JP2000290578A - 水系顔料分散体の製造方法 - Google Patents
水系顔料分散体の製造方法Info
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Abstract
水や溶剤を使用せずかつ単一工程で製造する方法を提供
する。 【解決手段】粗大粒子を含む顔料を水溶性樹脂の存在下
で乾式粉砕する工程(A)と、該工程(A)で得られた
乾式粉砕物に、アセチレン基を含有するノニオン系界面
活性剤を添加して水中に分散せしめる工程(B)とから
なる水性分散体の製造方法。
Description
造する方法としては、水系に適するように処理された顔
料を、分散ワニスと混合後、サンドミル、ビーズミル等
の分散機を使用して、膨大なエネルギーと時間を費やし
て分散させる方法が採用されていた。使用される顔料に
ついても多くのエネルギーと時間を使い製品としての顔
料に仕上げられていた。例えば、粗製顔料の湿式粉砕に
よる顔料化工程では、粗製顔料を顔料化助剤の存在下で
ニーダー等の粉砕機により粉砕するため、粉砕のための
混練エネルギーと時間、さらに顔料化助剤を顔料から分
離精製するためのエネルギーと時間が必要であった。
53号公報には、粗製フタロシアニンを界面活性剤の存在
下で乾式粉砕する方法が、特開平9-217019公報には、粗
製顔料を乾式粉砕後、樹脂および有機溶剤と機械的に分
散する方法が、特開平9-188845号公報には、粗製銅フタ
ロシアニンを樹脂および有機液体と乾式粉砕する方法等
が提案されている。
法をもってしても水系媒体中に低い機械的エネルギーで
分散する顔料組成物を経済的に製造するのは不十分であ
った。したがって、本発明は、水系媒体に容易に分散す
る顔料組成物を大量の水や溶剤を使用せずかつ単一工程
で製造する方法を提供する。
大粒子を含む顔料を水溶性樹脂の存在下で乾式粉砕する
工程(A)と、該工程(A)で得られた乾式粉砕物に、
アセチレン基を含有するノニオン系界面活性剤を添加し
て水中に分散せしめる工程(B)とからなる水性分散体
の製造方法に関する。
ニオン系界面活性剤が顔料に対して1〜30重量%添加する
上記の製造方法に関する。更に本発明は、水溶性樹脂が
アルカリ可溶型樹脂である上記製造方法に関する。更に
本発明は、上記製造方法で得られた水系顔料分散体に関
する。
タロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジ
ン系顔料などの縮合多環系顔料、モノアゾ顔料、ジスア
ゾ顔料などのアゾ系が挙げられるが、これらのものに限
定されない。乾式粉砕に供する顔料は、最終的な製品形
態としての顔料として好ましくない粗大粒子を含む顔料
であって、好ましくは、縮合多環系の粗製顔料である。
散体の樹脂成分またはバインダー成分として通常使用さ
れる樹脂、又は、本発明の顔料組成物を用いたインキ濃
縮物中に添加される他の成分と相溶性のある樹脂であり
得る。好ましく使用できる水溶性樹脂の例は、アクリル
酸エステル重合体、アクリル-スチレン共重合体、アク
リル-α-メチルスチレン共重合体等のアクリル系樹脂で
ある。これらのアクリル系樹脂は、アルカリ金属イオ
ン、アミン、アンモニア等のアルカリ成分の存在下に水
中に溶解することができる。乾式粉砕時に添加する水溶
性樹脂はペレット状の形態であると取り扱いが容易であ
るため好ましい。
性樹脂の量は、顔料に対して2〜50重量%、好ましく
は、10〜25重量%であり、上記数値より多いと乾式粉砕
により得られた顔料組成物を用いた濃縮物中の樹脂比率
が高くなり、水系分散体の用途が限定されたり、使用で
きなくなって好ましくなく、上記数値より少ないと乾式
粉砕により得られた顔料組成物が水中に解膠し難くなる
ため好ましくない。
面活性剤は、分子中にアセチレン基と水酸基を有する脂
肪族系化合物で、具体的には、2,4,7,9-テトラメチル-5
-デシン-4,7-ジオールもしくはこれのエチレンオキシド
付加物が挙げられる。アセチレン基を含むノニオン系界
面活性剤とエーテル、グリコールとの混合物が使用上好
ましい。
しめる工程において使用するアセチレン基を含むノニオ
ン系界面活性剤の量は、顔料に対して1〜20重量%、好
ましくは、3〜10重量%であり、上記より界面活性剤が
多くなると水系顔料分散体の用途が限定される。また、
界面活性剤の量が少なくなると、顔料組成物がビヒクル
中で解膠せず、特にフタロシアニン顔料を使用した場
合、顔料が発色しなくなる。アセチレン基を含むノニオ
ン系界面活性剤とともに他の界面活性剤を併用してもよ
い。
ィアを内蔵した粉砕機を使用し、水や溶剤により顔料を
凝集させることなく、粉体の状態で粉砕物を粉砕するも
のである。粉砕装置としては、乾式アトライター、ボー
ルミル、振動ミルなどを挙げることができるが、生産効
率の点からアトライターが好ましい。
定する必要があるが、粉砕温度は30〜150℃で行うこと
が好ましい。特に粉砕温度は使用する水溶性樹脂の軟化
点より高くなると乾式装置内部での粉砕物の固着が生じ
る危険性が高くなる。そのため、使用する水溶性樹脂の
軟化点よりなるべく低く設定する必要がある。粉砕時間
は10分〜6時間が好ましく、粉砕時間が短いと顔料中に
粉砕が不十分な粒子が含まれるため好ましくなく、又、
粉砕時間が長いと生産効率が悪くなるため好ましくな
い。
顔料の表面を樹脂が被覆した状態にあり、アルカリ存在
下で水中に容易に解膠し分散する。本発明の顔料組成物
は、アルカリ存在下で水系顔料分散体用ビヒクルとを撹
拌混合等の簡単な操作により水性顔料分散体とすること
ができる。
料分散粒子は、ソルベントソルトミリング法で得られた
顔料粒子とほぼ同じ粒子径とすることができる。本発明
の水系顔料分散体は、例えば、水性塗料、捺染剤、水性
インキ、インキジェット用インキ、カラーフィルター用
の分散液等として使用することができる。
に説明する。なお、実施例中で標準顔料として使用して
いるのは、粗製顔料をソルベントソルトミリングにより
顔料化したものであり、結晶型の測定にはX線回折装置
を使用した。また粒子サイズと粒子形態は透過型電子顕
微鏡で観察した。
84重量部とアクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製の
「ジョンクリルJ-679」)16重量部を加え90℃で20分間
粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶の含有率は50
%程度であった。次に、得られた顔料組成物18重量部を
アセチレン基を含むノニオン系界面活性剤(日信化学工
業株式会社製「オルフィンSTG」)1.0重量部と共に、樹
脂を溶解するための水酸化ナトリウムを含む水溶液20重
量部に加え室温で穏やかに撹拌することにより濃縮分散
体を得た。次に、得られた濃縮分散体に水性用スチレン
アクリルエマルジョン61重量部を加え最終インキに調整
した後、同一顔料分を含む標準インキと比較したとこ
ろ、本実施例のインキは着色力、透明性、鮮明性などに
おいて標準インキより優れており着色力は140%程度の
品位を有していた。この時の平均分散粒径は80〜120nm
であった。
84重量部とアクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製の
「ジョンクリルJ-679」)16重量部を加え90℃で20分間
粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶含有率は50%
程度であった。次に、得られた顔料組成物18重量部をア
セチレン基を含むノニオン系界面活性剤(日信化学工業
株式会社製「サーフィノールTG」)1.0重量部と共に、樹脂を溶
解するための水酸化ナトリウムを含む水溶液20重量部に
加え室温で穏やかに撹拌することにより濃縮分散体を得
た。次に、得られた濃縮分散体に水性用スチレンアクリ
ルエマルジョン61重量部を加え最終インキに調整した
後、同一顔料分を含む標準インキと比較したところ、本
実施例のインキは着色力、透明性、鮮明性などにおいて
標準インキより優れており着色力は130%程度の品位を
有していた。この時の平均分 散粒径は80〜120nmであっ
た。
84重量部とアクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製の
ジョンクリルJ-679」)16重量部を加え90℃で20分間
粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶含有 率は50%
程度であった。次に、得られた顔料組成物18重量部をア
セチレン基を含むノニオン系界面活性剤(日信化学工業
株式会社製「サーフィノール504」)1.0重量部と共に、樹脂を
溶解するための水酸化ナトリウムを含む水溶液20重量部
に加え室温で穏やかに撹拌することにより濃縮分散体を
得た。得られた濃縮分散体に水性用スチレンアクリルエ
マルジョン61重量部を加え最終インキに調整た後、同一
顔料分を含む標準インキと比較したところ、本実施例の
インキは着色力、透明性、鮮明性などにおいて標準イン
キより優れており着色力は110%程度の品位を有してい
た。この時の平均分粒径は80 〜120nmであった。
84重量部とアクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製の
「ジョンクリルJ-679」)16重量部を加え90℃で20分間
粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶含有率は50%
程度であった。次に、得られた顔料組成物18重量部を樹
脂を溶解するための水酸化ナトリ ウムを含む水溶液20
重量部に加え室温で穏やかに撹拌することにより濃縮分
散体を得た。次に、得られた濃縮分散体に水性用スチレ
ンアクリルエマルジョン62重量部を加え最終インキに調
整したが、ほとんど発色していなかった。
を90℃で20分間粉砕した。得られた顔料のα型結晶含有
率は30%程度であった。次に、得られた顔料15重量部を
アセチレン基を含むノニオン系界面活性剤( 日信化学
工業株式会社製「オルフィンSTG」)1.0重量部と共に、水20
重量部に加え室温で穏やかに撹拌することにより濃縮分
散体を得た。次に、得られた濃縮分散体に水性用スチレ
ンアクリルエマルジョン64重量部を加え最終インキに調
整したが、ほとんど発色していなかった。
84重量部とアクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製の
「ジョンクリルJ-679」)16重量部を加え90℃で20分間
粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶の 含有率は
50%程度であった。次に、得られた顔料組成物18重量部
をアセチレン基を含むノニオン系界 面活性剤(日信化
学工業株式会社製「オルフィンSTG」)0.5重量部と共
に、樹脂を溶解するための水酸化ナトリウムを含む水溶
液20.5重量部に加え室温で穏やかに撹拌することにより
濃縮分散体を得た。次に、得られた濃縮分散体に水性用
スチレンアクリルエマルジョン61重量部を加え最終イン
キに調整した後、同一顔料分を含む標準インキと比較し
たところ、本実施例のインキは着色力、透明性、鮮明性
などにおいて標準インキより優れており着色力は120%
程度の品位を有していた。この時の平 均分散粒径は80
〜120nmであった。
84重量部とアクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製の
「ジョンクリルJ-679」)16重量部を加え90℃で20分間
粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶の含有率は50
%程度であった。次に、得られた顔料組成物18重量部を
アセチレン基を含むノニオン系界面活性剤(日信化学工
業株式会社製「オルフィンSTG」)2.0重量部と共に、樹
脂を溶解するための水酸化ナトリウムを含む水溶液19重
量部に加え室温で穏やかに撹拌することにより濃縮分散
体を得た。次に、得られた濃縮分散体に水性用スチレン
アクリルエマルジョン61重量部を加え最終インキに調整
した後、同一顔料分を含む標準インキと比較したとこ
ろ、本実施例のインキは着色力、透明性、鮮明性などに
おいて標準インキより優れており着色力は150%程度の
品位を有していた。この時の平 均分散粒径は80〜120nm
であった。
顔料製造方法として採用されているソルベントソルトミ
リング法から得られる顔料と比較して同等もしくはそれ
以上の品質が得られ、より低コストで顔料を提供するこ
とが可能である。また、本発明の顔料組成物は、水中に
簡単な操作で顔料を分散することができる。
3)
機械的エネルギーで分散させることのできる水系顔料分
散体の製造方法に関する。
としては、水系に適するように処理された顔料を、分散
ワニスと混合後、サンドミル、ビーズミル等の分散機を
使用して、膨大なエネルギーと時間を費やして分散させ
る方法が採用されていた。使用される顔料についても多
くのエネルギーと時間を使い製品としての顔料に仕上げ
られていた。例えば、粗製顔料の湿式粉砕による顔料化
工程では、粗製顔料を顔料化助剤の存在下でニーダー等
の粉砕機により粉砕するため、粉砕のための混練エネル
ギーと時間、さらに顔料化助剤を顔料から分離精製する
ためのエネルギーと時間が必要であった。
大粒子を含む顔料を水溶性樹脂の存在下で乾式粉砕する
工程(A)と、該工程(A)で得られた乾式粉砕物に、
アセチレン基を含有するノニオン系界面活性剤を添加し
て水中に分散せしめる工程(B)とからなる水系顔料分
散体の製造方法に関する。
Claims (4)
- 【請求項1】 粗大粒子を含む顔料を水溶性樹脂の存在
下で乾式粉砕する工程(A)と、該工程(A)で得られ
た乾式粉砕物に、アセチレン基を含有するノニオン系界
面活性剤を添加して水中に分散せしめる工程(B)とか
らなる水性分散体の製造方法。 - 【請求項2】 アセチレン基を含有するノニオン系界面
活性剤が顔料に対して1〜30重量%添加する請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項3】 水溶性樹脂がアルカリ可溶型樹脂である
請求項1又は2記載の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の製造方
法で得られた水系顔料分散体。
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EP1146090A2 (en) | 2000-04-10 | 2001-10-17 | Seiko Epson Corporation | Process for the preparation of pigment dispersion, pigment dispersion obtained by the same, ink jet recording ink comprising the same, and recording method and recording material using the same |
US6896212B2 (en) | 2002-09-05 | 2005-05-24 | Rohm And Haas Company | Method of producing fine solid particles and dispersions |
WO2006051386A1 (es) * | 2004-11-12 | 2006-05-18 | Chimigraf Ibérica, Sl | Procedimiento para la fabricación de una tinta de impresión sólida y tinta de impresión sólida obtenida |
EP3315567A1 (en) | 2016-10-31 | 2018-05-02 | Nissin Chemical Industry Co., Ltd. | Dispersant, dispersion, ink composition, and methods of preparation thereof |
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WO2022044525A1 (ja) | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 日信化学工業株式会社 | 分散剤、分散体及びインク組成物、並びにこれらの製造方法 |
EP4345140A1 (en) | 2022-09-29 | 2024-04-03 | Nissin Chemical Industry Co., Ltd. | Dispersant, dispersion, ink composition, and method for producing same |
-
1999
- 1999-04-05 JP JP09716899A patent/JP4659162B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10640662B2 (en) | 2016-10-31 | 2020-05-05 | Nissin Chemical Industry Co., Ltd. | Dispersant, dispersion, ink composition, and methods of preparation thereof |
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US11066568B2 (en) | 2018-04-27 | 2021-07-20 | Nissin Chemical Industry Co., Ltd. | Dispersant, dispersion and ink composition, and preparing method thereof |
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