JPH10101955A - β型銅フタロシアニン顔料の製造方法 - Google Patents

β型銅フタロシアニン顔料の製造方法

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JPH10101955A
JPH10101955A JP25855396A JP25855396A JPH10101955A JP H10101955 A JPH10101955 A JP H10101955A JP 25855396 A JP25855396 A JP 25855396A JP 25855396 A JP25855396 A JP 25855396A JP H10101955 A JPH10101955 A JP H10101955A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相が緑味で、しかも着色力、分散性に優
れ、工業的にも経済性にも優れ、且つ安全性の高いβ型
銅フタロシアニン顔料の製造方法を提供すること。 【解決手段】 粗製銅フタロシアニン及びロジンの基本
骨格を有する化合物を含有する混合物を乾式摩砕して得
られるα型銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニン
の混合物を、アルコール、ケトン及びエステルから成る
群から選ばれる単独の有機溶剤中で、2種以上の有機溶
剤から成る混合溶剤中で、あるいはそれらと水との混合
溶剤中で加熱処理することから成る緑味調を呈するβ型
銅フタロシアニン顔料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はβ型銅フタロシアニ
ン顔料の製造方法に関し、更に詳しくは、印刷インキの
プロセス色に適した鮮明な緑味調を呈するβ型フタロシ
アニン顔料を工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、緑味調β型フタロシアニン顔料
は、工業的には、粗製銅フタロシアニンを無機塩とエチ
レングリコールのような粘結剤と共にニーダー等の装置
を用いて摩砕する方法により製造されている。この方法
によって得られる顔料は、色相が緑味で且つ高着色力で
あり印刷インキのプロセス色として最適である。
【0003】しかしながら、この方法は、摩砕時に粉砕
物以外の摩砕助剤を用いるため、生産性が悪いこと、高
COD排水が生じるため、環境対策が必要であること、
これらを回収再利用するために経費がかかり、コストが
高くなる等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点を解決
するために、特開昭50−157419号公報、特開昭
52−69435号公報等には、粗製銅フタロシアニン
を乾式粉砕して、α型銅フタロシアニンとβ型銅フタロ
シアニンの混合物を得た後、この混合物をキシレン等の
結晶化溶剤に浸漬することによって、α形銅フタロシア
ニンをβ型銅フタロシアニンへと転移させるβ型銅フタ
ロシアニン顔料を得る方法が開示されている。
【0005】また、特公平6−51846号公報には、
粗製銅フタロシアニンにロジン類を加えて乾式摩砕した
後、得られた摩砕物をブチルセロソルブ水溶液中で加熱
処理することによって易分散性の銅フタロシアニン顔料
を得る方法が開示されている。
【0006】しかしながら、特開昭50−157419
号公報、特開昭52−69435号公報等に記載の方法
で得られたβ型銅フタロシアニン顔料は、従来の粗製銅
フタロシアニンを無機塩とエチレングリコールのような
粘結剤を用いてニーダー等で摩砕する方法に比較して、
色相が赤味で、ベヒクルへの顔料の分散性が悪いうえ、
着色力も劣る等の欠点があるため、この方法への代替は
困難であった。
【0007】また、特公平6−51846号公報に記載
の方法で得られた銅フタロシアニン顔料の色相は赤味で
あり、印刷インキのプロセス用には適さないものであっ
た。また、この方法で用いるロジンは軟化点が約60℃
と低いため、アトライターでの摩砕中に、その摩擦熱で
溶融し、アトライター内壁に付着現象を引き起こし、異
常加熱による発火を誘引する危険性があった。
【0008】特公平6−51846号に記載の方法で得
られるβ型銅フタロシアニン顔料の色相が赤味となる原
因は、(1)αとβ型の混合物をブチルセロソルブ中で
β型に結晶変換する際に、針状の大きな結晶に成長する
ためと考えられる。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、色相が
緑味で、しかも着色力、分散性に優れ、工業的にも経済
性にも優れ、且つ安全性の高いβ型銅フタロシアニン顔
料の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究し
た結果、粗製銅フタロシアニンとロジン基本骨格を有す
る化合物を含有する混合物を乾式摩砕して得られるα型
銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニンの混合物
を、アルコール、ケトン及びエステル等の有機溶剤を単
独あるいは2種以上の混合溶液あるいはそれらと水との
混合溶剤中で加熱処理する方法により、色相が緑味で、
着色力、分散性に優れ、従来のニーダー法に匹敵するβ
型銅フタロシアニン顔料を経済的且つ安全に製造できる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、粗製銅フタロシアニン及びロジンの基本骨格を有す
る化合物を含有する混合物を乾式摩砕して得られるα型
銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニンの混合物
を、アルコール、ケトン、エステルから成る群から選ば
れる単独の有機溶剤中で、2種以上の有機溶剤から成る
混合溶剤中で、あるいはそれらと水との混合溶剤中で加
熱処理することを特徴とする緑味調を呈するβ型銅フタ
ロシアニン顔料の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法で用いるロジン
基本骨格を有する化合物としては、例えば、ガムロジ
ン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均
化ロジン、重合ロジン等あるいはその金属塩あるいはエ
ステル類等;ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フ
ェノール樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性ポ
リエステル樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂、ロジン変
性アクリル酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂等あるいは
その金属塩あるいはエステル類の如き各種ロジン変性樹
脂が挙げられる。
【0013】ロジンの基本骨格とは、大別してアビエタ
ン、ピマラン、イソピマラン、ラブダン型の4種に分け
られるが、本発明の製造方法で用いるロジン基本骨格を
有する化合物では、その全てを含み、カルボキシル基を
除いた骨格の部分を有しているもの全てを含むものであ
る。
【0014】この乾式摩砕の際、ロジンを未溶融状態で
処理した方が、その結晶成長防止効果が高く、製造工程
的にもアトライター等内部への付着を引き起こさず好都
合である。ロジンをそのままを使用する場合は、十分な
冷却を行なう必要が生じるが、ロジンを金属塩とするこ
とによって、その軟化点が300℃以上となる結果、難
燃性となり、溶融付着現象が発生せず、処理効果を高め
るとともに工業的にも有利となる。また、ロジンを樹脂
と反応させることで軟化点を高くすることによっても同
様の効果が得られる。
【0015】ロジンの金属塩の金属種には特に限定はな
いが、例えば、Na、K、Ca、Ba、Sr、Al、T
i等が挙げられる。
【0016】ロジンの基本骨格を有する化合物の添加量
は、粗製銅フタロシアニンの仕込量の0.5〜50重量
%の範囲が好ましく、3〜20重量%の範囲が特に好ま
しい。
【0017】粗製銅フタロシアニンとロジンの基本骨格
を有する化合物とを混合する方法は、摩砕時に粗製銅フ
タロシアニンにロジンの基本骨格を有する化合物を添加
する方法であっても、予め粗製銅フタロシアニンにロジ
ンの基本骨格を有する化合物を処理をしておく方法であ
ってもよい。
【0018】本発明の製造方法において、乾式摩砕に用
いる装置としては、例えば、アトライター、ボールミ
ル、ビーズミル、振動ミル、ハンマーミル等を挙げるこ
とができる。
【0019】乾式摩砕は、銅フタロシアニン顔料のα型
及びβ型結晶形を表わすX線回折図ピーク高さをLα及
びLβとした場合、Lα/Lβと含有率の検量線からα
型の含有率が≧30%となるまで行なうことが好まし
い。最も工業的に有利なのはα型の含有率が60%から
75%程度である。なお、X線回折図におけるLαは
6.8°の、Lβは9.2°のピーク高さをとった。
【0020】本発明の製造方法で用いる有機溶剤として
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、
2−ブタノール、4−ブタノール、アミルアルコール、
イソアミルアルコール、2−アミルアルコール、tert−
アミルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロヘキサ
ノール、メチルシクロヘキサノール、ヘプチルアルコー
ル等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルアセトン、
メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケト
ン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシ
ル、メトキシブチルアセテート、セロソルブアセテート
等のエステル系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶剤
は、2種以上の混合物として用いることもでき、あるい
はこれらの有機溶剤又はそれらの混合物と水との混合系
を用いることもできる。なかでも、α型からβ型への結
晶変換能力、溶剤の回収の容易さ、得られる顔料の品質
特に色相、分散性に優れる点から、イソブタノール、2
−ブタノール等の炭素原子数4の脂肪族アルコールを用
いることが好ましい。
【0021】有機溶剤の使用量は、摩砕物100重量部
に対して5重量部以上が好ましく、100〜300重量
部の範囲が特に好ましい。
【0022】有機溶剤による処理温度は、処理溶剤系の
結晶成長能力に応じて室温から該溶剤系の沸点或は混合
溶剤ではその共沸点の範囲で適宜選択することができる
が、例えば、イソブタノールと水の混合溶剤の場合はそ
の共沸点89℃が好ましい。
【0023】有機溶剤による処理時間も処理溶剤系の結
晶成長能力に応じて変わるが、4〜8時間の範囲が好ま
しい。
【0024】溶剤処理後は、蒸留、好ましくは水との共
沸により、留去回収する。回収した溶剤は再度使用する
ことができる。
【0025】
【作用】ロジンの基本骨格部が、乾式摩砕によるメカノ
ケミカル的作用により銅フタロシアニンの結晶成長面で
あるb軸面に強く親和する。それにより、顔料化時にα
型からβ型へ結晶変換させる溶剤処理により引き起こさ
れる結晶成長を防止するのに大きな効果をもたらし、ま
た、顔料同志の凝集を緩和し解凝集を容易にさせる効果
をもたらすことにより、色相の緑味化と高い着色力を有
する顔料を得ることを可能にしたものと考えられる。
【0026】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を用いて本
発明を更に詳細に説明する。なお、以下の説明におい
て、「部」及び「%」はそれぞれ『重量部』及び『重量
%』を表わす。
【0027】<製造例1>(粗製銅フタロシアニンの製
造) 無水フタル酸1218部、尿素1540部、無水塩化第
一銅200部、モリブデン酸アンモニウム5部及び溶媒
として炭素原子数5〜8個のアルキル基を有するアルキ
ルベンゼンの混合物4000部を反応器に仕込み、撹拌
しながら加熱して200℃まで昇温させた後、同温度で
2.5時間反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留
去し、残った反応生成物を2%塩酸8000部中に加
え、70℃で1時間撹拌した後、吸引濾過した。このよ
うにして得たケーキを80℃の温水で充分洗浄した後、
乾燥させて粗製銅フタロシアニンを得た。
【0028】<製造例2>(ロジン金属塩の製造方法) 水添ロジン(ステベライトロジン)100部、水酸化ナ
トリウム20部及び水1000部をビーカーに仕込んだ
後、70℃以上に加熱することによって溶解させてロジ
ン水溶液を得た。このようにして得たロジン水溶液に、
塩化カルシウム27部及び水200部から成る水酸化カ
ルシウム水溶液を撹拌しながら添加することによって、
ロジンカルシウム塩を析出させた。ロジンカルシウム塩
析出溶液のpHを8に調整した後、濾過し、得られた残
渣を湯洗浄し、乾燥させて、ロジンカルシウム塩を得
た。
【0029】<製造例3>(粗製銅フタロシアニンの乾
式粉砕物の製造) 製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部及び製造
例2で得たステベライトロジンカルシウム塩25部を容
量5リットルのアトライター(直径3/8インチのスチ
ールボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜11
0℃で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン71%
及びβ型銅フタロシアニン29%から成る混合物を得
た。
【0030】α型銅フタロシアニンとβ型銅フタロシア
ニンの重量比(α/β)は、図1に示したX線回折図の
α型結晶形を表わす回折角度(2θ)=6.8゜におけ
るピーク高さSαと、β型結晶形を表わす回折角度(2
θ)=9.2におけるピーク高さSβから求めた。
【0031】なお、この時のX線回折の測定条件は、タ
ーゲット:Cu、フイルター:Ni、電圧:40KV、
電流:30mAである。
【0032】<製造例4>(粗製銅フタロシアニンへの
ロジン処理) 製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部を水50
00部に分散し、70℃に加熱して、粗製銅フタロシア
ニンの水分散液を得た。このようにして得た粗製銅フタ
ロシアニンの水分散液に、水酸化ナトリウム10部及び
水500部から成る水酸化ナトリウム水溶液にトール油
ロジン50部を加熱溶解したロジン水溶液を添加した。
この混合物に、塩化カルシウム13.5部を水100部
に溶解した水溶液を添加した。混合液のpHを8に調整
した後、生じた析出物を濾取し、湯洗浄し、乾燥させ
て、ロジンカルシウム塩含有粗製銅フタロシアニンのロ
ジンを得た。
【0033】<製造例5>(粗製銅フタロシアニンの乾
式粉砕物の製造) 製造例4で得たロジンカルシウム塩含有粗製銅フタロシ
アニン500部を容量5リットルのアトライター(直径
3/8インチのスチールボール13Kgを含む)を用い
て、内温90〜110℃で60分間粉砕して、α型銅フ
タロシアニン72%及びβ型銅フタロシアニン28%か
ら成る混合物を得た。なお、α型とβ型の割合は、製造
例3と同じ方法で求めた。
【0034】<製造例6>(ロジン変性樹脂の金属塩の
製造) ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマ化成製の「ハリマッ
クT−80」)100部、水酸化ナトリウム13部及び
水850部をビーカーに仕込み、80℃に加熱して溶解
させて、ロジン変性マレイン樹脂の水溶液を得た。この
ようにして得たロジン変性マレイン酸樹脂の水溶液に、
塩化カルシウム48部及び水400部から成る塩化カル
シウム水溶液を撹拌しながら添加し、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂のカルシウム塩を析出させた。ロジン変性マレ
イン酸樹脂のカルシウム塩析出溶液のpHを8に調整し
た後、濾過し、得られた残渣を湯洗浄し、乾燥させて、
ロジン変性マレイン酸樹脂のカルシウム塩を得た。
【0035】<製造例7>製造例1で得た粗製銅フタロ
シアニン500部及び製造例6で得たロジン変性マレイ
ン酸樹脂のカルシウム塩25部を容量5リットルのアト
ライター(直径3/8インチのスチールボール13Kg
を含む)を用いて、内温90〜110℃で60分間粉砕
して、α型銅フタロシアニン69%及びβ型銅フタロシ
アニン31%から成る混合物を得た。なお、α型とβ型
の割合は、製造例3と同じ方法で求めた。
【0036】<製造例8>製造例1で得た粗製銅フタロ
シアニン500部及びロジン変性マレイン酸樹脂(ハリ
マ化成製の「ハリマックT−80」)50部を容量5リ
ットルのアトライター(直径3/8インチのスチールボ
ール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃で
60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン67%及びβ
型銅フタロシアニン33%から成る混合物を得た。
【0037】<比較例1>(ニーダー法) 製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部、粉砕食
塩2500部、ジエチレングリコール500部及びキシ
レン30部を容量8リットルのニーダーを用いて80℃
で6時間混練した。得られた混練物100部を1%塩酸
水溶液2000部と共に、80℃で2時間分散させた
後、濾過し、得られた残渣を水洗し、乾燥させて銅フタ
ロシアニン顔料を得た。このようにして得た銅フタロシ
アニンの結晶形をX線回折法により分析した結果、β型
であった。
【0038】<比較例2>(粗製銅フタロシアニンの乾
式粉砕物の製造) 製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部を容量5
リットルのアトライター(直径3/8インチのスチール
ボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃
で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン62%及び
β型銅フタロシアニン38%から成る摩砕物を得た。な
お、α型とβ型の割合は、製造例3と同じ方法で求め
た。
【0039】<比較例3>(溶剤法) 比較例2で得た摩砕物100部、イソブタノール300
部及び水600部を容量1リットルのフラスコ中で共沸
温度で4時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去
・回収した。固形分を濾過し、乾燥させて顔料を得た。
このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX
線回折法により分析した結果、β型であった。
【0040】<実施例1>製造例3で得た粗製銅フタロ
シアニンの乾式摩砕物100部を、イソブタノール30
0部及び水600部と共に容量1リットルのフラスコ中
で共沸温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全
に除去・回収した。固形分を濾過し、乾燥させて顔料を
得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶
形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0041】得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比
較例1のニーダー法による顔料と比較したところ、色相
はほぼ同等の緑味調β型銅フタロシアニン顔料であっ
た。また、着色力も同等であった。表1に評価結果を示
した。
【0042】<実施例2>製造例3と同様操作にてステ
ベライトロジンCa塩25部の代わりに、不均化ロジン
(ハリマ化成製「バンディスT−25K」)のCa塩5
0部を添加し、乾式摩砕した摩砕物100部を、イソブ
タノール300部、イソプロピルアルコール30部及び
水600部と共に容量1リットルのフラスコ中で共沸温
度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に回収
し、固形分を濾過、乾燥させて顔料を得た。このように
して得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法に
より分析した結果、β型であった。
【0043】得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比
較例1の顔料と比較したところ、色相はほぼ同等で分散
性,流動性に優れていた。表1に評価結果を示した。
【0044】<実施例3>製造例4で得た粗製銅フタロ
シアニンの乾式摩砕物100部、イソブタノール300
部、イソプロピルアルコール30部及び水600部を容
量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した
後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を
濾過し、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅
フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析し
た結果、β型であった。
【0045】得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比
較例1の顔料と比較したところ、色相はほぼ同等で分散
性,流動性に優れていた。表1に評価結果を示した。
【0046】<実施例4>製造例7で得た粗製銅フタロ
シアニンの乾式摩砕物100部、イソブタノール300
部、イソプロピルアルコール30部及び水600部を容
量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した
後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を
濾過し、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅
フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析し
た結果、β型であった。
【0047】得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比
較例1の顔料と比較したところ、色相,着色力とも同等
であった。また、分散性,流動性とも良好であった。表
1に評価結果を示した。
【0048】<実施例5>製造例8で得た粗製銅フタロ
シアニンの乾式摩砕物100部、2−ブタノール300
部及び水600部を容量1リットルのフラスコ中で共沸
温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去
・回収した。固形分を濾過、乾燥させて顔料を得た。こ
のようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線
回折法により分析した結果、β型であった。
【0049】得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比
較例1の顔料と比較したところ、色相はほぼ同等で分散
性,流動性に優れていた。表1に評価結果を示した。
【0050】≪評価方法≫上記実施例中の顔料の色差,
着色力,流動性の測定は以下の方法で行い、その結果を
下記表1にまとめた。
【0051】<平版インキの製造> (濃色インキ)ロジン変性フェノール樹脂ワニス84部
及びβ型銅フタロシアニン顔料16部をプレミックス
後、ビューラー製3本ロールを用いて3パスしてインキ
を作製した。
【0052】平版インキ用ビヒクルは上記記載のロジン
変性フェノール樹脂に限定されるものではなく、その他
石油樹脂、アルキッド樹脂又はこれら乾性油変性樹脂等
の樹脂と、必要に応じて、アルニ油、桐油、大豆油等の
植物油と、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテ
ック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤から成るもの
が使用できる。また、必要に応じて、インキ溶剤、ドラ
イヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤を
適宜配合できる。
【0053】(淡色インキ)上記濃色インキ0.020
部と白インキ4.000部(大日本インキ化学工業製ニ
ューチャンピオンAT白179)をフーバーマーラーで
混合する。混合条件:加重50lb,50回転 X 3
回。
【0054】<着色力,色相の評価方法>上記で作製し
た淡色インキを上質紙にへらで展色し、その上色(肉
色)をグレタグ(Gretag)社製の分光光度計「SPM5
0」を用いて測定した。色相は比較例1で得た顔料との
差(色差:△a)で示した。△a値が小さいほど、緑味
である。着色力は、比較例1の顔料を標準としてシアン
濃度の比で表した。
【0055】<流動性>70度に傾けたガラス板上に上
記で作製した濃色インキを乗せ、1時間経過後の流れた
距離により評価した。表1には、比較例1で得た顔料を
用いて作製したインキの値を100としそれとの比で示
した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、乾式摩砕と
溶剤処理法を組み合わせることによって、ニーダー法に
匹敵した色相の緑味調のプロセスインキに適したβ型銅
フタロシアニン顔料を製造することができるので、ニー
ダー法の大きな問題である副原料のジエチレングリコー
ルと食塩の回収が不要となり製造コストの大幅な削減が
可能となる。また、本発明の製造方法によれば、高CO
D排水の激減により、環境負荷を著しく小さくすること
ができ、更に、顔料化工程を短縮できるので、本発明の
製造方法は、工業的に優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例2で得た粗製銅フタロシアニンの乾式粉
砕物のX線回折図である。
【図2】α型銅フタロシアニン顔料のX線回折図であ
る。
【図3】β型銅フタロシアニン顔料のX線回折図であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製銅フタロシアニン及びロジンの基本
    骨格を有する化合物を含有する混合物を乾式摩砕して得
    られるα型銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニン
    の混合物を、アルコール、ケトン及びエステルから成る
    群から選ばれる単独の有機溶剤中で、2種以上の有機溶
    剤から成る混合溶剤中で、あるいはそれらと水との混合
    溶剤中で加熱処理することを特徴とする緑味調を呈する
    β型銅フタロシアニン顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 ロジン基本骨格を有する化合物がロジン
    の金属塩である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ロジン基本骨格を有する化合物がロジン
    で変性された樹脂、その金属塩又はそのエステルである
    請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤が炭素原子数1〜7の脂肪族ア
    ルコールである請求項1、2又は3記載の製造方法。
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