JP4702528B2 - 弾性表面波素子片、弾性表面波デバイスおよび電子機器 - Google Patents

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本発明は、弾性表面波素子片、弾性表面波デバイスおよび電子機器に関するものである。
弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下、SAWという)フィルタやSAW共振子に用いられるSAW素子片1は、図7に一例を示すように、すだれ状電極2(Interdigital Transducer:以下、IDTという)および反射器3を圧電基板4上に設けた構成である。IDT2は、複数の電極指5の基端を短絡させて櫛歯を形成し、2つの櫛歯の電極指5を互いに噛み合せることにより形成されている。また反射器3は、SAWの伝搬方向におけるIDT2を挟み込む位置に配設され、IDT2の電極指5に沿って配設された複数の電極指6の両端を短絡させて形成されている。そしてIDT2の電極指5および反射器3の電極指6は、直線形状となっている。
このようなSAW素子片1は、電気機械結合係数の小さい圧電基板4、例えば水晶基板が用いられた場合、インピーダンスが高くなり、回路とのインピーダンスマッチングを取るのが容易でなくなる。このためSAW素子片1には、低インピーダンスが要求される。SAW素子片1のインピーダンスを低くする方法としては、IDT2の電極指の交差幅Wを広げる方法が知られているが、この交差幅Wを広げるとSAWの伝搬方向と直交する方向に横モードのスプリアスが発生して、フィルタ特性を劣化させてしまう。この横モードスプリアスは、交差幅Wを広くすればするほどフィルタ特性における中心周波数に近い位置に表れ、フィルタ特性を劣化させてしまう。
図8は従来技術に係るSAWフィルタのフィルタ特性を示す図である。図8の縦軸は減衰量(Att)を示し、横軸はフィルタ特性の中心周波数を基準とした周波数偏差(ΔF)を示している。そして図8の矢印A,Aで示すように、横モードスプリアスが中心周波数に近い位置に表れている。
ところで横モードスプリアスを抑圧するSAW素子片について開示された文献としては、特許文献1が挙げられる。この特許文献1に開示されたSAW素子片(SAW装置)は、IDTの両側に反射器を設けた構成であり、反射器の電極指の長さをIDTの交差幅に対して70%以下の比率にして、横モードスプリアスを抑圧したものである。
特開平7−86869号公報
反射器の電極指の長さをIDTの交差幅よりも狭くした場合、横モードスプリアスを抑圧することができても、中心周波数から遠ざけることはできない。このためインピーダンスを低くするためにIDTの交差幅を広げても、横モードスプリアスが小さくなるだけで、横モードスプリアスが中心周波数の近くに残ったままとなり、フィルタ特性が劣化したままとなる。
また反射器の電極指の長さをIDTの電極指の交差幅に対して70%以下の比率とした場合、この比率を小さくすればするほどフィルタ特性、特に減衰量が劣化するものと考えられる。
本発明は、横モードスプリアスを小さくして、且つ基準周波数から遠ざけるとともに、インピーダンスを低くする弾性表面波素子片、弾性表面波デバイスおよび電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る弾性表面波素子片は、すだれ状電極と、このすだれ状電極の両側に配設された反射器とを圧電基板上に設け、前記すだれ状電極の電極指および前記反射器の電極指に複数の直線部を設けるとともに、前記各直線部間に斜めに折れ曲がる接続部を設け、弾性表面波の伝搬方向に対応している前記すだれ状電極に設けられた前記直線部と前記反射器に設けられた前記直線部との関係は、前記すだれ状電極の前記直線部の長さを前記反射器の前記直線部よりも長くし、前記すだれ状電極の同一の前記電極指に設けられた前記各直線部はそれぞれ長さが異なり、前記各直線部に波長の異なる弾性表面波を伝搬させる構成とすることで前記各直線部を伝搬する弾性表面波の通過帯域の中心周波数を合わせるようにしたことを特徴としている。
弾性表面波素子片は、2次以上の横モードのエネルギーを相殺することができ、横モードスプリアスを小さくすることができる。またすだれ状電極の電極指は、接続部により複数の直線部に分割されているので交差幅を狭くすることができる。したがって横モードスプリアスを基準周波数から遠ざけることができる。さらにすだれ状電極全体の交差幅は各直線部の合計であるので、すだれ状電極全体の交差幅は広いままである。したがって弾性表面波素子片のインピーダンスを小さくすることができる。
また弾性表面波素子片は、すだれ状電極と、このすだれ状電極の両側に配設された反射器とを圧電基板上に設け、前記すだれ状電極の電極指の途中に折り曲げ形成された接続部を設けて、この接続部の両端に複数の直線部を設けるとともに、前記すだれ状電極の前記電極指の両端に、前記すだれ状電極の前記接続部が前記直線部に対して成す角度と同じ角度またはほぼ同じ角度を形成するように前記直線部に対して折り曲げ形成された屈折部を設け、前記反射器の電極指の途中に折り曲げ形成された接続部を設けて、この接続部の両端に複数の直線部を設けるとともに、前記反射器の前記電極指の両端に、前記反射器の前記接続部が前記直線部に対して成す角度と同じ角度またはほぼ同じ角度を形成するように前記直線部に対して折り曲げ形成された屈折部を設け、弾性表面波の伝搬方向に対応している前記すだれ状電極に設けられた前記直線部と前記反射器に設けられた前記直線部との関係は、前記すだれ状電極の前記直線部の長さを前記反射器の前記直線部よりも長くし、前記すだれ状電極の同一の前記電極指に設けられた前記各直線部はそれぞれ長さが異なり、前記各直線部に波長の異なる弾性表面波を伝搬させる構成とすることで前記各直線部を伝搬する弾性表面波の通過帯域の中心周波数を合わせるようにしたことを特徴としている。
電極指の両端に屈折部を設けているので、すだれ状電極や反射器の電極形状は、弾性表面波の伝搬方向に沿った各トラックの中心線に対して対称形状になっている。これにより弾性表面波の伝わりを均一にすることができる。また反射器の直線部の長さをすだれ状電極の直線部よりも短くしたので、2次以上の横モードのエネルギーを相殺することができ、横モードスプリアスを小さくすることができる。さらにすだれ状電極の電極指は、接続部により複数の直線部に分割されているので交差幅を狭くすることができる。したがって横モードスプリアスを基準周波数から遠ざけることができる。さらにまた、すだれ状電極全体の交差幅は各直線部の合計であるので、すだれ状電極全体の交差幅は広いままである。したがって弾性表面波素子片のインピーダンスを小さくすることができる。
また前記すだれ状電極は、前記反射器の間に複数設けられたことを特徴としている。複数設けられたすだれ状電極のうち、いずれか1つを入力電極とするとともに他の1つを出力電極とすれば、弾性表面波共振子フィルタを構成することができる。
また前記すだれ状電極に設けられた前記直線部の中点と、前記反射器に設けられた前記直線部の中点とは、弾性表面波の伝搬方向に沿った同一線上に配設されたことを特徴としている。反射器に設けられた直線部は、すだれ状電極に設けられた直線部よりも短く、且つすだれ状電極に設けられた直線部の両端よりも内側に位置することになる。そして反射器は、すだれ状電極における直線部の中心部分から伝搬した弾性表面波をすだれ状電極に向けて反射することができ、すだれ状電極における各直線部の端部から伝搬した弾性表面波をすだれ状電極に向けて反射することはない。したがって弾性表面波素子片は、2次以上の横モードのエネルギーを相殺することができ、横モードスプリアスを小さくすることができる。
また前記すだれ状電極における同一の前記電極指に設けられた前記各直線部は、弾性表面波の伝搬方向に沿って距離L1だけ離れるとともに、前記反射器における同一の前記電極指に設けられた前記各直線部は、弾性表面波の伝搬方向に沿って距離L2だけ離れており、前記距離L1,L2は、
3λ/8≦L1≦5λ/8 (但し、λは弾性表面波の波長)
3λ/8≦L2≦5λ/8
の関係を満たすことを特徴としている。これにより横モードスプリアスを基準周波数から遠ざけることができるとともに、インピーダンスを小さくすることができる。
また前記すだれ状電極の同一の前記電極指に設けられた前記各直線部は、それぞれ長さが異なることを特徴としている。各直線部の長さはそれぞれ異なっているので、各直線部で発生するスプリアスの位置を変えることができる。そしてフィルタ特性に表れるスプリアスは、各直線部で発生するスプリアスを合成したものなので、各直線部で発生するスプリアスの位置が異なっていれば、合成後のスプリアスを小さくすることができる。
以下に、本発明に係る弾性表面波(SAW)素子片、SAWデバイスおよび電子機器の最良の実施形態について説明する。まず第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、SAW素子片でSAWフィルタを形成した形態について説明する。図1は第1の実施形態に係るSAW素子片の概略平面図および1次〜3次の横モードの振動エネルギー分布図である。第1の実施形態に係るSAW素子片10は、すだれ状電極(IDT)12からなる入力電極14および出力電極16が圧電基板18上に配設され、この入力電極14および出力電極16を挟み込む位置に反射器30が配設された構成である。
IDT12は、互いに噛み合う一対の櫛歯17からなり、この櫛歯17は、複数の電極指20を有するとともに、これらの基端を短絡させた構成である。各電極指20には、その途中に斜めに折り曲げられた接続部22が設けられ、各電極指20が複数の直線部24に分割されている。すなわち各電極指20は、接続部22と、この接続部22の両端に接続された直線部24とを備えている。この接続部22は、その長さcが短い方が好ましい。
また各電極指20の両端には、接続部22に倣って折り曲げ形成された屈折部26が設けられている。すなわち接続部22と屈折部26とは、直線部24に対して同じまたはほぼ同じ角度で折り曲げられている。そして電極指20の基端に設けられた屈折部26の長さは、電極指20の先端に設けられた屈折部26に比べて長く形成されている。これにより一方の櫛歯17に設けられ、各電極指20の基端に設けられた屈折部26が短絡し、電極指20の先端に設けられた屈折部26が他方の櫛歯17と短絡することがない。
さらに1つの電極指20に設けられた各直線部24は、SAWの伝搬方向に離れており、その距離L1は、3λ/8≦L1≦5λ/8の関係を満たすようになっている。ここでλはSAWの波長を示している。またIDT12の交差幅は、一方の直線部24の交差幅bと、他方の直線部24の交差幅bとの和である。
反射器30は、複数の電極指32がSAWの伝搬方向に所定のピッチで配設され、その電極指32の両端部が短絡された構成である。各電極指32には、斜めに折り曲げられた接続部34が設けられており、各電極指32が複数の直線部36に分割されている。すなわち各電極指32は、接続部34と、この接続部34の両端に接続された直線部36とを備えている。この直線部36は、SAWの伝搬方向に対応しているIDT12の直線部24と反射器30に設けられた直線部36において、その長さがIDT12の直線部24に比べて短く形成され、且つIDT12の直線部24の両端よりも内側に配設されている。なお反射器30に設けられた各直線部36の中点は、SAWの伝搬方向に沿ってIDT12の各直線部24の中点を通る線上に位置することが好ましい。すなわちIDT12の直線部24と反射器30の直線部36は、後述する各トラックにおいて、SAWの伝搬方向に沿った線対称形状となっていることが好ましい。
また各電極指32の両端には、接続部34に倣って折り曲げ形成された屈折部38が設けられている。すなわち接続部34と屈折部38とは、直線部36に対して同じまたはほぼ同じ角度で折り曲げられている。そしてIDT12に設けられた接続部22と、反射器30に設けられた接続部34とは、SAWの伝搬方向に沿って配置されている。
さらに反射器30の1つの電極指32に設けられた各直線部36は、SAWの伝搬方向に離れており、その距離L2は、3λ/8≦L2≦5λ/8の関係を満たすようになっている。また反射器30の交差幅は、一方の直線部36の交差幅aと、他方の直線部36の交差幅aとからなっている。
このようなSAW素子片10では、IDT12における各直線部24と反射器30における各直線部36とのSAWの伝搬方向への重なり部分がトラックとなり、図1ではトラック1およびトラック2が形成されている。
次に、SAW素子片10の動作について説明する。まず電気信号が入力電極14に印加されると、SAWが圧電基板18に励起されて反射器30へ伝搬していく。このとき入力電極14(IDT12)における各直線部24の1次横モードが主応答となり、2次横モード以上はスプリアスとなる。そしてIDT12から反射器30へ伝搬したSAWのうち、反射器30の直線部36に伝搬したSAWが反射されてIDT12に向けて戻されて、IDT12を挟む反射器30の間に定在波が生じる。ここで図1の場合では、IDT12から反射器30へ伝搬したSAWのうち、IDT12における各直線部24の中心付近から伝搬したSAWは反射器30で反射されてIDT12に向けて戻され、IDT12を挟む反射器30の間に定在波が生じる。このときSAW素子片10では、IDT12の直線部24と反射器30の直線部36とが、各トラックの中心線に対して対称な形状となっているので、2次以上の横モードのエネルギーが相殺され、スプリアスが抑制される。そして反射器30で反射されてIDT12へ戻されたSAWは、その振動エネルギーが反射器30間に閉じ込められる。このSAWが出力電極16に到達すると、電気信号に変換されて出力される。このようなSAW素子片10では、トラック1とトラック2とを伝搬するSAWが結合し、全体として1つの波が励起される。
図2は第1の実施形態に係るSAW素子片のフィルタ特性を示す図である。ここで図2の縦軸は減衰量(Att)を示し、横軸はフィルタ特性の中心周波数(基準周波数)を基準とした周波数偏差(ΔF)を示している。上述したように動作したSAW素子片10のフィルタ特性は図2に示されるようになり、横モードスプリアスは、図2の矢印B,Bで示すように小さくなり、且つ中心周波数から遠ざかる。
このようなSAW素子片10は、各トラックにおいて、反射器30の直線部36の長さをIDT12の直線部24よりも短くし、且つ反射器30の直線部36をIDT12の直線部24の両端よりも内側に配置したので、IDT12から反射器30に伝搬したSAWのうち、反射器30の直線部36に伝搬したSAWがIDT12へ向けて反射されて定在波が生じ、反射器30の接続部34および屈折部38に伝搬したSAWでは定在波が生じない。したがってSAW素子片10は、2次以上の横モードにおけるエネルギーを相殺することができ、図2に示すように、横モードスプリアスを小さくすることができる。このような効果は、IDT12に設けられた直線部24の長さと、反射器30に設けられた直線部36の長さとの比率にかかわり無く得ることができる。すなわち上述した効果は、IDT12における各直線部24の交差幅bと反射器30における各直線部36の交差幅aとの比率に関係無く得ることができる。
またIDT12の電極指20は接続部22によって直線部24に分割されているので各交差幅を狭くできるが、IDT12全体の交差幅は各直線部24の長さの合計であるのでIDT12全体の交差幅は狭くなっていない。したがって各直線部24の交差幅は狭くなっているので、図2に示すように、横モードスプリアスを中心周波数(基準周波数)から遠ざけることができる。またIDT12全体の交差幅は広いままなので、インピーダンスを小さくすることができる。
なお上述した第1の実施形態では、IDT12の電極指20や反射器30の電極指32に接続部22,34を1つ設けることにより2つの直線部24,36を設けた構成であるが、この形態に限定されることはない。すなわちSAW素子片10は、IDT12の電極指20や反射器30の電極指32に複数の接続部22,34を設けることにより、3つ以上の直線部24,36を設けた形態であってもよい。図3はこの変形例に係るSAW素子片の概略平面図である。SAW素子片10は、図3に一例を示すように、IDT12の電極指20や反射器30の電極指32に2つの接続部22,34を設けることにより、3つの直線部24,36を設けることができる。この場合、接続部22,34の折り曲げ方向は、直線部24,36に対して左右のどちらに折り曲げてもよい。すなわち電極指20,32は、右方向および左方向のどちらか一方に折り曲げられた接続部22,34を有するものであってもよく、図3に示されるように、右方向および左方向に折り曲げられた接続部22,34を有するものであってもよい。なお電極指20,32の両端に設けられる屈折部26,38は、この屈折部26,38が接続している直線部24,36と反対側に接続された接続部22,34と同じ方向に折り曲げられればよい。
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、電極指に設けられた直線部の長さが異なるSAW素子片について説明する。したがって第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の構成部分に同番号を付し、その説明を省略または簡略する。図4は第2の実施形態に係るSAW素子片の概略平面図である。第2の実施形態に係るSAW素子片40は、IDT12からなる入力電極14および出力電極16と、これらのIDT12の両側に配置された反射器30とを圧電基板18上に設けた構成である。IDT12の電極指20には、その途中に折り曲げ形成された接続部22を有し、長さの異なる直線部24を形成したものである。またIDT12の電極指20には、その両端に屈折部26が設けられている。
ところでSAW素子片40では、IDT12の直線部24の長さを変えるとフィルタ特性の中心周波数の位置が移動するとともに、スプリアスの位置も移動する。そしてSAW素子片40のフィルタ特性には、各直線部24で発生したスプリアスが合成されたものが表れる。したがって各直線部24の長さは、各直線部24で発生するスプリアスが重ならない位置を予め計算や実験により求めて、適宜設定されればよい。また各直線部24において、その直線部24の長さを変えるとフィルタ特性の中心周波数が変化してしまうので、伝搬されるSAWの波長を直線部24毎に変えて、通過帯域の中心周波数を合わせればよい。
反射器30の電極指32には、その途中に折り曲げ形成された接続部34を有し、長さの異なる直線部36を形成したものである。この直線部36は、その長さが隣接しているIDT12の直線部24に比べて短く形成され、且つIDT12の直線部24の両端よりも内側に配設されている。また反射器30の電極指32には、その両端に屈折部38が設けられている。
そして図4では、IDT12および反射器30にそれぞれ2つの直線部24,36が設けられており、IDT12における一方の直線部24の長さbと他方の直線部24の長さbとの関係、および反射器30における一方の直線部36の長さaと他方の直線部36の長さaとの関係が、b≠b、a≠a、b>a、b>aのようになっている。
次に、SAW素子片40の動作について説明する。まず電気信号が入力電極14に印加されると、SAWが圧電基板18に励起されて反射器30に伝搬していく。このとき反射器30では、IDT12から反射器30へ伝搬したSAWのうち、反射器30の直線部36に伝搬されたSAWが反射されてIDT12に向けて戻される。そしてSAW素子片40は、IDT12の直線部24と反射器30の直線部36とが各トラックの中心線に対して対称な形状となっているので、2次以上の横モードのエネルギーを相殺する。
また直線部24の長さが異なっているので、各直線部24(トラック)で生じるスプリアスの位置が異なっている。このため各直線部24で発生するスプリアスを合成しても、フィルタ特性に大きなスプリアスが発生することはない。そしてIDT12へ戻されたSAWは、その振動エネルギーが反射器30間に閉じ込められる。このSAWが出力電極16に到達すると、電気信号に変換されて出力される。
このようなSAW素子片40は、IDT12における各直線部24の長さを変えているので、各直線部24で得られるフィルタ特性を合成してもスプリアスが大きくなることはない。また反射器30の直線部36の長さをIDT12の直線部24よりも短くし、且つ反射器30の直線部36をIDT12の直線部24の両端よりも内側に配置したので、IDT12から反射器30に伝搬したSAWのうち、反射器30の直線部36に伝搬したSAWがIDT12へ向けて反射されて、IDT12を挟んだ反射器30の間に定在波が生じる。一方、反射器30の接続部34および屈折部38に伝搬したSAWでは、IDT12を挟んだ反射器30の間に定在波が生じない。したがってSAW素子片40は、横モードスプリアスをより小さくすることができる。
またIDT12の電極指20は接続部22によって直線部24に分割されているので各交差幅を狭くできるが、IDT12全体の交差幅は各直線部24の長さの合計であるのでIDT12全体の交差幅は狭くなっていない。したがって各直線部24の交差幅は狭くなっているので、横モードスプリアスを中心周波数(基準周波数)から遠ざけることができる。またIDT12全体の交差幅は広いままなので、インピーダンスを小さくすることができる。
なお上述した第2の実施形態では、IDT12の電極指20や反射器30の電極指32に接続部22,34を1つ設けることにより2つの直線部24,36を設けた構成であるが、この形態に限定されることはない。すなわちSAW素子片40は、IDT12の電極指20や反射器30の電極指32に2つ以上の接続部22,34を設けることにより、3つ以上の直線部24,36を設けた形態であってもよい。この場合、長さの異なっている直線部24,36を並べる順番は任意である。
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、SAW素子片でSAW共振片を形成した形態について説明する。そして第3の実施形態では、第1の実施形態と同様の構成部分に同番号を付し、その説明を省略または簡略する。図5は第3の実施形態に係るSAW素子片の概略平面図である。第3の実施形態に係るSAW素子片50は、IDT12と、このIDT12の両側に配置された反射器30とを圧電基板18上に配設した構成である。
IDT12の電極指20には、その途中に折り曲げ形成された接続部22が設けられ、複数の直線部24が形成されている。またIDT12の電極指20には、その両端に屈折部26が設けられている。反射器30の電極指32には、その途中に途中に折り曲げ形成された接続部34が設けられ、複数の直線部36が形成されている。また反射器30の電極指32には、その両端に屈折部38が設けられている。そして反射器30に設けられた直線部36は、その長さが隣接しているIDT12の直線部24に比べて短く形成され、且つIDT12の直線部24の両端よりも内側に配設されている。
次に、SAW素子片50の動作について説明する。まず電気信号がIDT12に印加されると、SAWが圧電基板18に励起されて反射器30に伝搬して行く。このとき反射器30では、IDT12から反射器30へ伝搬したSAWのうち、反射器30の直線部36に伝搬したSAWが反射されてIDT12に向けて戻される。このようなSAW素子片50では、IDT12の直線部24と反射器30の直線部36とが各トラックの中心線に対して対称な形状となっているので、2次以上の横モードのエネルギーを相殺している。そしてIDT12へ戻されたSAWは、その振動エネルギーが反射器30間に閉じ込められる。このSAWがIDT12に到達すると、電気信号に変換されて出力される。
このようなSAW素子片50は、横モードスプリアスを小さくできるとともに、共振周波数(基準周波数)から遠ざけることができる。またインピーダンスを小さくすることができる。
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態で説明したSAW素子片を備えたSAWデバイスについて説明する。そして第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態と同様の構成部分に同番号を付し、その説明を省略または簡略する。図6は第4の実施形態に係るSAWデバイスの概略断面図である。第4の実施形態に係るSAWデバイス60は、第1〜第3の実施形態で説明したSAW素子片10,40,50をパッケージ62に搭載した構成である。
SAWデバイス60は、図6に一例を示すように、内部に凹陥部66が形成されたパッケージベース64を備えた構成である。このパッケージベース64は、実装端子68を裏面に備えるとともに、ワイヤボンディングが施されるワイヤ電極70を凹陥部66の底面に備えている。この実装端子68とワイヤ電極70は、電気的に接続されている。そして凹陥部66には、SAW素子片10,40,50が接合材76を介してフェイスアップ実装されており、SAW素子片10,40,50のIDT12とワイヤ電極70とがワイヤ72により電気的に接続されている。このようなパッケージベース64の上面に蓋体74が接合されて、凹陥部66を封止している。なおSAWデバイス60では、フリップチップボンディングを用いてSAW素子片10,40,50をフェイスダウン実装することもできる。
このよう構成されているSAWデバイス60は、例えばSAWフィルタやSAW共振子となっている。またSAW共振子を構成しているパッケージ内に、SAW共振子を共振させる回路を実装して、SAW素子片10,40,50と前記回路とを電気的に接続すれば、SAW共振器とすることができる。さらに、このように構成されたSAWデバイス60は、共振周波数の変化から物質の質量を検出する質量センサや、外部から加わった加速度や衝撃の大きさを検知する加速度センサ等とすることもできる。
そして、このようなSAWデバイス60は、様々な電子機器に搭載することができる。その一例としては、SAWデバイス60は、伝送回路におけるフィルタ素子として通信機器に搭載されることもでき、基準周波数信号源として電子機器に搭載されることもできる。
第1の実施形態に係るSAW素子片の概略平面図および1次〜3次の横モードの振動エネルギー分布図である。 第1の実施形態に係るSAW素子片のフィルタ特性を示す図である。 第1の実施形態の変形例に係るSAW素子片の概略平面図である。 第2の実施形態に係るSAW素子片の概略平面図である。 第3の実施形態に係るSAW素子片の概略平面図である。 第4の実施形態に係るSAWデバイスの概略断面図である。 従来技術に係るSAW素子片の概略平面図である。 従来技術に係るSAWフィルタのフィルタ特性を示す図である。
符号の説明
10………SAW素子片、12………IDT、20………電極指、22………接続部、24………直線部、26………屈折部、30………反射器、32………電極指、34………接続部、36………直線部、38………屈折部、40,50………SAW素子片、60………SAWデバイス。

Claims (7)

  1. すだれ状電極と、このすだれ状電極の両側に配設された反射器とを圧電基板上に設け、
    前記すだれ状電極の電極指および前記反射器の電極指に複数の直線部を設けるとともに、前記各直線部間に斜めに折れ曲がる接続部を設け、
    弾性表面波の伝搬方向に対応している前記すだれ状電極に設けられた前記直線部と前記反射器に設けられた前記直線部との関係は、前記すだれ状電極の前記直線部の長さを前記反射器の前記直線部よりも長くし
    前記すだれ状電極の同一の前記電極指に設けられた前記各直線部はそれぞれ長さが異なり、前記各直線部に波長の異なる弾性表面波を伝搬させる構成とすることで前記各直線部を伝搬する弾性表面波の通過帯域の中心周波数を合わせるようにしたことを特徴とする弾性表面波素子片。
  2. すだれ状電極と、このすだれ状電極の両側に配設された反射器とを圧電基板上に設け、
    前記すだれ状電極の電極指の途中に折り曲げ形成された接続部を設けて、この接続部の両端に複数の直線部を設けるとともに、前記すだれ状電極の前記電極指の両端に、前記すだれ状電極の前記接続部が前記直線部に対して成す角度と同じ角度またはほぼ同じ角度を形成するように前記直線部に対して折り曲げ形成された屈折部を設け、
    前記反射器の電極指の途中に折り曲げ形成された接続部を設けて、この接続部の両端に複数の直線部を設けるとともに、前記反射器の前記電極指の両端に、前記反射器の前記接続部が前記直線部に対して成す角度と同じ角度またはほぼ同じ角度を形成するように前記直線部に対して折り曲げ形成された屈折部を設け、
    弾性表面波の伝搬方向に対応している前記すだれ状電極に設けられた前記直線部と前記反射器に設けられた前記直線部との関係は、前記すだれ状電極の前記直線部の長さを前記反射器の前記直線部よりも長くし
    前記すだれ状電極の同一の前記電極指に設けられた前記各直線部はそれぞれ長さが異なり、前記各直線部に波長の異なる弾性表面波を伝搬させる構成とすることで前記各直線部を伝搬する弾性表面波の通過帯域の中心周波数を合わせるようにしたことを特徴とする弾性表面波素子片。
  3. 前記すだれ状電極は、前記反射器の間に複数設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波素子片。
  4. 前記すだれ状電極に設けられた前記直線部の中点と、前記反射器に設けられた前記直線部の中点とは、弾性表面波の伝搬方向に沿った同一線上に配設されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の弾性表面波素子片。
  5. 前記すだれ状電極における同一の前記電極指に設けられた前記各直線部は、弾性表面波の伝搬方向に沿って距離L1だけ離れるとともに、
    前記反射器における同一の前記電極指に設けられた前記各直線部は、弾性表面波の伝搬方向に沿って距離L2だけ離れており、
    前記距離L1,L2は、
    3λ/8≦L1≦5λ/8 (但し、λは弾性表面波の波長)
    3λ/8≦L2≦5λ/8
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弾性表面波素子片。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の弾性表面波素子片を備えたことを特徴とする弾性表面波デバイス。
  7. 請求項に記載の弾性表面波デバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
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