JPH108367A - 親水性長繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

親水性長繊維不織布及びその製造方法

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JPH108367A
JPH108367A JP8162877A JP16287796A JPH108367A JP H108367 A JPH108367 A JP H108367A JP 8162877 A JP8162877 A JP 8162877A JP 16287796 A JP16287796 A JP 16287796A JP H108367 A JPH108367 A JP H108367A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
fiber
polyolefin
long
hydrophilic
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JP8162877A
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English (en)
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Iwahiro Yamada
巌浩 山田
Nobuyuki Yamamoto
信幸 山本
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた親水性及び耐液戻り性を有し、且つそ
の耐久性も良好で、衛生材料の表面材等に有用な親水性
長繊維不織布を提供する。 【解決手段】 式(1)で表されるスルホン酸金属塩化
合物50〜95重量%と式(2)で表される親水化助剤
5〜50重量%とからなる親水化剤を0.1〜5.0重
量%含有するポリオレフィンが、繊維表面の40%以上
を占める長繊維から構成され、且つ部分的に熱接着され
ている親水性長繊維不織布。 (1)R−SO3 M (式中、Rは平均炭素数が5〜25のアルキル基、アリ
ール基又はアルキルアリール基、Mはアルカリ金属を表
す。) (2)R’−X−CH2 CH2 OH (式中、R’は平均炭素数が5〜25のアルキル基、X
はCONH、NCH2 CH2 OH又は直接結合を表
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維表面の少なく
とも一部がポリオレフィンで占められている長繊維から
構成された親水性長繊維不織布及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、その簡便さと衛生面の理由から、
子供用から大人用、さらには動物用まで使い捨ておむつ
の使用が増加している。追い捨ておむつ等の衛生材料の
構造としては各種のものが提案されているが、基本的に
は肌に当接する面に液透過性のシート、裏面に液不透過
性のシート、中間に液吸収体が配されており、排液は液
透過性のシートを通過し吸収体に吸収保持される。これ
ら液透過性のシート(トップシート)としては、一般に
不織布が用いられている。この不織布としては、速やか
な液透過性に加えて、一度吸収体に吸収された排液が逆
流しにくい、すなわち耐戻り性も良好な不織布が要求さ
れている。
【0003】一方、長繊維からなるスパンボンド不織布
は、現在様々な分野や用途に用いられており、使い捨て
おむつ等の衛生材料にも、目付け15〜40g/m2
比較的薄手のものが使用されている。一般にこの用途の
不織布は、加工性の面等から熱接着性繊維から構成され
ているが、これらの熱接着性繊維は通常疎水性が高く、
このままではトップシートとしては十分な液透過性が得
られない。これらの疎水性繊維に親水性を付与する方法
として、アルキルスルホン酸金属塩化合物からなる処理
剤を繊維表面に付着させる方法が開示されている。しか
し、長繊維不織布(スパンボンド不織布等)の製造にこ
のような方法を採用する場合、オンラインで処理剤を付
与するには処理剤を付与する装置や乾燥させる装置が新
たに必要となり、生産コストが割高となるだけでなく、
製造ラインがこれら処理剤により汚染されてしまうとい
う問題がある。一方、オフラインで付与してもオンライ
ンと同様にコスト高になるという問題がある。さらにこ
れらの方法では、親水化剤が繊維表面に付着しているだ
けなので、一度排液が通過すると一緒に親水化剤が流れ
出てしまうため、十分な親水耐久性が得られない。
【0004】このような親水性の耐久性を改善する方法
として、特開平2−26920号公報には、ポリオキシ
アルキレングリコール0.2〜10.0重量%及びスル
ホン酸アルキル金属塩化合物0.1〜5.0重量%をテ
レフタル酸とイソフタル酸からなるポリエステル系バイ
ンダー成分に練り込み、該ポリエステル系バインダー成
分を鞘成分に、融点150℃以上の熱可塑性ポリマーを
芯成分とした熱接着性複合繊維が開示されている。しか
しながら、このようなポリエステル系熱接着性繊維を用
いた不織布は、ポリオレフィン系の不織布と比べて風合
いが硬くなり、また長繊維不織布に通常施されるエンボ
ス処理やその後の熱処理工程での適正温度範囲が狭いと
いう問題がある。
【0005】また別の方法として、特開平5−2720
06号公報、特開平5−272013号公報等には、ポ
リオレフィンにアルキルスルホン酸ナトリウムのみを
0.5〜5重量%添加した親水性ポリオレフィン繊維
(複合繊維も含む)が開示されている。しかしながら、
疎水性のポリオレフィンに親水性のアルキルスルホン酸
ナトリウムを単独で混合しているため、アルキルスルホ
ン酸ナトリウムを均一に分散させることが難しく、アル
キルスルホン酸ナトリウムが有する本来の親水性が発現
し難いだけでなく、この繊維から得られる長繊維不織布
はその親水性が不均一になるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術が有する問題点に鑑みなされたもので、その第1の目
的は、衛生材料の表面材等に有用な、十分な親水耐久性
を有し且つ耐戻り性にも優れた親水性長繊維不織布を提
供することにある。また第2の目的は、さらに柔軟性や
弾力性が改善された親水性長繊維不織布及びその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、前記本発明の目的は、「 下記組成の親水化剤を
0.1〜5.0重量%含有するポリオレフィンが、少な
くとも繊維表面の40%を占める長繊維から構成される
不織布であって、該不織布は部分的に熱接着されている
ことを特徴とする親水性長繊維不織布。 親水化剤組成 (a)下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩化
合物50〜95重量% R−SO3 M ……(1) (式中、Rは平均炭素数が5〜25のアルキル基、アリ
ール基又はアルキルアリール基、Mはアルカリ金属を表
す。) (b)下記一般式(2)で表される親水化助剤5〜50
重量% R’−X−CH2 CH2 OH ……(2) (式中、R’は平均炭素数が5〜25のアルキル基、X
はCONH、NCH2 CH2 OH又は直接結合を表
す。)」により達成される。
【0008】また、本発明者らの研究によれば、前記本
発明の別の目的は、「 下記組成の親水化剤を0.1〜
5.0重量%含有するポリオレフィンと、該ポリオレフ
ィンより30℃以上高い融点を有する熱可塑性重合体と
からなり、前記ポリオレフィンが少なくとも繊維表面の
40%を占める潜在捲縮性を有する複合長繊維をエジェ
クターにて牽引し、移動する捕集面上に堆積させウエブ
を形成し、次いで加熱処理して捲縮を顕在化させると共
に部分的に該ウエブを熱圧着することを特徴とする親水
性長繊維不織布の製造方法。 親水化剤組成 (a)下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩化
合物50〜95重量% R−SO3 M ……(1) (式中、Rは平均炭素数が5〜25のアルキル基、アリ
ール基又はアルキルアリール基、Mはアルカリ金属を表
す。) (b)下記一般式(2)で表される親水化助剤5〜50
重量% R’−X−CH2 CH2 OH ……(2) (式中、R’は平均炭素数が5〜25のアルキル基、X
はCONH、NCH2 CH2 OH又は直接結合を表
す。)」により達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用される上記一般式
(1)で表されるスルホン酸金属塩化合物は、分子中に
少なくとも1個のスルホン酸金属塩からなる親水性基と
適度な撥水性を示す基とを有する化合物である。式中、
Mはアルカリ金属を表し、ナトリウム、カリウム、リチ
ウムなどであり、特にナトリウムが好ましい。また、R
は平均炭素数が5〜25アルキル基、アリール基又はア
ルキルアリール基を表し、ここでアルキル基は直鎖又は
分岐を有することもある飽和又は不飽和炭化水素基であ
る。炭素数が5未満の場合にはポリオレフィン中への相
溶分散性が悪くなり、一方25を越える場合には親水性
効果が不十分となる。この様なスルホン酸金属塩化合物
の具体例としては、平均炭素数が15のアルキルスルホ
ン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム、デカンジスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジブチル
ナフタレンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
【0010】また本発明で使用される上記一般式(2)
で表される親水化助剤は、XがCONHである脂肪酸モ
ノエタノールアミド、XがN(CH2CH2OH)である
アルキルジエタノールアミン、又はXが直接結合である
脂肪族高級アルコールなどであり、式中R’は前記のア
ルキル基と同様に、直鎖又は分岐を有することもある飽
和又は不飽和炭化水素基であり、その平均炭素数は5〜
25、好ましくは8〜18である。炭素数がこの範囲を
外れると、前記スルホン酸金属塩化合物をポリオレフィ
ン中に均一に分散できなくなるので好ましくない。好ま
しく用いられる親水化助剤の具体的な例としては、ラウ
ロイルモノエタノールアミド、ステアロイルモノエタノ
ールアミド、ラウリルジエタノールアミン、ステアリル
ジエタノールアミン、ステアリルアルコール等が挙げら
れる。
【0011】本発明の親水化剤は、前記一般式(1)で
表されるスルホン酸金属塩化合物50〜95重量%、好
ましくは60〜90重量%と、前記一般式(2)で表さ
れるの親水化助剤5〜50重量%、好ましくは10〜4
0重量%との混合物である。スルホン酸金属塩化合物の
混合割合が50重量%未満の場合には、親水性効果が不
十分になるだけでなく、親水化助剤が50重量%を越え
るため熱安定性が低下し、紡糸調子等が悪くなることが
ある。一方、スルホン酸金属塩化合物の混合割合が95
重量%を越える場合には、親水化助剤の配合割合が5重
量%未満になるため、ポリオレフィン中へのスルホン酸
金属塩化合物の分散性が悪くなり、均一で且つ十分な親
水性効果が得られなくなる。
【0012】なお、本発明の親水化剤は、上記一般式
(2)で表される親水化助剤を上記範囲で併用している
ので、その適度なブリードアウト性を有している。この
ため、繊維表面により多くの親水化剤が分布し、また使
用中徐々に該親水化剤が繊維表面に滲み出してくるた
め、優れた親水性効果及びその優れた耐久性が得られ
る。
【0013】本発明で用いられるポリオレフィンは、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1等のα−オレフィンを
主たるモノマ−成分とする重合体で、具体的な例として
は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、ポリエチレン/ポリプロピレン共重合体などの共
重合ポリエチレン等が挙げられる。さらにこれらポリオ
レフィンには、熱安定剤等の添加剤が添加されていても
よい。
【0014】かかるポリオレフィン中の、前記スルホン
酸金属塩化合物及び親水化助剤からなる親水化剤の含有
量は、ポリオレフィンの重量を基準として0.1〜5.
0重量%である必要がある。含有量が0.1重量%未満
の場合には、十分な親水性効果が得られない。一方5重
量%を越える場合には、紡糸の安定性が低下し、また不
織布を部分的に熱接着させる際に接着部繊維間の接着強
力が低下するため、不織布の品質が悪化する。また、得
られた不織布を衛生材料の表面材等に使用した場合、親
水性は十分で良好な透水性が得られるものの、一度吸収
された水分の保水性が大きくなりすぎるため、排液が通
過した後の不織布表面の濡れ時間が長くなりすぎるため
好ましくない。
【0015】ポリオレフィンに前記親水化剤を含有させ
る方法には特に制限はなく、従来公知の方法を用いるこ
とができる。例えば、スルホン酸金属塩化合物と前記親
水化助剤の混合物をポリオレフィンと溶融混合してまず
マスターバッチを製造し、このマスターペレットをさら
にポリオレフィンペレットと混合溶融する方法、スルホ
ン酸金属塩化合物と前記親水化助剤の混合物にステアリ
ン酸マグネシウム等の無機物を添加してペレット化し、
これをポリオレフィンペレットとチップブレンドする方
法、スルホン酸金属塩化合物と前記親水化助剤の混合物
をポリオレフィンに溶融添加する方法等が挙げられる。
【0016】本発明の不織布を構成する長繊維は、前記
アルキルスルホン酸金属塩化合物と親水化助剤とからな
る親水化剤を含有するポリオレフィンが、少なくとも繊
維表面の40%以上、好ましくは全繊維表面を占めてい
れば、ポリオレフィン単独からなる単一繊維であって
も、ポリオレフィンと他種ポリマーとの複合繊維であっ
てもかまわない。なかでも不織布としての強力特性、熱
接着処理等における高速熱処理加工などの観点から、複
合繊維がより好ましい。複合繊維の複合構造は、芯鞘型
構造、偏心芯鞘型構造、並進型構造、海島型構造などい
ずれであってもよい。
【0017】また本発明の不織布は、衛生材料の表面材
として利用する場合、例えば大人用のおむつ等の排液量
が多い用途に利用する場合には、不織布に高度な耐戻り
性が要求されるので、長繊維の捲縮数は10〜100個
/25mm、特に15〜50個/25mmの範囲にある
ことが好ましい。特に偏心芯鞘型構造、並進型構造等の
潜在捲縮性を有する複合繊維は、不織布とした後に捲縮
を顕在化させることにより嵩高で柔軟性・弾力性に優
れ、且つ排液の耐戻り性も良好な不織布が得られるので
好ましい。
【0018】このような潜在捲縮性を有する複合長繊維
は、前述のアルキルスルホン酸金属塩化合物と前記親水
化助剤の混合物からなる親水化剤を含有するポリオレフ
ィンが繊維表面の40%以上を占めるように、異種の熱
可塑性重合体又は同種の熱可塑性重合体と、偏心芯鞘型
又は並進型に複合されていれるのが好ましい。異種の熱
可塑性重合体としては、熱処理工程での安定性の観点か
ら、親水化剤を含有せしめたポリオレフィンよりも30
℃以上高い融点を有するものが好ましく、ポリエステル
とポリオレフィン、ポリアミドとポリオレフィン、ポリ
オレフィンとポリオレフィン等の組合わせが例示され
る。具体的には、ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブテレンテレフタレート、又はこ
れらを主成分とする共重合体が、ポリアミドとしては、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6
10、又はこれらを主成分とする共重合体が例示され
る。また、これらの熱可塑性樹脂には熱安定剤等の添加
剤が添加されていてもよい。
【0019】得られる長繊維不織布の風合い、後述する
熱接着のための熱処理工程で許容される温度範囲が広く
高速生産性に優れることから、複合繊維はポリオレフィ
ン、特にポリエチレンが全繊維表面を占めている複合構
造が好ましい。また、複合成分がともにポリオレフィン
の場合、例えばポリエチレンとポリプロピレンからなる
偏心型構造の場合には、鞘成分をポリエチレンとしこれ
に前記親水化剤を含有せしめる必要がある。芯成分又は
繊維表面に露出していない部分に前記親水化剤を含有せ
しめたポリオレフィンを配したのでは、親水性が不十分
となり、速やかに排液を透過させることが難しくなるた
め、おむつのトップシートとして用いた場合、シート表
面の濡れ時間が長くなってしまうので好ましくない。
【0020】長繊維の繊度は、1.0〜5.0デニール
の範囲が適当である。1.0デニール未満の場合には、
得られる不織布の風合いはソフトになるが、不織布が緻
密な構造となりやすく、排液を吸液する際の液体(水
分)保持率が高くなりすぎて濡れ感を生じやすい。一方
5デニールを越える場合には、得られる不織布の風合い
が硬いものとなりやすく、ソフトなものが得難い。
【0021】不織布の目付けは、10〜40g/m2
範囲が適当である。目付けが40g/m2 を越える場合
には、得られる不織布の風合いが硬いものとなりやす
く、ソフトなものが得難い。一方10g/m2 未満の場
合には、風合いはソフトになるが強力が低く実用性に乏
しいものとなる。
【0022】上述の長繊維から構成される本発明の不織
布は、さらに部分的に、好ましくは不織布の面積率で7
〜20%が熱接着されている必要がある。接着面積率が
7%未満の場合には不織布の風合いはソフトになるが、
不織布強力が不十分なものとなりやすく、全く熱接着さ
れていない場合には、不織布強力が著しく低下する。一
方20%を越える場合には不織布強力は十分なものとな
るが、不織布の嵩性が低くなりやすく、衛生材料に使用
した際の排液の耐戻り性が劣ったものとなりやすい。
【0023】さらに本発明の不織布は、衛生材料の表面
材不織布として使用する場合には、実用上厚みは0.5
mm以上であることが好ましい。また不織布の嵩密度
は、通常の用途では0.1g/cm3 以上であってもよ
いが、衛生材料の表面材不織布として使用する場合に
は、排液透過性の観点より、捲縮を有する長繊維から構
成されていて嵩密度が0.1g/cm3 以下であること
が好ましい。しかし、あまりに嵩密度が小さいと柔軟に
なりすぎて不織布の取扱い性が低下して実用的でなくな
るので、0.001g/cm3 以上であることが望まし
い。
【0024】以上に述べた本発明の不織布は、例えば以
下の方法により製造される。すなわち、親水化剤を含有
せしめたポリオレフィンを単独、又は必要に応じて他の
熱可塑性重合体を併用し、従来公知の繊維用溶融紡糸装
置を用いて、親水化剤を含有せしめたポリオレフィンが
繊維表面の少なくとも40%を占める長繊維を紡糸す
る。これらの紡糸された長繊維群は、エジェクター等の
圧空装置で牽引し、ネット等の移動する捕集面上に堆積
させてウエブを形成する。このようにして得られたウエ
ブを、例えばエンボスロール等を用いて部分的に熱圧着
し、部分的に熱接着することにより本発明の不織布を得
ることができる。
【0025】前記長繊維が潜在捲縮性を有する場合に
は、捕集面上に堆積させてウエブを形成した後、例えば
仮圧着ロール部で熱風処理して捲縮を顕在化させ、次い
でエンボスロールにて、さらに捲縮を顕在化させると同
時に部分的に熱接着すればよく、エンボスロールのみの
熱処理では、特に高速加工時には熱処理時間が短くなる
ため捲縮が十分に顕在化されなくなる。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお、実施例における評価は下記の方法に従っ
た。 <嵩密度>JIS L 1096の6.5法にしたが
い、荷重2KPaで測定した厚さ値と、目け付値から次
式によって算出した。 嵩密度(g/cm3 )=目付け(g/m2 )/[厚さ
(mm)×1000] <親水性>30cm×30cmの大きさに切った不織布
の下に、高分子吸収体(パルプ)を敷き、水30cm3
を不織布上に滴下した。滴下後3分放置した後、15c
m×15cmに切った濾紙(テスト前)を不織布上にの
せ、3kgの荷重を掛けてさら更に1分間放置した後、
濾紙の重量(テスト後)を測定し、。下記式により残表
面水量を算出した。この残表面水量が少ないほど親水性
に優れることをあらわす。 残表面水量=テスト後濾紙重量−テスト前濾紙重量
【0027】[実施例1]固有粘度が0.7のポリエチ
レンテレフタレートを芯成分とし、平均炭素数が15で
あるアルキルスルホン酸ナトリウム塩80重量%とステ
アロイルモノエタノールアミド20重量%からなる親水
化剤を1.0重量%含有したメルトインデックス値が2
0の高密度ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘型複合繊維
を紡出し、エジェクターにて牽引し、開繊した後、移動
するネット上に捕集してウエブを形成した。得られたウ
エブを構成する長繊維の繊度は3.0デニール、芯鞘複
合比(重量比)は50/50であった。このウエブを1
35℃に加熱したエンボスロールにて、部分的に熱接着
(熱圧着)し、目付けが20g/m2 の長繊維不織布シ
ートを得た。
【0028】[比較例1]平均炭素数が15であるアル
キルスルホン酸ナトリウム塩のみからなる親水化剤を使
用した以外は、実施例1と同様にしてポリエチレンテレ
フタレートとポリエチレンとの芯鞘型複合繊維からなる
ウエブを得、これを部分的に熱圧着して目付けが20g
/m2 の長繊維不織布シートを得た。
【0029】[比較例2]平均炭素数が15であるアル
キルスルホン酸ナトリウム塩を含まない親水化剤を使用
した以外は、実施例1と同様にしてポリエチレンテレフ
タレートとポリエチレンとの芯鞘型複合繊維からなるウ
エブを得、これを部分的に熱圧着して目付けが20g/
2 の長繊維不織布シートを得た。
【0030】[比較例3]平均炭素数が15であるアル
キルスルホン酸ナトリウム塩80重量%とステアロイル
モノエタノールアミド20重量%からなる親水化剤を1
0重量%含有させたメルトインデックス値が20の高密
度ポリエチレンを使用する以外は、実施例1と同様にし
てポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの芯鞘
型複合繊維からなるウエブを得、これを部分的に熱圧着
して目付けが20g/m2 の長繊維不織布シートを得
た。
【0031】[比較例4]平均炭素数が15であるアル
キルスルホン酸ナトリウム塩40重量%とステアリルモ
ノエタノールアミド60重量%からなる親水化剤を1.
0重量%含有させたメルトインデックス値が20の高密
度ポリエチレンを使用する以外は、実施例1と同様にし
てポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの芯鞘
複合繊維からなるウエブを得、これを部分的に熱圧着し
て目付けが20g/m2 の長繊維不織布シートを得た。
【0032】[実施例2]固有粘度が0.7のポリエチ
レンテレフタレートを芯成分とし、平均炭素数が15で
あるアルキルスルホン酸ナトリウム塩80重量%とステ
アロイルモノエタノールアミド20重量%からなる親水
化剤を1.0重量%含有したメルトインデックス値が2
0の高密度ポリエチレンを鞘とする偏心芯鞘型複合繊維
を紡出し、エジェクターにて牽引し、開繊した後、移動
するネット上に捕集してウエブを形成した。得られたウ
エブを構成する長繊維の繊度は3.0デニール、芯鞘複
合比(重量比)は50/50であった。このウエブを1
20℃の熱風発生装置を取り付けた120℃に加熱した
仮圧着ロールにて潜在捲縮を顕在化させた後、135℃
に加熱したエンボスロールにて、捲縮をさらに顕在化さ
せると同時に部分的に熱圧着し、目付けが20g/m2
の長繊維不織布シートを得た。不織布を構成する長繊維
の捲縮数は20個/25mmであった。
【0033】以上の結果(嵩密度、親水性、紡糸調子)
をまとめて表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の親水性長繊維不織布は、繊維表
面の少なくとも40%がスルホン酸金属塩化合物と親水
化助剤とからなる親水化剤を含有するポリオレフィンで
占められている長繊維から形成されているので、不織布
全面に亘って均一且つ十分な親水性を有しており、しか
もその耐久性にも優れている。したがって、衛生材料の
表面材等への用途に非常に適したものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記組成の親水化剤を0.1〜5.0重
    量%含有するポリオレフィンが少なくとも繊維表面の4
    0%を占める長繊維から構成される不織布であって、該
    不織布は部分的に熱接着されていることを特徴とする親
    水性長繊維不織布。 親水化剤組成 (a)下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩化
    合物50〜95重量% R−SO3 M ……(1) (式中、Rは平均炭素数が5〜25のアルキル基、アリ
    ール基又はアルキルアリール基、Mはアルカリ金属を表
    す。) (b)下記一般式(2)で表される親水化助剤5〜50
    重量% R’−X−CH2 CH2 OH ……(2) (式中、R’は平均炭素数が5〜25のアルキル基、X
    はCONH、NCH2 CH2 OH又は直接結合を表
    す。)
  2. 【請求項2】 長繊維が捲縮数10〜100個/25m
    mの捲縮を有し、且つ不織布の嵩密度が0.1g/cm
    3 以下である請求項1記載の親水性長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 長繊維が、前記親水化剤を0.1〜5.
    0重量%含有するポリオレフィンと該ポリオレフィンよ
    り30℃以上高い融点を有するの熱可塑性重合体からな
    る複合繊維である請求項1又は2記載の親水性長繊維不
    織布。
  4. 【請求項4】 複合繊維が、偏心芯鞘型又は並進型複合
    繊維であり、潜在捲縮性を顕在化させた捲縮を有する請
    求項3記載の親水性長繊維不織布。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィンがポリエチレンである請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の親水性長繊維不織
    布。
  6. 【請求項6】 熱可塑性重合体がポリエステルである請
    求項3又は4記載の親水性長繊維不織布。
  7. 【請求項7】 下記組成の親水化剤を0.1〜5.0重
    量%含有するポリオレフィンと、該ポリオレフィンより
    30℃以上高い融点を有する熱可塑性重合体とからな
    り、前記ポリオレフィンが少なくとも繊維表面の40%
    を占める潜在捲縮性を有する複合長繊維をエジェクター
    にて牽引し、移動する捕集面上に堆積させウエブを形成
    し、次いで加熱処理して捲縮を顕在化させると共に部分
    的に該ウエブを熱圧着することを特徴とする親水性長繊
    維不織布の製造方法。 親水化剤組成 (a)下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩化
    合物50〜95重量% R−SO3 M ……(1) (式中、Rは平均炭素数が5〜25のアルキル基、アリ
    ール基又はアルキルアリール基、Mはアルカリ金属を表
    す。) (b)下記一般式(2)で表される親水化助剤5〜50
    重量% R’−X−CH2 CH2 OH ……(2) (式中、R’は平均炭素数が5〜25のアルキル基、X
    はCONH、NCH2 CH2 OH又は直接結合を表
    す。)
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