JP4706891B2 - フード支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒンジ機構により車体にフードを開閉自在に支持するための装置、とくに、上方からフードに加えられる衝撃を緩和する機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両における従来のフード支持装置は、特開平11−291948号公報に例示されているように、車体にフードを開閉自在に支持するヒンジ機構の車体側ヒンジ部材が、互いに同一鉛直面内に位置する上方平面部及び下方平面部と、両平面部間に配置された屈曲部とを有し、上記ヒンジ機構のフード側ヒンジ部材が上方平面部に対しヒンジピンにより連結されていて、フードの上方から衝撃が加えられたとき、屈曲部が座屈することにより上記衝撃を緩和し、その後さらに、各平面部が座屈することにより上記衝撃を緩和するようにしているが、この場合には、ヒンジ機構のフード側ヒンジ部材が通常とは異なった特別な形状をしていて、ヒンジ機構を特別な仕様とする必要があるため、ヒンジ機構のコストが大幅に上昇することは避けられなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単なヒンジ機構により車体にフードを開閉自在に支持させると共に、上方からフードに加えられる衝撃を容易に緩和させようとすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかるフード支持装置は、車体に取り付けられたヒンジベースと、一端部が上記ヒンジベースに枢支されたヒンジアームと、屈曲可変部の上端部及び下端部がそれぞれフードの下面及び上記ヒンジアームの他端部上面に連結された衝撃吸収部材とを有すると共に、上記フードの端縁下面に車幅方向外側へ向かって上昇する傾斜面が形成され、上記ヒンジベースの縦壁が上記傾斜面の直下に配置されて、上記フードに対する上方からの衝撃により上記屈曲可変部が下方へ屈曲するとき、上記フードの傾斜面が上記ヒンジベースの縦壁を外側方へ押圧して変形させるように構成されている。
【0005】
すなわち、衝撃吸収部材における屈曲可変部の上下端部が、それぞれフードの下面とヒンジアームの他端部上面とに連結されているため、フードの上方から衝撃が加えられてフードが降下するときには、フードの下面とヒンジアームの他端部上面間に配置された衝撃吸収部材の屈曲可変部は上記衝撃を容易に緩和することが可能であり、しかも、車体に取り付けられたヒンジベースと衝撃吸収部材の屈曲可変部に連結されたヒンジアームとを、特別な形状とする必要は全くなく、従来構造のものをそのまま使用することができる。
また、ヒンジベースの縦壁がフード端縁下面の傾斜面の直下に配置されているため、フードの上記降下時に上記屈曲可変部が下方へ屈曲することにより、フードの傾斜面がヒンジベースの縦壁を外側方へ押圧して変形させるので、この変形によっても上記衝撃を緩和させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施形態例について説明する。
図1及び図2において、車両の前部エンジンルームを上方から覆うフード1は、その両側後端の下面にそれぞれ衝撃吸収部材2の上端部が溶着されている一方、車体の両側部3へそれぞれ縦断面略L字状ヒンジベース4がボルト止めされて、ヒンジベース4の縦壁5に縦断面略L字状ヒンジアーム6の一端部縦壁7がピン8で枢支され、ヒンジアーム6の他端部上面に衝撃吸収部材2の下端部9がボルト止めされており、ヒンジベース4及びヒンジアーム6からなるヒンジ機構10によりフード1が車体両側部3へそれぞれ開閉自在に支持されている。
【0007】
衝撃吸収部材2は、図3に示されているように、ボルト孔11が設けられた下端部9の車幅方向両端縁からそれぞれ外方へ膨出するように屈曲して上方へ延びる可変部12をそなえ、上端部に車幅方向へ離れて一対形成された連結面、すなわち、フード1下面への溶着面13が形成されている。
【0008】
また、フード1における両側後端の下面には、車幅方向外側へ向かって上昇する傾斜面14が形成されていて、ヒンジベース4の縦壁5及びヒンジアーム6の縦壁7が傾斜面14の直下に配置されている。
【0009】
上記装置において、フード1の上方から図2矢印Aのように衝撃が加えられた場合、ヒンジ機構10は重量の大きいフード1を支持するために強度が大きく設計されていて、一般的に変形しにくいが、フード1の下面とヒンジアーム6の上面との間に挟持された衝撃吸収部材2の外方へ膨出するように屈曲した可変部12は、図4に示されているように比較的容易に変形することができるため、上記衝撃エネルギを効率良く吸収して、上記衝撃を確実に緩和させることができる。
【0010】
また、衝撃吸収部材2は、その可変部12が下端部9の車幅方向両端縁からそれぞれ外方へ膨出するように屈曲して上方へ延びているため、下端部9がヒンジアーム6の上面にボルト止めされていても、可変部12の上記屈曲作用がボルト止め機構と干渉することを容易に回避できるので、可変部12の変形により上記衝撃を常にスムースに緩和させることが可能となる。
【0011】
さらに、可変部12の上記屈曲作用に伴ってフード1が下降すると、ヒンジベース4及びヒンジアーム6の縦壁5、7が、図4に示されているようにフード1の傾斜面14によりフード1の外側方へ押圧されて変形させられる結果、その変形によっても上記衝撃エネルギが吸収されて、上記衝撃を緩和させることができる。
【0012】
しかも、ヒンジ機構10は、衝撃吸収部材2の付設にもかかわらず、ヒンジアーム6の上面を衝撃吸収部材2の下端部9へボルト止めすることにより、ヒンジアームの上面がフード1の下面へ直接ボルト止めされる従来装置と同一構造のものをそのまま使用することができるので、ヒンジ機構10に要するコストを低く抑制することができる大きな実用的長所がある。
【0013】
【発明の効果】
本発明にかかるフード支持装置にあっては、衝撃吸収部材における屈曲可変部の上下端部が、それぞれフードの下面とヒンジアームの他端部上面とに連結されていて、フードの上方から衝撃が加えられてフードが降下するときには、衝撃吸収部材は上記衝撃を容易に緩和することが可能であり、しかも、車体に取り付けられたヒンジベースと衝撃吸収部材に連結されたヒンジアームとを特別な形状とする必要は全くなく、従来構造のものをそのまま使用することができるので、大層便利である。
また、フードの上記降下時に上記屈曲可変部が下方へ屈曲することにより、フードの傾斜面がヒンジベースの縦壁を外側方へ押圧して変形させるので、この変形によっても上記衝撃を効果的に緩和させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における要部の概略側面図。
【図2】図1のII−II矢視縦断面拡大図。
【図3】上記実施形態例の一部斜視拡大図。
【図4】上記実施形態例の作用説明図。
【符号の説明】
1 フード
2 衝撃吸収部材
3 車体両側部
4 ヒンジベース
5 縦壁
6 ヒンジアーム
7 縦壁
9 下端部
10 ヒンジ機構
12 可変部
14 傾斜面
Claims (2)
- 車体に取り付けられたヒンジベースと、一端部が上記ヒンジベースに枢支されたヒンジアームと、屈曲可変部の上端部及び下端部がそれぞれフードの下面及び上記ヒンジアームの他端部上面に連結された衝撃吸収部材とを有すると共に、上記フードの端縁下面に車幅方向外側へ向かって上昇する傾斜面が形成され、上記ヒンジベースの縦壁が上記傾斜面の直下に配置されて、上記フードに対する上方からの衝撃により上記屈曲可変部が下方へ屈曲するとき、上記フードの傾斜面が上記ヒンジベースの縦壁を外側方へ押圧して変形させるように構成されたフード支持装置。
- 請求項1において、上記ヒンジアームの他端部が車両前後方向に延び、上記衝撃吸収部材の一体形である屈曲可変部は、上記下端部の車幅方向両端縁からそれぞれ外方へ膨出するように屈曲して上方へ延び、上記上端部が車幅方向に離れて一対形成されたフード支持装置。
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Family Applications (1)
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2001
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