JPH1032019A - ポリマ電解質およびそれを用いたリチウム・ポリマ電池 - Google Patents

ポリマ電解質およびそれを用いたリチウム・ポリマ電池

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JPH1032019A
JPH1032019A JP8187165A JP18716596A JPH1032019A JP H1032019 A JPH1032019 A JP H1032019A JP 8187165 A JP8187165 A JP 8187165A JP 18716596 A JP18716596 A JP 18716596A JP H1032019 A JPH1032019 A JP H1032019A
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polymer
electrolyte
lithium
battery
organic electrolyte
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JP8187165A
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Masahiko Ogawa
昌彦 小川
Masaru Nishimura
賢 西村
Tetsuhisa Sakai
哲久 酒井
Akiko Ishida
明子 石田
Nobuo Eda
信夫 江田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械強度およびイオン伝導度に優れたポリマ
アロイ型のゲル状ポリマ電解質を提供する。また、これ
を導入したリチウム・ポリマ電池を作製する。 【解決手段】 有機電解液に難溶性のポリマに3次元架
橋型ポリマを混合あるいは相溶させたポリマアロイフィ
ルムを作製し、有機電解液を含浸させてゲル化する。こ
のポリマアロイ型のゲル状ポリマ電解質は機械強度の強
い高イオン伝導性の電解質として機能する。またこのポ
リマアロイゲルを導入したリチウム・ポリマ電池は、液
体電解質系の電池と同等の放電特性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリマ電解質およびそれ
を用いたリチウム・ポリマ電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は高電圧・高エネルギ
ー密度という特徴を有し、次世代の新型二次電池として
研究開発が推進されている。また、その電解質の開発も
積極的に展開されており、イオン伝導度や耐電圧などの
改善が試みられている。
【0003】リチウムイオン二次電池をはじめ、ほとん
どのリチウム二次電池の電解質には有機電解液が使用さ
れている。実際の電池では、これをポリプロピレン微多
孔膜などのセパレータに含浸させて、正/負極間のイオ
ン伝導路を確保する。
【0004】しかし、リチウム二次電池でしばしば問題
となるのがリチウムのデンドライト状析出による内部シ
ョートであり、有機電解液系ではデンドライトの制御が
特に困難である。有機電解液自身は流動体であり、本質
的にデンドライトの成長を抑制することができない。
【0005】また、セパレータを用いた場合、正/負極
間に流れる電流は限定されたイオン伝導路であるセパレ
ータの細孔部に集中するため、結果としてリチウムデン
ドライトの成長がセパレータの細孔部で集中的に促進さ
れる。
【0006】このような状況を打破するため、固体のポ
リマ電解質を利用する電池系が考案され、現在、開発途
上にある。このポリマ電解質はポリマに金属塩を均一に
固溶させたイオン伝導体である。これはセパレータフリ
ーの固体電解質として機能し、かつ、電解質全面に電流
が均一に流れるため、リチウムデンドライトの発生・成
長を抑制することが可能であると言われている。
【0007】しかし、そのイオン伝導度は室温で10-5
S/cm程度であり、有機電解液と比較して2桁以上低
い。このイオン伝導度の低さが上記電解質を小型二次電
池へ導入する際の障害要因となっており、これを改善す
る方法が研究開発されている。
【0008】そこで、有機電解液と同程度のイオン伝導
度を確保することを目的として、ゲル状ポリマ電解質の
開発が促進されている。このゲル状の電解質はポリママ
トリクスに電解液を含浸させたものであり、イオン伝導
は主としてその電解液相を介して行われる。
【0009】ゲル状の電解質はポリママトリクスの種類
によって2つに大別できる。1つは3次元架橋型ポリマ
のゲルであり、例えば特開平5−109310号公報に
記載されるように、アクリレート末端基を持つモノマを
溶液と混合し、電子線照射により重合硬化して形成した
3次元架橋型ポリマをゲルとして利用するものである。
もう1つは、ポリエチレンオキシドのような1次元直鎖
状ポリマに有機電解液を含浸させてゲルとするものであ
る。いずれのゲルも有機電解液と同程度のイオン伝導度
を示す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のゲルでは、下記に示す各々の長所と欠点を有してい
る。
【0011】1次元直鎖ポリマであるポリエチレンオキ
シドのフィルムを有機電解液に浸漬させて得たゲルは、
電解液と同等のイオン伝導度を示す。しかし、ポリエチ
レンオキシドが電解液に溶解して流動するため、フィル
ムの形状を維持できず固体としての機能が失われ、機械
的強度が低下する。
【0012】また、難溶性の1次元直鎖ポリマであるポ
リフッ化ビニリデンのフィルムを有機電解液に浸漬させ
て得たゲルは、ポリマの溶解・流動という現象は認めら
れず、フィルムはわずかに膨潤する程度であり、自立性
のあるゲルとして機能する。しかし、イオン伝導度は低
く、特公昭61−23947号公報に記載のポリフッ化
ビニリデンのゲルも室温で10-5S/cm程度の伝導度
にとどまる。
【0013】一方、1次元直鎖ポリマのゲルと同等のイ
オン伝導度を示す3次元架橋型ポリマのゲルは1次元直
鎖ポリマゲルよりも高い機械強度を有し、高温でも流動
しないものの強度面では十分とは言えず、脆く裂けやす
い性質がある。また、架橋点が酸化分解されやすく耐電
圧が低いため、LiCoO2やLiNiO2等を正極活物
質に用いる4V級ポリマ電池の電解質として利用するこ
とが難しい。
【0014】以上のことから、ゲル電解質を実用化する
際は、固体としての形状維持とイオン伝導度の確保およ
び耐電圧の3点を満たすことが必要となる。しかし、従
来の電解質ではいずれかの機能が損なわれるため、上記
3点を共に満たすポリマ材料の開発が望まれていた。
【0015】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、上記3点の機能を共に満たす新規のポリ
マ電解質およびそれを用いたリチウム・ポリマ電池を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明のポリマ電解質は、有機電解液に難溶性のポ
リマと有機電解液によりゲル化する3次元架橋型ポリマ
からなるポリマアロイフィルムと、有機電解液からなる
ゲル状ポリマ電解質である。
【0017】また、リチウム電池用負極と正極の間に上
記ゲル状ポリマ電解質を配した構成のリチウム・ポリマ
電池である。
【0018】このことにより、ポリマ電解質は固体とし
ての形状維持とイオン伝導度の確保および耐電圧の3点
の機能を満たすことができ、さらにこのポリマ電解質を
電池に用いることにより高放電特性を示すリチウム・ポ
リマ電池を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のポリマ電解質は、有機電
解液に難溶性のポリマと有機電解液によりゲル化する3
次元架橋型ポリマを混合あるいは相溶させて得たポリマ
アロイフィルムに、有機電解液を含浸させゲル状にした
ものである。
【0020】また、前記ポリマ電解質を正極と負極の間
に配した構成のリチウム・ポリマ電池である。
【0021】有機電解液に難溶性のポリマとしては、ポ
リフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンのコポリ
マがある。
【0022】負極としては、金属リチウム、リチウム合
金、リチウムを吸蔵した無機材料およびリチウムを吸蔵
した炭素材から成る群から選ばれた少なくとも1つであ
る。
【0023】本発明のポリマ電解質のポリマアロイフィ
ルムは、ポリフッ化ビニリデンのような有機電解液に難
溶性のポリマと、有機電解液によりゲル化する3次元架
橋型ポリマからなる。ポリアロイフィルムは上記有機電
解液に難溶性のポリマの溶液と、例えばアクリレート末
端基またはメタクリレート末端基を持つポリエチレング
リコールジアクリレートやポリエチレングリコールジメ
タクリレートなどの光架橋性モノマの溶液とを混合した
後に電子線もしくは紫外線を照射し重合硬化することで
得られ、このポリマアロイフィルムに有機電解液を含浸
させてゲル状ポリマ電解質とするものである。アクリレ
ート末端基またはメタクリレート末端基を持つ光架橋性
モノマーは前記の他、例えば、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジメタクリレートまたはメリメチロールプロ
パンエトキシル化トリアクリレートなどが用いられる。
【0024】得られたフィルムは、A、B2種類のポリ
マが混合あるいは相溶したポリマアロイである。ポリマ
の組合せにもよるが、その構造はAポリマの海にBポリ
マの島が点在する海島構造や、A、B各ポリマが連続的
に絡みあった変調構造などである。いずれにせよ、Aポ
リマリッチ相とBポリマリッチ相にミクロに相分離した
構造を有する。
【0025】このミクロ相分離構造が、ゲル化させたフ
ィルムの固体としての形状維持と高イオン伝導性を両立
させる要因となる。ポリマアロイフィルムを有機電解液
に浸漬させると、電解液によりゲル化する3次元架橋型
ポリマに電解液が浸透しゲル状になる。しかし、難溶性
のポリマがミクロに絡みあい、機械強度の強い高イオン
伝導性のゲル電解質となる。
【0026】本発明の電解質とは材料が異なるが、1次
元ポリマを用いたゲル電解質が米国特許5、296、3
18号公報に報告されている。このゲル電解質は、溶
解、膨潤が困難なポリマを溶解、膨潤を容易にする目的
で作られたものであり、ポリフッ化ビニリデンとヘキサ
フルオロプロピレンとのコポリマを利用し、揮発性溶媒
と前記コポリマと電解液との混合溶液から溶媒除去法に
より作製される。上記電解質の特微は、ヘキサフルオロ
プロピレンとの共重合によりポリフッ化ビニリデンの結
晶性が抑制され可塑化されたことであり、結果として1
-3〜10-4S/cmの高イオン伝導が実現可能となっ
た。
【0027】本発明のゲル電解質との相違点は、マトリ
クスに使用するポリマの構造であり、上記電解質の場
合、2種類のポリマが化学的に結合したコポリマを使用
しているが、本発明の場合、2種類のポリマが分子レベ
ルで絡み合い相溶したポリマアロイ(別名ポリマブレン
ドまたは相互侵入高分子網目)と呼称されるポリマ材料
を使用している。ポリマアロイの特徴は、性質の異なる
ポリマの相溶により各ポリマの利点が強調されることに
あり、本発明も前述の通り2種類のポリマの利点を活か
した系を利用したものである。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図を参照し
て説明する。
【0029】(実施例1)本実施例では、有機電解液に
難溶性のポリマであるポリフッ化ビニリデンと3次元架
橋型ポリマとを相溶させて得たポリマアロイフィルムに
有機電解液を含浸させゲル状にしてポリマ電解質を以下
に説明するように作製した。
【0030】まず、3次元架橋型ポリマを形成する光架
橋性モノマー溶液としてアセトニトリルにポリエチレン
グリコールジアクリレート10重量%、トリメチロール
プロパンエトキシル化トリアクリレート1重量%、およ
び光重合開始剤(ベンジルジメチルケタール、0.1重
量%)を溶解した液体を調製する。次に、N-メチル-2
-ピロリジノンにポリフッ化ビニリデンを1〜10重量
%溶解した液体を調製し、上記の光架橋性モノマー溶液
と10:90〜90:10の重量比で混合した。
【0031】次に、得られた混合溶液をガラス板に塗布
し、紫外線を照射して重合硬化させ、得られたフィルム
を80℃の乾燥機中で溶媒を蒸発除去して薄膜のポリマ
アロイフィルムを得た。混合溶液の塗布量はフイルム厚
みが10〜50μmになるように調整する。得られたフ
ィルムはさらに50℃で真空乾燥して、残存溶媒や水分
を十分に除去した。
【0032】続いて、上記ポリマアロイフィルムを有機
電解液の浴槽に浸漬させて、ポリマアロイのゲル電解質
を得た。有機電解液としては、エチレンカーボネートと
プロピレンカーボネートが50:50の体積比の混合溶
媒に溶質としてLiPF6を1.0モル/リットル溶解
したものを使用した。
【0033】(比較例1)有機電解液に難溶性ポリマで
あるポリフッ化ビニリデンの単独ポリマのゲル状ポリマ
電解質を作製した。作製方法は、調整液をN−メチル−
2−ピロリジノンにポリフッ化ビニリデンを1〜10重
量%溶解した単一溶液とする以外は、実施例1と同様の
方法である。
【0034】(比較例2)3次元架橋型ポリマ単独のゲ
ル状ポリマ電解質を作製した。作製方法は、調製液を実
施例1で用いた光架橋性モノマー溶液単独とする以外
は、実施例1と同様の方法である。
【0035】実施例1および比較例1、2で得られたポ
リマ電解質のイオン伝導度と機械強度を図1に示す。
【0036】図1において、曲線Aはポリマ電解質のイ
オン伝導度、Bは引っ張り強度を示す。横軸の左端は比
較例1のポリフッ化ビニリデン単独フィルムのポリマ電
解質であり、右端は比較例2の3次元架橋型ポリマ単独
のポリマ電解質である。その間の領域がポリマアロイの
ポリマ電解質となる。
【0037】ポリフッ化ビニリデンを用いた比較例1の
ポリマ電解質は、引っ張り強度が400kgf/cm2
を示し、強い機械強度を有することがわかる。しかしイ
オン伝導度は1.3×10-5S/cmと低く、小型二次
電池の実用レベルに達していない。
【0038】一方、3次元架橋型ポリマを用いた比較例
2のポリマ電解質は、イオン伝導度が2.8×10-3
/cmと高い値を示し、実用レベルに達している。しか
しその反面、引っ張り強度が5kgf/cm2と極端に
低く、流動してしまう。
【0039】これらに対して実施例1のポリマアロイフ
ィルムのポリマ電解質は、イオン伝導度および引っ張り
強度ともに比較例1、2の間の値を示し、その値はポリ
マ組成によって連続的に変化する。
【0040】放電時のIR損を最小限に押さえるため
に、リチウム電池用電解質のイオン伝導度は少なくとも
10-4S/cm以上の値が求められる。よって図1から
判断して、ポリマアロイフイルム中の3次元架橋型ポリ
マの含量は25重量%以上であることが好ましい。
【0041】また、機械強度もセパレータと同程度に強
いことが望ましく、引っ張り強度は少なくとも100k
gf/cm2以上の値が求められる。よってフィルム中
の3次元架橋型ポリマの含量は60重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0042】結果として、実施例1のゲル電解質では、
ポリエチレンオキシドの含量が25〜60重量%の範囲
で、比較例1、2の欠点を補うように特性が発現し、機
械強度の強い高イオン伝導性の電解質として機能する。
【0043】(実施例2)実施例1のポリマアロイフィ
ルムの電解質を用いて本発明のリチウム・ポリマ電池を
作製した。図2に本発明のリチウム・ポリマ電池の発電
素子部の縦断面図を示す。図1において1は負極集電
体、2は金属リチウムを負極集電体1に圧着した負極
層、5は正極集電体、4は正極層であり、LiCoO2
とアセチレンブラックと結着剤からなるペーストを正極
集電体5に圧延塗布して得たものである。これらの電極
の間に3で示される実施例1のポリマ電解質を挿入し、
リチウム・ポリマ電池を得た。ここで使用したポリマア
ロイフィルムは、ポリフッ化ビニリデンと3次元架橋型
ポリマの重量比が50:50のものである。
【0044】(比較例3)セパレータを用いた液体電解
質系のリチウム電池を作製した。ポリマアロイフィルム
のゲル状ポリマ電解質の代わりにポリプロピレン微多孔
膜のセパレータを使用し、群構成後に電解液を注液する
こと以外は、実施例2と同様の方法で作製した。
【0045】また、比較例1のポリフッ化ビニリデンの
単独ポリマのゲル状電解質を用いた電池の作製を行った
が、成膜性が悪く、放電容量やサイクル数のばらつきも
大きく、電池性能の安定性が悪かった。また、3次元架
橋型ポリマ単独のゲル状電解質を用いた電池では充電に
よりポリマ電解質がLiCoO2によって酸化分解され
正常には作動しなかった。
【0046】実施例2および比較例3の電池を0.5m
A/cm2の電流密度の定電流方式、4.1V〜3.0
Vの電圧範囲で室温にて充放電試験を行った。図3に実
施例2および比較例3の電池の1サイクル目の放電曲線
を示す。
【0047】図3より実施例2のリチウム・ポリマ電池
の放電容量は、比較例3の液体電解質を用いたリチウム
電池と比較して若干劣るものの、2.5mAh/cm2
以上の容量を示し、常温作動型の電池として十分な性能
を有するものである。
【0048】また、これらの電池のサイクル特性を図4
に示す。図4より比較例3の電池は、サイクル初期の放
電容量は大きいものの、約100サイクルで容量が激減
し、充放電ができなくなった。この電池を分解観察した
結果、負極のリチウムデンドライトがセパレータを貫通
して正極側に到達しており、電池寿命は内部ショートに
よるものと考えられる。一方、実施例2の電池は、初期
容量は比較例3の電池より若干小さいものの、200サ
イクルを越えても安定に充放電した。この電池を200
サイクルを越えたところで分解観察した結果、リチウム
デンドライトの貫通は認められなかった。また、3次元
架橋型ポリマの課題であった高電圧での酸化分解も認め
られなかった。
【0049】このことから本発明の電池は内部ショート
のない、安全性・信頼性の高いリチウム電池として機能
することが明らかになった。
【0050】なお、本実施例では、有機電解液に難溶性
のポリマとしてポリフッ化ビニリデンを用いたが、これ
はフッ化ビニリデンのコポリマやポリスチレンを用いて
も同様の効果が得られる。
【0051】また、本実施例では、3次元架橋型ポリマ
として光架橋性モノマであるポリエチレングリコールジ
アクリレートを用いて行ったが、これは他のアクリレー
ト基を持つ、例えばトリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパンエトキシル化トリアク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ートまたはメリメチロールプロパンエトキシル化トリア
クリレートなど、あるいはグリコール基を持つポリエチ
レングリコールジメタクリレートエチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリエチレングリコールジメタクリレートまたはネ
オペンチルグリコールジメタクリレートなどを用いても
同様の効果が得られる。
【0052】また、本実施例では、有機電解液に難溶性
のポリフッ化ビニリデンと3次元架橋型ポリマを用いた
ときの適切な配合比率を示したが、機械強度の強い高イ
オン伝導性の電解質として機能が発現する配合比率は物
質によって異なるものである。
【0053】また、本実施例では、有機電解液の溶質と
してLiPF6を用いたが、これはLiCF3SO3、L
iClO4、LiN(CF3SO22、LiAsF6ある
いはLiBF4など他のリチウム塩などを用いても同様
の効果が得られる。
【0054】また、本実施例では、負極に金属リチウム
を用いたが、これはリチウム合金、リチウムを吸蔵した
無機材料、あるいはリチウムを吸蔵した炭素材を用いて
も同様の効果が得られる。
【0055】また、本実施例では、正極活物質にLiC
oO2を用いたが、これはLiNiO2、LiMn24
るいはLixMnO2(0<x<0.5)などを用いても
同様の効果が得られる。。
【0056】なお、ポリマアロイフィルムヘの有機電解
液の含浸方法は上記の方法に限定されるものではなく、
ポリマ電解質を電池に組み込む場合は、群構成し電池缶
内に収納した後、有機電解液を注液することにより含浸
してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ゲル状ポ
リマ電解質のポリママトリクスとして、有機電解液に難
溶性のポリマと有機電解液によりゲル化する3次元架橋
型ポリマとを相溶させて得たポリマアロイフィルムを利
用することで、機械強度およびイオン伝導度を共に確保
したポリマ電解質の作製が可能となった。また、これを
リチウム電池用正・負極と組み合わせることで、液体電
解質系の電池と同等の放電特性を示し、かつサイクル特
性に優れているリチウム・ポリマ電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル状ポリマ電解質のイオン伝導度と引っ張り
強度を示す図
【図2】本発明のポリマ電解質を用いたリチウム・ポリ
マ電池の発電素子部の縦断面図
【図3】本発明のリチウム・ポリマ電池および比較例の
液体電解質リチウム電池の放電曲線を示す図
【図4】本発明のリチウム・ポリマ電池および比較例の
液体電解質リチウム電池のサイクル特性を示す図
【符号の説明】
1 負極集電体 2 負極層 3 ポリマ電解質 4 正極層 5 正極集電体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 明子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 江田 信夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機電解液に難溶性のポリマと有機電解
    液によりゲル化する3次元架橋型ポリマからなるポリマ
    アロイフィルムと、有機電解液からなるゲル状ポリマ電
    解質。
  2. 【請求項2】 有機電解液に難溶性のポリマがポリフッ
    化ビニリデンおよびフッ化ビニリデンのコポリマの群か
    ら選ばれた少なくとも1つである請求項1記載のポリマ
    電解質。
  3. 【請求項3】 負極と正極との間にポリマ電解質を配し
    た構成のリチウム電池において、ポリマ電解質は有機電
    解液に難溶性のポリマと有機電解液によりゲル化する3
    次元架橋型ポリマからなるポリマアロイフィルムと、有
    機電解液からなるゲル状ポリマ電解質であるリチウム・
    ポリマ電池。
  4. 【請求項4】 負極が、金属リチウム、リチウム合金、
    リチウムを吸蔵した無機材料およびリチウムを吸蔵した
    炭素材から成る群から選ばれた少なくとも1つである請
    求項3記載のリチウム・ポリマ電池。
  5. 【請求項5】 有機電解液に難溶性のポリマがポリフッ
    化ビニリデンおよびフッ化ビニリデンのコポリマの群か
    ら選ばれた少なくとも1つである請求項3記載のリチウ
    ム・ポリマ電池。
JP8187165A 1996-07-17 1996-07-17 ポリマ電解質およびそれを用いたリチウム・ポリマ電池 Pending JPH1032019A (ja)

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