JP6600069B2 - 親水性嵩高不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、特に衛生材料などの表面素材として用いた場合に、尿や体液などがよどみなく吸収される親水性嵩高不織布に関する。
近年、使い捨ておむつの普及はめざましく、要求される品質や性能は向上してきている。おむつのトップシートとして使用される不織布には、体液を通過し、さらに通過させた体液をすばやく吸収体へ移行する性能(透水性)が求められる。透水性を必要とするトップシートの素材として一般的に用いられる素材は、疎水性のポリオレフィン系の不織布であり、透水剤として界面活性剤を塗布することで、透水性を付与させている。
これまで透水性の改善には、例えば、以下の特許文献1では、透水剤を改良する手法が多く採用され、透水性の向上が計られている。透水性が向上するということはより活性能が高い界面活性剤を選択せざるを得ないので、衛生材料の表面素材として用いた場合に、接触する肌面のかぶれやしっしんを引き起こしやすくなり、肌への刺激性の点からは好ましくない。
他方、以下の特許文献2では、不織布に賦型加工を施し、不織布表面の構造を凹凸構造にすることで、肌への接触面積を減らし、且つ透水性の指標である濡れ戻り性能及び耐久透水性能を改善している。しかしながら、凹凸構造を付与するには、特殊エンボスなどによる加工が必要となるため、製造コストが高くなり、生産性も高くない。また、ロール間を通して型付けすることにより厚みが薄くなる部分が発生し、得られる透水性の向上効果も劇的なものではない。
また、以下の特許文献3では、不織布に凹凸加工を施し、体液の引き込みを改良している。しかしながら、この手法では肌に湿った感触を与える懸念がある。フラット形状の不織布をおむつや生理用品などの表面シートとして用いた場合、表面シート下部に位置する吸収体であるパルプと高分子吸収体の混合物に不織布全面が接触する。おむつや生理用品着用時は表面シート及び吸収体に使用者の体重がかかり、表面シートである不織布と吸収体がより密接に接触するため、不織布表面に付着した体液は速やかに吸収体へと移行することができるが、特許文献3のような凹凸形状であり、凸部の内部が空洞である不織布を表面シートとして用いた場合、不織布の凸部と吸収体は接触していない状態となる。そのため、不織布表面に体液が付着した場合、体液が吸収体へ速やかに移行することは難しい。更に凸部に付着した体液は表面張力により不織布内部へ保持されたままであるため、肌に湿った感触を与えかねない。さらに、排尿した際、フラット形状の不織布であれば不織布表面全体で尿を処理するが、凹凸形状の不織布の場合、尿は流れやすい凹部に集中する。つまり凸部よりも凹部に流れる尿の量が多くなり、凹部に付着している透水剤が尿によって洗い流されてしまう。凹部の透水剤が尿によって洗い流されてしまうと、尿は凹部に留まるため着用者に湿った感触を与える可能性がある。また、時間経過と共に凹部に留まった尿が蒸発し、肌面のかぶれやしっしんを引き起こす懸念がある。
特開平10−53955号公報 特開2004−113489号公報 国際公開第2012−086730号公報
以上に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、透水性に優れ、おむつのトップシートなどの衛生材料の表面素材に適した親水性嵩高不織布を提供することである。
前述の通り、優れた透水性能を発現させるには透水剤として付与する界面活性剤の設計と不織布表面構造が重要となる。特に不織布表面を微細な凹凸のある粗い構造とすることで、尿や汗等の体液が不織布表面に付着した際、表面構造が粗くなる程、体液と不織布表面との接触角が低くなり、体液が不織布内部へと引き込まれやすくなる。本発明者らは不織布表面の微細構造に着目し、長繊維不織布の繊維の捲縮数、ボンディング方法、透水付与方法を鋭意検討し実験を重ねた結果、適切な範囲に繊維が配置された不織布を開発することで、透水性の指標となる透水45度傾斜流長値と耐久透水指数を向上させることに成功し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記の通りのものである。
[1]捲縮数が5〜45個/2.54cm(インチ)である熱可塑性繊維からなる親水性嵩高不織布であって、該不織布表面における測定基準長さを100μmとしたときのX方向Y方向により規定する単位区画内での最大高さが、該不織布のZ方向無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率が、該不織布表面積20mm×20mmに相当する区画数40000当たり50%以上である不織布表面構造を有し、該不織布の透水45度傾斜流長値が25mm以下であり、かつ、4回目耐久透水指数が85%以上であることを特徴とする前記親水性嵩高不織布。
[2]前記親水性嵩高不織布のX線CTでの厚み方向の配向指数が0.43以下である、前記[1]に記載の親水性嵩高不織布。
[3]前記親水性嵩高不織布の圧縮仕事量が0.20gf・cm/cm以上1.00gf・cm/cm以下である、前記[1]又は[2]に記載の親水性嵩高不織布。
]前記熱可塑性繊維がサイドバイサイド型又は偏芯鞘芯型の複合繊維である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性嵩高不織布。
]前記熱可塑性繊維がポリオレフィン系繊維である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性嵩高不織布。
]前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性嵩高不織布を用いてなる衛生材料。
本発明の親水性嵩高不織布は優れた透水性を有するため、衛生材料、例えば、生理用ナプキン、失禁パット、使い捨ておむつ等の表面のトップシートとして好適に使用することができ、さらには、例えば、マスク、カイロ、テープ基布、貼布薬基布、救急絆基布、包装材、ワイプ製品、医療用ガウン、包帯、衣料、スキンケア用シートなどにも使用することができる。
不織布表面における単位区画内の最大高さ(μm)の測定を説明するための図面である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本実施形態の不織布は熱可塑性繊維から成り、スパンボンド法により製造された長繊維不織布、カード法などで製造された短繊維不織布でもよい。しかしながら、短繊維不織布の場合、カーディング時に繊維がX方向またはY方向にひき揃えられ、表面が平滑になりやすいこと、強度、生産性の観点、肌への刺激低減などの観点から、ウェブを構成する繊維としては、スパンボンド法により製造された長繊維が好ましい。本願明細書中、長繊維とは、繊維長が55mm以上のものという。繊維長が短いほど、繊維の端部分が肌に触れる確立が増えるため、ちくちくした触感を与えることから、繊維長は55mm以上が好ましい。
熱可塑性繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、及び、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性樹脂が挙げられ、特に限定はされない。不織布の風合いの観点、使用される用途の多くが使い捨て材料であることから、汎用、回収の利便性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
熱可塑性繊維の形態としては、不織布の表面構造に特徴を付与させる観点から、繊維が捲縮していることが好ましい。捲縮数は、5個/2.54cm(インチ)以上が好ましく、より好ましくは5個/インチ以上45個/インチ以下、更に好ましくは10個/インチ以上40個/インチ以下、特に好ましくは10個/インチ以上25個/インチ以下である。捲縮数が45個/インチを超える繊維で構成された不織布では、繊維の捲縮による縮みや斑が目立ち、不織布の見栄えが悪くなってしまう他、斑により濡れ戻り指数が悪くなる。また、捲縮数が5個/インチ未満の繊維で構成された不織布では所望する表面粗さが得られない上に、厚みが薄くなり、風合いが損なわれたり、所望する透水性が得られにくくなる。
前記繊維に捲縮を付与させる手段としては、繊維断面を異形断面形状とし紡糸冷却時に偏冷却させることで捲縮を付与することができる。また、熱可塑性樹脂2種類以上から構成させた複合繊維でも捲縮を発現させることが可能であり、その構成をサイドバイサイド型(S/S)、偏芯鞘芯型(偏S/C)などにすることで、更に、容易に捲縮を発現することが可能である。偏芯鞘芯型(偏S/C)の場合、芯部は繊維表面に出てもよく、芯部が繊維表面を占める割合は面積率が0〜50%が好ましく、より好ましくは0〜30%である。繊維表面の芯部の占める比率が50%を超えるほど高くなると、不織布としての接合時の接着に影響し、布強度が低下しやすく毛羽立ちも発生しやすい。
偏芯鞘芯型(偏S/C)の場合、所望する捲縮数を得る為に芯部の断面積の重心は複合繊維の断面積の重心に対し5〜40%ずれていることが好ましい。芯部のずれは次式により算出される。
芯部のずれ(%)=(複合繊維の断面積の重心と芯部の断面積の重心の最短距離)/(糸の直径)×100
前記繊維が、2種類以上の熱可塑性樹脂で組み合わせたものである場合、所望の効果が奏される限り、前記熱可塑性樹脂の何れの組合せでも可能であり、繊維同士の接合の観点からは、融点差のある熱可塑性樹脂の組合せが好ましい。融点差の高い方の樹脂が繊維内に占める重量比率は、好ましくは20wt%以上80wt%以下であり、より好ましくは30wt%以上80wt%以下、更に好ましくは50wt%以上70wt%以下である。
また得られる不織布の風合いの観点からは、ポリオレフィン系樹脂同士の組み合わせ、ポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂を組み合わせて用いることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂を組み合わせて用いる場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びそれらのモノマーと他のα−オレフィンとの共重合体などの樹脂から組み合わせた複合繊維が挙げられる。他のα−オレフィンとしては、炭素数3〜10のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂を組み合わせる場合、ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート単一成分を、又はイソフタル酸等を含んだ共重合体を使用することが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートはブレンド等により改質したものでも、添加剤等を付与したものでもよい。
その中でも、熱可塑性樹脂の組み合わせとして強度が強く使用時において破断しにくく、且つ衛生材料の生産時における加工適正に優れていること、また、風合いも良いことから、第1成分をポリプロピレン、第2成分をポリエチレンとすることが好ましく、複合繊維が偏芯鞘芯型の場合には、芯部を第1成分、鞘部を第2成分とすることが好ましい。
繊維を前記2種の熱可塑性樹脂で形成する場合、第1成分のポリプロピレンは、一般的なチーグラナッタ触媒により合成されるポリマーでもよいし、メタロセンに代表されるシングルサイト活性触媒により合成されたポリマーでもよい。また、エチレンランダム共重合ポリプロピレンでもよい。これらは1種類単独でも2種類以上を組み合わせてもよい。特に風合い、強度、寸法安定性からホモポリプロピレンを主成分とするものであることが好ましい。
また、繊維の製造における紡糸性、得られる繊維の強度の面からポリプロピレンのMFRとして、下限が好ましくは20g/10分以上、より好ましくは30g/10分超え、更に好ましくは40g/10分超え、最も好ましくは、53g/10分超えである。MFRの上限は好ましくは85g/10分以下、より好ましくは70g/10分以下、更に好ましくは60g/10分以下である。MFRは、JIS−K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」の表1、試験温度230℃、試験荷重2.16kgに準じて測定した。
繊維を前記2種の熱可塑性樹脂で形成する場合、第2成分のポリエチレンは、一般的なチーグラナッタ触媒により合成されるポリマーでもよいし、メタロセンに代表されるシングルサイト活性触媒により合成されたポリマーであってもよい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましく、密度は0.92〜0.97g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.925〜0.96g/cmである。
また、繊維の製造における紡糸性の観点から、ポリエチレンのMIの下限は10g/10分以上が好ましく、より好ましくは15g/10分超えである。MIの上限は、好ましくは100g/10分以下であり、より好ましくは60g/10分以下、更に好ましくは、40g/10分以下である。MIは、JIS−K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」の表1、試験温度190℃、試験荷重2.16kgに準じて測定した。
また、ポリエステル系樹脂を用いる場合は、溶液粘度ηsp/cの下限が0.2以上であることが好ましく、より好ましくは、0.6以上である。溶液粘度ηsp/cの上限は好ましくは0.9以下であり、より好ましくは0.8以下である。
本実施形態の不織布を構成する繊維は、強度、生産性の観点から、スパンボンド法を用いた長繊維のウェブの形態であることが好ましい。2種以上の熱可塑性樹脂と組み合わせた複合長繊維とする場合には、例えば、2つ以上の異なる押出機からそれぞれ異なる熱可塑性樹脂を溶融押出し、多数の紡糸孔を有する紡糸口金から2種以上の熱可塑性樹脂が複合された状態で糸条として吐出させる。次いで、吐出された糸条を5℃〜20℃に制御した冷風をあて、冷却しながら牽引装置により牽引する。牽引装置より出た糸条は、搬送コンベア上に堆積されウェブとして搬送する。搬送中のウェブを積層し、多層積層の不織ウェブとしてもよい。多層積層の不織布の場合、各層毎が異なる繊維径で形成されてもよく、異形断面糸、捲縮繊維、中空糸などの特殊な形態の繊維のものが積層されたものでもよい。
前記不織ウェブの接合には、接着剤を用いて接合する方法、低融点繊維や複合繊維により接合する方法、ホットメルトバインダーをウェブ形成中に散布して溶融接合する方法、ニードルパンチ、水流等で繊維を交絡するなどの方法を用いることができ、特に限定はされない。高速生産性の観点から、部分熱圧着により接合してもよい。例えば、ピンポイント状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状などの接合点を付与できる加熱したエンボス/フラットロール間にウェブを通して接合することができる。部分熱圧着における熱圧着面積率は、強度保持および柔軟性、また、不織布の嵩の保持、表面の凹凸構造がロール間で潰れされない様にするという観点から、5〜40%が好ましく、より好ましくは5〜25%である。
また、不織布表面構造の特徴や不織布の厚みを維持しやすいという観点から、特に2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせた複合長繊維の場合には、繊維同士の交点が溶融し接着できる温度以上に加熱する方法であれば特に限定せず用いることができ、加熱する方法としては、熱風循環型、熱風貫通型、赤外線ヒーター型、不織布の両面に熱風を吹き付ける方法、加熱気体中に導入する方法等、各種の加熱方法を用いることができる。繊維同士の交点でより多くの繊維接着点が得られ且つ不織布の破断強度が高くなる観点から、熱風による加熱が好ましく、特に熱風貫通型が好ましい。
熱風貫通型における熱風の温度は、組み合わせた熱可塑性樹脂の中でも、融点が低く且つ接合に寄与する熱可塑性樹脂に適した温度に調整することが好ましい。例えば、2種以上の熱可塑性樹脂の低融点側の樹脂がポリエチレンの場合、好ましい熱風の温度はポリエチレンが溶融し接着する120〜155℃であり、好ましくは135〜155℃、より好ましくは140℃〜150℃である。接着温度が120℃より高いと繊維同士の交点で繊維同士の接着が発現し、不織布としての強度を発現することが可能となる。また、接着温度が155℃以上であると、繊維の溶解度が非常に高くなり風合いの硬いものとなる。
熱風の風速は0.5〜3.0m/sが好ましく、より好ましくは0.7〜2.5m/s、更に好ましくは2.0m/s以下である。風速が遅いと不織布の厚み方向に熱風が貫通せず、強度が低くなってしまう。また、風速が速いと熱風は貫通するが、繊維も同時に潰れてしまい嵩の低い不織布となってしまう。
不織布の表面構造に悪影響を及ぼさない限り、前記の熱風による加熱接合の前の不織ウェブに熱接着を施してもよい。生産性の観点から、熱接着は、金属エンボスロールと金属フラットロールの組合せの一対のロールに通すものが好ましい。不織ウェブの形態保持や最終的に得られる不織布の強度の観点から、エンボス面積率は好ましくは5〜30%、より好ましくは5〜20%、更に好ましくは6〜15%である。また、エンボスの深さは深いほど、不織布の厚みを保持することが可能であり、好ましくは0.5〜2.0mm、更に好ましくは0.7〜1.5mmである。エンボス形状は、特に限定されないが、円形状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状であることが好ましい。
不織布の繊維の平均繊維径は8.0μm以上38.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは9.0μm以上33.5μm以下、更に好ましくは11.0μm以上26.5μm以下である。紡糸安定性の観点から、平均繊維径は8.0μm以上であることが好ましく、衛生材料に使用される不織布の風合いの観点から、38.0μm以下であることがより好ましい。
不織布の目付は8g/m以上80g/m以下が好ましく、より好ましくは10g/m以上40g/m以下、更に好ましくは10g/m以上30g/m以下である。目付が8g/m以上であれば、衛生材料に使用される不織布としては強力を満足し、80g/m以下であれば、衛生材料に使用される不織布の風合いを満足し、外観的に厚ぼったい印象を与えない。
不織布の無荷重時の高さは140μm以上が好ましく、より好ましくは140μm以上3000μm以下、更に好ましくは140μm以上2000μm以下である。不織布の風合いおよび透水性の濡れ戻り性能の観点、無荷重時の高さは140μm以上であることが好ましく、3000μmを超えると外観的に厚ぼったい印象を与えるとともに、剛性があり衛生材料としての使用には適さない。
不織布のX線CTによる配向指標は0.43以下であり、好ましくは0.425以下である。X線CTによる配向指数がこの範囲であると不織布の厚み方向を占有する繊維が多くなり、荷重下においても嵩が潰れることがなく、嵩高性を有する不織布となり、優れたクッション性および濡れ戻り指数の低い親水性嵩高不織布を得ることが可能となる。下限は低ければ低い方がよいが、配向指標は、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.33以上である。
本実施形態の不織布の圧縮仕事量WCは0.20gf・cm/cm以上1.00gf・cm/cm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.20gf・cm/cm以上0.80gf・cm・cm以下であり、この範囲の圧縮仕事量WCを保持することは、衛生材料に使用される不織布としてのクッション性および優れた濡れ戻り指数を得ることができる。
本実施形態の親水性嵩高不織布は透水剤を含有させるか又は塗布したものである。使用される透水剤としては、人体への安全性、工程での安全性等を考慮して、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルフェノール等のエチレンオキサイドを付加した非イオン系活性剤、アルキルフォスフェート塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系活性剤等の単独又は混合物等で構成される界面活性剤が挙げられる。透水剤としては、例えば、ポリエーテル化合物、ポリエチレンエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエステル化合物、ポリアミド化合物、ポリグリセリン化合物等も好ましく用いられる。
透水剤を含有させる又は塗布する方法としては、繊維の中への練り込みやコーティング法(グラビアコーター、キスコーター)、噴霧法等の既存の方法が採用でき、コロナ放電処理、常圧プラズマ放電処理などの前処理も必要に応じて採用してもよい。塗布後の乾燥方法としては、対流伝熱、伝導伝熱、放射伝熱等を利用した既知の方法が採用でき、熱風や赤外線による乾燥、熱接触による乾燥方法等を用いることができる。
透水剤の付着量は、目的とする用途によって異なるが、例えば、衛生材料用としては、通常、不織布に対して0.10wt%以上1.50wt%以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.15wt%以上1.20wt%以下である。0.10wt%未満では満足する透水性能は得られにくく、他方、1.50wt%を超えると肌へのかぶれやしっしんが発生しやすくなる。
透水剤は、水などの溶媒で希釈し、水溶液として塗布されてもよい。また、設備の高速化に伴う乾燥工程での乾燥不足などを発生させないためには、透水剤水溶液の塗布量は少ない方が好ましい。不織布に対する塗布量(wt%)は、前記塗布方法のいずれにおいても1.0wt%以上65wt%以下が好ましく、より好ましくは3.0wt%以上60wt%以下であり、更に好ましくは5.0wt%以上50wt%以下である。1.0wt%未満では均一な塗布は得られず、他方、65wt%を超えると、必要な乾燥能力が大きくなり、設備コストが増大し、また乾燥不足を生じかねない。
例えば、グラビアコーターによる透水剤の塗布においては、グラビアロールの柄は、格子型やピラミッド型でもよいが、グラビアのセル底に透水剤が残りにくい斜線型が好ましい。セル容積は、5cm/m以上40cm/m以下が好ましく、5cm/m未満では、塗布量が少なすぎるため均一な塗布が困難となり、40cm/mを超えると、塗布量が多くなりすぎるため乾燥工程での乾燥不足やマイグレーションによる透水剤の付着ムラが生じるなどの問題が発生する。
前記グラビアのセルの深さは、好ましくは10μm以上80μm以下、その間隔は、好ましくは80メッシュ以上250メッシュ以下の範囲内で、上記セル容積となるように設計するのが好ましい。
設備の高速化に対応でき、効率良く塗布できること、厚みのある不織布でも厚み方向に均一に塗工可能であること、また、透水剤と不織布の浸透性が若干悪くても均一に塗工できること、且つ一対のロール間に不織布を通す工程が無いため、不織布の厚みを維持しやすいことから噴霧法での透水剤の塗布が好ましい。噴霧法としては、一般的に公知であるエア圧縮による吹付け法や、透水剤水溶液を直接圧縮して噴霧する方法でもよいが、不織布に均一に塗布できる観点から、ローターダンプニング方式が特に好ましい。塗布時の透水剤水溶液の飛散防止策を施すことで設備の高速時でも塗布が可能である。ローターダンプニング方式とは、回転しているローター上に透水剤水溶液を供給し、ローター回転の遠心力を用いて透水剤水溶液を噴霧する方法である。ローターダンプニング方式では、塗布する方向にローター回転によって飛ばされる透水剤水溶液の液粒子を塗布する不織布側にのみ噴霧できるように、且つ不織布のCD方向に均一に塗布できるように開口部が限定され、ローター回転数により噴霧粒子径を調整することが可能である。
前記ローターダンプニング方式の場合、例えば、ローターの直径は40mm以上100mm以下のものを選定し、塗布する不織布のCD方向に透水剤水溶液が均一に付着できるように塗布する不織布面とローターの中心との距離を設定する。隣のローターから噴霧される塗布分布範囲の2分の1が重なるように設定されることが望ましい。また、ローターはCD方向に60mm以上220mm以下の範囲において等間隔で配置させ、2段にすることが望ましい。
均一に塗布するポイントは、塗布する不織布の内部にまで噴霧粒子を行き届かせることであり、その噴霧粒子径は0.010mm以上0.200mm以下が好ましく、0.030mm以上0.070mm以下がさらに好ましい。最適な噴霧粒子径を形成するには透水剤水溶液の表面張力が重要となり、噴霧粒子径は次式により算出される。
噴霧粒子径(μm)={100000×√(表面張力(N/m))}/(ローター直径(mm)×ローター回転数(rpm))
また、これら塗布方法における透水剤水溶液の温度は、5℃以上50℃以下が好ましく、溶液の均一分散、安定性の観点から、12℃以上40℃以下がより好ましい。透水剤水溶液の粘度は、0.5mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましく、より均一に塗布しやすい観点から、0.8mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。粘度が50mPa・sを超えると、透水剤水溶液の不織布への浸透性が劣り、均一な塗布が困難となる。
透水剤水溶液の塗布後の乾燥には、一般的な乾燥方式を用いることができ、特に限定されるものではなく、対流伝熱、伝導伝熱、放射伝熱等を利用した既知の方法が採用でき、熱風循環型、熱風貫通型、赤外線ヒーター型、不織布の両面に熱風を吹き付ける方法、加熱気体中に導入する方法等、各種の乾燥方法を用いることができる。
本実施形態の不織布の表面構造の特徴は、図1に示すように、該不織布表面における測定基準長さを100μmとしたときのX方向Y方向により規定する単位区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率が、該不織布表面積20mm×20mmに相当する区画数40000当たり50%以上となることである。
不織布表面における測定基準長さ、及び最大高さは次の通りである。デジタルマイクロスコープKH−8700(ハイロックス製)を用いて不織布のMD方向20mm、CD方向20mmで各方向に20μm間隔で不織布表面の高さ情報を測定採取する。不織布のMD方向20mm×CD方向20mmにおいて得られた高さ情報を100μm毎で区画し、このときの区画した長さを測定基準長さとした。また、該単位区画内での最大値と最小値の差を不織布表面における最大高さとした。不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対する最大高さの割合は、最大高さ(μm)/無荷重時の高さ(μm)×100より算出した。
すなわち、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対する最大高さの割合が30%以上である区画の比率が高いほど、不織布表面の微細な区画内での凹凸差は大きくなる。本実施形態においては、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対する最大高さの割合が30%以上である区画が、該不織布のMD方向20mm×CD方向20mmにおいて測定基準長さ100μmとして区画された40000区画当たり50%以上である。このような不織布表面の構造の特徴を有することで、例えば、不織布に付与している透水剤に関わらず、尿などの液体が不織布表面に付着した際、その接触角は低くなり、不織布表面から不織布内部への液移行を速やかにする。不織布の液移行性の観点から、本実施形態においては、最大高さが不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は、50%以上であり、好ましくは52%以上、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上である。かかる比率が当該範囲内にあることで、良好な透水性が発現される。かかる比率は高い方がよりよいが、肌触りが悪化することから98%以下が好ましい。
本実施形態の不織布の透水性の指標となる透水45度傾斜流長値は、25mm以下であり、好ましくは22mm以下、更に好ましくは20mm以下、最も好ましくは18mm以下である。透水45度傾斜流長値が25mmを超えると、例えば、使い捨ておむつなどの表面材に用いた場合、表面の液流れが多くなり、尿漏れを起こしやすくなる。
本実施形態の不織布の透水性の指標となる4回目の耐久透水指数は、85%以上である。4回目の耐久透水指数の値が85%未満では、例えば、使い捨ておむつなどの表面材に用いた場合、複数回の排尿に対して表面材の通水が出来ずに表面材としての機能を失い、尿漏れを起こしやすくなる。
また、本実施形態の不織布の透水性の指標となる濡れ戻り指数は、0.8g以下であることが好ましく、より好ましくは0.5g以下である。濡れ戻り指数の値が0.8gを超えると、例えば、使い捨ておむつの表面材に用いた場合、肌に表面材が触れたとき非常に湿った感触があり使用感が悪くなる。濡れ戻り指数は低いほど良いが、0.01g以下の値は測定下限であり、測定ばらつきが大きい。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。尚、各特性の評価方法は下記のとおりであり、得られた物性を以下の表1に示す。以下、不織布製造における流れ方向をMD方向、その方向と直角方向で巾方向をCD方向という。
1.平均繊維径(μm)
不織布のCD方向に5等分して1cm角の試験片を採取し、キーエンス社製マイクロスコープVHX−700Fで繊維の直径を各20点ずつ測定し、その平均値を算出した。
2.不織布の目付(g/m
JIS−L1906に準じ、MD方向20cm×CD方向5cmの試験片を不織布のCD方向に採取位置が均等になるように5枚採取して質量を測定し、その平均値を単位面積あたりの重量に換算して目付(g/m)として求めた。
3.不織布の無荷重時の高さ(厚み)(μm)
MD方向4mm×CD方向10mmの試験片を任意に10枚採取し、KEYENCE製SEM(VE−8800)を用いて不織布断面の写真を撮影した。得られた画像は同じKEYENCE製の画像解析ソフトを使用して厚み方向の距離を1画像につき、5点測定し、その平均値を無荷重時の高さ(厚み)(μm)とした。
4.不織布表面における最大高さ(μm)
不織布を任意の方向で20mm×20mmの正方形の寸法で切取り採取する。次いでデジタルマイクロスコープKH−8700(ハイロックス製)の3Dプロファイル機能を用いて、この不織布の正方形の各辺方向20mmで各方向に20μm間隔で不織布表面の高さ情報を測定採取する。不織布の正方形の各辺20mm×20mmにおいて得られた高さ情報を100μm毎で区画し、このときの区画した長さを測定基準長さとした。また該区画内での最大値と最小値の差を不織布表面における最大高さとした。この測定手順を模式的に図1に示す。
不織布の無荷重時の高さ(厚み)(μm)に対する不織布表面における最大高さの割合を、最大高さ(μm)/無荷重時の高さ(厚み)(μm)×100により算出した。
さらに不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対する最大高さの割合が30%以上である区画数を、該不織布の正方形の各辺方向20mm×20mmにおいて測定基準長さ100μmとして区画された40000区画数で除して、比率(%)を算出した。
5.配向指数(X線CT)
MD方向5mm×CD方向5mmの試験片を任意にカットし、画像解析時の視野約3mm×3mmで測定した。測定装置は高分解能3DX線顕微鏡nano3DX(株式会社リガク製)を用い、軽元素でもコントラストが得られる低エネルギー高輝度X線によるCT測定で行った。詳細な条件を以下に示す。
X線ターゲット:Cu
X線管電圧:40kV
X線管電流:30mA
レンズ:1.08μm/pix
ビニング:2
回転角度:180°
投影数:1000枚
露光時間:10秒/枚
カメラ画素数:3300×2500
再構成:Feldkamp法
CT測定により得られた3次元のトモグラムを画像解析し、直交する3軸(x、y、z)の配向性指標Ix、Iy、Izを求めた。主に評価したいサンプルの厚み方向をz方向と一致させた。ここで、配向性指標Ix、Iy、Izとは、x、y、zの各方向から見た繊維表面の面積の和(各方向での繊維表面の延べ投影面積の和)をそれぞれAx、Ay、Azとしたとき、
Ix=Ax/(Ax+Ay+Az)
Iy=Ay/(Ax+Ay+Az)
Iz=Az/(Ax+Ay+Az)
で定義した。Ax、Ay、Azはトモグラムから求めた。この指標においては、値の小さい方向に配向していることになる。また、等方的構造においてはすべて1/3となる。
6.圧縮仕事量(WC)
CD方向に5点の5cm角の試験片を採取し、カトーテック社製圧縮試験装置(KES−G5)を用いて測定した。試験片を金属製試料台の上に設置し、加圧面積2cmの円形平面を持つ鋼板間で圧縮した。圧縮速度は0.067mm/sで、圧縮最大荷重は3.4kPa(35gf/cm)とした。回復過程も同一速度で測定し、圧縮仕事量の平均値を算出した。
7.捲縮数(個/2.54cm(インチ))
不織布のCD方向に5等分して5cm角の試験片を採取し、キーエンス社製マイクロスコープVH−Z450にて繊維に荷重がかからない状態で5本の繊維を選んで、長さ1インチ当たりの捲縮数を測定し、その平均値から捲縮数(個/インチ)を算出した。
8.透水45度傾斜流長値(mm)
45度に傾斜した板上に吸収体としてトイレットペーパー(イトマン株式会社製ハードシングル1R55m)を10枚重ねて、その上に試験布(20cm角)を置いてセットし、布の上方10mmの高さから0.1ccの生理食塩水を滴下した。滴下位置から吸収終了までの生理食塩水が流れ落ちた距離を読み取った。この測定を試験布内で任意に20点行い、その平均値を透水45度傾斜流長値(mm)とした。
9.耐久透水指数(%)
吸収体としてトイレットペーパー(イトマン株式会社製ハードシングル1R55m)を10枚重ねて、その上に試験布(20cm×30cm)を置く。さらにその上に直径1.5cmの穴を等間隔に10ヶ所開けたステンレス製の板を置き、それぞれの穴に位置する布の上方10mmの高さから生理食塩水0.3ccを滴下し、3分経過後、再度同様に滴下する。3回目の滴下後、10秒以内に吸収される穴の数(A)を数える。これを同じ試料の40ヶ所について試験し{((A)/(穴10ヶ所×試料40ヶ所)×100)}を3回目透水耐久指数(%)とした。また、継続して4回目の滴下後も3回目と同様に10秒以内に吸収される穴の数(B)を数え、{((B)/(穴10ヶ所×試料40ヶ所)×100)}を4回目透水耐久指数(%)とした。
10.濡れ戻り指数(g)
吸収体として吸収体の特性を一定化しておくため、特定濾紙(Ahlstrоm社製 GRADE:989)3枚の上に試験布を置く。さらにその上に10cm角で中央に直径25mmの穴を開けた板(約800g)を置き、中央穴の上部25mm高さより、生理食塩水(吸収体重量の3.5倍の液量)を滴下し、吸収させる。次に、試験布の上の板を取り除き、3.5kgの錘(10cm角)をしずかに載せて3分間かけ、吸収体中の液の分布を一定化する。次いで、3.5kgの錘を一旦取り除き、試験布の上に予め秤量した測定用濾紙(HOLLINGSWORTH&VOSE.CONPANY製 ERTMWWSSHEETS 12.5cm角)2枚を速やかに置き、再度3.6kgの錘を静かに載せる。2分後にその測定濾紙の重量増加を秤量する。その増加分の値(g)を濡れ戻り指数とした。
11.透水剤水溶液の塗布量(wt%)
透水付与加工1時間分の透水剤水溶液消費量から下記式にて算出した値を透水剤水溶液の塗布量(wt%)とした。
塗布量(wt%)=透水剤水溶液消費量(g)/{不織布目付(g/m)×幅(m)×加工速度(m/min)×60(min)}×100
12.透水剤純分付着量(wt%)
25℃×40%RHの温湿度で24時間調湿した透水剤が付着した不織布試料の重量(W1)およびについて、この不織布試料からメタノールを用いて、ソックスレー抽出した、透水剤の重量(W2)を測定し、透水剤純分付着量C(wt%)を下記の式より求めた。
C(wt%)=[W2/W1]×100
不織布試料のサンプリングはMD方向に30cm間隔で5ヶ所、CD方向に不織布の巾内で等間隔に5ヶ所から、切取り巾が5cm〜10cm範囲で不織布試料が約2gとなるような長さで切取り、合計10枚の試験布を採取する。上記測定を行ない、それらの平均値を透水剤純分付着量(wt%)とした。
13.分散
不織布を50cm×50cmで採取し、目視判定によって不織布の見栄えの以下の評価基準で等級づけした。分散の評価の観点は、筋状など斑に規則性がないか、単糸が均一に広がっているか(塊状になっていないか)とした。等級が高いほど、分散は良好であることを示す。
5:非常に良い
4:良い
3:通常(製品として使用可能なレベル)
2:悪い
1:非常に悪い
[実施例1]
MFRが55g/10分(JIS−K7210に準じ、温度230℃、荷重2.16kgで測定)のポリプロピレン(PP)樹脂を第1成分とし、MIが26g/10分(JIS−K7210に準じ、温度190℃、荷重2.16kgで測定)の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂を第2成分とし、第1成分の吐出量が0.4g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.4g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が1/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して紡速3200m/minで、移動捕集面に向けて押出し平均繊維径17.9μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られたウェブを熱風温度142℃、熱風風速0.7m/sの熱風により繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数15個/インチの複合長繊維不織布を得た。
次いで、得られた不織布に透水剤水溶液として、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンとポリオキシアルキレンひまし油エーテルの混合物からなる透水剤の3wt%水溶液を、液温20℃、液粘度3.2mPa・sに調整し、塗布量が10wt%となるように、ローターダンプニング方式にて上記不織布に塗布した。使用したローターの直径は80mmであり、各ローターは、CD方向に115mm間隔、塗布する不織布とのローター中心の距離を180mmとなるように配置した。また、ローター回転数を調整し、噴霧される透水剤水溶液の噴霧粒子径が35μmとなるようにした。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は85%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は16mm、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.12gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、平均繊維径17.9μm、目付10g/m、捲縮数15個/インチの偏芯鞘芯型複合長繊維不織布を得た。次いで、得られた複合長繊維不織布に実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は87%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は14mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.50gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
第1成分の吐出量が0.54g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.26g/分・hоleで全吐出量が0.80g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が約2/1とする以外は実施例1と同様の方法で、平均繊維径が17.9μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
得られた偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを熱風温度145℃、熱風風速1.0m/sの熱風により、繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数10個/インチの複合長繊維不織布を得た。
次いで、得られた複合長繊維不織布に、実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は74%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は16mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.12gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例4]
実施例3と同様の方法で、平均繊維径17.9μm、目付18g/m、捲縮数10個/インチの複合長繊維不織布を得た。
得られた複合長繊維不織布に、グラビア塗工方式で透水剤の1wt%水溶液を、液温20℃、液濃度2.3mPa・sに調整し、塗布量が30wt%となるように、斜線柄120メッシュ、セル容積22cm/mのグラビアロールを用いて塗布し、次いで、120℃のシリンダードライヤーに通して乾燥させ巻き取った。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は70%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は17mmであり、4回目耐久透水指数は97%であり、濡れ戻り指数は0.22gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例5]
第1成分を実施例1と同様のポリプロピレン樹脂、第2成分をMIが16.8g/10分(JIS‐K7210に準じ、温度190℃、荷重2.16kgで測定)の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂とし、第1成分の吐出量が0.54g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.26g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が約2/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径20.5μmの偏芯鞘芯型長繊維ウェブを調製した。
得られた偏芯鞘芯型長繊維ウェブを熱風温度150℃、熱風風速0.3m/sの熱風により繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数40個/インチの複合長繊維不織布を得た。
次いで、得られた複合長繊維不織布に、実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は92%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は15mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.35gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例6]
実施例5と同様の方法で、平均繊維径20.5μm、目付18g/m、捲縮数40個/インチの偏芯鞘芯型複合長繊維不織布を得た。次いで、得られた複合長繊維不織布に、透水剤水溶液の濃度を5wt%とした以外は実施例1と同様の透水剤水溶液を、同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は92%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は13mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.47gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例7]
実施例1と同様の方法で、平均繊維径17.9μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調整した。
次いで、得られた偏芯鞘芯型複合長繊維不織ウェブを100℃のフラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径1.00mm円形、千鳥配列、横ピッチ4.4mm、縦ピッチ4.4mm、圧着面積率7.9%)の間に通して繊維同士を仮接着し、次いで、熱風温度142℃、熱風風速0.7m/sの熱風により繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数17個/インチの複合長繊維不織布を得た。
次いで、得られた複合長繊維不織布に、実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は72%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は18mmであり、4回目耐久透水指数は95%であり、濡れ戻り指数は0.18gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例8]
実施例7と同様の方法で、平均繊維径17.9μm、目付8g/m、捲縮数17個/インチの偏芯鞘芯型複合長繊維不織布を得た。次いで、得られた複合長繊維不織布に、実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は74%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は16mmであり、4回目耐久透水指数は97%であり、濡れ戻り指数は0.42gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例9]
実施例1と同様の成分を用いて、第1成分の吐出量が0.40g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.40g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が1/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出した。このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して紡速3200m/minで移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径17.9μmのサイドバイサイド型複合長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られたサイドバイサイド型複合長繊維ウェブを実施例7と同様にして繊維同士を接着させ、目付18g/m、捲縮数23個/インチの複合長繊維不織布を得た。次いで得られた複合長繊維不織布に、実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区間内での最大高さが、不織布の無荷重状態の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は76%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は15mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.15gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例10]
第1成分を溶液粘度ηsp/c0.75のポリエチレンテレフタレート(PET)とし、第2成分を実施例1と同様の高密度ポリエチレン(HDPE)とし、第1成分の吐出量が0.54g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.26g/分・hоleで、全吐出量が0.80g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が約2/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度295℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径18.7μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
得られた偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを実施例1と同様に繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数20個/インチの複合長繊維不織布を得た。
次いで、得られた複合長繊維不織布に実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は87%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は15mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.15gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例11]
実施例1と同様の成分を用いて、第1成分の吐出量が0.24g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.56g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が3/7とする以外は、実施例1と同様の方法で、平均繊維径17.9μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
得られた偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを実施例1と同様に繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数17個/インチの複合長繊維不織布を得た。次いで、得られた複合長繊維不織布に、実施例4と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区間内での最大高さが、不織布の無荷重状態の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は70%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は18mmであり、4回目耐久透水指数は95%であり、濡れ戻り指数は0.18gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例12]
実施例1と同様の成分を用いて、第1成分の吐出量が0.16g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.64g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が1:4とする以外は、実施例1と同様の方法で、平均繊維径18.7μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
得られた偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを実施例1と同様に繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数5個/インチの複合長繊維不織布を得た。次いで、得られた複合長繊維不織布に実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区間内での最大高さが、不織布の無荷重状態の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は52%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は22mmであり、4回目耐久透水指数は85%であり、濡れ戻り指数は0.45gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例13]
実施例1と同様の成分を用いて、第1成分の吐出量が0.40g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.40g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が1:1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出した。押出したフィラメントは、移動捕集面の吸引力を利用して牽引ゾーン内で延伸させた後、ディフューザーを通し移動捕集面に堆積させて、平均繊維径20.5μmのサイドバイサイド型複合長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られたサイドバイサイド型複合長繊維ウェブを実施例1と同様にして繊維同士を接着させ、目付18g/m、捲縮数25個/インチの複合長繊維不織布を得た。次いで得られた複合長繊維不織布に実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区間内での最大高さが、不織布の無荷重状態の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は90%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は14mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.17gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例14]
実施例13と同様の方法で、平均繊維径20.5μm、目付30g/m、捲縮数25個/インチの偏芯鞘芯型複合長繊維不織布を得た。次いで、得られた複合長繊維不織布に実施例1と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は89%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は14mmであり、4回目耐久透水指数は99%であり、濡れ戻り指数は0.12gであった。結果を以下の表1に示す。
[実施例15]
MFRが38g/10分のポリプロピレン(PP)を、ハ型異型ノズルを配置した紡糸口金を用いて紡糸温度240℃、吐出量が0.80g/分・hоleで押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径18.7μmの長繊維ウェブを得た。
次いで、得られた長繊維ウェブを温度135℃、圧力60kg/cmに設定したフラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm、圧着面積率6.3%)の間に通して繊維同士を部分的に接着し、目付25g/m、捲縮数28個/インチの長繊維不織布を得た。
次いで得られた長繊維不織布に実施例4と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は55%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は23mmであり、4回目耐久透水指数は89%であり、濡れ戻り指数は0.12gであった。結果を以下の表1に示す。
Figure 0006600069
[比較例1]
MFRが55g/10分(JIS−K7210に準じ、温度230℃、荷重2.16kgで測定)のポリプロピレン(PP)樹脂を単成分にてスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押し出し、平均繊維径17.9μmの長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られたウェブを、141℃のフラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm、圧着面積率6.3%)の間に通して繊維同士を接着し、目付18g/mの繊維が捲縮していない長繊維不織布を得た。
次いで、得られた長繊維不織布に実施例4と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は40%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は28mmであり、4回目耐久透水指数は74%であり、濡れ戻り指数は0.56gであった。結果を以下の表2に示す。
[比較例2]
比較例1で得た長繊維不織布を、1辺0.9mm、線幅0.1mmの連続ハニカム形状柄(亀甲凹柄)(押付面積率:12.5%、柄ピッチ;タテ2.8mm、ヨコ3.2mm、深さ0.7mm)のエンボスロール(80℃)と表面硬度60度(JIS‐A硬度)のゴムロールとの間に通し、2kg/cmの圧力で柄を押しつけた。亀甲周辺が押し付けられ高密度域を持ち、中央が盛り上がった柔軟な長繊維不織布を得た。
次いで得られた長繊維不織布に実施例4と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は42%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は27mmであり、4回目耐久透水指数は80%であり、濡れ戻り指数は0.68gであった。結果を以下の表2に示す。
[比較例3]
実施例1と同様の成分を用いて、第1成分の吐出量が0.72g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.08g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が9/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径16.7μmの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られた偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを熱風温度142℃、熱風風速0.7m/sの熱風により繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数0個/インチの複合長繊維不織布を得た。
次いで、得られた複合長繊維不織布に実施例4と同様の透水剤水溶液を同様の塗工条件で塗布した。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は48%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は28mmであり、4回目耐久透水指数は64%であり、濡れ戻り指数は0.52gであった。結果を以下の表2に示す。
[比較例4]
実施例1と同様の成分を用いて、第1成分の吐出量が0.54g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.26g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が2/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径16.7μmの鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られたウェブは比較例3と同様の方法及び条件で、繊維同士を接着した後、透水剤水溶液を塗布し、目付18g/m、捲縮数0個/インチの複合長繊維不織布を得た。
得られた不織布の表面における測定基準長さを100μmとしたときの区画内での最大高さが、不織布の無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率は46%であり、不織布の透水45度傾斜流長値は26mmであり、4回目耐久透水指数は73%であり、濡れ戻り指数は0.60gであった。結果を以下の表2に示す。
Figure 0006600069
本発明の親水性嵩高不織布は優れた透水性を有するため、衛生材料の製造に好適に使用することができる。衛生材料については使い捨ておむつ、生理用ナプキン又は失禁パットの表面のトップシートに好適に使用することができる。また、本発明の親水性嵩高不織布は、前記用途に限らず、例えば、マスク、カイロ、テープ基布、貼布薬基布、救急絆基布、包装材、ワイプ製品、医療用ガウン、包帯、衣料、スキンケア用シートなどにも使用することができる。

Claims (6)

  1. 捲縮数が5〜45個/2.54cm(インチ)である熱可塑性繊維からなる親水性嵩高不織布であって、該不織布表面における測定基準長さを100μmとしたときのX方向Y方向により規定する単位区画内での最大高さが、該不織布のZ方向無荷重時の高さ(厚み)に対し30%以上である区画の比率が、該不織布表面積20mm×20mmに相当する区画数40000当たり50%以上である不織布表面構造を有し、該不織布の透水45度傾斜流長値が25mm以下であり、かつ、4回目耐久透水指数が85%以上であることを特徴とする前記親水性嵩高不織布。
  2. 前記親水性嵩高不織布のX線CTでの厚み方向の配向指数が0.43以下である、請求項1に記載の親水性嵩高不織布。
  3. 前記親水性嵩高不織布の圧縮仕事量が0.20gf・cm/cm以上1.00gf・cm/cm以下である、請求項1又は2に記載の親水性嵩高不織布。
  4. 前記熱可塑性繊維がサイドバイサイド型又は偏芯鞘芯型の複合繊維である、請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性嵩高不織布。
  5. 前記熱可塑性繊維がポリオレフィン系繊維である、請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性嵩高不織布。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性嵩高不織布を用いてなる衛生材料。
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