JP2006303841A - 弾性表面波素子片および弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波素子片および弾性表面波フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 横モードスプリアスを抑制しつつ共振周波数の低域側に生じるスプリアスを低減できるようにする。
【解決手段】 弾性表面波素子片20は、圧電基板22の表面にすだれ状電極からなる入力用IDT24と出力用IDT26と、これらのIDT24、26を挟んで配置した格子状の反射器44、44とを備えている。入力用IDT24、出力用IDT26は、電極指36、38、40、44が一対の直線部と、各直線部間に斜めに折り曲げて形成されて前記各直線部を相互に接続する接続部とからなる。弾性表面波素子片20は、IDT24、26を構成している電極指の形成ピッチをPt、反射器44を構成している各導体ストリップ46の形成ピッチをPrとしたときに、0.997≦Pt/Pr≦0.999となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)を利用した弾性表面波素子片および弾性表面波フィルタに関する。
弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)は、高周波への対応が容易であって、小型、量産性に優れているところから、種々の電子機器に使用されている。特に、最近は、通信の高速化、通信機器の小型、高周波化に伴って通信分野において広く利用されている。弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波素子片は、水晶などの圧電基板の表面にすだれ状電極からなる入力用IDT(Interdigital Transducer)と出力用IDTとを有する。図9は、従来の弾性表面波素子片の一例を模式的に示した平面図である。
弾性表面波素子片10は、水晶板などからなる圧電基板12の表面中央部に、入力用IDT14と、出力用IDT16とを有している。各IDT14、16は、それぞれ一対の櫛型電極から構成してあり、すだれ状に形成してある。また、弾性表面波素子片10は、これらのIDT14、16を挟んで格子状の反射器18が設けてある。
このような弾性表面波素子片10は、一般にインピーダンスが高く、弾性表面波フィルタとして使用した場合に、回路とのインピーダンスをマッチングさせるのに容易でない。このため、低インピーダンスの弾性表面波素子片が求められている。弾性表面波素子片10のインピーダンスを低くする方法として、IDT14、16の電極指の交差幅Wを大きくすることが知られている。ところが、交差幅Wを大きくすると、弾性表面波の伝播方向と直交した方向にエネルギーが分布する横モードのスプリアスが発生し、フィルタ特性を劣化させる。そこで、本願発明者は、IDT14、16の電極指を弾性表面波の伝播方向に直交した複数の直線部と、これらの直線部間に斜めに折り曲げて設けた接続部とから形成し、低インピーダンス化を図るとともに、横モードスプリアスの影響を排除できる弾性表面波素子片を開発した(例えば、特許文献1)。
ところで、図9に示したように、IDT14、16を挟んで両側に反射器18を配置すると、反射器18、18間において弾性表面波が反射され、この反射に基づくスプリアスが主共振周波数の低域側に現れる。このことは、特許文献1に記載されている弾性表面波素子片においても同様である。図10は、入力用IDTと出力用IDTとの各電極指が、直線部と斜めに折り曲げて形成した接続部とからなる400MHz帯の弾性表面波素子片の周波数特性を模式的に示したものである。図10の横軸は、共振A1、A2の共振周波数の中間の周波数を中心周波数fとした周波数偏差ΔfをMHzで表している。また、縦軸は、減衰量をdBで表している。
図10に示されているように、共振A1の低域側に弾性表面波の反射器間における反射によるスプリアスSが現れる。このような弾性表面波素子片をフィルタとして使用する場合、共振A1とスプリアスSとの減衰量の差aは、一般に10dB以上あることが望まれている。そして、特許文献2には、入力用IDTと出力用IDTとに付与した重み付けを、IDT電極配列の中心と不一致で、かつIDT電極端面とも不一致の非対称とすることにより、スプリアスSを抑制した弾性表面波フィルタが開示してある。
特開2005−12544号公報 特開平6−334469号公報
しかし、特許文献2に記載してある弾性表面波フィルタは、IDTに重み付けをして、電極指の交差幅を変化させているため、全体として見ると電極指の交差幅が実質的に小さくなり、インピーダンスが高くなる。そして、特許文献2に記載の弾性表面波フィルタは、低インピーダンス化を図るために、電極指の交差幅を大きくすると、横モードのスプリアスがフィルタの帯域幅の中に生じてフィルタ特性を劣化させる。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、横モードスプリアスを抑制しつつ共振周波数の低域側に生じるスプリアスを低減できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、低インピーダンス化を容易に図ることができるようにすることを目的としている。
さらに、本発明は、フィルタの帯域幅を容易に拡げることができるようにすることなどを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明に係る弾性表面波素子片は、圧電基板の表面にすだれ状電極と、このすだれ状電極を挟んで配置した格子状の反射器とを備えた弾性表面波素子片において、前記すだれ状電極の電極指は、複数の直線部と、各直線部間に斜めに折り曲げて形成されて前記各直線部を相互に接続する接続部とからなり、前記各電極指の形成ピッチをPt、前記反射器を構成している各導体ストリップの形成ピッチをPrとしたときに、0.997≦Pt/Pr≦0.999である、ことを特徴としている。
このようになっている本発明は、すだれ状電極を構成している電極指の形成ピッチPtと、反射器を構成している導体ストリップの形成ピッチPrとの比Pt/Prを0.997〜0.999としたことにより、共振周波数の低域側に現れる弾性表面波の反射器間における反射によるスプリアスを低減することができる。しかも、電極指は、直線部と斜めに折り曲げて形成した接続部とからなっているため、直線部を短くすることにより、横モードによるスプリアスを共振周波数から遠ざけることができる。また、直線部の数を多くすることにより、全体としての電極指の交差幅を大きくすることができ、低インピーダンス化を図ることができる。
各電極指の対応する直線部によって形成される複数のトラックは、トラック間における電極指の交差幅を相互に異ならせることができる。すだれ状電極によって生成される弾性表面波は、電極指の交差幅の大きさによって異なることが知られている。したがって、電極指の直線部からなる交差幅の大きさ、すなわちトラック幅を相互に異ならせることにより、各トラックにおいて生成される弾性表面波の周波数が異なる。そこで、各トラックにおいて発生させた弾性表面波を合成することにより、帯域幅を広くすることができる。
また、本発明に係る弾性表面波フィルタは、上記した弾性表面波素子片を備えていることを特徴としている。これにより、上記した作用効果を得ることができる。
本発明に係る弾性表面波素子片および弾性表面波フィルタの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。図1において、弾性表面波素子片20は、圧電基板22の表面中央部に入力用IDT24と出力用IDT26が設けてある。圧電基板22は、実施形態の場合、水晶板からなっている。そして、水晶板からなる圧電基板22は、平面視矩形状に形成してある。なお、圧電基板は、タンタル酸リチウム(LiTaO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)などの他の圧電体であってもよい。
入力用IDT24と出力用IDT26とは、それぞれが一対の櫛型電極28(28a、28b)、30(30a、30b)からなりたっている。各櫛型電極28、30は、それぞれの一端が相互に接続された複数の電極指36、38、40、42を備えている。そして、入力用IDT24は、一対の櫛型電極28の電極指36、38が互いにかみ合うように、かつ等間隔に配置され、すだれ状をなしている。同様に、出力用IDT26は、一対の櫛型電極30の各電極指40、42が互いにかみ合うように、かつ等間隔に配置され、すだれ状をなしている。
また、弾性表面波素子片20は、一対の反射器44を備えている。これらの反射器44は、入力用IDT24、出力用IDT26を挟んでIDT24、26の外側に配置してある。各反射器44は、それぞれ両端が相互に接続された複数の導体ストリップ46を備えた格子状に形成してある。反射器44および各櫛型電極28、30は、実施形態の場合、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金から形成してある。すなわち、反射器44および櫛型電極28、30は、圧電基板22の表面にAlまたはAl合金をスパッタリングや蒸着によって成膜し、それを所定の形状にフォトエッチングして形成してある。
入力用IDT24は、一対の櫛型電極28a、28b間に電気信号が入力すると、圧電基板22を励振して圧電基板22に弾性表面波を生成する。入力用IDT24によって励振された弾性表面波は、図1の左右方向に伝播する。そして、一対の反射器44は、伝播してきた弾性表面波をIDT24、26側に反射する。一方、出力用IDT26は、圧電基板22を伝播してくる弾性表面波を電気信号に変換し、弾性表面波の振幅に応じた電気信号を出力する。
櫛型電極28aの各電極指36は、それぞれが複数(この実施形態の場合2つ)の直線部36a、36bと、これら直線部36a、36b間に設けられて各直線部36a、36bを相互に接続する接続部36cとからなっている。すなわち、電極指36は、接続部36cによって分割された弾性表面波の伝播方向と直交した方向に延在する2つの直線部36a、36bを有する。そして、接続部36cは、斜めに折り曲げて形成してあって、実施形態の場合、直線部36a、36bの形成位置が弾性表面波の伝播方向にλ/2ずれている。また、接続部36cによって分割された2つの直線部36a、36bは、弾性表面波の伝播方向と直交した方向における間隔g1が実施形態の場合、3λ以下にしてある。この間隔g1は、後述するように、各直線部36a、36bによる励振によって生ずる横モードの結合状態を確保するため、できるだけ小さくすることが好ましく、1λ以下が望ましい。
他の櫛型電極28b、30a、30bの各電極指38、40、42は、電極指36と同様に、折り曲げて形成した接続部(符号cを付して示した)と、接続部によって接続された2つの直線部(符号a、bを付して示した)とから形成してある。そして、各電極指のa、bを付して示したそれぞれの直線部は、接続部によって弾性表面波の伝播方向においてλ/2だけ相互に位置がずれている。このため、櫛型電極28bの電極指38は、バスバー側(基端側)の直線部38aが弾性表面波の伝播方向において、櫛型電極28aの電極指36の基端側直線部36aと対応した位置に形成され、電極指38の先端側の直線部38bが電極指36の先端側の直線部36bと対応した位置に形成してある。
さらに、各反射器44を構成している導体ストリップ46は、電極指36、38、40、42と同様に形成してある。すなわち、導体ストリップ46は、電極指の接続部と対応した位置に、斜めに折り曲げて形成した導体接続部46cを有し、この導体接続部46cよって、一対の直線部46a、46bに分割されている。
なお、実施形態においては、電極指36の直線部36aと、電極指38の直線部38bとの弾性表面波の伝播方向における重なり部(第1トラック48)の長さ(第1交差幅B11)と、電極指36の直線部36bと電極指38の直線部38aとの弾性表面波の伝播方向における重なり部(第2トラック50)の長さ(第2交差幅B12)とは同じ(B11=B12)にしてある。したがって、入力用IDT24における電極指のトータルの交差幅Wは、第1交差幅B11と第2交差幅B12との和となる。出力用IDT26の一対の櫛型電極30a、30b間においても、入力用IDT24と同様である。すなわち、弾性表面波素子片20は、IDT24、26が電極指の直線部の、弾性表面波の伝播方向における重なり部からなる第1トラック48と第2トラック50とによって形成してある。
各櫛型電極28、30は、櫛歯となる電極指36、38、40、42の形成間隔がλとなっている。したがって、入力用IDT24、出力用IDT26のそれぞれのすだれ状電極を構成している電極指36、38、40、42の形成ピッチPtがλ/2となっている。一方、各反射器44は、導体ストリップ46の形成ピッチPrがλr/2となっている。そして、弾性表面波素子片20は、実施形態の場合、入力用IDT24、出力用IDT26を構成している電極指の形成ピッチPtと、反射器44を構成している導体ストリップ46の形成ピッチPrとの比が、図10に示したスプリアスSを小さくするために、0.997≦Pt/Pr≦0.999にしてある。これは次の理由による。
発明者は、IDTの電極指の形成ピッチPtと反射器の導体ストリップの形成ピッチPrとを種々に変えて、図1に示した弾性表面波素子片20を作製した。そして、これらのピッチの比Pt/Prと、図10に示した共振A1に対するスプリアスSの減衰量の差aとの関係を調べた。図2は、その結果を示したものである。図2においては、横軸がIDT24、26の電極指の形成ピッチPtと反射器44の導体ストリップ46の形成ピッチPrとの比Pt/Prであり、縦軸が図10に示した減衰量の差aである。
図2に示してあるように、Pt/Prの値が小さいほど減衰量の差aが小さく、Pt/Prの値が1に近づくほど差aが大きくなる。すなわち、Pt/Prの値が小さいほどスプリアスSが大きくなり、大きいほどスプリアスSが小さくなることを示している。そして、前記したように、フィルタにおいては、差aが10dB以上あることが望ましい。したがって、図1に示した弾性表面波素子片20の場合、減衰量の差aを10dB以上にするには、Pt/Prの値が0.997以上である必要がある。なお、図2において、Pt/Pr=1のときにおける差aがPt/Pr=0.999の場合より小さくなっているが、これはスプリアスSより低域側の別のスプリアスが大きくなるためである。
一方、フィルタにおいては、図10に示した共振A1と共振A2との減衰量の差bが小さいことが望まれている。この差bは、一般に1.5dB以下であることが要求されている。そこで、発明者は、前記の比Pt/Prと減衰量の差bとの関係を調べて見た。その結果を図3に示す。図3における横軸は比Pt/Prであり、縦軸は減衰量の差bをdBで表したものである。
この場合においても、比Pt/Prの値が小さいほど差bが小さくなり、Pt/Prの値が大きくなるほど差bも大きくなる。そして、差bを1.5dB以下にするためには、Pt/Prを0.999以下にする必要がある。したがって、図1に示した弾性表面波素子片20は、図2と図3とを考慮すると、0.997≦Pt/Pr≦0.999にする必要がある。Pt/Prの値を0.997〜0.999の範囲に設定することにより、弾性表面波素子片20を用いてフィルタを形成した場合に、スプリアスSによる特性の劣化のない高精度なフィルタを得ることができる。
図4と図5は、上記のことを確認するためにPt/Prの値を変えて作製した弾性表面波素子片20の図10に対応した周波数特性を示した図である。図4は、Pt/Prの値が0.994の弾性表面波素子片20である。この場合、共振A1とスプリアスSとの減衰量の差が10dBより小さくなっている。一方、Pt/Prの値が0.998である図5場合は、共振A1とスプリアスSとの減衰量の差が10dBより大きくなっている。しかも、共振A1と共振A2との減衰量の差はほとんどない。
第1実施形態の弾性表面波素子片20は、入力用IDT24に電気信号が供給されると、圧電効果により圧電基板22に弾性表面波が生成される。この弾性表面波は、電極指36、38の長手方向に直交した方向に沿って伝搬し、出力用IDT26に達する。また、弾性表面波は、一対の反射器44によってIDT24、26側に反射され、圧電基板22に閉じ込められる。一方、出力側IDT26は、弾性表面波が伝播してくると、弾性表面波の振幅に応じた電圧が電極指40、42間に発生し、所定のフィルタ特性に応じた信号として抽出することができる。
そして、弾性表面波素子片20は、入力用IDT24、出力用IDT26が第1トラック48と第2トラック50とを有するように形成してあるため、各トラック48、50の交差幅B11、B12を従来の交差幅より小さくすることができる。したがって、詳細を後述するように、各トラック48、50において発生する横モードによるスプリアスを弾性表面波の目標周波数(設計周波数)の低周波数側に遠ざけることができる。このため、弾性表面波素子片20は、横モードスプリアスによるフィルタ特性の劣化を防ぐことができる。しかも、各トラック48、50の交差幅の和B11+B12を図9に示した従来の弾性表面波素子片10の交差幅Wと同じにすることにより、第1交差幅B11または第2交差幅B12のみを有する弾性表面波素子片より低インピーダンス化することが可能となる。
そして、実施形態の弾性表面波素子片20は、各電極指に形成した一対の直線部が弾性表面波の伝播方向において相互にλ/2ずれて配置してある。このため、第1トラック48において生じた横モードと第2トラック50において生じた横モードとの位相が反転し、両者が滑らかに結合された状態となり、1次〜3次の横モードが図1の右側に示したような波形になる。なお、発明者の実験によると、同一の電極指に形成した一対の直線部間における弾性表面波の伝播方向のずれは、電極指の形成ピッチをPtとしたときに、3λ/8≦Pt≦5λ/8の範囲にあればフィルタ特性に大きな影響を与えないことが確認された。
この場合、各電極指の各直線部分の1次横モードは、主応答となるのに対して、2次横モード以上はスプリアスとなる。そして、直線部分の2次横モードによる電荷は、各IDT24、26内で相殺される。一方、各直線部の3次の横モードによる電荷は、相殺されることなくスプリアスとして現れる。すなわち、各直線分における偶数次の横モードによる電荷は相殺され、奇数次の横モードによる電荷がスプリアスとして現れる。しかし、実施形態の弾性表面波素子片20は、トータルの交差幅を小さくすることなく、各直線部の交差幅B11、B12を小さくすることができるため、奇数次の横モードによるスプリアスを所定の周波数範囲から遠ざけることができる。なお、一対の直線部(例えば36a、36b)の弾性表面波の伝播方向と直交する方向の間隔g1が3λより大きくなると、第1トラック48と第2トラック50で発生した横モードが滑らかな結合状態にならず、スプリアスの原因となるおそれがある。したがって、間隔g1は、できるだけ小さくする方がよく、望ましくは1λ以下にする。
図6は、第2実施の形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。この実施形態に係る弾性表面波素子片60は、入力用IDT24と、出力用IDT26とが弾性表面波の伝播方向に形成してある。各IDT24、26は、それぞれ一対の櫛型電極62(62a、62b)、64(64a、64b)によってすだれ状に形成してある。各櫛型電極62、64の電極指66、68、70、72は、それぞれ弾性表面波の伝播方向と直交した方向に沿って5つの直線部を有している。これらの直線部は、千鳥状に配置してあり、隣接した直線部同士が斜めに折り曲げて形成した接続部によって接続してある点が第1実施形態の電極指と異なっている。したがって、入力用IDT24、出力用IDT26は、交差幅B21〜B25を有する第1トラック74〜第5トラック78の5つのトラックが形成してある。各トラック74〜78の交差幅B21〜B25は、この実施形態の場合、同じに形成してある。IDT24、26の他の点は、第1実施形態と同様である。また、一対の反射器44は、それぞれの導体ストリップ80が各電極指の接続部と対応した位置に、斜めに折り曲げて形成した導体接続部を有する。これらの導体接続部は、同一の導体ストリップ80に形成された5つの直線部の隣接する直線部同士を相互に接続している。反射器44の他の点は、第1実施形態と同様である。
各櫛型電極62、64の電極指66、68、70、72は、形成間隔がλとなっている。このため、入力用IDT24は、すだれ状電極を構成している電極指66、68の形成ピッチPtがλ/2となっている。同様に、出力用IDT26は、電極指70、72の形成ピッチPtがλ/2となっている。また、反射器44は、隣接する導体ストリップ80の形成ピッチPrがλr/2となっている。そして、弾性表面波素子片60は、IDT24、26の電極指の形成ピッチPtと、反射器44の導体ストリップ80の形成ピッチPrとの比Pt/Prが、0.997≦Pt/Pr≦0.999にしてある。
これにより、第2実施形態の弾性表面波素子片60は、前記実施形態と同様に、弾性表面波の反射器44、44間の反射に基づくスプリアスを低減することができる。しかも、直線部の数を5つにすることによって、各トラックの交差幅の総和(B21+B22+B23+B24+B25)からなるトータル交差幅を大きくすることができ、負荷インピーダンスをより小さくすることができる。また、トータル交差幅を第1実施形態と同じにした場合に、各トラックの交差幅B21〜B25を第1実施形態の各交差幅B11、B12より小さくすることができ、横モードによるスプリアスを設計周波数からさらに遠ざけることができる。しかも、弾性表面波素子片60は、同一の電極指に形成した5つの直線部が千鳥状に配置してあるため、IDT24、26の弾性表面波の伝播方向における幅を小さくすることができ、素子片の小型化を図ることができる。なお、直線部は、千鳥状に配置しなくともよい。また、直線部の数は、任意に設定することができる。
図7は、第3実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。図7に示した弾性表面波素子片90は、入力用IDT24と出力用IDT26とがそれぞれ一対の櫛型電極92(92a、92b)、94(94a、94b)から形成してある。各櫛型電極92、94は、電極指96、98、100、102がそれぞれ3つの直線部と、これらの直線部間に折り曲げて斜めに形成した接続部とから形成してある。したがって、各IDT24、26は、直線部からなる第1トラック104、第2トラック106、第3トラック108の3つのトラックを形成している。しかし、この実施形態においては、各トラック104、106、108の幅(電極指の交差幅)B31、B32、B33が相互に異なっている。
すなわち、櫛型電極92a、94aの電極指96、100は、バスバーに接続した基端側の直線部が一番長く、先端側にいくほど直線部が短くなっている。逆に櫛型電極92b、94bの電極指98、102は、バスバーに接続した基端側の直線部が一番短く、先端側にいくほど長くなっている。これらのトラック104、106、108の幅(電極指の交差幅)B31〜B33は、各トラックにおいて励振する弾性表面波の中心周波数をどのように設定するかによって定められる。
また、入力用IDT24と出力用IDT26とを挟んで設けた一対の反射器44は、導体ストリップ110が各トラック104〜108に対応させた長さの異なる3つの直線部と、各直線部間に折り曲げて斜めに形成した導体接続部とからなっている。そして、IDT24、26を構成する電極指の形成ピッチPt(=λ/2)と、反射器44を構成する導体ストリップ110の形成ピッチPrとの比Pt/Prが0.997≦Pt/Pr≦0.999にしてある。
これにより、第3実施形態の弾性表面波素子片90は、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、弾性表面波素子片90は、各トラック104〜108の幅B31〜B33が相互に異なっているため、各トラック104〜108によって生成される弾性表面波の周波数が異なり、帯域幅の広いフィルタを形成することができる。
なお、直線部の長さの順番は、任意に設定することができる。すなわち、図7に示す実施形態では、第1トラック104の幅B31を一番広くし、第2トラック106、第3トラック108の順に幅を狭くした場合を示したが、第2トラック106の幅B32を一番広くしてもよいし、第3トラック108の幅B33を一番広くしてもよい。また、2つまたは4つ以上のトラックを形成して、それぞれのトラック幅を異ならせてもよい。
図8は、第1実施形態の弾性表面波素子片20を備えた弾性表面波フィルタの一例を示す説明図である。図8において、弾性表面波フィルタ120は、弾性表面波素子片20がパッケージ122に収容してある。パッケージ122は、弾性表面波素子片20を収容する収容凹部124を形成するパッケージベース126と、収容凹部124を封止するリッド128とを備えた構成である。パッケージベース126は、収容凹部124内に電極パッド130が設けてあり、外面に電極パッド130と電気的に接続した外部電極132が設けてある。弾性表面波素子片20は、パッケージベース126の収容凹部124の底面に接着剤(図示せず)を介して実装してある。そして、弾性表面波素子片20は、入力用IDT24と出力用IDT26とが、ボンディングワイヤ134を介して電極パッド130に電気的に接続してある。また、パッケージベース126の上面には、リッド128が気密に接合してある。これにより、弾性表面波素子片20は、弾性表面波フィルタ120として様々な電子機器に搭載することが可能になる。
本発明の第1実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。 IDTの電極指の形成ピッチと反射器の導体ストリップの形成ピッチとの比と、図10における減衰量の差aとの関係を示す図である。 IDTの電極指の形成ピッチと反射器の導体ストリップの形成ピッチとの比と、図10における減衰量の差bとの関係を示す図である。 IDTの電極指の形成ピッチPtと反射器の導体ストリップの形成ピッチPrとの比が0.994のときの、弾性表面波素子片の周波数特性を示す図である。 IDTの電極指の形成ピッチPtと反射器の導体ストリップの形成ピッチPrとの比が0.998のときの、弾性表面波素子片の周波数特性を示す図である。 第2実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。 第3実施形態に係る弾性表面波素子片の平面図である。 実施の形態に係る弾性表面波フィルタの一例を示す説明図である。 従来の弾性表面波素子片を模式的に示した平面図である。 従来の弾性表面波素子片の周波数特性を示す模式図である。
符号の説明
20………弾性表面波素子片、22………圧電基板、24………入力用IDT、26………出力用IDT、28a、28b………櫛型電極、30a、30b………櫛型電極、36、38、40、42………電極指、36a〜42a………直線部、36b〜42b………直線部、36c〜42c………接続部、44………反射器、46………導体ストリップ、48………第1トラック、50………第2トラック、60、90………弾性表面波素子片、62a、62b………櫛型電極、64a、64b………櫛型電極、66、68、70、72………電極指、74………第1トラック、75………第2トラック、76………第3トラック、77………第4トラック、78………第5トラック、80………導体ストリップ、92a、92b………櫛型電極、94a、94b………櫛型電極、96、98、100、102………電極指、104………第1トラック、106………第2トラック、108………第3トラック、110………導体ストリップ、120………弾性表面波フィルタ、122………パッケージ、126………パッケージベース、128………リッド。

Claims (3)

  1. 圧電基板の表面にすだれ状電極と、このすだれ状電極を挟んで配置した格子状の反射器とを備えた弾性表面波素子片において、
    前記すだれ状電極の電極指は、複数の直線部と、各直線部間に斜めに折り曲げて形成されて前記各直線部を相互に接続する接続部とからなり、
    前記各電極指の形成ピッチをPt、前記反射器を構成している各導体ストリップの形成ピッチをPrとしたときに、
    0.997≦Pt/Pr≦0.999
    である、
    ことを特徴とする弾性表面波素子片。
  2. 請求項1に記載の弾性表面波素子片において、
    前記各電極指の対応する直線部によって形成される複数のトラックは、トラック間における電極指の交差幅が相互に異なっていることを特徴とする弾性表面波素子片。
  3. 請求項1または2に記載の弾性表面波素子片を備えていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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