JP4704266B2 - 燃料蒸気処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に備えられる燃料タンクに発生する燃料蒸気を処理するための燃料蒸気処理システムに関する。
車両等に備えられる燃料タンクには、温度上昇に伴う燃料の揮発により燃料蒸気が充満し、密閉状態では燃料タンク内の内圧が上昇してしまうことが知られていた。燃料タンク内の内圧が一定以上に上昇すると、燃料蒸気がエンジンに流れ込んでエンジンが始動しなくなる恐れや、燃料蒸気が配管の継ぎ目などから漏れ出す恐れがあった。このため、燃料タンクから燃料蒸気を排出することにより、燃料タンク内の内圧の上昇を抑えることが行われていた。燃料蒸気の排出に際しては、燃料蒸気をキャニスタと呼ばれる、活性炭等を充填した装置に通導し、活性炭等で燃料蒸気を吸着して、清浄化された気体を大気中に排出していた。
キャニスタを連続して使用するためには、燃料蒸気を吸着する工程のほかに、吸着した燃料蒸気を回収する工程が必要であった。燃料蒸気を吸着する工程と、吸着した燃料蒸気を回収する工程とを連続して行うためには、これを制御する手段を有するシステムが必要であり、従来、さまざまな燃料蒸気処理システムが開発されていた。
例えば、特許文献1には、燃料タンクからの燃料蒸気を導入して吸着する吸着手段を有するキャニスタと、キャニスタの排出ポートから流入する燃料蒸気を、空気選択透過性を有する分離膜により空気リッチ成分と燃料蒸気リッチ成分とに分離する膜分離モジュールと、を備え、膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートは、分離膜の透過側に配置されて、エンジンの吸気管に接続され、このエンジンが発生する負圧を膜分離駆動力として上記膜分離モジュールが作動し、膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートは、分離膜の非透過側に配設されて燃料タンクに接続され、燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃料蒸気成分をこの燃料タンクに液化又は液体燃料に吸収させて回収する、ことを特徴とする燃料蒸気回収装置が開示されている。
この燃料蒸気回収装置によれば、燃料タンクやキャニスタからのパージにより発生した燃料蒸気を含む空気を空気選択透過型の膜分離モジュールで分離し、その膜分離駆動力としてエンジン負圧を用いることとしたため、真空ポンプの搭載を必要としない。また、膜分離モジュールからの膜透過成分をエンジンの吸気管に導入しても排出ガスの成分に影響を与えることがなく、発生する燃料蒸気が多い場合であっても燃料蒸気を大気中に放出することがない燃料蒸気回収装置を提供することができるとされている。
また、特許文献2には、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記燃料タンク内の燃料を内燃機関にフィードするフィードポンプと、前記キャニスタからパージされたパージガス中から、高濃度で燃料蒸気を含む処理ガスを分離する蒸気燃料分離ユニットと、前記処理ガスを前記フィードポンプの吸入口に還流させる処理ガス通路と、前記吸入口に導かれた気泡を、前記フィードポンプの外部に排出するための気泡排出通路と、前記気泡排出通路の出口部分を、その入り口部分に比して低温にするための低温化機構と、を備えることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置が開示されている。この蒸発燃料処理装置によれば、燃料タンクで生じた蒸発燃料を濃縮した後に、フィードポンプに吸入させ、蒸発燃料を処理することができるとされている。
特開2001−295703号公報 特開2004−132263号公報
しかしながら、特許文献1に記載された燃料蒸気回収装置においては、エンジンが発生する負圧を膜分離駆動力として利用して、膜分離モジュールを動作させるため、エンジンの停止中や、エンジンが発生する負圧が小さい場合などには燃料蒸気の処理を行うことができなかった。さらに、特許文献1に記載された燃料蒸気回収装置においては、膜分離モジュールに用いる分離膜として、空気選択透過性を有する分離膜を使用しているため、膜分離モジュールの機能を効率よく引き出すためには、燃料蒸気リッチ成分の気体流量と空気リッチ成分の気体流量とを複雑に制御する必要があった。
また、特許文献2に記載された蒸発燃料処理装置においては、フィードポンプを蒸発燃料分離ユニットの膜分離駆動力として利用しているため、エンジン停止中には蒸発燃料を処理できず、処理可能な蒸発燃料の容量が燃料消費量に依存するために、多量の蒸発燃料を処理できなかった。さらに、特許文献2に記載された蒸発燃料処理装置においては、蒸発燃料と空気との間での、膜への溶解度の違いを利用して蒸発燃料を分離する分離膜を用いているため、膜による分離を多段階にわたって行わなければならなかった。また、分離された蒸発燃料をフィードポンプに供給するため、蒸発燃料を圧縮によって液化処理する必要があった。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、エンジンの停止中においても燃料蒸気を処理することが可能な燃料蒸気処理システムであって、多段階にわたる分離処理が不要であり、燃料蒸気の気体流量と、透過ガスの流量との複雑な制御を必要とせず、燃料蒸気の液化処理も必要でない燃料蒸気処理システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、燃料タンク内に発生した燃料蒸気を気体分離膜モジュールで分離し、分離された燃料濃縮蒸気を燃料に溶解させ、燃料希薄蒸気をキャニスタに吸着させたときに、効率よく燃料蒸気を処理できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 燃料から発生する燃料蒸気を処理する燃料蒸気処理システムであって、内圧を検知する圧力計が配設された燃料タンクと、この燃料タンク内で発生する燃料蒸気を導入する第1導入ポートと、この第1導入ポートから導入された燃料蒸気を含む混合気体を、燃料濃縮蒸気と燃料希薄蒸気とに分離する気体分離膜と、この気体分離膜の流入側に配設され燃料濃縮蒸気を排出する燃料濃縮蒸気排出ポートと、前記気体分離膜の透過側に配設され燃料希薄蒸気を排出する燃料希薄蒸気排出ポートと、を有する気体分離膜モジュールと、前記燃料タンクと前記第1導入ポートとを連通する第1流路と、前記燃料濃縮蒸気排出ポートから排出された燃料濃縮蒸気を前記燃料タンクに導入して燃料中に溶解させる燃料蒸気溶解手段と、前記燃料希薄蒸気排出ポートから排出される燃料希薄蒸気を導入する第2導入ポートと、この第2導入ポートから導入された燃料希薄蒸気中の燃料蒸気を吸着する吸着部と、第2制御弁を有し且つ前記吸着部により燃料蒸気が除去された蒸気を外気に排出する第2排出ポートと、前記吸着部から燃料蒸気を脱離させるための脱離装置と、を有するキャニスタと、前記燃料希薄蒸気排出ポートと前記第2導入ポートとを連通し、且つ前記気体分離膜の透過側を減圧するポンプを有する燃料希薄蒸気排出流路と、前記圧力計により検知される前記燃料タンクの内圧が所定値を超えたときに、前記ポンプを稼動させて前記燃料蒸気処理システムを駆動させ、且つ第2制御弁を開弁させる第1制御手段と、前記脱離装置によりキャニスタに吸着された燃料蒸気を脱離させる第2制御手段と、を有する制御装置と、を備える燃料蒸気処理システム。
(1)の燃料蒸気処理システムは以下のように作用する。燃料タンク内において燃料が蒸発することにより、燃料タンクの内圧が一定以上に上昇すると、燃料タンク内に備えられた圧力計がこれを検知し、制御装置が作動して、ポンプが起動する。ポンプの起動により、気体分離膜モジュールの気体分離膜の透過側と流入側との間に圧力差が生じ、流入側に存在する気体が気体分離膜を透過する。この結果、気体分離膜の流入側が、燃料タンク内に比べて陰圧となり、燃料タンク内の燃料蒸気が、第1流路を介して、第1導入ポートから気体分離膜モジュールに流入する。気体分離膜モジュールに流入した燃料蒸気のうち、酸素及び窒素などの空気成分は、燃料蒸気成分よりも気体分離膜の透過速度が速いため、気体分離膜の流入側で燃料蒸気が濃縮されて、燃料濃縮蒸気となる。この燃料濃縮蒸気は、燃料蒸気溶解手段により燃料タンクの燃料に溶解される。一方、気体分離膜を透過した、燃料希薄蒸気は、燃料希薄蒸気排出流路を通って、第2導入ポートからキャニスタに流入し、燃料希薄蒸気に含まれる燃料蒸気成分が、吸着部により吸着される。燃料蒸気が吸着された後の蒸気は、第2排出ポートから外気に排出される。
以上の動作が繰り返されることにより、燃料タンクに生じた燃料蒸気は、一部は濃縮されて燃料に溶解され、一部はキャニスタの吸着部に吸着される。これにより、燃料タンクの内圧が、一定以上に上昇することを防止することができる。さらに、吸着部が十分な量の燃料蒸気を吸着した場合は、燃料蒸気が脱離されるので、キャニスタによる燃料の吸着を繰り返し、行うことができる。
本発明の燃料蒸気処理システムは、エンジンとは独立したポンプを駆動力とするので、エンジンの停止中においても燃料蒸気を処理することができる。また、空気選択透過性を有する気体分離膜を用いているので、一段階の分離過程によっても、十分に燃料蒸気を分離することができる。
(2) 前記第1流路から分岐され、前記ポンプより前記燃料希薄蒸気排出ポート側において前記燃料希薄蒸気排出流路に連通し、且つ逆止弁を有する第2流路と、分岐点に配設された流路切換手段と、をさらに備え、前記脱離装置は、前記吸着部に吸着された燃料蒸気量を検知する吸着量検知手段と、第3制御弁を有し且つ前記吸着部から脱離した燃料蒸気を排出して前記第1導入ポートを介して前記気体分離膜モジュールに導入する第3排出ポートと、を有し、前記第2制御手段は、前記吸着量検知手段により検知された吸着量が所定値を超えたときに、前記流路切換手段により前記第1流路から前記第2流路に流路を切り換えるとともに、前記第2制御弁を閉弁し且つ前記第3制御弁を開弁することにより、前記第2流路から導入される燃料蒸気を含む混合気体で前記吸着部に吸着された燃料蒸気を脱離させて前記第3排出ポート及び前記第1導入ポートを介して前記気体分離膜モジュールに導入して濃縮した後、濃縮された燃料蒸気を前記燃料蒸気溶解手段により前記燃料タンク内の燃料中に溶解させる(1)記載の燃料蒸気処理システム。
(2)の燃料蒸気処理システムは以下のように作用する。吸着量検知手段により検知された燃料蒸気の吸着量が、所定値を超えると、制御装置により流路切換手段が第1流路から第2流路へと流路を切り換え、同時に、第2制御弁が閉弁し、第3制御弁が開弁する。燃料蒸気溶解手段により燃料タンク内の燃料に燃料濃縮蒸気が溶解された場合、燃料タンクには、燃料蒸気成分をわずかしか含有しない燃料蒸気が残留する。この燃料蒸気成分をわずかしか含有しない燃料蒸気は、ポンプの駆動力により、燃料タンクから第2流路を介して、燃料希薄蒸気排出流路に流入し、燃料希薄蒸気と混合される。混合された後の燃料希薄蒸気は、第2導入ポートからキャニスタ内に流入すると、吸着部における燃料蒸気成分の脱離を促し、脱離された燃料蒸気とともに第3排出ポートから排出される。これが、第1導入ポートから気体分離膜モジュールに流入し、ポンプの駆動力により燃料濃縮蒸気と、燃料希薄蒸気とに分離される。燃料濃縮蒸気は、燃料蒸気溶解手段により燃料タンクに送られ、燃料濃縮蒸気中の燃料成分が燃料に溶解される。一方、燃料希薄蒸気は再度、キャニスタに送られ、これが繰り返されることにより、吸着部からの燃料蒸気成分の脱離が促される。
本発明の燃料蒸気処理システムによれば、気体分離膜モジュールに流入される燃料蒸気が、主に、燃料タンクからの燃料蒸気成分をわずかしか含まない燃料蒸気と、気体分離膜を透過した燃料希薄蒸気と、吸着部から脱離した燃料蒸気の混合蒸気であるので、複雑な制御によらなくとも、適度な体積の燃料濃縮蒸気を得ることができる。さらに、本発明の燃料蒸気処理システムにおいては、燃料蒸気を燃料に溶解させるため、燃料蒸気の圧縮や液化などが必要でない。
(3) 前記気体分離膜モジュールは、直列に配設された2つの気体分離膜と、第4制御弁を有し且つ前記2つの気体分離膜それぞれの透過側を連通する第4流路と、を有し、前記制御装置は、前記流路切換手段が前記第1流路から前記第2流路に流路を切り換えたときに前記第4制御弁を開弁し、且つ、前記流路切換手段が前記第2流路から第1流路に流路を切り換えたときに前記第4制御弁を弁することにより、気体分離膜の膜面積を変更する第3制御手段を有する(2)記載の燃料蒸気処理システム。
(3)の燃料蒸気処理システムは以下のように作用する。燃料タンクからの燃料蒸気が、第1流路を介して、気体分離膜モジュールの第1導入ポートに流入する場合、第4制御弁は閉弁されているので、一方の気体分離膜のみにおいて、その流入側と透過側とに圧力差が生じ、一方の気体分離膜のみにおいて、燃料蒸気の濃縮が行われる。一方、燃料タンクからの燃料蒸気が、第2流路を介して、キャニスタの吸着部における燃料蒸気成分の脱離を促進し、さらに気体分離膜モジュールの第1導入ポートに流入する場合、第4制御弁は開弁されているので、両方の気体分離膜において、その流入側と透過側とに圧力差が生じ、両方の気体分離膜において、燃料蒸気の濃縮が行われる。
燃料タンクから発生した燃料蒸気をキャニスタに吸着させる際には、気体分離膜の面積は小さくてよい。一方、キャニスタから燃料蒸気成分を脱離させ、燃料タンク内の燃料に溶解させる場合には、燃料蒸気を、より濃縮したほうが効率がよい。本発明によれば、このような気体分離膜の面積の制御を容易に行うことができる。
本発明によれば、燃料タンクで発生した燃料蒸気を、気体分離膜モジュールで分離して、一部を燃料内に溶解させ、一部をキャニスタに吸着した後、外気に放出することにより、燃料タンク内の内圧の上昇を抑制することができる。キャニスタに吸着された燃料蒸気成分は、脱離させて燃料中に溶解させることにより、キャニスタを繰り返し使用することができる。
本発明の燃料蒸気処理システムは、エンジンの停止中においても燃料蒸気を処理することができる。また、多段階にわたる分離処理が不要であり、燃料蒸気の気体流量と、透過ガスとの複雑な制御を必要とせず、燃料蒸気の液化処理も必要でない。このため、燃料蒸気の処理を効率的に行うことができる。
<第一の実施形態>
以下、本発明に好適な第一の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[燃料蒸気処理システムの構成]
図1に本実施形態にかかる燃料蒸気処理システム1の概略構成図を示す。また、図3は本実施形態に係る燃料蒸気処理システム1の概要を示したフロー図である。本実施形態の燃料蒸気処理システム1は、燃料Aを貯蔵するための燃料タンク10と、燃料タンク10内で発生する燃料蒸気を、燃料濃縮蒸気と燃料希薄蒸気とに分離する気体分離膜モジュール20と、燃料タンク10と気体分離膜モジュール20とを連通する第1流路30と、気体分離膜モジュール20で分離された燃料濃縮蒸気を燃料タンク10に導入して燃料A中に溶解させる燃料蒸気溶解手段である第5流路40と、燃料希薄蒸気中の燃料蒸気を吸着するキャニスタ50と、気体分離膜モジュール20とキャニスタ50とを連通し、燃料希薄蒸気を気体分離膜モジュール20からキャニスタ50に導入するための燃料希薄蒸気排出流路60と、第1流路30から分岐し、燃料希薄蒸気排出流路60に連通する第2流路80と、第1流路30と第2流路80との分岐点に配設された流路切換手段82と、燃料蒸気処理システム1内に備えられる各装置を制御するための制御装置70と、からなる。
[燃料タンク]
本実施形態にかかる燃料タンク10は、燃料タンク10内の内圧を検知するための圧力計Pが備えられている。燃料タンク10内には燃料Aが貯蔵されており、この燃料Aが揮発することにより発生する燃料蒸気によって燃料タンク10内の内圧が上昇する。燃料タンク10は、第1流路30により、気体分離膜モジュール20の後述する第1導入ポート21に連通しており、さらに第1流路30から分岐する第2流路80と、第2流路80が連通する燃料希薄蒸気排出流路60とを介して、キャニスタ50の後述する第2導入ポート51に連通している。
[気体分離膜モジュール]
本実施形態にかかる気体分離膜モジュール20は、燃料タンク10内で発生する燃料蒸気を導入する第1導入ポート21と、この第1導入ポート21から導入された燃料蒸気を、燃料濃縮蒸気と燃料希薄蒸気とに分離する気体分離膜22と、この気体分離膜22の流入側に配設され燃料濃縮蒸気を排出する燃料濃縮蒸気排出ポート23と、気体分離膜22の透過側に配設され燃料希薄蒸気を排出する燃料希薄蒸気排出ポート24と、を有する。
(第1導入ポート、燃料濃縮蒸気排出ポート、燃料希薄蒸気排出ポート)
気体分離膜モジュール20には、気体分離膜22の流入側の一方に、第1導入ポート21が設けられ、気体分離膜22の流入側の他方に、燃料濃縮蒸気排出ポート23が設けられている。また、気体分離膜22の透過側には燃料希薄蒸気排出ポート24が設けられている。燃料濃縮蒸気排出ポート23は第5流路40を介して燃料タンク10に連通しており、燃料希薄蒸気排出ポート24は燃料希薄蒸気排出流路60を介して、キャニスタ50の後述する第2導入ポート51に連通している。
(気体分離膜)
気体分離膜モジュール20が備える気体分離膜22としては、気体分子の大きさに応じて、膜を透過する透過速度が異なる多孔質膜を使用する。多孔質膜の材質は、ポリイミド、ポリスルホン、及びフッ素樹脂などの樹脂素材、並びにカーボン、及びゼオライトなどの無機素材などを挙げることができる。なお、気体分離膜22は、窒素対n−ブタンの透過速度比が4以上であることが好ましい。
[第1流路]
第1流路30は燃料タンク10と、気体分離膜モジュール20の第1導入ポート21とを連通する。第1流路30からは、第2流路80が分岐しており、この分岐点に流路切換手段82を有する。
[第5流路]
第5流路40は、気体分離膜モジュール20の燃料濃縮蒸気排出ポート23と、燃料タンク10とを連通し、その燃料タンク10側の末端は、燃料内に通じている。
[キャニスタ]
キャニスタ50は、燃料希薄蒸気排出ポート24から排出される燃料希薄蒸気を導入する第2導入ポート51と、この第2導入ポート51から導入された燃料希薄蒸気中の燃料蒸気を吸着する吸着部52と、吸着部52の作用により燃料蒸気が除去された蒸気を外気に排出する第2排出ポート53と、吸着部52に吸着された燃料蒸気量を検知する図示しない吸着量検知手段と、吸着部52から脱離した燃料蒸気を排出して第1導入ポート21介して気体分離膜モジュール20に導入する第3排出ポート55と、を有する。
(第2導入ポート、第2排出ポート、第3排出ポート)
キャニスタ50には、第2導入ポート51が備えられ、第2導入ポート51の近傍に第2排出ポート53が、第2導入ポート51から離れた位置に、第3排出ポート55が設けられている。第2排出ポート53、第3排出ポート55には、それぞれ第2制御弁54、第3制御弁56が設けられており、第2制御弁54、第3制御弁56の開弁、閉弁は、吸着量検知手段の検出値に応じて、制御装置70により制御されている。第2排出ポート53は、外気に通じる配管に接続しており、第3排出ポート55は、配管を通じて、第1導入ポート21に連通している。
(吸着部)
キャニスタ50の吸着部52には、燃料蒸気を吸着する性質を有する素材が充填される。このような素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭を挙げることができる。活性炭は、燃料蒸気を高濃度で含む混合気体にさらされることにより、燃料蒸気を吸着し、燃料蒸気の濃度が一定以下である混合気体にさらされることにより、燃料蒸気を脱離する。活性炭のこの性質を利用することにより、キャニスタ50に、燃料蒸気の吸着と脱離を繰り返して行わせることができる。
(吸着量検知手段)
キャニスタ50は、図示しない吸着量検知手段を設けていてもよい。吸着量検知手段としては、特に限定されないが、例えば、第2排出ポート53から排出される蒸気中に含まれる、燃料蒸気の残量を検出する手段を挙げることができる。そのような検出手段の例としては、炭化水素濃度計及びキャニスタの重量測定装置を挙げることができる。また、本実施形態においては、検出手段は第2排出ポート53から排出される蒸気中に含有される燃料蒸気の含有量を測定して、キャニスタの燃料蒸気の吸着量を推定するものであってもよい。
[燃料希薄蒸気排出流路]
燃料希薄蒸気排出流路60には、燃料希薄蒸気排出ポート24と第2導入ポート51とを連通し、気体分離膜22の透過側を減圧するポンプ61を有する。ポンプ61は図示しないバッテリーに接続されている。ここで、燃料希薄蒸気排出流路60で用いることができるポンプ61としては、特に限定されないが、例えば、従来公知の真空ポンプを挙げることができる。
[第2流路]
第2流路80は、第1流路30から分岐して、燃料希薄蒸気排出流路60の、ポンプ61より燃料希薄蒸気排出ポート24側に連通する。第2流路80には、燃料希薄蒸気排出流路60から第1流路30への燃料蒸気の逆流を抑制する逆止弁81が設けられている。これにより、ポンプ61の停止時において、キャニスタ50から第1流路30、ひいては燃料タンク10への燃料蒸気の逆流を抑制することができる。
[流路切換手段]
第1流路30と第2流路80との分岐点には、流路切換手段82が設けられている。第1流路30と、第2流路80との間での流路の切り換えは、吸着量検出手段の検出値に応じて制御装置70により制御される。
[制御装置]
制御装置70は、圧力計Pの検出値、及び吸着量検出手段の検出値を入力とし、第2制御弁54、及び第3制御弁56の開閉、ポンプ61の起動及び停止、並びに流路切換手段82による流路の切り換えを出力とする。
[燃料蒸気処理システムの作用]
燃料蒸気処理システム1は以下のように作用する。
(第1制御手段による作用)
燃料タンク10内において燃料Aが蒸発することにより、燃料タンク10の内圧が一定以上に上昇すると、燃料タンク10内に備えられた圧力計Pがこれを検知し、制御装置70によって、ポンプ61が起動され、流路切換手段82は流路を第1流路30に切り換え、第2制御弁54が開弁され、第3制御弁56が閉弁される。ポンプ61の起動により、気体分離膜モジュール20の気体分離膜22の透過側と流入側との間に圧力差が生じ、流入側に存在する気体が気体分離膜22を透過する。この結果、気体分離膜22の流入側が、燃料タンク10内に比べて陰圧となり、燃料タンク10内の燃料蒸気が、第1流路30を介して、第1導入ポート21から気体分離膜モジュール20に流入する。気体分離膜モジュール20に流入した燃料蒸気のうち、酸素及び窒素などの空気成分は、燃料蒸気成分よりも気体分離膜22の透過速度が速いため、気体分離膜22の流入側で燃料蒸気が濃縮されて、燃料濃縮蒸気となる。この燃料濃縮蒸気は、燃料濃縮蒸気排出ポート23より排出されて、第5流路40により燃料タンク10の燃料Aに溶解される。
一方、気体分離膜22を透過した、燃料希薄蒸気は、燃料希薄蒸気排出流路60を通って、第2導入ポート51からキャニスタ50に流入し、燃料希薄蒸気に含まれる燃料蒸気成分が、吸着部52により吸着される。燃料蒸気が吸着された後の蒸気は、第2排出ポート53から外気に排出される。
以上の動作が繰り返されることにより、燃料タンク10に生じた燃料蒸気は、一部は濃縮されて燃料Aに溶解され、一部はキャニスタ50の吸着部52に吸着される。これにより、燃料タンク10の内圧が、一定以上に上昇することを防止することができる。
(第2制御手段による作用)
吸着量検知手段により検知された燃料蒸気の吸着量が、所定値を超えると、制御装置70により流路切換手段82が第1流路30から第2流路80へと流路を切り換え、同時に、第2制御弁54が閉弁し、第3制御弁56が開弁する。第5流路40により燃料タンク10内の燃料Aに燃料濃縮蒸気が溶解された場合、燃料タンク10には、燃料蒸気成分をわずかしか含有しない燃料蒸気が残留する。この燃料蒸気成分をわずかしか含有しない燃料蒸気は、ポンプ61の駆動力により、燃料タンク10から第2流路80を介して、燃料希薄蒸気排出流路60に流入し、燃料希薄蒸気と混合される。混合された後の燃料希薄蒸気は、第2導入ポート51からキャニスタ50内に流入すると、吸着部52における燃料蒸気成分の脱離を促し、脱離された燃料蒸気とともに第3排出ポート55から排出される。これが、第1導入ポート21から気体分離膜モジュール20に流入し、ポンプ61の駆動力により燃料濃縮蒸気と、燃料希薄蒸気とに分離される。燃料濃縮蒸気は、第5流路40により燃料タンク10に送られ、燃料濃縮蒸気中の燃料成分が燃料Aに溶解される。一方、燃料希薄蒸気は再度、キャニスタ50に送られ、これが繰り返されることにより、吸着部52からの燃料蒸気成分の脱離が促される。
吸着量検出手段により検出された燃料蒸気の吸着量が、所定値を下回ったとき、圧力計Pの検出値が所定値以上の場合は、再度、流路切換手段82が流路を第2流路80から第1流路30に切り換え、第2制御弁54が開弁し、第3制御弁56が閉弁する。これにより、燃料蒸気の気体分離膜モジュール20による分離、キャニスタ50による吸着が繰り返される。
第2制御手段が作動しているときに、吸着量検出手段により検出された燃料蒸気の吸着量が所定値を下回り、且つ、圧力計Pの検出値が所定値を下回ったときは、ポンプ61が停止し、燃料蒸気処理システム1が停止する。
[燃料蒸気処理システムの効果]
本実施形態の燃料蒸気処理システム1は、エンジンとは独立したポンプ61を駆動力とするので、エンジンの停止中においても燃料蒸気を処理することができる。また、気体分離膜22を用いているので、一段階の分離過程によっても、十分に燃料蒸気を分離することができる。
本実施形態の燃料蒸気処理システム1によれば、気体分離膜モジュール20に流入される燃料蒸気が、主に、燃料タンク10からの燃料蒸気成分をわずかしか含まない燃料蒸気と、気体分離膜22を透過した燃料希薄蒸気と、吸着部52から脱離した燃料蒸気の混合蒸気であるので、複雑な制御によらなくとも、適度な体積の燃料濃縮蒸気を得ることができる。さらに、本発明の燃料蒸気処理システム1においては、燃料蒸気を燃料Aに溶解させるため、燃料蒸気の圧縮や液化などが必要でない。
<第二の実施形態>
以下、本発明に好適な第二の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、第一の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
[燃料蒸気処理システムの構成]
[気体分離膜モジュール]
図2に本実施形態に係る燃料蒸気処理システム2の概略構成図を示す。本実施形態における燃料蒸気処理システム2の備える気体分離膜モジュール20においては、直列に配設された第1気体分離膜22aと第2気体分離膜22bと、燃料タンク10内で発生する燃料蒸気を導入し、第1気体分離膜22aの流入側に配設される第1導入ポート21と、この第1導入ポート21から導入された燃料蒸気を、燃料濃縮蒸気と燃料希薄蒸気とに分離する、第2気体分離膜22bの流入側に配設され燃料濃縮蒸気を排出する燃料濃縮蒸気排出ポート23と、第1気体分離膜22aの透過側に配設され燃料希薄蒸気を排出する燃料希薄蒸気排出ポート24と、第1気体分離膜22aの透過側と、第2気体分離膜22bの透過側とを結ぶ第4流路25と、を備える。第4流路25には、第4制御弁26が備えられており、吸着量検知手段の検出値に応じて、制御装置70により開弁、閉弁される。
[燃料蒸気処理システムの作用]
燃料タンク10からの燃料蒸気が、第1流路30を介して、気体分離膜モジュール20の第1導入ポート21に流入する場合、第4制御弁26は閉弁されているので、第1気体分離膜22aのみにおいて、その流入側と透過側とに圧力差が生じ、第1気体分離膜22aのみにおいて、燃料蒸気の濃縮が行われる。一方、燃料タンク10からの燃料蒸気が、第2流路80を介して、キャニスタ50の吸着部52における燃料蒸気成分の脱離を促進し、さらに気体分離膜モジュール20の第1導入ポート21に流入する場合、第4制御弁26は開弁されているので、第1気体分離膜22a及び第2気体分離膜22bにおいて、その流入側と透過側とに圧力差が生じ、第1気体分離膜22a及び第2気体分離膜22bにおいて、燃料蒸気の濃縮が行われる。
[燃料蒸気処理システムの効果]
燃料タンク10から発生した燃料蒸気をキャニスタ50に吸着させる際に行う、燃料蒸気の分離の際には、気体分離膜の面積は小さくてよい。一方、キャニスタ50から燃料蒸気成分を脱離させ、燃料タンク10内の燃料Aに溶解させる際に行う、燃料蒸気の分離の際には、燃料蒸気をより濃縮したほうが効率がよい。本発明によれば、このような気体分離膜の面積の制御を容易に行うことができる。
<試験例1;DBL試験>
第1制御手段による燃料蒸気の発生量抑制効果を確認するため、DBL試験と呼ばれる低温高温サイクルによる、車両停止時の燃料蒸気の発生量を測定する試験を行った。即ち、DBL試験においては、燃料タンクを18.2℃から40.2℃に上昇させて、DBL試験1日分の燃料蒸気を発生させ、これを気体分離膜モジュールに導入した。気体分離膜モジュールに用いる気体分離膜としては、「UBE Nセパレーター」(宇部興産社製)を用いた。「ポリイミド」の窒素透過率は6.6GPU、気体透過選択性は、O/N比で5.75、N/炭化水素比で14であった。真空ポンプは「DAP−12S(10W)」(アルバック機工社製)を用いた(DAP−12S(10W))。
図4にキャニスタに吸着された燃料蒸気量と、気体分離膜の面積との関係を示す。図4より、膜面積が広くなればなるほど、燃料蒸気の透過量が増え、燃料蒸気の吸着量が増加することが分かる。
<試験例2;燃料濃縮蒸気の燃料への溶解>
様々なブタン濃度のブタン蒸気を燃料タンク内のブタン内にバブリングさせ、ブタンの溶解、又はブタン蒸気の発生の様子を調べた。図5に示すように、ブタン濃度が40%以上のブタン蒸気をバブリングさせた場合においては、ブタン蒸気成分が燃料中に溶解することが分かった。一方、ブタン濃度が40%未満のブタン蒸気をバブリングさせた場合には、逆に、ブタンが揮発してしまうことが分かった。なお、ブタン蒸気は、燃料蒸気の主成分である。図5より、効率的に燃料蒸気成分を溶解させるためには、燃料蒸気の濃度が90%以上に濃縮されていることが好ましいことが分かる。
<試験例3;流量制御試験>
図6に示すように、ブタン・窒素混合ガス(15%ブタン)を気体分離膜モジュールに通し、気体分離膜モジュールに導入する混合ガスの流量と、濃縮された混合ガス中のブタン濃度との関係を調べた。気体分離膜としては、「ポリイミド」(宇部興産社製)を用いた。「ポリイミド」の気体透過選択性は、N/炭化水素比で10であった。図7に示すように、気体分離膜モジュールに導入する混合ガスの流量を制御することにより、濃縮された混合ガス中のブタン濃度を制御することができることがわかった。
本発明の燃料蒸気処理システムの概略を示した図面である。 本発明の燃料蒸気処理システムの概略を示した図面である。 本発明の燃料蒸気処理システムを示したフロー図である。 気体分離膜の膜面積と、燃料蒸気吸着量との関係を示したグラフである。 燃料蒸気中のブタン濃度と、燃料蒸気成分の溶解率との関係を示したグラフである。 試験例3に係る、試験装置の概略を示した図面である。 気体分離膜モジュールに導入する混合ガスの流量と、濃縮された混合ガス中のブタン濃度との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 燃料蒸気処理システム
10 燃料タンク
20 気体分離膜モジュール
21 第1導入ポート
22 気体分離膜
22a 第1気体分離膜
22b 第2気体分離膜
23 燃料濃縮蒸気排出ポート
24 燃料希薄蒸気排出ポート
25 第4流路
26 第4制御弁
30 第1流路
40 第5流路
50 キャニスタ
51 第2導入ポート
52 吸着部
53 第2排出ポート
54 第2制御弁
55 第3排出ポート
56 第3制御弁
60 燃料希薄蒸気排出流路
61 ポンプ
70 制御装置
80 第2流路
81 逆止弁
82 流路切換手段
A 燃料
P 圧力計

Claims (3)

  1. 燃料から発生する燃料蒸気を処理する燃料蒸気処理システムであって、
    内圧を検知する圧力計が配設された燃料タンクと、
    この燃料タンク内で発生する燃料蒸気を導入する第1導入ポートと、この第1導入ポートから導入された燃料蒸気を、燃料濃縮蒸気と燃料希薄蒸気とに分離する気体分離膜と、この気体分離膜の流入側に配設され燃料濃縮蒸気を排出する燃料濃縮蒸気排出ポートと、前記気体分離膜の透過側に配設され燃料希薄蒸気を排出する燃料希薄蒸気排出ポートと、を有する気体分離膜モジュールと、
    前記燃料タンクと前記第1導入ポートとを連通する第1流路と、
    前記燃料濃縮蒸気排出ポートから排出された燃料濃縮蒸気を前記燃料タンクに導入して燃料中に溶解させる燃料蒸気溶解手段と、
    前記燃料希薄蒸気排出ポートから排出される燃料希薄蒸気を導入する第2導入ポートと、この第2導入ポートから導入された燃料希薄蒸気中の燃料蒸気を吸着する吸着部と、第2制御弁を有し且つ前記吸着部により燃料蒸気が除去された蒸気を外気に排出する第2排出ポートと、前記吸着部から燃料蒸気を脱離させるための脱離装置と、を有するキャニスタと、
    前記燃料希薄蒸気排出ポートと前記第2導入ポートとを連通し、且つ前記気体分離膜の透過側を減圧するポンプを有する燃料希薄蒸気排出流路と、
    前記圧力計により検知される前記燃料タンクの内圧が所定値を超えたときに、前記ポンプを稼動させて前記燃料蒸気処理システムを駆動させ、且つ第2制御弁を開弁させる第1制御手段と、前記脱離装置によりキャニスタに吸着された燃料蒸気を脱離させる第2制御手段と、を有する制御装置と、
    を備える燃料蒸気処理システム。
  2. 前記第1流路から分岐され、前記ポンプより前記燃料希薄蒸気排出ポート側において前記燃料希薄蒸気排出流路に連通し、且つ逆止弁を有する第2流路と、分岐点に配設された流路切換手段と、をさらに備え、
    前記脱離装置は、前記吸着部に吸着された燃料蒸気量を検知する吸着量検知手段と、第3制御弁を有し且つ前記吸着部から脱離した燃料蒸気を排出して前記第1導入ポートを介して前記気体分離膜モジュールに導入する第3排出ポートと、を有し、
    前記第2制御手段は、前記吸着量検知手段により検知された吸着量が所定値を超えたときに、前記流路切換手段により前記第1流路から前記第2流路に流路を切り換えるとともに、前記第2制御弁を閉弁し且つ前記第3制御弁を開弁することにより、前記第2流路から導入される燃料蒸気で前記吸着部に吸着された燃料蒸気を脱離させて前記第3排出ポート及び前記第1導入ポートを介して前記気体分離膜モジュールに導入して濃縮した後、濃縮された燃料蒸気を前記燃料蒸気溶解手段により前記燃料タンク内の燃料中に溶解させる請求項1記載の燃料蒸気処理システム。
  3. 前記気体分離膜モジュールは、直列に配設された2つの気体分離膜と、第4制御弁を有し且つ前記2つの気体分離膜それぞれの透過側を連通する第4流路と、を有し、
    前記制御装置は、前記流路切換手段が前記第1流路から前記第2流路に流路を切り換えたときに前記第4制御弁を開弁し、且つ、前記流路切換手段が前記第2流路から第1流路に流路を切り換えたときに前記第4制御弁を弁することにより、気体分離膜の膜面積を変更する第3制御手段を有する請求項2記載の燃料蒸気処理システム。
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