対して架橋剤を0.001〜20mol%の量で用いる、前記発明(11)の製造方法である。
本発明(13)は、第一工程及び/又は第二工程における重合及び/又は架橋が、水溶液下で行われる、前記発明(11)又は(12)の製造方法である。
本発明(14)は、バクテリアセルロースの網目構造を含む、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板の製造方法であって、
電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体或いは天然高分子又はその架橋体が入った培地中で菌を培養することにより、バクテリアセルロースを生産させる工程;
バクテリアセルロース中に、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーを導入した後、該モノマー成分を溶媒存在下で重合することにより、第一の網目構造中にポリマーを形成させる工程か、場合により更に架橋することにより、バクテリアセルロース中に更に網目構造を形成させる工程;或いは
電荷を有する天然高分子を含む溶液をバクテリアセルロースに含浸させ、バクテリアセルロース中に電荷を有する天然高分子を取り込ませる工程
を含む方法である。
本発明に係る人工半月板は、生体内で長期適用した場合、適度な力学特性が長期に亘って維持され、かつ、変形性関節症をも誘起しないという作用を奏する。したがって、本発明に係る人工半月板は、失われた半月板の補てつに有用であり、更には、半月板が失われた状態が長期間続くことに起因する変形性関節症を防止することができると共に、既に変形関節症を発症している場合についても、その症状の緩和乃至は治癒が期待される。尚、本発明に係る人工半月板が、なぜゆえに長期間にわたり、実際の半月板と遜色ない作用を奏するかは定かではないが、半月板に求められる機能である、1)関節軟骨の衝撃吸収、2)関節安定性の寄与、3)関節軟骨への栄養付与、4)関節不適合の補形、5)潤滑の補助、のいずれか又は組み合わせ或いはすべての機能を本発明に係る人工半月板が有すると推定される。
まず、本明細書中の用語の意義につき説明する。「第一の網目構造」とは、製造に際し最初に形成される網目構造を指し、「第二の網目構造」とは、第一の網目構造が形成された後に形成される網目構造を指し、「第一のモノマー成分」とは、第一の網目構造の原料を指し、「第二のモノマー成分」とは、第二の網目構造の原料(相互侵入網目構造の場合)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造の場合)を指す。「架橋度」とは、モノマーの仕込みモル濃度に対する架橋剤のモル濃度の比をパーセントで表した値をいう。なお、実際には、重合に関与しなかったモノマーや架橋に関与しなかった架橋剤も僅かにある場合があるが、この際も、本明細書におけるゲルの架橋度は、前記の通りとする。「水不溶性モノマー」とは、常温常圧下で、水100mlに1g投入したときの溶解量が0.1g以下であるようなモノマーを指す。また、「水溶性モノマー」とは、常温常圧下で、前記値を超えるようなモノマーを指す。「膨潤度」(q)とは、以下の式で求められる値をいう:膨潤度=膨潤させたゲルの重量(Ww)/乾燥ゲルの重量(WD)。「初期弾性率」とは、圧縮(引張)歪みが0〜5%の範囲においての圧縮(引張)応力と圧縮(引張)歪み曲線の傾きから求めたものを指す。「圧縮破断応力」とは、(圧縮破断時の力/元の断面積)の式で算出され、また、「圧縮破断歪」とは、(元の長さ−圧縮破断時の長さ)/元の長さ×100%の式で算出される。「引張破断応力」とは、(引張破断時の力/元の断面積)の式で算出され、また、「引張破断歪」とは、(引張破断時の長さ−元の長さ)/元の長さ×100%の式で算出される。「半月板」とは、狭義の半月板(生体内に実際に存在する半月形状)に限定されず、関節軟骨間に挿入可能で半月板として機能しうる一切の形状を包含する概念である。
本発明は、相互侵入網目構造又はセミ相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板である。以下、本発明の構成要件につき説明する。
「相互侵入網目構造」とは、ベースとなる網目構造に、他の網目構造が、全体において均一に絡みついており、結果として内部に複数の網目構造を形成している状態をいう。例えば、この種の樹脂は、図1に示すように、複数の架橋点1を有する第一の網目構造Aと、複数の架橋点2を有する第二の網目構造Bとから構成され、これら第一の網目構造Aと第二の網目構造Bが、互いに網目を介して物理的に絡まり合っている。尚、この図は、吸水性樹脂が水を吸収した結果得られる、網目構造中に溶媒(水)を含有しているゲルの概念図である。
「セミ相互侵入網目構造」とは、ベースとなる網目構造に、直鎖状ポリマーが、全体において均一に絡みついており、結果として内部に複数の網目構造を形成している状態をいう。例えば、この種の樹脂は、図2に示すように、複数の架橋点3を有する第一の網目構造Cと、直鎖状ポリマーDとから構成され、これら第一の網目構造Cと直鎖状ポリマーDが、互いに網目を介して物理的に絡まり合っている。
なお、図1及び図2において、第一の網目構造A及びCを、第二の網目構造B及び直鎖状ポリマーDより太く描いたが、これは、便宜的に太さを変えて描いたものである。また、「相互侵入網目構造」及び「セミ相互侵入網目構造」は、ダブルネットワーク型のみでなく、三重や四重以上の網目構造を有する態様をも含む概念である。
セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造を構成する直鎖状ポリマー又は網目構造は、好適には、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体、或いは/並びに、天然高分子又はその架橋体である。以下ではまず、本発明に係る人工半月板を製造するための好適な原料である、電荷を有する不飽和モノマー、電気的に中性である不飽和モノマー及び天然高分子につき説明する。
電荷を有する不飽和モノマーとしては、好適には、酸性基(例えば、カルボキシル基、リン酸基及びスルホン酸基)や塩基性基(例えば、アミノ基)を有する不飽和モノマーを、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの塩を挙げることができる。
電気的に中性である不飽和モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチル−アクリルアミド、ビニルピリジン、スチレン、メチルメタクリレート、フッ素含有不飽和モノマー(例えば、トリフルオロエチルアクリレート)、ヒドロキシエチルアクリレート又は酢酸ビニルを挙げることができる。
天然高分子としては、バクテリアセルロースや電荷を有する天然高分子を挙げることができる。ここで、「バクテリアセルロース」(以下、BCと省略する場合がある)とは、微生物により産生された、セルロース、セルロースを主鎖としたヘテロ多糖、β−1,3−、β−1,2等のグルカンのいずれか又はこれらの混合物である。なお、ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭糖及び有機酸等である。ここで、バクテリアセルロースを産生する微生物は、特に限定されないが、グルコンアセトバクター・キシリナム・サブスピーシス・キシリナムATCC−53582{Gluconacetobacter xylinus subsp. xylinus (Yamada)}、アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナムATCC−10821(Acetobactoracetisubsp xylinum)、同パストウリアン(A.pasteurium)、同ランセンス(A.rancens)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌等で、バクテリアセルロースを産生するものを利用することができる。また、「電荷を有する天然高分子」とは、電荷を有するタンパク質や多糖類等を指す。具体的には、タンパク質としては、ゼラチンやコラーゲン等を、また、多糖類としては、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、カラギーナン、キトサンやヒアルロン酸等を挙げることができる。また、糖とタンパク質の共有結合化合物である糖タンパク質をも含み、例えば、このような糖タンパク質として、プロテオグリカン、アグリカンを挙げることができる。
次に、ハイドロゲルにおける、第一の網目構造と第二の網目構造との関係(相互侵入網目構造の場合)及び第一の網目構造と直鎖状ポリマーとの関係(セミ相互侵入網目構造の場合)につき、好適な態様毎に説明する。
まず、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造を構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体である場合(以下、「第一の好適な態様」という。)につき説明する。この態様の好適な第一の特徴は、第一のモノマー成分の10モル%以上が、電荷を有する不飽和モノマーであり、第二のモノマー成分の60モル%以上が、電気的に中性である不飽和モノマーである点にある。即ち、このような構成を採ることにより、第一の網目構造{第一のモノマー成分を重合し架橋することにより形成された、電荷を有する基(例えば、カルボキシル基)が一定量以上存在している網目構造}中に、電気的に中性である不飽和モノマーを多量に導入することが可能となる。即ち、使用するモノマーの種類及び量並びに使用順序が非常に重要なのである。
第一のモノマー成分中の電荷を有する不飽和モノマーの量は、第一のモノマー成分に対し10モル%以上であり、より好適には30モル%、最も好適には100モル%である。また、第二のモノマー成分中の電気的に中性である不飽和モノマーの量は、第二のモノマー成分に対し60モル%以上であり、好適には100モル%である。
更に、この態様の好適な第二の特徴は、ハイドロゲル中の第一のモノマー成分量:第二のモノマー成分量が、モル比で1:2〜1:100(好適には1:3〜1:50、より好適には1:3〜1:30)である。このような構成を採ることにより、ハイドロゲルに、これまでにない機械強度等の特性を付与することができる。このような高い比での、電気的に中性である不飽和モノマーの導入は、第一のモノマー成分を重合し架橋することにより、電荷を有する基(例えば、カルボキシル基)が一定量以上存在している網目構造(第一の網目構造)を形成し、その後、電気的に中性である不飽和モノマーを導入することによりはじめて可能となる。尚、ゲル中におけるモノマー量は、各々の網目構造が1種類のモノマーより構成されている場合には、元素分析により決定する。また、2種以上の場合は、元素分析では複雑になり決定できない場合がある。このような場合は、例えば、製造の際に使用したモノマー量から、重合しなかったモノマー量を引くことにより求める。
また、この態様の好適な第三の特徴は、第二のモノマー成分を重合し架橋する場合には、第一のモノマー成分を重合し架橋する場合よりも架橋度を小さく設定することである。即ち、第二の網目構造(第二のモノマー成分を重合し架橋することにより形成される網目構造)の架橋度を、第一の網目構造のそれよりも小さくするというものであり、その最も極端な例が、第二の網目構造の架橋度が0(即ち、第二のモノマー成分を重合するが架橋しない場合)である、セミ相互侵入網目構造のハイドロゲルの形態である。このような構成を採ることにより、ゲルに、これまでにない機械強度等の特性を付与することができる。従来は、第一の網目構造の架橋度が第二の網目構造の架橋度よりも小さいものは存在していたが、このようなゲルには機械強度に問題があった。この態様は、第一の網目構造の架橋度と第二の網目構造の架橋度の関係を逆にしただけで、機械強度を大幅に改善した点で画期的である。
具体的には、第一の網目構造を形成させるために使用する架橋剤の量と、第二の網目構造を形成させるために使用する架橋剤の量を、各々の網目構造の原料モノマーと関連づけて適宜調整する。好適には、第一の網目構造の架橋度が0.1〜50mol%であり、第二の網目構造の架橋度が0.001〜20mol%となるように、より好適には、第一の網目構造の架橋度が1〜20mol%であり、第二の網目構造の架橋度が0.01〜5mol%となるように、最も好適には、第一の網目構造の架橋度が2〜10mol%であり、第二の網目構造の架橋度が0.05〜1mol%となるようにする。特に、ゲルの含水量を小さくしたり(即ち、膨潤度を小さくする)、硬くする(即ち、弾性率を大きくする)には、両方の架橋度を上げるようにすればよい。
以上、この態様の好適な特徴点を三点述べたので、以下では、その他の任意的構成要件について説明する。
まず、第一のモノマー成分に関しては、電荷を有する不飽和モノマーを10モル%以上含む限り特に限定されず、例えば、第二のモノマー成分として必須的に用いられる、電気的に中性である不飽和モノマーを用いてもよい。また、第二のモノマー成分に関しては、電気的に中性である不飽和モノマーを60モル%以上含む限り特に限定されず、例えば、第一のモノマー成分として必須的に用いられる、電荷を有する不飽和モノマーを用いてもよい。例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド(AAm)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、N−イソプロピルアクリルアミド、ビニルピリジン、ヒドロキシエチルアクリレート、酢酸ビニル、ジメチルシロキサン、スチレン(St)、メチルメタクリレート(MMA)、トリフルオロエチルアクリレート(TFE)等を挙げることができる。更には、ジェラン、ヒアルロン酸、カラギーナン、キチン、アルギン酸などの多糖類やゼラチン、コラーゲンなどのタンパク質でもよい。尚、使用する有機モノマーは、第一の網目構造、第二の網目構造(相互侵入網目構造)及び直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造)間で、同一であっても異なっていてもよい。但し、互いに異なる原料を使用すれば、ハイドロゲルは、より高い力学特性を持つようになる。
尚、原料である有機モノマーとして、水不溶性モノマーと水溶性モノマーの両方を用いることが好適である。水不溶性モノマーを一部に使用した際に優れた機械強度を奏する、という新規知見に基づくものである。この際、水不溶性モノマーを、第一の網目構造のためにのみ用いても、第二の網目構造(相互侵入網目構造)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造)のためにのみ用いても、両方のために用いてもよい。また、水不溶性モノマーと水溶性モノマーの比が、9.9:0.1〜0.1:9.9とすることが好適である。特に、第一の網目構造において、水溶性モノマー:水不溶性モノマー=0:100〜1:99、また、第二の網目構造又は直鎖状ポリマーにおいて、水溶性モノマー:水不溶性モノマー=0:100〜10:90と設定することがより好適である。更に、第一の網目構造において、水溶性モノマー:水不溶性モノマー=0:100〜1:99、また、第二の網目構造において、水溶性モノマー:水不溶性モノマー=0:100〜5:95が更に好適である。尚、ゲルの含水量を減少させるためには、疎水性モノマーの含有量を増加させればよい。水不溶性モノマーとしては、例えば、フッ素含有モノマー、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルメチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、3−(ペルフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、フッ化ビニリデン等を挙げることができる。
更に、原料である有機モノマーとして、金属イオンと錯体を形成しうる基を有するモノマーを用い、かつ、その金属イオンをゲル中に導入することにより、ゲル中に錯体を形成させることも好適である。一般に、ゲル中の錯形成の割合、即ち金属導入率を高くすると、ハイドロゲルは、含水量が小さくなり、かつ、機械強度が大きくなる傾向にある。この際、金属イオンと錯体を形成しうる基を有するモノマーを、第一の網目構造のためにのみ用いても、第二の網目構造(相互侵入網目構造)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造)のためにのみ用いても、両方のために用いてもよい。好適な態様は、第一の網目構造において、金属イオンと錯体を形成させたものである。また、金属含有量は、0.03mol/l〜1mol/lが好適であり、0.01mol/l〜0.3mol/lがより好適である。また、好適には、錯体を形成しうる基を有するモノマーの含有量は、第一の網目構造を構成する全モノマー量に対して、10〜100mol%、更に好適には30〜100mol%である。更に、金属イオンと錯体を形成しうる基を有するモノマーの比は、好適には1:1〜1:1000であり、更に好適には1:10〜1:100である。金属イオンとしては、錯体を形成しうる金属イオンであれば特に限定されず、例えば、亜鉛イオン、鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、クロムイオン等を挙げることができる。金属源としては、水に溶解すると金属イオンを生じる、例えば水溶性の金属塩を挙げることができる。また、金属イオンと錯体を形成しうる基とは、選択した金属イオンと錯体を形成しうる基を指し、例えば、金属イオンとして、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、クロム等の多価金属を選択した場合、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を挙げることができる。また、金属イオンと錯体を形成しうる基を含有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、ビニルリン酸を挙げることができる。
第一の好適な態様の具体例は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を原料モノマーとする網目構造と、アクリルアミドを原料とする網目構造とから構成されている、相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板である。
次に、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造を構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、天然高分子、特にバクテリアセルロースの場合(以下、「第二の好適な態様」という。)について説明する。この態様は、一方の網目構造がバクテリアセルロースであり、他方の網目構造(相互侵入網目構造の場合)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造の場合)は、好適には、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体、或いは、天然高分子又はその架橋体である。
第二の好適な態様の具体例は、バクテリアセルロースからなる網目構造と、N,N−ジメチル−アクリルアミドを原料モノマーとする網目構造とから構成されているか、又は、バクテリアセルロースからなる網目構造と、ゼラチンからなる網目構造とから構成されている相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板である。
次に、本発明に係るハイドロゲルの物性につき説明する。まず、このゲルの剪断弾性率は、好適には0.01〜10MPaであり、より好適には0.03〜3MPaであり、最も好適には0.1〜1.0MPaである。また、このゲルの圧縮破断応力は、好適には0.1〜100MPaであり、より好適には1〜50MPaであり、最も好適には3〜40MPaである。更に、このゲルの引張破断応力は、好適には0.1〜100MPaであり、更に好適には0.1〜50MPaであり、最も好適には0.5〜5MPaである。
更に、このゲルは、好適には、含水量が10%以上(より好適には50%以上、更に好適には85%以上)である。なお、含水量の上限値は特に限定されないが、ゲルの機械強度維持等の理由から、通常は99.9%以下、好適には99%以下、より好適には95%以下である。
次に、本発明に係る人工半月板の製造方法の一例(第一の好適な態様の場合)を説明する。まず、第二のモノマー成分(電気的に中性である不飽和モノマーを60モル%以上含む)及び重合開始剤(相互侵入網目構造ハイドロゲルの場合には架橋剤も)を含有する溶液を調製する。続いて、第一の網目構造を有するゲル{第一のモノマー成分(電荷を有する不飽和モノマーを10モル%以上含む)を重合・架橋することにより形成されたシングルネットワークゲル}をこの溶液に浸漬し、充分な時間をおいて、第二のモノマー成分及び重合開始剤(相互侵入網目構造ハイドロゲルの場合には架橋剤も)を前記ゲル内に拡散させる。次いで、前記溶液から前記ゲルを取り出し、このゲル中の第二のモノマー成分を重合(相互侵入網目構造ハイドロゲルの場合には架橋も)することにより、第一の網目構造の網目に絡まる第二の網目構造(相互侵入網目構造ハイドロゲルの場合)又は直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造ハイドロゲルの場合)が形成される結果、二重網目構造を有するゲルを製造することができる。更に、上記手順と同様の手法で、上記のシングルネットワーク型ゲルではなく、多重網目構造を有するゲルを用いることにより、三重以上の相互侵入網目構造ゲルも製造可能である。
尚、重合方法としては水溶性重合を用いることが好適である。また、水溶液重合は、第一の網目構造中に第二のモノマー成分を均一に分散し、第二も網目構造やポリマーを形成するための反応を効率よく行わせるために、撹拌混合下に行うことが好ましい。そのためには回転撹拌軸を有する反応容器内で該回転撹拌軸の剪断力により、重合に伴い生成するゲル状物を、細分化しながら重合を行うことが更に好ましく、例えば特開昭57−34,101号公報、US−A−4,625,001およびEP0343,919に開示されているように複数の回転撹拌軸を有する反応容器としてニーダーを用いるのが最も好ましい。
尚、第一の網目構造、第二の網目構造(相互侵入網目構造ゲルの場合)及び直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造ゲルの場合)を形成させる際に使用する重合開始剤は特に限定されず、重合すべき有機モノマーに対応して種々のものが選択される。例えば、有機モノマーとしてAMPS、AAm、AAを熱重合する場合には、過硫酸カリウムなどの水溶性熱触媒、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウムなどのレドックス開始剤を用いることができ、光重合する場合には、光増感剤として2−オキソグルタル酸を用いることができる。また、有機モノマーとしてStを熱重合する場合には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル(BPO)などの有機溶媒に溶解性の熱触媒を用いることができ、光重合する場合には、光増感剤としてベンゾフェノンを使用することができる。
同じく、第一の網目構造や第二の網目構造(相互侵入網目構造ゲルの場合)を形成させる際に使用する架橋剤も特に限定されず、架橋重合すべき有機モノマーに対応して種々のものが選択される。例えば、有機モノマーとしてAMPS、AAm、AAを用いた場合には、N,N′−メチレンビスアクリルアミドを、有機モノマーとしてStを用いた場合には、エチレングリコールジメタクリレートを夫々使用することができる。
また、第一の網目構造を有するゲルを浸漬する溶液の溶媒に関しては、前記溶液に浸漬されるゲルヘの悪影響を防止し、かつ、二重網目構造(相互侵入網目構造ハイドロゲル)や直鎖状ポリマー(セミ相互侵入網目構造ハイドロゲル)を、第一の網目構造の網目に良好に絡みつける観点から、この溶液の溶媒が、第一の網目構造を有するゲル中の溶媒と同じであることが好適である。
尚、ゲル中に金属イオンを導入した態様に関しては、得られた(セミ)相互侵入網目構造ハイドロゲルを真空乾燥させた後にこの金属塩溶液に浸漬することにより行う。この操作によれば、ネットワーク間の距離を極力近づけることにより、効率よく金属イオンと錯体を形成することができる。
次に、重合・架橋条件等につき説明すると、まず、第一の網目構造を有するゲルに拡散した第一のモノマー成分の重合反応は、加熱するか、または紫外線のような光を照射するか、いずれかにより行うことができる。この重合反応は、前記ゲルの第一の網目構造を壊さない条件下でなされる。また、架橋反応は、所定濃度の架橋剤、反応開始剤を第二のモノマー成分と一緒に溶媒中に混合し、第一の網目構造を有するゲルに拡散させる。具体的には、第一の網目構造を有するゲルを、架橋剤を含有する第二のモノマー溶液に浸漬し、24時間低温下で拡散させる。なお、拡散途中で架橋してしまうことを避けるために、室温以下、4℃付近が好ましい。
次に、本発明に係る人工半月板の製造方法の別例(第二の好適な態様の場合)を説明する。このハイドロゲルは、(1)電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体或いは天然高分子又はその架橋体が入った培地中で菌を培養することにより、バクテリアセルロースを生産させるか、(2)バクテリアセルロース中に、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーを導入した後、該モノマー成分を溶媒存在下で重合することにより、第一の網目構造中にポリマーを形成させる工程か、場合により更に架橋することにより、バクテリアセルロース中に更に網目構造を形成させるか、(3)電荷を有する天然高分子を含む溶液をバクテリアセルロースに含浸させ、バクテリアセルロース中に電荷を有する天然高分子を取り込ませることにより製造可能である。
尚、該モノマーや天然高分子を架橋させる場合には、架橋剤(化学架橋剤、イオン架橋剤等)を用いればよい。例えば、化学架橋剤としては、水溶性カルボジイミド(WSC、EDC)を、また、イオン架橋剤としては、CaClを挙げることができる。また、架橋剤を添加しなくても、例えば、ゼラチンなどは、ある程度の濃度以上で水素結合で架橋する。但し、この場合でも、更に化学架橋させてもよい。
尚、化学架橋やイオン架橋する場合、架橋度を10−3〜5×10−2Mの範囲に設定すると、しなやかで丈夫なゲルを得ることができ、架橋度を5×10−2〜2M(好適には、10−1〜1M)の範囲に設定すると、硬くて丈夫なゲルを得ることができる。
人工半月板は、実際の半月板と同じ形状とすることが好適である。形状を整えるに際しては、(セミ)相互侵入網目構造ハイドロゲルを製造した後にカット等する手法や、その形状の型の中で重合や架橋を行う手法を挙げることができる。尚、後述するように、骨に固定するために、人工半月板は、骨と接触する側に、骨の内部に侵入するような、ゲル本体と一体化した突起部を有していることが好適である。
次に、本発明に係る人工半月板の使用方法につき説明する。人工半月板の固定方法は、人工半月板が骨と接する位置に、人工半月板には前述の突起部を設け、他方、骨には孔を掘り、該孔に該突起部を挿入する形態が好ましい。このようにすると、骨から出てきた繊維組織が人工半月板の突起部(ゲル)とくっつくことにより、人工半月板が骨にしっかりと固定される。更に、ゲルと靭帯は非吸収性の糸で固定する。
尚、実際の使用に際しては、個々の患者により、適合する人工半月板の形状は異なるので、数十種類の形状のものを予め準備しておくことが好適である。そして、例えば、CTで、患者の各サイズ(膝の縦横長さ、厚み)を測定することにより、最も適した人工半月板を選択することになる。
以下、本発明を実施例を参照しながら具体的に説明する。尚、本発明は実施例によりいかなる限定も受けない。
実施例1
<シングルネットワーク型ゲルの作製>
面積100mm×100mm、厚さ2mmのシリコン板からカッターで外辺長80mm×80mm、幅5mmの枠を切りだし、枠の1箇所3mmの溝を空けた。このシリコン枠を2枚の100mm×100mm、厚さ3mmのガラス板に挟み、重合容器を組み立てた。
モノマーである2mol/Lの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)水溶液25mlと、架橋剤である2mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液1mlと、開始剤である0.1mol/Lの2−オキソグルタル酸水溶液1mlとを合わせ、水で調整して水溶液50mlを得た。この水溶液を窒素ガスを用いて脱酸素した。つづいて、この脱酸素水溶液を前記重合容器の一方のガラス板に置かれたシリコン板の開口部に流し込み、シリコン板上に他方のガラス板を重ねて前記開口部周辺をシールした後、波長365nmのUVランプ(22W,0.34A)を用いて紫外線を常温で6時間照射して重合させることにより、架橋度が4mol%のAMPSゲル(第一の網目構造)を作製した。尚、架橋度の計算は以下の通りである:
{(MBAA水溶液濃度×量)/(モノマー濃度×量)}×100=
{(2mol/L×1ml)/(2mol/L×25ml)}×100=4mol%
<ダブルネットワーク型ゲルの製造>
モノマーである5mol/Lのアクリルアミド(AAm)水溶液40mlと、架橋剤である0.2mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液1mlと、開始剤である0.1mol/Lの2−オキソグルタル酸水溶液1mlとを合わせ、水で調整して水溶液(浸漬溶液)200mlを得た。この浸漬溶液を窒素ガスを用いて脱酸素した。
次いで、前記浸漬溶液と前記シングルネットワーク型ゲル4gをそのゲルより十分に大きな容量のシール容器に入れた。この容器を4℃の冷蔵庫に24時間設置し、前記浸漬溶液中のモノマー、架橋剤および開始剤を前記ゲルに拡散・浸透させた。この工程において、浸漬液の濃度を一様にする目的で時々容器を静かに振盪した。
次いで、前記浸漬液からゲルを取り出し、適当な大きさに裁断した後、このゲルを幅100mm×長さ100mm×厚さ3mmの2枚のガラス板の間に気泡が混入しないように挟持した。この2枚のガラス板の周囲4辺をシールした後、波長365nmのUVランプ(22W,0.34A)を用いて紫外線を常温で6時間照射した。このとき、前記ゲル中に拡散したAAmモノマーが重合してダブルネットワーク型ゲルを得た。このダブルネットワーク型ゲルの第二の網目構造の架橋度は、0.1mol%であった。尚、架橋度の計算は以下の通りである:
{(0.2mol/L×1ml)/(5mol/L×40ml)}×100=0.1mol%
得られた実施例1のPAMPS−PAAm(ポリAMPS−ポリAAm)のダブルネットワーク型ゲルを純水中で平衡膨潤させた。このゲルについて元素分析を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 0004709956
前記表1から明らかなように、AMPSおよびAAmの両モノマーの総量に対して窒素が9.49%の値を示すことから、2回目の重合に用いたAAmモノマーは、平衡膨潤によってゲルの外部に出ることなくダブルネットワーク型ゲル中で架橋されていることが確認された。
実施例2
<シングルネットワーク型ゲルの作製>
モノマーである2mol/Lのアクリル酸(AA)水溶液40mlと、架橋剤である0.2mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液4mlと、開始剤である0.1mol/Lの2−オキソグルタル酸水溶液1mlとを合わせ、水で調整して80mlの水溶液を得た。この水溶液を窒素ガスを用いて脱酸素した。つづいて、この脱酸素水溶液を、実施例1と同様な重合容器の一方のガラス板に置かれたシリコン板の開口部に流し込み、シリコン板上に他方のガラス板を重ねて前記開口部周辺をシールした後、波長365nmのUVランプ(22W,0.34A)を用いて紫外線を常温で6時間照射して重合させることにより、架橋度が1mol%のAAゲルを作製した。
<ダブルネットワーク型ゲルの製造>
モノマーである5mol/Lのアクリルアミド(AAm)水溶液20mlと、架橋剤である0.1mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液1mlと、開始剤である0.1mol/Lの2−オキソグルタル酸水溶液1mlとを合わせ、水で調整して200mlの水溶液(浸漬溶液)を得た。この浸漬溶液を窒素ガスを用いて脱酸素した。
次いで、前記浸漬溶液と前記シングルネットワーク型ゲル4gを、そのゲルより十分に大きな容量のシール容器に入れた。この容器を4℃の冷蔵庫に24時間設置し、前記浸漬溶液中のモノマー、架橋剤および開始剤を前記ゲルに拡散・浸透させた。この工程において、浸漬液の濃度を一様にする目的で時々容器を静かに振盪した。
次いで、前記浸漬液からゲルを取り出し、適当の大きさに裁断した後、このゲルを幅100mm×長さ100mm×厚さ3mmの2枚のガラス板の間に気泡が混入しないように挟持した。この2枚のガラス板の周囲4辺をシールした後、波長365nmのUVランプ(22W,0.34A)を用いて紫外線を常温で6時間照射した。このとき、前記ゲル中に拡散したAAmモノマーが重合してダブルネットワーク型ゲルが得られた。このダブルネットワーク型ゲルの第二の網目構造の架橋度は、0.1mol%であった。
試験例1
得られた実施例1及び2のダブルネットワーク型ゲルについて、また、比較のために、実施例1及び2で作成したシングルネットワーク型ゲルについても、膨潤度、圧縮破断応力および圧縮破断歪を測定した。結果を、表2(シングルネットワーク型ゲル)及び表3(ダブルネットワーク型ゲル)に示す。
Figure 0004709956
Figure 0004709956
前記表2および表3から明らかなように、実施例1のPAMPS−PAAmのダブルネットワーク型ゲルは、AMPSシングルネットワーク型ゲルに比べて圧縮破断応力が高いことがわかる。さらに、実施例2のPAA−PAAmダブルネットワーク型ゲルは、PAAmシングルネットワーク型ゲルに比べて著しく高い圧縮破断応力を有することがわかる。
実施例3
実施例1と同様の方法により、但し、第一の網目構造を構成するモノマー及び第二の網目構造を構成するモノマーの比を変え、また、第一の網目構造と第二の網目構造の架橋度を変えたものにつき、機械強度を測定した。なお、以下では、各ダブルネットワーク型ゲルの名称につき、1st Monomer Conc.(M)・Monomer Name・Degree of Crosslinking (mol%)- 2nd Monomer Conc.(M)・Monomer Name・Degree of Crosslinking (mol%)の順で簡略化して表記する。例えば、第一の網目構造が、モノマー濃度1M、架橋度4mol%のPAMPSであり、第二の網目構造が、モノマー濃度1M、架橋度0.1mol%のPAAmであるダブルネットワーク型ゲルは、1PAMPS4−1PAAm0.1と表現する。尚、ここでのモノマー濃度は、製造時の濃度であり、最終的なゲル中でのモノマー量とは異なることに留意すべきである。即ち、例えば、第一のモノマー濃度及び第二のモノマー濃度が両方とも1Mである場合に、最終的に得られるハイドロゲル中でのこれらのモル比は1:1ではない。それは、第一の網目構造は電荷を持っているために、中性の第二のモノマー水溶液中で大きく膨潤するためと理解される(本実施例においては、最終的なゲル中でのモノマー量はAMPS:AAm=1:10である)。結果を表4、図3及び図4に示す。表4及び図3より、PAMPS−PAAm系のダブルネットワーク型ゲルに関し、第一の網目構造におけるモノマーと第二の網目構造のモノマーの組成比を変えると、第一の網目構造(PAMPS)におけるモノマー:第二の網目構造(PAAm)のモノマー=1:20のときが最も破断強度が高いことが分かる。また、図4より、第二の網目構造(PAAm)の架橋度によっても強度が大きく変わり、架橋度が0.1mol%の時に最も高い強度を示すことが分かる。
Figure 0004709956
実施例4
第一網目:AMPSとTFEAを1:5の割合でDMSO中3.0ml/lの濃度となるように混合し、架橋剤MBAAを1mol%、重合開始剤α−ケトグルタル酸を0.2mol%を加えて、前記と同様の手順に従いUV重合にて合成した。
第二網目:上記ゲル10mlを、DMSO中のTFEA溶液(濃度3.0ml/l、MBAA0.1mol%、α−ケトグルタル酸0.2mol%)200mlに浸漬して、約2日間静置し、前記と同様の手順に従いUV重合にて合成した。このようにして得られたゲルの物性を表5に示す。
Figure 0004709956
実施例5
実施例3で得られた1PAMPS4−1PAAm0.1のダブルネットワーク型ゲル中に各種金属イオンを導入し、機械強度を測定した。なお、金属イオンの導入に際しては、まず、純粋で平衡膨潤させたダブルネットワーク型ゲルを適当な大きさに切り出し、それを一度真空乾燥させた。そして、平衡膨潤時のゲル体積に対して20倍量の各種金属塩水溶液を調整し、ゲルを約1週間浸漬した。なお、水溶液の濃度は、ZnSO4に関しては、0.01M、0.1M、1Mの三種、FeCl3に関しては、0.01M、0.1M、0.3Mの三種を準備した。結果を表6に示す。
Figure 0004709956
試験例2(応力分散性試験)
上記と同様の手法に従い、各種のPAMPS−PAAmのダブルネットワーク型ハイドロゲルを調製した。これらハイドロゲルを60×30×10mmに裁断した。
今回使用した試験系を図5に示す。光源4としてHe−Neレーザー(model 127, Spectra-Physics Laser, Inc.)を用いた。偏光子5の軸を垂直に配し、アナライザー9の軸を平行に配した。二枚の1/4プレート6,8の速い軸を、偏光子5及びアナライザー9の軸に対し、夫々、π/4及び−π/4ラジアンに設定した。パーソナルコンピュータ11と接続しているcooledCCDカメラ(C4742-95, Hamamatsu Co., Japan)で、光弾性イメージを記録した(全イメージエリアは、1280×1024ピクセル含む)。
このCCDカメラにより撮影された応力分散の程度を示すイメージ図を図6に示す。変色域(図面中白く見える部分)は、応力が集中していることを意味する。これから分かるように、PAMPS−PAAmハイドロゲル(PAAmの架橋度が0.1モル%)のイメージ(a)は、PAMPS−PAAmハイドロゲル(PAAmの架橋度が2モル%)のイメージ(b)と比較してその変色域が少ないことが見て取れる。このように、本発明に係る力学強度を最適化されているハイドロゲルは、応力分散性に優れていることが分かる。
また、PAAmの架橋度を変えて(0.0モル%,0.1モル%,0.5モル%,1.0モル%,2.0モル%)、Normalized Powerと歪みについて試験した。その結果を図7に示す。図7より、傾向として、第二の網目構造の架橋度が小さい程、同一歪みで応力がうまく分散し、Normalized Powerが少ないことが分かる。また、Normalized Powerと架橋度との関係を示したのが図8であるが、この図より、どの歪みについても、架橋度が0.1モル%付近でNormalized Powerが最小になることが分かる。
最後に、架橋度を固定しつつ(0.1モル%)、AAmの濃度を変えて(0.5M,1M,2M,3M,5M)、Intensityと歪みについて試験を行った。その結果を図9に示す。この図より、AAmの濃度が高い程、同一歪みにおけるIntensityが高い傾向を示すこと、並びに、AAmの濃度が1MのときIntensityが最も低いことが分かる。即ち、力学強度が最適化されたDNゲルは、最も応力を分散する能力を持つ。
実施例6(BC/ゼラチン・ダブルネットワークゲルの製造[1])
Bacto Pepton0.5%、Yeast Extract0.5%、リン酸水素二ナトリウム0.27%、クエン酸0.115%、グルコース2%、の仕込みで脱イオン水に溶解しHS培地を得た。次いで、この培地に、培地に対して15重量%となるようにゼラチンを混合し、この培地を三角フラスコに15〜30ml程度の分量で取分けた後、フラスコにキャップをし、そのままオートクレーブ滅菌を120℃、20分間行った。その後、−80℃に保存してある酢酸菌(ATCC 53582)を取り出して培地に移した。そして、28〜30℃の間で約2〜3日間静置をすると、培地の空気界面側からバクテリアセルロースが生産始め、更に厚さが約2mmになるまで培養を続けた。得られたバクテリアセルロース/ゼラチン・ダブルネットワークゲルについて、1%NaOH水溶液による洗浄を1日、更に純水による溶媒交換を2日行い、標記ゲルを製造した。尚、このゲルの膨潤度は30であった。
実施例7(BC/ゼラチン・ダブルネットワークゲルの製造[2])
培地に対して20重量%となるようにゼラチンを混合すること以外は、実施例6と同様の方法で標記ゲルを製造した。尚、このゲルの膨潤度は36であった。
比較例1(BCシングルネットワークゲルの製造)
ゼラチンを混合しない点以外は実施例6と同様の方法で、標記ゲルを製造した。尚、このゲルの膨潤度は89であった。
試験例3(引張試験)
得られたゼラチン含有バクテリアセルロースの引張試験を行った。尚、引張試験は、TENSILON測定機を用い、サンプルを5mm×1.5mm×30mmの短冊状にし、引張速度を1mm/min.として行った。図10及び表7にその結果を示す。
Figure 0004709956
実施例8(BC/アルギン酸ナトリウム・ダブルネットワークゲルの製造)
培地に対し2重量%となるようにアルギン酸ナトリウムを混合すること、及び、多糖部分をCa2+によってイオン架橋する目的で0.1MCaCl2溶液に2日間浸漬した以外は、実施例6と同様の方法で標記ゲルを製造した。尚、このゲルの膨潤度は20であった。
実施例9(BC/ジェランガム・ダブルネットワークゲルの製造)
培地に対し0.4重量%となるようにジェランガムを混合する点以外は、実施例8と同様の方法で標記ゲルを製造した。尚、このゲルの膨潤度は28であった。
比較例2(BCシングルネットワークゲルの製造)
実施例6と同様の方法で標記ゲルを製造した。尚、このゲルの膨潤度は36であった。
試験例4(引張試験)
試験例3と同じ方法で、実施例8及び9並びに比較例2のゲルに引張試験を行った。図11、図12及び表8にその結果を示す。
Figure 0004709956
実施例10(BC/ゼラチン・ダブルネットワークゲルの製造[3])
市販のナタデココ(膨潤度:189)を40重量%ゼラチン水溶液に浸し、80度で3日間含浸させた。その結果、茶褐色の標記ゲルが得られた。尚、このゲルの膨潤度は3.6であった。
実施例11(BC/ゼラチン・ダブルネットワークゲルの製造[4])
実施例10で得られたゲルを、ゲル内部のゼラチンを架橋する目的で、1MのWSC溶液に浸漬させた。その結果得られたゲルの膨潤度は5.2であった。
試験例5(圧縮試験)
圧縮試験は、TENSILON測定機を用い、サンプルを10mm×10mm×5mmの直方体状にし、圧縮速度をサンプル厚さに対して10%/min.として行った。その結果を図13及び表9に示す。
Figure 0004709956
実施例12〜15・比較例3(各種DNゲルの製造)
ゼラチン(実施例7:30重量%、50℃、pH7)、多糖類{アルギン酸ナトリウム(実施例8:4重量%、70℃)、ι−カラギーナン(実施例9:5重量%、70℃)、ジェランガム(実施例10:3重量%、70℃)}溶液に1週間浸漬した後、BC/ゼラチンに対しては1MのWSC(化学架橋)、BC/多糖に対しては0.1MのCaCl2(イオン架橋)を準備し、夫々のサンプルにつき4日間浸漬した。その後、溶媒を純水に変えて1週間溶媒交換を行った。尚、これ以外の製造条件は、実施例6と同じである。このようにして得られた実施例12〜15のゲルの膨潤度は、順に、4.6、20、30、27であった。また、比較のために作成したバクテリアセルロースゲル膨潤度は、89であった。
試験例6(引張・圧縮試験)
圧縮試験は、TENSILON測定機を用い、サンプルを直径9mm×5mmの円柱状にし、圧縮速度をサンプル厚さに対して10%/min.に設定して行った。また、引張試験は、同測定機を用い、サンプルを5mm×2mm×30mmの短冊状にし、更に直径25mmの円形カッターでダンベル状にし、引張速度はサンプルの自然長さに対して10%/min.に設定して行った。結果を図14〜21及び表10に示す。
Figure 0004709956
この結果より分かるように、まず、圧縮試験を見てみると、初期弾性率については比較例3と比較しておよそ1〜2桁も上昇した。例えば、実施例12のDNゲルに関しては、初期弾性率が1.7MPaという非常に高い弾性率を示すと共に、破断点に関しては歪が40%において約4MPaという高い値を示している。合成高分子を用いず、天然素材のみでここまでの機械特性を示したことは驚くべき結果である。また、引張試験を見てみると、バクテリアセルロース自体が、元々「引っぱり」の力に強い物質であるため、多糖類については、圧縮のとき程には、弾性率のオーダーが変わるほどの大幅は変化は見られなかった。一方、ゼラチンについては、23MPaという非常に高い値を示した。これまでのDNゲルでこの付近の値を示したことは勿論なく、応力に関しても約3MPaという高い値を示した。
試験例7(BC/ゼラチン・ダブルネットワークゲルにおけるゼラチン濃度と縮合剤濃度(EDC)を変化させることによる物性の変化の確認試験)
比較例2と同様の方法で得たBCシングルネットワークゲル(比較例4)を、30重量%のゼラチン水溶液(50℃、pH7)に1週間浸漬した。その後、濃度を変えたEDC水溶液(0.1M、1M)を準備し、夫々のサンプルを4日間浸漬した。更に溶媒を純水に変えて1週間溶媒交換を行い、実施例16(EDC水溶液:0.1M)及び17(EDC水溶液:1M)の標記ゲルを得た。また、比較例2と同様の方法で得たBCシングルネットワークゲル(比較例4)を、濃度を変えたゼラチン水溶液(15%、30%、40%、50%;50℃、pH7)に1週間浸漬した。その後、1MのEDC水溶液を準備し、夫々のサンプルを4日間浸漬した。更に溶媒を純水に変えて1週間溶媒交換を行い、実施例18〜21(実施例18:ゼラチン15%、実施例19:ゼラチン30%、実施例20:ゼラチン40%、実施例21:ゼラチン50%)の標記ゲルを得た。これらについて、以下の測定方法で各種機械特性を測定した:
・圧縮試験
サンプルを直径9mm×5mmの円柱状にし、圧縮速度をサンプル厚さに対して10%/min.として、TENSIRON測定機を用いて測定。
・引張試験
サンプルを5mm×2mm×30mmの短冊状にし、更に直径25mmの円形カッターでダンベル状にし、引張速度をサンプルの自然長に対して10%/min.として、TENSIRON測定機を用いて測定。
この結果を表11及び図22〜図25に示す。
Figure 0004709956
試験例8 バクテリアセルロース/ゼラチンダブルネットワークゲルの生理食塩水中での機械特性試験)
試験例7で用いたバクテリアセルロース/ゼラチンダブルネットワークゲル(製造時のゼラチン濃度がX=5、15、30、40、50重量%)を、1M EDC水溶液に4日間浸漬した。さらに、溶媒を純水に変えて1週間溶媒交換をした。以降のサンプルはBC-Gelatin(x%)と表記する。
(1)試験例8−1
より生体内に近い環境での測定を目的として、BC-Gelatinゲルの溶媒を生理食塩水(0.1M NaCl水溶液)にした状態での圧縮、引っ張り試験を行うと共に、イオン強度を変化させて力学物性値がどう変わるのかを調べた。サンプルはBC−Gelatin(30)ゲルを用い、3種類のNaCl水溶液(0.001、0.01、0.1M)を準備して1週間溶媒交換を行った。これらのサンプルについて、試験例7と同じ方法で圧縮・引張試験を行った。その結果を表12及び13並びに図26及び27に示す。
Figure 0004709956
Figure 0004709956
(2)試験例8−2
BC単体ではいったん大変形してしまうと元には戻らない性質を持っているが、電解質であるGelatinを含有させることで変形からの回復効果が得られるようになった否かの確認のため、圧縮によるサイクル試験を行った。
TENSILON測定機を用いてサンプル(BC-Gelatin(50))の圧縮試験を行った。サンプルについてはほぼ直径9mm×5mmの円柱状にし、圧縮速度はサンプル厚さに対して10%/min.とした。歪30%のところまでサイクルを5回繰り返した。
図28〜30からいずれの場合も、1回目の往路の立ち上がりが早いこと、2回目以降の往路と全体の復路はほぼ一定の経路をたどることがわかった。図30を見ると荷重を抜いても押し返す力が弱く、復路の落ち込みが大きいことがわかる。これはBCの回復性の低さが表れている為だと考えられる。図28及び29では、2回目以降の立ち上がりが歪約7%のところで起こり、一方で図30では歪約12%のところであるので、DNでの2サイクル以降はGelatinの性質が強く出ているのではないかと理解される。
素材の観点から図28を見ると、このゲルは破断直前の歪をかけ続けても高い弾性率を保ち、また高荷重にも耐えていることから耐久性のある物質であることがわかる。
(3)試験例8−3
BCに電解質を加えることでどれくらい保水能力が上がっているのかを試験した。尚、圧縮試験は試験例7に準じて行った。サンプルはBC-Gelatin(x%)を用いた。保水力は、歪30%で圧縮を止めてゲル周囲の水分を拭き取り、圧縮前後のゲルの重量から評価した。
重量評価については
Figure 0004709956
から算出した。
図31にBCに含浸させるゼラチン濃度と水の残存量との関係を示した。ゲルに与えた歪量が30%であったのでBC単体(ゼラチン0%)でも80%の水は残っているが、ゼラチン濃度を徐々に上げていくことでDNでの残存量は上昇し、ゼラチン濃度が40、50%にもなるとDNもゼラチンSNも大差なく近い値を示していることがわかる。
実施例22(BC/PDMAAダブルネットワークゲルの製造)
モノマーである6mol/LのN,N−ジメチル−アクリルアミド(DMAA)水溶液100mlと、架橋剤である0.1mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液2mlと、開始剤である0.1mol/Lの過硫酸カリウム水溶液2mlとを合わせ、水で調整して水溶液(浸漬溶液)200mlを得た。この浸漬溶液を窒素ガスを用いて30分間脱酸素した。
次いで、前記浸漬溶液と比較例1で得られたBCシングルネットワーク型ゲル4gをそのゲルより十分に大きな容量のシール容器に入れた。この容器を4℃の冷蔵庫に2日間静置し、前記浸漬溶液中のモノマー、架橋剤および開始剤を前記ゲルに拡散・浸透させた。この工程において、浸漬液の濃度を一様にする目的で時々容器を静かに振盪した。
次いで、前記浸漬液からゲルを取り出し、適当な大きさに裁断した後、このゲルを幅100mm×長さ100mm×厚さ3mmの2枚のガラス板の間に気泡が混入しないように挟持した。この2枚のガラス板の周囲4辺をシールした後、60℃のウォーターバス中で6時間DMAAモノマーの重合を行うことにより、標記ダブルネットワーク型ゲルを得た。
実施例23(PAMPS/PDMAAダブルネットワークゲルの製造)
モノマーである2mol/Lの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)水溶液25mlと、架橋剤である2mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液1mlと、開始剤である0.1mol/Lの2−オキソグルタル酸水溶液0.5mlとを合わせ、水で調整して水溶液50mlを得た。この水溶液を窒素ガスを用いて脱酸素した。つづいて、この脱酸素水溶液を前記重合容器の一方のガラス板に置かれたシリコン板の開口部に流し込み、シリコン板上に他方のガラス板を重ねて前記開口部周辺をシールした後、波長365nmのUVランプ(22W,0.34A)を用いて紫外線を常温で6時間照射して重合させることにより、架橋度が4mol%のAMPSゲル(第一の網目構造)を作製した。
次に、モノマーである6mol/LのN,N−ジメチル−アクリルアミド(DMAA)水溶液100mlと、架橋剤である0.1mol/LのN,N′−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)水溶液2mlと、開始剤である0.1mol/Lの過硫酸カリウム水溶液2mlとを合わせ、水で調整して水溶液(浸漬溶液)200mlを得た。この浸漬溶液を窒素ガスを用いて30分間脱酸素した。
次いで、前記PAMPSシングルネットワーク型ゲルをそのゲルより十分に大きな容量のシール容器に入れた。この容器を4℃の冷蔵庫に2日間静置し、前記浸漬溶液中のモノマー、架橋剤および開始剤を前記ゲルに拡散・浸透させた。この工程において、浸漬液の濃度を一様にする目的で時々容器を静かに振盪した。
次いで、前記浸漬液からゲルを取り出し、適当な大きさに裁断した後、このゲルを幅100mm×長さ100mm×厚さ3mmの2枚のガラス板の間に気泡が混入しないように挟持した。この2枚のガラス板の周囲4辺をシールした後、60℃のウォーターバス中で6時間DMAAモノマーの重合を行うことにより、標記ダブルネットワーク型ゲルを得た。
試験例9{生体内耐久性に関する評価(皮下埋植試験)}
実施例23のPAMPS/PDMAAのDN型ハイドロゲル、実施例12のバクテリアセルロース/ゼラチンDN型ハイドロゲル、実施例22のバクテリアセルロース/PDMAAのDN型ハイドロゲルにつき、以下のプロトコールに従い、標記試験を行った:
1.材料と方法
1)ゲル材料
size 10mm×10mm×5mm 2個
2)使用動物
白色家兎雄1羽(体重3kg 台)
3)滅菌方法
・イソジン消毒10分 → 抗生剤入り(ミノマイシン1g 48時間)浸漬
・兎の背骨を対称に間隔を空け3箇所にゲル素材埋植
・兎背部の傍脊柱筋上の皮膚に約2cm程の皮切を加え皮下を剥離し埋植するスペースを確保した後ゲル材料を1個埋植し皮膚縫合。
・術後の兎はケージ内で6週間飼育。
4)埋植実験
[1]埋植群:ゲル1個を滅菌処置後6週間皮下埋植
[2]対照群(滅菌処置のみ):1個を滅菌処置後に6週間蒸留水中で保管
5)検討項目
・兎背部手術創周囲の状態
・皮下のゲル周囲の状態
・ゲルの形状、変形状態
・力学特性の変化(最大破壊強度、破断歪み、初期弾性率)
2.結果
埋植群: 兎は特に重篤な感染兆候なく6週経過後屠殺。
ゲル材料を回収し2時間後に先端研にて破壊試験施行
(実施例23)
・背部の状況
ゲル埋植部において軽度の膨隆を認めるが著明な発赤、熱感等は認めず(図32中の上の丸囲み部分)
・皮下ゲル周囲の状況
ゲルを中心として被膜を形成。著明な感染の兆候は認めず{図33(1)及び(2)}
・ゲルの形状、変形の有無
size 9.63×10.19×4.88
埋植前の状態と比べほとんど変化なく原型のまま残存(図34)
Figure 0004709956
*コントロール群:未処置
*滅菌群:滅菌処置(抗生剤&イソジン浸漬)後6週間蒸留水中で保管
*埋植群:滅菌処置後皮下6週間埋植
(実施例12)
・背部の状況
ゲル埋植部において軽度の膨隆を認めるが著明な発赤、熱感等は認めず(図32中の左下の丸囲み部分)
・皮下ゲル周囲の状況
ゲルを中心として被膜を形成。著明な感染の兆候は認めず{図35(1)及び(2)}
・ゲルの形状、変形の有無
size 9.63×10.19×4.88
埋植前の状態と比べ若干変形があったものの、ほぼ原型維持(図36)
Figure 0004709956
*コントロール群:未処置
*滅菌群:滅菌処置(抗生剤&イソジン浸漬)後6週間蒸留水中で保管
*埋植群:滅菌処置後皮下6週間埋植
(実施例22)
・背部の状況
ゲル埋植部において軽度の膨隆を認めるが著明な発赤、熱感等は認めず(図32中の右下の丸囲み部分)
・皮下ゲル周囲の状況
ゲルを中心として被膜を形成。著明な感染の兆候は認めず(図37)
・ゲルの形状、変形の有無
size 9.63×10.19×4.88
埋植前の状態と比べほとんど変化なく原型のまま残存
Figure 0004709956
*コントロール群:未処置
*滅菌群:滅菌処置(抗生剤&イソジン浸漬)後6週間蒸留水中で保管
*埋植群:滅菌処置後皮下6週間埋植
試験例10 生体内埋め込み試験
試験方法
実験動物は雌白色家兎の2羽である。麻酔には生理的食塩水で2倍に希釈したペントバルビタールナトリウムを静注した。投与量はまず1ml/kgを目安に投与し、術中に必要に応じて追加したため、合計では約6mlが投与された。膝関節上の皮膚に縦切開を加え、膝蓋骨内側の関節包を切開した関節内に進入した。内側側副靭帯の大腿骨付着部を、骨片をつけて部分切除し、関節を開大して内側半月板を切除した。切除した半月板の大きさに合わせて、既に滅菌してある実施例23に従い製造されたPAMPS−PDMAAゲル製の平板から円盤状半月板(厚さ1mm)を作成し、内側関節裂隙に挿入して周囲を関節包に縫合した。ついで切開した関節包を強固に縫合し、また内側側副靭帯の大腿骨付着部を修復した。最後に皮膚縫合を行った。術後は白色家兎をケージ(40×60×40cm)内で飼育し、4週間後に屠殺した(ペントバルビタールナトリウム麻酔下)。
結果
屠殺時、体重は変化無く(1頭目2.1Kg → 2.1Kg, 2頭目2.6Kg → 2.7Kg)、健康状態に異常はなかった{図38(1)}。膝関節周囲に炎症、熱感、発赤を認めなかった{図38(2)}。更に、PAMPS−PDMAAゲル製人工半月板周囲に炎症や異物反応は認められず、また対する軟骨に著明な変性も認められなかった{図39(1)が手術時、図39(2)が摘出直前}。併せて、人工半月板にも変形や変性が認められなかった{図40(1)が試験前、図40(2)が試験後}。更に、図41〜図43に組織の顕微鏡写真を示す。図41(1)及び図41(2)は、大腿骨軟骨の染色写真{(1)はHE染色、(2)はサフラニンO染色}であり、軟骨の構造及び染色性は正常であった。図42は、脛骨軟骨の染色写真(サフラニンO染色)であり、軟骨の構造及び染色性は正常であった。図43は、滑膜の染色写真(HE染色)であり、軽度の小円形細胞の浸潤を見るも、著しい炎症所見はなかった。
図1は、第一のモノマー成分を重合し架橋することにより形成された網目構造(第一の網目構造)と第二のモノマー成分を重合し架橋することにより形成された網目構造(第二の網目構造)が互いに網目を介して物理的に絡み合った相互侵入網目構造(ダブルネットワーク型)の吸水性樹脂である。尚、図中、Aは第一の網目構造、Bは第二の網目構造、1及び2は架橋点を示す。 図2は、第一の網目構造と第二のモノマー成分を重合して形成される直鎖状ポリマーが互いに網目を介して物理的に絡み合ったセミ相互侵入網目構造(ダブルネットワーク型)の吸水性樹脂である。尚、図中、Cは第一の網目構造、Dは直鎖状ポリマー、3は架橋点を示す。 図3は、1PAMPS4−XPAAm0.1 DNゲルにおける圧縮破断応力及び破断歪に関する、第二の網目構造を構成するモノマーの濃度依存性を示したものである。尚、横軸の第二のモノマー濃度は、重合時に使用する第二のモノマー濃度を意味し、「1PAMPS−XPAAm0.1」のXがこれに相当する。 図4は、1PAMPS4−1PAAmX DNゲルにおける圧縮破断応力に関する、第二の網目構造における架橋度依存性を示したものである。 図5は、ゲルを応力変形させた際の光弾性イメージ写真を撮るための実験系を示したものである。尚、図中、4は光源、5は偏光子、6及び8は1/4プレート、7は標本、9はアナライザー、10はCCDカメラ、11はコンピュータを示す。 図6は、応力変形させた際の、各種ゲルの応力拡散状態を示す光弾性イメージ図であり、(a)が1PAMPS4−1PAAm0.1DNゲル、(b)が1PAMPS4−1PAAm2DNゲルである。 図7は、1PAMPS4-1PAAmXDNゲル(X=0, 0.1, 0.5, 1.0, 2.0mol%)を応力変形させた際の、Normalized Power(縦軸)と歪み(%)との関係を示したものである。尚、図中、「□」はX=0mol%、「×」はX=0.1mol%、「▽」はX=0.5mol%、「◇」はX=1.0mol%、「○」はX=2.0mol%の場合を示したものである。 図8は、1PAMPS4-1PAAmXDNゲル(X=0, 0.1, 0.5, 1,2mol%)を応力変形させた際の、Normalized Power(縦軸)と架橋度(mol%)との関係を示したものである。尚、図中、「□」は歪みが6.670%、「▽」は歪みが13.33%、「◇」は歪みが20.00%、「○」は歪みが26.67%の場合を示したものである。 図9は、AAm濃度の異なる各種1PAMPS4-XPAAm0.1DNゲルを応力変形させた際の、Intensity(縦軸)と歪み(%)との関係を示したものである。尚、図中、「☆」はX=0.5M、「×」はX=1M、「▽」はX=2M、「◇」はX=3M、「□」はX=5Mの場合を示したものである。 図10は、試験例3に従い得られた、実施例7及び8(ゼラチン)並びに比較例1のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例1、(2)は実施例7、(3)は実施例8のものである{(2)と(3)は殆ど重なっているので一本の線のように表示されている}。 図11は、試験例4に従い得られた、実施例9(アルギン酸ナトリウム)及び比較例2のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例2、(2)は実施例9のものである。 図12は、試験例4に従い得られた、実施例10(ジェラン)及び比較例2のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例2、(2)は実施例10のものである。 図13は、試験例5に従い得られた、実施例11(ゼラチン)、実施例12(架橋ゼラチン)及び市販BCのBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は市販BC、(2)は実施例11、(3)は実施例12のものである。 図14は、試験例6に従い得られた、実施例13(架橋ゼラチン)及び比較例3のBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例13のものである。 図15は、試験例6に従い得られた、実施例14(アルギン酸ナトリウム)及び比較例3のBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例14のものである。 図16は、試験例6に従い得られた、実施例15(ι−カラギーナン)及び比較例3のBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例15のものである。 図17は、実施例16(ジェランガム)及び比較例3のBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例16のものである。 図18は、試験例6に従い得られた、実施例13(架橋ゼラチン)及び比較例3のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例13のものである。 図19は、試験例6に従い得られた、実施例15(アルギン酸ナトリウム)及び比較例3のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例15のものである。 図20は、試験例6に従い得られた、実施例15(ι−カラギーナン)及び比較例3のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例15のものである。 図21は、実施例16(ジェランガム)及び比較例3のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例3、(2)は実施例16のものである。 図22は、試験例7に従い得られた、EDC濃度の異なる実施例17及び18(架橋ゼラチン)及び比較例4のBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例4、(2)は実施例17、(3)は実施例18のものである。 図23は、試験例7に従い得られた、EDC濃度の異なる実施例17及び18(架橋ゼラチン)及び比較例4のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例4、(2)は実施例17、(3)は実施例18のものである。 図24は、試験例7に従い得られた、ゼラチン濃度の異なる実施例19〜22(架橋ゼラチン)及び比較例4のBCハイドロゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例4、(2)は実施例19、(3)は実施例20、(4)は実施例21、(5)は実施例22のものである。 図25は、試験例7に従い得られた、ゼラチン濃度の異なる実施例19〜22(架橋ゼラチン)及び比較例4のBCハイドロゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は比較例4、(2)は実施例19、(3)は実施例20、(4)は実施例21、(5)は実施例22のものである。 図26は、ゲル中の溶媒をNaCl水溶液にした状態での、BC/ゼラチンDNゲルの圧縮応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は0MNaCl水溶液、(2)は0.001MNaCl水溶液、(3)は0.01MNaCl水溶液、(4)は0.1MNaCl水溶液の場合を示す。 図27は、ゲル中の溶媒をNaCl水溶液にした状態での、BC/ゼラチンDNゲルの引張応力−歪曲線である。尚、図中、(1)は0MNaCl水溶液、(2)は0.001MNaCl水溶液、(3)は0.01MNaCl水溶液、(4)は0.1MNaCl水溶液の場合を示す。 図28は、BC/ゼラチン(50)DNハイドロゲルのサイクル試験の結果を示すものである。 図29は、ゼラチン(50)ハイドロゲルのサイクル試験の結果を示すものである。 図30は、BCハイドロゲルのサイクル試験の結果を示すものである。 図31は、ゼラチン濃度に対する水の残存量を示したものである。尚、図中の○はゼラチン単独の場合を、●はBC/ゼラチンDNハイドロゲルの場合を示すものである。 図32は、PAMPS−PDMAAのDNゲルの皮下埋植試験後の背部の状況を撮影した電子写真である。 図33(1)及び(2)は、PAMPS−PDMAAのDNゲルの皮下埋植試験後の、皮下ゲル周囲の状況を撮影した電子写真である。 図34は、皮下埋植試験後に取り出した、PAMPS−PDMAAのDNゲルを撮影した電子写真である。 図35(1)及び(2)は、BC/ゼラチンDNハイドロゲルの皮下埋植試験後の、皮下ゲル周囲の状況を撮影した電子写真である。 図36は、皮下埋植試験後に取り出した、BC/ゼラチンDNハイドロゲルを撮影した電子写真である。 図37は、BC/PDMAAのDNゲルの皮下埋植試験後の背部の状況を撮影した電子写真である。 図38(1)は、生体内埋め込み試験における、屠殺直前の雌白色家兎の全体を撮影した電子写真であり、図38(2)は、同家兎の膝関節周囲を撮影した電子写真である。 図39(1)は、生体内埋め込み試験における、人口半月板埋め込み手術の際の電子写真であり、図39(2)は、人工半月板摘出直前(4週間後)の電子写真である。 図40(1)は、生体内埋め込み試験前の人口半月板の電子写真であり、図40(2)は、試験後の人工半月板の電子写真である。 図41は、生体内埋め込み試験後の大腿骨軟骨の染色写真{(1)はHE染色、(2)はサフラニンO染色}である。 図42は、生体内埋め込み試験後の脛骨軟骨の染色写真(サフラニンO染色)である。 図43は、生体内埋め込み試験後の滑膜の染色写真(HE染色)である。

Claims (11)

  1. セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板であって、該ハイドロゲルを構成する一方の直鎖状ポリマー又は網目構造が電荷を有する不飽和モノマーの重合体又はその架橋体であり、他方の直鎖状ポリマー又は網目構造が電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体である人工半月板。
  2. 電荷を有する不飽和モノマーが、酸性基及び/又は塩基性基を有する不飽和モノマーである、請求項1記載の人工半月板。
  3. 酸性基が、カルボキシル基、リン酸基又はスルホン酸基或いはそれらの基の塩である、請求項2記載の人工半月板。
  4. 酸性基を有する不飽和モノマーが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの塩である、請求項2記載の人工半月板。
  5. 電気的に中性である不飽和モノマーが、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチル−アクリルアミド、ビニルピリジン、スチレン、メチルメタクリレート、フッ素含有不飽和モノマー(例えば、トリフルオロエチルアクリレート)、ヒドロキシエチルアクリレート又は酢酸ビニルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の人工半月板。
  6. 該ハイドロゲルが金属イオンを含み、かつ、該ハイドロゲルを構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、該金属イオンと錯体を形成しうる基を有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の人工半月板。
  7. 該ハイドロゲルが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を原料モノマーとする網目構造と、アクリルアミドを原料とする網目構造とから構成されている、請求項1記載の人工半月板。
  8. 該ハイドロゲルが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を原料モノマーとする網目構造と、N,N−ジメチル−アクリルアミドを原料とする網目構造とから構成されている、請求項1記載の人工半月版。
  9. ハイドロゲルを構成する直鎖状ポリマー又は網目構造が、電荷を有する不飽和モノマー及び/又は電気的に中性である不飽和モノマーの重合体又はその架橋体である、セミ相互侵入網目構造又は相互侵入網目構造のハイドロゲルを基材とする人工半月板の製造方法であって、
    第一のモノマー成分(ここで、該成分の10モル%以上が、電荷を有する不飽和モノマーである)を溶媒存在下で重合し架橋することにより第一の網目構造を形成させる第一工程と、
    第一の網目構造中に第二のモノマー成分(ここで、該成分の60モル%以上が、電気的に中性である不飽和モノマーである)を導入した後、第二のモノマー成分を溶媒存在下で重合することにより、第一の網目構造中にポリマーを形成させる工程か、場合により更に架橋することにより、第一の網目構造中に第二の網目構造を形成させる第二工程(ここで、第二のモノマー成分を重合し架橋する場合には、第一のモノマー成分を重合し架橋する場合よりも架橋度を小さく設定する)とを含む方法(ここで、第一のモノマー成分量:第二のモノマー成分量が、モル比で1:2〜1:100である)。
  10. 第一のモノマー成分に対して架橋剤を0.1〜50mol%の量で用い、第二のモノマー成分に対して架橋剤を0.001〜20mol%の量で用いる、請求項9記載の製造方法。
  11. 第一工程及び/又は第二工程における重合及び/又は架橋が、水溶液下で行われる、請求項9又は10記載の製造方法。
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