JP4707282B2 - 衛生材料用トップシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長繊維不織布で構成された、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料に用いられるトップシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料用トップシートのように、肌に接する部分に使用される素材には、柔らかな風合いを有し、毛羽立ちによる痒み、ちくちく感、痛み等がなく、肌触り感がよいことが重要視される。中でも、肌に対する物理刺激が少ないことが重要である。物理刺激には、繊維の末端部や繊維から生ずる毛羽による刺激およびそれらに起因する擦過刺激等が挙げられる。
【0003】
短繊維を熱スルーエアー法にて繊維の交差部を熱融着してシート化した不織布(以下、スルーエアー不織布、という)は、風合いがふんわりとして柔らかく、繊維の交差部が熱融着されているので毛羽の発生も少ないためにこれらの用途に多く用いられてきた。しかしながら、この不織布は短繊維で構成されているため、繊維端が表面に存在して、ちくちくした肌触り感があり、さらに繊維端が肌を摩擦したとき擦過刺激の原因となる等、物理刺激の面で満足なものではなかった。
短繊維をエンボスロール等によって部分的に熱融着された不織布(以下、ポイントボンド不織布、という)は、スルーエアー不織布と同様に繊維端が表面に存在するため物理刺激の面で十分でないばかりでなく、スルーエアー不織布に比べて繊維交点全てが接着しているわけではないため、毛羽立ちが発生しやすく、風合いも劣るものであった。
【0004】
一方、長繊維不織布をエンボスロール等によって熱圧着した長繊維不織布は、短繊維端が表面に出ることはなく、繊維端による物理刺激は起こりにくいが、表面の毛羽立ちを防止するために過剰な熱圧着が行われており、そのため風合いが硬く、ザラザラした肌触り感を与えるばかりでなく、熱圧着部の周辺部が物理刺激の原因となっている。
特開平10―53955号公報および特開平9―302586号公報には、部分熱圧着された長繊維不織布に、特定のポリエーテル化合物と特定のポリエーテル変性シリコンを併用したポリオレフィン系不織布が開示されているが、上記の熱圧着部周辺部に起因する物理刺激による問題点があり、なお改良の余地がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、柔らかな風合いを有し、毛羽立ちによる痒み、ちくちく感、痛み等がなく、肌触り感が良好で、かつ、肌に対する物理刺激が少ない衛生材料用トップシートを提供することを目的とする。
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、熱圧着部の形状を適性範囲に規定することにより、上記の目的が達成させることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)繊度が0.5デシテックス以上、3デシテックス以下ポリプロピレン繊維からなり、熱圧着部形状指数Pが1.9以上26以下(下記式(1))となるように部分的に熱圧着され、目付が10g/m2以上、30g/m2以下である長繊維不織布で構成され、プロピレンオキシド60〜90モルとエチレンオキシド10〜30モルであり、かつエチレンオキシドに対するプロピレンオキシドのモル比が3〜6であるポリエーテル共重合体と、化学式(1)で示されるポリエーテル変性シリコンとの混合物であり、ポリエーテル共重合体とポリエーテル変性シリコンの質量割合が60:40〜80:20である親水性向上剤を繊維に対して0.1〜1.0質量%付与することにより親水性向上処理がなされており、
かつ、擦過刺激指数(Y)が13以下であり、熱圧着部の形状指数(P)とトップシートの擦過刺激指数(Y)とが、下記式()の関係を満たすことを特徴とする衛生材料用トップシート。
【0007】
1.9 ≦ P ≦ 26 (1)
1.9 ≦ P ≦ 2.64 × Y + 12.3 (
P:熱圧着部形状指数(融着面積率×定面積当りの融着周長)
融着面積率:長繊維不織布の融着部面積が長繊維不織布の全表面積に占める割合
定面積あたりの融着周長:長繊維不織布20平方ミリメートルあたりに含まれる融
着部の周長の総和
Y:擦過刺激指数
【0009】
【化2】
Figure 0004707282
【0010】
(式中、R’はエチレン基またはプロピレン基、 R”は水素、炭素数1〜12のアルコキシ基またはカルボキシ基、cは7〜100、dは1〜10、eは2または3、fは20〜80)
【0011】
本発明について、以下、詳細に説明する。
本発明は、衛生材料用トップシートである。衛生材料は、体液を吸収する為の、パルプ等よりなる吸液体と、この吸収体を被包するための材料とで主に構成され、具体的には、おむつ、ナプキン、尿とりパッド、産褥用パッド、パンティーライナー、汗吸収用パッド等が含まれる。
トップシートは、衛生材料の、直接、肌に接する側に用いられるシートのことでる。したがって、トップシートは、体液の透過性に優れ、肌触りがよく、肌への物理刺激が少ないこと等が要求される。物理刺激とは、着用時に肌との擦れ等によって生じる擦過刺激や、肌との圧着によって生じる圧着刺激等があげられる。
本発明の衛生材料用トップシートに用いられるポリオレフィン繊維からなる長繊維不織布は、ポリオレフィンに、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、顔料等を添加して得られるペレットを用いて、例えば、スパンボンド法等により製造される。
【0012】
スパンボンド法によると、ポリオレフィン繊維からなる長繊維不織布は、溶融したポリオレフィンを多数の紡孔から吐出し、冷却して繊維を形成し、エアーサッカー等で牽引後、捕集コンベアまたはロール上に堆積させて不織繊維集合体作成し、エンボス成形法に代表されるポイントボンド方法にて複数箇所に熱融着部を形成させて繊維どうしを固定して製造される。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられる。
【0013】
衛生材料用トップシートに柔軟な風合いおよび良好な手触り感を与えるために、長繊維不織布に用いられるポリオレフィン系繊維の繊度は0.1デシテックス以上、5デシテックス以下であることが必要である。繊度が0.1デシテックス未満の場合は、繊維の強度が弱く、この繊維からなる不織布を用いたトップシートは、摩擦によって繊維が容易に毛羽立ち、手触り感が悪くなり、さらに切断した繊維端が皮膚等に対する物理刺激の要因となる。繊維の繊度が5デシテックスを越えると、トップシートの風合いが硬く、手触り感が悪くなり、更に、単繊維一本一本が剛直で硬いため、皮膚等に対する物理刺激の要因となる。摩擦によって容易に毛羽立つことなく、滑らかな手触り感を与える上から、繊維の繊度は0.5デシテックス以上が好ましい。また風合いが極めて柔らかく、極めて良好な手触り感を与えるためには3デシテックス以下が好ましい。
【0014】
本発明のトップシートの目付は5g/m2以上、80g/m2以下である。目付が5g/m2未満になると、衛生材料のトップシートとして用いる場合に十分な強度が得られず、80g/m2を越えると風合いが硬く、また着用時に身体にフィットせず、着用中の動作によってガサガサという音がする。
トップシートは、吸収体やセカンドシートと呼ばれる拡散層にホットメルト接着剤等を用いて貼り合わせて使用されるが、ホットメルト接着剤の肌面へのしみ出しを防止し、尿や体液が吸収さた吸収体から肌面を分離するためには、目付は10g/m2以上が好ましく、風合いの柔らかさや、着用時のフィット感、動作によってガサガサという音をより一層減少させるためには30g/m2以下が好ましい。
【0015】
本発明の衛生材料用トップシートにはポリオレフィン系繊維が用いられているために、本来、疎水性で、尿や血液等の体液の水系液体の濡れ易さ、透過性が劣るものである。そこで、親水性向上処理を行って、水系液体である体液の濡れ性、透過性を向上させる必要がある。トップシートとして必要な親水性は、尿がトップシート上に滴下されたとき速やかに尿を透過し、トップシート上に尿を残留させないことであって、目安として水滴1滴をトップシート上に置いたとき15秒以内に水滴が消失する状態をいう。
【0016】
親水性向上処理とは、付与前に比べてトップシートの親水性を向上させうる方法であり、具体的な方法としては、低分子量親水性化合物付与、親水性高分子樹脂付与、薬品処理または溶剤処理による表面改質などが挙げられる。
これらの方法の中で、低分子量の親水性化合物を付与する方法が、疎水性であるポリオレフィン系繊維からなるトップシートへの浸透性、親水効果の耐久性および皮膚への刺激性の観点から好ましい。好ましい低分子量親水性向上剤の一例として、プロピレンオキシド5〜100モル、エチレンオキシド1〜100モルの共重合体(以下、ポリエーテル共重合体、という)と、化学式(1)で示されるポリエーテル変性シリコンを含有するものが挙げられる。
【0017】
【化3】
Figure 0004707282
【0018】
(式中、R’はエチレン基および/またはプロピレン基、 R”は水素または炭素数1〜12のアルコキシ基または カルボキシ基、cは7〜100、dは1〜10、eは2または3、fは20〜80)
【0019】
ポリエーテル共重合体中のプロピレンオキシドは10〜90モルが好ましく、共重合体の疎水性と親水性とのバランスの点から60〜90モルがより好ましい。エチレンオキシドは5〜70モルが好ましく、共重合体の疎水性と親水性とのバランスの点から10〜30モルがより好ましい。エチレンオキシドに対するプロピレンオキシドのモル比は2〜7が好ましく、3〜6がより好ましい。この共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
【0020】
化学式(1)で示されるポリエーテル変性シリコンは、ジメチルハイドロジェンポリシロキサンに、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックまたはランダム共重合ポリエーテル、炭素数1から12のアルコールのエチレオキシド付加物、炭素数1から12のアルコールのプロピレンオキシド/エチレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体付加物等のモノアリルエーテルを付加して得られる変性シリコンである。
【0021】
上記ポリエーテル変性シリコンの特徴は、水溶性に乏しい点にある。すなわち、それ自体の水への溶解性ができるだけ小さいか、または他の乳化剤の補助でやっと乳化する程度の溶解性を示すものである。
得られる変性シリコンに最小限の水溶性を持たせて満足のゆく親水性を得るためには、化学式(1)中のdは1以上であることが好ましい。dが10を越えると、得られる変性シリコンの水溶性が大きくなり過ぎて、親水性の面では満足に行くものの、耐久性が不充分になる傾向がある。変性シリコンに最小限の親水性を持たせて、満足のゆく親水性を得るためには、化学式(1)におけるfが20〜80であることが好ましい。fが20未満であると透水性が低下し、80を越えると変性シリコンの特に耐久性が低下する傾向がある。この場合、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位のモル比も影響し、オキシエチレン単位が1/4以上であることが好ましい。 化学式(1)におけるcは7〜100が好ましい。cが7未満の場合は変性シリコンの耐久性が低下し、100を越えると親水性が低下する傾向がある。
【0022】
ポリエーテル共重合体とポリエーテル変性シリコンの質量割合は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜90:10、最も好ましくは50:50〜90:10、さらに好ましくは60:40〜80:20である。この配合によって、ポリエーテル変性シリコン単体ではポリオレフィ ン系繊維への浸透しにくいという問題点が改良される。
【0023】
親水性向上剤は、不織布が製造される前の繊維の段階で付与してもよく、長繊維不織布の段階で付与してもよく、トップシートの段階で付与してもよい。親水性向上剤を付与するに際しては、原液をそれぞれ、あるいは混合して直接付与することも有効であるが、予め混合し、水等の溶媒で希釈して付与するのが好ましい。付与方法をとしては、通常、希釈した親水性向上剤溶液を用いて、浸漬法、噴霧法、コーティング(ロールコータ ー、グラビアコーター、ダイ等)法等の公知の方法が採用でき、均一に付与後、熱風、熱ロール等の乾燥手段を用いて乾燥する。親水性向上剤の付与量は、求める性能によって異なるが、通常、繊維に対して、0.1〜1.0質量%の範囲が用いられるが、トップシートは人体に、直接、接することから、付着量を必要最小限に設定することが好ましい。必要に応じて、例えば、トップシートの中央部等の液透過の必要部にのみ付与してもよい。
【0024】
本発明のトップシートは、親水性向上処理がなされているために、衛生材料のトップシートとして用いた場合、尿や血液が不織布表面を透過するので、肌に残留せず、アンモニア等の化学刺激を低減させ、肌に対して物理刺激が小さく、かつ、肌を傷つけ難いので、化学刺激に対して皮膚炎等の炎症も発生し難くなる。
本発明の衛生材料用トップシートは、擦過刺激指数(Y)が13以下であることが必要である。擦過刺激指数(Y)とは、後述する測定法にしたがい、初期圧縮応力が98mN/cm2の弾性体でトップシートを摩擦したときに弾性体表面にできる傷の本数をいう。ここでいう、傷とは、トップシートと弾性体とを摩擦させて生じたトップシートによる弾性体の物理的な表面形状変化のことである。
【0025】
つまりトップシートが持つ摩擦刺激性は、弾性体との摩擦による物理的な刺激の程度によって、弾性体上に傷の数、傷の深さ、傷の幅となって表されるものである。弾性体の表面は平坦になるように調整して用いるが、摩擦刺激を与える前の表面の微細な凹凸は傷として認めない。同じ組成の弾性体を、この摩擦刺激指数によって比較評価することにより、不織布の摩擦刺激の程度を比較することができる。
【0026】
トップシートと弾性体との摩擦で生じた傷の数と、トップシートと実際の肌との摩擦による物理刺激性との関係を、多数のパネラーにより検討すると、傷の数の多い不織布ほど、肌を実際に不織布で摩擦したときに刺激が強く感じる傾向があり、摩擦後の皮膚表面の様子を観察すると肌理の消失も大きい傾向にあることが確認できる。この結果から、トップシートで弾性体を摩擦することにより生じる傷を測定することによって、トップシートの肌に対する摩擦刺激性を評価することが可能である。本発明者らの研究によると、この摩擦刺激指数が13を越えると、トップシートは肌に対して摩擦刺激が大きく、肌を傷付け易くなることが判明した。
【0027】
本発明の衛生材料用トップシートを構成する長繊維不織布の熱圧着部の形状指数(P)と摩擦刺激指数(Y)は、数式()の関係を満たすことが好ましい。
1.9 ≦ P ≦ 2.64 × Y + 12.3 (
Y:擦過刺激指数、
P:熱圧着部形状指数(融着面積率×定面積当りの融着周長)
融着面積率:長繊維不織布の融着部面積が長繊維不織布の全体面積に占める割
合、
定面積あたりの融着周長:長繊維不織布20平方ミリメートルあたりに含まれる
融着部の周長の総和。
【0028】
トップシートが肌と摩擦し、肌に摩擦刺激を与える部位としては、トップシート面の短繊維端や表面の毛羽があげられる。エンボスロール等によって熱圧着された長繊維不織布よりなるトップシートにおいては、短繊維端がトップシートの表面に出ることはなく、繊維端による物理刺激は起こりにくい。しかし、表面の毛羽立ちを防止するため、熱圧着面積が過大であったり、熱圧着圧力が過大で融着部の周辺部の凹凸が深い場合は、風合いが劣るものとなるばかりでなく、熱圧着部の周辺部が物理刺激の原因となる。すなわち、融着によってフィルム化した面積率が高いとトップシートが硬くなり、摩擦時には擦過刺激が大きく、肌に傷を与える。また、熱融着部の周辺部は熱融着部が凹部、非熱融着部が凸部となり、凸凹の差が大きく、摩擦時にはトップシートの融着部の周辺部が肌面に対してひっかかりとなり、傷の原因となる。すなわち、融着面積率と、融着部の周長の多さが摩擦時の傷と密接に関係しているのである。トップシートの熱圧着部形状指数(P)が大きいと、トップシートは毛羽による痒み等の手触り感の悪さは防止できるが、肌に対して物理刺激を与え、肌に微細な傷をつける。融着部が過小である場合は、実用上充分な強度が得られず、更に摩擦によって容易に毛羽が発生し、痒み等の手触り感が悪くなる。したがって、本発明の目的を達成する熱圧着形状指数(P)は数式(1)で示される範囲であることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明に用いる諸特性は以下の方法により測定する。
(1)擦過刺激指数(Y)
(イ)不織布の任意の場所より、20cm×20cmの試料を3点作成する。
(ロ)カトウテック(株)社製摩擦感テスター(KES−SE)の摩擦端子に試料を装着する。
(ハ)試料と、後述する、初期圧縮応力98mN/cm2の弾性体とを、接圧4.9×103Pa、接触面積1cm2、摩擦距離2cmの条件で上記 摩擦感テスターを用いて1回摩擦する
(ニ)弾性体表面の、摩擦によって生じた幅1cm、摩擦方向2cmの摩擦跡の中央部分、摩擦方向に対して直交する方向1cm幅の傷本数を非接触式レーザー測量機を用いて測定する。
(ホ)試料の縦および横方向各々1cm間隔で、10箇所について摩擦した時の弾性体表面の傷本数を測定し、縦横平均を試料片の擦過刺激指数(Y)とする。
サンプルの擦過刺激指数(Y)は、上記3点の平均値とする。
【0030】
弾性体の製造方法:
組成は、寒天(AGAR POWDER、和光純薬社製、試薬)1部、ゼラチン(GIFCO社製、試薬)8部を水91部を溶解後、冷蔵庫にて固化したものを用いる。表面は平坦になるように調整する。
初期圧縮応力は、弾性体をハンディー圧縮試験機 KES−G5(カトウテック(株)社製)を用いて、圧縮面積200mm2、圧縮速度0.1mm/秒で測定したときに、0.1mm変位した時の圧縮応力をいう。必要に応じて、加える水添加量を微調整して初期圧縮応力を合わせる。
【0031】
(2)熱圧着部形状指数P
(イ)不織布の任意の場所より、20cm×20cmの試料を作成する。
(ロ)前記の試料から1cm×1cmの試料を計40点作成し、表面を顕微鏡で撮影し、25倍の拡大写真を40枚を得る。
(ハ)写真より、不織布の融着部面積が不織布表面積に占める割合を求める。
(ニ)写真より、一定面積20mm2あたりに含まれる融着部の周長の総和を示す値を求める。
(ホ)数式(1)より熱圧着部形状指数(P)を求める。
熱圧着形状指数(P)は、上記計40点の平均値とする。
【0032】
【実施例1〜4、比較例1〜3】
直径65mmの押出機でメルトフローレート(MFR)が38のポリプロピレンを押出温度240℃にて1300g/mmの条件で定量的に押出し、1540ホールの紡糸口金を用いてフィラメント群を紡出した。これを高速気流牽引装置を使用して3500m/分の速度で牽引し、移動する吸引装置のついた金網製ウェブコンベアに受けてウェブを製造した。このウェブを搬送し、彫刻ロールと平滑ロールを組合わせた熱圧着ロールにて部分的に熱圧着して、単糸デシテックスが2.8デシテックス、目付20g/m2のポリプロピレン長繊維不織布(PP不織布)を得た。熱圧着の温度および圧力、コンベア、熱圧着ロールおよび巻取機の速度を変えて各種のポリプロピレン長繊維不織布を製造し、ポリエーテル化合物とポリエーテル変性シリコンとの配合物からなる親水性向上剤の1%水溶液を噴霧法により不織布に付与し、乾燥して不織布に対して0.5質量%の親水性向上剤処を付着させ、表1に示す実施例1〜4および比較例1〜3の子供用おむつのトプシートを作成した。表1から、本発明のポリオレフィン系長繊維不織布を用いたトップシートは、風合いが良好で、摩擦刺激性が低く、肌に対する物理刺激が低いものであることがわかる。
【0034】
【比較例4】
実施例2と同じポリマーを用い、同じ熱圧着条件で、構成繊維の繊度が2.5デシテックス、目付20g/m2、熱圧着Pが16.0の長繊維不織布を得た。このトップシートを用いて子供用おむつトップシートを試作し、水70mlを滴下したところ、全く透過せず子供用おむつとしては尿の透過性能という面で不適であった。
【0035】
【比較例5】
実施例2と同じポリマーを用い、同じ熱圧着条件で、構成繊維の繊度が6デシテックス、目付20g/m2、熱圧着Pが16.0の長繊維不織布を得た。この不織布を用いた子供用おむつのトップシートは表面が硬く、ガサガサで風合いの劣るものであった。
【0036】
【比較例6】
実施例2と同じポリマーを用い、同じ熱圧着条件で、構成繊維の繊度が2.5デシテックス、目付5g/m2、熱圧着Pが16.0の長繊維不織布を得た。この不織布を用いた子供用おむつのトップシートは極めて強度が低く実用上使用できないものであった。
【0037】
【比較例7】
実施例2と同じポリマーを用い、同じ熱圧着条件で、構成繊維の繊度が2.5デシテックス、目付100g/m2、熱圧着形状指数(P)が16.0の長繊維不織布を得た。この不織布を用いた子供用おむつのトップシートは風合いが硬く、ガサガサしたものであった。
【0038】
【表1】
Figure 0004707282
【0039】
【発明の効果】
本発明の衛生材料用トップシートは、柔らかな風合いを有し、毛羽立ちによる痒み、ちくちく感、痛み等がなく、肌触り感が良好で、かつ、肌に対する物理刺激が少ない。
本発明の衛生材料用トップシートは、おむつや生理用ナプキン等に特に有用である。

Claims (1)

  1. 繊度が0.5デシテックス以上、デシテックス以下のポリプロピレン繊維からなり、熱圧着部形状指数Pが1.9以上26以下(下記式(1))となるように部分的に熱圧着され、目付が10g/m2以上、30g/m2以下である長繊維不織布で構成され、プロピレンオキシド60〜90モルとエチレンオキシド10〜30モルであり、かつ、エチレンオキシドに対するプロピレンオキシドのモル比が3〜6であるポリエーテル共重合体と化学式(1)で示されるポリエーテル変性シリコンとの混合物であり、ポリエーテル共重合体とポリエーテル変性シリコンの質量割合が60:40〜80:20である親水性向上剤を繊維に対して0.1〜1.0質量%付与することにより親水性向上処理がなされており、かつ、擦過刺激指数(Y)が13以下であり、熱圧着部の形状指数(P)とトップシートの擦過刺激指数(Y)とが、下記式()の関係を満たすことを特徴とする衛生材料用トップシート。
    1.9 ≦ P ≦ 26 (1)
    1.9 ≦ P ≦ 2.64 × Y + 12.3 (
    P:熱圧着部形状指数(融着面積率×定面積当りの融着周長)
    融着面積率:長繊維不織布の融着部面積が長繊維不織布の全表面積に占める割合
    定面積あたりの融着周長:長繊維不織布20平方ミリメートルあたりに含まれる融
    着部の周長の総和
    Y:擦過刺激指数
    Figure 0004707282
    (式中、R’はエチレン基またはプロピレン基、 R”は水素、炭素数1〜12のアルコ
    キシ基またはカルボキシ基、cは7〜100、dは1〜10、eは2または3、fは20〜80)
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