JP4699122B2 - スクリーン印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント基板等の被印刷物にクリーム半田等のペーストを塗布するスクリーン印刷装置に関するものである。
従来から、ステージ上にセットした基板にマスクシートを重装し、マスクシート上に供給したクリーム半田、導電ペースト等のペーストをスキージで押圧することにより、マスクシートに形成された開口部を介して基板上の所定位置にペーストを塗布(印刷)するようにしたスクリーン印刷装置が一般に知られている。
この種の印刷装置としては、従来、傾き方向の異なる一対のスキージを昇降可能に備えたヘッドをもち、このヘッドをマスクシートに沿って往復移動させながら上記一対のスキージを交互に使ってペーストを移動させるものが主流であったが、この装置では、各スキージを別個に昇降させるために往動時と復動時の印刷荷重を均一に保つのが難しく、またマスクシートに対するスキージの接触角度の自由度が少ない等の課題があった。
そこで、近年では、例えば特許文献1に開示されるように、スキージを回動可能に設け、往動時と復動時とに応じて進行方向に前傾した状態となるようにスキージの傾斜状態をモータの駆動により変更できるようにしたスクリーン印刷装置が提案されている。
特開平10−323964号公報
スキージの傾斜状態を切替え可能なスクリーン印刷装置では、モータの駆動力を、動力伝達機構を介してスキージに伝え、これによりスキージの傾斜状態の切替えを行うが、動力伝達機構は、印刷作業中、頻繁に作動するため例えば動力伝達機構部分で発塵が生じこれがスキージに付着し、あるいはペースト中に混入する等して印刷不良を招く原因になることが考えられる。このような発塵への対策は、特許文献1のスクリーン印刷装置では何ら成されておらず、この点に改善の余地が残されている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、往動時と復動時とでスキージの傾斜状態を変更し得るように構成されるスクリーン印刷装置において、スキージに対する動力伝達機構部分での発塵に起因する印刷不良の発生を未然に防止することができるスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、スキージを支持し、このスキージを基板に重ねられたマスクシートに沿って相対的に所定の第1軸方向に往復移動させるヘッドを備え、前記スキージが往動時および復動時にそれぞれ進行方向に前傾した状態となるように前記ヘッドに対してスキージが回動可能に支持されるスクリーン印刷装置において、前記ヘッドは、フレーム部材と、前記第1軸方向と交差する第2軸方向の軸回りに回転可能となるように前記フレーム部材に支持されかつ前記スキージが組付けられるスキージ組付部材と、前記スキージを駆動するための駆動源としてのモータと、複数のギアを備えかつ前記モータの回転駆動力を前記スキージ組付部に伝するギア機構と、このギア伝動機構の前記複数のギアを密閉状態で収容するギアボックスと、このギアボックス内に充填される潤滑油とを有し、前記ギアボックスは、前記フレーム部材に固定されかつ前記第2軸方向における一方側が開口するボックス本体と、このボックス本体に着脱可能に組付けられて前記開口を開閉する蓋部材とを含み、前記ギア伝動機構の複数のギアは、前記第2軸方向と平行な軸回りに回転可能に、かつ、ボックス本体の内側面のうち前記開口の側とは反対側の側面に片持ち状態で支持され、前記モータは、前記第2軸方向における前記ギアボックスの側方であって前記ギアが支持される側に配置され、前記スキージ組付部材は、前記第2軸方向における前記ギアボックスの側方であって前記ギアが支持される側の位置で前記フレーム部材に回転可能に支持されているものである。
この構成によると、モータの回転駆動力をスキージに対して伝達するためのギア機構がギアボックス内に密閉状態で収容されているため、当該ギア機構からの発塵が抑えられる。従って、スキージを回動させるための動力伝達機構部分で発生した塵等が飛散してスキージに付着し、あるいはペーストに混入するといったトラブルを有効に防止することが可能となる。しかも、ギアボックスの蓋部材をボックス本体から取り外すことによってギアボックス内を容易に開放することができるため、ギア伝動機構の発塵を抑えながらもメンテナンス性が良好に確保される。
本発明のスクリーン印刷装置によると、スキージに対する動力伝達機構部分で生じた塵等の外部飛散を防止し、あるいは動力伝達機構部分での発塵そのものを有効に防止することができる。従って、往動時と復動時とに応じて進行方向に前傾した状態となるようにスキージの傾斜状態を変更するようにする一方で、スキージに対する動力伝達機構部分での発塵に起因する印刷不良の発生を未然に防止することができるようになる。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明に係るスクリーン印刷装置を概略的に示しており、図1は側面図で、図2は正面図でそれぞれスクリーン印刷装置を示している。
これらの図に示すように、スクリーン印刷装置の基台1上には、搬入用コンベア2aと搬出用コンベア2bとが後記印刷ステージ3を挟んで配設されており、プリント基板Wが搬入用コンベア2aにより印刷ステージ3に搬入され、ここで印刷処理が施された後、搬出用コンベア2bにより搬出されるように構成されている。
なお、以下の説明では、これらコンベア2a,2bによる基板Wの搬送方向をY軸方向、これと水平面上で直交する方向をX軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めるものとする。
印刷ステージ3には4軸ユニット10が配設されている。
この4軸ユニット10は、基板Wを支持して後記マスクシート4に対してその下側から位置決めするもので、搬入用コンベア2aにより搬入された基板Wを水平に、かつX軸、Y軸、Z軸およびR軸(Z軸回りの回転)に変位可能に支持する。
すなわち、この4軸ユニット10は、前記基台1上に固定される固定テーブル11と、この固定テーブル11に対して相対的にX軸方向に移動可能に支持されてサーボモータにより駆動されるX軸テーブル12と、このX軸テーブル12に対して相対的にY軸方向に移動可能に設けられてサーボモータにより駆動されるY軸テーブル13と、このY軸テーブル13に対して相対的に回転可能に設けられてサーボモータにより駆動されるR軸テーブル14と、このR軸テーブル14に対して昇降可能に設けられてサーボモータにより駆動される昇降テーブル15とを階層的に備えている。そしてこの昇降テーブル15に設けられた支持ユニット16により基板Wを支持することにより、各テーブル12,13,14,15の駆動に応じて基板WをX軸、Y軸、Z軸およびR軸(Z軸回りの回転)方向の任意の位置に移動し得るようになっている。
支持ユニット16は、Z軸方向に出没可能な複数の支持ピンを備え、昇降テーブル15に対して昇降可能に取り付けられ、基板Wを直接支持する基板支持機構17と、昇降テーブル15に取り付けられ、基板WをX軸方向両側からクランプするクランプ機構18とから構成されている。クランプ機構18は、昇降テーブル15に連結固定される固定部18aと、固定部18aに対してX軸方向に可動とされる可動部18bとで構成され、固定部18aと可動部18bとの上端部には、対となって基板Wを搬入搬出するコンベアベルトがそれぞれ取り付けられている。可動部18bは基板WのX軸方向サイズに対応して位置調整される。搬入用コンベア2aからクランプ機構18のコンベアベルト上に基板Wが搬入されると、基板支持機構17の各支持ピンが突出して基板Wをその下側(裏面側)から支持するとともにクランプ機構18により基板WをX軸方向両側からクランプし、これにより基板Wを支持ユニット16に対して位置決め状態で固定するようになっている。
印刷ステージ3の上方にはマスクシート4が張設されており、このマスクシート4の上方に、該シート4上に供給されるクリーム半田、導電ペースト等のペーストを移動(ローリング)させるスキージ41を備えた印刷用ヘッド6が配設されている。
ヘッド6はX軸方向及びZ軸方向に移動可能に支持されておりサーボモータにより駆動されるようになっている。すなわち、マスクシート4の上方にはX軸方向に延びる一対の固定レール7が設けられ、これら固定レール7に対してヘッド支持部材5が横架されるとともに、サーボモータにより駆動されるボールネジ(図示省略)に対してこの支持部材5が連結されている。また、ヘッド6が支持部材5に設けられたZ軸方向の固定レール22に装着されるとともにサーボモータ23に回転駆動されるボールネジ24に連結されている。これにより、サーボモータの駆動によりヘッド6が支持部材5と一体的にX軸方向に移動するとともに、支持部材5に対してヘッド6がZ軸方向に移動するようになっている。
図3〜図6はヘッド6の具体的な構成を示しており、図3は斜視図、図4は正面図、図5は側面図、図6は断面図でそれぞれヘッド6を示している。
これらの図に示すように、ヘッド6はメインフレーム20を有し、このフレーム20を介して前記ヘッド支持部材5に支持されている。このフレーム20には、断面逆L字型のアーム部材25が接続されており、さらにロードセル等の圧力センサ26を介装した支持部28がこのアーム部材25に垂設され、サブフレーム30がこの支持部28に対してヘッド6の往復移動方向と平行な軸回り(X軸と平行な軸回り)に回動(揺動)自在に支持されている。具体的には、図6に示すように、X軸方向に延びる第1支持軸29がベアリング28aを介して支持部28に回転可能に支持され、この第1支持軸29にサブフレーム30が固定されることにより、当該サブフレーム30がこの第1支持軸29回りに揺動自在に支持されている。
なお、圧力センサ26には不図示のばね部材が上下直列に設けられており、印刷開始時には、上記の通りヘッド6を下降させてスキージ41を接触ポイントに接触させ、さらに前記ばね部材の弾性力に抗してヘッド6を下降させつつ、圧力センサ26による出力値が所定値(押付荷重)となる高さ位置でヘッド6を停止させるように図外の制御装置によりサーボモータ23が駆動制御される。これによりスキージ41が所定の設定荷重でマスクシート4に圧接するようになっている。
サブフレーム30には、後記スキージユニット40を着脱可能に組付けるユニット組付部材32(本発明におけるスキージ組付部)がX軸と交差する軸、当実施形態ではX軸と直交する第2支持軸34を介して回転可能に支持されるとともに、このユニット組付部材32を駆動する駆動機構が組付けられている。
ユニット組付部材32はY軸方向に細長い長方形の板状の部材であり、スキージ41とこれを保持するスキージホルダ42とで構成されたスキージユニット40がこのユニット組付部材32に着脱自在に組付けられている。
そして、スキージ41の片面がペースト押圧のための作業面41aとされ、この作業面41aとは反対側の面の側方に第2支持軸34が位置する状態で、この第2支持軸34にユニット組付部材32を介してスキージ41が回動可能に支持されている。
具体的に説明すると、ユニット組付部材32の背面側(スキージユニット40側とは反対側)の長手方向途中部分に支持部32aが突設される一方、ユニット組付部材32の背面側に位置してY軸方向に延びる第2支持軸34が、その軸回りに回転可能な状態で前記サブフレーム30に支持され、この第2支持軸34に支持部32aが固着されている。詳細には、図7に示すように、第2支持軸34がその両端をサブフレーム30から突出させた状態で当該フレーム30に対してグリース封入ベアリング61を介して回転自在に支持され、この第2支持軸34の一端(図7では右端)に支持部32aが固着されている。支持部32aは同図に示すように第2支持軸34のフランジ部34aに突き当てられ、かつキー62を介して回り止めされた状態で該支持軸34に外嵌装着されている。そして、支持部32aに係合するワッシャ63が設けられ、その外側からねじ部材64(スクリュウ)が第2支持軸34の端面に螺合挿入されることによりフランジ部34aの一端に支持部32aが一体に固着されている。これによってユニット組付部材32が第2支持軸34を介してサブフレーム30に対して揺動自在に支持されている。なお、図7中、符号65は支持部32aにねじ固定された保護カバーであって前記ねじ部材64(スクリュウ)を覆っている。また、符号34bは、第2支持軸34に形成される治具挿入孔であって、前記ねじ部材64を第2支持軸34に螺合装着する際にはこの孔34bに治具を挿入することにより第2支持軸34を回り止めすようになっている。
ユニット組付部材32を支持する前記第2支持軸34の他端(図7では左端;支持部32aとは反対側の端部)は、サブフレーム30の側部に一体に固定されるギアボックス45の内部となるギア収納部451に挿入されている。そして、ギアボックス45の後記ボックス本体45aの側壁にベアリング66を介して第2支持軸34が回転可能に支持されるとともに、その先端部分(ギアボックス45内に挿入された部分)にギア49が固着されている。ギア49は同図に示すように第2支持軸34の段部34cに突き当てられ、かつキー67を介して回り止めされた状態で該支持軸34に外嵌装着され、軸端部に装着されたサークリップ68により抜け止めされている。なお、第2支持軸34には後述するシール部材50bが装着されており、これによりギアボックス45と第2支持軸34との間がシールされている。
ギアボックス45は、図6に示すように、サブフレーム30に固定されて該フレーム30とは反対側に開くボックス本体45aと、このボックス本体45aに脱着可能に組付けられる蓋45bとから構成されている。
このギアボックス45の前記ギア収納部451には、図4及び図6に示すように、支持軸46a〜48aをそれぞれ介して駆動ギア46および2つのアイドルギア47,48が順次噛合する状態で配設されており、アイドルギア47,48のうち一方側のギア48が第2支持軸34に固定された前記ギア49に噛合している。これらの駆動ギア46およびアイドルギア47,48は、ボックス本体45aおよび蓋45bの内側面にそれぞれベアリング70を介して支持された支持軸46a〜48aに装着固定されており、これよってギアボックス45内に回転可能に支持されている。支持軸46a〜48aのうち駆動ギア46の支持軸46aは、ボックス本体45aの側壁を貫通してサブフレーム30側に突出しており、後述する減速装置52を介してサーボモータ51に連結されている。
ギアボックス45の内部は外部から密閉されおり、潤滑油が充填されることによって各ギア46〜49が潤滑油に浸漬されている。
なお、ギアボックス45のうちボックス本体45aと蓋45bとの合わせ面の部分にはシール部材50aが介装され、これによりボックス本体45aと蓋45bとの間がシールされている。また、駆動ギア46を支持する支持軸46aのうちベアリング70よりも内側(ギアボックス45の内部側)の部分、および前記第2支持軸34のうちベアリングを介して支持される部分よりも内側(ギアボックス45の内部側)の部分にはそれぞれVリング等のシール部材50bが装着され、これによりギアボックス45と支持軸46aおよび第2支持軸34との間がシールされている。
図6に示すように、ギアボックス45の側面であって前記支持部28の後側(同図では上側)の部分には、サーボモータ51が減速装置52を介して固定されている。
減速装置52は、いわゆるハーモニック減速機であって同図に示すように筒状のケーシング53を有している。そして、このケーシング53の一端がギアボックス45の側面に固定された筒型の組付部60に嵌入された状態で当該組付部60に組付けられ、これによってギアボックス45に対して減速装置52が組付けられている。
ケーシング53の内部には、楕円形のカムの外周にベアリングおよび薄肉の金属弾性体が外嵌されてなるウエーブジェネレータ57と、外周に歯面を有し、かつ内周面に前記ウエーブジェネレータ57の外周面が摺接する薄肉金属弾性体からなるフレクススプライン56と、内周面に前記フレクススプライン56の歯面と噛合し、かつこの歯面よりも歯数の少ない歯面を有するサーキュラスプライン55とが配設されている。
ケーシング53の内部であってその入力側(図6では右側)にはベアリングを介して入力軸54が回転自在に支持されており、この入力軸54の末端部分に前記ウエーブジェネレータ57が固定されている。また、ケーシング53の内部であってその出力側にはベアリングを介して出力フランジ58が回転自在に支持されており、このフランジ53に前記フレクススプライン56が固定されている。なお、サーキュラスプライン55はケーシング53に一体に組込まれている。
そして、減速装置52の入力側であって前記ケーシング53の端面に設けられるモータ取付部に対して前記サーボモータ51が組付けられ、このモータ51の出力軸51aが前記入力軸54の端部に設けられるカップリング54aに挿入されることにより該カップリング54aを介して入力軸54に出力軸51aが連結固定される。また、筒状の前記組付部60の内部で、前記出力フランジ58に対して駆動ギア46の前記支持軸46aが挿入され、この支持軸46aがフランジ58に対してキー結合により連結固定されている。なお、支持軸46aと出力フランジ58との結合は、例えば支持軸46aの末端をフランジ形状に形成し、この末端部分を出力フランジ58にボルト結合するようにしてもよい。
これによりサーボモータ51の回転駆動力が減速装置52を介して駆動ギア46に伝達されるようになっている。つまり、これらサーボモータ51、減速装置52およびおよびギア46〜49等により上記駆動機構が構成されており、サーボモータ51の作動により前記ユニット組付部材32が第2支持軸34回りに正逆回転駆動されるようになっている。
なお、当実施形態では、第1支持軸29がスキージ41の長手方向中央に位置しており、第1支持軸29に支持される部分の重量バランスが該第1支持軸29を挟んでその両側(Y軸方向両側)でほぼ等しくなるようにギアボックス45、減速装置52およびサーボモータ51がサブフレーム30に対して組付けられている。具体的には、第1支持軸29の部分を境にその一方側(Y軸方向一方側)にギアボックス45が、反対側にサーボモータ51が位置するようにサブフレーム30に対してギアボックス45、減速装置52およびサーボモータ51が組付けられている。これによりマスクシート4への非接触状態のときにはスキージ41が略水平な状態に保たれ得るようになっている。
前記ユニット組付部材32には、スキージユニット40が着脱自在に組付けられている。このスキージユニット40は、上記の通りスキージ41とこれを保持するスキージホルダ42とから構成されている。
スキージホルダ42は、アルミニウム合金等の軽合金からなるY軸方向の細長い板状部材である。一方、スキージ41は、例えば硬質ウレタンのプラスチック、あるいはステンレスやSK材等の金属からなるY軸方向に細長い長方形の板状部材で、スキージホルダ42に重ね合わされた状態で当該ホルダ42に保持されている。
スキージホルダ42は、スキージ41が保持される面の反対側に、前記ユニット組付部材32に対してスキージホルダ42を組付けるための組付面を有している。この組付面には、一対のネジ軸がY軸方向に所定間隔を隔てて一体的に突設されるとともに、これらネジ軸の先端にノブ部が設けられた固定用ナット43が螺合装着されており、スキージユニット40がユニット組付部材32に重ね合わされ、かつ前記ネジ軸がユニット組付部材32に形成される一対の切欠部32bにそれぞれ差込まれた状態で前記ナット43が締め付けられることによりユニット組付部材32にスキージユニット40が固定されている。
スキージホルダ42の長手方向両端部には、さらに横漏れ防止板44がそれぞれ設けられている。これら横漏れ防止板44は、印刷作業時にスキージ41の側方(Y軸方向外側方)にペーストが流動して漏れる(逃げる)のを防止するための部材である。
次に上記スクリーン印刷装置による印刷動作について説明する。なお、スキージの移動方向に関し、以下の説明では、装置側面側から見た状態(図1の状態)を基準としてヘッド6の左側から右側への移動を往動、逆向きの移動を復動とする。
まず、プリント基板Wが4軸ユニット10により位置決めされるとともに、このプリント基板Wとマスクシート4とが重ね合わされた後、オペレータによる作業開始の指示入力操作に基づきヘッド6が作動し、これにより当該スクリーン印刷装置において印刷作業が開始される。
具体的には、まず、ヘッド支持部材5の作動によりスキージ41が所定の作業開始位置の上方に配置されるとともにサーボモータ51の駆動によりスキージユニット40が回動変位し、スキージ41の姿勢が調整される。例えば、図1および図4においてヘッド6が左側から右方に移動(往動)する場合には、図4中に実線で示すように、スキージ41が進行方向に前傾した状態にセットされる。つまりスキージ41の作業面41aが進行方向前方側のマスクシート4に対して鋭角をなす状態にセットされる。このとき、マスクシート4とスキージ41の作業面41aとの成す角度(以下、アタック角度という)は、ペーストの粘度やスキージ41の移動速度などに応じ、適正な印刷を行い得るように調整される。
次いで、サーボモータ23等の駆動によりヘッド6が下降して、マスクシート4上の接触ポイントにスキージ41が当接する高さ位置にスキージ41がセットされる。
この際、上記の通りスキージ41がユニット組付部材32等を介して第1支持軸29に回動可能に支持されている結果、スキージ41がその長手方向全体亘って確実にマスクシート4に圧接される。しかも、第1支持軸29に支持される部分は、上記のように第1支持軸29の両側の重量バランスが好適に保たれているため、スキージ41の長手方向全体がほぼ均等な圧力でマスクシート4に対して圧接されることとなる。
このようにスキージ41がセットされると、図外の供給装置によりマスクシート4上にペーストが供給されるとともに、スキージ41がマスクシート4に沿って右方へ往動し、これにより、マスクシート4上のペーストがスキージ41により押圧されつつ移動(ローリング)し、マスクシート4を通してプリント基板W上に塗布される。
スキージ41が往動の終端位置に到達すると、ヘッド6が上昇するとともに、上記したスキージ41の移動(往動)により印刷が施された処理済の基板Wに代えて、まだ印刷が施されていない未処理の基板Wが所定の基準位置に位置決めされ、マスクシート4に重ね合わされる。
その一方で、ヘッドが往動方向にさらに所定量だけ移動しつつ、サーボモータ51が反転駆動されることにより、作業面41aがマスクシート4に対して対面する状態を経て往動時とは逆に傾き(図4に二点鎖線で示すように左上がりに傾く状態)、かつペーストよりも後側位置となる状態(復動方向においてペーストよりも後方に作業面41aが位置する状態)まで、スキージ41の姿勢および位置が変更される。これにより、スキージ41が復動時の進行方向に前傾した状態となり、この状態においてアタック角度が適宜調整される。
そして、サーボモータ23などの駆動によりヘッド6が下降して、マスクシート4上の接触ポイントにスキージ41が当接する高さ位置にスキージ41がセットされた後、マスクシート4上にペーストが供給されるとともに、スキージ41がマスクシート4に沿って左方へ復動し、これによりペーストがマスクシート4を通してプリント基板W上に塗布される。
以後、このようにスキージ41の姿勢が切換えられつつマスクシート4に沿ってスキージ41が往復移動することにより、印刷装置に送り込まれる各基板Wに順次ペーストが印刷されることとなる。
以上のような本発明に係るスクリーン印刷装置によると、上記のように往動時および復動時にそれぞれ進行方向に前傾した状態となるようにスキージ41がサーボモータ51の駆動により切替えるように構成されているため、1つのスキージ41で適正に印刷作業を行うことができる。
しかも、サーボモータ51の回転駆動力をスキージ41に対して伝達する動力伝達機構の一部、すなわち各ギア46〜49がギアボックス45に収容され、さらにこのギアボックス45内に潤滑油が充填されて各ギア46〜49が潤滑油に浸漬された構成となっているので、ギア46〜49での発塵が効果的に抑制され、また当該機構部分から塵等が飛散してスキージに付着し、あるいはペーストに混入するといった事態が有効に防止される。従って、往動時と復動時とで一つのスキージ41の傾斜状態を変更するようにしながらも、動力伝達機構(ギア46〜49)の部分での発塵に起因する印刷不良の発生を未然に防止しつつ、適切に印刷作業を進めることができるようになる。
特に、当実施形態では、図6に示すように、出力軸51aをケーシング53内に挿入した状態でサーボモータ51を減速装置52に組付け、さらに筒状の組付部60にケーシング53先端を嵌入させた状態で減速装置52をギアボックス45に組付けることにより、この筒状の組付部60内で駆動ギア46aの支持軸46と出力フランジ58とを結合させているので、支持軸46aおよび出力軸51aが外部に露出することがない。そのためこれらの可動部分からグリースや塵等が飛散することも有効に防止される。
なお、上述したスクリーン印刷装置は、本発明に係るスクリーン印刷装置の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ギアボックス45の内部(ギア収納部451)に潤滑油を充填しているが、例えば各ギア46〜49として自己潤滑性を有するギアを適用することによって潤滑油を省略した構成としてもよい。この場合もギアボックス45が上述のように外部から密閉されているため外部に塵等が飛散することがない。そのため、スキージに塵等が付着し、あるいはペーストに混入するといった事態の発生を有効に防止することができる。
また、実施形態では、図6に示すようにボックス本体45aと蓋45bとに亘って支持される支持軸46a〜48aに各ギア46〜48が装着固定されることにより、ギアボックス45内において各ギア46〜48が両端支持状態で設けているが、例えば図8に示すように、各ギア46〜48をボックス本体45aに対して片持ち状態で支持するように構成してもよい。この場合、例えば同図に示すようにボックス本体45aに支持軸47a、48bを固着し、これらに対して支持軸47a、48bを回転自在に装着するようにし、また、これら支持軸47a、48bにシール部材50cを装着することにより、支持軸47a、48bとボックス本体45aとの間をシールするようにする。このような構成によると、ギアボックス45の蓋45bに支持軸46a〜48aが支持されない分、蓋45bの脱着が容易になり、生産性、メンテナンス性が向上するというメリットがある。
また、潤滑油を用いない構成の場合には、上記のようなギア伝動機構に代えてベルト伝動機構を採用してもよい。図9は、ベルト伝動機構を適用した例を概略的に示している。
同図に示すヘッド6では、上記のギアボックス45等に代えて次のような構成が採用されている。すなわち、第2支持軸34の端部には上記ギア49に代えてプーリ72がキー結合により一体に固着され、減速装置52に連結される支持軸46aには上記駆動ギア46に代えて駆動プーリ73がキー結合により一体に固着されている。そして、これらプーリ72,73に亘って駆動ベルト74が装着され、さらに、ばね部材により付勢されるアイドルプーリ75がこの駆動ベルト74に対してその外周側から圧接することにより当該ベルト74が所定の張力で張設されている。これにより前記サーボモータ51が作動すると、その回転駆動力が駆動プーリ73、駆動ベルト74およびプーリ72を介して第2支持軸34に伝達され、その結果、スキージ41が正逆回転駆動されるようになっている。
また、ベルト伝動機構に対応する部分(プーリ72,73,75及び駆動ベルト74等に対応する部分)は、同図に示すようにその下側に設けられたカバー77によって形成される空間78(本発明に係る収容部に相当)内に収容されており、これによってベルト伝動機構に対応する部分の全体がカバー77によりその下側から覆われている。
このような構成の場合にも、上記のようにベルト伝動機構に対応する部分(プーリ72,73,75及び駆動ベルト74等に対応する部分)がカバー77によりその下側から覆われている結果、塵等のマスクシート4上への飛散が有効に防止される。この場合、より確実に塵等の飛散を防止するために、カバー77としてベルト伝動機構の全体を密閉するものを設けるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、スキージ41の回転半径方向に対してスキージ41の作業面41a(ペーストを押圧する面)が直交するように構成されたスクリーン印刷装置の例について説明したが、例えば、従来技術の特許文献1に開示されるように、スキージの作業面が回転半径方向とほぼ平行となるようにスキージが設けられるスクリーン印刷装置についても本発明は適用可能である。
本発明の一実施形態に係るスクリーン印刷装置を示す側面概略図である。 スクリーン印刷装置を示す正面概略図である。 スクリーン印刷装置のヘッドの具体的な構成を示す斜視図である。 同ヘッドの具体的な構成を示す側面図(図3のA矢視図であって、かつギアボックスを仮想線で示した図)である。 同ヘッドの具体的な構成を示す正面図である。 同ヘッドの具体的な構成を示す断面図(図3のB−B線断面図)である。 同ヘッドの具体的な構成を示す断面図(図4のC−C線断面図)である。 同ヘッドの他の構成を示す断面図(図6に対応する図)である。 同ヘッドの他の構成を示す断面図(図4に対応する図)である。
符号の説明
4 マスクシート
6 ヘッド
29 第1支持軸
32 ユニット組付部材
34 第2支持軸
41 スキージ
45 ギアボックス
45a ボックス本体
45b 蓋
46 駆動ギア
47,48 アイドルギア
46a〜48a 支持軸
49 ギア
51 サーボモータ
52 減速装置
53 ケーシング

Claims (1)

  1. スキージを支持し、このスキージを基板に重ねられたマスクシートに沿って相対的に所定の第1軸方向に往復移動させるヘッドを備え、前記スキージが往動時および復動時にそれぞれ進行方向に前傾した状態となるように前記ヘッドに対してスキージが回動可能に支持されるスクリーン印刷装置において、
    前記ヘッドは、フレーム部材と、前記第1軸方向と交差する第2軸方向の軸回りに回転可能となるように前記フレーム部材に支持されかつ前記スキージが組付けられるスキージ組付部材と、前記スキージを駆動するための駆動源としてのモータと、複数のギアを備えかつ前記モータの回転駆動力を前記スキージ組付部に伝するギア機構と、このギア伝動機構の前記複数のギアを密閉状態で収容するギアボックスと、このギアボックス内に充填される潤滑油とを有し、
    前記ギアボックスは、前記フレーム部材に固定されかつ前記第2軸方向における一方側が開口するボックス本体と、このボックス本体に着脱可能に組付けられて前記開口を開閉する蓋部材とを含み、
    前記ギア伝動機構の複数のギアは、前記第2軸方向と平行な軸回りに回転可能に、かつ、ボックス本体の内側面のうち前記開口の側とは反対側の側面に片持ち状態で支持され、
    前記モータは、前記第2軸方向における前記ギアボックスの側方であって前記ギアが支持される側に配置され、
    前記スキージ組付部材は、前記第2軸方向における前記ギアボックスの側方であって前記ギアが支持される側の位置で前記フレーム部材に回転可能に支持されていることを特徴とするスクリーン印刷装置。
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