JP4708178B2 - 往復するプリントヘッドキャリッジを備えたプリンタ - Google Patents

Description

本発明は、フレームと、前記フレームに取り付けられたベアリングアセンブリと、記録媒体のシートを前進させるために、ベアリングアセンブリで回転可能に支持されたプラテンと、フレームに取り付けられ、かつプラテンの軸方向と平行に延びるガイドレールと、ガイドレールと平行に延びるルーラーと、ガイドレールに沿って往復するように駆動され、かつプリントヘッドを担持するキャリッジと、ルーラーに対するキャリッジの位置を検出するように構成された検出器とを備える、プリンタに関する。

この種のプリンタの典型的な例は、プラテン上を前進される記録媒体上に液体インクの液滴を吐出するように構成された、１個または複数のプリントヘッドを有するインクジェットプリンタである。プリントヘッドのノズルが通電されるタイミングは、キャリッジの移動と正確に同期されなくてはならない。このために、キャリッジは、ルーラー上のマークを読み取るための検出器を備えている。高い印刷品質を達成するためには、キャリッジの往復移動方向において、記録媒体に対するルーラーの位置が、全印刷プロセスを通して安定していることが必須条件である。

従来のプリンタでは、ルーラーが、ガイドレールに固定され、キャリッジの加速および減速により生じる慣性力により変形しないように、フレームが非常に堅い構造となっている。

本発明の目的は、簡単な構造を有するにもかかわらず、特に高速印刷において高い印刷品質を可能とするプリンタを提供することである。

本発明によれば、この目的は、上述のタイプのプリンタにより達成され、前記軸方向に、ルーラーが、ベアリングアセンブリの位置でガイドレールとは無関係に剛性的に固定される。

よって、ルーラーの位置が、それ自体がプラテンの軸方向位置を、ひいては記録媒体のシートの位置を画定する、ベアリングアセンブリの位置に直接結合される。フレームが変形されると、これが、プラテンおよびガイドレール両方の横方向の変位を生じさせるが、ガイドレールの変位は、プラテンの変位とは異なる。しかしながら、ルーラーは、ガイドレールではなくプラテン用のベアリングアセンブリに結合されているので、ルーラーの横方向の変位は、プラテンの横方向の変位と同じとなり、ルーラーの位置と記録媒体との間の安定した関係が保証される。結果として、フレームに対する剛性要件を緩めることができ、これがコストおよび重量の削減につながり、および／または印刷品質が改善され、あるいは、所与の印刷品質について、キャリッジがより迅速に加速および減速することができるため、より高い処理能力を達成することが可能となる。

本発明の好ましい実施形態が、従属請求項に示されている。

一般に、ベアリングアセンブリは、プラテンの両端でそれぞれのフレーム部材に固定された２個のベアリングにより形成される。一実施形態では、ルーラーの両端が、２個のベアリングのそれぞれ１個で剛性的に保持されている。別の実施形態では、ルーラーの一端だけが、ベアリングの一方で保持され、ルーラーの他端は、フレームに弾性的に連結されており、ルーラーは、２個のフレーム部材間で張力をかけられている。そして、ルーラーの弾性懸架により、ルーラーが、接続先の一方のベアリングの横方向の変位に追随することが可能となる。

ルーラーの端部とベアリングとの間の剛性連結は、プラテンの軸方向と平行な平面内に方向付けられた保持プレートによって達成されるのが好ましく、それによってこの軸方向に高い剛性を有する。保持プレートは、それ自体がベアリングに取り付けられるブラケットに取り付けられ、またはフレーム部材に、ベアリングの取り付け位置で直接取り付けられることができる。

プラテンおよびルーラーが、ガイドレールの両側に配置される場合、取り付けプレートが、ガイドレールに形成されたスロットを通って延びるアームを形成することができる。以下に、本発明の好ましい実施形態が図面とともに説明される。

図１に示されたプリンタは、フレーム１０を備え、このフレーム１０は、２本の直立材１４および２本のクロスバー１６により形成された下部フレーム１２と、クロスバー１６から上方に突出する２枚の板状フレーム部材１８により形成された上部フレームとから構成される。

ベアリングアセンブリは、２個のフレーム部材１８間のプラテン２２を回転可能に支持する、２個のベアリング２０により形成されている。

シート支持プレート２４は、２個のフレーム部材１８上で水平方向に支持され、プラテン２２によって（図１の図面の平面に垂直な）Ｘ方向に前進される、記録媒体（図１に図示せず）のシートを支持する役目を果たす。プラテン２２用のウォーム型駆動機構体２６が、ベアリング２０の一方の近傍（図１の左側）に配置されている。

ガイドレール２８は、フレーム部材１８の上端に載っており、プラテン２２の軸方向Ｙと平行に延びている。キャリッジ３０は、ガイドレール２８上をガイドされ、ベルト駆動機構体３２によってガイドレールに沿って往復移動するよう駆動される。キャリッジ３０は、シート支持プレート２４上に延びる部分を有し、プリントヘッド３４が、シート支持プレート２４上を前進されるシートに対向するように、このキャリッジ部分の底側に取り付けられている。プリントヘッド３４は、例えばホットメルトインクジェットプリントヘッドであってもよい。

ルーラー３６は、ガイドレール２８上方をガイドレール２８と平行に延びており、キャリッジ３０に取り付けられた検出器３８により読み取り可能なマークを有している。検出器３８により読み取られたマークに基づいて、プリンタの電子制御システムが、キャリッジ３０が記録媒体を横切って移動する間に、プリントヘッド３４のプリントユニットまたはノズルが通電されるタイミングを決定する。

図１の右側に一番よく見えるように、ブラケット４０が、ベアリング２０のそれぞれに、より厳密にはベアリングの静止部に剛性的に取り付けられ、Ｙ−Ｚ平面内に方向付けられた保持プレート４２が、ブラケット４０に剛性的に固定されている。各保持プレート４２が、ガイドレール２８に形成されたスロットを通って斜め上方外側に延びる、アーム４４を形成している。ルーラー３６は、その両端がアーム４４の上端間に剛性的に保持されている。

図１の左側では、ブラケット４０も、駆動機構体２６を収容しており、保持プレート４２が、駆動機構体のウォームギア４６を跨いでいる。

図２に示されたように、ガイドレール２８は、２本の円筒ロッド４８を支持するプロファイル部材から形成され、キャリッジ３０が、円筒ロッド４８に支持されてローラベアリングでガイドされる。アーム４４用のスロットが５０で示されている。図１に示されるように、アーム４４の傾斜位置により、ルーラー３６がある張力下で保持されることができ、同時にキャリッジ３０が、シート支持プレートの全幅にわたって移動することが可能となるという利点がある。

上述のルーラー３６用の取り付け構造の主な利点が、若干変更した実施形態の例を示す図３および図４とともに、以下に説明される。

図３に象徴的に示されたように、ルーラー３６の一端（左）だけが、アーム４４によってベアリング２０の一方に直接連結しているのに対して、ルーラーの他端は、ガイドレール２８から突出したフレーム部材５２に弾性的に連結されている。ルーラー３６のこの端部の弾性懸架は、バネ５４によって象徴的に示されている。

バネ５４は、ルーラー３６をある張力下で保持するが、それにもかかわらず、第１の実施形態のように、Ｙ方向のルーラーの位置は、ベアリング２０の位置により決まり、したがって、それによって前進されるプラテン２２およびシート５６のＹ位置に対して固定される。

キャリッジ３０が、ガイドレール２８に沿って往復移動すると、キャリッジの駆動機構体（図３には図示せず）およびガイドレール２８が、特にＡ０等の大きな判の印刷が、高速処理で行われるべき場合には、かなりの慣性力を受けるので、キャリッジの加速度および減速度が高くなる。図４に誇張して示されているように、これらの力はフレーム１０を変形しやすい。この変形の結果として、ガイドレール２８が、プラテン２２上のシート５６に対してＹ方向にずれる。しかしながら、ルーラー３６が、アーム４４により剛性的に保持されているので、ルーラー３６上のマークが、プラテン５２上のシート５６と正確に位置合わせされたままである。結果として、図３および図４に矢印で示したように、フレーム１０の変形は、シート５６上の印刷位置に何ら影響を及ぼさない。本実施形態では、ルーラー３６とガイドレール２８との間の相対的な移動が、バネ５４により吸収される。

比較のために、図５は、ルーラー３６がガイドレール２８で剛性的に支持されている、従来の場合を示している。すると、フレーム１０の変形が、ルーラーのマークの変位、ひいては所望の目標印刷位置Ｐｔに対する実際の印刷位置ＰａのＹ方向の変位をもたらし、印刷品質が劣化することになる。本発明は、この問題を解決することに成功した。

本発明に係るプリンタの正面図である。 図１のラインＩＩ−ＩＩに沿った拡大断面図である。 変更した実施形態に係るプリンタの概略正面図である。 フレームが変形した状態を表す、図３と類似の概略正面図である。 比較例によるプリンタについての図４と類似の概略図である。

符号の説明

１０ フレーム
１８、５２ フレーム部材
２０ ベアリングアセンブリ
２２ プラテン
２８ ガイドレール
３０ キャリッジ
３４ プリントヘッド
３６ ルーラー
４０ ブラケット
４２ 保持プレート
４４ アーム
５０ スロット
５６ シート

Claims (7)

1. フレーム（１０）と、
   前記フレームに取り付けられたベアリングアセンブリ（２０）と、
   記録媒体のシート（５６）を前進させるために、ベアリングアセンブリ（２０）で回転可能に支持されたプラテン（２２）と、
   フレーム（１０）に取り付けられ、かつプラテン（２２）の軸方向（Ｙ）と平行に延びるガイドレール（２８）と、
   ガイドレール（２８）と平行に延びるルーラー（３６）と、
   ガイドレール（２８）に沿って往復するように駆動され、かつプリントヘッド（３４）を担持するキャリッジ（３０）と、
   ルーラーに対するキャリッジの位置を検出するように構成された検出器（３８）とを備える、プリンタであって、
   前記軸方向（Ｙ）に、ルーラー（３６）が、ベアリングアセンブリ（２０）の位置で、ガイドレール（２８）とは無関係に剛性的に固定されることを特徴とする、プリンタ。
2. ベアリングアセンブリが、プラテン（２２）の両端に１個ずつの２個のベアリング（２０）を含み、ルーラー（３６）の両端が、前記ベアリング（２０）のそれぞれ１個に剛性的に連結されている、請求項１に記載のプリンタ。
3. ルーラー（３６）上の１点が、プラテン（２２）の１個のベアリング（２０）に剛性的に連結され、ルーラー（３６）上の少なくとも１つの他の点が、フレームまたはガイドレール（２８）の一部（５２）に弾性的に連結されている、請求項１に記載のプリンタ。
4. 保持プレート（４２）を備え、該保持プレート（４２）が、プラテン（２２）の軸方向（Ｙ）と平行な平面（Ｙ−Ｚ）内に方向付けられ、かつルーラー（３６）の端部をプラテン（２２）用のベアリング（２０）に連結する、請求項１から３のいずれか一項に記載のプリンタ。
5. 保持プレート（４２）が、ベアリング（２０）からルーラー（３６）の端部へと斜め外側に延びるアーム（４４）を形成する、請求項４に記載のプリンタ。
6. ルーラー（３６）およびプラテン（２２）が、ガイドレール（２８）の両側に配置され、保持プレート（４２）が、ガイドレール（２８）に形成されたスロット（５０）を通るアーム（４４）を形成する、請求項４または５に記載のプリンタ。
7. 保持プレート（４２）が、ベアリング（２０）に固定されたブラケット（４０）に固定され、および／またはフレーム部（１８）に、ベアリング（２０）の取り付け位置で直接固定される、請求項４から６のいずれか一項に記載のプリンタ。

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