JP2011225771A - 銅フタロシアニン顔料組成物及び印刷インキ - Google Patents

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Abstract

【解決課題】粗製銅フタロシアニンの顔料化工程と顔料の印刷インキ製造工程に係わる多大な時間と労力を低減し、高品位で流動性に優れた、銅フタロシアニン顔料の印刷インキを得る銅フタロシアニン組成物およびその用途を提供する。
【解決手段】粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕して得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物において、X線回折により、回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上であることを特徴とする銅フタロシアニン顔料組成物、およびこれと印刷インキ用ワニスおよび溶剤とを混合分散した印刷インキ。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅フタロシアニン顔料の印刷インキを製造する際に、銅フタロシアニンのβ型顔料を経由することなく、粗製銅フタロシアニンから直接印刷インキを製造するための顔料組成物および顔料組成物による印刷インキの製造方法に関するものである。
通常、合成後の銅フタロシアニンは粗製銅フタロシアニンと呼ばれ、10〜200μm程度の巨大なβ型結晶粒子のため、そのまま印刷インキ用顔料として使用することはできない。この粗製銅フタロシアニンを印刷インキとして使用可能な大きさ(0.02〜0.1μm程度)まで小さくすることを顔料化と呼ぶ。この顔料化には、様々な方法が知られている。
顔料化には、一次粒子の短軸と長軸の比(アスペクト比)が1〜2で、黄味鮮明で高着色力な印刷インキが得られるソルベントソルトミリング法と、ソルベントソルトミリング法に比べてコスト的に有利な溶剤法がある。しかし、ソルベントソルトミリング法には、顔料の数倍量の摩砕助剤が必要であり、この摩砕助剤や有機溶剤を回収する工程にも多大な時間と労力、エネルギーを必要とし、溶剤法には、粒子が針状に成長しアスペクト比が大きくなり、色相が赤味となり流動性が低下する等の問題がある。
さらに、これらの方法で得られた顔料から印刷インキを製造する方法としては、乾燥顔料を用いる方法と水分40〜70%を含んだウェットケーキ顔料を用いる方法(フラッシング法)があるが、乾燥顔料は一次粒子の凝集が強いため、この工程で顔料を分散させるために多大なエネルギーを必要とし、フラッシング法は、大型の設備・装置が必要であり、フラッシングによる排水も発生する。
この様に、β型銅フタロシアニンの印刷インキを製造するためには、顔料化工程とインキ化工程で非常に多大な時間とエネルギーが必要である。
より簡単に低コストの印刷インキを提供するためには、顔料の形態を経由せずに粗製銅フタロシアニンから直接インキを製造することが必要である。粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用ワニスと混合した後、ビーズミルを用いてインキ化と当時に顔料化を行う方法が知られている。しかしながら、印刷インキ用ワニス中での顔料化は、微細化効率が低いため、超微細なビーズを用いた分散ミルなどを必要とし、エネルギー効率、品質等の点で問題が多い。
特許文献1には、粗製銅フタロシアニンを乾式で粉砕する際に、ロジン変性フェノール樹脂を粗製銅フタロシアニンに対して20〜80重量%加えて80〜170℃で行った後、得られた乾式粉砕物をインキ化する方法が記載されている。
また、特許文献2には、顔料の形態を経ることなくプレ顔料を使用して直接インキを製造する方法において、プレ顔料として、少なくとも粗製銅フタロシアニンと粗製銅フタロシアニンに対してそれぞれ1〜100重量%の体質顔料と1〜100重量%の印刷インキ用樹脂とから調整された組成物を使用することを特徴とする印刷インキの製造方法が記載されている。
これらの方法は、印刷インキ中の顔料粒子のアスペクト比は小さくなり、色相は黄味、流動性も比較的良好となり、また、乾式粉砕の際に使用される樹脂の酸化を防止できる点は効果的であるが、印刷インキが使用される様々な条件を考慮した印刷インキ適性全般での性能は必ずしも十分とは言えない。例えば、これらの方法では、印刷インキ中に成長不十分で不安定な微細粒子が残存しやすく、十分に成長した粒子はアスペクト比が通常の顔料と比較して大きくなるため、印刷インキの流動性や貯蔵安定性に悪影響を及ぼすため、好ましい品質とは言えない。さらに、色相、着色力および様々な印刷インキ適性に影響を及ぼす銅フタロシアニンの物性が特性値として明らかになっていない。
特許文献3には、顔料の形態を経ることなくプレ顔料を使用して直接印刷インキを製造する方法において、プレ顔料として、粗製銅フタロシアニンを水溶性無機塩とともに、あるいは、水溶性無機塩と体質顔料および、または印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕し、次に水溶性無機塩を除去して調整された組成物を使用することを特徴とする印刷インキの製造方法が記載されている。しかしながら、この方法は、実質的には顔料の製法自体と工程数等において大差がないため、決して有利な製造方法とは言えない。
特許文献4には、少なくとも銅フタロシアニンおよび樹脂を含む着色組成物において、銅フタロシアニンが純度97%以上の粗製銅フタロシアニンまたはこれを出発原料とするプレ顔料もしくは顔料である着色組成物が記載されている。この方法は、鮮明性や着色力に優れ、健康や環境に影響を及ぼさない着色組成物を提供するが、前述の微細粒子の残存等の課題は解決されておらず、また、流動性や貯蔵安定性等の印刷インキ適性に影響を及ぼす銅フタロシアニンの特性値が不明確である課題は解決されていない。
特開平2−294365号公報
特開平9−272833号公報
特開2003−41173公報
特開2003−49102号公報
本発明の目的は、粗製銅フタロシアニンの顔料化工程と顔料の印刷インキ製造工程に係わる多大な時間と労力を低減し、高品位の銅フタロシアニン顔料の印刷インキを得る銅フタロシアニン組成物およびその用途を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、様々な印刷適性に優れる通常の銅フタロシアニン顔料による印刷インキと、上述のような課題を有する従来の乾式粉砕から得られる銅フタロシアニン顔料組成物による印刷インキの相違点は、乾式粉砕物の結晶性/方位性の違いによること、そして流動性に優れた印刷インキの調製により適するのは、この様な特定の結晶性/方位性を有する銅フタロシアニン顔料組成物であることを見出した。
ソルベントソルトミリング法等の顔料化方法により製造される通常の銅フタロシアニン顔料は、結晶性が良好で結晶は等方性であり、インキ化してもこの粒子形状が維持される。
一方、乾式粉砕により得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物は、一般に、β型結晶が著しく破砕され、一部は結晶性が維持されず非晶質となり、また、生成するα型結晶は非常に微細で含有率が過剰となるため、粒子の状態は不均一で形は等方性でなく、これらをインキ化した際に、粒子は針状に成長しやすく、さらに、不安定は微細粒子が残存してしまうために,流動性を含め様々な印刷インキ適性が不十分となる。
この乾式粉砕物の粒子を区別し、上述の課題を解決する方法として、粗製銅フタロシアニンを乾式粉砕して得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物において、X線回折により、最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上である銅フタロシアニン顔料組成物からは、選択的に、流動性や貯蔵安定性に優れた銅フタロシアニン顔料の印刷インキが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕して得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物において、X線回折により、回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上であることを特徴とする銅フタロシアニン顔料組成物を提供する。
また、本発明は、粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕して得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物において、X線回折により、回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上である銅フタロシアニン顔料組成物と、印刷インキ用ワニスおよび溶剤とを混合分散した印刷インキを提供する。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、印刷インキ用樹脂と銅フタロシアニンとを含有する乾式粉砕物であって特定のX線回折特性を満たしているので、印刷インキを調製するのに用いると流動性や貯蔵安定性に優れた印刷インキが得られるという格別顕著な効果を奏する。
本発明の印刷インキは、上記した銅フタロシアニン顔料組成物を用いているのでインキ流動性や貯蔵安定性に優れるという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕して得られる、α型結晶とβ型結晶からなる銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂とを含む乾式粉砕物である。粗製銅フタロシアニンの粗大なβ型結晶は、乾式粉砕より微細化されるとともに一部がα型結晶に転移し、さらに過剰に微細化された粒子は、非常に強固な凝集体を形成するか、または、結晶型を維持できず非晶質となり得る。このように過剰に粉砕された不安定な微細粒子や非晶質は、β型結晶への転移や分散が困難であることに加え、インキ適性の低下を招く原因となる。そのため、本発明で規定する様な特定のX線回折特性となる様にする。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、X線回折分析を行った際、回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上であることを最大の特徴とする。
この様な銅フタロシアニン顔料組成物かどうかは、まずX線回折装置を用いて、銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂とを含有する未知の銅フタロシアニン顔料組成物のX線回折図を得て、そこに記載されている上記回折角度範囲内の回折ピーク群の各強度から、下記のように定義する積分強度の総和AおよびAをそれぞれ算出し、これらの比を求め、そしてこれらの比から、銅フタロシアニン顔料組成物の結晶性Aを求めることで確認することが出来る。
Figure 2011225771
(但し、上記式中、A:最大値が回折角2θ=4°から11°にある回折ピークの積分強度の総和、A:最大値が回折角2θ=14°から19°にある回折ピークの積分強度の総和である。)
本発明における結晶性Aの測定には、X線回折装置:Rigaku社製MiniFlexを使用した。得られたX線回折図について、バックグラウンド補正とスムージングを行った後、積分強度計算プログラムにより、AおよびAをそれぞれ求め、A=A/A により結晶性Aを求める。
本発明で定義する結晶性において、A値が大きいとは、その回折ピークが観測される回折角:2θに対応する格子面間隔方向の結晶性が良好であることを意味する。回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上であれば良いが、乾式粉砕による微細化が十分に行われていることである点で、なかでも0.30〜0.40であることが好ましい。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、乾式粉砕された、粗製ではない銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂のみを実質的に含有するものである。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物には銅フタロシアニンが含まれる。この銅フタロシアニンのα型結晶とβ型結晶との割合は、特に制限されるものではないが、通常、α型結晶/β型結晶=20/80〜70/30、α型結晶の含有率が少なすぎると、結果として乾式粉砕が不十分となり、印刷インキ用ワニス中に分散しても、分散粒子径は大きく着色力は不十分である、また、α型結晶の含有率が多すぎると、β型結晶への結晶転移及び印刷インキ用ワニスへの分散工程に多大なる時間を要することになり、印刷インキの生産性が著しく低下する点で、好ましくは30/70〜60/40の範囲である。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物に含まれる印刷インキ用樹脂としては、例えば、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂などの印刷インキに使用される樹脂が挙げられ、これらであれば、任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用出来るが、好ましくはロジン変性フェノール樹脂である。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物に含まれる印刷インキ用樹脂の量は、特に制限されるものではないが、質量基準で、粗製銅フタロシアニンに対して10%を超えて20%未満であることが好ましい。樹脂の添加量が粗製銅フタロシアニンに対して10%より少ないと、印刷インキ用溶剤、印刷インキ用ワニス等と混合した場合に、粉砕物の分散性、インキとしての練肉性が劣ったものとなりやすいので好ましくない。一方、樹脂の添加量が20%以上であると最終的なインキを調整する上で必要となる添加剤の使用量が制限されるため、インキ設計の自由度が低くなるため、やはり好ましくない。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、粗製銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂とを乾式粉砕することで得ることが出来る。
液媒体の不存在下での粉砕によれば、粗製銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂のみを含有する、最適な本発明の銅フタロシアニン顔料組成物を得ることが出来る。本発明で言う、乾式粉砕は、ソルベントソルトミリングとは区別され、本発明における乾式粉砕にソルベントソルトミリングは包含されない。粗製銅フタロシアニンを水溶性無機塩とともに、あるいは、水溶性無機塩と体質顔料および、または印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕し、次に水溶性無機塩を除去して調整された組成物を使用すること印刷インキの製造方法では、ソルベントソルトミリング自体に、水溶性無機塩を除去する工程において大量の水の使用と排水の処理が必要であり、銅フタロシアニンの水性スラリー、水性プレスケーキを経由するため、乾燥・粉砕工程を必要とし、その操作は実質的には従来の顔料の製法と大差がないため、顔料の形態を経ることなくプレ顔料を使用して直接印刷インキを製造する方法としては、工業的に、決して有利とは言えない。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物の原料となる粗製銅フタロシアニンは、公知慣用のものがいずれも選択でき、特に限定されるものではないが、例えば、ワイラー法やニトリル法で製造したものを挙げることが出来る。
この原料となる粗製銅フタロシアニンとしては、純度97%以上である粗製銅フタロシアニンが好ましい。粗製銅フタロシアニンには、未反応原料の他に、その生成過程で副生するフタルイミド誘導体を主体とした有機不純物と、塩化第一銅などの原料由来の無機不純物などが含まれていることが多い。これらの不純物は、高速液体クロマトグラフ法やイオンクロマトグラフ法で同定、定量することが出来る。純度97%以上である粗製銅フタロシアニンを用いることで、得ようとする銅フタロシアニン顔料組成物の安定的な結晶制御が可能となり、生産条件の設定においてより大きな自由度の確保が出来たり、得られた銅フタロシアニン顔料組成物の流動性や着色特性をより向上させることが出来る。
この様な高純度の粗製銅フタロシアニンを得るには、例えば、ワイラー法を加圧下で行う方法、ニトリル法で合成した銅フタロシアニンを、脱溶剤後、水中に分散させて酸またはアルカリ存在下に加熱処理し、ろ過分離後に水洗または湯洗して精製する方法、反応条件に拘わらずに合成した銅フタロシアニンを、公知慣用の精製方法、例えば、脱溶剤後に有機溶剤に分散させ、必要により酸またはアルカリ存在下に加熱処理し繰り返し精製する方法、あるいは、脱溶剤後、硫酸等の強酸中に溶解させるか半溶解させ、水などの貧溶媒中に析出させ再結晶させる方法などによって製造することができる。工業的には、ワイラー法を加圧下で行い、合成した銅フタロシアニンを上記した様にして洗浄する方法が有利である。加圧下で合成した銅フタロシアニンは、常圧下で合成した銅フタロシアニンと比較して、銅フタロシアニン結晶内部への不純物の残存量が少なく、通常の洗浄方法によっても、容易により高純度化が可能である。
この様に本発明では、粗製銅フタロシアニンを乾式粉砕するに当たり、上記した様な印刷インキ用樹脂を上記した様な量、添加する。このことにより、乾式粉砕により生じる凝集を緩和することができる。粗製銅フタロシアニンを乾式粉砕する際に添加する印刷インキ用樹脂は、上記した様なものであれば良いが、JIS顔料試験方法(K5101−12−1)に記載の静置法により測定される見掛け比容が1.4〜1.8ml/gである印刷インキ用樹脂を用いることが好ましい。
乾式粉砕に当たり粗製銅フタロシアニンに添加する印刷インキ用樹脂の量は、質量基準で、粗製銅フタロシアニンに対して10%を超えて20%未満であることが好ましい。樹脂の添加量がこの範囲であると、上記した様な、得られた銅フタロシアニン顔料組成物自体のメリットの他に、乾式粉砕装置内部での樹脂の付着、固着が生じる危険性を小さく出来、これを防ぐために装置内部を高温にすることも出来る。また、粉砕温度を高くできれば、樹脂添加量が多めでも最終的にインキとした際にβ型結晶粒子のアスペクト比が小さいものを得ることも可能となる。
また、樹脂添加量が多めにて粉砕時の温度を低温で維持した場合に見られる、粉砕物中のα型結晶の割合が増大し、β型結晶へ転移しにくくなるという現象が緩和され、得られたインキ中の顔料粒子のアスペクト比がより小さく出来、色相は赤味とならず、流動性も良好となるので、好ましい品質が得られやすくなる。
逆に、樹脂添加量が多めにての乾式粉砕では、得られた粉砕物を印刷インキ用ワニス中で分散する工程でより多くのエネルギーを必要とするし、印刷インキ中の顔料粒子のアスペクト比を小さく抑えることも難しい。
乾式粉砕の際の印刷インキ用樹脂の添加の方法は、特に限定されるものではないが、例えば乾式粉砕の前に粗製銅フタロシアニンに配合してから乾式粉砕しても、乾式粉砕の作業中に添加してもよい。
この乾式粉砕の際の温度は、用いる印刷インキ用樹脂の軟化点や結晶性の水準をどうするかにもよるため、特に制限されるものではないが、例えば、60〜170℃であることが好ましい。乾式粉砕の際の温度を、使用する樹脂の軟化点以上の温度まで高くしてしまうと、装置内部で樹脂の付着、固着が起きる危険性があるので好ましくない。乾式粉砕の際の温度を選択するために、必要に応じて乾式粉砕に使用する装置を冷却または加熱することができる。
本発明において乾式粉砕とは、実質的に乾燥した状態での粉砕を意味し、質量基準で、粗製銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂の合計100部当たり、0〜5部までの液媒体の存在下での粉砕、なかでも液媒体の不存在下での粉砕であることが好ましい。
この乾式粉砕は、例えば、ビーズ等の粉砕メディアを内蔵した粉砕機を使用して、実質的に液媒体を介在させないで行われる。粉砕は、例えば、粉砕メディア同士の衝突による破砕力や剪断力を利用して行われる。乾式粉砕装置としては、乾式のアトライター、ボールミル、振動ミルなどの公知の粉砕装置を使用して行うことができる。使用するビーズの材質および径,回転数(周速)等の粉砕強度、粉砕時間は、その装置の性能によって、または希望する粉砕粒径に応じて任意に選択することができる。
また、この乾式粉砕は、印刷インキ用樹脂の酸化による劣化防止や安全性から、不活性ガス存在下或いは酸素濃度10%以下という様な脱酸素雰囲気下で行うこともできる。脱酸素雰囲気は、乾式粉砕装置内部を窒素等の不活性ガスにより置換する、または、乾式粉砕装置内部を空気遮断の後、減圧し酸素濃度を低減する等の方法から任意に選択することができる。
乾式粉砕の条件は、例えば、乾式粉砕の対象となる原料種やそれらの使用量が同一で、同一の回転式の乾式粉砕装置、同一の粉砕メディア及びその使用量である場合には、例えば、回転周速、粉砕時間、粉砕温度の三要素で規定することが出来る。
予め一定条件のもとで、上記した本発明の定義の結晶性A=0.30を満足するまで時間をかけて乾式粉砕を行うという予備実験を行い、乾式粉砕の原料仕込みから、複数の任意の各粉砕時間にて乾式粉砕物のサンプリングを行いその結晶性Aを求め、粉砕時間と上記結晶性Aとの関係をプロットしたグラフを準備しておけば、次回からは粉砕時間のみから結晶性Aを推定することが出来る。こうして、結晶性A=0.30を満足するまでの最低時間から、乾式粉砕の終点を容易に求めることが出来る。結晶性Aはある程度高まると、粉砕時間を延ばしても結晶性Aの数値は大幅には大きくならない(飽和してくる)ため、前記した様な終点になった途端に乾式粉砕を直ちに中止せずに、一定時間エージングを行っても良い。
こうして得られた、粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕して得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物において、X線回折により、回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上である銅フタロシアニン顔料組成物と、印刷インキ用ワニスおよび溶剤とを混合分散することで印刷インキとすることが出来る。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、中でも平版印刷インキの調製用として好適に用いることが出来る。
印刷インキ用ワニスとは、印刷インキ用樹脂と溶剤との混合物であり、この印刷インキ用樹脂としては、例えば、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂など印刷インキに適した樹脂、大豆油、桐油、アマニ油などの印刷インキに適した乾性油や重合乾性油などを用いることが出来る。これらは、任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。
また溶剤としては、有機溶剤が典型的なものであり、例えば、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、高級アルコール系溶剤など、印刷インキに適した溶剤であれば芳香族成分を含まない溶剤であっても、単独あるいは2種類以上を組み合わせて任意に使用できる。
α型からβ型への結晶転移は、熱や有機溶剤雰囲気により進行し、特に、芳香族有機溶剤の存在下では顕著であるが、作業環境の悪化がより少ない有機溶剤の使用が求められており、本発明における好適な平版印刷インキの製造方法においては、より少ない溶剤量で、脱芳香族有機溶剤、例えば各種AFソルベント中での、β型結晶への充分な転移が可能となった。
この様な好適な溶剤としては、実質的にナフテン系、パラフィン系成分等の炭化水素からなり、質量基準で、芳香族成分が1%以下、好ましくは0.5%以下であるものが印刷インキ用溶剤として好ましく使用出来る。これらの溶剤は、例えば、日本石油(株)製のAFソルベント4号(芳香族成分含有量0.1%)、AFソルベント5号(同0.2%)、AFソルベント6号(同0.2%)、AFソルベント7号(同0.3%)等として入手可能である。
印刷インキは、上記した本発明の銅フタロシアニン顔料組成物と、印刷インキ用ワニスおよび溶剤と混合し分散することで調製することが出来る。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、α型/β型結晶の混合結晶を含有するものであり、混合結晶に比べて高い着色力を有した、α型結晶を含まずにβ型結晶のみを銅フタロシアニン顔料として含有する印刷インキを得ることが好ましい。そのためには、銅フタロシアニン顔料組成物と印刷インキ用ワニスおよび溶剤との混合分散を、常温ではなく加熱下で行うことが好ましい。混合分散の条件は、特に制限されるものではないが、結晶粒子型の安定的変換と得るべき顔料粒子を形状均一性の高いものと出来る点で、常圧において温度70〜170℃という加熱下30〜360分、中でも同80〜120℃で30〜120分にわたり撹拌を行うことが、生産性の点でもより好ましい。この加熱によりα型結晶をβ型結晶に転移させる。
上記した本発明の銅フタロシアニン顔料組成物は、上記した通り、X線回折による結晶性が0.30以上の範囲にあるため、印刷インキ用ワニスおよび溶剤による湿潤、β型結晶への転移がより容易になり、それを印刷インキの調製に用いた場合には、さらに貯蔵安定性が良好となる。
質量基準で、本発明の銅フタロシアニン顔料組成物の固形分100部当たり、印刷インキ用ワニスおよび溶剤をそれぞれ150〜400部及び70〜140部を用いて混合分散することで印刷インキを調製することが出来る。この様な印刷インキは、予め濃厚なベースインキを調製した上で、それを印刷インキ用ワニスおよび/又は溶剤で希釈する様にして調製することも出来る。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物から、上記の様にして印刷インキを調製するには、強力な攪拌は必要とせず、穏やかな攪拌で十分である。必要であれば、追加的に、3本ロール、ビーズミル等の分散機で練肉することで、より充分な銅フタロシアニン顔料ベースインキが得られる。
必要であれば、印刷インキの調製の任意の段階において、印刷インキ用の添加剤として、目的の品質に合わせて、顔料誘導体、ロジン系化合物、分散剤等を任意に単独または2種類以上を組み合わせて含めることが出来る。
更に、必要ならば、印刷装置への適合性を高めるため、固形分の調整の溶剤や離型剤、金属石鹸(ドライヤー)等を含めることで、最終インキを容易に得ることが出来る。
本発明の銅フタロシアニン顔料組成物を用いて得た印刷インキを、粗製銅フタロシアニンと印刷インキ用樹脂とを乾式粉砕して得た、従来の銅フタロシアニン顔料組成物を用いて得た印刷インキと比較したところ、貯蔵安定性が顕著に優れていることが判明した。
また、従来から行われているソルベントソルトミリング法による銅フタロシアニンの乾燥顔料をインキ化したものと比較しても、流動性、貯蔵安定性等の印刷インキ適性において、同等の品質を有し、高着色力を有していることが確認された。
特に、本発明によるインキ中の顔料一次粒子のアスペクト比は、ソルベントソルトミリング法による顔料一次粒子と同様に1〜2の範囲にあり、その着色力に優れた性能と製造工程の大幅な短縮は、銅フタロシアニン顔料インキの製造において画期的な方法である。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。
尚、部及び%はいずれも質量基準である。また、実施例中で標準インキとして使用しているのは、粗製銅フタロシアニンをソルベントソルトミリング法により顔料化したβ型銅フタロシアニン顔料による印刷インキであり、その顔料のアスペクト比は約1.2である。また、一次粒子のアスペクト比の測定には透過型電子顕微鏡を使用した。
3/8インチスチールビーズ 13500部を内蔵した5L乾式アトライターに、純度97%以上の粗製銅フタロシアニン500部とロジン変性フェノール樹脂(軟化点170℃、見掛け比容:1.68ml/g)95部を仕込み、回転周速45m/分、120℃で120分間乾式粉砕を行って、銅フタロシアニン顔料組成物を得た。上記に従い、得られた銅フタロシアニン顔料組成物のX線回折図を得た(図1〜2参照。)。
これは、α型結晶/β型結晶=44/56であり、その結晶性は0.32であった。
この銅フタロシアニン顔料組成物55部を、印刷インキ用ワニス(DIC株式会社製、樹脂主成分:ロジン変性フェノール樹脂、固形分:45%)75部、AF−7ソルベント(日本石油(株)製)20部に加え、100℃で1時間穏やかに攪拌した後、70℃の3本ロールで3回練肉しベースインキとしたところ、インキ中に分散した顔料粒子は5μ以下となった。次に、得られたベースインキ60部に上記印刷インキ用ワニス25部、AF−7ソルベント15部を添加して最終インキに調整した。この最終インキに含まれた銅フタロシアニン顔料はβ型のみからなっていた。
こうして得られた最終インキについて、着色力、流動性及び貯蔵安定性を測定した。
それぞれの測定方法は、以下の通りである。
着色力:
最終インキ0.100部と白インキ(DIC株式会社製ニューチャンピオンF−Gloss白79)2.000部を、フーバーマーラー(50lbs、50回転×3回)により混合して淡色インキを得た。得られた淡色インキを,金属ヘラにより紙面に展色し、得られた色見本のシアン濃度値をグレタグ濃度測色計により測色し、シアン濃度が大きいほど、着色力は良好と判定した。
流動性:
最終インキ1.00部を良く攪拌した後、傾斜角:75度のガラス板の上端に乗せた。その時点の時間を0分とし、60分後までの経過時間毎のインキの流動長さを測定し、インキの流動長さが長いほど、流動性は良好と判定した。
貯蔵安定性:
最終インキ1部をシリンジに仕込み、室温で3時間静置後、傾斜角:75度のガラス板の上端に乗せた。その時点の時間を0分とし、60分後までの経過時間毎のインキの流動長さを測定し、インキの流動長さが長いほど、貯蔵安定性は良好と判定した。
得られた最終インキと、顔料分を同等に調整した標準インキと比較したところ、本実施例のインキは着色力が高く、流動性・貯蔵安定性は同等の品質を有していた。尚、本実施例のインキ中顔料のアスペクト比は1.3であった。
回転周速45m/分、80℃で60分間乾式粉砕を行った以外は実施例1と同様の操作を行い、α型結晶/β型結晶=43/57であり、結晶性0.31の銅フタロシアニン顔料組成物を得た。結晶性は上記と同様にして測定した。
この銅フタロシアニン顔料組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、最終インキまで調整した。
こうして得られた最終インキについて、着色力、流動性及び貯蔵安定性を測定した。得られた最終インキと、顔料分を同等に調整した標準インキと比較したところ、本実施例のインキは着色力が高く、流動性・貯蔵安定性は同等の品質を有していた。尚、本実施例のインキ中顔料のアスペクト比は1.3であった。この最終インキに含まれた銅フタロシアニン顔料はβ型のみからなっていた。
回転周速45m/分、80℃で80分間乾式粉砕を行った以外は実施例1と同様の操作を行い、α型結晶/β型結晶=48/52であり、結晶性0.32の銅フタロシアニン顔料組成物を得た。結晶性は上記と同様にして測定した。
この銅フタロシアニン顔料組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、最終インキまで調整した。
こうして得られた最終インキについて、着色力、流動性及び貯蔵安定性を測定した。得られた最終インキと、顔料分を同等に調整した標準インキと比較したところ、本実施例のインキは着色力が高く、流動性・貯蔵安定性は同等の品質を有していた。尚、本実施例のインキ中顔料のアスペクト比は1.5であった。この最終インキに含まれた銅フタロシアニン顔料はβ型のみからなっていた。
回転周速60m/分、90℃で60分間乾式粉砕を行った以外は実施例1と同様の操作を行い、α型結晶/β型結晶=48/52であり、結晶性0.31の銅フタロシアニン顔料組成物を得た。結晶性は上記と同様にして測定した。
この銅フタロシアニン顔料組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、最終インキまで調整した。
こうして得られた最終インキについて、着色力、流動性及び貯蔵安定性を測定した。得られた最終インキと、顔料分を同等に調整した標準インキと比較したところ、本実施例のインキは着色力が高く、流動性・貯蔵安定性は同等の品質を有していた。尚、本実施例のインキ中顔料のアスペクト比は1.5であった。この最終インキに含まれた銅フタロシアニン顔料はβ型のみからなっていた。
比較例1
ロジン変性フェノール樹脂(軟化点170℃、見掛け比容:1.68ml/g)に代えて同量のロジン変性フェノール樹脂(軟化点170℃、フレーク状)を用い、回転周速135m/分、80℃で60分間乾式粉砕を行う以外は実施例1と同様の操作を行い、α型結晶/β型結晶=72/28であり、結晶性0.28の銅フタロシアニン顔料組成物を得た。結晶性は上記と同様にして測定した。
この銅フタロシアニン顔料組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、最終インキまで調整した。
こうして得られた最終インキについて、着色力、流動性及び貯蔵安定性を測定した。得られた最終インキと、顔料分を同等に調整した標準インキと比較したところ、本比較例のインキは着色力が同等であったが、流動性・貯蔵安定性は著しく劣る品質を有していた。尚、本比較例のインキ中顔料のアスペクト比は2.6であった。
比較例2
ロジン変性フェノール樹脂(軟化点170℃、見掛け比容:1.68ml/g)に代えて同量のロジン変性フェノール樹脂(軟化点170℃、フレーク状)を用い、回転周速45m/分、90℃で120分間乾式粉砕を行う以外は実施例1と同様の操作を行い、α型結晶/β型結晶=57/43であり、結晶性0.29の銅フタロシアニン顔料組成物を得た。結晶性は上記と同様にして測定した。
この銅フタロシアニン顔料組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、最終インキまで調整した。
こうして得られた最終インキについて、着色力、流動性及び貯蔵安定性を測定した。得られた最終インキと、顔料分を同等に調整した標準インキと比較したところ、本比較例のインキは着色力が同等であったが、流動性・貯蔵安定性は著しく劣る品質を有していた。尚、本比較例のインキ中顔料のアスペクト比は2.8であった。
上記実施例1〜4及び比較例1〜2の結果を下表(表1)にまとめた。着色力、流動性、貯蔵安定性は、1(悪)〜5(良)の5段階で評価した結果である。
Figure 2011225771
上表からわかる通り、本発明の特定の結晶性を満足する銅フタロシアニン顔料組成物を用いて得た平版印刷インキは、従来の銅フタロシアニン顔料組成物を用いて得た平版印刷インキに比べて、インキ流動性及び貯蔵安定性に著しく優れていることが明白である。
本発明では、特定のX線回折特性で規定される結晶性を満足する樹脂と銅フタロシアニンを含有する乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物なので、樹脂と銅フタロシアニンを含有する乾式粉砕物からなる従来の銅フタロシアニン顔料組成物を用いた場合に比べて、選択的に流動性といった印刷インキ適性に優れる、特に平版印刷インキの調製においては、貯蔵安定性に著しく優れた印刷インキが得られる。
実施例1の銅フタロシアニン顔料組成物について測定したX線回折図である。 各積分強度A〜Aを求める際の対象角度範囲を点線包囲するよう付記した、実施例1の銅フタロシアニン顔料組成物について測定したX線回折図である。

Claims (4)

  1. 粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂とともに乾式粉砕して得られる乾式粉砕物からなる銅フタロシアニン顔料組成物において、X線回折により、回折強度の最大値が回折角2θ=14°から19°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和の、回折強度の最大値が回折角2θ=4°から11°にあるそれぞれの回折ピークの積分強度の総和に対する比が0.30以上であることを特徴とする銅フタロシアニン顔料組成物。
  2. 印刷インキ用樹脂が、見掛け比容:1.4〜1.8ml/gの印刷インキ用樹脂である請求項1に記載の銅フタロシアニン顔料組成物。
  3. 印刷インキ用樹脂の添加量が、粗製銅フタロシアニンに対して10質量%を超えて20質量%未満である請求項1または2記載の銅フタロシアニン顔料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅フタロシアニン顔料組成物と、印刷インキ用ワニスおよび溶剤とを混合分散した印刷インキ。
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