JP2001181529A - 銅フタロシアニンセミクルードの製法および銅フタロシアニンクルードの製法 - Google Patents
銅フタロシアニンセミクルードの製法および銅フタロシアニンクルードの製法Info
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Abstract
れた銅フタロシアニンクルードおよびセミクルードを提
供する。 【解決手段】 銅フタロシアニン未精製物を洗浄して、
銅フタロシアニンクルードを得る銅フタロシアニンクル
ードの製法において、銅フタロシアニン未精製物を少な
くともアルカリ金属水酸化物等の無機塩基溶液で洗浄す
る。無機塩基溶液での洗浄に加えて、無機酸溶液での洗
浄や、アルコールでの洗浄を行うことが好ましい。ま
た、無機塩基溶液での洗浄時に、無機塩基溶液に水蒸気
を導入しながら銅フタロシアニン未精製物を洗浄する
と、不純物、特に有機不純物をより低減できる。こうし
て得られた銅フタロシアニンクルードを摩砕すると、不
純物が低減された銅フタロシアニンセミクルードが得ら
れる。
Description
料の前駆体である銅フタロシアニンクルードの製法およ
び銅フタロシアニンセミクルードの製法に関する。
な着色力を有し、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性等の耐性
に優れた顔料であるため、広く使用されている。銅フタ
ロシアニン顔料を得るためには、まず、無水フタル酸と
尿素と銅化合物とを反応させたり、フタロジニトリルと
銅化合物とを反応させたりして、銅フタロシアニンを製
造する。ここで得られた合成直後の銅フタロシアニンに
は、反応時に副生した低分子量の有機化合物や、未反応
の銅化合物の他、反応時に使用した触媒由来の無機化合
物等が不純物として5〜20重量%程度含まれている。
そこで、通常、この不純物が含まれた状態の銅フタロシ
アニン(以下、銅フタロシアニン未精製物という)を塩
酸、硫酸等の酸で洗浄して不純物をできるだけ低減させ
て、銅フタロシアニンクルードを得る。
砕することにより、平均一次粒子径が約0.001〜
0.01μm程度の極微細な結晶粒子が二次凝集した凝
集塊からなる粗製顔料組成物を得る。この粗製顔料組成
物はα型とβ型の混晶でありセミクルードと呼ばれる。
そして、このセミクルードをさらにソルベントソルトミ
リング処理やソルベントボイリング処理してβ型結晶へ
と結晶転移させる顔料化を行って、凝集していない約
0.02〜0.2μm程度の平均一次粒子径を有するβ
型の銅フタロシアニン顔料を得る。
法のうち、不純物が含まれた状態の銅フタロシアニン未
精製物を酸で洗浄して不純物を低減させ、銅フタロシア
ニンクルードを得る工程は、最終的に得られる銅フタロ
シアニン顔料の着色力、分散性等の性能に影響を与える
ため重要である。すなわち、この工程で不純物、特に有
機不純物をできるだけ多く除去することによって、最終
的に得られる銅フタロシアニン顔料の着色力と分散性を
高めることができる。また、有機不純物の含有量が少な
い銅フタロシアニンクルードから得られる銅フタロシア
ニンセミクルードほどβ型結晶の含有率が高く、銅フタ
アロシアニンセミクルードの銅フタロシアニン顔料への
顔料化を短時間で行うことができる。
ロシアニン未精製物を酸洗浄して不純物を低減させる従
来の方法では、有機不純物を十分に低減させることがで
きず、洗浄後にも通常約1.5〜5重量%程度の有機不
純物が残存した。このように有機不純物を1.5〜5重
量%程度含む銅フタロシアニンクルードやセミクルード
を用いて顔料化された銅フタアロシアニン顔料は、着色
力や分散性が不十分なうえ、顔料化に要する時間も長
く、顔料化後に複雑な洗浄工程が必要で、製造工程上で
も問題があった。
で、銅フタロシアニン未精製物を少なくとも無機塩基溶
液で洗浄して、不純物、特に有機不純物が従来よりも低
減された銅フタロシアニンクルードおよびセミクルード
を提供することを課題とする。
ンクルードの製法は、銅フタロシアニン未精製物を洗浄
して、銅フタロシアニンクルードを得る銅フタロシアニ
ンクルードの製法において、銅フタロシアニン未精製物
を少なくとも無機塩基溶液で洗浄することを特徴とす
る。上記製法においては、銅フタロシアニン未精製物を
無機酸溶液で洗浄することが好ましい。上記無機塩基が
アルカリ金属水酸化物であることが好ましい。さらに、
上記銅フタロシアニン未精製物をアルコールで洗浄する
ことが好ましい。また、無機塩基溶液での洗浄時に、無
機塩基溶液に水蒸気を導入しながら銅フタロシアニン未
精製物を洗浄することが好ましい。
製法は、銅フタロシアニン未精製物を洗浄して、銅フタ
ロシアニンクルードを得て、ついで、この銅フタロシア
ニンクルードを摩砕して銅フタロシアニンセミクルード
を得る銅フタロシアニンセミクルードの製法において、
銅フタロシアニン未精製物を少なくとも無機塩基溶液で
洗浄することを特徴とする。上記製法においては、銅フ
タロシアニン未精製物を無機酸溶液で洗浄することが好
ましい。上記無機塩基がアルカリ金属水酸化物であるこ
とが好ましい。さらに、上記銅フタロシアニン未精製物
をアルコールで洗浄することが好ましい。また、無機塩
基溶液での洗浄時に、無機塩基溶液に水蒸気を導入しな
がら銅フタロシアニン未精製物を洗浄することが好まし
い。
本発明の銅フタロシアニンクルードの製法は、銅フタロ
シアニン未精製物を洗浄して銅フタロシアニンクルード
を製造する際に、少なくとも無機塩基溶液で銅フタロシ
アニン未精製物を洗浄することを特徴とする。ここで銅
フタロシアニン未精製物とは、例えば無水フタル酸また
はその誘導体と、尿素またはその誘導体と、銅化合物と
を反応させるか、フタロジニトリルと銅化合物を反応さ
せることにより得られる合成直後のβ型の粗粒子であ
り、精製されていないものである。フタル酸誘導体とし
ては、例えばフタル酸塩、無水フタル酸、フタルイミ
ド、フタルアミド酸及びその塩またはそのエステル等が
挙げられる。金属源としては、例えば金属銅、第一銅ま
たは第二銅のハロゲン化物、酸化銅、硫酸銅、硫化銅、
水酸化銅等が挙げられる。
てモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いて、有機溶
媒存在下または不存在下で180℃〜300℃、1〜5
時間加熱して反応させる。有機溶媒としては、アルキル
ベンゼン、アルキルナフタレン等の芳香族炭化水素、ア
ルキルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、
デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、ニトロベンゼ
ン、ニトロトルエン等の芳香族ニトロ化合物、トリクロ
ロベンゼン、クロロナフタレン等の芳香族ハロゲン化炭
化水素等が挙げられる。
シアニン未精製物は、平均一次粒子径が5〜15μm程
度のβ型結晶粒子であるが、この未精製物には通常、反
応時に副生した低分子量の有機化合物や、未反応の銅化
合物、反応時に使用したモリブデン化合物等の触媒に由
来する無機化合物等が、不純物として通常約5〜20重
量%程度含まれている。銅フタロシアニン未精製物に含
まれる不純物のうち有機化合物としては、例えば以下に
示すフタルイミド誘導体が挙げられる。
を含む銅フタロシアニン未精製物を無機塩基溶液で洗浄
することによって、フタルイミド誘導体等の不純物が除
去され、銅フタロシアニン以外の有機化合物の含有率が
1重量%以下の銅フタロシアニンクルードを得ることが
できる。ここで使用される無機塩基としては、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物が挙げられ、通常、1〜5重量%程度の水溶液と
して使用される。洗浄方法としては、例えば、これらの
無機塩基溶液中に銅フタロシアニン未精製物を添加して
30〜90℃で、0.5〜5時間程度攪拌し、ついで、
濾過、遠心分離等の分離操作後、得られた固体を水洗、
乾燥する方法が挙げられる。
れるフタルイミド誘導体等の有機不純物は、その大部分
がアルカリ可溶化合物であるため、このような方法で洗
浄すると有機不純物の大部分は液相中に溶解し、その結
果、銅フタロシアニン以外の有機化合物の含有率が1重
量%以下に低減された銅フタロシアニンクルードを得る
ことができる。また、この際、同時に未反応の銅化合物
や反応時に使用したモリブデン化合物等の触媒に由来す
る無機不純物も除去することができ、これら無機化合物
の含有率を、0.01重量%以下に低減することができ
る。
塩基溶液に水蒸気を導入しながら銅フタロシアニン未精
製物を洗浄してもよい。具体的には、無機塩基溶液中に
銅フタロシアニン未精製物を添加した後、このスラリー
溶液中に水蒸気を導入しながら70〜100℃で、0.
5〜5時間程度攪拌し、ついで、濾過、遠心分離等の分
離操作後、得られた固体を水洗、乾燥して銅フタロシア
ニンクルードを得る。このように水蒸気を導入しながら
無機塩基溶液で洗浄すると、有機性不純物の加水分解を
促進させるため、より効率よく有機不純物を液相中へと
溶解させることができ、その結果、有機不純物をさらに
低減することができる。
アニン未精製物を洗浄することに加えて、硫酸、塩酸等
の無機酸溶液でこれを洗浄してもよい。無機塩基溶液だ
けでなく、無機酸溶液で洗浄することによって、有機不
純物、未反応の銅化合物、反応時に使用したモリブデン
化合物等の触媒に由来する無機不純物の他、無機塩基溶
液で銅フタロシアニン未精製物を洗浄した際に生成して
しまうナトリウム化合物等も除去することができ、不純
物をさらに低減できる。また、さらに、メタノール等の
アルコールによるアルコール洗浄や、アセトン洗浄等を
行ってもよい。アルコール洗浄やアセトン洗浄を行う
と、アルコール、アセトンに可溶な有機不純物をさらに
低減できる。このように無機塩基溶液による洗浄に加え
て、無機酸溶液での洗浄、アルコール洗浄、アセトン洗
浄等を適宜組み合わせて行うことによって、有機不純物
および無機不純物をより低減することができる。
いが、まず初めに無機塩基溶液で洗浄し、ついで無機酸
溶液による洗浄やアルコール洗浄等を適宜行うことが好
ましい。さらに好ましくは、まず初めに無機塩基溶液に
水蒸気を導入しながら銅フタロシアニン未精製物を洗浄
し、ついで、無機酸溶液で洗浄する方法が好ましい。こ
のような組み合わせで洗浄すると、無機塩基溶液洗浄で
主として有機不純物が洗浄され、無機酸溶液洗浄で主と
して無機不純物が洗浄され好ましい。
クルードを、ボールミル等の分散機で摩砕することによ
って、摩砕時間の経過とともにβ型の銅フタロシアニン
クルードが細かく摩砕され、徐々にα型結晶が生成す
る。そして、α型とβ型の混晶系であり、顔料の粒子径
より一桁小さい粒子径の一次粒子が二次凝集した銅フタ
ロシアニンセミクルードが得られる。この銅フタロシア
ニンセミクルードは、有機不純物および無機不純物が低
減された銅フタロシアニンクルードを摩砕して得られた
ものであるため、同様に有機不純物および無機不純物の
含有率が低減されている。
で、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム塩等の無機塩とエ
チレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アル
コール等の粘性の高い水溶性有機溶剤の存在下で、ニー
ダー等で機械的に摩砕して顔料化するソルベントソルト
ミリング法や、芳香族系、アルコール系、エステル系、
エーテル系等の有機溶剤中でセミクルードを加熱処理
し、セミクルードの二次凝集をほぐすとともに、結晶成
長とα型からβ型への結晶転移を同時に行うソルベント
ボイリング法等で顔料化される。この顔料化によって、
二次凝集した銅フタロシアニンセミクルードは微細な一
次粒子へと分散し、α型結晶はβ型へと転移する。その
結果、平均一次粒子径0.02〜0.2μmのβ型銅フ
タロシアニン顔料が得られる。
シアニンセミクルードとして、不純物、特に有機不純物
の含有率が低減された銅フタロシアニンセミクルード、
好ましくは含有率が1重量%以下に低減された銅フタロ
シアニンセミクルードを用いると、ソルベントソルトミ
リング法やソルベント法等の顔料化工程に要する時間を
大幅に短縮することができる。これは、有機不純物の含
有率が低い銅フタロシアニンセミクルードは、有機不純
物の含有率が高い銅フタロシアニンセミクルードに比べ
てβ型結晶の含有率が高いので、α型からβ型への結晶
転移が容易に進行するためである。よって、このような
銅フタロシアニンセミクルードを用いると、顔料の生産
性が向上し、効率よく銅フタロシアニン顔料を製造でき
る。
は1重量%以下に低減された銅フタロシアニンクルード
およびセミクルードから得られた銅フタロシアニン顔料
は、有機不純物の含有率が多い銅フタロシアニンクルー
ドおよびセミクルードから得られた顔料に比べて、高い
分散性を有するとともに着色力も大きく、顔料として優
れた性能を有する。さらに、無機化合物の含有率も好ま
しくは0.01重量%以下に低減された銅フタロシアニ
ンセミクルードおよび銅フタロシアニンクルードから得
られた顔料は、無機化合物の含有率が低減されているた
め、例えば、印刷時に使用するアルミニウム版等の金属
版を腐食する恐れのある塩化ナトリウム等の無機化合物
の含有率も極めて小さく好ましい。
ードの製法および銅フタロシアニンセミクルードの製法
によれば、不純物、特に有機不純物が従来よりも低減さ
れた銅フタロシアニンクルードおよびセミクルードが得
られるため、高い分散性を有し着色力も大きく、優れた
性能を有する銅フタロシアニン顔料を、短い顔料化時間
で生産性よく製造することができる。
る。 [実施例1]無水フタル酸、尿素、塩化銅をアルキルベ
ンゼン中でモリブデン酸アンモニウム触媒の存在下、2
00℃で3時間反応させて、銅フタロシアニン未精製物
を製造した。この銅フタロシアニン未精製物100g
と、2重量%水酸化ナトリウム水溶液1000gをビー
カー中で、70℃に保持しながら1時間攪拌した後、ビ
ーカー中の内容物を濾過して固液分離し固形分を得た。
この固形分を水洗して、さらに、1重量%硫酸1000
gとともにビーカー中で、70℃に保持しながら1時間
攪拌した。ついで、ビーカー中の内容物を濾過して固液
分離し、固形分を水洗、乾燥して銅フタロシアニンクル
ードを得た。この銅フタロシアニンクルードを分析した
ところ、銅フタロシアニン以外の有機化合物の含有率は
0.7重量%、無機化合物の含有率は 0.005重量
%であった。有機化合物および無機化合物の含有率は、
高速液体クロマトグラフ法およびイオンクロマトグラフ
法により求めた。この銅フタロシアニンクルードを、乾
式摩砕(ドライミリング法)して銅フタロシアニンセミ
クルードを得た。さらに、この銅フタロシアニンセミク
ルード100g、水を300g、イソブチルアルコール
を700gをセパラブルフラスコに入れ、90℃で1時
間加熱処理し、次いでイソブチルアルコールを溜去して
顔料の水分散液を得た。これを濾過、水洗後乾燥して、
銅フタロシアニン顔料98gを得た。得られた銅フタロ
シアニン顔料について分散性と着色力を評価した。な
お、分散性と着色力は以下の方法で評価した。これらの
評価結果を表1に示す。 ・着色力の評価方法 得られた顔料を用い、以下の方法により平版インキを作
成した。顔料0.3g、インキ用樹脂ワニスMG−63
(大日本インキ化学工業製)1.2gをフーバーマラー
で分散し濃色インキを作成した。上記で得られた濃色イ
ンキ0.1gと白顔料が30%の白インキ2gを混合し
て淡色インキを作成した。得られた各インキを試験イン
キとし、着色力と透明性を評価した。比較例1で得られ
た顔料を用いて、上記記載の濃色インキ(標準とする)
と、顔料使用量を2%刻みで、+16%増加した濃色イ
ンキ(比較標準とする)を作成した。標準および、比較
標準の濃色インキより、上記淡色インキ作成法に従っ
て、対応する淡色インキを作成し、それぞれ標準淡色ン
キ及び比較標準淡色インキとした。実施例、比較例で得
られた顔料の淡色インキを、比較標準淡色インキと、展
色紙にヘラを使用して展色して着色力を比較し、着色力
の一致した点を顔料の着色力とした。標準インキの着色
力を100%とし、着色力の一致した比較標準インキの
標準に対する顔料量%を、評価サンプルの着色力とし
て、数値化した。 ・分散性の評価方法 着色力の試験で得られたインキを少量ガラス板に擦り付
け、光学顕微鏡により倍率100倍で観察し、粒子の大
きい顔料の粒子数が多く観察されたものが分散性悪く、
粒子が細かくまたは粒子が見えにくいものを分散性良好
と判定した。
タロシアニン未精製物を製造し、得られた銅フタロシア
ニン未精製物100gと、5重量%水酸化ナトリウム水
溶液1000gをビーカーに中で、70℃に保持しなが
ら3時間攪拌した後、ビーカー中の内容物を濾過して固
液分離し固形分を得た。この固形分を水洗して、さら
に、2重量%硫酸1000gとともにビーカー中で、7
0℃に保持しながら3時間攪拌した。ついで、ビーカー
中の内容物を濾過して固液分離し、固形分を水洗、乾燥
して銅フタロシアニンクルードを得た。この銅フタロシ
アニンクルードを実施例1と同様の方法で分析したとこ
ろ、銅フタロシアニン以外の有機化合物の含有率は0.
6重量%、無機化合物の含有率は0.005重量%であ
った。この銅フタロシアニンクルードを、実施例1と同
様にして銅フタロシアニンセミクルードを得た。さら
に、この銅フタロシアニンセミクルードを実施例1と同
様にして顔料化し、銅フタロシアニン顔料98gを得
た。得られた銅フタロシアニン顔料について実施例1と
同様にして分散性と着色力を評価した。これらの評価結
果を表1に示す。
タロシアニン未精製物を製造し、得られた銅フタロシア
ニン未精製物100gと、2重量%水酸化ナトリウム水
溶液1000gをビーカー中で、70℃に保持しながら
1時間攪拌した後、ビーカー中の内容物を濾過して固液
分離し固形分を得た。この固形分を水洗して、さらに、
1重量%硫酸1000gとともにビーカー中で、70℃
に保持しながら1時間攪拌した。その後さらに、メタノ
ール500gとともにビーカー中室温で1時間処理し
た。ついで、ビーカー中の内容物を濾過して固液分離
し、固形分を水洗、乾燥して銅フタロシアニンクルード
98gを得た。この銅フタロシアニンクルードを実施例
1と同様の方法で分析したところ、銅フタロシアニン以
外の有機化合物の含有率は0.15重量%、無機化合物
の含有率は0.005重量%であった。この銅フタロシ
アニンクルードを、ドライミリング法で処理して銅フタ
ロシアニンセミクルードを得た。さらに、この銅フタロ
シアニンセミクルードを実施例1と同様にして顔料化
し、銅フタロシアニン顔料を得た。得られた銅フタロシ
アニン顔料について実施例1と同様にして分散性と着色
力を評価した。これらの評価結果を表1に示す。
タロシアニン未精製物を製造し、得られた銅フタロシア
ニン未精製物100gと、2重量%水酸化ナトリウム水
溶液1000gを、セパラブルフラスコ中で100℃に
保持し、さらにこのセパラブルフラスコ中に水蒸気を導
入しながら1時間攪拌した。ついで、セパラブルフラス
コ中の内容物を濾過し、1重量%硫酸1000gととも
にビーカー中で1時間攪拌処理した後固液分離し、固形
分を水洗、乾燥して銅フタロシアニンクルードを得た。
この銅フタロシアニンクルードを実施例1と同様の方法
で分析したところ、銅フタロシアニン以外の有機化合物
の含有率は0.2重量%、無機化合物の含有率は0.0
04重量%であった。この銅フタロシアニンクルード
を、ドライミリング法で処理して銅フタロシアニンセミ
クルードを得た。さらに、この銅フタロシアニンセミク
ルードを 実施例1と同様にして顔料化し、銅フタロシ
アニン顔料を得た。得られた銅フタロシアニン顔料につ
いて実施例1と同様にして分散性と着色力を評価した。
これらの評価結果を表1に示す。
タロシアニン未精製物を製造し、得られた銅フタロシア
ニン未精製物100gと、1重量%硫酸1000gをビ
ーカー中で、70℃に保持しながら1時間攪拌した。つ
いで、ビーカー中の内容物を濾過して固液分離し、固形
分を水洗、乾燥して銅フタロシアニンクルードを得た。
この銅フタロシアニンクルードを実施例1と同様の方法
で分析したところ、銅フタロシアニン以外の有機化合物
の含有率は2.5重量%、無機化合物の含有率は0.0
1重量%であった。この銅フタロシアニンクルードを、
ドライミリング法で処理して銅フタロシアニンセミクル
ードを得た。さらに、この銅フタロシアニンセミクルー
ドを 実施例1と同様にして顔料化し、銅フタロシアニ
ン顔料を得た。得られた銅フタロシアニン顔料について
実施例1と同様にして分散性と着色力を評価した。これ
らの評価結果を表1に示す。
×…分散性が悪い
酸化ナトリウム水溶液で洗浄することによって、銅フタ
ロシアニン以外の有機化合物の含有率を1重量%以下
に、無機化合物の含有率を0.01重量%以下に低減す
ることができ、この銅フタロシアニンクルードから製造
された銅フタロシアニン顔料は、表1から明らかなよう
に、着色力、分散性がともに優れていた。
機化合物の含有率が0.7重量%、無機化合物の含有率
が0.005重量%の銅フタロシアニンセミクルードを
得た。この銅フタロシアニンセミクルードを、実施例1
と同様にして顔料化した。この際、顔料化の時間を0〜
180分の間で変化させ、それぞれの顔料化時間で得ら
れた銅フタロシアニン顔料をRigaku社製粉末X線
装置で分析し、この顔料中のβ型結晶の割合を求めた。
顔料化時間に対する顔料中のβ型結晶の重量割合を図1
のグラフに示す。
機化合物の含有率が0.15重量%、無機化合物の含有
率が0.005重量%の銅フタロシアニンセミクルード
を得た。この銅フタロシアニンセミクルードを用いた以
外は実施例5と同様にして顔料化を行い、顔料中のβ型
結晶の割合を求めた。顔料化時間に対するβ型結晶の重
量割合を図1のグラフに示す。
たセミクルードを、実施例5と同様にして顔料化を行
い、顔料中のβ型結晶の割合を求めた。顔料化時間に対
するβ型結晶の重量割合を図1のグラフに示す。
ロシアニン以外の有機化合物の含有率が1重量%以下
で、無機化合物の含有率が0.01重量%以下に低減さ
れた銅フタロシアニンセミクルードは、少ない処理時間
で顔料化が進んだ。
アニンクルードの製法および銅フタロシアニンセミクル
ードの製法によれば、不純物、特に有機不純物が従来よ
りも低減された銅フタロシアニンクルードおよびセミク
ルードが得られため、高い分散性を有し着色力も大き
く、優れた性能を有する銅フタロシアニン顔料を、短い
顔料化時間で生産性よく製造することができる。
を示すグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 銅フタロシアニン未精製物を洗浄して、
銅フタロシアニンクルードを得る銅フタロシアニンクル
ードの製法において、 銅フタロシアニン未精製物を少なくとも無機塩基溶液で
洗浄することを特徴とする銅フタロシアニンクルードの
製法。 - 【請求項2】 銅フタロシアニン未精製物を無機酸溶液
で洗浄することを特徴とする請求項1に記載の銅フタロ
シアニンクルードの製法。 - 【請求項3】 無機塩基がアルカリ金属水酸化物である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の銅フタロシ
アニンクルードの製法。 - 【請求項4】 銅フタロシアニン未精製物をアルコール
で洗浄することを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
かに記載の銅フタロシアニンクルードの製法。 - 【請求項5】 無機塩基溶液での洗浄時に、無機塩基溶
液に水蒸気を導入しながら銅フタロシアニン未精製物を
洗浄することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
に記載の銅フタロシアニンクルードの製法。 - 【請求項6】 銅フタロシアニン未精製物を洗浄して、
銅フタロシアニンクルードを得て、ついで、この銅フタ
ロシアニンクルードを摩砕して銅フタロシアニンセミク
ルードを得る銅フタロシアニンセミクルードの製法にお
いて、 銅フタロシアニン未精製物を少なくとも無機塩基溶液で
洗浄することを特徴とする銅フタロシアニンセミクルー
ドの製法。 - 【請求項7】 銅フタロシアニン未精製物を無機酸溶液
で洗浄することを特徴とする請求項6に記載の銅フタロ
シアニンセミクルードの製法。 - 【請求項8】 無機塩基がアルカリ金属水酸化物である
ことを特徴とする請求項6または7に記載の銅フタロシ
アニンセミクルードの製法。 - 【請求項9】 銅フタロシアニン未精製物をアルコール
で洗浄することを特徴とする請求項6ないし8のいずれ
かに記載の銅フタロシアニンセミクルードの製法。 - 【請求項10】 無機塩基溶液での洗浄時に、無機塩基
溶液に水蒸気を導入しながら銅フタロシアニン未精製物
を洗浄することを特徴とする請求項6ないし9のいずれ
かに記載の銅フタロシアニンセミクルードの製法。
Priority Applications (1)
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