JP4701765B2 - 液滴吐出ヘッドバー、液滴吐出装置、及び、液滴吐出ヘッドバー製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッドバー、液滴吐出装置、及び、液滴吐出ヘッドバー製造方法 Download PDF

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本発明は、液滴の吐出される複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドユニットが複数配列された液滴吐出ヘッドバー、この液滴吐出ヘッドバーを備えた液滴吐出装置、及び、前記液滴吐出ヘッドバーの製造方法に関する。
液滴吐出装置としてのインクジェット記録装置において、より高速での画像記録を行うために、ノズルの形成された複数のインクジェット記録ヘッドユニット(以下「ヘッドユニット」という)を紙幅方向に複数並べて固定し、長尺のインク吐出ヘッドを構成するものがある。たとえば特許文献1や特許文献2には、べースプレート上にヘッドユニット(サブユニット)を1列に並べ、長尺のインク吐出ヘッドを構成する技術が開示されている(特許文献1、特許文献2参照)。
ところで、インクジェット記録装置では、高画質を実現するため、ノズルの位置合わせは重要である。したがって、上記のようにベースプレート上に複数のヘッドユニットを配列する場合、各ヘッドユニット間での位置合わせを高精度に行なう必要がある。しかしながら、各ヘッドユニットのサイズのばらつき、ベースプレートの厚みのばらつき、そり、うねり等は、製造工程において生じやすく、高精度に位置合わせするためには各部材を高精度に加工する必要があり、高いコストがかかっていた。
特開平2−2009号公報 特開平5−24192号公報
本発明は、このような問題点に鑑み、低コストで複数の液滴吐出ヘッドユニット間のノズルの位置合わせ行なうことができ、かつ、複数の液滴吐出ヘッドユニット間のノズル面を平坦に保持することのできる液滴吐出ヘッドバー、この液滴吐出ヘッドバーの製造方法、及び、前記液滴吐出ヘッドバーを備えた液滴吐出装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の液滴吐出ヘッドバーは、ノズルから液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドユニットと、前記複数の液滴吐出ヘッドユニットが離間されて配列される長尺基板と、前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板との間に配置され、前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板との間の距離を保持する距離保持部材と、を備え、前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板とは接着剤を介して接着され、前記距離保持部材は、一端が前記長尺基板に固定され他端が前記液滴吐出ヘッドユニットに突き当てられること、を特徴としている。
本発明の液滴吐出ヘッドバーは、複数の液滴吐出ヘッドユニットが長尺基板に配列されたものであり、液滴吐出ヘッドバーと長尺基板とは離間されている。液滴吐出ヘッドバーと長尺基板との間の距離は、複数の液滴吐出ヘッドユニットのノズル面の高さをそろえるために、各液滴吐出ヘッドユニット毎に調整される。すなわち、複数の液滴吐出ヘッドユニット間における厚みのバラツキや、長尺基板の厚みのバラツキ、そり等によるノズル面までの距離の差を、液滴吐出ヘッドバーと長尺基板との間の距離で吸収する。このようにして、複数の液滴吐出ヘッドユニットのノズル面の位置合わせを、低コストで行なうことができる。
ところで、液滴吐出ヘッドバーと長尺基板との間の距離は調整された後でもその後の処理や経時などにより変化することがある。ところが、複数の液滴吐出ヘッドユニット間でこの距離がバラバラに変化してしまうと、液滴吐出ヘッドバーのノズル面に凹凸が生じ、画像記録に影響が出てしまう。
そこで、本発明では、距離保持部材を液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板との間に配置し、液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板と間の距離を保持する。これにより、液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板との間の距離が一定に保たれ、液滴吐出ヘッドバーのノズル面を平坦に保持することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドバーは、前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板とが接着剤を介して接着され、前記距離保持部材は、一端が前記長尺基板に固定され他端が前記液滴吐出ヘッドユニットに突き当てられること、を特徴としている。
液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板とを接着剤を介して接着すると、接着剤の厚み分だけ液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板とは離間される。通常、硬化処理などにより接着剤は収縮するため、互いに接近する方向へ移動してしまう。そこで、距離保持部材の一端を長尺基板に固定し、他端を液滴吐出ヘッドユニットに突き当てる。これにより、接着剤の収縮による両者の接近は規制され、液滴吐出ヘッドバーのノズル面を平坦に保持することができる。
請求項2に記載の液滴吐出装置は、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドバーを備えたものである。
本発明の液滴吐出装置によれば、複数の液滴吐出ヘッドユニットのノズル面の位置合わせを、低コストで行なうことができ、かつ、複数の液滴吐出ヘッドユニット間のノズル面を平坦に保持することができる液滴吐出ヘッドバーを備えているので、液滴吐出装置を低コストで製造できると共に、平坦なノズル面から液滴を吐出することにより、高画質の画像を記録することができる。
請求項3に記載の液滴吐出ヘッドバー製造方法は、請求項1に記載の液滴吐出ヘッドバーを製造する液滴吐出ヘッドバー製造方法であって、前記複数の液滴吐出ヘッドユニットの前記ノズルが形成されたノズル面と逆側の面と、前記長尺基板とを対向させ、前記液滴吐出ヘッドユニットのノズル面が所定の位置に配置されるように前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板とを接近させ、前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板との間の距離が保持されるように前記距離保持部材を配置するものである。
本発明の液滴吐出ヘッドバー製造方法では、まず複数の液滴吐出ヘッドユニットのノズル面と逆側の面と、長尺基板とを対向させる。そして、液滴吐出ヘッドユニットのノズル面が所定の位置に配置されるように液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板とを接近させる。
ここで、所定の位置とは、液滴吐出ヘッドバーのノズル面の高さが一定にそろえられる位置をいい、複数の液滴吐出ヘッドユニットの間の厚みのバラツキや、長尺基板の厚みのバラツキ、そり等によるノズル面までの距離の差が、液滴吐出ヘッドバーと長尺基板との間の距離で吸収されるように、各々液滴吐出ヘッドユニット毎に設定される。
そして、このように接近させた液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板との間の距離が保持されるように距離保持部材を配置する。
本発明の液滴吐出ヘッドバー製造方法によれば、液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板とを接近させた後に、距離保持部材を配置するので、液滴吐出ヘッドユニットと長尺基板との間の距離を一定に保つことができ、これにより、液滴吐出ヘッドバーのノズル面を平坦に保つことができる。
以上、本発明によれば、低コストで、各液滴吐出ヘッドユニットのノズル面の高さをそろえることができ、かつ、複数の液滴吐出ヘッドユニット間のノズル面を平坦に保持することができる。
[第1実施形態]
本実施形態のインクジェット記録装置10は、図1に示すように、用紙を送り出す用紙供給部12と、用紙の姿勢を制御するレジ調整部14と、インク滴を吐出して用紙に画像形成する記録ヘッド部16と、記録ヘッド部16のメンテナンスを行なうメンテナンス部18とを備える記録部20と、記録部20で画像形成された用紙を排出する排出部22とから基本的に構成される。
用紙供給部12は、用紙が積層されてストックされているストッカ24と、ストッカ24から1枚ずつ枚葉してレジ調整部14に搬送する搬送装置26とから構成されている。
レジ調整部14は、ループ形成部28と用紙の姿勢を制御するガイド部材29が備えられており、この部分を通過することによって用紙のコシを利用してスキューが矯正されると共に搬送タイミングが制御されて記録部20に進入する。
排出部22は、記録部20で画像が形成された用紙を排紙ベルト23を介してトレイ25に収納するものである。
記録ヘッド部16とメンテナンス部18の間には、記録紙Pが搬送される用紙搬送路が構成されている。スターホイール17と搬送ロール19とで記録紙Pを挟持しつつ連続的に(停止することなく)搬送する。そして、この用紙に対して、記録ヘッド部16からインク滴が吐出され当該記録紙Pに画像が形成される。
メンテナンス部18は、記録ヘッドユニット32に対して対向配置されるメンテナンス装置21で構成されている。メンテナンス装置21は、記録ヘッドユニット32に対するキャッピングを行なうキャップCPを備え、その他、ワイピング、さらにダミージェットやバキューム等の処理を行うことができる。
図2及び図3に示すように、インクジェット記録ヘッドバー30は、紙送り方向Xと直交する方向(紙幅方向Y)に配置された、複数の記録ヘッドユニット32を備えている。図3(B)に示すように、記録ヘッドユニット32には、マトリクス状に複数のノズル54が形成されている。インクジェット記録装置10では、用紙搬送路104を連続的に搬送される記録紙Pに対し、ノズル54からインク滴を吐出することで、記録紙P上に画像が記録される。なお、インクジェット記録ヘッドバー30は、たとえば、いわゆるフルカラーの画像を記録するために、YMCKの各色に対応して、少なくとも4つ配置されている。インクジェット記録ヘッドバー30の詳細については、後述する。
図4に示すように、それぞれのインクジェット記録ヘッドバー30のノズル54による印字領域幅は、このインクジェット記録装置10での画像記録が想定される記録紙Pの用紙最大幅PWよりも長くされており、インクジェット記録ヘッドバー30を紙幅方向Yに移動させることなく記録紙Pの全幅にわたる画像記録が可能とされている(いわゆるFull Width Array(FWA))。ここで、印字領域とは、用紙の両端から印字しないマージンを引いた記録領域のうち最大のものが基本となるが、一般的には印字対象となる用紙最大幅PWよりも大きくとっている。これは、用紙が搬送方向に対して所定角度傾斜して(スキューして)搬送されるおそれがあること、また縁無し印字の要請が高いためである。
次に、インクジェット記録ヘッドバー30の詳細について説明する。
図2及び図3に示すように、インクジェット記録ヘッドバー30は、長尺基板40、複数のスペーサー部材42、及び、複数の記録ヘッドユニット32を含んで構成されている。長尺基板40は、紙幅方向Yに長尺とされ、複数の開口部40Aが形成されている。長尺基板40の紙送り方向Xの幅は、記録ヘッドユニット32のこの方向の幅よりも狭幅とされている。これにより、インクジェット記録ヘッドバー30を小型化することができる。
長尺基板40の下面には、スペーサー部材42が取り付けられている。スペーサー部材42は板状とされ、各記録ヘッドユニット32毎に、図5(A)に示すように、紙送り方向Xに互いに離間して斜め向いに2個配置されている。スペーサー部材42は、紙送り方向Xの幅の内側半分程度が長尺基板40に接着され、外側半分が長尺基板40から外側に突出されている。
2個のスペーサー部材42の間には、図示しないインクタンクからインクを記録ヘッドユニット32へ供給するインク供給ユニット44(図5参照)が配置される。2個のスペーサー部材42が、互いに離間されて配置されていることから、スペーサー部材42自体にインク供給用の流路を設ける必要はなく、このように、離間部分にインク供給ユニット44を配置すればよい。
スペーサー部材42の下面には、図5(B)にも示すように、記録ヘッドユニット32が配置されている。記録ヘッドユニット32は、斜め向いに配置される1対のスペーサー部材42に架け渡されるように配置され、紙送り方向Xの中央部は平行四辺形状とされている。記録ヘッドユニット32は、板状の液体中継部材50及びヘッド基板52で構成されている。ヘッド基板52は、インクの吐出側に配置され、ノズル面52A側にはインクを吐出させるノズル54(図3(B)参照)がマトリクス状に形成されている。ヘッド基板52には、インクを吐出させるための圧電素子、振動板、圧力室などが備えられている。
液体中継部材50は、長尺基板40側に配置され、開口部40Aを介してインク供給ユニット44と連接されている。インク供給ユニット44は、図示しないインクタンクからインクを記録ヘッドユニット32へ供給する。液体中継部材50には、インク供給ユニット44と連通されて各ノズル54へインクを供給する個別供給路(図示省略)が形成されている。
記録ヘッドユニット32とスペーサー部材42との間は所定距離だけ離間され、離間されたギャップG部分に接着剤Uが介在されている。ギャップGは、各記録ヘッドユニット32毎に調整されて、複数の記録ヘッドユニット32のノズル面52Aが高さZ方向でそろえられ、ノズル面52Aが同一面上に配置されている。記録ヘッドユニット32の長尺基板40への接着は、接着剤Uで行なわれている。
スペーサー部材42には、ねじ46が挿通されている。ねじ46は、長尺基板40よりも紙送り方向Xの外側の2箇所に配置されている。ねじ46は、スペーサー部材42を貫通し、先端部が、記録ヘッドユニット32に突き当てられている。このように、ねじ46がスペーサー部材42と記録ヘッドユニット32との間に配置されることにより、接着剤Uの収縮が起きても、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32との間の距離は一定に保持される。
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドバー30の製造方法を、図6(A)〜図6(D)を参照して説明する。
ここでは、図6に示す組立装置48が用いられる。組立装置48は、長尺基板40を取り付ける支持アームSAと、ノズル面ステージSTを備えている。支持アームSAの支持面とノズル面ステージSTの載置面とは平行とされ、支持アームSAはこの平行を維持したまま、上下方向(支持面とノズル面ステージSTとが近づく方向)に移動可能とされている。
まず、図6(A)に示すように、長尺基板40を支持アームSAに保持させる。このとき、長尺基板40の記録ヘッドユニット32が配置される側の面がノズル面ステージSTと平行になるように保持させる。また、記録ヘッドユニット32をノズル面ステージSTに位置決めして並べる。
次に、図6(B)に示すように、支持アームSAを位置決めステージSTに近づけていき、ノズル面ステージSTが所定の位置に配置された位置、すなわち、記録ヘッドユニット32のノズル面52Aが所定の位置に配置された位置で止める。このとき、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32の間は、所定距離だけ離間されている。
次に、図6(C)に示すように、支持アームSAと位置決めステージSTとの距離を上記の状態で維持したまま、ねじ46をスペーサー部材42の上側からねじ込み、記録ヘッドユニット32に突き当てる。そして、図6(D)に示すように、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32の間の隙間に接着剤Uを注入し、硬化させる。
その後、図6(E)に示すように、組立装置48から取り外して、インクジェット記録ヘッドバー30が完成する。
上記製造方法では、ねじ46をスペーサー部材42の上側からねじ込んで記録ヘッドユニット32に突き当てることにより、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32との間の距離が保持されているので、接着剤Uの硬化処理を行なっても、接着剤Uの収縮によるスペーサー部材42と記録ヘッドユニット32と接近を防止することができる。
なお、上記製造方法では、ねじ46をセットした後に、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32の間の隙間に接着剤Uを注入したが、図7(A)〜(D)に示すように、先に接着剤Uを記録ヘッドユニット32に塗布しておき(図7(A)参照)、その後にねじ4スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32とを所定位置まで接近させて(図7(B)参照)、ねじ46をセット(図7(C)参照)してもよい。
次に本実施形態のインクジェット記録装置10の作用について説明する。
インクジェット記録装置10に印刷を指令する電気信号が送られると、ストッカ24から記録紙Pが1枚ピックアップされ、搬送装置26により、記録部20へ搬送される。
一方、インクジェット記録ヘッドバー30には、すでにインクタンクからインク供給ポートを介して記録ヘッドユニット32の個別流路にインクが注入(充填)されている。このとき、ノズル54の先端(吐出口)では、インクの表面が僅かに凹んだメニスカスが形成されている。
記録紙Pを所定の搬送速度で搬送しつつ、記録ヘッドユニット32の複数のノズル54から選択的にインク滴を吐出することにより、記録紙Pに、画像データに基づく画像を記録する。
なお、本実施形態では、記録ヘッドユニット32が、紙送り方向Xの中央部が平行四辺形状とされている例について説明したが、図8に示すように、スペーサー部材42を紙送り方向Xで対向する位置に配置し、記録ヘッドユニット32を長方形状とすることもできる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のインクジェット記録装置の全体構成は、第1実施形態と同様であり、インクジェット記録ヘッドバーの構成もほぼ同様である。
本実施形態のインクジェット記録ヘッドバー60は、図9に示すように、ねじ46に代えて、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32との距離を保持するために、調整ブラケット62が用いられている。調整ブラケット62は、図9(B)に示すように、長方形板状とされ、中央部に長手方向の溝66が形成されている。調整ブラケット62は、長手方向が長尺基板40の厚み方向Zと同方向となるようにして、一端部が長尺基板40の紙送り方向Xの端部外側に配置され、他端部が記録ヘッドユニット32に当接されている。調整ブラケット62の溝66には、ねじ68が挿通されている。ねじ68は、長尺基板40の図示しないねじ穴に螺合されている。調整ブラケット62は、ねじ68緩めるとZ方向に移動可能となり、記録ヘッドユニット32と長尺基板40(スペーサー部材42)との距離を調整可能とされている。また、調整ブラケット62は、ねじ68をねじ穴に締結することにより移動が規制され、記録ヘッドユニット32と長尺基板40(スペーサー部材42)との距離を保持可能とされている。調整ブラケット62は、1つの記録ヘッドユニット32に対して、長尺基板40の両端辺に2個ずつ設けられている。
次に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドバー60の製造方法を、図10(A)〜図10(D)を参照して説明する。本実施形態でも第1実施形態と同様の組立装置48が用いられる。
まず、図10(A)に示すように、長尺基板40を支持アームSAに保持させる。このとき、調整ブラケット62がZ方向に移動可能なように、ねじ68は緩めておく。また、記録ヘッドユニット32をノズル面ステージSTに位置決めして並べる。
次に、図10(B)に示すように、支持アームSAを位置決めステージSTに近づけていき、調整ブラケット62が記録ヘッドユニット32に当接され、ノズル面ステージSTが所定の位置に配置された位置、すなわち、記録ヘッドユニット32のノズル面52Aが所定の位置に配置された位置で止める。このとき、調整ブラケット62のねじ68と溝66との相対位置は、各記録ヘッドユニット32毎に調整され、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32の間は、所定距離だけ離間される。支持アームSAと位置決めステージSTとの距離を上記の状態で維持したまま、ねじ68を長尺基板40との間で締結させて調整ブラケット62を固定する。そして、図10(C)に示すように、スペーサー部材42と記録ヘッドユニット32の間の隙間に接着剤Uを注入し、硬化させる。その後、図10(D)に示すように、組立装置48から取り外して、インクジェット記録ヘッドバー60が完成する。
上記製造方法では、調整ブラケット62が記録ヘッドユニット32に突き当てられているので、接着剤Uの硬化処理を行なっても、接着剤Uの収縮によるスペーサー部材42と記録ヘッドユニット32と接近を防止することができる。
以上第1、第2実施形態においては、紙幅対応のFWAの例について説明したが、本発明のインクジェット記録ヘッドは、これに限定されず、主走査機構と副走査機構を有するPartial Width Array(PWA)の装置にも適用することができる。特に、本発明は、高密度ノズル配列を実現するのに有効なものであるため、1パス印字を必要とするFWAには好適である。
その他、上記実施例のインクジェット記録装置10では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッドバー30がそれぞれキャリッジに搭載され、それら各色の記録ヘッドユニット32から画像データに基づいて選択的にインク滴が吐出されてフルカラーの画像が記録紙Pに記録されるようになっているが、本発明におけるインクジェット記録は、記録紙P上への文字や画像の記録に限定されるものではない。
すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成するなど、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して、本発明に係る液滴吐出ヘッドバーを適用することができる。
本実施形態でも、紙幅対応のFWAの例について説明したが、本発明のインクジェット記録ヘッドバーは、これに限定されず、PWAの装置にも適用することができる。
また、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成するなど、工業的に用いられる液滴吐出(噴射)装置全般に対して、本発明に係るインクジェット記録ヘッドを適用することができる。
第1実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す概略図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーの斜視図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーの、(A)は側面図であり、(B)は下面図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーによる印字領域を示す図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーの記録ヘッドユニットの取り付け部分の(A)は上面図であり、(B)は側面図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーを製造する工程(A)〜(B)を示す説明図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーを製造する工程(C)〜(E)を示す説明図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーを製造する工程の変形例(A)〜(B)を示す説明図である。 第1実施形態のインクジェット記録ヘッドバーを製造する工程の変形例(C)〜(D)を示す説明図である。 第1実施形態の記録ヘッドユニットの変形例を示す図である。 第2実施形態のインクジェット記録ヘッドバーの(A)は上面図であり、(B)は側面図である。 第2実施形態のインクジェット記録ヘッドバーを製造する工程(A)〜(B)を示す説明図である。 第2実施形態のインクジェット記録ヘッドバーを製造する工程(C)〜(D)を示す説明図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置
30 インクジェット記録ヘッドバー
32 記録ヘッドユニット
40 長尺基板
42 スペーサー部材
52A ノズル面
54 ノズル
60 インクジェット記録ヘッドバー
62 調整ブラケット
U 接着剤

Claims (3)

  1. ノズルから液滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドユニットと、
    前記複数の液滴吐出ヘッドユニットが離間されて配列される長尺基板と、
    前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板との間に配置され、前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板との間の距離を保持する距離保持部材と、
    を備え、
    前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板とは接着剤を介して接着され、
    前記距離保持部材は、一端が前記長尺基板に固定され他端が前記液滴吐出ヘッドユニットに突き当てられること、を特徴とする液滴吐出ヘッドバー。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドバーを備えた液滴吐出装置。
  3. 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドバーを製造する液滴吐出ヘッドバー製造方法であって、
    前記複数の液滴吐出ヘッドユニットの前記ノズルが形成されたノズル面と逆側の面と、前記長尺基板とを対向させ、
    前記液滴吐出ヘッドユニットのノズル面が所定の位置に配置されるように前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板とを接近させ、
    前記液滴吐出ヘッドユニットと前記長尺基板との間の距離が保持されるように前記距離保持部材を配置する、
    液滴吐出ヘッドバー製造方法。
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