JP4699370B2 - 金属又は非金属フタロシアニンの調製方法及び装置 - Google Patents
金属又は非金属フタロシアニンの調製方法及び装置 Download PDFInfo
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Description
フタロシアニンは一般的に、窒素源として尿素又はアンモニアを用い、180℃以上の温度、触媒の存在下、不活性溶媒において又は溶媒を用いずに、無水フタル酸、フタルイミド、1,3-ジイミノイソインドリン、1,2-ジシアノベンゼン及びそれらの誘導体から選択される出発物質を、金属塩化物又はアルコキシ金属と反応させることによって調製される。
そのように調製されたフタロシアニンは本質的に、色素として用いるために色素沈着をしなければならない。フタロシアニンの色素沈着は、主に以下の技法によって達成される。
1)捏和:フタロシアニン及び微細に分割された塩又は金属塩を捏和機に入れ、予定された時間練り、
2)粉砕及び有機溶媒処理:フタロシアニンを乾式又は湿式粉砕に付し、続いて有機溶媒で処理し、及び
3)粉砕及び捏和:フタロシアニンを乾式又は湿式粉砕に付し、続いて練る。
一般に、フタロシアニンは、溶媒の不存在下で従来の熱源を用いて調製されてもよい。この調製方法は、さらに種々の問題を有する。第一に、反応物が調製中に均一に混合されず、且つ電気又は熱媒油を用いて加熱されることにより、反応器の内部温度が均一にならず、熱源から相対的に高い熱が与えられている高温部上に除去困難な不純物が形成されるため、低収率及び低質なフタロシアニンを引き起こすこととなる。これらの理由により、いくつかの溶媒を用いない方法が文献に報告されている。しかし、ほとんど方法がフタロシアニンの大量生産に適用できない。いくつかのチェコ及び中国の企業がフタロシアニンの大量生産を試み、最終的に成功したが、色素沈着を行ったフタロシアニンの低質さのため、生産途中で止めてしまった。
このために、本発明はさらに、金属又は非金属フタロシアニンの調製装置を提供し、この装置は、0.1〜100GHzの周波数及び100〜3,000Wのパワーを提供するマグネトロン;マイクロ波容器においてマイクロ波の波長を均一にするためのモード攪拌機;反応物の温度を正確に測定及び制御するためのPID温度制御装置;マイクロ波容器の頂部に形成されている3つの穴にそれぞれ適合するマイクロ波遮蔽K型熱電対、コンデンサー及び攪拌機;マイクロ波容器の底部に形成されている穴に適合する超音波チップ;反応物を収容するためのパイレックス(登録商標)容器;及び溶媒タンクを含む。
本発明は、溶媒の存在下でマイクロ波及び超音波エネルギーを用いることによる、又は溶媒の不存在下で鉛直型の乾式又は湿式粉砕装置、例えば磨砕機又はボール粉砕機において熱源としてマイクロ波エネルギーを用いることによる金属又は非金属フタロシアニンの調製方法を提供する。
無水フタル酸、フタルイミド、1,3-ジイミノイソインドリン、1,2-ジシアノベンゼン、その水素誘導体、そのアルキル誘導体、そのアルコキシ誘導体などを出発物質として用い、尿素又はアンモニアを窒素源として用いる。金属フタロシアニンの調製に使用するのに好適な金属源として、金属塩化物(例えば塩化銅、塩化鉄、塩化チタンなど)又はアルコキシ金属(例えばエトキシチタン、プロポキシチタン、ブトキシチタンなど)が用いられる。反応触媒として、モリブデン酸アンモニウム、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン(DBU)又は1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-ノン-5-エン(DBN)が用いられる。溶媒として、アルキルベンゼン、N-メチル-2-ピロリドン、キノリン、トリクロロベンゼン及び1-クロロナフタレンから選択されるハロゲン化芳香族炭化水素、又はイソアミルアルコール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール及びエチレングリコールから選択されるアルコールが用いられる。
本発明の装置では、反応物を、0.1〜100GHzの周波数及び100〜3,000Wのパワーのマイクロ波エネルギーを用い、溶媒の存在下で均一に攪拌しながら約2〜20℃/分の割合で120℃まで加熱し、さらに約0.25〜10℃/分の割合で、最終的な調製温度である130〜250℃まで加熱する。反応中、反応物の温度をPID温度制御装置8を用いて±1℃の誤差内で正確に制御することができ、0.1〜100GHzの周波数及び100〜3,000Wのパワーのマイクロ波及び1〜1,000kHzの周波数及び100〜5,000Wのパワーの超音波エネルギーを同時に用いて反応の初期段階を開始する。
本発明では、マイクロ波及び超音波エネルギーの組み合せが反応懸濁液内でのフタロシアニン粒子の凝集を防ぎ、且つ懸濁液の均一性を促すことができるため、小さな針状の金属又は非金属フタロシアニン粒子を、温度及び時間が同様の調製条件下で凝集させることなく調製することができる。従って、本発明の方法は、色素沈着時間をかなり短縮し、且つフタロシアニン顔料の質を高めることができるため、産業的用途に好適である。
-色素沈着1:捏和
金属又は非金属フタロシアニン及び微細に分割された塩を、S字形のブレードを備えた捏和機内に入れ、続いて適量のジエチレングリコール(DEG)をその中に加える。その混合物を100〜110℃で予定された時間捏和する。捏和された混合物を取り出した後、それを5%硫酸溶液に分散させ、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、蒸留水に再び分散させ、濾過し、90℃で濾液の導電率が250μS/cm以下になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥する。
-色素沈着2:粉砕及び有機溶媒処理
金属又は非金属フタロシアニンを磨砕又は振動粉砕機に入れ、続いて鋼の棒又は球をその中に入れる。フタロシアニンを予定された時間乾式粉砕する。それとは別に、ロジン溶液を、PCT出願公開WO 99/54,410号(出願人:Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.)の例1に記載の手順に基づいて調製する。すなわち、水酸化カリウム水溶液及びロジンを適量の水に加える。その混合物を完全に溶解させてロジン溶液を調製し、その後に水を加えて希釈する。粉砕されたフタロシアニンを溶媒としてのIPS2(Charles Tennant, UK)に分散させ、続いてロジン溶液をその中に加える。得られた混合物を4時間還流する。その後、還流した混合物に水を加え、蒸留して溶媒を回収する。塩酸を溶媒の無い懸濁液に加え、懸濁液を酸性にする。その懸濁液を濾過し、pHが中性になるまで洗浄し、及び乾燥機で乾燥する。
-色素沈着3:粉砕及び捏和
フタロシアニンを磨砕又は振動粉砕機に入れ、続いて鋼の棒及び球をその中に入れる。フタロシアニンを予定された時間乾式粉砕する。粉砕されたフタロシアニンを色素沈着1と同様の手法で処理する。
銅フタロシアニンの調製
本例は、本発明の溶媒型装置で行った。具体的には、42gの無水フタル酸、49gの尿素、7gの塩化銅、0.1gのモリブデン酸アンモニウム及び100gのアルキルベンゼンを、パイレックス(登録商標)容器9に入れ、次にその反応物を、28kHzのマイクロ波及び250Wの超音波エネルギーを用いて180〜185℃で3時間均一に攪拌し、銅フタロシアニンを調製した。反応中、反応物の温度をPID温度制御装置8を用いて±1℃の誤差内で正確に制御し、マイクロ波のパワーを100〜3,000Wに保持した。マイクロ波及び超音波エネルギーを同時に用い、反応の初期段階を開始した。調製完了後、溶媒除去を減圧蒸留によって行った。乾燥した銅フタロシアニンを500mLの5%硫酸溶液に加えて85℃で1時間酸処理し、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、500mLの1%水酸化ナトリウム水溶液により85℃で1時間アルカリ処理し、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥した。
他のフタロシアニンの調製
無水フタル酸の代わりに1,2-ジシアノベンゼンを用い、且つ塩化銅の代わりに金属源としてのチタン、鉄、コバルト、アルミニウム、マンガン、スズ及びニッケルから選択される同当量の金属塩を用いたことを除き、例1と同様の手法で種々のフタロシアニンを調製した(非金属フタロシアニンの場合、金属源は用いない)。
銅フタロシアニンの調製
30mmの直径を有する300mLのアルミナビーズをマイクロ波発生装置を備えた磨砕粉砕機12に入れ、次に42gの無水フタル酸、49gの尿素、7gの塩化銅及び0.1gのモリブデン酸アンモニウムをその中に入れた。攪拌機17を300〜400rpmで用いて攪拌しながら、その反応物を10℃/分の割合で120℃まで加熱し、さらに5℃/分の割合で最終的な調製温度(180℃)まで加熱した。最終的な調製温度を3時間保持しながら、その反応物を均一に攪拌して銅フタロシアニンを調製した。反応中、反応物の温度を、PID温度制御装置を用いて±1℃の誤差内で正確に制御し、マイクロ波のパワーを100〜4,000Wに保持した。調製終了後、磨砕粉砕機を60℃まで冷却し、500mLの5%硫酸溶液をそこに加えた。得られた混合物を300〜400rpmで30分間攪拌した後、それを取り出した。銅フタロシアニン懸濁液を85℃で1時間酸処理に付し、濾過し、及び90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄した。酸処理した銅フタロシアニンを500mLの1%水酸化ナトリウム水溶液に再分散させ、続いて85℃で1時間アルカリ処理した。アルカリ処理した銅フタロシアニンを濾過し、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥した。図4は、本発明の方法で調製された銅フタロシアニンの電子顕微鏡写真(1,500倍)を示している。
銅フタロシアニンの調製
無水フタル酸及び尿素の代わりに41.2gの1,3-ジイミノイソインドリン及び10gの尿素を用いたことを除き、例1と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。
銅フタロシアニンの調製
無水フタル酸及び尿素の代わりに36.3gの1,2-ジシアノベンゼン及び10gの尿素を用いたことを除き、例1と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。
銅フタロシアニンの調製(従来の溶媒方法)
42gの無水フタル酸、49gの尿素、7gの塩化銅、0.1gのモリブデン酸アンモニウム及び100gのアルキルベンゼンを、コンデンサー、温度計及び攪拌機が備えられた1Lの三つ口ガラスフラスコ内に入れた。その反応物を180〜185℃で3時間均一に攪拌し、銅フタロシアニンを調製した。調製終了後、溶媒除去を減圧蒸留によって行った。乾燥した銅フタロシアニンを500mLの5%硫酸溶液に加えて85℃で1時間酸処理し、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、500mLの1%水酸化ナトリウム水溶液により85℃で1時間アルカリ処理し、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥した。
銅フタロシアニンの調製(従来の溶媒方法)
マイクロ波エネルギーを用いないことを除き、例1と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。
銅フタロシアニンの調製(従来の溶媒を用いない方法)
アルキルベンゼンを溶媒として用いないことを除き、比較例1と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。
銅フタロシアニンの調製(マイクロ波を用いる従来の溶媒を用いない方法)
アルキルベンゼンを溶媒として用いないことを除き、比較例2と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。
例1及び比較例1〜4における銅フタロシアニンの反応収率を以下の表1に示す。
表1から分かるように、本発明の方法で調製された銅フタロシアニンの収率は、溶媒の不存在下又は存在下における従来の方法及びマイクロ波方法で調製された銅フタロシアニンよりも高い。
例1及び比較例1〜4で調製された銅フタロシアニンの粒子直径及び粒子サイズ分布を以下の表2に示す。
注)mv=平均値
表2から明らかなように、本発明の方法で調製された銅フタロシアニンは、溶媒の不存在下又は存在下における従来の方法及びマイクロ波方法で調製された銅フタロシアニンと比べて、均一な粒子直径及び狭い粒子サイズ分布を有する。
以下の表3の結果は、例1及び2で調製された金属又は非金属フタロシアニンの収率が比較的高いことを明白に示している。
銅フタロシアニンの調製(従来の溶媒を用いない方法)
42gの無水フタル酸、49gの尿素、7gの塩化銅及び0.1gのモリブデン酸アンモニウムを、コンデンサー、温度計及び攪拌機が備えられた1Lの三つ口ガラスフラスコに入れた。その反応物を300〜400rpmで攪拌しながら10℃/分の割合で120℃まで加熱し、さらに5℃/分の割合で最終的な調製温度(180℃)まで加熱した。最終的な調製温度を3時間保持しながら、その反応物を均一に攪拌して銅フタロシアニンを調製した。調製終了後、500mLの5%硫酸溶液をそのフラスコに入れた。得られた混合物を30分間攪拌した後、それを取り出した。得られた銅フタロシアニン懸濁液を85℃で1時間酸処理に付し、濾過し、及び90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄した。酸処理した銅フタロシアニンを500mLの1%水酸化ナトリウム水溶液に再分散させ、続いて85℃で1時間アルカリ処理した。アルカリ処理した銅フタロシアニンを濾過し、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥した。図6は、従来の溶媒を用いない方法で調製された銅フタロシアニンの電子顕微鏡写真(1,500倍)を示している。
銅フタロシアニンの調製(マイクロ波を用い、溶媒を用いない方法)
三つ口ガラスフラスコの代わりに図2に示されているマイクロ波発生装置(2.45GHz、100〜3,000W)を用いたことを除き、比較例1と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。図7は、マイクロ波を用いる従来の溶媒を用いない方法で調製された銅フタロシアニンの電子顕微鏡写真(1,500倍)を示している。
銅フタロシアニンの調製(溶媒方法)
100mLのAS-P2(新日本石油化学)を溶媒として用いたことを除き、比較例1と同様の手法で銅フタロシアニンを調製した。図5は、従来の溶媒方法で調製された銅フタロシアニンの電子顕微鏡写真(1,500倍)を示している。
<純度>
“A”gの銅フタロシアニンを濃硫酸に溶解し、続いて得られた硫酸溶液を蒸留水で希釈して銅フタロシアニンを再結晶させる。銅フタロシアニンの結晶をガラスフィルター(2G4)で濾過して“B”gを秤量し、pHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、3%のアンモニア水溶液に再分散させ、濾過し、pHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥する。その後、ガラスフィルターをデシケーターに入れ、室温まで冷却し、及び秤量する(“C”g)。
銅フタロシアニンの純度は、以下の式によって計算する。
純度(%)={(C-B)/A}*100
<反応収率>
まず、下準備及び精製せずに調製された粗製の銅フタロシアニンの重量(A)に、純度(B)を掛ける。得られた積を銅フタロシアニンの分子量(C)で割り、銅フタロシアニンのモル数(D)が得られ、モル数(D)を出発材料として加えられた無水フタル酸(又はその誘導体)のモル数(E)を4で割ることによって得られた値で割り、続いてその得られた値に100を掛け、銅フタロシアニンの反応収率を決定する。
銅フタロシアニンのモル数(D)={A*(B/100)}/C
収率(%)={D/(E/4)}*100
例1及び比較例1〜3で調製された銅フタロシアニンの純度及び反応収率を以下の表4に示す。
銅フタロシアニン顔料の調製(捏和)
例1及び比較例1〜7で調製された50gの各銅フタロシアニン、300gの微細に分割された塩及び50gのジエチレングリコール(DEG)を捏和機に入れ、続いてその混合物をそれぞれ4、6及び8時間100〜110℃で捏和し、銅フタロシアニン顔料を調製した。捏和後、各捏和された混合物を取り出し、5%の硫酸溶液に分散させ、90℃でpHが中性になるまで蒸留水で洗浄し、蒸留水に再分散させ、濾過し、90℃で濾液の導電率が250μS/cm以下になるまで蒸留水で洗浄し、及び約105℃の乾燥機で24時間乾燥した。
銅フタロシアニン顔料の調製(捏和及び有機溶媒処理)
例1〜5及び比較例1〜7で調製された100gの各銅フタロシアニンを、15mmの直径を有する14gの鋼の棒で充填されている振動粉砕機(CHUOKAKOKI、日本)に入れ、それぞれ60、90及び120分間粉砕した。それとは別に、15.3gの50%水酸化カリウム溶液及び40gのロジンを250gの水に加え、完全に溶解させてロジン溶液を調製した。全体積が267mLになるまで水をロジン溶液に加えた。70gの粉砕された銅フタロシアニンを溶媒としての200mLのIPS2(CHARLES TENNANT、英国)に分散させ、10.5gのロジン溶液をそこへ加えた。その混合物を4時間還流した。その後、200mLの水をその還流した混合物に加え、蒸留して溶媒を集めた。30mLの36%塩酸溶液を溶媒の無い懸濁液に加え、懸濁液を酸性にした。その懸濁液を濾過し、pHが中性になるまで洗浄し、及び75℃の乾燥機で乾燥した。
銅フタロシアニン顔料の調製(粉砕+捏和)
例1〜5及び比較例1〜7で調製された100gの各銅フタロシアニンを、15mmの直径を有する14gの鋼の棒で充填されている振動粉砕機(CHUOKAKOKI、日本)に入れて60分間粉砕した。50gの粉砕した銅フタロシアニン、300gの微細に分割された塩及び50gのジエチレングリコール(DEG)を捏和機に入れ、続いてその混合物を100〜110℃でそれぞれ4、6及び8時間捏和し、銅フタロシアニン顔料を調製した。
色素沈着方法で調製された銅フタロシアニン顔料の質を以下の試験によって評価し、以下の基準に基づいて類別した。
類別 鮮明さ(dC) 色密度(%)
/=/ 0.00〜0.10 0〜1
1 0.11〜0.30 1〜2
2 0.31〜0.80 2〜5
3 0.81〜1.40 5〜10
4 1.41〜2.20 10〜20
5 2.21〜3.00 20〜40
6 3.01〜 40〜
+ 鮮明 高い
- 鮮明でない 低い
銅フタロシアニン及び銅フタロシアニン顔料を以下に示す組成で混合した。
銅フタロシアニン(顔料):10g
オイルインク樹脂(ロジン修飾フェノール樹脂):40g
3つのロールを有する粉砕機を用いてその混合物を2回分散させ、その色及びその分散性を評価した。
このようにして得られた0.3gの濃いインクサンプル及び3gの白いインクを均一に混合して有色のインクサンプルを調製し、その色を評価した。
銅フタロシアニン及び銅フタロシアニン顔料の分散度を、試験1で得られた濃いインクサンプルからGrind-O-メーターを用いて試験及び評価した。
例及び比較例における銅フタロシアニン、及び本発明の色素沈着方法で調製された銅フタロシアニン顔料のオイルインク試験及び分散性試験を行い、その結果を以下の表5〜8に示す。
銅フタロシアニン及び銅フタロシアニン顔料を、以下に示す組成に基づいて混合した。
ガラスボール:100g
透明な塗料樹脂(アルキド/メラミン樹脂):50g
銅フタロシアニン(顔料):3g
この混合物をプラスチックのたらいに入れ、45分間塗料粉砕機に分散させて、濃い塗料サンプルを調製した。塗料サンプルの色を評価した。
5gの濃い塗料サンプルを20gの白い塗料と混合し、有色の塗料サンプルを調製した。有色の塗料サンプルの色を評価した。塗料増量剤を用いて濃い及び有色の塗料サンプルを塗料拡張ペーパー上に塗り、乾燥機で乾燥し、それらの色を評価した。それらの結果を以下の表9〜11に示す。
さらに、従来の溶媒を用いない方法(比較例5)で調製された銅フタロシアニンの色素沈着によって得られた顔料、及びマイクロ波を用いる溶媒を用いない方法(比較例6)で調製された銅フタロシアニンの色素沈着によって得られた顔料は、同条件の溶媒方法(比較例7)で調製された銅フタロシアニンの色素沈着によって得られた顔料と比べて、鮮明さ、色密度及び分散性が非常に乏しい。対照的に、色素沈着時間が短縮されたにも関わらず、本発明の粉砕型でマイクロ波を用いる溶媒を用いない方法(例3〜7)で調製された銅フタロシアニンの色素沈着によって得られた色素は、溶媒方法(比較例7)で調製された銅フタロシアニンの色素沈着によって得られた色素と比べて、実質的に同一の質及び優れた鮮明さを有する。
本発明の好ましい実施態様は例証する目的で開示されたが、当業者は、特許請求の範囲に開示されている本発明の範囲及び意図からはずれることなく、種々の改良、追加及び置換が可能であると理解する。
2 マイクロ波容器
3 モード攪拌機
4 マイクロ波遮蔽K型熱電対
5 コンデンサー
6 攪拌機
7 超音波チップ
8 PID温度制御装置
9 パイレックス(登録商標)容器
10 溶媒タンク
11 マグネトロン
12 粉砕装置
14 マイクロ波遮蔽赤外温度検出器
15 PID温度制御装置
16 攪拌モーター
17 攪拌機
18 排気口
19 排出バルブ
Claims (11)
- マイクロ波を用い、無水フタル酸、フタルイミド、1,3-ジイミノイソインドリン、1,2-ジシアノベンゼン、そのハロゲン誘導体、そのアルキル誘導体又はそのアルコキシ誘導体を、金属塩化物又はアルコキシ金属と反応させることによる、金属又は非金属フタロシアニンの調製方法であって、超音波がさらに用いられること、を特徴とする方法。
- 溶媒が用いられる、請求項1記載の方法。
- 溶媒の不存在下で行われる、請求項1記載の方法。
- 金属が、銅、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウム、パラジウム、スズ、鉛、チタン、ルビジウム、バナジウム、ガリウム、テルビウム、セリウム、ランタン及び亜鉛からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
- 金属が銅である、請求項1又は4記載の方法。
- 反応が、尿素及びアンモニアから選択された窒素源の存在下で行われる、請求項1又は4記載の方法。
- 反応が、尿素又はアンモニア雰囲気下で行われる、請求項1又は4記載の方法。
- 反応が、モリブデン酸アンモニウム、DBU及びDBNから選択される触媒の存在下で行われる、請求項1又は4記載の方法。
- 溶媒が、アルキルベンゼン、N-メチル-2-ピロリドン、キノリン、トリクロロベンゼン及び1-クロロナフタレンから選択されるハロゲン化芳香族炭化水素、又はイソアミルアルコール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール及びエチレングリコールから選択されるアルコールである、請求項1又は2記載の方法。
- マイクロ波エネルギーを用い、2〜20℃/分の割合で120℃まで加熱し、さらに0.25〜10℃/分の割合で最終的な調製温度である130〜250℃まで加熱することを含む、請求項1又は4記載の方法。
- 請求項1記載の金属又は非金属フタロシアニンの調製方法を実施するための装置であって、
0.1〜100GHzの周波数及び100〜3,000Wのパワーを提供するマグネトロン1;
マイクロ波容器2においてマイクロ波の波長を均一にするためのモード攪拌機3;
反応物の温度を正確に測定及び制御するためのPID温度制御装置8;
マイクロ波容器2の頂部に形成されている3つの穴にそれぞれ適合するマイクロ波遮蔽K型熱電対4、コンデンサー5及び攪拌機6;
マイクロ波容器2の底部に形成されている穴に適合する超音波チップ7;
反応物を収容するための容器9;及び
溶媒タンク10を含み、
無水フタル酸、フタルイミド、1,3-ジイミノイソインドリン、1,2-ジシアノベンゼン、そのハロゲン誘導体、そのアルキル誘導体又はそのアルコキシ誘導体を、K型熱電対4及びPID温度制御装置8を用いて反応物の温度を正確に制御しながら、0.1〜100GHzの周波数及び100〜3,000Wのパワーのマイクロ波及び1〜1,000kHzの周波数及び100〜5,000Wのパワーの超音波エネルギーを用いることにより、130〜250℃で0.25〜15時間、容器9における溶媒において、金属塩化物又はアルコキシ金属と均一に混合する、装置。
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