JP2003199787A - 衛生用製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理用ナプキンと包装シートとが折り畳まれ
て前記包装シートで包装された衛生用製品において、開
封の初期に、ウイング部の感圧接着剤層が露出するのを
防止し、感圧接着剤層が手や衣類に不用意に接触しない
ようにする。 【解決手段】 生理用ナプキン２０の折り曲げられたウ
イング部２９の外面の感圧接着剤層３１が離型シート５
０で覆われている。包装シート４０は生理用ナプキン２
０と共に折られ、前縁４３の内側部分において包装シー
ト４０の内面が接着部７３ａによって離型シート５０の
外面に接着されている。したがって、折り畳みを解消す
る初期の時点で、感圧接着剤層３１は離型シート５０で
覆われた状態を維持でき、感圧接着剤層３１が手などに
不用意に触れるのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキンが
折畳まれた状態で包装シートで包まれている衛生用製品
に係り、特にウイング部の外面を覆う離型シートが設け
られた衛生用製品に関する。

【０００２】

【従来の技術】生理用ナプキンは、衛生性を確保するた
めに１つずつ包装シートで包装されている。この衛生用
製品では、縦長の生理用ナプキンが、３つ重ねまたは４
つ重ねに折畳まれて、樹脂フィルムなどで形成された包
装シートにより包まれている。

【０００３】図９は従来の衛生用製品の折り畳み構造の
一例を示す斜視図である。図９に示す衛生用品１０は生
理用ナプキン１が包まれている。生理用ナプキン１の両
側縁部にはウイング部２，２が突出形成されており、こ
のウイング部２，２の外面にそれぞれ感圧接着剤層３，
３が設けられている。また、生理用ナプキン１の裏面に
も感圧接着剤層４，４が設けられている。図９（Ｃ）に
示すように、前記ウイング部２，２が生理用ナプキン１
の表面側に折り重ねられるように畳まれた状態で、前記
感圧接着剤層４，４が離型シート５で覆われている。

【０００４】包装シート６の上に前記生理用ナプキン１
と離型シート５とが重ねられ、このとき包装シート６に
設けられた剥離処理層の上に生理用ナプキン１の感圧接
着剤層４，４が接着される。このように積層された状態
で、これらが第１の折り部８ａで折られて図９（Ｃ）の
状態となる。次に第２の折り部８ｂで折られて図９
（Ｂ）の状態となる。このとき、離型シート５の前部に
塗布された接着剤７により、包装シート６の外面と前記
離型シート５の外面とが接着される。

【０００５】さらに、先部側が第３の折り部８ｃで折ら
れて、図９（Ａ）に示すように包装シート６が外面に現
れる状態に折畳まれる。そして、包装シート６の両側部
が、ヒートエンボスによるシール部９，９で封止され、
さらに包装シート６の前端がリードテープ１１で止めら
れる。

【０００６】この衛生用製品１０を開封するときには、
リードテープ１１を剥がし、シール部９，９の部分で包
装シート６を分離させながら、前記折り部８ｃと８ｂを
展開させる。このとき、包装シート６と離型シート５と
が接着剤７で接着されているため、図１０の状態に開封
されたときに、離型シート５が包装シート６と共に展開
して、離型シート５が、ウイング部２，２に設けられた
感圧接着剤層３，３から剥離される。さらに、折り部８
ａの部分で展開させ、生理用ナプキン１の裏面に設けら
れた感圧接着剤層４，４を包装シート６の剥離処理部か
ら除去する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の衛生用製品
１０では、開封時に図１０の状態に展開した時点で、離
型シート５が生理用ナプキン１から離れてしまう。その
ため、ウイング部２，２の外面に設けられた感圧接着剤
層３，３が開封のときの早い段階で露出することにな
る。そのため、その後の開封操作のときに、感圧接着剤
層３，３が手や衣服に接着されて生理用ナプキン１を着
用しにくくなり、また感圧接着剤層３，３の接着力が低
下して、ショーツのクロッチ部に設置するときに、ウイ
ング部２，２をショーツの外面に確実に接着できない不
安が生じる。

【０００８】また、図１０に示すように、開封し始めて
いるときに、生理用ナプキン１の受液側の表面が露出す
るため、この表面に手などが触れる確率が高くなり、清
潔性を保ちにくくなる。

【０００９】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、開封する際に、生理用ナプキンのウイング部の感
圧接着剤や受液側の表面が早い時期に露出しないように
して、着用時の取り扱いを容易にし且つ清潔性を保つこ
とができるようにし、さらに、生理用ナプキンを包装シ
ートおよび離型シートから簡単に離脱させることができ
る衛生用製品を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、前端と後端と
を有する縦長で且つ両側縁部からウイング部が突出して
いる生理用ナプキンと、前記生理用ナプキンの表面に折
り重ねられた前記ウイング部の感圧接着剤層を覆う離型
シートと、前記生理用ナプキンの裏面の感圧接着剤層を
覆う剥離処理部を有する包装シートとが設けられ、前記
包装シートの上に生理用ナプキンと離型シートが重ねら
れて、前記包装シートが外側に向くように折り畳まれて
いる衛生用製品において、前記包装シートには、生理用
ナプキンの後端よりも突出している後方突出部分が設け
られ、前記後方突出部分が前記離型シートの外面に重な
るように折られ、前記ウイング部の感圧接着剤層よりも
後方へ離れた位置で、包装シートの前記突出部分が前記
離型シートの外面に接着されており、さらに、前記包装
シートと生理用ナプキンが少なくとも１回折られて、前
記生理用ナプキンの前端および包装シートの前縁が、既
に折られている包装シートの外面に重なるように折り畳
まれていることを特徴とするものである。

【００１１】この衛生用製品では、離型シートと包装シ
ートとを固定している接着部が、ウイング部の接着剤層
よりも後方に位置しているため、開封時に途中まで展開
させた時点で、離型シートが前記接着剤層から剥がれに
くくなる。したがって、早い時点でウイング部の前記接
着剤層が露出することがない。また生理用ナプキンの受
液側の表面も早い時期に露出することがない。また、離
型シートと包装シートとが接着剤で連結されているた
め、生理用ナプキンの裏面から包装シートを剥がすとき
に、包装シートと離型シートとを一緒に生理用ナプキン
から分離でき、開封そのものも容易である。

【００１２】また、前記包装シートは、前記剥離処理部
を有する面が内面で、これと逆側の面が外面であり、前
記突出部分の包装シートの内面が前記離型シートの外面
に接着されているものが好ましい。

【００１３】離型シートの外面に包装シートの内面を接
着すると、離型シートの外面に包装シートの外面を接着
した場合に比べて、前記接着部を前記ウイング部の感圧
接着剤層から離れた位置に設けやすくなる。よって、開
封時に展開するときに、離型シートに無理な剥離力が作
用しにくくなり、離型シートが、ウイング部に設けられ
た接着剤層を覆う状態を長く維持しやすい。

【００１４】例えば、前記包装シートと生理用ナプキン
が第１の折り部で折られ、前記突出部分が離型シートの
外面に重ねられて第１の折り畳み部が形成されると共
に、前記突出部分と離型シートの外面とが接着されて接
着部が形成され、前記接着部と、生理用ナプキンの後端
との間に位置する第２の折り部によって、前記第１の折
り畳み部が生理用ナプキンの表面側に重なるように折ら
れて、第２の折り畳み部が形成されており、さらに、生
理用ナプキンの前端と包装シートの前縁が、前記第２の
折り畳み部の外面に重ねられて、包装シートの両側部が
シールされているものとなる。

【００１５】前記のように、３箇所の折り部により折畳
むことにより、衛生用製品を小さな形状にでき、携帯に
適したものとなる。

【００１６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の衛生用製品の一実
施の形態を示すものであり、開封前の状態を示す斜視図
である。図２ないし図６は折り畳み手順を説明するもの
であり、図２は包装シートの上に生理用ナプキンが設置
された状態を示す斜視図、図３はその平面図、図４は生
理用ナプキンに離型シートを重ねた状態を示す平面図、
図５（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）および図６（Ａ）（Ｂ）は、折
り畳み工程を示す斜視図である。図７は開封操作を示す
斜視図、図８はさらに開封を進めた状態を示す断面図で
ある。

【００１７】図１に示す衛生用製品１５は、生理用ナプ
キン２０が包装シート４０と共に折り畳まれ、包装シー
ト４０が外側に現れるように包装されたものである。

【００１８】生理用ナプキン２０は縦長形状であり、図
８の断面図に示すように、液不透過性の裏面シート２１
の上に液吸収層２２が設置され、その表面が液透過性の
表面シート２３で覆われている。液吸収層２２は、長円
形状または砂時計形状であり、液吸収層２２の外側の外
周部２４において、前記裏面シート２１と表面シート２
３とがホットメルト型接着剤などで接着固定されてい
る。

【００１９】また、前記表面シート２３と前記液吸収層
２２とが熱エンボス処理により加圧されて加圧溝２５が
形成されており、生理用ナプキン２０の表面では、前記
加圧溝２５で囲まれた部分に、隆起部２６が形成されて
いる。この生理用ナプキン２０が女性の股間部に装着さ
れるときに、前記隆起部２６が性器に密着するようにな
る。

【００２０】生理用ナプキン２０は前端２７と後端２８
を有している。図２では右側に前端２７が向けられてお
り、図３と図４では前端２７が図の上方へ向けられ、図
５、図６、図７および図８では、前端２７が図の左側に
向けられた状態でそれぞれ図示されている。

【００２１】図２および図３に示すように、生理用ナプ
キン２０の前方部分には、両側縁部から左右両側へ突出
するウイング部２９，２９が一体に形成されており、こ
のウイング部２９，２９の外面には、それぞれ第１の感
圧接着剤層３１，３１が設けられている。また、生理用
ナプキン２０の後方部分では、両側縁部が左右両側に広
がって後部フラップ部３２，３２が形成されている。こ
の後部フラップ部３２，３２の外面には、それぞれ第２
の感圧接着剤層３３，３３が設けられている。

【００２２】図３に示すように、生理用ナプキン２０の
裏面には、中央部分にて縦方向に延びる２つの帯状に形
成された第３の感圧接着剤層３４，３４が設けられてい
る。

【００２３】この生理用ナプキン２０は、就寝時に着用
するのに適したものであり、前記第３の感圧接着剤層３
４，３４を、ショーツのクロッチ部の内面に接着させ、
また後部フラップ部３２，３２を左右両側に広げた状態
で、第２の感圧接着剤層３３，３３を介してショーツの
内面に接着させる。そして、前記ウイング部２９，２９
をショーツのクロッチ部の両側縁部の部分から外面側に
折り返し、ウイング部２９，２９を前記第１の感圧接着
剤層３１，３１によりショーツの外面に接着する。

【００２４】これにより、生理用ナプキン２０はショー
ツのクロッチ部に位置ずれすることなく設置され、また
後部フラップ３２，３２を有する後方部分が臀部の下方
を広く覆うようになり、後方への経血の漏れを防止しや
すくなる。

【００２５】生理用ナプキン２０の裏面シート２１は、
ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）などを原料とした
高分子樹脂フィルムで、好ましくはフィラーを添加して
延伸させて微細な孔を形成した透湿性フィルムが使用さ
れる。

【００２６】液吸収層２２は、粉砕パルプに高吸収性ポ
リマーが混合されたもの、高吸収性ポリマーがセルロー
スシートで包まれたもの、あるいは、セルロースファイ
バーをシート状にしたものなどで形成されている。

【００２７】前記表面シート２３は、親水処理された合
成繊維で形成された不織布、多数の液透過孔が形成され
た合成樹脂フィルムなどで形成されている。

【００２８】また、前記第１の感圧接着剤層３１，３
１、第２の感圧接着剤層３３，３３および第３の感圧接
着剤層３４，３４は、それぞれホットメルト型の感圧接
着剤などで形成されている。

【００２９】前記包装シート４０は熱融着可能なもので
あり、ポリエチレン（ＰＥ）などの熱可塑性樹脂で形成
されたフィルム、あるいはポリプロピレン（ＰＰ）やポ
リエステル（ＰＥＴ）などの熱可塑性の合成繊維で形成
されたスパンボンド不織布である。または、ＰＰやＰＥ
Ｔなどの熱可塑性樹脂繊維で形成されたスパンボンド不
織布と、ＰＰやＰＥＴなどの熱可塑性樹脂繊維で形成さ
れたメルトブロン不織布とが、スパンボンド不織布／メ
ルトブロン不織布／スパンボンド不織布の順に積層され
た積層シートなどである。

【００３０】包装シート４０は、前縁４３、後縁４４、
および左右の両側縁４５，４５を有する長方形であり、
生理用ナプキン２０が設置される側が内面４１であり、
それと逆側で図１に示す包装状態の外面に現れるのが外
面４２である。

【００３１】図２に示すように、包装シート４０の内面
４１の中央部分には、剥離処理部４６が設けられてい
る。この剥離処理部４６は、包装シート４１の内面４１
の中央部分に離型シート４７が接着されることにより形
成されている。離型シート４７は、紙材または、紙材と
樹脂層とのラミネートシート、あるいは樹脂シートなど
であり、その表面４８にはシリコン樹脂などの剥離処理
剤が塗布されている。裏面４９は剥離処理されておら
ず、この裏面４９が前記包装シート４０の内面４１に接
着剤で固定されている。

【００３２】ただし、本明細書での剥離処理部４６は、
包装シート４０の内面にて第３の感圧接着剤層３４が容
易に剥がれるように処理されたものであればどのような
構成であってもよい。例えば、樹脂シートで形成された
包装シート４０の内面４１の少なくとも中央部分に前記
剥離処理剤が塗布されたもの、または紙材と樹脂層との
ラミネートシートの場合には、前記内面４１に現れる前
記樹脂層の表面に剥離処理剤が塗布されたものなどで形
成できる。

【００３３】図４などに示すように、生理用ナプキン２
０の表面側には離型シート５０が重ねられている。離型
シート５０は、生理用ナプキン２０に向けられる内面５
１が剥離処理面であり、外側に向けられる外面５２には
剥離処理が施されていない。離型シート５０は縦長の長
方形であり、前縁５３と後縁５４、および両側縁５５，
５５を有している。

【００３４】次に、前記包装シート４０と前記生理用ナ
プキン２０および離型シート５０を折畳んで前記衛生用
製品１５を形成するための手順を説明する。

【００３５】なお、実際の衛生用製品１５の製造過程で
は、包装シート４０はＸ方向に連続して延びる帯状のも
のであり、この帯状の包装シート４０の上に生理用ナプ
キン２０がＸ方向に間隔を開けて設置され、複数の生理
用ナプキン２０が包装シート４０と共に順番に折り畳ま
れて行く。そして、折り畳みが完了した後に、Ｘ方向へ
並んでいる生理用ナプキンの中間で包装シート４０がシ
ールされて側方シール部７８が形成される。さらに側方
シール部７８の部分で包装シート４０が切断されて、個
々の衛生用製品１５に分離される。しかし、以下におい
ては、便宜上、１つの生理用ナプキン２０が包装シート
４０で包装される過程を説明する。

【００３６】図３に示すように、包装シート４０の内面
４１に生理用ナプキン２０が設置される。このとき、生
理用ナプキン２０の裏面に設けられた第３の感圧接着剤
層３４，３４が、包装シート４０の内面４１に接着固定
されている離型シート４７の表面４８に接着される。

【００３７】次に、図２に示すように、生理用ナプキン
２０のウイング部２９，２９が表面シート２３に重ねら
れるように折り曲げられ、また後部フラップ部３２，３
２も表面シート２３に重ねられるように折り曲げられ
る。この時点で、ウイング部２９，２９に設けられた第
１の感圧接着剤層３１，３１と、後部フラップ部３２，
３２に設けられた第２の感圧接着剤層３３，３３が外向
きに現れる。

【００３８】図４および図５（Ａ）に示すように、生理
用ナプキン２０の上に離型シート５０が設置される。離
型シート５０は、剥離処理面である内面５２が生理用ナ
プキン２０に向けられ、前記内面５２が、第１の感圧接
着剤層３１，３１と第２の感圧接着剤層３３，３３に接
着される。この実施の形態では、離型シート５０の前縁
５３と後縁５４および両側縁５５，５５が生理用ナプキ
ン２０からはみ出ないように設置される。

【００３９】図４に示すように、前記生理用ナプキン２
０の前記前端２７の近傍に位置する前記包装シート４４
の前部には、包装シート４０の前縁４３が生理用ナプキ
ン２０の前端２７を越えて前方へ所定長突出して前方突
出部分６１が形成されている。また、前記生理用ナプキ
ン２０の前記後端２８の近傍に位置する前記包装シート
４４の後部には、包装シート４０の後縁４４が生理用ナ
プキン２０の後端２８を越えて所定長後方へ突出して後
方突出部分６２が形成されている。さらに、包装シート
４０の両側縁４５，４５も生理用ナプキン２０の左右両
側縁部を越えて両側へ少し突出して側方突出部分６３，
６３が形成されている。

【００４０】図４および図５（Ａ）のように、包装シー
ト４０の上に生理用ナプキン２０と離型シート５０とが
重ねられた状態で、その積層体が折畳まれる。

【００４１】まず、図５（Ａ）に示すように、生理用ナ
プキン２０の後方部分で且つ第２の感圧接着剤層３３，
３３よりもやや前方部分で、幅方向に延びる第１の折り
部７１で折られ、それよりも後方部分の包装シート４０
と生理用ナプキン２０および離型シート５０が、離型シ
ート５０の外面５２に重ねられて、図５（Ｂ）に示す第
１の折り畳み部７２が形成される。

【００４２】このとき、第１の感圧接着剤層３１，３１
よりも後方部分において、離型シート５０の外面５２に
ホットメルト型などの接着剤７３が塗布される。そし
て、第１の折り畳み部７２が形成される際に、前記後方
突出部分６２における包装シート４０の内面４１が前記
接着剤７３を介して離型シート５０の外面５２に接着固
定されて、接着部７３ａが形成される。離型シート５０
の外面５２に、包装シート４０の内面４１を接着するよ
うに構成すると、離型シート５０の外面５２に包装シー
ト４０の外面４２を接着した場合に比べて、前記接着部
７３ａを前記第１の感圧接着剤層３１，３１から離れた
位置に設けることができる。

【００４３】図５（Ｂ）の状態において、前記接着部７
３ａと生理用ナプキン２０の後端２８との中間部分に位
置する第２の折り部７４で折られ、前記第１の折り畳み
部７２が離型シート５０の外面５２の上に重ねられるよ
うに折畳まれて、図５（Ｃ）に示す第２の折り畳み部７
５が形成される。このとき、包装シート４０の後方突出
部分６２の先部が折り片６２ａとなって、図５（Ｃ）に
示すように前記折り片６２ａが離型シート５０の外面５
２上に対面した状態となる。

【００４４】さらに、第１の感圧接着剤層３１，３１よ
りも前方で且つ離型シート５０の前縁５３よりも前方部
分に位置する第３の折り部７６で折られて、生理用ナプ
キン２０および包装シート４０の前方部分が折り畳まれ
る。このとき、生理用ナプキン２０の前端２７と包装シ
ート４０の前縁４３が、第２の折り畳み部７５を形成し
ている包装シート４０の外面４２に重ねられる。その結
果、図６（Ａ）に示すように、生理用ナプキン２０が３
つの折り線で折られた状態で、外側が包装シート４０で
覆われた折り畳み体７７が形成される。

【００４５】図６（Ｂ）に示すように、前記折り畳み体
７７において、生理用ナプキン２０の両側縁部から突出
する包装シート４０の側方突出部分６３，６３が、複数
枚重ねられた状態でヒートエンボスシールなどで溶着さ
れて、側方シール部７８，７８が形成され、包装シート
４０の内部が封止される。さらに、包装シート４０の前
縁４３を挟んで、包装シート４０の外面４２にリードテ
ープ８１が接着されて、衛生用製品１５が完成する。

【００４６】この衛生用製品では、図５（Ｂ）に示すよ
うに、包装シート４０の内面４１と離型シート５０の外
面５２とが接着剤７３で接着されて接着部７３ａが形成
されるが、この接着部７３ａは前記のように第１の感圧
接着剤層３１，３１よりも後方位置で、第２の折り部７
４に接近した位置に設けられる。すなわち、前記接着部
７３ａは、第２の折り部７４と第３の折り部７６との間
に位置し、且つ第２の折り部７４と第３の折り部７６と
の間隔を二分する中間位置よりも第２の折り部７４に接
近した位置に設けられている。

【００４７】次に、図１および図６（Ｂ）に示す衛生用
製品１５を開封する際の最も好ましい手順を説明する。

【００４８】図６（Ｂ）に示す向きの衛生用製品１５に
おいて、リードテープ８１を剥がして、包装シート４０
の前縁４３を引き剥がし、前記側方シール部７８，７８
における包装シート４０どうしのシールを解除しなが
ら、包装シート４０および生理用ナプキン２０を展開す
る。図７は、第３の折り部７６での折りが解消されて、
包装シート４０および生理用ナプキン２０の前方部分が
展開された後に、さらに第２の折り部７４での折りが解
消されて、第１の折り畳み部７２が離型シート５０の外
面５２から離された状態を示している。

【００４９】前記のように、包装シート４０と離型シー
ト５０とを接着固定している接着部７３ａは、第１の感
圧接着剤層３１，３１から後方へ離れた位置で且つ第２
の折り部７４に接近した位置に設けられている。そのた
め、図７の状態まで開封した時点で、離型シート５０が
第１の感圧接着剤層３１，３１から剥がされることがな
い。すなわち、離型シート５０の外面５２に包装シート
４０の外面４２を接着する場合よりも、前記接着部７３
ａを前記第１の感圧接着剤層３１，３１から離れた位置
に設けることができるため、前記離型シート５０が、前
記第１の感圧接着剤層３１，３１を覆う状態を長く維持
できる。

【００５０】特に、包装シート４０には第２の折り部７
４で折られた折り片６２ａが設けられ、この折り片６２
ａにおいて、包装シート４０の内面４１が離型シート５
０の外面５２に接着されている。そのため、図７のよう
に展開された状態で、離型シート５０に大きな剥離力が
作用せず、前記折り片６２ａが離型シート５０の外面５
２に対面した状態を維持できる。

【００５１】図７の状態で、第１の感圧接着剤層３１，
３１が離型シート５０で覆われているため、第１の感圧
接着剤層３１，３１が不用意に手や衣類に接することが
ない。また表面シート２３も離型シート５０に覆われて
いるため、表面シート２３に指が触れることがなく、生
理用ナプキン２０の表面を清潔な状態に保つことができ
る。

【００５２】その後の好ましい開封手順は、図７の状態
で、生理用ナプキン２０の前端２７と包装シート４０の
前縁４３を掴み、包装シート４０を前縁４３側から後方
（図示（ｉ）方向）に向けて生理用ナプキン２０の裏面
から剥がしていく。このとき、包装シート４０の内面４
１に設けられた離型シート４７が、生理用ナプキン２０
の裏面の第３の感圧接着剤層３４，３４から剥がされ
る。

【００５３】図８は、側方シール部７８，７８でのシー
ルが解除されて、包装シート４０がほぼ平面状態となる
まで剥がされた状態を示している。この時点で、包装シ
ート４０と離型シート５０の外面５２とが、前記接着部
７３ａで接着固定されている。したがって、図８の状態
から生理用ナプキン２０の前端２７を持ちながら、さら
に包装シート４０を引き上げれば、包装シート４０が第
３の感圧接着剤層３４，３４から剥がされ、さらに接着
部７３ａを介して包装シート４０に連結されている離型
シート５０が、第１の感圧接着剤層３１，３１および第
２の感圧接着剤層３３，３３から剥がされる。その結
果、生理用ナプキン２０が、包装シート４０と離型シー
ト５０から分離される。

【００５４】このように、包装シート４０と離型シート
５０とが連結された状態で、これらから生理用ナプキン
２０を容易に分離することができ、また図８に示すよう
に、開封操作の最終段階まで、第１の感圧接着剤層３
１，３１と第２の感圧接着剤層３３，３３が露出するの
を防止でき、また表面シート２３が露出するのを防止で
きる。

【００５５】なお、前記実施の形態では、図５に示す第
１の折り部７１、第２の折り部７４および第３の折り部
７６で３回折られているが、例えば図５（Ｂ）の状態
で、生理用ナプキン２０の前端２７と包装シート４０の
前縁４３を第１の折り畳み部７２の外面に重ねられるよ
うに、２回折られたものであってもよい。

【００５６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、包装シー
トと生理用ナプキンの折り畳みを解消して展開して開封
する際に、その最初の時点でウイング部に設けられた感
圧接着剤層が露出することがないため、この感圧接着剤
層が手や衣類に不用意に触れるのを防止できる。また生
理用ナプキンの表面が離型シートに覆われた状態に維持
されるため、清潔である。

【００５７】また、包装シートと離型シートとが連結さ
れているため、包装シートと離型シートを一体的に生理
用ナプキンから剥がすことができ、開封が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の衛生用製品を示す斜視
図、

【図２】包装シートに生理用ナプキンが設置された状態
を示す斜視図、

【図３】包装シートに生理用ナプキンが設置された状態
を示す平面図、

【図４】生理用ナプキンのウイング部と後部フラップ部
が折畳まれた状態を示す平面図、

【図５】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は、包装シートと生理用ナ
プキンおよび離型シートが折畳まれる過程を順に示す斜
視図、

【図６】（Ａ）（Ｂ）はさらに折畳まれる過程を順に示
す斜視図、

【図７】衛生用製品を開封する途中の状態を示す斜視
図、

【図８】衛生用製品をさらに開封する状態を示す断面
図、

【図９】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は従来の衛生用製品が折畳
まれる過程を示す斜視図、

【図１０】従来の衛生用製品を開封する途中の状態を示
す斜視図、

【符号の説明】

１５ 衛生用製品 ２０ 生理用ナプキン ２１ 裏面シート ２２ 液吸収層 ２３ 表面シート ２７ 生理用ナプキンの前端 ２８ 生理用ナプキンの後端 ２９ ウイング部 ３１ 第１の感圧接着剤層 ３２ 後部フラップ部 ３３ 第２の感圧接着剤層 ３４ 第３の感圧接着剤層 ４０ 包装シート ４１ 内面 ４２ 外面 ４３ 前縁 ４４ 後縁 ４６ 剥離処理部 ４７ 離型シート ５０ 離型シート ６２ 後方突出部分 ７１ 第１の折り部 ７２ 第１の折り畳み部 ７３ 接着剤 ７３ａ 接着部 ７４ 第２の折り部 ７５ 第２の折り畳み部 ７６ 第３の折り部 ７８ 側方シール部 ８１ リードテープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田上 悦子 香川県三豊郡豊浜町和田浜高須賀1531−７ ユニ・チャーム株式会社テクニカルセン ター内 Ｆターム(参考） 3E067 AA12 AB93 AC01 BB14A BB25A BC04A CA24 EA07 EA24 EB23 EE21 FA02 FC01 GB08 GB09 GD06 GD10 3E068 AA40 AB02 AB03 AC07 BB01 CC26 CD01 CE01 CE03 DD01 DD17 DD27 DE10 EE13 EE32 4C003 GA08

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前端と後端とを有する縦長で且つ両側縁
   部からウイング部が突出している生理用ナプキンと、前
   記生理用ナプキンの表面に折り重ねられた前記ウイング
   部の感圧接着剤層を覆う離型シートと、前記生理用ナプ
   キンの裏面の感圧接着剤層を覆う剥離処理部を有する包
   装シートとが設けられ、前記包装シートの上に生理用ナ
   プキンと離型シートが重ねられて、前記包装シートが外
   側に向くように折り畳まれている衛生用製品において、 前記包装シートには、生理用ナプキンの後端よりも突出
   している後方突出部分が設けられ、前記後方突出部分が
   前記離型シートの外面に重なるように折られ、前記ウイ
   ング部の感圧接着剤層よりも後方へ離れた位置で、包装
   シートの前記突出部分が前記離型シートの外面に接着さ
   れており、 さらに、前記包装シートと生理用ナプキンが少なくとも
   １回折られて、前記生理用ナプキンの前端および包装シ
   ートの前縁が、既に折られている包装シートの外面に重
   なるように折り畳まれていることを特徴とする衛生用製
   品。
2. 【請求項２】 前記包装シートは、前記剥離処理部を有
   する面が内面で、これと逆側の面が外面であり、前記突
   出部分の包装シートの内面が前記離型シートの外面に接
   着されている請求項１記載の衛生用製品。
3. 【請求項３】 前記包装シートと生理用ナプキンが第１
   の折り部で折られ、前記突出部分が離型シートの外面に
   重ねられて第１の折り畳み部が形成されると共に、前記
   突出部分と離型シートの外面とが接着されて接着部が形
   成され、 前記接着部と、生理用ナプキンの後端との間に位置する
   第２の折り部によって、前記第１の折り畳み部が生理用
   ナプキンの表面側に重なるように折られて、第２の折り
   畳み部が形成されており、 さらに、生理用ナプキンの前端と包装シートの前縁が、
   前記第２の折り畳み部の外面に重ねられて、包装シート
   の両側部がシールされている請求項１または２記載の衛
   生用製品。