JP4696670B2

JP4696670B2 - トリガスイッチ

Info

Publication number: JP4696670B2
Application number: JP2005134203A
Authority: JP
Inventors: 浩二大盛; 良之馬場
Original assignee: Omron Corp
Current assignee: Omron Corp
Priority date: 2005-05-02
Filing date: 2005-05-02
Publication date: 2011-06-08
Anticipated expiration: 2025-05-02
Also published as: EP1720184A2; EP1720184A3; CN100444296C; CN1858868A; JP2006310227A; US20060243775A1; EP1720184B1; US7297891B2

Description

本発明は、電動工具などに用いられるトリガスイッチに関する。

電動工具などのグリップ部に設置され、ユーザが指をかけて引き込むことで電動工具を起動可能とするトリガスイッチが広く用いられている。

従来のトリガスイッチは、特許文献１に記載されているように、一端にトリガを取り付けた操作軸の他端に設けた接点駆動部で可動接点を駆動することで、可動接点を固定接点に圧接または離間させて回路を開閉している。
特開平１０−６９８３８号公報

しかしながら、電動工具は、乱暴に扱われることも多く、しばしば操作軸に曲げ方向の衝撃力が加わり、操作軸が接点駆動部側の根元で破断する危険がある。よって、従来のトリガスイッチでは、外力が集中しやすい操作軸の根元の強度を確保するために、接点駆動部を操作軸と一体に形成し、後からトリガを操作軸に固定している。また、操作軸は、通常、外側（トリガ側）に突出するように付勢されている。このため、ユーザが指でトリガを引いて操作軸を押し込んだ状態から急にトリガから指を離すと、操作軸が急激に移動し、このときの衝撃でトリガが外れるおそれがあるので、操作軸にトリガを堅固に固定する必要もある。

また、電動工具は、粉塵が多い環境で使用されることも多いため、トリガスイッチは、内部に塵埃が入り込まない防塵構造とすることが要求される。しかし、操作軸はトリガスイッチの内部に出入りするので、出入りする操作軸の体積に等しい空気がトリガスイッチ内部に出たり入ったりする。このような空気の出入りは塵埃をスイッチ内部に運び込む危険を伴い、操作軸を太くすることはトリガスイッチの防塵性を低下させるので好ましくない。また、強度を高めるために操作軸を金属製にすることは、トリガスイッチ内部の電気回路を短絡させる危険があるので設計が難しくなる。

上記のように、従来のトリガスイッチでは、防塵性能を確保すると、操作軸の強度が万全ではなくなり、衝撃によって破断することがあるという問題がある。

そこで、本発明は、衝撃力によって操作軸が破断しないトリガスイッチを提供することを課題とする。

前記課題を解決するために、本発明のトリガスイッチは、本体内部に接離可能に設けた固定接点および可動接点と、前記本体内部にスライド可能に収容され、前記可動接点を駆動する接点駆動部材と、一端を前記接点駆動部材に係合する一方、前記本体から突出する他端にユーザが操作するトリガを設けた操作軸とを有し、前記トリガを前記本体に向かって引き込むことで、前記トリガの引き込み量に応じて出力を制御するトリガスイッチにおいて、前記操作軸が、前記接点駆動部材に対して傾斜可能な遊びを有する係合状態にあり、前記本体は、前記トリガを前記操作軸の軸方向に案内するガイドが突設され、前記遊びによる前記操作軸の最大傾斜角度は、前記ガイドが許容する前記操作軸の傾きより大きいものとする。

この構造によれば、接点駆動部材と操作軸とを別部材とし、両者の間に遊びを設けたので、トリガに衝撃が加わっても、操作軸に対する曲げ応力を軽減できる。このため、操作軸が破断するトラブルが発生しない。また、ガイドがトリガに加わる外力を受け止め、操作軸や接点駆動部材に衝撃加重が加わらないので、操作軸や接点駆動部材が破断することがない。

また、本発明のトリガスイッチにおいて、前記接点駆動部材は、前記操作軸にほぼ垂直で、且つ、切欠きを設けた壁部を有し、前記操作軸は、前記切欠きに係合する、係合溝が設けられてもよい。

この構造によれば、操作軸と接点駆動部材との遊びを容易に設けることができる。また、所定の位置に配置した操作軸に接点駆動部材を軸心に直交する方向から係合させてトリガスイッチを組み立てることができ、駆動軸とトリガとを一体形成しても組立可能である。

また、本発明のトリガスイッチにおいて、前記遊びによる最大傾斜角度を１°以上５°以下にしてもよい。

遊びによる最大傾斜角度が１°以上であると、操作軸に衝撃が加わらない十分な遊びを確保できる。また、遊びによる最大傾斜角度が５°以下であると、ユーザが違和感を覚えるようなトリガのガタつきができない。

以上のように、本発明によるトリガスイッチは、接点駆動部材と操作軸とを別部材とし、両者の間に遊びを設けたので、トリガに衝撃が加わっても操作軸に大きな力が直接作用せず、操作軸が破断しない。また、操作軸に大きな力が直接作用しないので軸径を大きくする必要がなく、防塵性に優れるトリガスイッチが実現される。

これより、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図１は、本発明の１つの実施形態であるトリガスイッチ１を示し、図２および図３は、トリガスイッチ１の分解斜視図および断面図である。トリガスイッチ１は、右カバー２ａと左カバー２ｂとで構成する本体２の内部空間にスイッチアセンブリ３が収納される。スイッチアセンブリ３は、接点駆動部材４を有し、接点駆動部材４は、本体２の外側に延伸する操作軸５と係合している。操作軸５の外側端部にはユーザが指をかけて操作軸５を本体２の内部に向かって引き込めるようにトリガ６が操作軸５と一体に形成されている。接点駆動部材４および操作軸５は、復帰ばね７によって、操作軸５を本体２の外側に向かって押し出す方向に付勢されている。トリガスイッチ１は、操作軸５と、操作軸５が貫通する本体２の開口との隙間を封止するために防塵リング８が配設されている。トリガ５は、本体２に設けたガイド９ａ，９ｂに沿って操作軸５の軸心方向に移動するようになっている。接点駆動部材４は、図５に示すように、２つのスライド接点１０が設けられ、軸心方向の移動によってスライド接点１０を端子板１１の表面で摺動させるとともに、２つの可動接点１２ａ，１２ｂをそれぞれ接点ばね１３と協働して２つの固定接点１４ａ，１４ｂ（なお、固定接点１４ｂは、固定接点１４ａの奥側に位置し、図示されていない）にそれぞれ圧接または離間させるように駆動する。スイッチアセンブリ３は、図３に示すように、本体２の上部に位置し、モータへの給電線を接続するモータ端子１５と、本体２の下部から突出し、電源に接続される電源端子１６とが設けられている。スイッチアセンブリ３において、可動接点１２ａ，１２ｂはモータ端子１５に接続され、固定接点１４ａ，１４ｂは電源端子１６に接続されており、可動接点１２ａ，１２ｂが固定接点１４ａ，１４ｂに当接することでモータに給電することができる。また、モータ端子１５への接続は、切り替えレバー１７で駆動されるロータリスイッチ１８によって、相を入れ換えることができる。右カバー２ａと左カバー２ｂとは、ねじ１９で固定されている。

図４に接点駆動部材４、操作軸５およびトリガ６を拡大して示し、接点駆動部材４と操作軸５について詳述する。接点駆動部材４は、操作軸５に直交する（例えば厚さ１．０ｍｍの）壁部４ａを有し、壁部４ａには操作軸５の径（例えば直径５．５ｍｍ）より幅の狭い（例えば幅２．９ｍｍの）Ｕ字型の切欠き４ｂが設けられている。また、接点駆動部材４には、可動接点１２ａ，１２ｂが当接する駆動部４ｃが突設されている。一方、操作軸５は、軸端に近い胴部に切欠き４ｂと係合するための軸直角方向の係合溝５ａが設けられており、端部に復帰ばね７が係合する座部５ｂが突設されている。係合溝５ａは、壁部４ａの厚みよりも十分に広く（例えば１．２ｍｍ）、切欠き４ｂの幅よりも操作軸５の厚みを局部的に薄く（例えば２．８ｍｍに）するように形成される。操作軸５の係合溝５ａに、接点駆動部材４の切欠き４ｂの周囲の壁部４ａが嵌合することで、操作軸５と接点駆動部材４とが遊びを有するように連結され、軸方向に一体的に移動可能となる。

続いてトリガスイッチ１の操作について説明する。
図５は、理解しやすいように、トリガスイッチの主たる動作に係る構成要素だけを示す。図５（Ａ）は、ユーザがトリガ６に指をかけていない状態を示す。操作軸５は、復帰ばね７によって本体２から最大限に突出しており、接点操作部材４の操作部４ｃが２つの可動接点１２ａ，１２ｂを接点ばね１３の付勢力に抗して押し下げることで、可動接点１２ａ，１２ｂを固定接点１４ａ，１４ｂから離間させている。駆動部４ｃは、図面手前側の可動接点１２ａに当接する部分が短く、図面奥側の可動接点１２ｂに当接する部分が長く突出している。

図５（Ｂ）に示すように、ユーザがトリガ６を僅かに引き込むと、接点駆動部材４が移動し、先ず、手前側の可動接点１２ａが駆動部４ｃから外れ、接点ばね１３によって固定接点１４ａに当接させられる。当該可動接点１２ａが当接する固定接点１４ａは、スライド接点１０の位置に応じて電流を抑制する制御回路を介してモータ電極１５に接続されており、図５（Ｂ）の状態では、トリガ６の引き込み量に応じてモータへの出力が制御される。

さらにトリガ６が引かれて、操作軸５が奥まで本体２に押し込まれると、図５（Ｃ）に示すように、接点駆動部材４の駆動部４ｃが図面奥の可動接点１２ｂからも外れ、奥側の可動接点１２ｂが対応する固定接点１４ｂに当接する。奥側（１４ａの背後）の固定接点１４ｂは、モータ端子１５に直結されており、モータに最大の電流を印加する。

ユーザがトリガ６を引く力を緩めると、復帰ばね７によって接点駆動部材４および操作軸５が押し戻され、図５（Ｂ）の状態を経て図５（Ｃ）の状態に戻る。これによって、モータは回転を遅め、そして、停止する。

続いて、トリガスイッチ１の接点駆動部材４と操作軸５との係合構造による効果を説明する。
図６は、接点駆動部材４と操作軸５との可能な係合状態を示す。操作軸５は、接点駆動部材４に対して遊びを有しているので、図示するように、接点駆動部材４に対して係合状態で最大５°の傾斜が可能である。この接点駆動部材４と操作軸５との間の遊びは、接点駆動部材４および操作軸５の寸法を、通常の射出成型で形成でき、且つ、容易に組み立てられる寸法とすることで得られる遊びである。一方、トリガ６は、ガイド９ａ，９ｂによって動きが規制されおり、結果として操作軸５の傾きを制限することになる。このため、ガイド９ａ，９ｂは、トリガ６を案内することで、操作軸５の傾きを５°未満に保つことができる。

トリガスイッチ１は、操作軸５が細く、防塵リング８によって本体２内部に塵埃が侵入しないように設計されている。一方、ガイド９ａ，９ｂは、防塵性能に影響がないので、十分な強度を得られるように太く堅牢に設計されており、衝撃によっても破断しない十分な強度を有している。

このため、仮に、トリガ６に、操作軸５の移動方向と異なる向きの外力が加えられた場合、トリガ６に加えられた力は、ガイド９ａ，９ｂによって受け止められる。一方、操作軸５はトリガ６とともに接点駆動部材４に対して傾斜することにより、外力を吸収、緩和するので、破断のおそれがない。

仮に、接点駆動部材４に対する操作軸５との傾斜が５°を超えるような遊びを設けると、ユーザが違和感を覚えたり、安心感を損なうようなガタつきを生じるので好ましくない。また、トリガ６は、ガイド９ａ，９ｂによって動きが規制されているが、通常の樹脂成形によって得られる加工精度では、トリガ６がガイド９ａ，９ｂに沿ってスムーズに移動できるようにするために、１°程度の操作軸５の傾斜は許容せざるを得ない。このため、点駆動部材４と操作軸５との間の遊びが許容する傾斜が１°未満であると、トリガ６に加わる外力を十分に吸収、緩和することができないおそれがある。

本発明の実施形態のトリガスイッチの斜視図。図１のトリガスイッチの分解斜視図。図１のトリガスイッチの断面図。図１の接点駆動部材と操作軸拡大斜視図。図１の接点駆動部材と可動接点と固定接点との関係を示す側面図。図１の接点駆動部材と操作軸の断面図。

符号の説明

１トリガスイッチ
２本体
４接点駆動部材
４ａ壁部
４ｂ切欠き
４ｃ駆動部
５操作軸
５ａ係合溝
６トリガ
７復帰ばね
８防塵リング
９ａ，９ｂガイド
１２ａ，１２ｂ可動接点
１３接点ばね
１４ａ，１４ｂ固定接点
１５モータ端子
１６電源端子

Claims

本体内部に接離可能に設けた固定接点および可動接点と、
前記本体内部にスライド可能に収容され、前記可動接点を駆動する接点駆動部材と、
一端を前記接点駆動部材に係合する一方、前記本体から突出する他端にユーザが操作するトリガを設けた操作軸とを有し、
前記トリガを前記本体に向かって引き込むことで、前記トリガの引き込み量に応じて出力を制御するトリガスイッチにおいて、
前記操作軸が、前記接点駆動部材に対して傾斜可能な遊びを有する係合状態にあり、
前記本体は、前記トリガを前記操作軸の軸方向に案内するガイドが突設され、
前記遊びによる前記操作軸の最大傾斜角度は、前記ガイドが許容する前記操作軸の傾きより大きいことを特徴とするトリガスイッチ。
前記接点駆動部材は、前記操作軸にほぼ垂直で、且つ、切欠きを設けた壁部を有し、
前記操作軸は、前記切欠きに係合する係合溝が設けられていることを特徴とする請求項１に記載のトリガスイッチ。
前記遊びによる最大傾斜角度は、１°以上５°以下であることを特徴とする請求項１または２に記載のトリガスイッチ。