JP6960231B2 - 親水性不織布 - Google Patents

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本発明は、優れた濡れ戻り性と繰返し透水性を有し、衛生材料用途に好適に使用できる親水性不織布に関する。
近年、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの普及はめざましく、要求される品質や性能は向上してきている。例えば、使い捨ておむつでは1回の着用で必ずしも1回の排泄物が処理されるとは限られず、数回の排泄に対する不快感の回避が必要とされ、排泄物、汗、体液などを吸収体に素速く移行させる液透過性(初期透水性)のほかに、近年は特に濡れ戻りの少ないこと(濡れ戻り性)、透水性能の耐久性(繰返し透水性)が強く要求される。
このような問題を解決するために、例えば、以下の特許文献1には、特定のポリエーテルとポリエーテル変性シリコーンとを含有する親水性処理剤を付与してなるポリオレフィン系不織布が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載のポリオレフィン系不織布では、初期透水は良好なものの、濡れ戻り性と繰返し透水性は不十分である。
特開平10−53955号公報
前記した従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、濡れ戻り性と繰返し透水性の双方が優れた性能を持つ親水性不織布を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、疎水性繊維に親和性があり、繰返し透水性と濡れ戻り性に優れた特定成分(A)と初期透水性が非常に優れた特定成分(B)とを特定比組み合わせ、特定量適用することによって、繰返し透水性と濡れ戻り性に優れた親水性不織布が得られることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]下記一般式(1):
COO[(AO)(AO)]H (1)
{式中、Rは、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、AOは、炭素数2のオキシエチレン基であり、AOは、炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、xは、1〜20の整数であり、yは、10〜60の整数であり、そしてAO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加又はランダム付加のいずれであってもよい。}で表される成分(A)、並びに下記一般式(2):
Figure 0006960231
{式中、Rは、炭素数6〜10のアルキル基であり、AOは、炭素数2のオキシエチレン基であり、zは、1〜10の整数であり、aは、1又は2であり、そしてMは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムである。}で表される成分(B)を含有し、該成分(A)と成分(B)との重量比((A)/(B))が、90/10〜40/60であることを特徴とする親水性不織布。
]前記成分(A)と成分(B)の合計の純分付着濃度が0.1〜1.50重量%である、前記[1]に記載の親水性不織布。
]前記不織布を構成する繊維が熱可塑性繊維である、前記[1]又は[2]に記載の親水性不織布。
]前記不織布を構成する繊維が長繊維である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性不織布。
]目付が40g/m以下である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性不織布。
]前記不織布を構成する繊維の平均繊維径が8〜40μmである、前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性不織布。
]前記親水性不織布の用途が、使い捨てオムツ、生理用ナプキン又は失禁パットを含む衛生材料である、前記[1]〜[]のいずれかに記載の親水性不織布。
本発明の親水性不織布は優れた透水性を有するため、衛生材料、例えば生理用ナプキン、失禁パット、使い捨ておむつ等のトップシート又はセカンドシートとして好適に使用することができ、さらには、例えば、マスク、カイロ、テープ基材、貼布薬基材、緊急絆創膏、包装材、ワイプ製品、医療用ガウン、包帯、衣料、スキンケア用シートなどにも使用することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
親水剤としての成分(A)は、下記一般式(1):
COO[(AO)(AO)]H (1)
{式中、Rは、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、AOは、炭素数2のオキシエチレン基であり、AOは、炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、xは、1〜20の整数であり、yは、10〜60の整数であり、そしてAO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加又はランダム付加のいずれであってもよい。}で表される。成分(A)は、耐久透水性と濡れ戻り性を発揮する点で重要な成分である。Rは、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、デセニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、トリデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、へプタデシル基、へプタデセニル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、ノナデセニル基、イコシル基、ヘンイコシル基等が挙げられる。
アルキル基又はアルケニル基の炭素数が7未満の場合、繊維との親和性がなくなり耐久透水性と液戻り性が低下する。他方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が21を超える場合、透水性自体が不十分となり耐久性も得られない。
Oは、炭素数2のオキシエチレン基であり、そしてAOは、炭素数3〜4のオキシアルキレン基である。xは、1〜20の整数、好ましくは2〜18であり、付加モル数が20を超えると透水性は上がるが耐久透水性と濡れ戻り性が低下する。他方、付加モル数が1未満であると透水性自体が十分に得られなくなる。yは、10〜60の整数、好ましくは15〜50であり、付加モル数が10未満であると耐久透水性が得られず、他方、60を超えると疎水性が強くなり過ぎて透水性が十分に得られなくなる。AO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加、又はランダム付加のいずれであってもよい。また、成分(A)は1種又は2種以上から構成されていてもよい。
成分(A)の具体例としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンモノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノベヘニン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノイソステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノオレインエステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル等が好ましい。
親水剤としての成分(B)は、下記一般式(2):
Figure 0006960231
{式中、Rは、炭素数6〜10のアルキル基であり、AOは、炭素数2のオキシエチレン基であり、zは、1〜10の整数であり、aは、1又は2であり、そしてMは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムである。}で表される。成分(B)は、初期透水性を発揮させる点で重要な成分である。Rは、炭素数6〜10のアルキル基であり、分布があってもよく、直鎖又は分岐のどちらでもよいが分岐を有した方が初期透水性を向上させる。Rとしては、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数が6未満の場合、安定した初期透水性が発揮出来なくなる。他方、アルキル基の炭素数が10を超える場合、疎水性が強くなってしまい初期透水性が著しく低下する。
Oは、炭素数2のオキシエチレン基であり、zは1〜10の整数である。zは1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。オキシエチレン基が1未満の場合、初期透水性が不十分となる。他方、オキシエチレン基が10を超える場合、成分(A)の耐久透水性の低下を引き起こす。aは1又は2、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムである。また、成分(B)は1種又は2種以上から構成されていてもよい。
成分(B)の具体例としては、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンオクチルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンノニルエーテル燐酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンデシルエーテル燐酸エステル又はその塩等が挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンオクチルエーテル燐酸エステル又はその塩と、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル燐酸エステル又はその塩等が好ましい。
本実施形態においては、耐久透水性と濡れ戻り性に優れた成分(A)と初期透水性に優れた成分(B)との重量比((A)/(B))を90/10〜40/60とすることが好ましく、より好ましくは85/15〜50/50である。成分(A)の重量割合が90を超え、成分(B)の重量割合が10未満になる場合、初期透水性が不十分となる。他方、成分(A)の重量割合が40未満となり、成分(B)の重量割合が60を超える場合、初期透水性は若干向上するが耐久透水性と濡れ戻り性は著しく低下する。
また、初期透水性、耐久透水性及び濡れ戻り性について優れた性能を発揮させるためには、親水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合は、70〜100重量%であることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。親水剤には必要に応じて、浸透剤、乳化剤、帯電防止剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤等の他の成分を含有させてもよいが、親水剤の不揮発分全体に占める成分(A)と成分(B)の合計の重量割合が70重量%未満となると、初期透水性、耐久透水性及び濡れ戻り性のいずれか又は全ての性能を十分に発揮できなくなる場合がある。
本実施形態においては、親水剤の製造方法は特に限定されず公知の方法を採用することができる。成分(A)のポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルは、例えば、脂肪酸に通常の条件でアルキレンオキサイドを付加することによって製造することができる。その場合、ポリオキシアルキレンジ脂肪酸エステル(成分(C))が副生するが、その含有量は少ない方が好ましい。具体的には、成分(A)と成分(C)との重量比((A)/(C))は、50/50〜100/0であることが好ましく、60/40〜100/0であればより好ましい。
成分(B)のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステルについても通常の条件で脂肪族アルコールにエチレンオキサイドを付加させた後、通常の条件でリン酸化することによって製造することができる。その後、中和剤で中和を行えば燐酸エステル塩を得ることができる。
成分(A)と成分(B)の混合については、容器に両成分を仕込んだ後、40〜60℃の温度で均一に混合する。親水剤は、は親水剤自体の外観安定性や水等への希釈時の溶解性の向上させるために、水及び/又は溶剤を含有してもよい。
親水剤の付着量(純分付着濃度)は、目的とする用途によって異なるが、例えば、衛生材料用としては、通常、不織布に対して0.10重量%〜1.50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.15重量%〜1.20重量%である。0.10重量%未満では満足する透水性能は得られにくく、他方、1.50重量%を超えると濡れ戻りが多く、着用者に湿った感触を与え、肌へのかぶれやしっしんが発生しやすくなる。
繊維加工剤を不織布に付与するに際しては、親水剤原液を直接付与することや原料に練り込むことも有効であるが、紡糸性の点から、予め親水剤同士を混合し水等の溶媒で希釈し繊維加工剤水溶液として付与するのが好ましい。
不織布への親水剤の付与方法としては、浸漬法、噴霧法、コーティング法等の既知の方法が採用でき、親水剤付与後、熱風、熱ロールなどの乾燥手段を用いて乾燥してもよい。また繊維加工剤付与前にコロナ放電処理、常圧プラズマ放電処理などの処理も必要に応じて採用してもよい。
設備の高速化に伴う乾燥工程での乾燥不足などを発生させないために、親水剤の塗布量は少ない方が好ましい。親水剤原液又は水等で希釈した水溶液の不織布に対する塗布量(重量%)は、前記付与方法のいずれにおいても1.0重量%〜300重量%が好ましく、より好ましくは1.0%重量%〜200重量%、3.0重量%〜65重量%であり、更に好ましくは5.0重量%〜60重量%である。1.0重量%未満では均一な塗布は得られず、他方、300重量%を超えると、塗工する親水剤の濃度が薄くなり、浸透し難くなることから均一な塗布ができない、また、乾燥に必要な能力が大きくなるため、設備コストが増大し、乾燥不足を生じかねない。
親水剤の付与方式としてはコーティングによる方法が一般的である。公知のコーティング法として、キスコーター、ダイ等が挙げられるが、親水剤を不織布幅方向に均一に付与できることからグラビアによる付与方式を使用することが好ましい。グラビアロールの柄は、格子型やピラミッド型でもよいが、グラビアのセル底に親水剤が残りにくい斜線型が好ましい。セル容積は、5cm/m〜40cm/mが好ましい。5cm/m未満では、塗布量が少なすぎるため、親水剤の均一な塗布が困難となる。他方、40cm/mを超えると、塗布量が多くなりすぎるため乾燥工程での乾燥不足やマイグレーションによる親水剤の付着斑が生じるなどの問題が発生する。前記グラビアロールのセルの深さは、10μm〜80μmが好ましく、その間隔は、80メッシュ〜250メッシュの範囲内で、上記セル容積となるように設計するのが好ましい。
グラビアロール表面の液をかき取るための方式は、一般的な焼入鋼板製のドクターを用いるドクターブレード方式や表面がゴム製のロールを用いるゴムロール方式であってもよい。ドクターブレード方式の場合の抑え圧としては0.5kg/cm〜1.0kg/cmが好ましく、0.6kg/cm〜0.8kg/cmがより好ましい。ゴムロール方式の場合、ゴム硬度60°以上80°以下の範囲内において、抑え圧は1.0kg/cm以上5.0kg/cm以下が好ましく、1.5kg/cm以上3.5kg/cm以下が好ましい。いずれの方式でも、抑え圧が前記範囲内であると、不織布幅方向に均一に抑えられるため、親水剤の塗布量のばらつきが少ない。
また、設備の高速化に対応でき、効率良く塗布できること、且つ不織布の厚みを維持しやすいことから噴霧法での付与方式も好ましい。噴霧法としては、一般的に公知であるエア圧縮による吹付け法や、繊維加工剤水溶液を直接圧縮して噴霧する方法でもよいが、不織布に均一に塗布できる観点から、ローターダンプニング方式が特に好ましい。塗布時の親水剤の飛散防止策を施すことで設備の高速時でも塗布が可能である。ローターダンプニング方式とは、回転しているローター上に親水剤を供給し、ローター回転の遠心力を用いて親水剤を噴霧する方法である。ローターダンプニング方式では、塗布する方向にローター回転によって飛ばされる親水剤の液粒子を塗布する不織布側にのみ噴霧できるように、且つ不織布の幅方向に均一に塗布できるように開口部が限定され、ローター回転数により親水剤を調整することが可能である。
前記ローターダンプニング方式の場合、例えば、ローターの直径は40mm〜100mmのものを選定し、塗布する不織布の幅方向に親水剤が均一に付着できるように、塗布する不織布面とローターの中心との距離を設定する。隣のローターから噴霧される塗布分布範囲の2分の1が重なるように設定されることが望ましい。また、ローターは幅方向に60mm〜220mmの範囲において等間隔で配置させ、2段にすることが望ましい。
均一に塗布するポイントは、塗布する不織布の内部にまで噴霧粒子を行き届かせることであり、その噴霧粒子径は10μm〜200μmが好ましく、30μm〜70μmがさらに好ましい。最適な噴霧粒子径を形成するには親水剤の表面張力が重要となり、噴霧粒子径は次式:
噴霧粒子径(μm)={100000×√(表面張力(N/m))}/(ローター直径(mm)×ローター回転数(rpm))
により算出される。
親水剤は経時的に分離し沈殿物が固化するため、使用前に剤の温度が30℃〜40℃以上となる様に加温し、均一になる様に撹拌してから希釈することが望ましい。希釈した親水剤の塗工時の温度は、5℃〜50℃が好ましく、溶液の均一分散、安定性の観点から、12℃〜40℃がより好ましい。親水剤の粘度は、0.5mPa・s〜50mPa・sであることが好ましく、より均一に塗布しやすい観点から、0.8mPa・s〜20mPa・sがより好ましい。粘度が50mPa・sを超えると、親水剤の不織布への浸透性が劣り、均一な塗布が困難となる傾向がある。
親水剤の塗布後の乾燥には、一般的な乾燥方式を用いることができ、特に限定されるものではなく、対流伝熱、伝導伝熱、放射伝熱等を利用した既知の方法が採用でき、熱風循環型、熱風貫通型、赤外線ヒーター型、不織布の両面に熱風を吹き付ける方法、加熱気体中に導入する方法等、各種の乾燥方法を用いることができる。
本実施形態の不織布を構成する繊維は、好ましくは熱可塑性繊維であり、スパンボンド法により製造された長繊維不織布であっても、カード法、湿式抄造法などで製造された短繊維不織布であってもよい。しかしながら、強度、生産性の観点、不織布表面構造に特徴を持たせ、肌への刺激低減などの観点から、ウェブを構成する繊維としては、スパンボンド法により製造された長繊維が好ましい。本願明細書中、長繊維とは、繊維長が55mm以上のものという。また、熱可塑性繊維の形態は、一般的な丸形のみでなく断面が扁平やY型などの異型断面繊維、中空糸や捲縮糸などの特殊な形態のものを用いることができ、特に限定されるものではない。
ウェブは1層単体でもよいが、スパンボンド法(S)により形成されたウェブの上に、メルトブロウン法(M)により溶融紡糸されるウェブを吹付けて積層してもよい。積層の状態は生産性の観点からSS、SSS、SSSSと積層したり、SM、SMS、SMMS、SMSMSのように積層したりしても良い。また各層毎に異なる繊維径や形態に形成してもよい。
これらのウェブの接合には、接着剤を用いて接合する、低融点繊維や複合繊維により接着する、又はホットメルトバインダーをウェブ形成中に散布して溶融接合する、さらにニードルパンチ、水流等で交絡する等の機械交絡などの方法が可能である。しかしながら、嵩高な不織布を得られること、風合い維持の点からは熱風による接合などの方法が好ましい。また、高速生産性の点からは、部分熱圧着により接合するのが好ましい。例えば、ピンポイント状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状などの接合点を付与できる加熱したエンボス/フラットロール間にウェブを通して接合することができる。部分熱圧着における熱圧着面積率は、強度保持及び柔軟性の点から、5〜40%が好ましく、より好ましくは5〜25%である。
熱可塑性繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、及び、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性樹脂が挙げられ、特に限定はされない。不織布の風合いの観点と、使用される用途の多くが使い捨て材料であり、汎用、回収の利便性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、繊維は1種類でも、サイドバイサイドや鞘芯など、2種類以上の樹脂を組み合わせたものでもよく、特に限定はされない。
不織布の繊維の平均繊維径は8.0〜40.0μmであることが好ましく、より好ましくは9.0〜33.5μm、更に好ましくは11.0μm〜26.5である。紡糸安定性の観点から、平均繊維径は8μm以上であることが好ましく、衛生材料に使用される不織布の風合いの観点から、40μm以下であることが好ましい。
不織布の目付は8g/m〜80g/mが好ましく、より好ましくは10g/m〜40g/m以下、更に好ましくは10g/m〜30g/mである。目付が8g/m以上であれば、衛生材料に使用される不織布としては強力を満足し、80g/m以下であれば、衛生材料に使用される不織布の風合いを満足し、外観的に厚ぼったい印象を与えにくい傾向がある。
本実施形態の親水性不織布は、尿や体液などをよどみなく吸収するために、下記のような特性を有することが好ましい。
本実施形態の不織布の透水性の指標となる繰り返し透水性は、4回目70%以上であることが好ましい。排尿毎におむつを交換することはないため、トップシートやセカンドシートなどに使用される不織布には2回目、3回目と繰返しの排尿に対しても、澱みなく尿等の体液を通水する必要がある。4回目の繰返し透水性の値が70%未満では、例えば、使い捨ておむつのトップシートやセカンドシートなどに用いた場合、2回目以降の尿に対し十分に通水出来ないことから尿漏れの原因となる可能性がある。
本実施形態の不織布の透水性の指標となる濡れ戻り性は、0.5g以下であることが好ましい。濡れ戻り性の値が0.5gを超えると、例えば、使い捨ておむつの表面材に用いた場合、排尿後、肌に表面材が触れたとき非常に湿った感触があり使用感が悪くなる他、かぶれを引き起こす原因となる可能性がある。濡れ戻り性は低いほど良いが、0.01g以下の値は測定下限値である。
本実施形態の不織布の透水性の指標となる45度傾斜流長は、30mm以下が好ましく、より好ましくは25mm以下である。45度傾斜流長が30mmを超えると、例えば、使い捨ておむつなどの表面材に用いた場合、表面の液流れが多くなり、尿漏れを起こしやすくなる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。尚、下記のとおりの各特性の評価方法を使用した。得られた物性を以下の表1と表2に示す。以下、不織布製造における流れ方向をMD方向、その方向と直角方向で幅方向をCD方向という。
1.平均繊維径(μm)
不織布のCD方向に5等分して1cm角の試験片を採取し、キーエンス社製マイクロスコープVHX−700Fで繊維の直径を各20点ずつ測定し、その平均値を求めた。
2.不織布の目付(g/m
JIS−L1906に準じ、MD方向20cm×CD方向5cmの試験片を不織布のCD方向に採取位置が均等になるように5枚採取して質量を測定し、その平均値を単位面積あたりの重量に換算して目付(g/m)として求めた。
3.親水剤付着量(重量%)
親水剤付与加工1時間分の親水剤水溶液の消費量から下記式:
親水剤付着量(重量%)=親水剤消費量(g)/{不織布目付(g/m)×幅(m)×加工速度(m/min)×60(min)}×100
により算出した値を、の親水剤付着量(重量%)とした。
4.濡れ戻り指数(g)
吸収体として吸収体の特性を一定化しておくため、特定濾紙(Ahlstrоm社製 GRADE:989)3枚の上に試験布を置く。さらにその上に10cm角で中央に直径25mmの穴を開けた板(約800g)を置き、中央穴の上部25mm高さより、生理食塩水(吸収体重量の4.0倍の液量)を滴下し、吸収させる。次に、試験布の上の板を取り除き、3.5kgの錘(10cm角)をしずかに載せて3分間かけ、吸収体中の液の分布を一定化する。次いで、3.5kgの錘を一旦取り除き、試験布の上に予め秤量した測定用濾紙(HOLLINGSWORTH&VOSE.CONPANY製 ERTMWWSSHEETS 12.5cm角)2枚を速やかに置き、再度3.5kgの錘を静かに載せる。2分後にその測定濾紙の重量増加を秤量する。その増加分の値(g)を濡れ戻り指数とした。
5.繰返し透水性(%)
吸収体としてトイレットペーパー(イトマン株式会社製ハードシングル1R55m)を10枚重ねて、その上に試験布(20cm×30cm)を置く。さらにその上に直径1.5cmの穴を等間隔に10ヶ所開けたステンレス製の板を置き、それぞれの穴に位置する布の上方10mmの高さから生理食塩水0.05gを滴下し、3分経過後、再度同様に滴下する。4回目の滴下後、10秒以内に吸収される穴の数(a)を数える。これを同じ試料の40ヶ所について試験し{((a)/(穴10ヶ所×試料40ヶ所)×100)}を4回目繰返し透水性(%)とした。また、継続して5回目の滴下後も4回目と同様に10秒以内に吸収される穴の数(b)を数え、{((b)/(穴10ヶ所×試料40ヶ所)×100)}を5回目繰返し透水(%)とした。
6.45度傾斜流長(mm)
45度に傾斜した板上に吸収体としてトイレットペーパー(イトマン株式会社製ハードシングル1R55m)を10枚重ねて、その上に試験布(20cm角)を置いてセットし、布の上方10mmの高さから0.05gの生理食塩水を滴下した。滴下位置から吸収終了までの生理食塩水が流れ落ちた距離を読み取った。この測定を試験布内で任意に20点行い、その平均値を45度傾斜流長(mm)とした。
<不織布の製造(1)>
メルトフローレート(MFR)が55g/10分(JIS−K7210に準じ、温度230℃、荷重2.16kgで測定)のポリプロピレン(PP)樹脂を吐出量0.88g/分・hоleとなる様にスパンボンド法で、紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径17μmの長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られた長繊維ウェブを上下温度135℃、圧力60kg/cmでのフラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm、圧着面積率6.3%)の間に通して繊維同士を部分圧着して、目的とする目付が18g/mとなる様にライン速度を調整し、長繊維不織布を得た。
<不織布の製造(2)>
エチレン成分含有量が4.3モル%、MFRが24のエチレン・プロピレンランダム共重合体樹脂(r−PP)を吐出量0.84g/分・hоleとなる様にスパンボンド法で、紡糸温度230℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押出し、平均繊維径17μmの長繊維ウェブを作製した。次いで、得られた長繊維ウェブを不織布の製造(1)で使用したものと同じフラットロール/エンボスロールを用いて上下温度135℃、圧力60kg/cmの条件で、繊維同士を部分圧着して、目的とする目付が18g/mとなる様にライン速度を調整し、長繊維不織布(2)を得た。
<不織布の製造(3)>
MFRが55g/10分(JIS−K7210に準じ、温度230℃、荷重2.16kgで測定)のポリプロピレン(PP)樹脂を第1成分とし、MIが26g/10分(JIS−K7210に準じ、温度190℃、荷重2.16kgで測定)の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂を第2成分とし、第1成分の吐出量が0.4g/分・hоle、第2成分の吐出量が0.4g/分・hоleで全吐出量が0.8g/分・hоleであり、第1成分と第2成分の比が1/1となる繊維をスパンボンド法により紡糸温度220℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して、移動捕集面に向けて押出し平均繊維径18μの偏芯鞘芯型複合長繊維ウェブを調製した。
次いで、得られた偏芯鞘芯型複合長繊維不織ウェブを100℃のフラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径1.00mm円形、千鳥配列、横ピッチ4.4mm、縦ピッチ4.4mm、圧着面積率7.9%)の間に通して繊維同士を仮接着し、次いで、熱風温度140℃、熱風風速1.0m/sの熱風により繊維同士を接着し、目付18g/m、捲縮数17個/インチの複合長繊維不織布(5)を得た。
<成分(A):ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルの合成>
・成分(A1)の合成
5Lオートクレーブにステアリン酸284g(1モル)と水酸化カリウム6.7gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換する。200rpmの撹拌速度で150℃まで昇温し、エチレンオキサイド440g(10モル)を同温度で徐々に圧入し付加させる。同温度で1時間熟成し120℃まで冷却後、同温度でプロピレンオキサイド2610g(45モル)を圧入し付加させる。同温度で3時間熟成し60℃まで冷却後、氷酢酸7.2gを仕込み中和した。
・成分(A2)〜(A11)
成分(A1)と同様の合成方法にて成分(A2)〜(A8)を合成した。
・成分(A9):ポリオキシエチレン(30モル)ヒマシ油の入手
東邦化学工業株式会社製「A−30」を使用した。
・成分(A10):「ポリオキシエチレン(40モル)ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル」の合成
5Lオートクレーブにペンタエリスリトール136g(1モル)と水酸化カリウム3.8gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換する。200rpmの撹拌速度で150℃まで昇温し、エチレンオキサイド1760g(40モル)を同温度で徐々に圧入し付加させる。同温度で1時間熟成後、60℃まで冷却し反応物を得る。次に反応物1896g(1モル)、ステアリン酸1136g(4モル)、水酸化カリウム11.4gを水分受器の付した5Lフラスコに仕込み、200rpmの撹拌速度で220℃まで昇温し、同温度で約8時間エステル化反応を行う。反応終了後、60℃まで冷却し、氷酢酸16.3gを仕込み中和した。
・成分(A11):「ポリオキシエチレン(10モル)ヘキサデシルアルコール」の合成
5Lオートクレーブに1−ヘキサデカノール968g(4モル)と水酸化カリウム5.5gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換する。200rpmの撹拌速度で150℃まで昇温し、エチレンオキサイド1760g(40モル)を同温度で徐々に圧入し付加させる。同温度で1時間熟成し60℃まで冷却後、氷酢酸5.9gを仕込み中和した。
以下に名称を列記する成分(A1)〜成分(A6)は式(1)で表されるが、成分(A7)、及び成分(A9)〜成分(A11)は式(1)で表すことができず、また、成分(A8)は式(1)中のyが8である点で式(1)の範囲外である。
成分(A1):ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(45モル)モノステアリン酸エステル
成分(A2):ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシブチレンモノオレイン酸エステル
成分(A3):ポリオキシプロピレン(36モル)ポリオキシエチレン(4モル)モノステアリン酸エステル
成分(A4):ポリオキシエチレン(8モル)ポリオキシプロピレン(40モル)モノベヘニン酸エステル
成分(A5):ポリオキシプロピレン(42モル)ポリオキシエチレン(6モル)モノイソステアリン酸エステル
成分(A6):ポリオキシプロピレン(50モル)ポリオキシエチレン(5モル)モノラウリン酸エステル
成分(A7):ポリオキシエチレン(10モル)モノステアリン酸エステル
成分(A8):ポリオキシエチレン(15モル)ポリオキシプロピレン(8モル)モノステアリン酸エステル
成分(A9):ポリオキシエチレン(30モル)ヒマシ油
成分(A10):ポリオキシエチレン(40モル)ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル
成分(A11):ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテルリン酸エステルナトリウム塩
<成分(B):ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル又はその塩>
・成分(B1)の合成
1Lオートクレーブに2−エチルヘキサノール390g(3モル)と水酸化カリウム0.7gを仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換する。200rpmの撹拌速度で150℃まで昇温し、エチレンオキサイド264g(6モル)を同温度で徐々に圧入し付加させる。同温度で1時間熟成し60℃まで冷却後、89%燐酸0.2gで中和し反応物を得た。次に、反応物654g(3モル)を1Lフラスコに仕込み、撹拌しながら徐々に無水燐酸を142g(1モル)投入し、60℃を保持したまま3時間反応させる。その後、イオン交換水3gを仕込み60℃で30分間撹拌する。次に水酸化カリウム160gを発熱に注意しながら仕込み、燐酸エステル塩を得た。
・成分(B2)〜(B6)
成分(B1)と同様の合成方法にて成分(B2)〜(B6)を合成した。
・成分(B7):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの入手
花王株式会社製「ネオペレックスG−65」(65%品)を使用した。
以下に名称を列記する成分(B1)〜成分(B4)は式(2)で表されるが、成分(B6)及び成分(B7)は式(2)で表すことができず、また、成分(B5)は式(2)中のRが炭素数11のアルキル基である点で式(2)の範囲外である。
成分(B1):ポリオキシエチレン(2モル)2-エチルヘキシルエーテルリン酸エステルカリウム塩
成分(B2):ポリオキシエチレン(3モル)オクチルエーテルリン酸エステル
成分(B3):ポリオキシエチレン(1モル)2-エチルヘキシルエーテルリン酸エステルナトリウム塩
成分(B4):ポリオキシエチレン(5モル)デシルエーテルリン酸エステルカリウム塩
成分(B5):ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテルリン酸エステルナトリウム塩
成分(B6):ステアリルアルコールリン酸エステルカリウム塩
成分(B7):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
成分(A1)〜(A11)と成分(B1)〜(B7)を、表1に記載の比率(重量%)にて50℃で均一になるまで混合後、各々の親水剤とした。
[実施例1]
不織布(1)に、成分(A1):62%と成分(B1):38%を混合した0.25重量%の親水剤水溶液を、液温20℃に調整した後、容器に入れ、親水剤が入った浴を作製した。その浴中に不織布(1)を投入し、浸漬させた後、塗布量が200重量%となるようにマングル圧を調整して不要な親水剤を除き、不織布に塗布した。塗布後は120℃に設定した乾燥機中に置き、3分間乾燥させ、透水不織布を得た。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
不織布(1)に、成分(A2):55%と成分(B2):45%を混合した1.67重量%の親水剤を、液温20℃に調整し、塗布量が30重量%となるように、斜線柄120メッシュ、セル容積22cm/mのグラビアロールを用いて塗布し、次いで、120℃のシリンダードライヤーに通して乾燥させ巻き取った。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
不織布(3)に、成分(A2):70%と成分(B4):30%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例4]
不織布(1)に、成分(A3):60%と成分(B3):40%を混合した1.00重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例5]
不織布(1)に、成分(A3):60%と成分(B3):40%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例6]
不織布(1)に、成分(A3):60%と成分(B3):40%を混合した3.33重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例7]
不織布(1)においてライン速度を調整し、目付13g/mの不織布を得た。得られた不織布に、成分(A3):60%と成分(B3):40%を混合した1.00重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例8]
不織布(1)においてライン速度を調整し、目付25g/mの不織布を得た。得られた不織布に、成分(A3):60%と成分(B3):40%を混合した3.33重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例9]
不織布(1)に、成分(A3):70%と成分(B1):30%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例10]
不織布(1)に、成分(A4):60%と成分(B2):40%を混合した親水剤の5.00重量%水溶液を、液温20℃に調整し、塗布量が10重量%となるように、ローターダンプニング方式にて上記不織布に塗布し125℃のエアスルードライヤーに通して乾燥させ巻き取った。使用したローターダンプニング装置のローターの直径は80mmであり、各ローターは、CD方向に115mm間隔、塗布する不織布とのローター中心の距離を180mmとなるように配置した。また、ローター回転数を調整し、噴霧される繊維加工剤の噴霧粒子径が35μmとなるようにした。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例11]
不織布(2)に、成分(A4):70%と成分(B3):30%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例12]
不織布(1)に、成分(A5):55%と成分(B3):45%を混合した5.00重量%の親水剤を用いた他は、実施例10と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例13]
不織布(1)に、成分(A5):74%と成分(B1):26%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[実施例14]
不織布(1)に、成分(A6):64%と成分(B4):36%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
不織布(1)に、成分(A1):70%と成分(B6):30%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例2]
不織布(1)に、成分(A2):85%と成分(B5):15%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例3]
不織布(1)に、成分(A3):65%と成分(B5):35%を混合した0.25重量%の親水剤を用いた他は、実施例1と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例4]
不織布(1)に、成分(A3):74%と成分(B6):26%混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例5]
不織布(1)に、成分(A7):75%と成分(B2):25%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例6]
不織布(1)に、成分(A8):70%と成分(B1):30%混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例7]
不織布(1)に、成分(A9):60%と成分(B7):40%を混合した0.25重量%の親水剤を用いた他は、実施例1と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例8]
不織布(1)に、成分(A10):65%と成分(B7):35%を混合した1.67重量%の親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
[比較例9]
不織布(1)に、成分(A11):72%と成分(B7):28%混合した1.67重量%親水剤を用いた他は、実施例2と同様にして不織布に付与した。得られた不織布の各種測定結果を以下の表2に示す。
Figure 0006960231
Figure 0006960231
本発明に係る親水性不織布は、初期透水性、濡れ戻り性、及び繰り返し透水性に優れるため、衛生材料、例えば、生理用ナプキン、失禁パット、使い捨ておむつ等のトップシートやセカンドシートとして好適に利用可能であり、また、例えば、マスク、カイロ、テープ基材、貼布薬基材、緊急絆創膏、包装材、ワイプ製品、医療用ガウン、包帯、衣料、スキンケア用シートなどにも好適に利用可能である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1):
    COO[(AO)(AO)]H (1)
    {式中、Rは、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、AOは、炭素数2のオキシエチレン基であり、AOは、炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、xは、1〜20の整数であり、yは、10〜60の整数であり、そしてAO及びAOについてオキシアルキレン基の付加順は限定しておらず、付加する際の付加方法はブロック付加又はランダム付加のいずれであってもよい。}で表される成分(A)、並びに下記一般式(2):
    Figure 0006960231
    {式中、Rは、炭素数6〜10のアルキル基であり、AOは、炭素数2のオキシエチレン基であり、zは、1〜10の整数であり、aは、1又は2であり、そしてMは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムである。}で表される成分(B)を含有し、該成分(A)と成分(B)との重量比((A)/(B))が、90/10〜40/60であることを特徴とする親水性不織布。
  2. 前記成分(A)と成分(B)の合計の純分付着濃度が0.1〜1.50重量%である、請求項1に記載の親水性不織布。
  3. 前記不織布を構成する繊維が熱可塑性繊維である、請求項1又は2に記載の親水性不織布。
  4. 前記不織布を構成する繊維が長繊維である、請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性不織布。
  5. 目付が40g/m以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性不織布。
  6. 前記不織布を構成する繊維の平均繊維径が8〜40μmである、請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性不織布。
  7. 前記親水性不織布の用途が、使い捨てオムツ、生理用ナプキン又は失禁パットを含む衛生材料である、請求項1〜のいずれか1項に記載の親水性不織布。
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