JP3666645B2 - 燃料蒸気回収装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクからの燃料蒸気を燃料タンクへ回収して戻す燃料蒸気回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両等の燃料タンクから発生する燃料蒸気の大気中への発散防止を目的として、図1に示すような燃料蒸気回収装置が実用化されている。この燃料蒸気回収装置では、例えば燃料タンク1の内部の燃料Fの温度上昇に伴い発生した燃料蒸気(ベーパー)を、通気経路11及び燃料蒸気流入ポート21を介してキャニスタ2の活性炭に一時的に吸着させて貯え、その貯蔵量がキャニスタ2の吸着容量を超えないように、エンジンの吸気管4の吸入負圧を利用してコントロールバルブ3を介した通気経路12により吸気管4に導入させている。
キャニスタ2からの燃料蒸気の脱離を更に詳細に説明すると、キャニスタ2内の活性炭に吸着・貯蔵されている燃料蒸気は、キャニスタ2の底部に接続されている気体導入ポート23からキャニスタ2内部に導入される空気により、燃料蒸気排出ポート22を介してパージされ、且つパージコントロールバルブ3で吸気管4への導入量を制御され、エンジンの燃焼室で燃焼される。
【0003】
ところが、このような燃料蒸気回収装置においては、通気経路12から吸気管4への導入量は制御されているが、これは正確に計量されていない燃料蒸気と空気の混合気を制御することになるので、この混合気が吸気管4の上流側で正確に計量された燃料噴射弁からの燃料成分に付加されると、設定された空燃比による燃焼が困難となり、エンジンの運転特性の低下や排気ガスの成分に悪影響を与える等の問題が発生する。
また、昨今の環境問題や省資源化に対応すべく燃料消費の低減が要求される中で、従来の希薄混合比燃焼(混合比20前後)から、燃焼室への燃料の直接噴射による超希薄混合比燃焼(混合比40〜50程度)を行なおうとすると、前述のような問題が更に顕著に生じる。
【0004】
かかる問題点を解決するために、キャニスタと、膜分離モジュールと、凝縮手段を備え、膜分離モジュールにより濃縮された燃料蒸気を凝縮手段により液化して、燃料タンクに戻すことを特徴とする燃料蒸気回収装置(特開平10−274106号公報及び特開平11−93784号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような提案に係る先行技術では真空ポンプが必要となるという課題がある。一般に、膜分離モジュールを駆動するには、分離速度を考慮すると少なくとも300mmHg以上の差圧が必要であるが、その差圧を得るために新たに真空ポンプの車載が余儀なくされるのである。真空ポンプは重量も重く、サイズも大きいため軽量化のニーズに反するほか、車載するためのレイアウトを確保することも困難である。また、要求される300mmHg以上の差圧を得るための真空ポンプは高価であり、装置のコスト増につながる。更には、真空ポンプは消費電力が大きいという課題もある。
【0006】
ここで、後述する本発明者らの所見を考慮すれば、膜分離モジュールの駆動力をエンジンが発生する負圧により賄うことも考えられるが、この場合は、膜分離手段の透過側排出ポートの下流にエンジンの吸気管を接続する必要がある。
ところが、特開平10−274106号公報や特開平11−93784号公報に記載の燃料蒸気回収装置に用いられている膜分離モジュールは、膜分離手段の透過側の成分が燃料成分リッチ、非透過側の成分が空気リッチとなる燃料蒸気選択透過型の膜分離モジュールである。
従って、このように透過側の成分が燃料蒸気成分リッチとなる上記公報記載の膜分離モジュールの駆動力としてエンジン負圧を利用しようとすれば、正確に計量されていない燃料がエンジン吸気管に導入され、又は燃料を多く含む成分が燃焼室に入り込むため希薄燃焼が困難になることになってしまい、前述したように空燃比に影響を与え、特に希薄燃焼時に大きく影響を受けるため、実用的な燃料蒸気回収システムとして成立しないことになる。
【0007】
なお、特開平10−274106号公報の図5には、膜分離手段として燃料蒸気選択透過型膜を用いた場合でも、空気リッチ成分が排出される非透過側の下流にエンジン吸気管を接続することにより、空燃比に影響を与えないというエンジンの負圧を利用する実施例が記載されているが、この実施例は、エンジンで発生した負圧を気体の搬送手段として利用可能なことを示しているに過ぎず、膜分離の駆動力は膜透過側の下流に取り付けた真空ポンプに依存しなければならないのが実状である。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、真空ポンプの搭載を必要とせず、膜分離モジュールからの膜透過成分をエンジンの吸気管に導入しても運転特性や排出ガスの成分に影響を与えることがなく、発生する燃料蒸気が多い場合であっても燃料蒸気を大気中に放出することがない燃料蒸気回収装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、燃料タンクやキャニスタからのパージにより発生した燃料蒸気を含む空気を空気選択透過型の膜分離モジュールで分離し、その膜分離駆動力としてエンジン負圧を用いることにより、膜透過成分が空気のみ又は燃料蒸気量が極めて少量のガスとなり、これらがエンジン吸気管に導入されても悪影響がなく、真空ポンプの搭載も必要とされないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の燃料蒸気回収装置は、燃料タンクからの燃料蒸気を導入する流入ポートと、流入した燃料蒸気を吸着する吸着手段と、この吸着手段に吸着された燃料蒸気をパージさせるための気体を導入する気体導入ポートと、パージされた燃料蒸気を排出する排出ポートを有するキャニスタと、
上記キャニスタの排出ポートから流入する燃料蒸気を空気選択透過性を有する分離膜により空気リッチ成分と燃料蒸気リッチ成分とに分離し、それぞれの成分を空気リッチ成分排出ポートと燃料蒸気リッチ成分排出ポートから排出する膜分離モジュールと、
上記燃料蒸気パージ用の気体を導入し、且つパージされた燃料蒸気を上記膜分離モジュールに供給し、この気体導入及び燃料蒸気供給を実行する気体搬送手段と、を備え、
上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートは、上記分離膜の透過側に配設されてエンジンの吸気管に接続され、このエンジンが発生する負圧を膜分離駆動力として上記膜分離モジュールが作動し、
上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートは、上記分離膜の非透過側に配設されて上記燃料タンクに接続され、上記燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃料蒸気成分を、
上記膜分離モジュールに供給される燃料蒸気の濃度が一定濃度以上となったとき、この膜分離モジュールの駆動を停止してその全流量分を非透過側の上記燃料蒸気リッチ成分排出ポートに送出する制御を行い、
この燃料タンクに液化又は液体燃料に吸収させて回収する、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の燃料蒸気回収装置の好適形態は、上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートと上記エンジンの吸気管との間に、一定の負圧以下になった時にのみ開放されるコントロールバルブを付加して成り、この場合、このコントロールバルブと上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートとの間に、チャンバを付加してもよい。
【0012】
更に、本発明の燃料蒸気回収装置の他の好適形態は、上記膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポートの上流側又は燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流側に流量コントロールバルブを付加し、この流量コントロールバルブ単独又はこの流量コントロールバルブと上記気体搬送手段の双方によって、上記膜分離モジュールの透過側と非透過側の流量比を0:10〜5:5の範囲内に制御することを特徴とする。
【0013】
更にまた、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の好適形態は、上記キャニスタを2個以上有し、バルブ制御により、それぞれのキャニスタにつき燃料蒸気吸着と燃料蒸気脱着をスイング運転させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の燃料蒸気回収装置の他の好適形態は、上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートと上記燃料タンクとの間に冷却モジュールを付加し、これにより燃料蒸気成分を液化してこの燃料タンクに戻すことを特徴とする。
【0015】
更に、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の好適形態は、上記キャニスタと上記膜分離モジュールとの間に、吸着材を充填して成る吸着バッファを配置し、
上記吸着バッファの一時的吸着効果により、パージ開始直後のキャニスタから膜分離モジュールへ供給されるパージガスの燃料蒸気濃度を低減させ、また、パージガスの燃料蒸気濃度の振れ幅を減少させ、更に、パージガスを徐々にキャニスタから供給できることを特徴とする。
【0016】
更にまた、本発明の燃料蒸気回収装置の他の好適形態は、上記吸着バッファが、上記気体搬送手段の上流側及び/又は下流側に設置されて成ることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の好適形態は、上記エンジンの停止時に、上記吸着バッファへの燃料蒸気の供給を回避できる手段を、該吸着バッファの上流側に設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】
上述の構成を有する本発明の燃料蒸気回収装置においては、燃料タンクからの燃料蒸気はキャニスタに導入された後、膜分離モジュールの分離膜により空気リッチ成分と燃料蒸気リッチ成分とに分離される。そして、空気リッチ成分は、膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートから所要に応じて設置されたバルブを介して吸気管に送出され、エンジンの燃焼室に送り込まれる。一方、燃料リッチ成分は、所要に応じて、冷却モジュールにより液化して燃料タンクに戻したり又は燃料タンク内の燃料に吸収させることにより回収される。よって、実質的に燃料蒸気をエンジンへ供給して燃焼させることはなく、また大気への放出も防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料蒸気回収装置について詳細に説明する。
上述の如く、この燃料蒸気回収装置は、燃料タンクからの燃料蒸気を吸着保持するとともに吸着した燃料蒸気をパージ用気体(代表的には空気)によりパージして排出するキャニスタと、このキャニスタからの燃料蒸気を空気リッチ成分と燃料蒸気成分に分離する膜分離モジュールと、上記パージ用気体を導入するとともにパージされた燃料蒸気を上記膜分離モジュールへ供給する気体搬送手段と、を備える。
【0020】
ここで、本発明の燃料蒸気回収装置の特徴は、膜分離の駆動力としてエンジンの負圧を利用することにあり、500mmHg程度までの負圧であればシリンダの吸入工程で比較的容易に発生させることができるため、このようなエンジン負圧の使用により、真空ポンプを別途搭載する必要性が無くなるというメリットがある。
また、かかるエンジン負圧の使用に際しては、分離膜の透過側をエンジン吸気管と接続する必要があるため、分離膜の透過側の成分が空気リッチ成分、非透過側の成分が燃料蒸気リッチ成分となる空気選択透過型の膜分離モジュールを用いなければ、上述の如く、正確に計量されていない燃料がエンジン吸気管に導入されてしまい空燃比に影響を与えることになるので、このような膜分離モジュールを用いることも重要である。
即ち、かかる空気選択透過型の膜分離モジュールを用いれば、透過側の成分は空気のみか又は燃料蒸気を含んでいたとしても濃度の薄い状態となるため、負圧を利用してエンジンの吸気管に導入したとしても空燃比に影響を与えることが極めて少ないことになる。
【0021】
上述のように、本発明では、膜分離の駆動力としてエンジンの負圧を用いるが、このエンジン負圧は吸入工程で発生し吸入工程以外の工程では発生しないため、膜分離モジュールの透過側に設けられた空気リッチ成分排出ポートとエンジン吸気管とを接続するガス経路中に、一定の負圧以下になった時にのみ開放されるコントロールバルブを設置して、常にエンジン負圧を膜分離モジュールの駆動力として利用できるようにすることが好ましい。
【0022】
エンジン負圧の大きさとしては、300〜500mmHgが好ましく、300mmHg未満では、膜分離駆動力として十分でなく、必要とする分離速度が得られないことがある他、分離膜を粗な構造にして速度を稼いだとしても分離係数が低下することがある。また、500mmHgを超えると、エンジンにかかる負担が大きくなる他、別に真空ポンプを搭載しなければならないことになるので好ましくない。
なお、一定の負圧以下になった時にのみ開放されるコントロールバルブと膜分離モジュールの中間に、チャンバを設けることにより、エンジン負圧の変動を緩和し、膜分離モジュールに負荷される負圧の変動を抑制することも可能である。
【0023】
また、本発明の燃料蒸気回収装置では、上述のような気体搬送手段を用いるが、ここで重要なのは、パージ用気体のキャニスタへの導入とパージされた燃料蒸気の膜分離モジュールへ供給を必要に応じてほぼ常圧下において省エネルギーで実行できることであり、この点において、加圧下や減圧下で気体の吸排を行い、消費エネルギーが大きく、サイズや重量も大きくなりがちないわゆる真空ポンプの場合と異なる。
かかる気体搬送手段としては、ブロアやファン、送風機等を用いることができ、その取付位置としては、(1)キャニスタの気体導入ポートの上流、(2)キャニスタの排出ポートと膜分離モジュールの気体導入ポートの中間、(3)膜分離モジュールの非透過側に設けられた燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流、を例示することができ、少なくともこれらの1箇所に配置することにより、キャニスタからパージされた燃料蒸気を膜分離モジュールに導入することができる。
但し、(1)の位置に配置する場合、駐車時や給油時等のエンジン停止時でブロアが作動していない時は、本ポートから逆流させてタンク内圧を開放する必要があるため、ブロア内部を気体が逆流できるようにする必要がある。あるいはまた、排出用バルブ付き管路を気体導入ポートに隣接して配置し、気体導入と排出をそれぞれ分担させるようにしてもよい。なお、このような場合はブロア起動時にはバルブを閉じるように制御する。
【0024】
上述した膜分離モジュールの機能を効率良く引き出すためには、膜分離モジュールの透過側排出ポート(空気リッチ成分排出ポート)の気体流量と、非透過側排出ポート(燃料蒸気リッチ成分排出ポート)との気体流量を調整する必要があり、本発明の燃料蒸気回収装置においては、透過側の流量と非透過側の流量が0:10〜5:5の範囲に入るように気体流量をコントロールすることが好ましい。
なお、透過側の気体流量はエンジンからの負圧の大きさと膜分離モジュールの透過係数によってある程度決定されてしまうため、上記気体流量のコントロールは、非透過側の気体流量又は膜分離モジュールへの気体導入量をコントロールすることにより行うことが望ましい。この流量コントロールは、膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポートの上流、又は膜分離モジュールの非透過側の燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流の少なくとも1箇所に流量コントロールバルブを設置して行ってもよいし、上記気体搬送手段の搬送能力を可変とし、これを変化させて行っても構わない。
【0025】
この燃料蒸気回収装置においては、燃料蒸気を回収すべく、上記膜分離モジュールの非透過側に設けられた燃料蒸気リッチ成分排出ポートが燃料タンクに接続されるが、この中間に冷却モジュールを設置し、ここで燃料成分を液化した後、燃料タンクに戻して回収することも可能である。
この場合、冷却方法としては、エアコンに用いられている冷媒を用いたり、エアコンの冷気を凝縮モジュールに送り込む方法が考えられる他、電子冷却素子等を用いることにより燃料蒸気リッチ成分を冷却して液化回収する方法が考えられる。
一方、燃料蒸気リッチ成分排出ポートを燃料タンクに直接接続し、燃料蒸気を燃料タンク内の液体燃料にバブリング等により吸収させて回収することも可能である。本発明では、特に膜分離モジュールの非透過側の気体成分は、燃料成分が濃縮されているものであるため、優れた吸収効率が得られる。
【0026】
また、本発明の燃料蒸気回収装置においては、膜分離モジュールに供給される燃料蒸気の濃度が一定濃度以上(例えば80%超が燃料蒸気の場合)となったとき、必要に応じて膜分離モジュールの駆動力を停止して全流量を非透過側だけに流す制御を行い、かかる制御により膜分離モジュールの透過側に燃料蒸気が侵入することを回避する。
【0027】
なお、上述した膜分離モジュールに用いる分離膜としては、空気選択透過性を有する限り特に限定されるものではないが、▲1▼シリカ、アルミナ、ゼオライト、ZSM又はアルミノリン酸塩系モレキュラシーブ(ALPO、SAPO、TAPO及びFAPO等)及びこれらの組合せ、又は▲2▼シリコン、高分子樹脂の熱分解炭化膜、モルデナイト膜、フェリエライト膜の単独膜若しくは複合ハイブリット膜等、並びに▲1▼と▲2▼との組合せに係る無機系材料を含有する膜を挙げることができ、主に比較的小さな分子サイズである窒素や酸素を含む空気成分と比較的大きな分子サイズの炭化水素を含む燃料成分とを分子サイズ差で分離するモレキュラシーブ型の膜を好適に使用することができる。
また、かかる分離膜の形状としては、平膜、スパイラル膜、中空糸膜及びチューブ状の基材に上記無機系材料を表面コーティングしたものが挙げられるが、燃料蒸気の処理量やスペース、コストを考慮しながら検討すればよく、特に限定されるものではない。
【0028】
膜分離モジュールの分離係数は、少なくとも空気/燃料蒸気の分離比(モル比)で5以上あることが望ましく、好ましくは20程度の分離性能を有すると、燃料蒸気の濃度が高い場合でも透過側の燃料蒸気の濃度を低く抑えることができるため、エンジンの運転性能や排気性能への影響を抑制することができる。
因みに、分離係数が5、透過側流量:非透過側流量=3:7とし、燃料蒸気が50%の濃度で膜分離モジュールに供給されたと仮定すると、透過側の燃料蒸気の濃度は20%以下に低減される。また、同条件で分離係数を20とすると、透過側の燃料蒸気の濃度は5%以下に低減できる。
なお、燃料蒸気が80%で供給されると、分離係数5で、透過側の燃料蒸気の濃度は50%弱、分離係数20で、ようやく20%以下になる。このような場合は、必要に応じて、透過側の流量を少なくしたり(例えば透過側流量:非透過側流量=1:9とする)、又は完全に停止したり、更には膜分離モジュールへの供給量を低減したりして、エンジン内に高濃度の燃料蒸気が多量に導入されないように制御することもできる。
【0029】
本発明の燃料蒸気回収装置は、上述してきたような構成を有するが、長時間駐車したり、夏季に長時間渋滞に巻き込まれてキャニスタの負担が大きくなり、速やかにパージする必要がある場合は、予めキャニスタからエンジン吸気管にバイパスを設け、発進時や加速時等のトルクを必要とするときに積極的に燃料蒸気を燃焼させるような制御を追加しても構わない。
【0030】
また、本発明の燃料蒸気回収装置は、上記キャニスタと上記膜分離モジュールとの間に、吸着材を充填して成る吸着バッファを設置することができる。この場合は、吸着バッファの一時的吸着効果により、パージ開始直後のキャニスタから膜分離モジュールへ供給されるパージガスの燃料蒸気濃度を低減させること、パージガスの燃料蒸気濃度の振れ幅を減少させること、更にはパージガスを分離膜へ徐々に供給(スローリリース)させること、などが可能であり、膜分離モジュールの負担を軽減できるので有効である。
【0031】
更に、上記吸着バッファとしては、吸着材を充填したカラムなどを用いることができ、かかる吸着材としては、コストが比較的低く、単位体積が大きく、単位重量当たりの燃料蒸気の吸着量が最も大きい活性炭を用いることが好ましい。なお、活性炭以外にはゼオライトや多孔性樹脂などを使用できる。
更にまた、上記吸着材の吸着容量は、上記キャニスタの吸着容量に対して10〜100%の割合であることが好ましい。これより割合が大きいとパージに時間がかかりすぎることが考えられる。上記吸着容量が10%未満では吸着バッファの形状が少なくなることがある。
また、上記吸着バッファの形状は、特に限定されないが、例えばカラムを螺旋状に巻いて必要なカラム長を確保したり、吸着材をチェッカードハニカム型に充填するなど、種々の工夫により吸着バッファ内のガス滞留時間を確保することが望ましい。
【0032】
更に、上記吸着バッファは、気体搬送手段(ブロア)の上流側及び/又は下流側に1箇又は複数個設置できる。この条件下であれば、上記吸着バッファと気体搬送手段との位置関係は特に限定されず、上述の吸着バッファの設置効果が発揮され得る。
【0033】
更にまた、エンジン停止時には、吸着バッファより上流側の経路上に燃料蒸気回避手段を配置して、燃料タンクから発生する燃料蒸気が上記吸着バッファへ供給されるのを回避することが好ましい。エンジン停止時においても燃料蒸気が吸着バッファへ供給されていると、燃料蒸気が吸着バッファに吸着されバッファとしての機能を果たさなくなる、即ち、エンジン再始動時に吸着バッファから燃料蒸気が短時間にリリースされることがあるからである。
上記燃料蒸気回避手段としては、吸着バッファの入口近傍に配置する開閉弁などが例示できる。エンジン停止時は開閉弁を閉じ、バッファへ吸着しないように制御することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を図面を参照して若干の実施例に基づいて説明する。
【0035】
(実施例1)
図2に、本発明の燃料蒸気回収装置の一実施例を示す。
同図に示す装置は、ガソリンや軽油を燃料とする自動車等に設置された燃料タンクから発生する燃料蒸気、又はキャニスタパージにより発生する空気を含んだ燃料蒸気を膜分離モジュールで濃縮した後、燃料タンクの燃料に吸収させて回収するシステムに用いられ、主要な構成部材として、キャニスタ2、気体搬送手段としてのブロア5、膜分離モジュール6、エンジン負圧をコントロールするための負圧コントロールバルブ7、高濃度の燃料蒸気を液化するための冷却モジュール9を備えている。
【0036】
まず、これらの構成部材間の接続状態を説明する。
キャニスタ2は、容器20と、この容器20に燃料タンク1からの燃料蒸気を導入する経路11に接続した流入ポート21と、流入した燃料蒸気を吸着する吸着手段の一例である活性炭に吸着された燃料蒸気をパージする気体を導入する気体導入ポート23と、容器20の内部でパージされた燃料蒸気を含む気体を排出する排出ポート22を備えている。また、キャニスタ2の気体導入ポート23には、気体搬送手段としてのブロア5が接続されている。
膜分離モジュール6は、キャニスタの排出ポート22から経路12を経て流入する空気を含んだ燃料蒸気Vを空気リッチ成分A(燃料蒸気を殆ど含まない空気)と燃料蒸気リッチ成分V(高濃度の燃料蒸気)とに分離する。
【0037】
図3は、本実施例の装置で用いられる膜分離モジュールの一例を示す横断面図及び縦断面図である。
この膜分離モジュール6では、例えば管状の多孔質基材に分離膜67をコーティングし、得られた管状分離膜67にスペーサとしてのOリング68を装着してモジュールケース61に収容することにより、外側スペース65と内側スペース66が形成されており、このモジュールはほぼ2重管の構造を有している。また、燃料蒸気導入ポート62が外側スペース65に接続され、透過側気体排出ポート(空気リッチ成分排出ポート)63が内側スペース66に接続されており、透過側気体排出ポート63は経路15を介して吸気管4に接続している(図2参照)。
従って、この膜分離モジュール6においては、エンジンの負圧による駆動力は、気体が外側スペース65から内側スペース66に流れるように働く。
【0038】
ここで、分離膜67としては、上述の如く、各種モレキュラシーブ、シリコン、熱分解炭化膜、モルデナイト膜やフェリエライト膜の単独又は複合ハイブリット膜等の無機材料系のものが使用されており、主に比較的小さな分子サイズである窒素や酸素を含む空気成分が該分離膜を選択的に透過し易い状態となっている。
従って、この膜分離モジュール6の透過側排出ポート63からは空気リッチ成分A、非透過側排出ポート(燃料蒸気リッチ成分排出ポート)64からは燃料蒸気リッチ成分Vが放出される。
【0039】
燃料蒸気リッチ成分Vが放出される非透過側排出ポート64は、冷却モジュール9に接続されていて、その一部が液化され燃料タンク1に回収できるように経路17が配設されている。
かかる冷却モジュール9としては、エアコンに用いられている冷媒をモジュール容器中に蛇管状に導入して熱交換させたり、エアコン冷気を冷却モジュールに送り込んだり、電子冷却素子により冷却する形式のモジュールが使用可能である。
【0040】
一方、空気リッチ成分Aが放出される透過側排出ポート63は、エンジンの吸気管4に接続されており、エンジンの吸入工程で発生する負圧を膜分離駆動力として利用できる構成となっている。
また、本実施例の装置においては、膜分離モジュール6の透過側排出ポート63と吸気管4との間に負圧コントロールバルブ7が配置されており、膜分離駆動力の差圧が約300〜500mmHgになるように制御されている。
なお、負圧コントロールバルブ7は、エンジンの吸入工程と連動させて一定負圧以下になったときのみ開放するように制御することができる。また、負圧の変動を緩和するために、負圧コントロールバルブ7と膜分離モジュールの透過側排出ポート63の中間に負圧チャンバ8を設けてもよい。
【0041】
このような構成を備えた燃料蒸気回収装置の作用を、図4に示したフローチャートに基づき説明する。
まず、イグニッション(Ig)スイッチOFF、即ちエンジンが停止状態で燃料蒸気が発生する現象であるが、これは主に駐車中に燃料タンク1内部の燃料温度が上昇した場合や給油時に発生する。燃料タンク1内で発生した燃料蒸気は、キャニスタ2の流入ポート21を経由してキャニスタ2内の吸着材に吸着される。
燃料蒸気発生により上昇したタンク内圧は、キャニスタの気体導入ポート23を逆流して大気開放される。この場合、図示したフローチャートではIgスイッチ読み取り(ステップ1(以下、「S1」などと略す))でONかどうか判断する(S2)とNOとなり、このフローチャートのルーチンは終了となる。
【0042】
次に、エンジンを始動してキャニスタ2に吸着された燃料蒸気を回収する方法について説明する。
エンジンが始動(イグニションIgスイッチON)するとIgスイッチ判断でYESとなり(S2)、気体搬送手段であるブロア5が始動し(S3)、大気中の空気を気体導入ポート23から所定の流量でキャニスタ2に送り込む。キャニスタ2内部の吸着材に吸着された燃料蒸気は、脱離を開始し気体排出ポート22から経路12を通り膜分離モジュール6の気体導入ポート62へ送られる。
【0043】
続いてパージされた燃料蒸気を含んだガスの濃度判定を行なう(S4)。この濃度判定は、膜分離モジュール6の上流工程として燃料蒸気センサを配置して感知することによって行っても構わないし、車両実験等による経験則から予測制御しても構わない。
そして、ステップ5において燃料蒸気濃度をチェックするが、燃料蒸気濃度が80%を超える場合は、エンジンの負圧はOFFとし、全成分が膜分離モジュール6の非透過側排出ポート64から排出されるようにして、全成分を冷却モジュール9に送り込み液化回収を開始し(S6)、フローチャートのルーチンを終了させる。
80%を超えるときに膜分離モジュール6による分離を行なわないのは、80%超であれば冷却のみで燃料の液化回収が可能だからである。また、80%超では、透過する空気量が少なくなるため膜分離モジュール6の負担も大きくなるからである。
【0044】
一方、燃料蒸気の濃度が1〜80%の場合は、エンジン負圧をONとして膜分離モジュール6を稼動させ、冷却モジュール9もONとする(S7)。
これにより、膜分離モジュール6では分離が開始され、濃縮された燃料成分は、非透過側排出ポート64から経路16を経て冷却モジュール9に送り込まれ、液化された後、燃料タンク1へ戻って回収されるようになり、フローチャートのルーチンが終了する。この際、膜分離モジュール6の透過側は空気成分のみか空気成分リッチとなり、膜分離モジュール6の駆動力として負圧を利用しても、燃料蒸気がエンジンの吸気管4へ送り込まれることがほとんど無くなり、空燃比に影響を与えることはない。
【0045】
以上のルーチンを繰り返していると、環境や運転条件によっては燃料蒸気濃度が1%未満となる場合も考えられるが、このような場合はパージの必要が無いか、又はパージが終了したと判断し、ブロア5をOFFにする他、エンジン負圧と冷却モジュールがONの場合はOFFとし、回収作業を停止する(S8)。停止する理由は、回収の必要性がないときに余計なエネルギを消費させないようにし、燃費の低下を防ぐためである。
次に、時間経過判断を行なう(S9)。ブロア5がOFFとなってからの時間を計測し、一定時間が経過したらフローチャートのルーチンを終了させる。
ここで時間経過判断を行なう理由は、頻繁なブロアのON・OFFや濃度チェックを避けるためである。本実施例では5分経過した後にルーチンを終了させている(S10)。この時間は特に限定されないが、あまり長時間に設定すると、回収を停止している間にキャニスタに大量の燃料蒸気が吸着されてしまうことも考えられるので好ましくない。
【0046】
上述したフローチャートに基づく処理により、エンジンが始動されている場合は、これらサイクルを繰り返すことによって徐々にキャニスタに貯えられている燃料蒸気がパージされることになり、給油や長時間駐車にも適切に対処できることになる。
また、本実施例では長くても5分毎に濃度チェックを行なうため、運転状況や環境変化による燃料蒸気の発生量に変動があったとしても、速やかにその状況に適した回収方法を選択して燃料蒸気を回収することが可能である。
【0047】
(実施例2)
図5は、本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す断面図であり、本実施例の装置は、気体搬送手段であるブロア5を膜分離モジュール6の上流(キャニスタの排出ポート22と膜分離モジュールの導入ポート62の中間)に配置した以外は、実施例1の装置と同様の構成を有する。
【0048】
以下、本実施例の装置の作用を説明する。
まず、燃料蒸気が発生する現象は実施例1の場合と同様である。次に、エンジンを始動してキャニスタ2に吸着された燃料蒸気を回収する方法を説明する。
エンジンが始動すると同時に、気体搬送手段であるブロア5が始動する。ブロア5が始動すると、キャニスタの排出ポート22から所定の流量で吸引が行われるため、気体導入ポート23からキャニスタ内に空気が吹き込まれるようになる。空気が吹き込まれると、キャニスタ2内部の活性炭に吸着された燃料蒸気がパージされることになり、燃料蒸気は経路12を通り膜分離モジュール6へ流入する。なお、膜分離モジュール6での作用と回収の作用は、実施例1の場合と同様である。
【0049】
(実施例3)
図6は、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を示しており、本実施例の装置は、気体搬送手段であるブロア5を膜分離モジュール6の下流(膜分離モジュールの非透過側排出ポート64と接続されている燃料タンク1との中間)に配置した以外は、実施例1の装置と同様の構成を有する。
【0050】
燃料蒸気が発生する現象は実施例1の場合と同様であり、エンジンを始動してキャニスタに吸着された燃料蒸気を回収する方法については、以下の通りである。
エンジンが始動すると同時に気体搬送手段であるブロア5が始動する。ブロア5が始動すると、膜分離モジュール6の非透過側の排出ポート64から所定の流量で吸引が実施されるため、キャニスタの気体排出ポート22が吸引されることになり、気体導入ポート23から空気が吹き込まれるようになる。空気が吹き込まれると、キャニスタ2内部の活性炭に吸着された燃料蒸気がパージされることになり、経路12を通り膜分離モジュール6へと流入する。膜分離モジュール6での作用と回収の作用は実施例1及び実施例2の場合と同様である。
【0051】
(実施例4)
図7は、本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示しており、本実施例の装置は、実施例1の装置と異なり、冷却モジュールを備えておらず、燃料蒸気は燃料タンク1内の燃料に吸収させて回収する。
【0052】
燃料蒸気が発生する現象は実施例1の場合と同様であり、エンジンを始動してキャニスタに吸着された燃料蒸気を回収する方法については、以下の通りである。
エンジンが始動すると同時に、気体搬送手段であるブロア5が作動する。ブロア5が作動すると、キャニスタ2内部の活性炭に吸着された燃料蒸気はパージされるため、経路12を通り膜分離モジュール6へと流入する。膜分離モジュール6では、実施例1と同様な処理が行なわれる。
燃料成分は、非透過側排出ポート64から経路18を経て燃料タンク1に直接送り込まれ、燃料タンク1内の液体燃料中にバブリングすることなどによって吸収が行われ、回収される。燃料蒸気は、膜分離モジュール6により濃縮されているため、膜分離モジュール6を用いない場合と異なり効率的に吸収させて回収することが可能である。
【0053】
なお、パージされた燃料蒸気の濃度が高濃度である場合は、実施例1と同様にエンジンの負圧をOFFとして膜分離モジュール6の駆動を停止し、全成分を非透過側排出ポート64から排出させるようにして、燃料タンク1に直接送り込み回収することができる。この判断は、膜分離モジュール6の上流に燃料蒸気センサを配置し、濃度を感知して行っても構わないし、車両実験等による経験則から予測制御しても構わない。また、処理のサイクルの判断は実施例1と同様に行なうことができる。
【0054】
(実施例5)
本例では、長時間駐車したり、夏期に長時間渋滞に巻き込まれてキャニスタ2NO負担が大きく、速やかにパージ可能とするためバイパスを設けた場合(図88)について説明する。
基本的な各構成部材の接続は実施例1で示した図2の場合と同様であるが、図8では、経路16の途中に設けられた3方バルブ51を介してバイパス19が吸気管4に接続されている点が異なっている。
制御の一例としては、エンジンの回転数が所定回転以上(2000rpm以上)であったり、エアコンがONの状態でトルクが大きいときは、三方バルブ51をバイパス側に開き、吸気管4にキャニスタからの燃料蒸気を供給して燃焼させる。一方、エンジンの回転数が2000rpm以下であったり、又は一定速度の巡航などでトルクが小さいときは3方バルブ51を冷却モジュール9側に開き、燃料タンクへ回収するようにする。
このような制御を行うことにより、エンジンの安定性や排気ガス成分の悪化を引き起こさない所定回転以上又はトルクを必要とする条件下(エアコンON状態)では、積極的に燃料蒸気を燃焼させることで、キャニスタ2の脱離を促進させることも可能である。
【0055】
バイパスを追加した場合の作用を図12に示したフローチャートに基づき説明する。
エンジンへのパージを速やかに行う本実施例では、IgスイッチONの後、エンジンの回転数チェックを行う。エンジンの回転数が2000回転未満の場合は、3方バルブ回収側の経路に接続する。以後、実施例1と同様に気体搬送用ブロアをONとするS3工程に入り、キャニスタからのガスを回収モジュールに送り込み、実施例1と同様の処理をする。
エンジンの回転数が2000回転超の場合は、3方バルブをバイパス側に接続し、燃料蒸気を吸気管に送り込み、燃焼により速やかな燃料蒸気の処理をできるようにし、フローチャートのルーチンを終了させる。
ここではエンジン回転数をトリガとしたが、エアコンのON・OFFやトルクを判断の指標としても構わないし、エンジンの回転数は必要に応じて変えても構わない。また、各トリガを組み合わせて判断しても構わない。
【0056】
(実施例6)
図9及び図10は、本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を示しており、本実施例の装置は、2つのキャニスタ2Aと2Bを有する以外は実施例1の装置と同様の構成を有する。本実施例は、燃料蒸気吸着と燃料蒸気脱着をバルブ制御によりスイング運転とし、吸着工程と脱着工程をそれぞれのキャニスタに分担させながら実施して燃料蒸気を回収する例を示す。
【0057】
まず、図9の装置における構成部材間の接続状態を説明する。
2つのキャニスタ2A及び2Bは、それぞれの容器に燃料タンク1からの燃料蒸気を導入する経路に接続した流入ポート21A及び21Bと、各キャニスタ内の吸着材に吸着された燃料蒸気をパージさせるための気体を導入する気体導入ポート23A及び23Bを備えている。
また、本実施例では、燃料蒸気の吸着と脱着をスイング運転で行うため、流入ポート21A及び21Bと気体導入ポート23A及び23Bの直前に、それぞれクロス四方バルブ31及び32が設けられており、それぞれを切り替えることによって燃料蒸気を吸着させたり脱着させたりする。
【0058】
このような構成を備えた燃料蒸気回収装置の作用を、図11に示したフローチャートに基づき説明する。
まず、イグニッションIgスイッチOFF、即ちエンジンが停止している状態で燃料蒸気が発生する場合であるが、本実施例では2つのキャニスタをスイング運転させながら用いるので、ここでは図9に示すように、燃料蒸気がクロス四方バルブ31を介してキャニスタ2Aに吸着されるようにセットされている状態から説明する。
図9に示すようにバルブがセットされている場合、燃料タンク1で発生した燃料蒸気は、クロス四方バルブ31を介して流入ポート21Aを経由し、キャニスタ2A内の吸着材に吸着される。この際、タンク内圧は気体導入ポート23Aからクロス四方バルブ32を介して管路41から大気中に開放される。
また、この場合、図11に示したフローチャートでは、Igスイッチ読み取り(S11)でONかどうか判断すると(S12)NOとなり、フローチャートのルーチンは終了となる。
【0059】
次に、エンジンを始動してキャニスタに吸着された燃料蒸気を回収する方法について説明する。
エンジンが始動(イグニションIgスイッチON)すると、Igスイッチ判断でYESとなり(S12)、ブロアがOFFかどうか判断し(S13)、まず最初にブロア5を起動させる(S14)。続いてクロス四方バルブの切替え判断を行う(S15)。バルブ切替えから5分以上経過しているか否か判断し(S16)、経過していればクロス四方バルブを切替える(S17)。5分という時間はエンジン始動中のスイングサイクルタイムを表しており、スイング吸脱着が5分後毎に繰り返されることを意味している。
なお、ここでの説明は、長時間駐車してキャニスタ2Aに燃料蒸気が吸着されていた状況を想定したものである。かかる状況では、直前にクロス四方バルブが切替えられてから5分以上経過していると判断し、クロス四方バルブを切替える。
【0060】
クロス四方バルブを切替えると、図10に示すようにガスが流れるようになる。ブロア5から供給された大気中の空気は、所定の流量でクロス四方バルブ32を介して気体導入ポート23Aを経由し、キャニスタ2Aに送り込まれる。キャニスタ2Aの内部の吸着材に吸着された燃料蒸気は、脱離を開始し、気体排出ポート21Aを経由した後、クロス四方バルブ31を経由して膜分離モジュール6の気体導入ポート62へ送られる。
一方、エンジン始動中に燃料タンクから発生する燃料蒸気は、クロス四方バルブ31を経由して、燃料蒸気流入ポート21Bからキャニスタ2B内の吸着材に吸着される。蒸気発生により上昇したタンク内圧は、気体導入ポート23Bを逆流し、クロス四方バルブ32を経由して管路41から大気に開放されることになる。
【0061】
続いてパージされた燃料蒸気を含んだガスの濃度判定を行なう(S18)。この濃度判定は、膜分離モジュール6の上流工程として燃料蒸気センサを配置して感知することにより行っても構わないし、車両実験等による経験則から予測制御しても構わない。
ステップ19において、燃料蒸気の濃度が80%を超える場合は、エンジンの負圧はOFFとし、全成分が膜分離モジュールの非透過側排出ポート64から排出されるようにして、全成分を冷却モジュール9に送り込み液化回収を開始し(S20)、フローチャートのルーチンを終了させる。
濃度が80%超のときに膜分離モジュールによる分離を行なわないのは、80%超であれば冷却のみで液化回収が可能だからである。また、80%超では透過する空気量が少なくなるため膜分離モジュールの負担も大きくなるからである。
【0062】
一方、燃料蒸気の濃度が5〜80%の場合は、エンジン負圧をONとして膜分離モジュール6を稼動させ、冷却モジュール9もONとする(S21)。これにより、膜分離モジュール6では分離が開始され、濃縮された燃料成分は、非透過側排出ポート64から経路を経て冷却モジュール9に送り込まれ、液化された後、燃料タンク1へ戻って回収されるようになり、フローチャートのルーチンが終了する。
【0063】
また、以上のルーチンを繰り返していると環境や運転条件によっては燃料蒸気濃度が5%未満となる場合も考えられるが、このような場合は、パージの必要が無いか又はパージが終了したと判断し、クロス四方バルブを切替えて(S22)再び濃度判定を行なう(S23)。
なお、実施例1〜4では1%未満をパージ終了と判断したが、2個のキャニスタを有しスイング運転する本実施例では、5分毎にパージされたキャニスタに切替えることができるため、容量的にも余裕が得られることになるので5%で判断することとした(S24)。
【0064】
バルブを切替えると図9のようにガスは流れる。即ちキャニスタ2Bの燃料蒸気は膜分離モジュール6に供給され、一方、燃料タンク1の蒸気はキャニスタ2Aに吸着される。キャニスタ2Bに燃料蒸気が吸着されていると、膜分離モジュール6に供給される燃料蒸気の濃度が上昇する。
このとき、5%以上の場合は一旦フローチャートのルーチンを終了させてキャニスタ2Bの脱着をスタートから開始する。一方、切替え後も5%未満の濃度が続くときはキャニスタ2A、2B共に燃料蒸気の吸着量が少ないと判断し、冷却モジュール、エンジン負圧、ブロア共にOFFとして(S25)、燃料蒸気回収を停止する。停止する理由は、回収の必要性がないときに余計なエネルギを消費させないようにして、燃費の低下を防ぐためである。その後5分の時間が経過したら(S26、S27)、フローチャートのルーチンを終了させる。
【0065】
上述したフローチャートに基づく処理により、エンジンが始動されている場合はこれらサイクルを繰り返すことによって徐々にキャニスタに貯えられている燃料蒸気がパージされることになり、給油や長時間駐車に備えることが可能になる。
また、本実施例では長くても5分毎に濃度チェックを行なうため、運転状況や環境変化による燃料蒸気の発生量に変動があったとしても、速やかにその状況に適した回収方法を選択して回収することが可能である。
なお、膜分離モジュールに送り込まれてからの処理方法は、実施例1〜4と同じように行うことが可能である。
【0066】
また、本実施例では、吸着と脱着を別々のキャニスタで行なうことができるため、特にエンジン始動中の夏季の渋滞時等において、タンク内からの燃料蒸気の発生が多いときでも、実施例1〜4の場合と異なり脱着工程に影響を与えることがなく、しかも膜分離モジュールへ高濃度の燃料蒸気が供給されることも無くなるため、膜分離モジュールでの負担が軽減されるというメリットがある。
更に、エバポ排出規制が強化されたり、長時間駐車によってキャニスタの容量が足りなくなった場合には、エンジン停止時でもクロス四方バルブを一定時間毎に切替える制御を加えれば、2つのキャニスタに均等に吸着させることもできる。
この場合は、エンジン停止中に発生する燃料蒸気の吸着容量として2Aと2Bの2つ分の容量を計算に入れることが可能である。但し、余り頻繁なバルブ切替えはバッテリの消費になるため好ましくない。
本実施例では、ブロア5をクロス四方バルブ32に配置したが、実施例2及び3で示したように、膜分離モジュールの供給側の上流や非透過側の下流のどちらかに配置することも可能である。
【0067】
(実施例7)
図13は、本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示しており、本実施例の装置は、気体搬送手段であるブロア5を膜分離モジュール6の上流(キャニスタの排出ポート22と膜分離モジュールの導入ポート62の中間)に配置し、キャニスタ2と膜分離モジュール6を結ぶ経路の中間にカラム状の吸着バッファ10を設けた以外は実施例1と同様の構成を有する。なお、吸着バッファ10の吸着材としては、活性炭を用いた。
【0068】
本例では、キャニスタ内の活性炭にブタンガスを飽和状態まで吸着させた後、ブロア5を用いてパージを開始したときのパージガス濃度時間依存性を測定し、吸着バッファの有無や吸着バッファの大きさ違いで、膜分離モジュール6へ供給される燃料蒸気濃度がどのように変化するかを比較した。この結果を図14に示す。
【0069】
図14に示すように、吸着バッファが無い装置(図14−▲1▼)では、パージによる脱離開始直後は燃料蒸気濃度の高い状態でパージされて、時間と共に濃度が低下しているのが分かる。特に、図示されてないが、パージ開始直後約3分までは80%以上の濃度を示している。
一方、0.5Lタイプの吸着バッファAを取り付けた装置(図14−▲2▼)では、パージ開始直後から徐々に燃料蒸気濃度が上昇し、5分後に最大値を示し、その後また徐々に濃度が低下していることがわかる。また、1.0Lタイプの吸着バッファBを取り付けた装置(図14−▲3▼)では、10分後に最大濃度を示した後、徐々に濃度が低下していることがわかる。
以上の結果より、吸着バッファを設置すると、パージ直後に発生する高濃度の燃料蒸気を低濃度に落とし、更に燃料蒸気をスローリリースさせながら膜分離モジュールに供給できるため、膜分離処理の負担が緩和できる他、複雑な制御を避けることができ、また濃度を判別するためのセンサー等の必要性もなくなるというメリットがある。更なる効果として、スローリリースさせることにより、冷却モジュールの冷却時間を見込むことができる。冷却モジュールを冷やすのにある程度の時間を必要とするか、スローリリースさせて最大濃度となる時間を遅らせることにより、液化回収効率も向上できる。
【0070】
以上、本発明を若干の好適実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、燃料タンクやキャニスタからのパージにより発生した燃料蒸気を含む空気を空気選択透過型の膜分離モジュールで分離し、その膜分離駆動力としてエンジン負圧を用いることとしたため、真空ポンプの搭載を必要とせず、膜分離モジュールからの膜透過成分をエンジンの吸気管に導入しても運転特性や排出ガスの成分に影響を与えることがなく、発生する燃料蒸気が多い場合であっても燃料蒸気を大気中に放出することがない燃料蒸気回収装置を提供することができる。
【0072】
即ち、燃料タンクやキャニスタからのパージガスに含まれる燃料蒸気を膜分離モジュールで濃縮するため、燃料蒸気を効率よく回収できる。また、エンジンの負圧を膜分離の駆動として利用できるため、重量的にも重く、消費電力コストも大きく、コストの高い真空ポンプを新たに搭載する必要がないというメリットがある。更に、膜分離モジュールとしては、空気選択透過型の分離膜を用いるため、エンジン負圧を膜分離駆動力として利用しても、エンジン吸気管に送り込まれる成分は空気リッチであり、エンジンの運転性能や排気性能に影響を与えることが無いというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の燃料蒸気回収装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の燃料蒸気回収装置の一実施例を示す断面図である。
【図3】膜分離モジュールの一例を示す横断面図及び縦断面図である。
【図4】図2に示した燃料蒸気回収装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の燃料蒸気回収装置の更に他の実施例を示す断面図である。
【図10】図9に示した燃料蒸気回収装置の他の状態を示す断面図である。
【図11】図9に示した燃料蒸気回収装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図12】図8に示した燃料蒸気回収装置の制御の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の燃料蒸気回収装置の他の実施例を示す断面図である。
【図14】吸着バッファによるパージガスの濃度変化時間依存性を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2、2A、2B キャニスタ
3 パージコントロールバルブ
4 吸気管
5 気体搬送手段(ブロア)
6 膜分離モジュール
7 負圧コントロールバルブ
8 チャンバ
9 冷却モジュール
10 吸着バッファ
11〜18 経路
21 燃料蒸気導入ポート
21A、21B 流入ポート
22 燃料蒸気排出ポート
23、23A、23B 気体導入ポート
31、32 クロス四方バルブ
41 管路
51 三方バルブ
61 モジュールケース
62 燃料蒸気導入ポート
63 透過側気体排出ポート
64 非透過側気体排出ポート
65 外側スペース
66 内側スペース
67 分離膜
68 Oリング
F 燃料
L 液化された燃料
V 吸収される燃料蒸気

Claims (18)

  1. 燃料タンクからの燃料蒸気を導入する流入ポートと、流入した燃料蒸気を吸着する吸着手段と、この吸着手段に吸着された燃料蒸気をパージさせるための気体を導入する気体導入ポートと、パージされた燃料蒸気を排出する排出ポートを有するキャニスタと、
    上記キャニスタの排出ポートから流入する燃料蒸気を空気選択透過性を有する分離膜により空気リッチ成分と燃料蒸気リッチ成分とに分離し、それぞれの成分を空気リッチ成分排出ポートと燃料蒸気リッチ成分排出ポートから排出する膜分離モジュールと、
    上記燃料蒸気パージ用の気体を導入し、且つパージされた燃料蒸気を上記膜分離モジュールに供給し、この気体導入及び燃料蒸気供給を実行する気体搬送手段と、を備え、
    上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートは、上記分離膜の透過側に配設されてエンジンの吸気管に接続され、このエンジンが発生する負圧を膜分離駆動力として上記膜分離モジュールが作動し、
    上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートは、上記分離膜の非透過側に配設されて上記燃料タンクに接続され、上記燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃料蒸気成分を、
    上記膜分離モジュールに供給される燃料蒸気の濃度が一定濃度以上となったとき、この膜分離モジュールの駆動を停止してその全流量分を非透過側の上記燃料蒸気リッチ成分排出ポートに送出する制御を行い、
    この燃料タンクに液化又は液体燃料に吸収させて回収する、ことを特徴とする燃料蒸気回収装置。
  2. 上記気体搬送手段が、上記キャニスタの気体導入ポートの上流側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸気回収装置。
  3. 上記気体搬送手段が、上記キャニスタの排出ポートと上記膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポートとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸気回収装置。
  4. 上記気体搬送手段が、上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料蒸気回収装置。
  5. 上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートと上記エンジンの吸気管との間に、一定の負圧以下になった時にのみ開放されるコントロールバルブを付加して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  6. 上記コントロールバルブと上記膜分離モジュールの空気リッチ成分排出ポートとの間に、チャンバを付加して成ることを特徴とする請求項5記載の燃料蒸気回収装置。
  7. 上記気体搬送手段の搬送能力が可変であり、上記膜分離モジュールの透過側と非透過側の流量比が0:10〜5:5の範囲内に制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  8. 上記膜分離モジュールの燃料蒸気導入ポートの上流側又は燃料蒸気リッチ成分排出ポートの下流側に流量コントロールバルブを付加し、この流量コントロールバルブ単独又はこの流量コントロールバルブと上記気体搬送手段の双方によって、上記膜分離モジュールの透過側と非透過側の流量比を0:10〜5:5の範囲内に制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  9. 上記キャニスタを2個以上有し、バルブ制御により、それぞれのキャニスタにつき燃料蒸気吸着と燃料蒸気脱着をスイング運転させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  10. 上記燃料蒸気リッチ成分に含まれる燃料蒸気成分の液化回収を、上記燃料タンク内の液体燃料への吸収により行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  11. 上記膜分離モジュールの燃料蒸気リッチ成分排出ポートと上記燃料タンクとの間に冷却モジュールを付加し、これにより燃料蒸気成分を液化してこの燃料タンクに戻すことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つのこうに記載の燃料蒸気回収装置。
  12. 上記膜分離モジュールの分離膜が、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ZSM及びアルミノリン酸塩系モレキュラシーブから成る群より選ばれた少なくとも1種のもの、又はシリコン、高分子樹脂の熱分解炭化膜、モルデナイト膜、フェリエライト膜の単独膜若しくは複合ハイブリット膜、及び両者の組合せであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  13. 上記キャニスタと上記膜分離モジュールとの間に、吸着材を充填して成る吸着バッファを配置し、
    上記吸着バッファの一時的吸着効果により、パージ開始直後のキャニスタから膜分離モジュールへ供給されるパージガスの燃料蒸気濃度を低減させ、また、パージガスの燃料蒸気濃度の振れ幅を減少させ、更に、パージガスを徐々にキャニスタから供給できることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  14. 上記吸着材が活性炭であることを特徴とする請求項13記載の燃料蒸気回収装置。
  15. 上記吸着バッファが、上記気体搬送手段の上流側及び/又は下流側に設置されて成ることを特徴とする請求項13又は14記載の燃料蒸気回収装置。
  16. 上記吸着材の吸着容量が、上記キャニスタの吸着容量に対して10〜100%の割合であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  17. 上記エンジンの停止時に、上記吸着バッファへの燃料蒸気の供給を回避できる手段を、該吸着バッファの上流側に設けたことを特徴とする請求項13〜16のいずれか1つの項に記載の燃料蒸気回収装置。
  18. 上記燃料蒸気回避手段が、上記吸着バッファの入口近傍に配置された開閉弁であることを特徴とする請求項17記載の燃料蒸気回収装置。
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