JPH07746B2 - 粗製銅フタロシアニンの製造方法 - Google Patents

粗製銅フタロシアニンの製造方法

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JPH07746B2 JP21259585A JP21259585A JPH07746B2 JP H07746 B2 JPH07746 B2 JP H07746B2 JP 21259585 A JP21259585 A JP 21259585A JP 21259585 A JP21259585 A JP 21259585A JP H07746 B2 JPH07746 B2 JP H07746B2
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【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) 本発明は,新規な粗製銅フタロシアニンの製造方法に関
する。さらに詳しくはカサが低減し,かつ次工程で容易
に顔料化できる新規な粗製銅フタロシアニンの製造方法
に関する。
(従来の技術) 微細化された銅フタロシアニン顔料は色調が美しいこ
と,着色力が大きいこと,耐候性,耐熱性等の諸性能が
良好であることから,色材工業の分野において多量に,
しかも広範に使用されている。
通常クルード銅フタロシアニンは,無水フタル酸,尿素
および銅源を,またはフタロジニトリルおよび銅源を,
モリブデン酸アンモニウムあるいは四塩化チタンなどの
触媒の存在もしくは不存在下,アルキルベンゼン,トリ
クロルベンゼンあるいはニトロベンゼなどの有機溶媒
中,150〜250℃,好ましくは170〜220℃で,2〜15時間,
好ましくは3〜7時間,常圧または加圧下で反応させる
ことにより,製造される。しかしながら,合成されたフ
タロシアニン分子はその合成溶媒中で次々に結晶成長を
起こし,その長径が10〜200μm程度の粗大に針状化し
た結晶径でしか得られず,インキ,塗料,プラスチック
ス等の着色用顔料としてはその価値は非常に低いか,全
くない。
したがって,そのクルード銅フタロシアニンは色彩上利
用価値の高い粒子,すなわち0.01〜0.5μm程度まで微
細化すること(以後その操作を顔料化と称す)が必要と
なる。なお,JISK5101(顔料試験方法)に準じてこのク
ルード銅フタロシアニンのカサ測定を行なえば通常4
/kg以上である。
この顔料化手段として従来から種々の方法が提案されて
いるが,微細化されたβ型銅フタロシアニン顔料を製造
する方法として,USP2.686.010号明細書にはクルード銅
フタロシアニンを,無水フェロシアニン化ナトリウムま
たは無水塩化バリウムのような粉砕助剤と,100〜150℃
の高温で長時間乾式粉砕する,いわゆるドライソルトリ
ミング法が記載されているが,長時間粉砕しなければな
らなず,生産性が非常に悪いこと,装置壁あるいはスチ
ールボールのような分散メディアに付着を起こし易いこ
と,さらに鮮明性,着色力など目的とする高品質の顔料
から得られないなどの欠点を有し,工業的には非常に不
利な方法であった。工業的な方法として日特開昭51−2
8.119号明細書に代表されるようにクルード銅フタロシ
アニンを,塩化ナトリウムのような水溶性無機塩である
粉砕助剤およびアルコール,ポリオール,アミンなどの
有機液体とともに双腕型分散ミキサーに仕込み,湿式粉
砕する,いわゆるソルベントソルトミリング法が記載さ
れているが,グルード銅フタロシアニンに対して,多量
の粉砕助剤と,その内容物どおしを良好な接着状態に保
つために,粉砕助剤に比例した多量の有機液体を使用す
るため,生産コストは増大すると同時にその廃水処理に
多くの手間,時間を要する。さらに長時間粉砕しなけれ
ばならず,過大なエネルギーが必要であるなどの欠点を
有している。上記湿式粉砕法を改良する方法として,日
特開昭50−157.419および日特開昭52−69.435明細書に
は粉砕助剤および有機液体の不存在下に粗製銅フタロシ
アニンを乾式粉砕する,いわゆるドライミリング法が記
載されているが,クルード銅フタロシアニンの微細化に
ともなって結晶型がβ型からα型へ転移して,強く凝集
し,一般にはそのままでは顔料として使用できないが,
このα型とβ型が混在した銅フタロシアニン顔料をキシ
レン等の結晶化溶剤で浸漬し,α型をβ型に転移させる
とともに分散させ,顔料とての適性をもつ銅フタロシア
ニン顔料を得る方法が述べられている。しかしながら,
この方法では多量の有機溶剤を使用しなければならず,
衛生上,公害上の問題があること,結晶化溶剤に浸漬
し,顔料として使用できるβ型銅フタロシアニン顔料を
得るためにはSα/(Sα+Sβ)が0.5以上まで長時
間乾式粉砕しなければならず,それに伴う過大なエネル
ギーが必要であることおよび溶剤浸漬時に,結晶成長を
伴い大きな針状結晶となり,着色力の低下とともに色相
が赤味でブロンズの発生が大きくなったβ型銅フタロシ
アニン顔料しか得られないといった欠点を有している。
一方,微細化されたα型顔料を得る方法として,USP2.77
0.629号あるいはUSP2.334.812号明細書には粗製銅フタ
ロシアニンの製造方法を多量の濃硫酸に溶解して処理す
るアシッドペースティング法と,顔料を溶解するには不
充分な濃度の多量の硫酸で硫酸塩を作成するアシッドス
ラリー法が記載されているが,特に硫酸塩法の場合,そ
の処理時間が長いこと,しかも,多量の硫酸を使用しな
ければならないことから廃水処理の立場からも好ましく
ない欠点を有している。
「発明の構成」 (問題を解決するための手段) 本発明者等は上記欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果,短時間に,かつ少ない機械的エネルギーで乾式粉砕
した粗製銅フタロシアニンがカサが低減し,かつ次工程
で顔料化する際,その顔料化が容易となることを見出し
本発明をなすに至った。
すなわち本発明者等はクルード銅フタロシアニンを顔料
化する前に,通常粉砕助剤の不存在下,有機液体の不存
在下,例えばボールミル,振動ミル,アトライターその
他の粉砕機中,X線開折図でα型を表わす2θ=15.6゜,1
6.6゜およびβ型を表わす2θ=18.1゜,18,4゜のピーク
面積をそれぞれSαおよびSβとしたとき,Sα/(Sα
+Sβ)が0.4以下,好ましくは0.05≦Sα/(Sα+
Sβ)≦0.25であり,そのカサをクルード銅フタロシア
ニンの60%以下まで,少ない機械的エネルギーで予備的
に乾式粉砕した粗製銅フタロシアニンが,次工程の顔料
化,好ましくは湿式粉砕あるいは硫酸処理法において,
その顔料化が容易となり,顔料化時間を大幅に短縮で
き,顔料化時に必要な処理剤,すなわち湿式粉砕におい
ては粉砕助剤および有機液体量,硫酸処理法においては
硫酸量(以下,両者をまとめて処理剤と略す)大幅に低
減でき,かつ鮮明性,着色力など品質に優れた銅フタロ
シアニン顔料を得ることができることを見出した。
なお,顔料化として,クルード銅フタロシアニンを,α
およびβ型結晶形を表わすX線回折図のピーク面積をそ
れぞれSαおよびSβとしたとき,Sα/(Sα+Sβ)
が0.4以下であり,かつそのカサをクルード銅フタロシ
アニンの60%以下まで乾式粉砕してなる新規な粗製銅フ
タロシアニンを、粉砕助剤および有機液体を用いて湿式
粉砕するか,あるいは硫酸塩を形成しせめた後,水で析
出させる,ことにより顔料化してなる銅フタアロシアニ
ン顔料の製造に有効な方法を提供するものである。
クルード銅フタロシアニンとしては,種々の製造法で得
られたものが適用できる。クルード銅フタロシアニンの
カサは通常4/kg以上であるが,クルード銅フタロシ
アニン精製工程などにより,カサが4/kgを下まわっ
たようなクルード銅フタロシアニンに対しても,本発明
を適用することができる。また,乾式粉砕法としても,
ボールミル,振動ミル,アトライターなどの粉砕機によ
り,通常粉砕助剤の不存在下,有機液体の不存在下で処
理される。クルード銅フタロシアニンは前記したように
一般に粗大粒子であることと,結晶表面および細孔に多
量の空気が強く吸着しているためか,有機あるいは無機
液体上との湿潤が非常に不良であり,これらの液体を接
触させる顔料化,すなわち湿式粉砕においては有機液体
あるいは硫酸処理法においては硫酸に充分に湿潤させる
には予備混合(プレミキシング)が必要となり,そのた
めに多くの時間の消費とそれに伴う過大なエネルギーを
必要とする。しかしながら本発明の粗製銅フタロシアニ
ンを出発原料として用いれば,その湿潤が極めて良好と
なり,したがって,予備混合がほとんど不必要となると
同時にその顔料化が極めて容易に進行するため,顔料化
時間が大幅に短縮でき,かつ処理剤量は低減できる。す
なわち,処理剤量を一定とした時,本発明の粗製銅フタ
ロシアニンを出発原料とした場合,3分の2以下の顔料化
時間でクルード銅フタロシアニンを出発原料とした顔料
の品質とほぼ同等のものを得ることができ,顔料化時間
を一定とした時には3分の2以下の処理剤で,クルード
銅フタロシアニンを出発原料とした顔料の品質と同等の
ものを得ることかでき,さらには従来の処理剤量および
顔料化時間で顔料化を行なえば鮮明性,着色力など,極
めて品質の優れたαまたはβ型銅フタロシアニン顔料を
得ることができる。なお,顔料化法としては特に制限さ
れない。好ましくは粉砕助剤および有機液体を用いて湿
式粉砕するソルベントソルトミリング法,あるいは濃度
60〜85%の硫酸で硫酸塩化することにより,微細化す
る,もしくは硫酸塩を形成せしめた後,水を用いて硫酸
濃度を下げることにより微細化するアシッドスラリー法
またはアシッドスウェリング法である。
ここで言う本発明の粗製銅フタロシアニンは,Sα/(S
α+Sβ)が0.4以下であるため,このままではもちろ
ん,日特開昭50−157.419号記載の溶剤への浸漬によっ
ても顔料として使用できる品位とはならない。
Sα/(Sα+Sβ)が0.4を超えて,かつそのカサを
クルード銅フタロシアニンの60%以下まで粉砕した場
合,処理剤および顔料化時間の低減は可能となるが,特
にSα/(Sα+Sβ)が0.5以上の場合,溶剤への浸
漬によってその品質は不充分であるが,その顔料化が一
応可能となるが,その乾式粉砕には多量のエネルギーお
よび時間を必要とするため,それをさらに乾式粉砕ある
いは硫酸処理した場合,顔料化に要する総エネルギーは
結果として増大すること,さらには湿式粉砕することに
よってβ型銅フタロシアニン顔料を得ようとした場合,
α型をβ型に結晶転移させるのに過大なエネリギーがさ
らに必要となり,特にエネルギー面からその工業的価値
は少なくなる。
また,Sα/(Sα+Sβ)が0.05以下であり,かつその
カサを60%以下まで粉砕した場合,乾式粉砕する時のエ
ネルギー面では有利となるが,顔料化時間の短縮および
処理剤の低減は顕著でなくなることがある。さらにSα
/(Sα+Sβ)が0の場合でも,そのカサをクルード
銅フタロシアニンの60%以下まで乾式粉砕したものは,
カサの低減に伴う効果であるだけでなく,α型が含まれ
ていないため,結晶形の変化によって起こるかもしれな
い性状変化に対する考慮が低減されるなどの利点もあ
る。
また,クルード銅フタロシアニンとして,好ましくは無
置換銅フタロシアニンであるが,銅フタロシアニン1分
子当り1個以下の,例えは塩素あるいはニトロ基で置換
された銅フタロシアニンに対し本発明の処理をほどこし
ても,無置換銅フタロシアニンに認められる効果など顕
著ではないが,効果は認められる。
本発明の粗製銅フタロシアニンの利点を列挙すれば, (1)低エネルギーおよび短時間で乾式粉砕させるため
生産コストはほとんど上昇しないこと, (2)カサを半減させたため袋詰めする際,単位容積当
りの充填量が増し,輸送費の大幅な低減につながるこ
と, (3)しかも粉塵が発生しずらい,いわゆるダストレス
トとなり,その取扱いが非常に容易になること, (4)顔料化時間が短縮でき,それに伴う顔料化エネル
ギーが大幅に低減され,省エネルギー面で有利なこと, (5)処理剤量が低減でき,省資源面で有利なことおそ
びそれに伴う処理剤の廃水処理の低減が計れること, (6)生産量の増大が極めて容易になること, (7)高品質の顔料が得られること, など工業的顔料製造方法としては極めてその利用価値が
高い。なお,本発明において乾式粉砕工程の前,中ある
いは後に,各種樹脂,界面活性剤その他の添加剤を加え
ても構わない。
以下実施例をあげて本発明を具体的に説明するが,本発
明は実施例により規制されるものではない。
例中,部とは重量部を表わす。
製造例 1〔クルード銅フタロシアニン〕(比較例1) 無水フタル酸26.6部,尿素50部,無水塩化第一銅4.4
部,モリブデン酸アンモニウム0.01部,ソルベッソ150
(エッソスタンダードオイル(株)製のアルキルベンゼ
ン,沸点188〜211℃)80部をオートクレーブに仕込み,1
90〜200℃に加熱し,容器内の圧力が3kg/cm2となるよう
にガス放出弁を調整し,5時間反応させた。冷却後,反応
物を丸底フラスコに移し,スルベッソ150を減圧下で蒸
留除去し,さらに2%苛性ソーダ水溶液4および2%
塩酸4でそれぞれ1時間煮沸後合ロ過,水洗,90〜100
℃にて乾燥し,クルード銅フタロシアニン25.5部を得
た。
実施例 1 製造例1で得られたクルード銅フタロシアニン100部を
アトライターに仕込み,粉砕温度50℃で2.5分間乾式粉
砕し,表−1のようにカサが半減した本発明粗製銅フタ
ロシアニンを得た。
実施例 2,3,4および比較例 2 表−1に示されるように乾式粉砕時間を変え,あとは実
施例1と同様の操作を行い,実施例2,3,4および比較例
2の粗製銅フタロシアニンを得た。
なおSα/(Sα+Sβ)値を決定するためのX線回折
条件はTarget-Cu,Filter-Ni,Voltage-30KV,Current-40m
A,Count Full Scale-20,000cps,Time Const,-1sec,Scan
ning Speed-4゜/min,Chart Speed-4cm/min,Divergence
Slit-1゜,Receiving Slit-0.3mm,Detector-GMCであり,S
αおよびSβ測定法をさらに詳しく説明すればSαは2
θ=15.6゜,16.6゜に2重にピークを有するX線回折線
のバックグランドから切りとられたα型を示すピーク面
積であり,Sβは同様に18.1゜,18.4゜のバックグランド
から切りとられたβ型示すピーク面積を表わす。
実施例 5 実施例1で得られた本発明の粗製銅フタロシアニン250
部,乾燥した塩化ナトリウム1000部およびポリエチレン
グリコール250部を2テストニーダーに仕込み,100〜1
10℃で,4時間(その途中0.5,1,2,3時間でサンプリン
グ)ニーディングし,得られた塊を,10%希硫酸25gを加
えた5lの温水に投入後,撹拌し,塩化ナトリウム,
ポリエチレングリコールを完全に多溶解した後,ロ過,
アシッドフリーまで水洗し,ロ別された顔料を90〜100
℃で乾燥しする。
実施例 6,7,8および比較例 3,4 実施例2,3,4で得られた本発明の粗製銅フタロシアニン
および比較例1,2の粗製銅フタロシアニンを出発原料と
し,実施例5と同様な操作でニーディングし,β型銅フ
タロシアニンを得た。
(評価方法) フーバーマーラー法により顔料分20%の濃色インキを作
成した後,青顔料と白顔料の比が1対10になるように白
インキでカットし,カラーマシンでL,a,bを測色する。
着色力および鮮明性を表わす目安として,それぞれL値
(明度を表わし一般的には値が小さくなると着色力は大
きくなる),C値( から算出され,一般に値が大きくなると鮮明性は向上す
る)を用いた。
表−3に実施例5,6,7,8および比較例3,4の測色結果を示
す。
また表−4に比較例3の4時間ニーディング相当品を得
るに必要な実施例5〜8および比較例4のニーディング
時間および消費電力量を示す。
表−3,4の結果より実施例5〜8で示されるように,粗
製銅フタロシアニンを出発原料とし4時間ニーティング
した比較例3の品位を得るには,本発明の粗製銅フタロ
シアニンを出発原料とした場合,ニーディング時間が短
縮が計れると同時に乾式粉砕を含めた総エネルギー量は
少なくなる。一方,Sα/(Sα+Sβ)値が高い比較例
4においては乾式粉砕時はもちろんのこと湿式粉砕時と
エネルギーも過大に必要となる。また,本発明の粗製銅
フタロシアニンのニーディング時間をさらに延長すれ
ば,着色力,鮮明性に優れた銅フタロシアニン顔料を得
ることができる。
実施例 9〜12 乾燥した塩化ナトリウムおよびポリエチレングリコール
を実施例5を半分量とした以外,同様な操作で本発明粗
製銅フタロシアニンを4時間ニーディングし,フーバー
マーラー法にて比較例3と比較実験した。その結果を表
−5に示す。
実施例9,12は比較例3に比べ,若干着色力,鮮明性が劣
るが,実施例10,11では比較例3と同等な品位が得ら
れ,粉砕助剤および有機液体の半減が可能となる。
〔硫酸処理によるα型銅フタロシアニン顔料の製造例〕
比較例 5 比較例1で得られたクルード銅フタロシアニン100部
を,撹拌された80%硫酸1000部の中に塊を生じないよう
にゆっくり添加した。
この操作に約15分を要し,さらにこの系が均一になるま
でには約20分を要した。粗製銅フタロシアニンを添加し
始めてから2時間撹拌を続けたのち,氷水10.000部にゆ
っくり落とし,顔料を析出させたのち,アシッドフリー
まで濾過,水洗,90〜100℃で乾燥してα型銅フタロシア
ニン顔料93部を得る。
実施例 13 実施例1で得られた本発明の粗製銅フタロシアニン100
部を瞬時に80%硫酸1000部に加え2時間撹拌する。途中
銅フタロシアニン添加30分後にサンプリングを行った。
硫酸に対するヌレが非常に良好なため添加当初より系は
均一な系に保たれた。
その後比較例5と同様な操作を行いα型銅フタロシアニ
ン顔料を得た。
実施例 14〜16 実施例13で使用された粗製銅フタロシアニンをぞれぞれ
実施例2,3および実施例4で得られた本発明粗製銅フタ
ロシアニンに変更する以外,実施例13と同様な操作を行
いα型銅フタロシアニン顔料を得た。
実施例 17〜20 実施例13〜16で使用された硫酸量を550部に変更し,実
施例13〜16と同様な操作を行い,α型銅フタロシアニン
顔料を得た。
上記実施例13〜20で得られた顔料のフーバーマーラー法
にて比較例5と比較した結果を表−6に示す。
上記結果より実施例13〜20で示されるように,粗製銅フ
タロシアニンを出発原料とし2時間硫酸処理した比較例
5の品位を得るには,本発明の粗製銅フタロシアニンを
出発原料とした場合,硫酸処理時間あるいは硫酸量を半
減することができる。さらに,硫酸処理時間および硫酸
量を一定とした場合,着色力,鮮明性に優れたα型銅フ
タロシアニンを得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クルード銅フタロシアニンを,αおよびβ
    型結晶形を表わすX線回折図のピーク面積をそれぞれS
    αおよびSβとしたとき,Sα/(Sα+Sβ)が0.4以
    下であり,かつそのカサをクルード銅フタロシアニンの
    60%以下まで乾式粉砕することを特徴とする容易に顔料
    化できる新規な粗製銅フタロシアニンの製造方法。
  2. 【請求項2】クルード銅フタロシアニンのカサが,4/k
    g以下である特許請求の範囲第1項記載の粗製銅フタロ
    シアニンの製造方法。
  3. 【請求項3】0.05≦Sα/(Sα+Sβ)≦0.25であり
    かつそのカサをクルード銅フタロシアニンの60%以下に
    なるまで乾式粉砕する特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の粗製銅フタロシアニンの製造方法。
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