JP2001295703A - 燃料蒸気回収装置 - Google Patents

燃料蒸気回収装置

Info

Publication number
JP2001295703A
JP2001295703A JP2000363626A JP2000363626A JP2001295703A JP 2001295703 A JP2001295703 A JP 2001295703A JP 2000363626 A JP2000363626 A JP 2000363626A JP 2000363626 A JP2000363626 A JP 2000363626A JP 2001295703 A JP2001295703 A JP 2001295703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel vapor
membrane separation
fuel
separation module
canister
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000363626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3666645B2 (ja
Inventor
Hitoshi Ito
仁 伊藤
Mikio Kawai
幹夫 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2000363626A priority Critical patent/JP3666645B2/ja
Priority to EP01102510A priority patent/EP1124053A3/en
Priority to US09/778,758 priority patent/US6526950B2/en
Publication of JP2001295703A publication Critical patent/JP2001295703A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3666645B2 publication Critical patent/JP3666645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02T10/121
    • Y02T10/126
    • Y02T10/16

Landscapes

  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空ポンプの搭載が不要で、膜分離モジュー
ルの膜透過成分をエンジン吸気管に導入しても運転特性
や排出ガスの成分に影響を与えず、燃料蒸気が多い場合
でも燃料蒸気を大気中に放出しない燃料蒸気回収装置を
提供すること。 【解決手段】 燃料蒸気回収装置は、キャニスタ2、ブ
ロア5、膜分離モジュール6、負圧コントロールバルブ
7、冷却モジュール9を備える。モジュール6は排出ポ
ート22からの燃料蒸気Vを空気リッチ成分Aと燃料蒸
気リッチ成分Vとに分離する。透過側排出ポート63は
吸気管4に接続し、エンジン負圧による駆動力は外側ス
ペース65から内側スペース66に働く。排出ポート6
3から空気リッチ成分A、非透過側排出ポート64から
燃料蒸気リッチ成分Vが放出される。排出ポート64は
冷却モジュール9に接続され、燃料蒸気が液化され燃料
タンク1に回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクからの
燃料蒸気を燃料タンクへ回収して戻す燃料蒸気回収装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等の燃料タンクから発生
する燃料蒸気の大気中への発散防止を目的として、図1
に示すような燃料蒸気回収装置が実用化されている。こ
の燃料蒸気回収装置では、例えば燃料タンク1の内部の
燃料Fの温度上昇に伴い発生した燃料蒸気(ベーパー)
を、通気経路11及び燃料蒸気流入ポート21を介して
キャニスタ2の活性炭に一時的に吸着させて貯え、その
貯蔵量がキャニスタ2の吸着容量を超えないように、エ
ンジンの吸気管4の吸入負圧を利用してコントロールバ
ルブ3を介した通気経路12により吸気管4に導入させ
ている。キャニスタ2からの燃料蒸気の脱離を更に詳細
に説明すると、キャニスタ2内の活性炭に吸着・貯蔵さ
れている燃料蒸気は、キャニスタ2の底部に接続されて
いる気体導入ポート23からキャニスタ2内部に導入さ
れる空気により、燃料蒸気排出ポート22を介してパー
ジされ、且つパージコントロールバルブ3で吸気管4へ
の導入量を制御され、エンジンの燃焼室で燃焼される。
【0003】ところが、このような燃料蒸気回収装置に
おいては、通気経路12から吸気管4への導入量は制御
されているが、これは正確に計量されていない燃料蒸気
と空気の混合気を制御することになるので、この混合気
が吸気管4の上流側で正確に計量された燃料噴射弁から
の燃料成分に付加されると、設定された空燃比による燃
焼が困難となり、エンジンの運転特性の低下や排気ガス
の成分に悪影響を与える等の問題が発生する。また、昨
今の環境問題や省資源化に対応すべく燃料消費の低減が
要求される中で、従来の希薄混合比燃焼(混合比20前
後)から、燃焼室への燃料の直接噴射による超希薄混合
比燃焼(混合比40〜50程度)を行なおうとすると、
前述のような問題が更に顕著に生じる。
【0004】かかる問題点を解決するために、キャニス
タと、膜分離モジュールと、凝縮手段を備え、膜分離モ
ジュールにより濃縮された燃料蒸気を凝縮手段により液
化して、燃料タンクに戻すことを特徴とする燃料蒸気回
収装置(特開平10−274106号公報及び特開平1
1−93784号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな提案に係る先行技術では真空ポンプが必要となると
いう課題がある。一般に、膜分離モジュールを駆動する
には、分離速度を考慮すると少なくとも300mmHg
以上の差圧が必要であるが、その差圧を得るために新た
に真空ポンプの車載が余儀なくされるのである。真空ポ
ンプは重量も重く、サイズも大きいため軽量化のニーズ
に反するほか、車載するためのレイアウトを確保するこ
とも困難である。また、要求される300mmHg以上
の差圧を得るための真空ポンプは高価であり、装置のコ
スト増につながる。更には、真空ポンプは消費電力が大
きいという課題もある。
【0006】ここで、後述する本発明者らの所見を考慮
すれば、膜分離モジュールの駆動力をエンジンが発生す
る負圧により賄うことも考えられるが、この場合は、膜
分離手段の透過側排出ポートの下流にエンジンの吸気管
を接続する必要がある。ところが、特開平10−274
106号公報や特開平11−93784号公報に記載の
燃料蒸気回収装置に用いられている膜分離モジュール
は、膜分離手段の透過側の成分が燃料成分リッチ、非透
過側の成分が空気リッチとなる燃料蒸気選択透過型の膜
分離モジュールである。従って、このように透過側の成
分が燃料蒸気成分リッチとなる上記公報記載の膜分離モ
ジュールの駆動力としてエンジン負圧を利用しようとす
れば、正確に計量されていない燃料がエンジン吸気管に
導入され、又は燃料を多く含む成分が燃焼室に入り込む
ため希薄燃焼が困難になることになってしまい、前述し
たように空燃比に影響を与え、特に希薄燃焼時に大きく
影響を受けるため、実用的な燃料蒸気回収システムとし
て成立しないことになる。
【0007】なお、特開平10−274106号公報の
図5には、膜分離手段として燃料蒸気選択透過型膜を用
いた場合でも、空気リッチ成分が排出される非透過側の
下流にエンジン吸気管を接続することにより、空燃比に
影響を与えないというエンジンの負圧を利用する実施例
が記載されているが、この実施例は、エンジンで発生し
た負圧を気体の搬送手段として利用可能なことを示して
いるに過ぎず、膜分離の駆動力は膜透過側の下流に取り
付けた真空ポンプに依存しなければならないのが実状で
ある。
【0008】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、真空ポンプの搭載を必要とせず、膜分離モジュール
からの膜透過成分をエンジンの吸気管に導入しても運転
特性や排出ガスの成分に影響を与えることがなく、発生
する燃料蒸気が多い場合であっても燃料蒸気を大気中に
放出することがない燃料蒸気回収装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、燃料タンクやキャ
ニスタからのパージにより発生した燃料蒸気を含む空気
を空気選択透過型の膜分離モジュールで分離し、その膜
分離駆動力としてエンジン負圧を用いることにより、膜
透過成分が空気のみ又は燃料蒸気量が極めて少量のガス
となり、これらがエンジン吸気管に導入されても悪影響
がなく、真空ポンプの搭載も必要とされないことを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の燃料蒸気回収装置は、燃料
タンクからの燃料蒸気を導入する流入ポートと、流入し
た燃料蒸気を吸着する吸着手段と、この吸着手段に吸着
された燃料蒸気をパージさせるための気体を導入する気
体導入ポートと、パージされた燃料蒸気を排出する排出
ポートを有するキャニスタと、上記キャニスタの排出ポ
ートから流入する燃料蒸気を空気選択透過性を有する分
離膜により空気リッチ成分と燃料蒸気リッチ成分とに分
離し、それぞれの成分を空気リッチ成分排出ポートと燃
料蒸気リッチ成分排出ポートから排出する膜分離モジュ
ールと、上記燃料蒸気パージ用の気体を導入し、且つパ
ージされた燃料蒸気を上記膜分離モジュールに供給し、
この気体導入及び燃料蒸気供給を実行する気体搬送手段
と、を備え、上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排
出ポートは、上記分離膜の透過側に配設されてエンジン
の吸気管に接続され、このエンジンが発生する負圧を膜
分離駆動力として上記膜分離モジュールが作動し、上記
膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートは、
上記分離膜の非透過側に配設されて上記燃料タンクに接
続され、上記燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃料蒸気成
分をこの燃料タンクに液化して回収する、ことを特徴と
する。
【0011】また、本発明の燃料蒸気回収装置の好適形
態は、上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポー
トと上記エンジンの吸気管との間に、一定の負圧以下に
なった時にのみ開放されるコントロールバルブを付加し
て成り、この場合、このコントロールバルブと上記膜分
離モジュールの空気リッチ成分排出ポートとの間に、チ
ャンバを付加してもよい。
【0012】更に、本発明の燃料蒸気回収装置の他の好
適形態は、上記膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポート
の上流側又は燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流側に
流量コントロールバルブを付加し、この流量コントロー
ルバルブ単独又はこの流量コントロールバルブと上記気
体搬送手段の双方によって、上記膜分離モジュールの透
過側と非透過側の流量比を0:10〜5:5の範囲内に
制御することを特徴とする。
【0013】更にまた、本発明の燃料蒸気回収装置の更
に他の好適形態は、上記キャニスタを2個以上有し、バ
ルブ制御により、それぞれのキャニスタにつき燃料蒸気
吸着と燃料蒸気脱着をスイング運転させることを特徴と
する。
【0014】また、本発明の燃料蒸気回収装置の他の好
適形態は、上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分
排出ポートと上記燃料タンクとの間に冷却モジュールを
付加し、これにより燃料蒸気成分を液化してこの燃料タ
ンクに戻すことを特徴とする。
【0015】更に、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他
の好適形態は、上記キャニスタと上記膜分離モジュール
との間に、吸着材を充填して成る吸着バッファを配置
し、上記吸着バッファの一時的吸着効果により、パージ
開始直後のキャニスタから膜分離モジュールへ供給され
るパージガスの燃料蒸気濃度を低減させ、また、パージ
ガスの燃料蒸気濃度の振れ幅を減少させ、更に、パージ
ガスを徐々にキャニスタから供給できることを特徴とす
る。
【0016】更にまた、本発明の燃料蒸気回収装置の他
の好適形態は、上記吸着バッファが、上記気体搬送手段
の上流側及び/又は下流側に設置されて成ることを特徴
とする。
【0017】また、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他
の好適形態は、上記エンジンの停止時に、上記吸着バッ
ファへの燃料蒸気の供給を回避できる手段を、該吸着バ
ッファの上流側に設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】上述の構成を有する本発明の燃料蒸気回収装置
においては、燃料タンクからの燃料蒸気はキャニスタに
導入された後、膜分離モジュールの分離膜により空気リ
ッチ成分と燃料蒸気リッチ成分とに分離される。そし
て、空気リッチ成分は、膜分離モジュールの空気リッチ
成分排出ポートから所要に応じて設置されたバルブを介
して吸気管に送出され、エンジンの燃焼室に送り込まれ
る。一方、燃料リッチ成分は、所要に応じて、冷却モジ
ュールにより液化して燃料タンクに戻したり又は燃料タ
ンク内の燃料に吸収させることにより回収される。よっ
て、実質的に燃料蒸気をエンジンへ供給して燃焼させる
ことはなく、また大気への放出も防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の燃料蒸気回収装置
について詳細に説明する。上述の如く、この燃料蒸気回
収装置は、燃料タンクからの燃料蒸気を吸着保持すると
ともに吸着した燃料蒸気をパージ用気体(代表的には空
気)によりパージして排出するキャニスタと、このキャ
ニスタからの燃料蒸気を空気リッチ成分と燃料蒸気成分
に分離する膜分離モジュールと、上記パージ用気体を導
入するとともにパージされた燃料蒸気を上記膜分離モジ
ュールへ供給する気体搬送手段と、を備える。
【0020】ここで、本発明の燃料蒸気回収装置の特徴
は、膜分離の駆動力としてエンジンの負圧を利用するこ
とにあり、500mmHg程度までの負圧であればシリ
ンダの吸入工程で比較的容易に発生させることができる
ため、このようなエンジン負圧の使用により、真空ポン
プを別途搭載する必要性が無くなるというメリットがあ
る。また、かかるエンジン負圧の使用に際しては、分離
膜の透過側をエンジン吸気管と接続する必要があるた
め、分離膜の透過側の成分が空気リッチ成分、非透過側
の成分が燃料蒸気リッチ成分となる空気選択透過型の膜
分離モジュールを用いなければ、上述の如く、正確に計
量されていない燃料がエンジン吸気管に導入されてしま
い空燃比に影響を与えることになるので、このような膜
分離モジュールを用いることも重要である。即ち、かか
る空気選択透過型の膜分離モジュールを用いれば、透過
側の成分は空気のみか又は燃料蒸気を含んでいたとして
も濃度の薄い状態となるため、負圧を利用してエンジン
の吸気管に導入したとしても空燃比に影響を与えること
が極めて少ないことになる。
【0021】上述のように、本発明では、膜分離の駆動
力としてエンジンの負圧を用いるが、このエンジン負圧
は吸入工程で発生し吸入工程以外の工程では発生しない
ため、膜分離モジュールの透過側に設けられた空気リッ
チ成分排出ポートとエンジン吸気管とを接続するガス経
路中に、一定の負圧以下になった時にのみ開放されるコ
ントロールバルブを設置して、常にエンジン負圧を膜分
離モジュールの駆動力として利用できるようにすること
が好ましい。
【0022】エンジン負圧の大きさとしては、300〜
500mmHgが好ましく、300mmHg未満では、
膜分離駆動力として十分でなく、必要とする分離速度が
得られないことがある他、分離膜を粗な構造にして速度
を稼いだとしても分離係数が低下することがある。ま
た、500mmHgを超えると、エンジンにかかる負担
が大きくなる他、別に真空ポンプを搭載しなければなら
ないことになるので好ましくない。なお、一定の負圧以
下になった時にのみ開放されるコントロールバルブと膜
分離モジュールの中間に、チャンバを設けることによ
り、エンジン負圧の変動を緩和し、膜分離モジュールに
負荷される負圧の変動を抑制することも可能である。
【0023】また、本発明の燃料蒸気回収装置では、上
述のような気体搬送手段を用いるが、ここで重要なの
は、パージ用気体のキャニスタへの導入とパージされた
燃料蒸気の膜分離モジュールへ供給を必要に応じてほぼ
常圧下において省エネルギーで実行できることであり、
この点において、加圧下や減圧下で気体の吸排を行い、
消費エネルギーが大きく、サイズや重量も大きくなりが
ちないわゆる真空ポンプの場合と異なる。かかる気体搬
送手段としては、ブロアやファン、送風機等を用いるこ
とができ、その取付位置としては、(1)キャニスタの
気体導入ポートの上流、(2)キャニスタの排出ポート
と膜分離モジュールの気体導入ポートの中間、(3)膜
分離モジュールの非透過側に設けられた燃料蒸気リッチ
成分排出ポートの下流、を例示することができ、少なく
ともこれらの1箇所に配置することにより、キャニスタ
からパージされた燃料蒸気を膜分離モジュールに導入す
ることができる。但し、(1)の位置に配置する場合、
駐車時や給油時等のエンジン停止時でブロアが作動して
いない時は、本ポートから逆流させてタンク内圧を開放
する必要があるため、ブロア内部を気体が逆流できるよ
うにする必要がある。あるいはまた、排出用バルブ付き
管路を気体導入ポートに隣接して配置し、気体導入と排
出をそれぞれ分担させるようにしてもよい。なお、この
ような場合はブロア起動時にはバルブを閉じるように制
御する。
【0024】上述した膜分離モジュールの機能を効率良
く引き出すためには、膜分離モジュールの透過側排出ポ
ート(空気リッチ成分排出ポート)の気体流量と、非透
過側排出ポート(燃料蒸気リッチ成分排出ポート)との
気体流量を調整する必要があり、本発明の燃料蒸気回収
装置においては、透過側の流量と非透過側の流量が0:
10〜5:5の範囲に入るように気体流量をコントロー
ルすることが好ましい。なお、透過側の気体流量はエン
ジンからの負圧の大きさと膜分離モジュールの透過係数
によってある程度決定されてしまうため、上記気体流量
のコントロールは、非透過側の気体流量又は膜分離モジ
ュールへの気体導入量をコントロールすることにより行
うことが望ましい。この流量コントロールは、膜分離モ
ジュールの燃料蒸気導入ポートの上流、又は膜分離モジ
ュールの非透過側の燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下
流の少なくとも1箇所に流量コントロールバルブを設置
して行ってもよいし、上記気体搬送手段の搬送能力を可
変とし、これを変化させて行っても構わない。
【0025】この燃料蒸気回収装置においては、燃料蒸
気を回収すべく、上記膜分離モジュールの非透過側に設
けられた燃料蒸気リッチ成分排出ポートが燃料タンクに
接続されるが、この中間に冷却モジュールを設置し、こ
こで燃料成分を液化した後、燃料タンクに戻して回収す
ることも可能である。この場合、冷却方法としては、エ
アコンに用いられている冷媒を用いたり、エアコンの冷
気を凝縮モジュールに送り込む方法が考えられる他、電
子冷却素子等を用いることにより燃料蒸気リッチ成分を
冷却して液化回収する方法が考えられる。一方、燃料蒸
気リッチ成分排出ポートを燃料タンクに直接接続し、燃
料蒸気を燃料タンク内の液体燃料にバブリング等により
吸収させて回収することも可能である。本発明では、特
に膜分離モジュールの非透過側の気体成分は、燃料成分
が濃縮されているものであるため、優れた吸収効率が得
られる。
【0026】また、本発明の燃料蒸気回収装置において
は、膜分離モジュールに供給される燃料蒸気の濃度が一
定濃度以上(例えば80%超が燃料蒸気の場合)となっ
たとき、必要に応じて膜分離モジュールの駆動力を停止
して全流量を非透過側だけに流す制御を行い、かかる制
御により膜分離モジュールの透過側に燃料蒸気が侵入す
ることを回避することも可能である。
【0027】なお、上述した膜分離モジュールに用いる
分離膜としては、空気選択透過性を有する限り特に限定
されるものではないが、シリカ、アルミナ、ゼオライ
ト、ZSM又はアルミノリン酸塩系モレキュラシーブ
(ALPO、SAPO、TAPO及びFAPO等)及び
これらの組合せ、又はシリコン、高分子樹脂の熱分解
炭化膜、モルデナイト膜、フェリエライト膜の単独膜若
しくは複合ハイブリット膜等、並びにととの組合せ
に係る無機系材料を含有する膜を挙げることができ、主
に比較的小さな分子サイズである窒素や酸素を含む空気
成分と比較的大きな分子サイズの炭化水素を含む燃料成
分とを分子サイズ差で分離するモレキュラシーブ型の膜
を好適に使用することができる。また、かかる分離膜の
形状としては、平膜、スパイラル膜、中空糸膜及びチュ
ーブ状の基材に上記無機系材料を表面コーティングした
ものが挙げられるが、燃料蒸気の処理量やスペース、コ
ストを考慮しながら検討すればよく、特に限定されるも
のではない。
【0028】膜分離モジュールの分離係数は、少なくと
も空気/燃料蒸気の分離比(モル比)で5以上あること
が望ましく、好ましくは20程度の分離性能を有する
と、燃料蒸気の濃度が高い場合でも透過側の燃料蒸気の
濃度を低く抑えることができるため、エンジンの運転性
能や排気性能への影響を抑制することができる。因み
に、分離係数が5、透過側流量:非透過側流量=3:7
とし、燃料蒸気が50%の濃度で膜分離モジュールに供
給されたと仮定すると、透過側の燃料蒸気の濃度は20
%以下に低減される。また、同条件で分離係数を20と
すると、透過側の燃料蒸気の濃度は5%以下に低減でき
る。なお、燃料蒸気が80%で供給されると、分離係数
5で、透過側の燃料蒸気の濃度は50%弱、分離係数2
0で、ようやく20%以下になる。このような場合は、
必要に応じて、透過側の流量を少なくしたり(例えば透
過側流量:非透過側流量=1:9とする)、又は完全に
停止したり、更には膜分離モジュールへの供給量を低減
したりして、エンジン内に高濃度の燃料蒸気が多量に導
入されないように制御することもできる。
【0029】本発明の燃料蒸気回収装置は、上述してき
たような構成を有するが、長時間駐車したり、夏季に長
時間渋滞に巻き込まれてキャニスタの負担が大きくな
り、速やかにパージする必要がある場合は、予めキャニ
スタからエンジン吸気管にバイパスを設け、発進時や加
速時等のトルクを必要とするときに積極的に燃料蒸気を
燃焼させるような制御を追加しても構わない。
【0030】また、本発明の燃料蒸気回収装置は、上記
キャニスタと上記膜分離モジュールとの間に、吸着材を
充填して成る吸着バッファを設置することができる。こ
の場合は、吸着バッファの一時的吸着効果により、パー
ジ開始直後のキャニスタから膜分離モジュールへ供給さ
れるパージガスの燃料蒸気濃度を低減させること、パー
ジガスの燃料蒸気濃度の振れ幅を減少させること、更に
はパージガスを分離膜へ徐々に供給(スローリリース)
させること、などが可能であり、膜分離モジュールの負
担を軽減できるので有効である。
【0031】更に、上記吸着バッファとしては、吸着材
を充填したカラムなどを用いることができ、かかる吸着
材としては、コストが比較的低く、単位体積が大きく、
単位重量当たりの燃料蒸気の吸着量が最も大きい活性炭
を用いることが好ましい。なお、活性炭以外にはゼオラ
イトや多孔性樹脂などを使用できる。更にまた、上記吸
着材の吸着容量は、上記キャニスタの吸着容量に対して
10〜100%の割合であることが好ましい。これより
割合が大きいとパージに時間がかかりすぎることが考え
られる。上記吸着容量が10%未満では吸着バッファの
形状が少なくなることがある。また、上記吸着バッファ
の形状は、特に限定されないが、例えばカラムを螺旋状
に巻いて必要なカラム長を確保したり、吸着材をチェッ
カードハニカム型に充填するなど、種々の工夫により吸
着バッファ内のガス滞留時間を確保することが望まし
い。
【0032】更に、上記吸着バッファは、気体搬送手段
(ブロア)の上流側及び/又は下流側に1箇又は複数個
設置できる。この条件下であれば、上記吸着バッファと
気体搬送手段との位置関係は特に限定されず、上述の吸
着バッファの設置効果が発揮され得る。
【0033】更にまた、エンジン停止時には、吸着バッ
ファより上流側の経路上に燃料蒸気回避手段を配置し
て、燃料タンクから発生する燃料蒸気が上記吸着バッフ
ァへ供給されるのを回避することが好ましい。エンジン
停止時においても燃料蒸気が吸着バッファへ供給されて
いると、燃料蒸気が吸着バッファに吸着されバッファと
しての機能を果たさなくなる、即ち、エンジン再始動時
に吸着バッファから燃料蒸気が短時間にリリースされる
ことがあるからである。上記燃料蒸気回避手段として
は、吸着バッファの入口近傍に配置する開閉弁などが例
示できる。エンジン停止時は開閉弁を閉じ、バッファへ
吸着しないように制御することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して若干の実施例
に基づいて説明する。
【0035】(実施例1)図2に、本発明の燃料蒸気回
収装置の一実施例を示す。同図に示す装置は、ガソリン
や軽油を燃料とする自動車等に設置された燃料タンクか
ら発生する燃料蒸気、又はキャニスタパージにより発生
する空気を含んだ燃料蒸気を膜分離モジュールで濃縮し
た後、燃料タンクの燃料に吸収させて回収するシステム
に用いられ、主要な構成部材として、キャニスタ2、気
体搬送手段としてのブロア5、膜分離モジュール6、エ
ンジン負圧をコントロールするための負圧コントロール
バルブ7、高濃度の燃料蒸気を液化するための冷却モジ
ュール9を備えている。
【0036】まず、これらの構成部材間の接続状態を説
明する。キャニスタ2は、容器20と、この容器20に
燃料タンク1からの燃料蒸気を導入する経路11に接続
した流入ポート21と、流入した燃料蒸気を吸着する吸
着手段の一例である活性炭に吸着された燃料蒸気をパー
ジする気体を導入する気体導入ポート23と、容器20
の内部でパージされた燃料蒸気を含む気体を排出する排
出ポート22を備えている。また、キャニスタ2の気体
導入ポート23には、気体搬送手段としてのブロア5が
接続されている。膜分離モジュール6は、キャニスタの
排出ポート22から経路12を経て流入する空気を含ん
だ燃料蒸気Vを空気リッチ成分A(燃料蒸気を殆ど含ま
ない空気)と燃料蒸気リッチ成分V(高濃度の燃料蒸
気)とに分離する。
【0037】図3は、本実施例の装置で用いられる膜分
離モジュールの一例を示す横断面図及び縦断面図であ
る。この膜分離モジュール6では、例えば管状の多孔質
基材に分離膜67をコーティングし、得られた管状分離
膜67にスペーサとしてのOリング68を装着してモジ
ュールケース61に収容することにより、外側スペース
65と内側スペース66が形成されており、このモジュ
ールはほぼ2重管の構造を有している。また、燃料蒸気
導入ポート62が外側スペース65に接続され、透過側
気体排出ポート(空気リッチ成分排出ポート)63が内
側スペース66に接続されており、透過側気体排出ポー
ト63は経路15を介して吸気管4に接続している(図
2参照)。従って、この膜分離モジュール6において
は、エンジンの負圧による駆動力は、気体が外側スペー
ス65から内側スペース66に流れるように働く。
【0038】ここで、分離膜67としては、上述の如
く、各種モレキュラシーブ、シリコン、熱分解炭化膜、
モルデナイト膜やフェリエライト膜の単独又は複合ハイ
ブリット膜等の無機材料系のものが使用されており、主
に比較的小さな分子サイズである窒素や酸素を含む空気
成分が該分離膜を選択的に透過し易い状態となってい
る。従って、この膜分離モジュール6の透過側排出ポー
ト63からは空気リッチ成分A、非透過側排出ポート
(燃料蒸気リッチ成分排出ポート)64からは燃料蒸気
リッチ成分Vが放出される。
【0039】燃料蒸気リッチ成分Vが放出される非透過
側排出ポート64は、冷却モジュール9に接続されてい
て、その一部が液化され燃料タンク1に回収できるよう
に経路17が配設されている。かかる冷却モジュール9
としては、エアコンに用いられている冷媒をモジュール
容器中に蛇管状に導入して熱交換させたり、エアコン冷
気を冷却モジュールに送り込んだり、電子冷却素子によ
り冷却する形式のモジュールが使用可能である。
【0040】一方、空気リッチ成分Aが放出される透過
側排出ポート63は、エンジンの吸気管4に接続されて
おり、エンジンの吸入工程で発生する負圧を膜分離駆動
力として利用できる構成となっている。また、本実施例
の装置においては、膜分離モジュール6の透過側排出ポ
ート63と吸気管4との間に負圧コントロールバルブ7
が配置されており、膜分離駆動力の差圧が約300〜5
00mmHgになるように制御されている。なお、負圧
コントロールバルブ7は、エンジンの吸入工程と連動さ
せて一定負圧以下になったときのみ開放するように制御
することができる。また、負圧の変動を緩和するため
に、負圧コントロールバルブ7と膜分離モジュールの透
過側排出ポート63の中間に負圧チャンバ8を設けても
よい。
【0041】このような構成を備えた燃料蒸気回収装置
の作用を、図4に示したフローチャートに基づき説明す
る。まず、イグニッション(Ig)スイッチOFF、即
ちエンジンが停止状態で燃料蒸気が発生する現象である
が、これは主に駐車中に燃料タンク1内部の燃料温度が
上昇した場合や給油時に発生する。燃料タンク1内で発
生した燃料蒸気は、キャニスタ2の流入ポート21を経
由してキャニスタ2内の吸着材に吸着される。燃料蒸気
発生により上昇したタンク内圧は、キャニスタの気体導
入ポート23を逆流して大気開放される。この場合、図
示したフローチャートではIgスイッチ読み取り(ステ
ップ1(以下、「S1」などと略す))でONかどうか
判断する(S2)とNOとなり、このフローチャートの
ルーチンは終了となる。
【0042】次に、エンジンを始動してキャニスタ2に
吸着された燃料蒸気を回収する方法について説明する。
エンジンが始動(イグニションIgスイッチON)する
とIgスイッチ判断でYESとなり(S2)、気体搬送
手段であるブロア5が始動し(S3)、大気中の空気を
気体導入ポート23から所定の流量でキャニスタ2に送
り込む。キャニスタ2内部の吸着材に吸着された燃料蒸
気は、脱離を開始し気体排出ポート22から経路12を
通り膜分離モジュール6の気体導入ポート62へ送られ
る。
【0043】続いてパージされた燃料蒸気を含んだガス
の濃度判定を行なう(S4)。この濃度判定は、膜分離
モジュール6の上流工程として燃料蒸気センサを配置し
て感知することによって行っても構わないし、車両実験
等による経験則から予測制御しても構わない。そして、
ステップ5において燃料蒸気濃度をチェックするが、燃
料蒸気濃度が80%を超える場合は、エンジンの負圧は
OFFとし、全成分が膜分離モジュール6の非透過側排
出ポート64から排出されるようにして、全成分を冷却
モジュール9に送り込み液化回収を開始し(S6)、フ
ローチャートのルーチンを終了させる。80%を超える
ときに膜分離モジュール6による分離を行なわないの
は、80%超であれば冷却のみで燃料の液化回収が可能
だからである。また、80%超では、透過する空気量が
少なくなるため膜分離モジュール6の負担も大きくなる
からである。
【0044】一方、燃料蒸気の濃度が1〜80%の場合
は、エンジン負圧をONとして膜分離モジュール6を稼
動させ、冷却モジュール9もONとする(S7)。これ
により、膜分離モジュール6では分離が開始され、濃縮
された燃料成分は、非透過側排出ポート64から経路1
6を経て冷却モジュール9に送り込まれ、液化された
後、燃料タンク1へ戻って回収されるようになり、フロ
ーチャートのルーチンが終了する。この際、膜分離モジ
ュール6の透過側は空気成分のみか空気成分リッチとな
り、膜分離モジュール6の駆動力として負圧を利用して
も、燃料蒸気がエンジンの吸気管4へ送り込まれること
がほとんど無くなり、空燃比に影響を与えることはな
い。
【0045】以上のルーチンを繰り返していると、環境
や運転条件によっては燃料蒸気濃度が1%未満となる場
合も考えられるが、このような場合はパージの必要が無
いか、又はパージが終了したと判断し、ブロア5をOF
Fにする他、エンジン負圧と冷却モジュールがONの場
合はOFFとし、回収作業を停止する(S8)。停止す
る理由は、回収の必要性がないときに余計なエネルギを
消費させないようにし、燃費の低下を防ぐためである。
次に、時間経過判断を行なう(S9)。ブロア5がOF
Fとなってからの時間を計測し、一定時間が経過したら
フローチャートのルーチンを終了させる。ここで時間経
過判断を行なう理由は、頻繁なブロアのON・OFFや
濃度チェックを避けるためである。本実施例では5分経
過した後にルーチンを終了させている(S10)。この
時間は特に限定されないが、あまり長時間に設定する
と、回収を停止している間にキャニスタに大量の燃料蒸
気が吸着されてしまうことも考えられるので好ましくな
い。
【0046】上述したフローチャートに基づく処理によ
り、エンジンが始動されている場合は、これらサイクル
を繰り返すことによって徐々にキャニスタに貯えられて
いる燃料蒸気がパージされることになり、給油や長時間
駐車にも適切に対処できることになる。また、本実施例
では長くても5分毎に濃度チェックを行なうため、運転
状況や環境変化による燃料蒸気の発生量に変動があった
としても、速やかにその状況に適した回収方法を選択し
て燃料蒸気を回収することが可能である。
【0047】(実施例2)図5は、本発明の燃料蒸気回
収装置の他の実施例を示す断面図であり、本実施例の装
置は、気体搬送手段であるブロア5を膜分離モジュール
6の上流(キャニスタの排出ポート22と膜分離モジュ
ールの導入ポート62の中間)に配置した以外は、実施
例1の装置と同様の構成を有する。
【0048】以下、本実施例の装置の作用を説明する。
まず、燃料蒸気が発生する現象は実施例1の場合と同様
である。次に、エンジンを始動してキャニスタ2に吸着
された燃料蒸気を回収する方法を説明する。エンジンが
始動すると同時に、気体搬送手段であるブロア5が始動
する。ブロア5が始動すると、キャニスタの排出ポート
22から所定の流量で吸引が行われるため、気体導入ポ
ート23からキャニスタ内に空気が吹き込まれるように
なる。空気が吹き込まれると、キャニスタ2内部の活性
炭に吸着された燃料蒸気がパージされることになり、燃
料蒸気は経路12を通り膜分離モジュール6へ流入す
る。なお、膜分離モジュール6での作用と回収の作用
は、実施例1の場合と同様である。
【0049】(実施例3)図6は、本発明の燃料蒸気回
収装置の更に他の実施例を示しており、本実施例の装置
は、気体搬送手段であるブロア5を膜分離モジュール6
の下流(膜分離モジュールの非透過側排出ポート64と
接続されている燃料タンク1との中間)に配置した以外
は、実施例1の装置と同様の構成を有する。
【0050】燃料蒸気が発生する現象は実施例1の場合
と同様であり、エンジンを始動してキャニスタに吸着さ
れた燃料蒸気を回収する方法については、以下の通りで
ある。エンジンが始動すると同時に気体搬送手段である
ブロア5が始動する。ブロア5が始動すると、膜分離モ
ジュール6の非透過側の排出ポート64から所定の流量
で吸引が実施されるため、キャニスタの気体排出ポート
22が吸引されることになり、気体導入ポート23から
空気が吹き込まれるようになる。空気が吹き込まれる
と、キャニスタ2内部の活性炭に吸着された燃料蒸気が
パージされることになり、経路12を通り膜分離モジュ
ール6へと流入する。膜分離モジュール6での作用と回
収の作用は実施例1及び実施例2の場合と同様である。
【0051】(実施例4)図7は、本発明の燃料蒸気回
収装置の他の実施例を示しており、本実施例の装置は、
実施例1の装置と異なり、冷却モジュールを備えておら
ず、燃料蒸気は燃料タンク1内の燃料に吸収させて回収
する。
【0052】燃料蒸気が発生する現象は実施例1の場合
と同様であり、エンジンを始動してキャニスタに吸着さ
れた燃料蒸気を回収する方法については、以下の通りで
ある。エンジンが始動すると同時に、気体搬送手段であ
るブロア5が作動する。ブロア5が作動すると、キャニ
スタ2内部の活性炭に吸着された燃料蒸気はパージされ
るため、経路12を通り膜分離モジュール6へと流入す
る。膜分離モジュール6では、実施例1と同様な処理が
行なわれる。燃料成分は、非透過側排出ポート64から
経路18を経て燃料タンク1に直接送り込まれ、燃料タ
ンク1内の液体燃料中にバブリングすることなどによっ
て吸収が行われ、回収される。燃料蒸気は、膜分離モジ
ュール6により濃縮されているため、膜分離モジュール
6を用いない場合と異なり効率的に吸収させて回収する
ことが可能である。
【0053】なお、パージされた燃料蒸気の濃度が高濃
度である場合は、実施例1と同様にエンジンの負圧をO
FFとして膜分離モジュール6の駆動を停止し、全成分
を非透過側排出ポート64から排出させるようにして、
燃料タンク1に直接送り込み回収することができる。こ
の判断は、膜分離モジュール6の上流に燃料蒸気センサ
を配置し、濃度を感知して行っても構わないし、車両実
験等による経験則から予測制御しても構わない。また、
処理のサイクルの判断は実施例1と同様に行なうことが
できる。
【0054】(実施例5)本例では、長時間駐車した
り、夏期に長時間渋滞に巻き込まれてキャニスタ2NO
負担が大きく、速やかにパージ可能とするためバイパス
を設けた場合(図88)について説明する。基本的な各
構成部材の接続は実施例1で示した図2の場合と同様で
あるが、図8では、経路16の途中に設けられた3方バ
ルブ51を介してバイパス19が吸気管4に接続されて
いる点が異なっている。制御の一例としては、エンジン
の回転数が所定回転以上(2000rpm以上)であっ
たり、エアコンがONの状態でトルクが大きいときは、
三方バルブ51をバイパス側に開き、吸気管4にキャニ
スタからの燃料蒸気を供給して燃焼させる。一方、エン
ジンの回転数が2000rpm以下であったり、又は一
定速度の巡航などでトルクが小さいときは3方バルブ5
1を冷却モジュール9側に開き、燃料タンクへ回収する
ようにする。このような制御を行うことにより、エンジ
ンの安定性や排気ガス成分の悪化を引き起こさない所定
回転以上又はトルクを必要とする条件下(エアコンON
状態)では、積極的に燃料蒸気を燃焼させることで、キ
ャニスタ2の脱離を促進させることも可能である。
【0055】バイパスを追加した場合の作用を図12に
示したフローチャートに基づき説明する。エンジンへの
パージを速やかに行う本実施例では、IgスイッチON
の後、エンジンの回転数チェックを行う。エンジンの回
転数が2000回転未満の場合は、3方バルブ回収側の
経路に接続する。以後、実施例1と同様に気体搬送用ブ
ロアをONとするS3工程に入り、キャニスタからのガ
スを回収モジュールに送り込み、実施例1と同様の処理
をする。エンジンの回転数が2000回転超の場合は、
3方バルブをバイパス側に接続し、燃料蒸気を吸気管に
送り込み、燃焼により速やかな燃料蒸気の処理をできる
ようにし、フローチャートのルーチンを終了させる。こ
こではエンジン回転数をトリガとしたが、エアコンのO
N・OFFやトルクを判断の指標としても構わないし、
エンジンの回転数は必要に応じて変えても構わない。ま
た、各トリガを組み合わせて判断しても構わない。
【0056】(実施例6)図9及び図10は、本発明の
燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を示しており、本実
施例の装置は、2つのキャニスタ2Aと2Bを有する以
外は実施例1の装置と同様の構成を有する。本実施例
は、燃料蒸気吸着と燃料蒸気脱着をバルブ制御によりス
イング運転とし、吸着工程と脱着工程をそれぞれのキャ
ニスタに分担させながら実施して燃料蒸気を回収する例
を示す。
【0057】まず、図9の装置における構成部材間の接
続状態を説明する。2つのキャニスタ2A及び2Bは、
それぞれの容器に燃料タンク1からの燃料蒸気を導入す
る経路に接続した流入ポート21A及び21Bと、各キ
ャニスタ内の吸着材に吸着された燃料蒸気をパージさせ
るための気体を導入する気体導入ポート23A及び23
Bを備えている。また、本実施例では、燃料蒸気の吸着
と脱着をスイング運転で行うため、流入ポート21A及
び21Bと気体導入ポート23A及び23Bの直前に、
それぞれクロス四方バルブ31及び32が設けられてお
り、それぞれを切り替えることによって燃料蒸気を吸着
させたり脱着させたりする。
【0058】このような構成を備えた燃料蒸気回収装置
の作用を、図11に示したフローチャートに基づき説明
する。まず、イグニッションIgスイッチOFF、即ち
エンジンが停止している状態で燃料蒸気が発生する場合
であるが、本実施例では2つのキャニスタをスイング運
転させながら用いるので、ここでは図9に示すように、
燃料蒸気がクロス四方バルブ31を介してキャニスタ2
Aに吸着されるようにセットされている状態から説明す
る。図9に示すようにバルブがセットされている場合、
燃料タンク1で発生した燃料蒸気は、クロス四方バルブ
31を介して流入ポート21Aを経由し、キャニスタ2
A内の吸着材に吸着される。この際、タンク内圧は気体
導入ポート23Aからクロス四方バルブ32を介して管
路41から大気中に開放される。また、この場合、図1
1に示したフローチャートでは、Igスイッチ読み取り
(S11)でONかどうか判断すると(S12)NOと
なり、フローチャートのルーチンは終了となる。
【0059】次に、エンジンを始動してキャニスタに吸
着された燃料蒸気を回収する方法について説明する。エ
ンジンが始動(イグニションIgスイッチON)する
と、Igスイッチ判断でYESとなり(S12)、ブロ
アがOFFかどうか判断し(S13)、まず最初にブロ
ア5を起動させる(S14)。続いてクロス四方バルブ
の切替え判断を行う(S15)。バルブ切替えから5分
以上経過しているか否か判断し(S16)、経過してい
ればクロス四方バルブを切替える(S17)。5分とい
う時間はエンジン始動中のスイングサイクルタイムを表
しており、スイング吸脱着が5分後毎に繰り返されるこ
とを意味している。なお、ここでの説明は、長時間駐車
してキャニスタ2Aに燃料蒸気が吸着されていた状況を
想定したものである。かかる状況では、直前にクロス四
方バルブが切替えられてから5分以上経過していると判
断し、クロス四方バルブを切替える。
【0060】クロス四方バルブを切替えると、図10に
示すようにガスが流れるようになる。ブロア5から供給
された大気中の空気は、所定の流量でクロス四方バルブ
32を介して気体導入ポート23Aを経由し、キャニス
タ2Aに送り込まれる。キャニスタ2Aの内部の吸着材
に吸着された燃料蒸気は、脱離を開始し、気体排出ポー
ト21Aを経由した後、クロス四方バルブ31を経由し
て膜分離モジュール6の気体導入ポート62へ送られ
る。一方、エンジン始動中に燃料タンクから発生する燃
料蒸気は、クロス四方バルブ31を経由して、燃料蒸気
流入ポート21Bからキャニスタ2B内の吸着材に吸着
される。蒸気発生により上昇したタンク内圧は、気体導
入ポート23Bを逆流し、クロス四方バルブ32を経由
して管路41から大気に開放されることになる。
【0061】続いてパージされた燃料蒸気を含んだガス
の濃度判定を行なう(S18)。この濃度判定は、膜分
離モジュール6の上流工程として燃料蒸気センサを配置
して感知することにより行っても構わないし、車両実験
等による経験則から予測制御しても構わない。ステップ
19において、燃料蒸気の濃度が80%を超える場合
は、エンジンの負圧はOFFとし、全成分が膜分離モジ
ュールの非透過側排出ポート64から排出されるように
して、全成分を冷却モジュール9に送り込み液化回収を
開始し(S20)、フローチャートのルーチンを終了さ
せる。濃度が80%超のときに膜分離モジュールによる
分離を行なわないのは、80%超であれば冷却のみで液
化回収が可能だからである。また、80%超では透過す
る空気量が少なくなるため膜分離モジュールの負担も大
きくなるからである。
【0062】一方、燃料蒸気の濃度が5〜80%の場合
は、エンジン負圧をONとして膜分離モジュール6を稼
動させ、冷却モジュール9もONとする(S21)。こ
れにより、膜分離モジュール6では分離が開始され、濃
縮された燃料成分は、非透過側排出ポート64から経路
を経て冷却モジュール9に送り込まれ、液化された後、
燃料タンク1へ戻って回収されるようになり、フローチ
ャートのルーチンが終了する。
【0063】また、以上のルーチンを繰り返していると
環境や運転条件によっては燃料蒸気濃度が5%未満とな
る場合も考えられるが、このような場合は、パージの必
要が無いか又はパージが終了したと判断し、クロス四方
バルブを切替えて(S22)再び濃度判定を行なう(S
23)。なお、実施例1〜4では1%未満をパージ終了
と判断したが、2個のキャニスタを有しスイング運転す
る本実施例では、5分毎にパージされたキャニスタに切
替えることができるため、容量的にも余裕が得られるこ
とになるので5%で判断することとした(S24)。
【0064】バルブを切替えると図9のようにガスは流
れる。即ちキャニスタ2Bの燃料蒸気は膜分離モジュー
ル6に供給され、一方、燃料タンク1の蒸気はキャニス
タ2Aに吸着される。キャニスタ2Bに燃料蒸気が吸着
されていると、膜分離モジュール6に供給される燃料蒸
気の濃度が上昇する。このとき、5%以上の場合は一旦
フローチャートのルーチンを終了させてキャニスタ2B
の脱着をスタートから開始する。一方、切替え後も5%
未満の濃度が続くときはキャニスタ2A、2B共に燃料
蒸気の吸着量が少ないと判断し、冷却モジュール、エン
ジン負圧、ブロア共にOFFとして(S25)、燃料蒸
気回収を停止する。停止する理由は、回収の必要性がな
いときに余計なエネルギを消費させないようにして、燃
費の低下を防ぐためである。その後5分の時間が経過し
たら(S26、S27)、フローチャートのルーチンを
終了させる。
【0065】上述したフローチャートに基づく処理によ
り、エンジンが始動されている場合はこれらサイクルを
繰り返すことによって徐々にキャニスタに貯えられてい
る燃料蒸気がパージされることになり、給油や長時間駐
車に備えることが可能になる。また、本実施例では長く
ても5分毎に濃度チェックを行なうため、運転状況や環
境変化による燃料蒸気の発生量に変動があったとして
も、速やかにその状況に適した回収方法を選択して回収
することが可能である。なお、膜分離モジュールに送り
込まれてからの処理方法は、実施例1〜4と同じように
行うことが可能である。
【0066】また、本実施例では、吸着と脱着を別々の
キャニスタで行なうことができるため、特にエンジン始
動中の夏季の渋滞時等において、タンク内からの燃料蒸
気の発生が多いときでも、実施例1〜4の場合と異なり
脱着工程に影響を与えることがなく、しかも膜分離モジ
ュールへ高濃度の燃料蒸気が供給されることも無くなる
ため、膜分離モジュールでの負担が軽減されるというメ
リットがある。更に、エバポ排出規制が強化されたり、
長時間駐車によってキャニスタの容量が足りなくなった
場合には、エンジン停止時でもクロス四方バルブを一定
時間毎に切替える制御を加えれば、2つのキャニスタに
均等に吸着させることもできる。この場合は、エンジン
停止中に発生する燃料蒸気の吸着容量として2Aと2B
の2つ分の容量を計算に入れることが可能である。但
し、余り頻繁なバルブ切替えはバッテリの消費になるた
め好ましくない。本実施例では、ブロア5をクロス四方
バルブ32に配置したが、実施例2及び3で示したよう
に、膜分離モジュールの供給側の上流や非透過側の下流
のどちらかに配置することも可能である。
【0067】(実施例7)図13は、本発明の燃料蒸気
回収装置の他の実施例を示しており、本実施例の装置
は、気体搬送手段であるブロア5を膜分離モジュール6
の上流(キャニスタの排出ポート22と膜分離モジュー
ルの導入ポート62の中間)に配置し、キャニスタ2と
膜分離モジュール6を結ぶ経路の中間にカラム状の吸着
バッファ10を設けた以外は実施例1と同様の構成を有
する。なお、吸着バッファ10の吸着材としては、活性
炭を用いた。
【0068】本例では、キャニスタ内の活性炭にブタン
ガスを飽和状態まで吸着させた後、ブロア5を用いてパ
ージを開始したときのパージガス濃度時間依存性を測定
し、吸着バッファの有無や吸着バッファの大きさ違い
で、膜分離モジュール6へ供給される燃料蒸気濃度がど
のように変化するかを比較した。この結果を図14に示
す。
【0069】図14に示すように、吸着バッファが無い
装置(図14−)では、パージによる脱離開始直後は
燃料蒸気濃度の高い状態でパージされて、時間と共に濃
度が低下しているのが分かる。特に、図示されてない
が、パージ開始直後約3分までは80%以上の濃度を示
している。一方、0.5Lタイプの吸着バッファAを取
り付けた装置(図14−)では、パージ開始直後から
徐々に燃料蒸気濃度が上昇し、5分後に最大値を示し、
その後また徐々に濃度が低下していることがわかる。ま
た、1.0Lタイプの吸着バッファBを取り付けた装置
(図14−)では、10分後に最大濃度を示した後、
徐々に濃度が低下していることがわかる。以上の結果よ
り、吸着バッファを設置すると、パージ直後に発生する
高濃度の燃料蒸気を低濃度に落とし、更に燃料蒸気をス
ローリリースさせながら膜分離モジュールに供給できる
ため、膜分離処理の負担が緩和できる他、複雑な制御を
避けることができ、また濃度を判別するためのセンサー
等の必要性もなくなるというメリットがある。更なる効
果として、スローリリースさせることにより、冷却モジ
ュールの冷却時間を見込むことができる。冷却モジュー
ルを冷やすのにある程度の時間を必要とするか、スロー
リリースさせて最大濃度となる時間を遅らせることによ
り、液化回収効率も向上できる。
【0070】以上、本発明を若干の好適実施例により詳
細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形
が可能である。
【0071】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、燃料タンクやキャニスタからのパージにより発生し
た燃料蒸気を含む空気を空気選択透過型の膜分離モジュ
ールで分離し、その膜分離駆動力としてエンジン負圧を
用いることとしたため、真空ポンプの搭載を必要とせ
ず、膜分離モジュールからの膜透過成分をエンジンの吸
気管に導入しても運転特性や排出ガスの成分に影響を与
えることがなく、発生する燃料蒸気が多い場合であって
も燃料蒸気を大気中に放出することがない燃料蒸気回収
装置を提供することができる。
【0072】即ち、燃料タンクやキャニスタからのパー
ジガスに含まれる燃料蒸気を膜分離モジュールで濃縮す
るため、燃料蒸気を効率よく回収できる。また、エンジ
ンの負圧を膜分離の駆動として利用できるため、重量的
にも重く、消費電力コストも大きく、コストの高い真空
ポンプを新たに搭載する必要がないというメリットがあ
る。更に、膜分離モジュールとしては、空気選択透過型
の分離膜を用いるため、エンジン負圧を膜分離駆動力と
して利用しても、エンジン吸気管に送り込まれる成分は
空気リッチであり、エンジンの運転性能や排気性能に影
響を与えることが無いというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の燃料蒸気回収装置の一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の燃料蒸気回収装置の一実施例を示す断
面図である。
【図3】膜分離モジュールの一例を示す横断面図及び縦
断面図である。
【図4】図2に示した燃料蒸気回収装置の制御の一例を
示すフローチャートである。
【図5】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す
断面図である。
【図6】本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を
示す断面図である。
【図7】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す
断面図である。
【図8】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す
断面図である。
【図9】本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を
示す断面図である。
【図10】図9に示した燃料蒸気回収装置の他の状態を
示す断面図である。
【図11】図9に示した燃料蒸気回収装置の制御の一例
を示すフローチャートである。
【図12】図8に示した燃料蒸気回収装置の制御の一例
を示すフローチャートである。
【図13】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示
す断面図である。
【図14】吸着バッファによるパージガスの濃度変化時
間依存性を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2、2A、2B キャニスタ 3 パージコントロールバルブ 4 吸気管 5 気体搬送手段(ブロア) 6 膜分離モジュール 7 負圧コントロールバルブ 8 チャンバ 9 冷却モジュール 10 吸着バッファ 11〜18 経路 21 燃料蒸気導入ポート 21A、21B 流入ポート 22 燃料蒸気排出ポート 23、23A、23B 気体導入ポート 31、32 クロス四方バルブ 41 管路 51 三方バルブ 61 モジュールケース 62 燃料蒸気導入ポート 63 透過側気体排出ポート 64 非透過側気体排出ポート 65 外側スペース 66 内側スペース 67 分離膜 68 Oリング F 燃料 L 液化された燃料 V 吸収される燃料蒸気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 37/00 301 F02M 37/00 301H

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクからの燃料蒸気を導入する流
    入ポートと、流入した燃料蒸気を吸着する吸着手段と、
    この吸着手段に吸着された燃料蒸気をパージさせるため
    の気体を導入する気体導入ポートと、パージされた燃料
    蒸気を排出する排出ポートを有するキャニスタと、 上記キャニスタの排出ポートから流入する燃料蒸気を空
    気選択透過性を有する分離膜により空気リッチ成分と燃
    料蒸気リッチ成分とに分離し、それぞれの成分を空気リ
    ッチ成分排出ポートと燃料蒸気リッチ成分排出ポートか
    ら排出する膜分離モジュールと、 上記燃料蒸気パージ用の気体を導入し、且つパージされ
    た燃料蒸気を上記膜分離モジュールに供給し、この気体
    導入及び燃料蒸気供給を実行する気体搬送手段と、を備
    え、 上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートは、
    上記分離膜の透過側に配設されてエンジンの吸気管に接
    続され、このエンジンが発生する負圧を膜分離駆動力と
    して上記膜分離モジュールが作動し、 上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポート
    は、上記分離膜の非透過側に配設されて上記燃料タンク
    に接続され、上記燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃料蒸
    気成分をこの燃料タンクに液化又は液体燃料に吸収させ
    て回収する、ことを特徴とする燃料蒸気回収装置。
  2. 【請求項2】 上記気体搬送手段が、上記キャニスタの
    気体導入ポートの上流側に配置されていることを特徴と
    する請求項1記載の燃料蒸気回収装置。
  3. 【請求項3】 上記気体搬送手段が、上記キャニスタの
    排出ポートと上記膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポー
    トとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記
    載の燃料蒸気回収装置。
  4. 【請求項4】 上記気体搬送手段が、上記膜分離モジュ
    ールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流側に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸気回収
    装置。
  5. 【請求項5】 上記膜分離モジュールの空気リッチ成分
    排出ポートと上記エンジンの吸気管との間に、一定の負
    圧以下になった時にのみ開放されるコントロールバルブ
    を付加して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  6. 【請求項6】 上記コントロールバルブと上記膜分離モ
    ジュールの空気リッチ成分排出ポートとの間に、チャン
    バを付加して成ることを特徴とする請求項5記載の燃料
    蒸気回収装置。
  7. 【請求項7】 上記気体搬送手段の搬送能力が可変であ
    り、上記膜分離モジュールの透過側と非透過側の流量比
    が0:10〜5:5の範囲内に制御されることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気
    回収装置。
  8. 【請求項8】 上記膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポ
    ートの上流側又は燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流
    側に流量コントロールバルブを付加し、この流量コント
    ロールバルブ単独又はこの流量コントロールバルブと上
    記気体搬送手段の双方によって、上記膜分離モジュール
    の透過側と非透過側の流量比を0:10〜5:5の範囲
    内に制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  9. 【請求項9】 上記キャニスタを2個以上有し、バルブ
    制御により、それぞれのキャニスタにつき燃料蒸気吸着
    と燃料蒸気脱着をスイング運転させることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収
    装置。
  10. 【請求項10】 上記燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃
    料蒸気成分の液化回収を、上記燃料タンク内の液体燃料
    への吸収により行うことを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  11. 【請求項11】 上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッ
    チ成分排出ポートと上記燃料タンクとの間に冷却モジュ
    ールを付加し、これにより燃料蒸気成分を液化してこの
    燃料タンクに戻すことを特徴とする請求項1〜9のいず
    れか1つのこうに記載の燃料蒸気回収装置。
  12. 【請求項12】 上記膜分離モジュールに供給される燃
    料蒸気の濃度が一定濃度以上となったとき、この膜分離
    モジュールの駆動を停止してその全流量分を非透過側の
    上記燃料蒸気リッチ成分排出ポートに送出する制御を行
    い、燃料蒸気を液化回収することを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  13. 【請求項13】 上記膜分離モジュールの分離膜が、シ
    リカ、アルミナ、ゼオライト、ZSM及びアルミノリン
    酸塩系モレキュラシーブから成る群より選ばれた少なく
    とも1種のもの、又はシリコン、高分子樹脂の熱分解炭
    化膜、モルデナイト膜、フェリエライト膜の単独膜若し
    くは複合ハイブリット膜、及び両者の組合せであること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載
    の燃料蒸気回収装置。
  14. 【請求項14】 上記キャニスタと上記膜分離モジュー
    ルとの間に、吸着材を充填して成る吸着バッファを配置
    し、上記吸着バッファの一時的吸着効果により、パージ
    開始直後のキャニスタから膜分離モジュールへ供給され
    るパージガスの燃料蒸気濃度を低減させ、また、パージ
    ガスの燃料蒸気濃度の振れ幅を減少させ、更に、パージ
    ガスを徐々にキャニスタから供給できることを特徴とす
    る請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気
    回収装置。
  15. 【請求項15】 上記吸着材が活性炭であることを特徴
    とする請求項14記載の燃料蒸気回収装置。
  16. 【請求項16】 上記吸着バッファが、上記気体搬送手
    段の上流側及び/又は下流側に設置されて成ることを特
    徴とする請求項14又は15記載の燃料蒸気回収装置。
  17. 【請求項17】 上記吸着材の吸着容量が、上記キャニ
    スタの吸着容量に対して10〜100%の割合であるこ
    とを特徴とする請求項14〜16のいずれか1つの項に
    記載の燃料蒸気回収装置。
  18. 【請求項18】 上記エンジンの停止時に、上記吸着バ
    ッファへの燃料蒸気の供給を回避できる手段を、該吸着
    バッファの上流側に設けたことを特徴とする請求項14
    〜17のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  19. 【請求項19】 上記燃料蒸気回避手段が、上記吸着バ
    ッファの入口近傍に配置された開閉弁であることを特徴
    とする請求項18記載の燃料蒸気回収装置。
JP2000363626A 2000-02-09 2000-11-29 燃料蒸気回収装置 Expired - Fee Related JP3666645B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000363626A JP3666645B2 (ja) 2000-02-09 2000-11-29 燃料蒸気回収装置
EP01102510A EP1124053A3 (en) 2000-02-09 2001-02-05 Fuel vapor treatment system
US09/778,758 US6526950B2 (en) 2000-02-09 2001-02-08 Fuel vapor treatment system

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-32500 2000-02-09
JP2000032500 2000-02-09
JP2000363626A JP3666645B2 (ja) 2000-02-09 2000-11-29 燃料蒸気回収装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001295703A true JP2001295703A (ja) 2001-10-26
JP3666645B2 JP3666645B2 (ja) 2005-06-29

Family

ID=26585133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000363626A Expired - Fee Related JP3666645B2 (ja) 2000-02-09 2000-11-29 燃料蒸気回収装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3666645B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006198604A (ja) * 2004-12-22 2006-08-03 Mitsubishi Electric Corp ガス状炭化水素の処理・回収装置及び方法
US7261092B1 (en) 2006-04-18 2007-08-28 Honda Motor Co., Ltd. Fuel-vapor processing system
JP2010106766A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Aisan Ind Co Ltd 蒸発燃料処理装置
US8388743B2 (en) 2008-10-30 2013-03-05 Aisan Kogyo Kabyshiki Kaisha Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus incorporating the same
EP2693038A1 (en) * 2011-03-28 2014-02-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel tank system
CN117394183A (zh) * 2023-10-16 2024-01-12 武汉朗德电气有限公司 一种气体绝缘开关设备气体自动维护装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10767600B2 (en) 2016-12-22 2020-09-08 Polaris Industries Inc. Evaporative emissions control for a vehicle
US11512670B2 (en) 2019-07-03 2022-11-29 Polaris Industries Inc. Evaporative emissions control for a vehicle

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006198604A (ja) * 2004-12-22 2006-08-03 Mitsubishi Electric Corp ガス状炭化水素の処理・回収装置及び方法
JP4671772B2 (ja) * 2004-12-22 2011-04-20 三菱電機株式会社 ガス状炭化水素の処理・回収装置及び方法
US7261092B1 (en) 2006-04-18 2007-08-28 Honda Motor Co., Ltd. Fuel-vapor processing system
JP2007285234A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Honda Motor Co Ltd 燃料蒸気処理システム
JP4704266B2 (ja) * 2006-04-18 2011-06-15 本田技研工業株式会社 燃料蒸気処理システム
DE102007017547B4 (de) * 2006-04-18 2012-09-06 Honda Motor Co., Ltd. Kraftstoffdampf-Verarbeitungssystem
JP2010106766A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Aisan Ind Co Ltd 蒸発燃料処理装置
US8388743B2 (en) 2008-10-30 2013-03-05 Aisan Kogyo Kabyshiki Kaisha Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus incorporating the same
EP2693038A1 (en) * 2011-03-28 2014-02-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel tank system
EP2693038A4 (en) * 2011-03-28 2014-03-12 Toyota Motor Co Ltd FUEL SYSTEM
CN117394183A (zh) * 2023-10-16 2024-01-12 武汉朗德电气有限公司 一种气体绝缘开关设备气体自动维护装置
CN117394183B (zh) * 2023-10-16 2024-04-05 武汉朗德电气有限公司 一种气体绝缘开关设备气体自动维护装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3666645B2 (ja) 2005-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6526950B2 (en) Fuel vapor treatment system
JP3659482B2 (ja) 燃料蒸気処理装置
JP4704266B2 (ja) 燃料蒸気処理システム
US8900350B2 (en) Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus incorporating the same
US8273164B2 (en) Fuel vapor processors
JP6140224B2 (ja) 蒸発排出物制御システムからの排出物を減少させるための方法及びシステム
US11560817B2 (en) System and method for mobile carbon capture
WO2009090792A1 (ja) 車両用蒸発燃料処理装置
JP7203401B2 (ja) 二酸化炭素回収装置
JP2001295703A (ja) 燃料蒸気回収装置
JPH1193784A (ja) 燃料蒸気回収装置
US7827972B2 (en) Apparatus for controlling internal pressure of fuel tank
JP2002122046A (ja) 燃料蒸気回収装置
JP4005404B2 (ja) 蒸発燃料回収装置
US20210291109A1 (en) Co2 separation system
WO2023154174A1 (en) Non-emitting engines with oxyfuel combustion and carbon capture system
JP5020921B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JPH10274106A (ja) 燃料蒸気回収装置
JP2009197598A (ja) 蒸発燃料処理装置
JPH0681726A (ja) エンジンの蒸発燃料処理装置
CN215109214U (zh) 蒸发排放缓解系统
JP2001032752A (ja) 燃料蒸気処理装置
JP2014224472A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
JPH06147030A (ja) 燃料蒸発ガス排出抑制装置
JP2002089243A (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040506

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050215

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050317

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050330

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090415

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees