JP2872729B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2872729B2 JP2029173A JP2917390A JP2872729B2 JP 2872729 B2 JP2872729 B2 JP 2872729B2 JP 2029173 A JP2029173 A JP 2029173A JP 2917390 A JP2917390 A JP 2917390A JP 2872729 B2 JP2872729 B2 JP 2872729B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、使い捨て可能な吸収性物品、特に生理用ナ
プキン、産褥用ナプキン、紙おむつ、化粧綿等の吸収性
物品に関するものである。更に詳しくは、体液、特に高
粘性の経血液、下痢便等の高粘性体液、あるいは化粧用
洗顔クリーム等の高粘性液体の吸収性に優れ、且つ、皮
膚に対する感触に優れた不織布を用いた使い捨て可能な
吸収性物品に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来の吸収性物品、例えば生理用ナプキン、紙おむつ
あるいは化粧綿は、一般に綿状パルプ、吸収紙等からな
る吸収層、必要であればその下面及び側面に配される防
漏層、そして表面に載置される不織布からなる。
このような吸収性物品の表面層を形成する不織布に
は、種々の性能が要求されるが、特に、通常の血液、尿
のような低粘性液体から、月経時に排出される高粘性の
経血、あるいは下痢便、化粧用洗顔クリームのように固
形分が分散している高粘性液体に至るまで幅広い性状を
もつ液体に対して、漏れにつながる表面の液の流動(液
流れと称する)を抑えること、肌への感触が良いこと、
吸収層に対する被覆性(適度な強度、毛羽立たない、遮
蔽性)が良いことが最も望まれる性能である。
近年、合成繊維系の乾式不織布の急速な普及と技術の
向上によって、通常の血液や尿あるいは化粧水のような
低粘性の液体に対しては、これらの要求性能をかなり満
足していると考えられる。
ところで、実際の月経においては子宮内粘膜、悪露等
を含む粘性の高い経血が排出される場合が多く、また、
排泄においても下痢便等の高粘性の液体が排出される場
合がある。更に、化粧においても洗顔クリームのように
高粘性の分散系を処理することをしばしば必要とする。
このような高粘性液体に対する吸収性能を設計した不
織布はまだ十分に研究されていない。これまでになされ
た報告では、不織布の繊維間距離を大きくしたり(特開
昭62−181041号公報)、巨視的な孔を表面材に設置する
(特公昭62−125001号、特開昭62−125061号各公報)と
いう考え方が代表的であった。しかしながら、これらの
表面材はあまりに吸収機能に重点を置きすぎた設計にな
っているために、表面材としてのより基本的な要件であ
る、肌に接触したときの感触、吸収層に対する被覆性
(適度な強度、毛羽立たない、遮蔽性)の点では改善し
なければならない点が多いため、まだまだ、実用的な水
準に達しているとはいえない。
すなわち、従来の製造技術により得られる不織布で
は、高粘性液体に対する吸収性能と実用上適正な強力・
風合いを同時に満足させることは非常に困難であった。
従って、本発明は従来技術による不織布の欠点を有さ
ず、以下の3条件を満足させる不織布を得ることを目的
としたものである。
少なくとも繊維ウェブの状態で繊維同志の絡み合い
が緩く、十分な繊維間距離を持つこと。
繊維ウェブの形態(絡み合いが緩く、繊維間距離が
大きい)をできる限り維持して、適正な強力、風合いを
与える繊維同志の固定を実現すること。
上記に記した不織布の基本要件,を満たし、且
つ、高粘性液体が速やかに透過するための適正な孔をも
つこと。
及びは不織布基台の製造技術に基づく要因が大き
く、は不織布の開孔技術に基づく要因が大きい。
そこで、まず、従来の不織布について、上記条件,
に対する問題点を明確にするために、不織布を構造上
5つに分類し、技術的背景と共に、以下に詳述する。
A.繊維ステープル同志の絡合(絡み合い)による不織布
(絡合不織布): カードにより形成された繊維ウェブを高速液体(水、
空気等)又は針によりニードリングして得ることができ
る。ニードリング方式に対応して、「ウォータジェット
不織布」,「ニードルパンチ不織布」等と呼ばれる。
B.繊維同志が組成樹脂の熱溶融により接着している不織
布(熱接着不織布): これは更に次のように分類される。
B−1.捲縮をほとんど有さない繊維フィラメントが熱接
着していて、接着領域が巨視的に不連続に分布している
型。繊維を紡糸しながら積層してウェブを形成し、ピン
ポイントヒートエンボスで繊維同志を融着固定すること
により得ることができる。一般に、「スパンボンド不織
布」と呼ばれる。
B−2.繊維ステープル同志の接着溶融程度が大きく、接
着点が緊密且つ不規則に分布している型。繊維の融点よ
り高い温度とヒートローラーでカードにより形成された
繊維ウェブを圧縮し、繊維同志を接着させることで得る
ことができる。一般に「ヒートロール接着不織布」と呼
ばれる。
B−3.繊維ステープル同志の接触点だけが溶融接着して
いて、接着点密度が小さく且つ不規則に分布している
型。繊維の融点より高い温度の熱風をカードで形成され
た繊維ウェブに貫通し、繊維同志を接着させることで得
られる。一般に「サクションヒートボンド不織布」と呼
ばれる。
C.繊維ステープル同志がケミカルバインダにより接着し
ていて、接着点が緊密且つ不規則であるか、規則的に不
連続に分布している不織布: カードにより形成された繊維ウェブをバインダ溶液に
浸漬するか、ロールコーターでバインダを塗工すること
により得ることができる。一般に「バインダ型不織布」
と呼ばれる。
次に、以上の不織布についての問題点を検討する。
スパンボンド不織布は条件に対して、本質的に非常
に小さな繊維間距離しか達成できない。スパンボンド不
織布では繊維の捲縮がほとんどなく、フィラメントが積
層しているために、繊維同志が立体的に絡み合うことが
できず、繊維ウェブの嵩を出すことができないからであ
る。更に、繊維同志の接着点が巨視的に不連続に分布す
るため、毛羽が立ちやすく、毛羽が立たない程度に接着
点の密度を高くすると、不織布全体が硬くなる。この型
の不織布では繊維間距離は40μ程度が限界である。
絡合不織布、ヒートロール接着不織布及びバインダ型
不織布は条件に対して非常に不利である。
絡合不織布では、繊維同志の絡合を緊密にしなければ
不織布に適正な強度を付与することができないため、初
期の繊維ステープルウェブの緩い絡合を維持することが
本質的に困難である。絡合が緊密でも繊維間距離を上げ
るには、繊維の太さ(繊度)を大きくすることが有効だ
が、高繊度化すると絡合不織布の場合、不織布強度が著
しく低下する。また、絡合不織布では、吸収性物品着用
者の運動に伴う不織布表面の摩擦による毛羽抜けが上記
5種類の中では最も大きいことも実用化の困難な要因で
ある。
ヒートロール接着不織布は圧熱下で繊維が溶融接着し
ているため、繊維間距離は繊維ウェブ状態に比べ著しく
低下している。また、熱がヒートローラーから繊維樹脂
を通して伝導するため、接着効率が悪く、不織布表面と
内部で接着の不均一の程度が大きいため、不織布強度と
風合いのバランスをとることが困難である。
バインダ型不織布では、バインダが繊維同志の接触点
ばかりでなく、繊維間を埋めるようにして分布するた
め、接着点が極めて緊密になり、結果として繊維間距離
が小さくなる。
以上、絡合不織布、ヒートロール接着不織布及びバイ
ンダ型不織布も現状では繊維間距離を40μ以上にするこ
とは極めて難しく、条件を満足することは難しい。
サクションヒートポンプ不織布は条件,を同時に
満たすという点では大いに可能性がある。即ち、サクシ
ョンヒートボンド不織布は、一般にカードにより形成さ
れる繊維ステープルウェブを使用するので原理的に繊維
間距離を多大きくすることができ、且つ、熱の伝導が不
織布を通過する空気流体によるため繊維固定の効率が高
く、強力と風合いのバランスがとりやすい。しかし、実
際は、他の不織布に比べ接着点密度が低いので、実用上
適正な強力を得ようとすると、繊度を低くせざるを得
ず、結果として繊維間距離を上げることは困難であっ
た。
次に、従来の不織布について、上記条件に対する問
題点を明確にするために、代表的な2種類の開孔技術を
技術的背景と共に、以下に詳述する。
I.有孔ネット上に不織布ウェブを置き、高速水流をウェ
ブ上に噴射し、ネットの非孔部分に載っているウェブを
よりわけ孔を形成する方法。
これは、ウォータジェット不織布の製造方法と同じ原
理であり、非孔部分の繊維は必然的に絡合する。工業的
にも、ソンタラ(デュポン)を始め、ウォータジェット
不織布は同時に有孔不織布として製造される場合が多
い。この方法による孔は、輪郭が比較的クリアで風合い
も良い。しかし、前述した様に、非孔部分が絡合される
ため、ウォータジェット不織布に付随する欠点(非孔部
分の繊維間距離が小さい、毛羽抜けする)が生じ、軟便
吸収性に対する孔の効果が大きく低下する。また、この
方法では、非孔部分を構成する繊維表面の親水化剤が脱
落し、特に合成繊維を主体とする構成では不織布表面が
極度に撥水性となり、軟便透過性ばかりでなく通常の低
粘性液体の吸収速度も大きく低下する。また、この方法
は、開孔前の不織布が熱接着型不織布や、スパンボンド
不織布のように繊維同志の接着が強固な構造のものに対
しては、開孔させることが非常に困難であり、得られる
不織布がほとんどウォータジェット不織布に限られると
いう欠点をもつ。
II.ヒートピンを不織布に突き刺して孔を開ける方法。
この方法は、絡合不織布以外の不織布にも孔の設置が
可能であることから、古くから知られている技術であ
る。しかし、この方法も実用化するには下記に示すよう
な多くの欠点をもつ。
(i) ヒートピンを突き刺しただけでは孔を固定でき
ないので、多くの場合、ピンの温度を不織布の構成繊維
の融点より高くして、繊維を溶融しながら穿孔するた
め、孔周辺に硬いバリが生じ、不織布表面の風合いが著
しく低下する。逆に、ヒートピンの温度が不織布の構成
繊維の融点より低い場合、ピンの除去後に、よりわけら
れた繊維が復元して、一度開いた孔が小さくなるか、最
悪の場合、また孔が消失してしまい、結果として、有孔
不織布とはいえない程度の孔しかもたないものが多い。
(ii) 上記の欠点を防ぐため、不織布中に低融点の繊
維を混ぜ、ピンの温度をこの繊維の融点の僅か下にして
穿孔し、同時に低融点の繊維をセットして、孔周辺の繊
維を復元しにくくした工夫もある。しかし、この方法に
よる不織布は、孔周辺の非孔部分が圧縮固定され、繊維
間距離が著しく低下する。開孔率を高くし、非孔部分の
面積が狭くなるにつれ、圧縮部分の占める割合が増加し
この弊害は大きくなる。また、セット効果を十分発現す
るには、低融点の繊維割合を増やさねばならず、その結
果、孔周辺が硬くなり、表面材の風合いが低下する。
以上述べたように、従来の不織布材料では高粘性液体
を透過するための孔を有効に生かすだけの十分な繊維間
距離を実用上適正な強力と風合いを同時に満たす不織布
は存在せず、従って、本発明の目的とする吸収性物品を
得ることができなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような従来の吸収性物品の表面材
として使用される不織布の欠点を改良すべく鋭意研究の
結果、通常の血液や尿など低粘性液体ばかりでなく、高
粘性の経血液、下痢便、化粧用洗顔クリーム等の高粘性
液体の透過性にも優れ、且つ、肌に接触したときの感触
が良く、吸収層に対する被覆性(適度な強度、毛羽立た
ない、遮蔽性)が良好な吸収性物品の表面材を見出し、
本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記(1)〜(6)に示す条件を全
て満たす不織布を表面材として用いてなることを特徴と
する吸収性物品を提供するものである。
(1) 少なくとも排泄液透過部分に多数の孔を有す
る。
(2) 非孔部分の平均繊維間距離が60μ以上である。
(3) 下記式(I)で示される不織布強力と繊維数密
度との比fが0.8g・cm3以上である。
(式中、 F:不織布繊維配向に垂直な方向の強力(g) V:不織布の体積(cm3) N:不織布中の繊維本数 を示す。) (4) 孔面積が平均1.5〜20mm2/個である。
(5) 開孔率が5〜50%である。
(6) 非孔部分の接着点密度がほぼ一様である。
吸収性物品の高粘性液体透過性を向上させるのに、最
も重要なことは、高粘性液体の中に含まれる繊維質物
質、未消化物質あるいは微粒子等が不織布を構成する繊
維間に目詰まりすることなく速やかに吸収層に透過する
ことである。そのためには、繊維質物質、未消化物質あ
るいは微粒子等にとっては十分に大きい多数の繊維間空
隙をもたねばならない。繊維間空隙の大きな領域として
巨視的な孔を設置する考え方は公知である。しかし、不
織布による高粘性液体の透過は単純に孔を設置しただけ
では解決されない。それは、非孔部分の構造にも大きく
依存するからである。即ち、非孔部分の繊維間距離が小
さいと高粘性液体は非孔部分で目詰まりを起こし全く透
過しなくなるため、孔の部分に集中して流入する。この
ような大量の高粘性液体の流入に対して効率良い透過を
実現するには孔を非常に大きくしなければならず、表面
材としての被覆性が大きく損なわれる。従って、孔を有
効に機能させるには、非孔部分にも高粘性液体の透過力
が必要である。この非孔部分での高粘性液体透過性によ
り、悪露、下痢便等の高水分率の粘性液体が効率良く吸
収体に移行し、孔部分に排泄液が集中して流入すること
を大きく緩和することができる。繊維間空隙の尺度とし
て、後述する平均繊維間距離Δをとることができ、非孔
部分のΔが大きいほど、高粘性液体透過性が向上する。
具体的には、不織布の非孔部分の平均繊維間距離Δが60
μ以上あると、悪露のような高粘性のゲル状液体ばかり
でなく、下痢便のような水分率の非常に高い分散系で流
動しやすくかつ目詰まりしやすい排泄液がよく透過し、
孔への集中的な流入が低減することがわかった。更に、
高月齢の赤ちゃんの下痢便のように量の多い排泄液に対
しては、Δは120μ以上あることが好ましく、透過性を
より安定に維持するには、Δが150μ以上あることが最
も望ましい。なお、高粘性液体に対する透過性が阻害さ
れなければ、強度を補うことやデザインとしての模様付
与等を目的とした熱あるいは超音波等によるエンボス処
理などによりミクロ的に平均繊維間距離が60μ以下とな
る部分が存在してもよい。
ここで、平均繊維間距離Δを定義する。不織布の構造
の第1近似として、繊維がすべて等距離平行に配列して
いるモデルを考え、その繊維間距離を「平均繊維間距
離」とする。
nili=(Wαi/100)(1/aidi)である。
従って、 繊維iの繊度、不織布の坪量をそれぞれ、Diデニー
ル、w g/m2とすると、 w=W/S/10000,Di=900000aidi これらを式(II)に代入して、式変形を行うと、 繊維間距離が十分に確保された不織布に、孔が分布す
ることで、高粘性の経血や軟便のような低水分率の高粘
性液体の透過性が最も有効に達成される。低水分率の高
粘性液体の透過を促進するには、1個当たりの孔面積が
少なくとも1.5mm2以上必要であり、大きければそれだけ
効果は大きい。しかし、あまり大きいと、排泄液を吸収
した吸収層と肌とが直に接触したりして、使用感の低下
につながるので20mm2を越えないことが望ましい。非孔
部分の繊維間距離が60μ以上であれば、開孔率が5%以
上のとき低水分率の高粘性液体の透過に有効であり、こ
の効果も開孔率が大きいほど効果が大きい。しかし、あ
まり開孔率が大きいと、不織布全体の強度が低下するの
で、50%を越えないことが望ましい。
非孔部分及び孔部分が以上のような構造を持った上
で、不織布の強力が適正で毛羽抜け/毛羽立ちがなく、
風合いの良い孔を同時に付与するために、本発明者ら
は、これまでの技術の中で繊維間距離を最も広い範囲で
制御でき、空気流体の通過で孔を形成できるサクション
ヒートボンド不織布に着目した。
サクションヒートボンド不織布において、繊維間距離
を大きくするには、繊度を大きくすることが非常に有効
であるが、従来は、同時に強力が低下してしまうという
欠点があった。これは、高繊度化による繊維本数の低下
に伴い、繊維同志の接着点が低下するためである。従っ
て、高繊度化しても強力を低下させないためには、繊維
同志の接着強度を向上させることが必要である。サクシ
ョンヒートボンド不織布に溶融繊維として使用される繊
維(バインダ繊維)は、熱風により溶融する低融点成分
と溶融しないで繊維の捲縮形態を維持するための高融点
成分の少なくとも2相(多くの場合、シース−コア(コ
アが高融点成分)、サイド−バイ−サイド型である)を
もたなければならない。このうち、不織布の強力を制御
するのは低融点成分である。そこで、この低融点成分と
して、熱溶融後のバインダ繊維同志の接着力が強く且つ
樹脂自体が軟らかいポリエチレン樹脂を選び、より接着
力をあげるために、分子量を高く設定した。その尺度と
して、メルトフローレート(MFR)を用い、MFRが可能な
限り低い(<10)ポリエチレン樹脂を選んだ。更に、バ
インダ繊維内の低融点成分の割合を可能な(熱溶融後の
繊維形態が維持できる)限り増やした(断面積比55%以
上)。このようなバインダ繊維を用いて、繊維ウェブを
構成し、サクションヒートボンド方式により不織布を製
造した結果、繊維間距離が60μ以上で、十分な不織布強
力をもつ不織布を得ることがわかった。
サクションヒートボンド方式による開孔方法は原理的
には、ウォータジェット方式と同じである。例えば、孔
径と開孔率に対応する孔空きプレート上に繊維ウェブを
載せ、まず繊維の融点よりやや低い熱風を通過させ、繊
維のよりわけと熱セットにより孔を形成する。その直後
に繊維の融点より高い温度の熱風を通過させて、繊維同
志の接着と孔形状の安定化を同時に行う。このようにす
れば、下記に記すような風合いの良い孔を形成すること
ができる。
(a) 孔周辺部で繊維形態全体が溶融することはない
(繊維同志の接触点近傍の樹脂だけが溶融接着するだけ
である)。
(b) 非孔部分領域全体がほぼ均一の繊維間接着点密
度である(孔周辺が圧縮されることはない)。
さて、本発明者らは、不織布の強力Fと非孔部分の繊
維間距離Δとのバランスを特定するために次の式(I)
で示すような式を採用した。
(式中、 F:不織布繊維配向に垂直な方向の強力(g) V:不織布の体積(cm3) N:不織布中の繊維本数 を示す。) 即ち、不織布の繊維配向に垂直な方向の強力Fと非孔
部分の繊維数密度の比N/Vの比fを高強力/高繊維間
距離不織布の尺度とするのである。(I)式は、f
大きくなるほど繊維間距離が大きく(繊維密度が小さ
く)且つ強力が大きいことを示す。
不織布は一般に製造ライン方向に繊維が配向するた
め、繊維配向方向に比べ繊維配向に垂直な方向の強力の
方が小さい。そこで不織布強力としてはより実際的な繊
維配向に垂直な方向の強力を採用した。
(I)式の導出法を以下に示す。
繊維iの繊度、不織布の坪量をそれぞれ、Di(デニー
ル)、w(g/m2)とすると、 w=W/S/10000, Di=900000aidi これらを式(III)に代入して、式変形を行うと、 となる。
本発明者らは、前述した高繊度強接着バインダ繊維を
用いて、強力、繊維間距離を変えてサクションヒートボ
ンド不織布を製造し、不織布の吸収性能、風合い、実用
強力、毛羽抜けとfとの関係を調べ、従来の吸収性物
品用不織布と比較したところ、fが大きいほど、高粘
性液体透過性が良好で、且つ、被覆性(適度な強度、毛
羽立たない)に優れることがわかった。具体的には、本
発明の目的を達成するには、fは少なくとも0.8g・cm
3以上を必要とする。更に安定した不織布強力と高度な
繊維間距離を維持するためには、好ましくは1.2g・cm3
以上あると良い。
本発明の不織布は製造法には限定されない。現時点の
技術レベルでは、サクションヒートボンド方式以外の方
法で、f≧0.8の不織布を製造することは困難である
が、将来の技術進歩により、絡合のみで、あるいはフィ
ラメント繊維のみで、f≧0.8を満たす不織布が製造
できれば、本発明に記したと同様の効果を発現する。
ここでは、特に、本発明の不織布をサクションヒート
ボンド方式で製造する場合の詳細を記す。不織布の繊維
組成の基本要件は、熱風により表面が溶融し且つ繊維全
体の捲縮構造が変化しにくく、かつ繊維同志の熱接着力
が強い樹脂からなる熱接着バインダ(熱可塑性)繊維を
含むことである。このような繊維の代表的なものとし
て、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
系、ポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66等のポリ
アミド系、ポリアクリロニトリル系等の樹脂から、相対
的に融点の高い樹脂と低い樹脂を組み合わせた、シース
−コア型、スキン−コア型(コアを高融点樹脂とす
る)、サイド−バイ−サイド型の複合繊維等を挙げるこ
とができる。この中で更に好ましいのは、樹脂同志の溶
融接着力が強く、樹脂自体が軟らかいポリエチレンを低
融点樹脂とする複合繊維である。最も好ましいのは、繊
維自体の捲縮弾性が大きく安定しているポリエチレン−
ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエステルの組み合
わせからなる複合繊維である。また、更に接着力を上げ
るには、低融点樹脂の繊維1本内の割合を大きくするこ
とであるが、あまり大きいと、熱処理後の繊維の捲縮形
態が不安定となるので、80%以下であることが望まし
い。また、低融点樹脂がポリエチレン系のバインダ繊維
ではポリエチレン樹脂の熱溶融時の流動性が小さい程接
着力が強く接着点の変形が小さい(風合いが良い)の
で、メルトフロー値が15以下、望ましくは10以下のポリ
エチレン樹脂を使用することが本発明の目的にとって望
ましい。更に、低融点樹脂/高融点樹脂が相溶性の高い
組み合わせではバインダ繊維同志の接着力は高いので、
例えば低融点樹脂としてポリエチレン樹脂を使用した場
合は、高融点樹脂としてポリプロピレンを用いたり、ポ
リエステルのような高弾性樹脂にポリエチレン系樹脂を
ブレンドした樹脂を用いることが有効である。
バインダ繊維と非バインダ繊維の混率は出来上がった
不織布がf≧0.8を満たしていれば、任意に設定でき
る。ただし、現時点では、高強力及び高度な毛羽抜け防
止性が要求される紙おむつ用途では、バインダ繊維の混
率は70%以上あると良いし、最も望ましくは100%ある
ことである。風合いがより重視される生理用ナプキン、
化粧綿用途では、バインダ繊維の混率は最低50%あれば
良い。不織布の層を、強力を付与する層と風合い/嵩高
の機能を付与する層に分けると目的とする吸収性物品に
効率的に機能を発現させることができる。具体的には、 生理用ナプキン用途/化粧面用途ではバインダ繊維
の混率を、強力を付与する層の70%以上にし、風合い/
嵩高を付与する層では非バインダ繊維の混率を40%以上
にすることが有効である。
紙おむつ用途では、強力を付与する層では風合いが
悪化しない程度の高繊度バインダ繊維を主体とし、風合
い/嵩高を付与する層では相対的に強力付与層よりも大
きな繊度の繊維を主体とすることが有効である。
不織布の毛羽抜けは、非バインダ繊維の混率が大きい
ほど多くなるので、これらの繊維の混率は不織布の各層
で50%以下であることが好ましい。ポリエチレン系のバ
インダ繊維とポリプロピレン繊維、非晶性ポリエステル
系バインダ繊維とポリエステル繊維とは相溶性が高いの
で、これらを混在させた不織布の層では、バインダ繊維
の混率は30%あれば毛羽抜け防止は達成できる。
不織布の繊維間距離を大きくするためには、繊維の捲
縮形態も重要である。上述のバインダ繊維あるいは非バ
インダ繊維に何らかのバイラテラル構造をもたせ立体捲
縮を付与したものは、スタフィングボックスなどにより
通常の機械捲縮だけが付与されたものに比べ、同重量の
ウェブを形成したときの繊維間空隙が大きく風合いが良
いという点でより好ましい。
繊維の太さは、60μ以上に規定されている平均繊維間
距離に比べ十分小さければ自由に選ぶことができ、その
目安として平均繊維間距離の15%以下であることが好ま
しい。ただし、不織布の強度及び風合いを考慮すると10
デニールは越えないことが望ましい。また、現時点の繊
維技術ではあまり細いと不織布全体の嵩を維持した不織
布を構成することが困難であり、前述のような繊維を使
用する場合は2デニール以上の繊度であることが好まし
い。
坪量は、fが0.8g・cm3以上あれば、どのように設
定しても良いが、吸収性物品に対する被覆性及び吸収性
物品を製造する際の工程性を考慮すると、5〜50gの間
に設定することが望ましい。
また、形成された不織布は適度な親水性が付与されて
いることが必要である。例えば、レーヨンのような表面
が親水性をもつ繊維の使用によって不織布に親水性が付
与されてよい。ただし吸収速度が大きく且つ不織布表面
のべたつき感や吸収層からの液戻りを抑えるには、表面
が親水性でかつ内部が疎水性であるような繊維の割合が
多いほど良く、最も望ましくは、このような繊維100%
で不織布が構成されることである。表面が親水性で、且
つ内部が疎水性であるような繊維は、例えば、ポリエチ
レンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリ
ル系繊維等の疎水性合成繊維の表面の、界面活性剤によ
る処理、親水基をもつモノマーあるいは親水基をもつポ
リマーなど親水基をもつ化学物質を化学結合させる化学
的表面改質、あるいは、プラズマ加工等による物理的表
面改質を施して、表面を親水性にして得ることができ
る。なお、化学的表面改質は、親水基をもつ化学物質が
繊維表面と結合していてもよいし、親水基をもつ化学物
質同志が結合して架橋し繊維表面を覆っていてもよい。
より直接的には、スキン部は親水性繊維でコア部は疎水
性繊維であるようなスキン−コア型複合繊維を使用して
もよい。また、上述の疎水性合成繊維の表面改質は、不
織布形成前に繊維状態で実施してもよいし、不織布形成
工程中で実施してもよい。これらの表面親水状態の中で
は、液の透過前は適度な親水性を設定でき液透過後には
液と共に脱落して疎水性表面が露出するか、親水性が低
下しその部分の吸収層からの液戻りの抑制効果に優れる
界面活性剤処理によるものが最も好ましい。
本発明の吸収性物品は、吸収層の下面及び側面を必要
であれば防漏層で覆い、その表面を上記の如き特定の条
件を満たす不織布で覆うことにより製造される。
本発明の吸収性物品に用いられる吸収層及び防漏層の
材料は特に限定されず、従来公知の吸収性物品に用いら
れているものが使用できる。
〔実施例〕
本発明の吸収性物品は生理用ナプキン、産褥用ナプキ
ン、紙おむつ、化粧綿等に使用できるが、ここでは量及
び粘度が他に比べはるかに大きい排泄液を対象とする紙
おむつを中心にして、以下、実施例及び比較例により、
本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜17及び比較例1〜9 表1及び2に示す種々の繊維、組成、製造方法を用い
て製造した不織布から下記方法により吸収性物品を作製
し、その性能を以下に示す方法により試験した 結果を表1及び表2に示す。
<不織布サンプル> 不織布サンプルを下記の方法で製造した。
(1)比較例1:市販の有孔ウォータニードリング不織布
にアルキルホスフェート系界面活性剤を処理して親水性
を付与した。
(2)比較例2〜4:市販の紙おむつから不織布を剥がし
て、それぞれ下記方法で孔を開けた。
比較例2,3:直径1.5mmの金属のピンを、不織布の構成
繊維よりも高い温度に熱し、不織布を貫通することで孔
を開けた。このとき、孔周辺の繊維は加熱したピンによ
り溶融している。
比較例4:直径1.5mmの金属のピンを、不織布の構成繊
維よりも20℃低い温度に加熱し不織布を貫通することで
孔を開けた。このとき、孔周辺が溶融しないように熱セ
ットし、孔が塞がらないようにした。
(3)実施例1〜17、比較例5〜9:サクションヒートボ
ンド方式により不織布を製造すると同時に孔を形成し
た。即ち、凹凸をもつ金属ネット上に繊維ウェブを載
せ、上から構成繊維の融点より低い温度の熱風を通過さ
せ凸部上のウェブを凹部に押し込み、凸部に対応する部
分が孔、凹部に対応する部分が非孔部分となるように繊
維を分布させ、次に構成繊維の融点よりも高い温度の熱
風をウェブ中に通過させ繊維同志を熱融着させ不織布と
する。
実施例1,2,3は、まず実施例3の不織布を製造し、厚
みをセット(異なるクリアランスのプレートの間に不織
布を挟みバインダ繊維の融点より低い(約50〜70℃)温
度で一定時間処理)することで、比較例5、実施例1,2,
3の平均繊維感距離を調整した。
表1及び2において、不織布製造法の略記号は、次の
意味をもつ。
WN:ウォータニードリング方式 SPB:スパンボンド方式 HRB:ヒートロール接着方式 CBB:ケミカルバインダ接着方式 SHB:サクションヒートボンド方式 <測定用サンプル> 上記に試作した不織布を用いて、市販の使い捨ておむ
つ(商品名メリーズ,花王(株)製)及び市販の生理用
ナプキン(商品名ロリエ,花王(株)製)の不織布を取
り除き、代わりにこれらの不織布を載せた物をそれぞれ
使い捨て紙おむつ及び生理用ナプキンを想定した吸収性
物品として用いた。
<試験方法> (1) 厚み: 50mm×50mmの加圧プレートを不織布にのせ、2.5g/cm2
圧下での不織布の厚みをダイヤルゲージ式厚み計(PEAC
OCK製)で測定する。
(2) 不織布強力: 繊維配向に垂直な方向に幅50mmのサンプルを切り出
す。引張試験機によりチャック間距離100mmで繊維配向
に垂直な方向に引っ張った時の破断強力を測定する。
(3) 表面液流れ: 紙おむつ想定:45度に傾斜したサンプル表面上に、
上方1cmより、試験液3gを1g/秒で排出する。不織布表面
を試験液が流れた長さを測定する。試験液として、次の
3種類を使用した。
A…粘度1c.p.の低粘性液体、尿を想定した。
B…小麦粉を水に分散させてつくった粘度250c.p.の人
工軟便 C…小麦粉を水に分散させてつくった粘度10c.p.の人工
下痢便 生理用ナプキン想定:45度に傾斜したサンプル表面
上に、上方1cmより、試験液を10g/分で滴下させ滴下点
からサンプル内部に吸収された点までの不織布表面上を
流れた距離を測定した。試験液として次の3種類を使用
した。
A…粘度10c.p.の低粘性液体。低粘性経血を想定した。
B…試験液AをCMCで増粘させた粘度350c.p.の高粘性液
体。悪露を想定した。
表面液流れはいずれも、短い方が排泄液の流動を抑
え、横漏れに対する防漏力の高いことを示す。
(4) 戻り量: 紙おむつ想定:試験液A150gをサンプルに注入し、
一定時間後に加圧させ、内部より不織布を通って戻って
くる試験液量を測定した。
生理用ナプキン想定:試験液A10gをサンプルに注入
し、一定時間後に加圧させ、内部より不織布を通って戻
ってくる試験液量を測定した。
この戻り量が小さいほど、表面でのべとつきが少な
く、使用感がよく、ふき取り効果に優れる。
(5) 毛羽抜け: スポンジを巻いた荷重(15g/cm2)で不織布表面を摩
擦した時に不織布より抜けてスポンジに付着した繊維の
量の程度を評価した。
評価基準は、 3級…繊維がほとんど認められない 2級…繊維抜けが目立つが、繊維玉はない 1級…繊維抜けが著しく、繊維玉が多い (6) 肌ざわり: 不織布表面の柔らかさと肌触りについて官能評価し
た。
3級…柔らかい、肌ざわりが良い。
2級…やや硬く、ざらつき感があるが、使用は可能。
1級…硬く、ざらざらして、肌ざわりが悪く使用できな
い。
(7) 平均繊維間距離及びf: F,L,w,αi,Di,liを測定して、既に導いた式により計
算する。
スパンボンド不織布は繊維長がほぼ無限大であるが、
不織布の構成を考慮して、繊維長5.1cmの繊維が連結し
ていると考え、li=5.1として計算した。
(8) 孔周辺厚み率: 孔を含む不織布断面を顕微鏡で観察し、非孔部分の最
大厚みL1と孔周囲の最小厚みL2とを計測し、次式により
計算する。
孔周辺の厚み率=100×L2/L1 (9) 開孔率/孔径: 画像解析装置を用いて計測した。
機種名:Image Command 4198 メーカー:日本アビオニクス社 開孔率の計測:黒色台紙の濃淡領域を測定してお
く。黒色台紙上にサンプル不織布を置いた時、黒色台紙
の濃淡領域を示す画素部分が孔に対応する。孔の部分に
対応する濃淡領域の画素数Xと不織布サンプルの画像処
理部分全体の画素数Aとから、開孔率Pを次の式で計算
した。
P=100×X/A(%) 孔径の計測:孔の部分に対応する濃淡領域とそれ以
外の濃淡領域とに濃淡度を2値化する画像処理を行う
と、孔が島状に分布する画像が見られる。島(孔)の数
Nを計測し、下記の計算により平均開孔面積aを導く。
a=c・X/N (cは既知の孔面積/既知の孔面積内の画素数) <結 果> 表1及び表2から明らかなように、比較例1,2,3,4に
示すような従来の不織布は、不織布強力が大きくても、
平均繊維間距離が小さく、結果として、fが小さい。
そのため、低粘性液(試験液A)の吸収性は良好である
が、高粘性液体(試験液B,C)の透過性に対して、孔の
効果を十分生かしていない。開孔方法によっては孔の周
囲の繊維が溶融したり(比較例2,3)、孔周辺が硬くセ
ットされ(比較例4)、孔周辺の厚みが低下し、肌ざわ
りが著しく低下する。
実施例1〜4に示すように、平均繊維間距離が60μ以
上及びfが0.8g・cm3以上であれば、不織布強力及び
平均繊維間距離が同時に大きい状態となる。この条件を
満たすとき、非孔部分で高粘性液体が目詰まりせず孔の
効果が十分発揮される。
比較例5,6,8のように、孔面積が1.5mm2未満であった
り、開孔率が5%未満しかないものは高粘性液体の透過
性に対して孔の効果が発現されない。逆に、比較例7,9
のように孔面積が大きすぎたり、開孔率が大きすぎる
と、吸収体が直に皮膚に接触してべとついたり風合いが
悪かったり、また、吸収体の毛羽が抜けてきたり、強力
が低下するという問題を生じる。
実施例1〜17に示すように、本発明で規定した前記
(1)〜(6)に示す条件を全て満たす不織布は、強力
・繊維間距離が適正で孔の効果を有効に発揮し、更に風
合い、さらっと感等のバランスのとれた吸収性物品を構
成できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)〜(6)に示す条件を全て満た
    す不織布を表面材として用いてなることを特徴とする吸
    収性物品。 (1) 少なくとも排泄液透過部分に多数の孔を有す
    る。 (2) 非孔部分の平均繊維間距離が60μ以上である。 (3) 下記式(I)で示される不織布強力と繊維数密
    度との比fが0.8g・cm3以上である。 (式中、 F:不織布繊維配向に垂直な方向の強力(g) V:不織布の体積(cm3) N:不織布中の繊維本数 を示す。) (4) 孔面積が平均1.5〜20mm2/個である。 (5) 開孔率が5〜50%である。 (6) 非孔部分の接着点密度がほぼ一様である。
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