JP4701228B2 - 吸収性物品の個装構造 - Google Patents
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Description
この個装構造においては、個装材を、その上に置載された生理用ナプキンごと内側に折り畳む構造をとる事によって、個装形態での横幅を製品幅よりも小さくし、コンパクトにすることが可能となり、且つヒートシールでの熱圧着を行っていないため、開封時の音を非常に小さくすることが可能となった。
一方、特許文献2記載の個装構造の場合、固定材を剥がし、製品を長手方向に広げただけでは製品が露出されていないため、その後更に幅方向に個装材を開かない限りは製品を取り出すことが出来ず、その為、開封し製品を取り出すまでに手間と時間を要してしまうという問題があった。
これにより、吸収性物品の個装形態での幅を、吸収性物品そのものの幅よりも小さくすることが可能になるとともに、長手両側縁部の折り返し部間に設けられた隙間から吸収性物品を露出させることが出来る。
また、個装材同士を接着する際に、二つの折り返し部の離間して設けられた長手方向他端部の合計2箇所で仮止めすることが可能になり、従来のように、長手側縁部に亘ってヒートシールにより個装材同士を接着させる必要がなくなって、製造コストを削減することが出来る。
以下、本発明の実施形態1を、図1〜図3を用いて説明する。
図1は本願発明の個装構造を適用した生理用ナプキンの個装構造の平面図である。図2は、図1のA−A´における断面図で、図3は、図1の生理用ナプキンの個装過程を説明するための説明図である。
ここで、個装形態のナプキン1のうち、長手方向の固定材9が取り付けられている一端部側の領域を後方部10a、長手方向の他端部側の領域を前方部10c、後方部10aと前方部10cの間の部分を中間部10bとして、以下説明する。
トップシートに多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等の体液がより速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
液不透過性のシートとしては、例えば、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材であり、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
また、粘着層7を形成する粘着剤としては、ポリアクリル酸エステルを主体とし一般的に耐久性において優れた性質をもっているアクリル系粘着剤や、天然ゴム、合成ゴムの弾力性成分と粘着付与剤が主成分で、これに可塑剤、老化防止剤などが配合されているゴム系粘着剤、またはホットメルト接着剤などの既知の粘着剤を使用することが出来る。
従って、係止片6a、6a部分と個装材8をトップシート2側に折り返すと、二つの折り返し部12は、重ならないため、二箇所の折り返し部12の縁は離間してなり、この間に隙間が形成されることとなる。そして、ナプキン1の中央部がこの隙間部分から露出されることとなる。
まず、個装材8上にナプキン1が当接された状態(図3(a))から、個装材8の長手両側縁部8aをトップシート2側(肌当接面側)に折り返し(図3(b))、この折り返された折り返し部12の長手方向両端部12a、12bの計4箇所を、個装材8内面同士をホットメルトなどの接着手段で仮止めして仮止め部13を形成する(図3(c))。
次いで、ナプキン1の長手方向の例えば約1/3の長さを以って、個装材8及びナプキン1の前方部10cをトップシート2側に折り畳み(図3(d))、さらにナプキン1の長手方向の同じく約1/3の長さを以って、個装材8及びナプキン1の後方部10aをトップシート2側に折り畳み(図3(e))、最後に固定材9を個装材8の外表面8bに固定し(図3(f))、個装形態を形成する。
ここで、長手方向両端から折り畳む長さについては、折り畳んだ状態で長手方向の一端と他端が離間していない状態であれば、その長さは特に限定されるものではない。
一般的に、ナプキン1の個装工程は、トップシート2とバックシート3及び両シートによって介装された吸収体4を備えるナプキン1を製造した後、製造したナプキン1を帯状の個装材8上面に等間隔で貼着し、この帯状の個装材8を引っ張ることでナプキン1を移動させながら、折り畳み工程、固定工程、切断工程などの工程を経て個装形態の製品を完成させる。つまり、個装材8は、ナプキン1を個装する役割のみならず、個装工程においては、ナプキン1を搬送する役割も果たしている。
ところが、本実施形態のナプキン1の個装構造では、ナプキン1及び個装紙8の短手方向への折り返しを行うために長手方向で個装材8が切断されることとなるため、個装材8を搬送手段として用いることができず、上記した方法により連続した個装工程で個装できなくなってしまう。
そこで、個装材8の外表面8bに、外面シート101を設けた。この、外面シート101は個装材8の外表面8bであれば、その位置や幅は問わず、素材も、例えば、不織布を使用してもよいし、それ以外にフィルム等を適宜使用しても構わない。
個装材8の外表面8bに外面シート101を設けることによって、個装材8を切断しても、外面シート101を搬送手段として用いることができることとなり、最終工程までナプキン1を搬送し、個装形態を形成可能となり、本願発明の個装構造を有するナプキン1を上記製造ラインを用いても機械の構造を大幅に改良することなく、製造することが可能になり、ライン改良費などのコストを節約することが出来る。
また、折り返し部12、12の個装材8内表面と、対向する個装材8の内表面とを4箇所の仮止め部13で仮止めしたことにより、ヒートシールの必要がなくなり、開封時、ヒートシール部を開裂することによって発生していた開封音を抑えることが出来、その上、ヒートシールを行うための製造工程が不要になり、製品そのものが製造しやすくなるだけでなく、製造工程にかかるコストも抑えることが出来る。
さらに、二つの折り返し部12、12が離間して設けられていることによって、二つの折り返し部12、12の隙間からナプキン1が露出可能となり、ワンステップで、ナプキン1をつまみ、取り出して装着することが出来る。つまり、開封までの時間を短縮することが可能になることのみならず、ワンステップで開封した際に、ナプキン1の全体ではなく中央部のみを露出させているため、開封時にナプキン1が露出する面積が小さく、衛生的に個装することが出来る。
その上、個装材8の短手方向の長さをナプキン1以下にすることによって、個装材8用資材を少なくすることが可能になり、それにより、コストダウン、使用後のゴミ発生量の低減、個装厚み及び幅の縮小などを実現することが出来る。
さらに、個装材8に不織布を使用することによって、より音の発生を抑えることが出来る。
そして、個装材8の外表面8bに外面シート101を設けることにより、現在の製造ラインを大きく改良することなく、新規の個装構造を有するナプキン1を製造することが可能になり、製造ライン改良費などのコストを節約することが出来る。
次に、本発明の実施形態2ついて図5及び図6を用いて説明する。図5は、本願発明の個装構造を適用した生理用ナプキンの第二の実施形態の平面図であり、図6は、本願発明の個装構造を適用した生理用ナプキンの第二の実施形態の個装工程を説明するための説明図である。
図5の実施形態2を説明するに当たっては、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示したナプキン200は、装着時に装着者のヒップの部分に当たるナプキン本体の長手両側縁部201b、201bの前方部10cに幅方向に延出するヒップホールド用フラップ(以下、ヒップホールドという)201a、201aを備えている。
図6に示すように、ナプキン200を個装する個装材202は、長手方向一端部である上底部202aの長さと長手方向他端部である下底部202bの長さが異なる台形状となっている。
次に、ナプキン200の個装構造について説明する。
まず、個装材202に、下底部202b側にヒップホールド201a、201aが向くようにナプキン200を配置する(図6(a))。
次いで、個装材202の長手両側部を、上底部202a及び下底部202bに対して折り目が垂直となるように短手方向内側に折り返す(図6(b))。このとき、ナプキン本体から突出したヒップホールド201a、201aの全部がトップシート2側に折り返される。
個装材202の長手両側縁部202c、202cを内側に折り返すことにより形成した二つの折り返し部12は、長手方向一端部同士が重なり、この重ね部203における一方の折り返し部12の内表面と他方の折り返し部12の外表面202dとをホットメルト等により仮止めを行い、さらに、個装材202の長手方向の上底部202aでは、折り返し部12で二箇所仮止を行う。
このとき、二つの折り返し部12の長手方向他端部は離間した状態となる。また、短手方向に折り畳まれた状態(図6(c))で、個装材202に内包されたナプキン200は、矩形状をなす。
以上説明した実施形態2に係るナプキン200の個装形態においても、ナプキン200の幅より小さい幅の個装材202によって、ナプキン200本体から外側に大きく延出したヒップホールド201a、201aが露出することなく個装させることが可能になる。
つまり、ナプキン200の個装構造によれば、折り返し部12の接着箇所を3箇所、もしくは1箇所とすることも可能となり、それにより、製造工程がよりシンプルなものとなるだけでなく、製品そのものが製造しやすくなり、製造工程にかかるコスト、資材にかかるコストも抑えることが出来る。
さらに、ヒップホールド201a、201aのような大きな延出部を有するナプキン200であっても、コンパクトに個装することが出来る。
また、実施形態1及び2で挙げたものの他、係止片とヒップホールド用フラップをともに有する吸収性物品についても本願発明に係る個装構造を適用することが可能である。
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
6a 係止片(延出部)
6b ナプキン本体の長手両側縁部
7 粘着層
8 個装材
8a 個装材の長手両側側縁部
8b 個装材の外表面
9 固定材
10a 後方部
10b 中間部
10c 前方部
12 折り返し部
13 仮止め部
100 生理用ナプキンの個装ライン
101 外面シート
200 ヒップホールド用フラップ付き生理用ナプキン(吸収性物品)
201a ヒップホールド用フラップ
201b ナプキン本体の長手両側縁部
202 個装材
202a 個装材の上底部
202b 個装材の下底部
202c 個装材の長手両側縁部
202d 個装材の外表面
203 重ね部
Claims (3)
- 吸収性物品とこの吸収性物品を個装する個装材とを備え、前記吸収性物品は長手両側縁部から側方に延在する延出部を有し、前記吸収性物品の非肌当接面に設けた粘着層と前記個装材の内表面とを止着・剥離自在に粘着し、前記吸収性物品と前記個装材とを長手方向に折り畳み、前記個装材の長手方向の一端部を前記個装材の外表面に固定した吸収性物品の個装構造において、
前記個装材の長手両側縁部を前記吸収性物品の肌当接面側に折り返すことにより形成した二つの折り返し部と、
前記二つの折り返し部の長手方向一端部同士が重ねられた重ね部と、
前記二つの折り返し部の離間して設けられた長手方向他端部の個装材内表面と、対向する前記個装材の内表面とを仮止めした仮止め部と、を備えることを特徴とする吸収性物品の個装構造。 - 前記個装材の短手方向の長さが、吸収性物品幅以下であることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品の個装構造。
- 前記個装材が不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性物品の個装構造。
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