JP4704143B2 - 防護柵の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、山腹の傾斜面部等に構築し、積雪や落石等を受け止めて道路等への落下、流入することを防止する防護柵に関する。
従来から山腹の斜面部等に構築して落石や積雪等を受け止めて道路等への落下、流入を防止する防護柵が知られており、例えば、山腹の斜面部に間隔を置いて縦孔を穿孔し、この縦孔に建て込んだパイプ支柱を並設すると共に、これら各パイプ支柱に複数段のケーブルとともに金網を張設した落石等の防護柵が提案され、防護面には金網が用いられている(例えば特許文献1)。
また、防護面に用いる網に係り、防護ネットは鋼製又はワイヤー等の剛性線材を並行に取り付けたものや、剛性線材でネット上に編成したもの、複数の水平ロープ材と金網を組み合わせたもの等、公知の各種ネットを含むものである(公報第0011段)と記載されている(例えば特許文献2)。
上記従来技術のように、この種の網を用いる防護体では、ワイヤーロープや鋼製の網を組み合わせることにより、落石等から道路などを防護するようにしている。
しかし、鋼製のワイヤーロープや網を用いるものでは、部材自身が重量物となるため、据付用の重機が必要となり、施工範囲に制約を受け、工期の長期化し、工費が嵩む問題がある。そして、落石防護のために設けられる防護体は重機の使用に不向きな山の斜面などに設けられることが多いため、このような山の斜面に防護体を設ける施工では、部材が重量物であると、その搬入作業も煩雑となり、施工性に劣る問題がある。
そこで、支柱間に合成樹脂からなる網を張設した防護柵であって、前記支柱を傾動可能に立設し、前記支柱の上部と該支柱一側の地山との間に控えロープ装置を設け、この控えロープ装置のロープ材に余長部を設けると共に、この余長部を摺動可能に把持する緩衝具を設けた防護柵ある(例えば特許文献3)。
前記特許文献3の防護柵では、合成樹脂からなる網は鋼製などの網に比べ、変形し易く、切断までの伸び率が大きいから、落石を受けると、網が他側に伸びて衝撃を吸収し、落石を受けた網から支柱に所定以上の力が加わると、緩衝具に対して余長部が摺動して支柱が他側に傾動する。このように落石を受けると、網が他側に変形すると共に伸び、さらに、支柱が他側に傾動することにより、落石を受けてから網が変形移動する量及び時間が大となり、衝撃吸収能力が効果的に向上する。
特開平7−197423号公報 特開2000−273827号公報 特開2004−76275号公報
上記特許文献3の防護柵では、斜面に構築した防護柵によって積雪や雪崩等を効果的に受け止めることで、落石や雪崩といった自然災害を抑制することができる。
ところで、前記支柱を傾動可能に立設し、前記支柱の上部と該支柱一側の地山との間に控えロープ装置を設け、隣り合う支柱間に合成樹脂製の網を張設するものであるから、傾動可能な支柱は、控えローブ装置から受ける張力と、網から受ける張力により釣り合った状態で設置される。したがって、控えロープ装置と網を取り付ける前の支柱は不安定な状態にあり、据付け時には、控えロープ装置の張力を調整しつつ網を張設しなければならず、現場において煩雑な作業を要した。
そこで、本発明は、傾動可能に立設する支柱を備えた防護柵において、支柱の据付作業を容易に行うことができる防護柵とその施工方法を提供することを目的とし、さらに効率よく衝撃力を吸収することができる防護柵を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、設置場所に設けた取付部材に傾動可能に立設した複数の支柱と、それら支柱間に張設した合成樹脂からなる網と、前記支柱間に張設して取り付けた横ロープ材と、この横ロープ材に設けた余長部を摺動可能に把持する緩衝具と、前記支柱の上部と該支柱の山側の地山との間に設けた山側控えロープ装置と、この山側控えロープ装置のロープ材に設けた余長部を摺動可能に把持する緩衝具と、端末の前記支柱の上部と該端末の支柱の左右外側の地山との間に設けた外側控えロープ装置と、この外側控えロープ装置のロープ材に設けた余長部を摺動可能に把持する緩衝具と、隣り合う支柱の上側と下側とを連結して取り付けた斜めロープ材とを備える防護柵の施工方法において、
前記斜めロープ材の張力を調整する張力調整手段を備え、
前記複数の支柱を、前記設置場所に対して垂直な位置から前後にそれぞれ90度回動可能なように前記取付部材に連結した状態で、前記山側控えロープ装置の前記余長部側を前記地山に固定すると共に反余長部側を立設した前記支柱の上部に固定して取り付け、
隣り合う支柱の上側と下側とを前記斜めロープ材により連結して前記支柱間の間隔を保持した後、前記外側控えロープ装置の前記余長部側を前記地山に固定すると共に反余長部側を前記端末の支柱の上部に固定して取り付け、
前記斜めロープ材の取付及び前記張力調整手段による張力の調整と、前記山側,外側控えロープ装置の取付と、前記横ロープ材の取付とを終えた後、前記支柱間に前記網を張設する施工方法である。
また、請求項の発明は、網目の大きさの異なる前記網を重ね合わせて前記支柱間に張設する施工方法である。
請求項1の構成によれば、斜めロープ材により支柱間の間隔が保持されるから、網を安定して支柱間に張設することができる。また、斜めロープ材により支柱間の間隔保持した後、支柱間に網を張設するから、網により支柱間の間隔を保持する必要がなく、網の張設作業を容易に行うことができる。
また、請求項の構成によれば、斜めロープ材により支柱間の間隔が保持されるから、控えロープ装置を安定して設置することができる。
また、請求項の構成によれば、斜めロープ材により支柱間の間隔が保持されるから、緩衝具を備えた横ロープ材を安定して設置することができる。
また、請求項の構成によれば、複数の網を張設しても、支柱間の間隔を保持することができ、しかも、小さい網目の網で小さな落石も捕捉でき、さらに、小さい網目の網により捕捉した落石の衝撃力を大きな網目の網で吸収し、落石の衝撃力を効率よく吸収することができる。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる防護柵とその施工方法を採用することにより、従来にない防護柵とその施工方法が得られ、その防護柵とその施工方法を夫々記述する。
以下、本発明の防護体の第1実施形態について図1〜図18を参照して説明する。同図に示すように、防護柵1は、両側に配置した端末支柱2L,2Rの間に、複数の中間支柱3,3を並設し、これら支柱2L,3,3,2R間に網11を設ける。尚、防護柵1の一側は一例として山側Yである。
まず、図5〜図8により網11の構成について説明すると、前記網11は合成樹脂からなる貫通型無結網であり、例えば合成樹脂製の繊維糸12,12Aを複数撚り合わせて線材13,13Aを形成し、これら線材13,13Aは交差方向をなし、交差部14により無結により相互に固定されている。尚、無結節網にはラッセル式もあるが、好ましくは貫通型を用いる。図5は構造を説明する説明図であり、同図に示すように、線材13,13Aの交差部14において、一方の線材13の繊維糸12,12の間に隙間により形成する輪部15に、他方の線材13Aの繊維糸12A,12Aを前後逆方向から挿通し、さらに、交差部14においても繊維糸12,12Aを撚って輪部15,15Aを閉めることにより、両線材13,13Aを交差部14で固定する。尚、15Aは交差部14で前記繊維糸12A,12Aの間に隙間により形成する輪部である。そして、図5は説明のために輪部15,15Aを開いて図示したが、実際の網11では、前記輪部15,15Aは閉じられた構造となる。
また、網11は略長方形状をなし、網11の縁にはロープ材16が設けられ、このロープ材16の四方には金属製の環体17を設けている。また、図6及び図7に示すように、前記ロープ材16において線材13,13Aの端部側を折り返し、線材13,13Aの重複部分18で線材13,13A相互を固定し、表裏の線材13,13Aの間にロープ材16を配置する。
また、網11に用いる合成樹脂としては、高密度のポリエチレンなどが好適であり、その高密度のポリエチレンを用いた場合、網11の比重は0.94〜0.96である。また、必要に応じて、網11にカーボンブラックや紫外線吸収剤を使用して耐候性を向上することができる。
さらに、図8に示すように、網11,11は網目の一辺の長さM,mが異なり(M>m)、且つ線材13,13Aの太さの異なるものを組み合わせて使用する。大きな網目の網11は、小さな網目の網11に比べて太い線材13,13Aが用いられる。例えば、一辺の長さMは100mm、一辺の長さmは50mmである。そして、網目の大きな網11の前に、網目の小さな網11を重ね合わせ、即ち、山側の網目の小さな綱11が位置するようにして複数の網11,11を重ね合わせて支柱2L,2R,3間に張設する。また、1枚の網目の小さい網11と、2枚の網目の大きな網11,11とを重ね合わせるようにしてもよい。
次に、前記支柱2L,2R,3とその取付構造の詳細について説明する。
図9及び図10などに示すように、支柱2L,2R,3は、鋼製角パイプからなる本体21を備え、その本体21の前の上下にそれぞれ網係止部23,23を設ける。そして、これら網係止部23,23に前記ロープ材16などを係止する。また、両側の支柱2L,2Rは、その支柱3側の上下に横ロープ連結部24を設け、中間の支柱3は左右両側にそれぞれ横ロープ材連結部24を設ける。
さらに、支柱2L,2R,3の前上部に、一側控えロープ用の一側連結部25を設け、また、左側の支柱2Lはその防護柵外側(右側)に外側控えロープ用の外側連結部26を設け、右側の支柱2Rはその防護柵外側(左側)に外側控えロープ用の外側連結部26を設けている。尚、それら係止部23及び連結部24,25,26は板材に孔を有するものである。
斜面101などの設置場所に、支柱の取付部材31を設ける。図11〜図12に示すように、前記取付部材31は金属などからなり、ベース部32と、支柱2L,2R,3を回動可能に連結する連結受部33とを一体に有する。この連結受部33は、間隔を置いて一対の腕部34,34を前記ベース部32に立設し、それら腕部34,34の下部間に、支柱2L,2R,3の下部を挿入すると共に、この下部の孔22と両腕部34,34の孔34A,34Aとに、枢軸たるボルト36を挿通し、これにより取付部材31に前記支柱2L,2R,3下部を回動可能に連結する。前記ベース部32は複数のアンカーたるロックボルト38により斜面101などの設置面に固定される。尚、前記ベース部32の左右には、左右で前後異なる位置の長孔32Aを穿設し、この長孔32Aは左右方向に長く形成され、アンカープレート39の孔39Aに挿通した前記ロックボルト38を、前記長孔32Aに挿通する。したがって、長孔32Aによりロックボルト38の左右方向の位置を調整できる。
また、前記取付部材に下部を回動可能に連結した状態で、前記支柱2L,2R,3の下端とベース部32の上面との間には隙間があり、それら支柱2L,2R,3の下端がベース部32に干渉することなく回動可能になっており、支柱2L,2R,3はベース部32に垂直な位置から前後にそれぞれ略90度回動可能に構成している。即ち、支柱2L,2R,3は、その上側が斜面101に当たるまで倒れることができるように連結されている。
隣合う支柱2L,3,3,2Rの間の上,下段には横ロープ材51,51が張設され、これら横ロープ材51,51に図示しない結束具により網11が取り付けられている。前記横ロープ材51は一方と他方のロープ材51A,51Bよりなり、一方のロープ材51Aを調整張り具たるターンバックル52により一方の支柱2L,3,3の前記連結部24に連結し、他方のロープ材51Bを隣合う他方の支柱3,3,2Rの前記連結部24に連結し、支柱2L,3,3,2R間で両ロープ材51A,51Bの端部を重ね合わせて余長部たる重複部53を形成し、この重複部53において、両ロープ材51A,51Bを締め具たるワイヤクリップ54により所定の摩擦力で締め付けている。また、このワイヤクリップ54は緩衝具を構成する。尚、下段の横ロープ材51では、ロープ材51Bにターンバックル52が用いられている。また、両ロープ材51A,51Bの重複部53側の端部は、太さの等しい切断端となっている。
したがって、横ロープ材51に所定以上の引張力が加わると、ワイヤクリップ54の締付力に抗してロープ材51A,51Bが離れる方向に摩擦摺動する。また、両ロープ材51A,51Bの重複部53側の端部は、太さの等しい切断端となっているから、端部がワイヤークリップ54に係止することなく抜け出し、この後の横ロープ材51から拘束されることなく網11が変形可能となり、合成樹脂製の網11の特性を生かすことができる。
また、隣り合う前記支柱2L,3,3,2Rの上側と下側とは、斜めロープ材56,56により連結され、それら支柱2L,3,3,2Rの本体21の側面の上側と下側には、丸鋼を略環状に形成した斜めロープ連結部57U,57Sが設けられ、前記斜めロープ材56,56は所定の張力で張設される。尚、斜めロープ材56の一端は、張力調整手段であるターンバックル56Aにより前記斜めロープ連結部57Sに連結されている。
また、前記斜めロープ材56は、網11と同一材質の合成樹脂製のものを用いる。したがって、金属製のロープを用いる場合に比べ、斜めロープ材56と網11とが擦れても、網11の損傷を防止できる。
前記支柱2L,3,3,2Rの前上部の一側連結部25と、防護柵の一側である前側の地山との間には、山側控えロープ装置61を設ける。この山側控えロープ装置61は、ロープ材62とこのロープ材62の余長部62Aを摺動可能に把持する緩衝具63とを備える。
この緩衝具63は、図14〜図18に示すように、前記ロープ材62を所定の摩擦力で把持する一対の把持体64,64を備え、これら把持体64,64の合せ面に、ロープ材62に嵌合する嵌合溝65を形成し、両把持体64,64をボルトナットなどの締付手段66により締め付け固定する。相互に固定された把持体64,64の側面には、Uボルト67が係合する係合溝68,68が形成され、この係合溝68,68にUボルト67の両端部67T,67Tが係合する。また、Uボルト67の両端部67T,67Tを挿通するプレート69を備え、このプレート69にはロープ材62の余長部62A側を遊挿する溝部70が形成されている。そして、Uボルト67の途中をアンカーたるロックボルト73に連結して地山に固定し、その両端部67T,67T間に、ロープ材62を締め付けた把持体64,64を嵌め入れ、さらに、端部67T,67Tを押さえ板69に挿通し、端部67T,67Tにナット71を螺合する。そして、前記一対の把持体64,64により、ロープ材62を所定の摩擦力で把持する把持具72を構成し、また、図1及び図18に示すように、山側控えロープ装置61の緩衝具63は、前記2つの把持具72を並べて設けている。このようにUボルト67に複数の把持具72を並べて設けることができ、また、さらに、Uボルト67を長くすれば3個以上の把持具72を並べて設けることもできる。
また、前記ロープ材62の反余長部側は、前記支柱2L,3,3,2Rの前記一側連結部25に固定される。
端部支柱2L,2Rの外側連結部26には、外側控えロープ装置61A,61Bが設けられ、これら外側控えロープ装置61A,61Bは把持具72を用いている点と、張設方向が異なる以外は、前記山側控えロープ装置61と同一構成であり、前記外側控えロープ装置61Aは、防護柵の左右方向に対して平面約45度の角度をなし、すなわちその反余長部が一側に位置し、前記外側控えロープ装置61Bは、防護柵の左右方向に沿って設けられている。
そして、防護柵1の施工においては、斜面101にロックボルト38により取付部材31を固定し、取付部材31に支柱2L,3,2Rをボルト36により傾動可能に連結した状態で、防護柵の一側である前側の地山との間には、山側控えロープ装置61を設け、支柱2L,3,2Rは、その本体21を垂直位置から前側に5度傾斜して設けられる。支柱2L,3,2R間に、斜めロープ材56,56を交差方向に張設して支柱2L,3,2R間の間隔を保持した後、適宜手順により、支柱2L,3,2R間の上下段に横ロープ材51,51を張設し、端部支柱2L,2Rの外側連結部26に、外側控えロープ装置61A,61Bを連結して取り付ける。これら外側控えロープ装置61A,61Bを張設すると、端末支柱2L,2Rを外側に倒そうとする力が加わるが、斜めロープ材56,56により支柱2L,3,2R間の間隔が保持されているから、横ロープ材51,51や外側控えロープ装置61A,61Bを比較的容易に取り付けることができる。尚、横ロープ材51,51の取付は、外側控えロープ装置61A,61Bの取付の後でもよく、斜めロープ材56,56及び外側控えロープ装置61A,61B取付けた後、ターンバックル52を用いて横ロープ材51の張力を調整できる。
このようにして、支柱2L,3,2R、斜めロープ材56,56、控えロープ装置61,61A,61B及び横ロープ材51,51の取付及び張力などの調整を終えた後、横ロープ材51,51などを用いて網11を、支柱2L,3,2R間に張設する。また、網11の下部は、防護柵前側の斜面101に沿って配置し、その端部を固定手段である補助アンカー81により斜面101に固定する。
このように本実施例では、請求項1に対応して、設置場所に設けた取付部材31に傾動可能に立設した複数の支柱2L,3,2Rと、それら支柱2L,3,2R間に張設した合成樹脂からなる網11と、支柱2L,3,2R間に張設して取り付けた横ロープ材51と、この横ロープ材51に設けた余長部たる重複部53を摺動可能に把持する緩衝具たるワイヤクリップ54と、支柱2L,3,2Rの上部と該支柱の山側の地山である斜面101との間に設けた山側控えロープ装置61と、この山側控えロープ装置61のロープ材62に設けた余長部62Aを摺動可能に把持する緩衝具63と、端末の支柱2L,2Rの上部と該端末の支柱2L,2Rの左右外側の地山である斜面101との間に設けた外側控えロープ装置61A,61Bと、この外側控えロープ装置61A,61Bのロープ材62に設けた余長部62Aを摺動可能に把持する緩衝具63と、隣り合う支柱の上側と下側とを連結して取り付けた斜めロープ材56,56とを備える防護柵の施工方法において、斜めロープ材56,56の張力を調整する張力調整手段たるターンバックル56Aを備え、複数の支柱2L,3,2Rを、設置場所に対して垂直な位置から前後にそれぞれ90度回動可能なように取付部材31に連結した状態で、山側控えロープ装置61の余長部側を斜面101に固定すると共に反余長部側を立設した支柱2L,3,2Rの上部に固定して取り付け、隣り合う支柱2L,3,2Rの上側と下側とを斜めロープ材56,56により連結して支柱2L,3,2R間の間隔を保持した後、外側控えロープ装置61A,61Bの余長部側を斜面101に固定すると共に反余長部側を端末の支柱2L,2Rの上部に固定して取り付け、斜めロープ材56,56取付及びターンバックル56Aによる張力の調整と、山側,外側控えロープ装置61,61A,61Bの取付と、横ロープ材51の取付とを終えた後、支柱2L,3,2R間に前記網11を張設するから、斜めロープ材56,56により支柱2L,3,2R間の間隔が保持されることにより、網11を安定して支柱2L,3,2R間に張設することができる。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、山側,外側控えロープ装置61,61A,61Bのロープ材62に余長部62Aを設けると共に、この余長部62Aを摺動可能に把持する緩衝具63を設けたから、斜めロープ材56,56により支柱間の間隔が保持されることにより、控えロープ装置61を安定して設置することができる。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、支柱2L,3,2R間に横ロープ材51を設け、この横ロープ材51に余長部たる重複部53を設けると共に、この重複部53を摺動可能に把持する緩衝具たるワイヤクリップ54を設けるから、斜めロープ材56,56により支柱間の間隔が保持されることにより、緩衝具を備えた横ロープ材51を安定して設置することができる。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、網目の大きさの異なる網11,11を重ね合わせて支柱2L,3,2R間に張設するから、複数の網11,11を張設しても、支柱2L,3,2R間の間隔を保持することができ、しかも、小さい網目の網11で小さな落石も補足でき、さらに、小さい網目の網11により捕捉した落石の衝撃力を大きな網目の網11で吸収し、落石の衝撃力を効率よく吸収することができる。
また、このように本実施例では、請求項1に対応して、隣り合う支柱2L,3,2Rの上側と下側とを斜めロープ材56,56により連結した後、支柱2L,3,2R間に網11を張設するから、網11により支柱2L,3,2R間の間隔を保持する必要がなく、網11の張設作業を容易に行うことができる。
また、実施例上の効果として、支柱2L,3,3,2R間に合成樹脂からなる網11を張設した防護柵1であって、支柱2L,3,3,2Rを傾動可能に立設し、支柱2L,3,3,2Rの上部と該支柱2L,3,3,2R一側の地山である斜面101との間に控えロープ装置61を設け、この控えロープ装置61のロープ材62に余長部62Aを設けると共に、この余長部62Aを摺動可能に把持する緩衝具63を設けたから、合成樹脂からなる網11は鋼製などの網に比べ、切断までの伸び率が大きいから、落石を受けると、網11が他側に伸びて衝撃を吸収し、落石を受けた網11から支柱2L,3,3,2Rに所定以上の力が加わると、緩衝具63に対して余長部62Aが摺動して支柱2L,3,3,2Rが他側に傾動する。このように落石を受けると、網11が他側に変形すると共に伸び、さらに、支柱2L,3,3,2Rが他側に傾動することにより、落石を受けてから網11が変形移動する量及び時間が大となり、衝撃吸収能力が効果的に向上する。
また、支柱2L,3,3,2Rが他側に傾動する際、緩衝具63に対して控えロープ材62の余長部62Aが摺動することにより、落石エネルギーの一部を吸収できる。
そして、網11を合成樹脂とすることにより軽量となり、施工運搬において、クレーンなどの大型重機が不要となり、地形的に施工に制約を受ける場所にも防護柵1を設置することができる。また、合成樹脂製の網11は柔軟性を有するから、搬入時にも巻く等することにより、コンパクトにでき、同時に現場での作業性も良好となる。
また、支柱2L,3,3,2R他側の傾動位置を位置決め決めするから、落石を受けると、網11が他側に伸びて衝撃を吸収し、落石を受けた網11から支柱2L,3,3,2Rに所定以上の力が加わると、緩衝具63に対して余長部62Aが摺動して支柱2L,3,3,2Rが他側に傾動し、支柱2L,3,3,2Rが倒れて落石のエネルギーを受けるから、高い衝撃吸収効果が得られる。
また、緩衝具63には、ロープ材62を所定の摩擦力で把持する把持具72を複数設けたから、ロープ材62の摩擦摺動による衝撃吸収効果を高めることができる。特に、共通の把持具72を用意し、その数を調整することにより、所望の衝撃吸収効果が得られるから、把持具72及び緩衝具63を汎用品として使用することができる。
また、網11が無結節網であるから、網11を構成する線材13,13Aは、交差部14において結ばれずに真っ直ぐに形成されているため、網11に落石等の力が加わると、その力が網11全体に分散するため、高い衝撃吸収機能が得られる。また、結節がないから、その分軽量で厚さも薄くなり、重ねたり、折ったり、巻いたりした際、コンパクトになる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、斜面などの地山に支柱を建て込んだ例を示したが、コンクリートなどの基礎を設けた設置面に支柱を建て込んでもよい。
本発明の実施例1を示す防護体の側面図である。 同上、一部正面図である。 同上、一部平面図である。 同上、一部平面図である。 同上、網の構造を説明する正面説明図である。 同上、網の端部の平面展開図であり、網とロープ材とを示す。 同上、一部を断面にした網の側面図であり、図7(A)は網の端部側にロープ材を重ねて配置した状態、図7(B)は網の端部を折り返して重複部分を形成した状態を示す。 同上、一部を断面にした網の要部の側面図であり、図8(A)は網目の大きな網、図8(B)は網目の小さな網を示す。 同上、端末支柱を示し、図9(A)は正面図、図9(B)は側面図である。 同上、中間支柱を示し、図10(A)は正面図、図10(B)は側面図である。 同上、支柱下部の正面図である。 同上、支柱下部の平面図である。 同上、支柱の平面図である。 同上、緩衝具の正面図である。 同上、緩衝具の把持具の平面図である。 同上、緩衝具の把持具の側面図である。 同上、緩衝具の側面図である。 同上、2つの把持具を有する緩衝具の側面図である。
1 防護柵
2L,2R 支柱
3 中間支柱
11 網
31 取付部材
51 横ロープ材
52 ターンバックル
53 重複部(余長部)
54 ワイヤクリップ(緩衝具)
56 斜めロープ材
61 山側控えロープ装置
61A,61B 外側控えロープ装置
62 ロープ材
62A 余長部
63 緩衝具
101 斜面(地山)

Claims (2)

  1. 設置場所に設けた取付部材に傾動可能に立設した複数の支柱と、それら支柱間に張設した合成樹脂からなる網と、前記支柱間に張設して取り付けた横ロープ材と、この横ロープ材に設けた余長部を摺動可能に把持する緩衝具と、前記支柱の上部と該支柱の山側の地山との間に設けた山側控えロープ装置と、この山側控えロープ装置のロープ材に設けた余長部を摺動可能に把持する緩衝具と、端末の前記支柱の上部と該端末の支柱の左右外側の地山との間に設けた外側控えロープ装置と、この外側控えロープ装置のロープ材に設けた余長部を摺動可能に把持する緩衝具と、隣り合う支柱の上側と下側とを連結して取り付けた斜めロープ材とを備える防護柵の施工方法において、
    前記斜めロープ材の張力を調整する張力調整手段を備え、
    前記複数の支柱を、前記設置場所に対して垂直な位置から前後にそれぞれ90度回動可能なように前記取付部材に連結した状態で、前記山側控えロープ装置の前記余長部側を前記地山に固定すると共に反余長部側を立設した前記支柱の上部に固定して取り付け、
    隣り合う支柱の上側と下側とを前記斜めロープ材により連結して前記支柱間の間隔を保持した後、前記外側控えロープ装置の前記余長部側を前記地山に固定すると共に反余長部側を前記端末の支柱の上部に固定して取り付け、
    前記斜めロープ材の取付及び前記張力調整手段による張力の調整と、前記山側,外側控えロープ装置の取付と、前記横ロープ材の取付とを終えた後、前記支柱間に前記網を張設することを特徴とする防護柵の施工方法。
  2. 網目の大きさの異なる前記網を重ね合わせて前記支柱間に張設することを特徴とする請求項項記載の防護柵の施工方法。
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