JP3604370B2 - ガス濃縮方法 - Google Patents

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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力スイング吸着法等を利用して、混合ガスに含まれている易吸着ガスである特定ガスを濃縮するガス濃縮方法、特に、混合ガスに含まれている微量の特定ガスを濃縮するのに適したガス濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、混合ガスに含まれている特定ガスを濃縮または分離回収する方法として、設備コストやエネルギコストの廉価な圧力スイング吸着法(PSA)や温度スイング吸着法(TSA)、さらに両者を組み合わせた圧力温度スイング吸着法(PTSA)が広く採用されるようになってきている。例えば、圧力スイング吸着法による特定ガスの濃縮または分離回収は、図3に示す圧力スイング吸着装置50を用いて行われる。
【0003】
この圧力スイング吸着装置50は、同図に示すように、難吸着ガスである特定ガス以外の易吸着ガスを吸着する吸着剤が充填された二基の吸着塔51a、51bと、混合ガスをガス供給管54を介して吸着塔51a、51bに導入するためのブロア52と、吸着塔51a、51b内の吸着剤に吸着された易吸着ガスを脱着してガス排気管55を介して廃ガスタンクT2に排出する真空ポンプ53と、吸着塔51a、51bによって分離された特定ガスを回収ガスタンクT1に導入するガス回収管56及び吸着塔51a、51bによって分離された特定ガスの一部を他方の吸着塔51b、51aに還流させるためのパージガス管57と、ガス供給管54、ガス排気管55、ガス回収管56及びパージガス管57の分岐部にそれぞれ設けられた切替バルブV1〜V8とを備えており、この切替バルブV1〜V8を適宜開閉操作することによって、ガス供給管54及びガス回収管56をいずれか一方の吸着塔51aまたは吸着塔51bに、ガス排気管55及びパージガス管57を他方の吸着塔51bまたは吸着塔51aに切り替えて接続するようになっている。なお、同図において、白抜きで示された切替バルブV1、V4、V5、V8は開状態、黒塗りで示された切替バルブV2、V3、V6、V7は閉状態であることを意味している。
【0004】
この圧力スイング吸着装置50を用いた特定ガスの濃縮または分離回収操作を一方の吸着塔51aを中心に説明する。まず、同図に示すように、切替バルブV1、V5を開き、切替バルブV3、V7を閉じることによって、ガス供給管54及びガス回収管56を一方の吸着塔51aに接続すると共に、切替バルブV4、V8を開き、切替バルブV2、V6を閉じることによって、ガス排気管55及びパージガス管57を他方の吸着塔51bに接続し、図4(a)に示すように、ブロア52によって混合ガスを吸着塔51aに導入すると、混合ガスに含まれている特定ガス以外の易吸着ガスが吸着塔51aに充填された吸着剤に吸着され、難吸着ガスである特定ガスのみが回収ガスタンクT1に導入される。
【0005】
続いて、切替バルブV4、V8を閉じ、切替バルブV2、V6を開くことによって、ガス排気管55及びパージガス管57を一方の吸着塔51aに接続すると共に、切替バルブV1、V5を閉じ、切替バルブV3、V7を開くことによって、ガス供給管54及びガス回収管56を他方の吸着塔51bに接続し、図4(b)に示すように、真空ポンプ53によって吸着塔51aを減圧しながら、このとき吸着工程にある他方の吸着塔51bから送出された特定ガスの一部をパージガスとして吸着塔51aに還流させると、先の吸着工程で一方の吸着塔51a内の吸着剤に吸着されていた特定ガス以外の易吸着ガスが吸着剤から脱着し、脱着した易吸着ガスが吸着塔51aに還流された特定ガスと共に廃ガスタンクT2に排出される。
【0006】
このように、この圧力スイング吸着装置50では、二基の吸着塔51a、51bが、図4(a)〜(d)に示すように、特定ガス以外の易吸着ガスの吸着及び脱着を交互に繰返すことによって、混合ガスに含まれている難吸着ガスである特定ガスを効率よく濃縮または分離回収することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、圧力スイング吸着法による特定ガスの濃縮または分離回収は、特定ガスが難吸着ガスである場合に有効であるが、特定ガスが易吸着ガスの場合には、必ずしも有効であるとはいえない。即ち、圧力スイング吸着法等を利用して、易吸着ガスである特定ガスを濃縮するには、吸着塔51a、51bに充填された吸着剤に特定ガスを吸着させることによって、混合ガスから特定ガスを分離することになるが、吸着剤に吸着された特定ガスを吸着剤から脱着させて回収するには、混合ガスから分離された難吸着ガスの一部をパージガスとして使用しなければならず、易吸着ガスである特定ガスのみを単独で回収することができないからである。
【0008】
ところで、上述したように、圧力スイング吸着法等を利用して、易吸着ガスである特定ガスを濃縮または分離回収する場合において、パージガスとして使用される難吸着ガスの還流量を少なくすれば、回収された特定ガスの濃度を高くすることができるが、吸着剤に吸着された特定ガスを確実に脱着させて回収するためには、パージガスの還流量をある程度確保しなければならないので、パージガスの還流量を必要最小限に抑えた状態で、回収される特定ガスをさらに高度に濃縮しようとすると、脱着工程における特定ガスの脱着量、即ち、吸着工程における特定ガスの吸着量を大きくしなければならない。
【0009】
しかしながら、吸着剤への特定ガスの吸着量を大きくするためには、脱着時における吸着塔51a、51bの内圧Pbに対する、吸着時における吸着塔51a、51bの内圧Paの圧力比(Pa/Pb)を大きくしなければならず、例えば、混合ガス中に0.1ppmしか含まれていない微量成分である特定ガスを、10%以上に濃縮しようとすると、理論上、吸着塔51a、51bの圧力比(Pa/Pb)を10万倍以上にしなければならないが、このような高い圧力比を確保するには、非常に大きなエネルギが必要になると共にエネルギロスも大きくなるので、圧力スイング吸着法等を利用した従来のガス濃縮(分離回収)方法によって、易吸着ガスを高度に濃縮することは、現実的に難しいという問題がある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、圧力スイング吸着法等を利用して、混合ガスに含まれている特定の易吸着ガスを高度に濃縮することができるガス濃縮方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、特定ガスを吸着する吸着剤が充填された吸着塔を用いて、混合ガスに含まれる前記特定ガスを濃縮するガス濃縮方法であって、前記混合ガスを、低圧及び/または高温条件下で前記吸着塔を通す脱着工程と、前記吸着塔から送出されるガスを、高圧及び/または低温条件下で前記吸着塔に再び通す吸着工程とを交互に繰り返ようにしたのである。
【0012】
以上のように、このガス濃縮方法では、混合ガスを吸着塔に通すことによって、前工程で吸着剤に吸着された特定ガスを脱着させる脱着工程と、混合ガスを通した吸着塔から送出される脱着後のガスを吸着塔に再び通すことによって、特定ガスを吸着剤に吸着させる吸着工程とを交互に繰り返すようにしたので、吸着塔から送出される脱着後のガスには、吸着剤から脱着された特定ガスに加えて、新たに吸着塔を通した混合ガス中の特定ガスが含まれているので、吸着工程における特定ガスの吸着量が、吸着塔を通した新たな混合ガスに含まれている特定ガスの分だけ、徐々に増えていくことになる。
【0013】
従って、圧力スイング吸着法等を利用した従来法のように、吸着塔の圧力比を極端に大きくしなくても、吸着塔への混合ガスの導入回数を増やすことによって、吸着塔に充填された吸着剤の能力限界まで特定ガスを吸着させることができるので、吸着塔から送出される脱着後のガス中に含まれる特定ガスの濃度、即ち、回収ガス中に含まれる特定ガスの濃度を可能な限り高くすることができ、回収される特定ガスを高度に濃縮することが可能となる。この場合、請求項2にかかる発明のガス濃縮方法のように、前記脱着工程と前記吸着工程とを交互に繰り返しながら、前記脱着工程から前記吸着工程へ移行する前に、前記混合ガスを低圧及び/または高温条件下で通した前記吸着塔から送出されるガスの一部を回収することができる。
【0014】
また、請求項にかかる発明のガス濃縮方法のように、特定ガスを吸着する吸着剤がそれぞれ充填された一対の吸着塔を用いて、混合ガスに含まれる前記特定ガスを濃縮するガス濃縮方法であって、前記混合ガスを、低圧及び/または高温条件下で一方の前記吸着塔を通した後、一方の前記吸着塔から送出されるガスを、高圧及び/または低温条件下で他方の前記吸着塔に通す第1工程と、前記混合ガスを、低圧及び/または高温条件下で他方の前記吸着塔を通した後、他方の前記吸着塔から送出されるガスを、高圧及び/または低温条件下で一方の前記吸着塔に通す第2工程とを交互に繰り返ようにしておくと、第1工程及び第2工程の双方において、濃縮された特定ガスを回収することができるので、特定ガスの回収効率が向上する。この場合、請求項5にかかる発明のガス濃縮方法のように、前記第1工程と前記第2工程とを交互に繰り返しながら、前記第1工程及び前記第2工程において、前記混合ガスを低圧及び/または高温条件下で通した一方または他方の前記吸着塔から送出されるガスの一部を回収することができる。
【0015】
また、上述したように、特定ガスを吸着する吸着剤がそれぞれ充填された一対の吸着塔を用いて、混合ガスに含まれる前記特定ガスを濃縮する場合は、請求項にかかる発明のガス濃縮方法のように、前記第1工程から前記第2工程に移行する際及び前記第2工程から前記第1工程に移行する際、直前に高圧条件下で混合ガスを通したほうの前記吸着塔におけるガスの送出口側と、直前に低圧条件下で混合ガスを通したほうの前記吸着塔とを相互に連通させることによって、双方の前記吸着塔を均圧化するようにしておくと、次工程に移行する前に、一旦吸着剤に吸着された特定ガスが脱着することを防止すると共に吸着塔内における特定ガスの吸着分布を維持しつつ、次工程で吸着塔を加圧または減圧するための動力を最小限に抑えることができる。
【0016】
また、請求項にかかる発明のガス濃縮方法のように、回収されたガス中に含まれている前記特定ガスの絶対量が、前記吸着塔に導入される前記混合ガス中に含まれている前記特定ガスの絶対量を上回らないように、回収するガス量を設定しておくと、吸着剤に吸着される特定ガスの絶対量が減少することがないので、回収されるガス中に含まれる特定ガスの濃度低下を防止することができ、高度に濃縮された特定ガスを安定した状態で継続的に確実に回収することができる。
【0017】
また、請求項にかかる発明のガス濃縮方法のように、前記吸着剤から脱着される前記特定ガスの脱着量が所定量を上回った時点から、ガスの回収を開始するようにしておくと、所定の濃度以下の特定ガスが回収されることがないので、吸着剤に吸着される特定ガスの吸着量を短時間で所定量にすることができ、所定の濃度を上回った特定ガスのみを効率よく回収することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明にかかるガス濃縮方法を実施するためのガス濃縮装置の概略構成を示している。このガス濃縮装置1は、圧力スイング吸着法(PSA)を利用して、混合ガスに含まれている微量の特定ガスを濃縮するものであり、同図に示すように、特定ガスを吸着する吸着剤が充填された二基の吸着塔11a、11bと、開閉バルブ21a、21bを逆動作させることによって、混合ガスを一方の吸着塔11a、11bに導入するガス供給管12と、開閉バルブ22a、22b及び開閉バルブ23a、23bをそれぞれ逆動作させることによって、混合ガスが導入された一方の吸着塔11a、11bから送出されるガスの全部または大部分を、混合ガスが導入されなかった他方の吸着塔11b、11aに導入するためのガス送出管13と、開閉バルブ26を開くことによって、混合ガスが導入された一方の吸着塔11a、11bから送出されるガスの一部を濃縮ガスタンク31に導入する、ガス送出管13に接続されたガス回収管14と、開閉バルブ24a、24bを逆動作させることによって、他方の吸着塔11b、11aから送出されるガスを廃ガスタンク32に排出するガス排気管15と、二基の吸着塔11a、11bを、ガス供給管12及びガス排気管15の接続端側で相互に接続する、開閉バルブ25を有する均圧管16と、ガス送出管13に設置された真空ポンプ41と、吸着塔11a、11bの内圧を調整するために、ガス供給管12、ガス回収管14及びガス排気管15にそれぞれ設けられたニードルバルブ42、43、44とを備えている。
【0019】
なお、同図において、白抜きで示された開閉バルブ21a、22a、23b、24bは開状態、黒塗りで示された開閉バルブ21b、22b、23a、24a、25、26は閉状態であることを意味しており、この状態から、開閉バルブ21a、21b、22a、22b、23a、23b、24a、24bを交互に逆動作させることによって、吸着塔11a、11bに対するガス供給管12、ガス送出管13及びガス排気管15の接続状態を切り替えるようになっている。
【0020】
このガス濃縮装置1による特定ガスの濃縮操作について、図2を参照しながら説明する。まず、図1に示すように、開閉バルブ21a、22a、23b、24bを開き、開閉バルブ21b、22b、23a、24a、25、26を閉じた状態で、真空ポンプ41を起動すると、図2(a)に示すように、混合ガスが減圧条件下で吸着塔11aに導入される。なお、初期段階では、吸着塔11a内の吸着剤に特定ガスが吸着されていないので、吸着塔11aに導入された混合ガスがそのままの状態で吸着塔11aから送出されることになる。
【0021】
このようにして、吸着塔11aから送出されたガスは、加圧条件下で吸着塔11bに導入されるが、このとき開閉バルブ26は閉じられているので、吸着塔11aから送出されたガスの一部が濃縮ガスタンク31に導入されることはなく、吸着塔11aから送出されたすべてのガスが吸着塔11bに導入されることになる。このようにして吸着塔11bに導入されたガスに含まれている特定ガスは、吸着塔11b内の吸着剤に吸着され、特定ガス以外の難吸着ガスのみが廃ガスタンク32に排出される。この工程が、本発明の第1工程に相当する。
【0022】
従って、この第1工程では、例えば、供給される混合ガス中に特定ガスがaモル、特定ガス以外の難吸着ガスがbモル含まれていたとすると、aモルの特定ガスが吸着塔11b内の吸着剤に吸着され、bモルの難吸着ガスはすべて廃ガスタンク32に排出される。
【0023】
続いて、開閉バルブ21a、22a、23b、24bを閉じた後、開閉バルブ25を開いて、減圧されている吸着塔11aと、加圧されている吸着塔11bとを相互に連通させることによって、吸着塔11aと吸着塔11bとを均圧化する。
【0024】
次に、開閉バルブ21b、22b、23a、24aを開き、開閉バルブ21a、22a、23b、24b、25、26を閉じた状態で、真空ポンプ41を起動すると、図2(b)に示すように、混合ガスが減圧条件下で吸着塔11bに導入される。吸着塔11b内の吸着剤には、第1工程において、aモルの特定ガスが吸着されているので、このaモルの特定ガスが吸着剤から脱着し、この脱着したaモルの特定ガスが、新たに導入された混合ガスと共に吸着塔11bから送出される。
【0025】
このようにして、吸着塔11bから送出されたガスは、加圧条件下で吸着塔11aに導入されるが、このとき開閉バルブ26は閉じられているので、吸着塔11bから送出されたガスの一部が濃縮ガスタンク31に導入されることはなく、吸着塔11bから送出されたすべてのガスが吸着塔11aに導入されることになる。このようにして吸着塔11aに導入されたガスに含まれている特定ガスは、吸着塔11a内の吸着剤に吸着され、特定ガス以外の難吸着ガスのみが廃ガスタンク32に排出される。この工程が、本発明の第2工程に相当する。
【0026】
従って、この第2工程では、吸着塔11bに新たに導入された混合ガス中のaモルの特定ガスと、吸着塔11b内の吸着剤から脱着したaモルの特定ガスの合計2aモルの特定ガスが、吸着塔11a内の吸着剤に吸着され、新たに導入された混合ガス中のbモルの難吸着ガスはすべて廃ガスタンク32に排出される。
【0027】
続いて、開閉バルブ21b、22b、23a、24aを閉じた後、開閉バルブ25を開いて、減圧されている吸着塔11aと、加圧されている吸着塔11bとを相互に連通させることによって、吸着塔11aと吸着塔11bとを均圧化する。
【0028】
その後は、第1工程、均圧工程、第2工程、均圧工程、第1工程、…といった具合に、均圧工程を挟んで、第1工程と第2工程とを交互に繰り返すと、同図(c)、(d)、(e)に示すように、第1工程及び第2工程において、いずれか一方の吸着塔11a、11b内の吸着剤に吸着される特定ガスの吸着量が、各工程において新たに供給される混合ガスに含まれている特定ガスのaモル分だけ徐々に増えていき、最終的に、吸着剤の能力限界であるnaモルの特定ガスが吸着剤に吸着される定常状態になる。
【0029】
このようにして、第1工程、第2工程において、各吸着塔11b、11aに充填された吸着剤にnaモルの特定ガスが吸着されるようになると、開閉バルブ26を開き、同図(f)、(g)に示すように、第1工程では吸着塔11aから送出されるガスの一部を、第2工程では吸着塔11bから送出されるガスの一部を、濃縮ガスタンク31に導入することによって回収する。
【0030】
この時点で、回収されるガスは、吸着塔11b、11aから脱着されたnaモルの特定ガスと、新たに導入される混合ガス中に含まれているaモルの特定ガス及びbモルの難吸着ガスとから構成されているので、回収されるガス中に含まれる特定ガスのモル分率は、na/(na+b)となり、混合ガス中の特定ガスのモル分率a/(a+b)が、モル分率na/(na+b)まで濃縮された状態で特定ガスが濃縮ガスタンク31に回収されることになる。
【0031】
ただし、回収ガス量を大きくすると、第1工程、第2工程において、ガス回収後に吸着塔11b、11a内の吸着剤に吸着される特定ガスのモル数が徐々に減少していくので、回収されるガス中にaモルを上回る特定ガスが含まれないように、回収ガス量を設定しておくことが望ましく、これによって、モル分率na/(na+b)まで濃縮された特定ガスを安定した状態で継続的に確実に回収することができる。
【0032】
以上のように、このガス濃縮方法では、混合ガスを低圧条件下で一方の吸着塔11aを通した後、一方の吸着塔11aから送出されるガスを高圧条件下で他方の吸着塔11bに通す第1工程と、混合ガスを低圧条件下で他方の吸着塔11bを通した後、他方の吸着塔11bから送出されるガスを高圧条件下で一方の吸着塔11aに通す第2工程とを交互に繰り返すことによって、各工程における特定ガスの吸着量を徐々に増やしていくようにしたので、圧力スイング吸着法等を利用した従来法のように、吸着塔11a、11bの圧力比を極端に大きくしなくても、吸着塔11a、11bへの混合ガスの導入回数を増やすことによって、吸着塔11a、11bに充填された吸着剤の能力限界まで特定ガスを吸着させることができる。
【0033】
従って、このガス濃縮方法を採用すると、吸着塔11a、11bから送出される脱着後のガス中に含まれる特定ガスの濃度、即ち、回収ガス中に含まれる特定ガスの濃度を可能な限り高くすることができ、しかも、吸着塔11a、11bを加圧または減圧するために大きなエネルギを必要としないので、定格容量の大きな真空ポンプを設置する必要がないと共にエネルギロスも小さくなり、回収される特定ガスを、効率よく高度に濃縮することが可能となる。特に、空気中に極僅かに存在しているキセノンガスを高度に濃縮する場合のように、従来法では、吸着塔の圧力比を極端に大きくしなければならない、混合ガス中の微量成分である特定ガスを濃縮する場合に有効である。
【0034】
また、上述したガス濃縮装置1では、二基の吸着塔11a、11bを使用しているので、第1工程及び第2工程の双方において、濃縮された特定ガスをそれぞれ回収することができ、特定ガスの回収効率が向上するという効果も得られる。
【0035】
また、上述したガス濃縮装置1では、二基の吸着塔11a、11bを相互に連通している均圧管16を、吸着段階において特定ガスが吸着されにくい、各吸着塔11a、11bにおける吸着後のガスの送出口側に接続するようにしたので、第1工程から第2工程に移行する際や第2工程から第1工程に移行する際に、開閉バルブ21a、22a、23b、24b及び開閉バルブ21b、22b、23a、24aを閉じた状態で、開閉バルブ25を開いて二基の吸着塔11a、11b内を均圧化しても、各工程において吸着塔11b、11a内の吸着剤に吸着された特定ガスが、次工程に移行する前に、吸着剤から脱着しにくく、このガス濃縮装置1では、一旦吸着剤に吸着された特定ガスの吸着剤からの不必要な脱着を最小限に抑えると共に吸着塔11b、11a内における特定ガスの吸着分布を維持しつつ、次工程において各吸着塔11a、11b内を加圧または減圧するためのエネルギを最小限に抑えることができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、吸着塔11a、11bに充填された吸着剤への特定ガスの吸着量が、吸着剤の能力限界に到達するまでは、特定ガスの回収を行わないようにしているが、これに限定されるものではなく、ガス濃縮装置の運転開始当初から特定ガスを回収するようにしてもよい。ただし、その場合、回収される特定ガスを高度に濃縮するためには、吸着塔11a、11bに充填された吸着剤への特定ガスの吸着量を増やしていかなければならないので、回収されるガス中に含まれる特定ガスのモル数が、各工程において新たに導入される混合ガスに含まれる特定ガスのモル数を下回るように、回収ガス量を設定しておく必要がある。
【0037】
また、上述した実施形態では、均圧工程から第2工程へ移行する際は、直ちに開閉バルブ21b、22b、23a、24aを開き、均圧工程から第1工程へ移行する際は、開閉バルブ21a、22a、23b、24bを直ちに開くようにしているが、例えば、均圧工程を終了した後、開閉バルブ21a、21b、24a、24bを所定時間強制的に全閉にすることによって、均圧工程から第2工程へ移行する際は、吸着塔11aを加圧すると共に吸着塔11bを減圧し、均圧工程から第1工程へ移行する際は、吸着塔11aを減圧すると共に吸着塔11bを加圧する、加圧工程及び減圧工程を付加するようにしてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、二基の吸着塔11a、11bを使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、一基の吸着塔を使用し、混合ガスを、低圧条件下で吸着塔を通す脱着工程と、吸着塔から送出されるガスを、高圧条件下で吸着塔に再び通す吸着工程とを交互に繰り返しながら、脱着工程から吸着工程へ移行する前に、混合ガスを低圧条件下で通した吸着塔から送出されるガスの一部を回収するようにしてもよい。また、吸着塔の多塔化を行うと、吸着塔の加圧、減圧を段階的に効率よく行うことができるので、エネルギ的に無駄がなく、廃棄ガス音を抑えることができるという効果も得られる。
【0039】
また、上述した実施形態では、吸着塔11a、11bの加圧、減圧手段として、真空ポンプ41を使用し、大気圧で特定ガスを吸着させ、真空で特定ガスを脱着させるようにしているが、これに限定されるものではなく、コンプレッサを使用することによって、高圧で特定ガスを吸着させ、大気圧で特定ガスを脱着させることも可能である。
【0040】
また、上述した実施形態では、圧力スイング吸着法(PSA)を利用したガス濃縮方法について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、温度スイング吸着法(TSA)や圧力温度スイング吸着法(PTSA)を利用したガス濃縮方法についても適用することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるガス濃縮方法を実施するためのガス濃縮装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】(a)〜(g)は同上のガス濃縮装置を用いた特定ガスの濃縮操作を説明するための工程図である。
【図3】一般的な圧力スイング吸着装置を示す概略構成図である。
【図4】(a)〜(d)は同上の圧力スイング吸着装置を用いた特定ガスの濃縮または分離回収操作を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 ガス濃縮装置
11a、11b 吸着塔
12 ガス供給管
13 ガス送出管
14 ガス回収管
15 ガス排気管
16 均圧管
21a、21b、22a、22b 開閉バルブ
23a、23b、24a、24b 開閉バルブ
25、26 開閉バルブ
31 濃縮ガスタンク
32 廃ガスタンク
41 真空ポンプ
42、43、44 ニードル弁

Claims (7)

  1. 特定ガスを吸着する吸着剤が充填された吸着塔を用いて、混合ガスに含まれる前記特定ガスを濃縮するガス濃縮方法であって、
    前記混合ガスを、低圧及び/または高温条件下で前記吸着塔を通す脱着工程と、
    前記吸着塔から送出されるガスを、高圧及び/または低温条件下で前記吸着塔に再び通す吸着工程とを交互に繰り返ようにしたことを特徴とするガス濃縮方法。
  2. 前記脱着工程と前記吸着工程とを交互に繰り返しながら、前記脱着工程から前記吸着工程へ移行する前に、前記混合ガスを低圧及び/または高温条件下で通した前記吸着塔から送出されるガスの一部を回収するようにした請求項1に記載のガス濃縮方法。
  3. 特定ガスを吸着する吸着剤がそれぞれ充填された一対の吸着塔を用いて、混合ガスに含まれる前記特定ガスを濃縮するガス濃縮方法であって、
    前記混合ガスを、低圧及び/または高温条件下で一方の前記吸着塔を通した後、一方の前記吸着塔から送出されるガスを、高圧及び/または低温条件下で他方の前記吸着塔に通す第1工程と、
    前記混合ガスを、低圧及び/または高温条件下で他方の前記吸着塔を通した後、他方の前記吸着塔から送出されるガスを、高圧及び/または低温条件下で一方の前記吸着塔に通す第2工程とを交互に繰り返ようにしたことを特徴とするガス濃縮方法。
  4. 前記第1工程から前記第2工程に移行する際及び前記第2工程から前記第1工程に移行する際、直前に高圧条件下で混合ガスを通したほうの前記吸着塔におけるガスの送出口側と、直前に低圧条件下で混合ガスを通したほうの前記吸着塔とを相互に連通させることによって、双方の前記吸着塔を均圧化するようにした請求項に記載のガス濃縮方法。
  5. 前記第1工程と前記第2工程とを交互に繰り返しながら、前記第1工程及び前記第2工程において、前記混合ガスを低圧及び/または高温条件下で通した一方または他方の前記吸着塔から送出されるガスの一部を回収するようにした請求項3または4に記載のガス濃縮方法。
  6. 回収されたガス中に含まれている前記特定ガスの絶対量が、前記吸着塔に導入される前記混合ガス中に含まれている前記特定ガスの絶対量を上回らないように、回収するガス量を設定するようにした請求項2または5に記載のガス濃縮方法。
  7. 前記吸着剤から脱着される前記特定ガスの脱着量が所定量を上回った時点から、ガスの回収を開始するようにした請求項2、5または6に記載のガス濃縮方法。
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