JP4696618B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルト装置に関し、特に、シートベルトの取出性を改善する技術に関する。
従来、シートベルト装置において、ベルトをシートバックの側面付近に配置させてベルト装着時における取出性改善を図る技術が提案されている。
このような技術として、例えば、アウタアンカあるいは巻取機構をシートにマウントすることで、シートベルトのタングの部分が常にシートクッションの側面近傍に配置されるようにして、乗員がタングを引っ張りやすくした技術が知られている(従来技術1、例えば、特許文献1参照)。
また、シートクッションやシートバックの側面にシートベルトを引っ掛けるガイドや突起などの係止手段を設け、シートベルトを係止手段に引っ掛けることでシートベルトのタングの部分をシートクッションの側面近傍に配置して、乗員がタングを引っ張りやすくした技術が知られている(従来技術2)。
特開2004−90726号公報
しかしながら、上述の従来技術1にあっては、シートに常にベルトが繋がった状態であるため、いわゆるツードアタイプの車両のように、前席と車体中間のBピラーとの間を通って後席へ乗降する車両に適用した場合、Bピラー付近のベルト連結点とシートとがベルトで繋がった状態のままで、乗降の際にベルトが邪魔になるという問題がある。
また、従来技術2にあっては、上述のように前席とBピラーとの間を通って後席へ乗降する場合、その乗降の度にベルトをガイドや突起などの係合手段から外す必要があるとともに、その後、ベルトを装着する際にはベルトを係合手段に係合し直す必要があり、その操作が面倒である。
さらに、ベルトを強く引っ張った際に係合手段が破損しないようにその強度の確保が難しいという問題もあった。
そこで、本発明は、ベルトの取り出しが容易でありながら、乗降の際などにベルトを邪魔にならない位置へ容易に移動可能であり、かつ、部品が破損しにくいシートベルト装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたものであって、車体下部のアウタアンカにベルト先端部分を包む形状でシートに届く長さのブーツ部材を設け、前記ブーツ部材とシート下部とに、乗員が前記ベルトを装着するのに伴って前記ブーツ部材がベルト装着時の位置である使用位置に回動したときに相互に係わり合ってこの使用位置に保持するとともに、前記相互の係わり合いを超える操作力で保持を解除する前傾保持手段を設けたことを最も主要な特徴とするシートベルト装置とした。
本発明のシートベルト装置では、通常は、前傾保持手段が、ブーツ部材を使用位置で保持している。この使用位置というのは、乗員がベルトを装着したときの位置であって、巻取機構がベルトを最も巻き取ったときの位置である格納位置よりも前方に回動した位置となる。
このようにブーツ部材が使用位置に保持されている状態では、ベルトも格納位置よりも前方に配置され、ベルトを装着する際のベルトの取り出しが容易となる。
なお、この前傾保持手段によるブーツ部材の保持は、乗員がベルトを装着するのに伴って成される。すなわち、ベルトおよびブーツ部材が格納位置に配置されている状態から、乗員がベルトを装着すると、ベルトが前方に引っ張られるのに伴ってブーツ部材も前方に回動され、ブーツ部材がシート下部に重なる所定の使用位置まで来ると、前傾保持手段が、ブーツ部材側とシート下部側とで係わり合うことになり、ブーツ部材を使用位置に保持する。こうして一旦前傾保持手段による保持が成されると、乗員がベルトを外した後もこの保持が維持され、上述の取り出し容易な状態に維持される。
また、ブーツ部材およびベルトが乗降の邪魔になる場合には、ベルトを後方へ移動させれば、前傾保持手段の保持が解除されて、ベルトおよびブーツ部材が格納位置に戻る。すなわち、ベルトを後方に移動させると、ブーツ部材には後方へ回動させる力が作用し、この力が、前傾保持手段による係わり合いを超えると、前傾保持手段が係わり合いを解除して、ブーツ部材がベルトの移動と共に後方へ回動する。同時に、巻取機構がベルトを巻き取り、その巻取力で、ベルトおよびブーツ部材は格納位置に戻る。よって、ベルトおよびブーツ部材が乗降の邪魔にならないようにすることができる。
以上のように、本発明では、ブーツ部材を前傾保持手段により使用位置に保持することで、ベルトの取り出しを容易とすることができるとともに、乗降時にブーツ部材およびベルトが邪魔なときには、ベルトを後方へ移動させるだけで、ベルトおよびブーツ部材を邪魔になら無い格納位置に移動させることができる。しかも、ブーツ部材を使用位置に戻すのは、乗員がベルトを装着する行為に伴いなされるので、操作性に優れる。
また、前傾保持手段によりブーツ部材を保持した状態において、巻取機構がロックした状態のまま乗員がシートを前方にスライドさせた場合などのように、ベルトに大きな力がかかったときには、その力が前傾保持手段の係わり合い力を上回った時点で保持を解除し、ブーツ部材がシート下部から離れる。このように、所定以上の力では、前傾保持手段がブーツ部材の保持を解除するため、部品の破損を回避できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態のシートベルト装置は、乗員拘束用のベルト11と、このベルト11の基端側を巻き取る巻取機構12と、前記ベルト11の先端部が連結され、シートS後方の車体下部に車両前後方向に回動可能に取り付けられたアウタアンカ14と、を備えたシートベルト装置において、前記アウタアンカ14に、ベルト11の先端部分を包む形状でシートSの下部に届く長さのブーツ部材17を設け、前記ブーツ部材17とシートSの下部とに、前記ブーツ部材17がベルト装着時の位置である使用位置に回動したときに相互に係わり合ってこの使用位置に保持するとともに、前記相互の係わり合いを超える後方への操作力で保持を解除する前傾保持手段20を設けたことを特徴とするシートベルト装置である。
図1〜図3は、この発明の最良の実施の形態の実施例1のシートベルト装置を示している。なお、この実施例1のシートベルト装置は、請求項1〜7に記載の発明に対応している。
まず、構成から説明する。
実施例1のシートベルト装置は、シートSの乗員を拘束するためのものである。前記シートSは、車体のフロア(図示省略)に車両前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション1と、このシートクッション1の後端部に図示を省略したリクライニングデバイスを介して車両前後方向に回動可能に支持されたシートバック2とを備えている。
また、前記シートクッション1の側面およびシートバック2の下端部は、樹脂製のシートフィニッシャ3により覆われている。
前記シートSは、いわゆる2ドアタイプの車両の前席、すなわち運転席あるいは助手席として用いられているもので、前記シートSおよび実施例1のシートベルト装置の主要部を示す斜視図である図1に示すように、前記シートSの車外側に位置するドア開口部は、下縁がサイドシル4に、後縁がBピラー5に囲まれている。よって、図外の後席への乗降の際には、乗員は、前記シートSを前方へスライドさせ、さらに必要に応じてシートバック2を前方に倒し、シートバック2とBピラー5との間を通るようになっている。
前記実施例1のシートベルト装置は、その側面図である図2に示すように、前記シートSの後方の前記Bピラー5の近傍に設けられた、ベルト11、巻取機構12、ショルダアンカ13、アウタアンカ14と、前記シートSの反対側(車両中央側)に設けられたバックル15とを備えている。
前記ベルト11は、基端がBピラー5の内部に設けられた前記巻取機構12に連結されており、かつ、この巻取機構12により所定の力で巻取方向に付勢されている。
さらに、前記ベルト11の中間部は、前記Bピラー5の前記シートバック2よりも少し高い位置に取り付けられたショルダアンカ13に、スライド可能に支持されて下方に折り返されている。
そして、前記ベルト11の先端は、前記アウタアンカ14に連結されている。このアウタアンカ14は、詳細な図示は省略するが、前記シートSの後方下部の車体、すなわち図外のフロアあるいは前記サイドシル4あるいはBピラー5の下端部に、図示を省略したボルトなどにより車両前後方向に回動可能に強固に支持されている。なお、図において、Pで示すのが、前記アウタアンカ14の回動中心である。
また、前記ベルト11において、前記アウタアンカ14とショルダアンカ13との間には、前記バックル15に係合させることならびに係合を解除することが可能なタング部材16が、前記ベルト11に対してスライド可能に取り付けられている。
すなわち、前記ベルト11は、前記タング部材16よりも下側に位置する部分が、ベルト装着時に乗員Hの腰に掛け渡される腰ベルト部11aとなり、前記タング部材16よりも上側に位置する部分が、ベルト装着時に乗員Hの腰から肩にかけて斜めに掛け渡されるショルダ部11bとなる。
前記アウタアンカ14には、樹脂製のブーツ部材17が取り付けられている。このブーツ部材17は、前記ベルト11の先端部を包むとともに上端が開口し下端が閉じられた筒状に形成されているとともに、前記アウタアンカ14の位置からシートSの下部に届く長さに形成されている。そして、このブーツ部材17は、下端部が前記アウタアンカ14を内包した状態でこのアウタアンカ14に装着し、前記アウタアンカ14と共に車両前後方向(図1,2矢印FR方向)に回動可能となっている。
したがって、実施例1のシートベルト装置によれば、前記巻取機構12がベルト11を最も巻取った状態では、ベルト11が図2において点線で示すように前記ショルダアンカ13とアウタアンカ14との間に直線的に配置されるとともに、前記ブーツ部材17も、このベルト11と共に、前記ショルダアンカ13に向かって起立した状態となる。この図2において点線で示すベルト11およびブーツ部材17の位置を、本明細書では格納位置と称する。
さらに、実施例1のシートベルト装置では、前記ブーツ部材17を使用位置に保持する前傾保持手段20を設けている。なお、前記ブーツ部材17の使用位置とは、図3に示すように、前記格納位置から前記シートフィニッシャ3の後端部に重なるまで前方に回動して前傾した位置であって、乗員Hがベルト11を腰に弛み無く適正に装着したときに配置される位置である。
また、前傾保持手段20は、図1および図3に示すように、前記ブーツ部材17の上端内部に設けた磁石21と、前記シートフィニッシャ3の裏側に設けた磁着部材としての鉄板22とで構成している。
そして、前記鉄板22は、図示のように、長細い長方形の板状のもので、前記シートクッション1の後端と前記シートバック2の下端との境界付近において、上端が乗員Hの腰方向を向き、下端が前記アウタアンカ14近傍を向くように前上がりに傾斜させて後述の適正領域C内に配置している。
前記適正領域Cは、この領域C内にブーツ部材17の上端部を配置したときに、ベルト11の装着時に前記腰ベルト部11aを乗員Hの腰に弛み無く装着させることができる領域である。すなわち、前記ブーツ部材17の上端部が、図3において、この適正領域Cの後上側に斜線で示す領域Aに配置された場合、前記腰ベルト部11aは、乗員の腹に掛かる。また、前記ブーツ部材17の先端部が、図3において、この適正領域Cの前下側に斜線で示す領域Bに配置された場合、前記腰ベルト部11aに弛みが生じる。前記適正領域Cは、これら領域A,Bの間の領域であって、ベルト装着時に、前記腰ベルト部11aが、乗員Hの腹に掛かったり、弛みが生じたりすることなく、腰に適正に装着させることのできる領域であり、前記鉄板22の面積よりも広い領域となっている。
次に、実施例1のシートベルト装置の作用を説明する。
(通常時)
通常、ブーツ部材17は、前傾保持手段20により使用位置に保持されている。すなわち、ブーツ部材17の上端部に設けた磁石21がシートフィニッシャ3に設けた鉄板22に磁着することで、図2において実線で示すように、ブーツ部材17が前方に傾いてシートSの後端下部の適正領域Cに重なった使用位置に保持されている。
このように前傾保持手段20がブーツ部材17を使用位置に保持した状態では、ベルト11も、腰ベルト部11aが、図2の点線で示す格納位置よりも前方であって、シートバック2の側方に配置され、その取り出しが容易である。また、ベルト装着時には、図3に示すように、腰ベルト部11aを、乗員Hの腰に弛み無く装着できる。
さらに、前傾保持手段20がブーツ部材17を使用位置に保持した状態では、ブーツ部材17は、シートフィニッシャ3に磁力で離れずに密着しており、かつ、ブーツ部材17が樹脂製で柔軟性を有しているため、車両走行時の振動で低級音が発生することがない。
上述のように前傾保持手段20がブーツ部材17を使用位置に保持した状態は、乗員Hがベルト11を外した後でも維持されるようになっている。すなわち、前傾保持手段20の磁石21の磁着力は、巻取機構12の付勢力が作用しても、ブーツ部材17を使用位置に保持することができる力に設定されているものである。なお、磁石21をブーツ部材17の先端部に設けているため、ブーツ部材17の剛性が低くても、ブーツ部材17は、巻取機構12の付勢力で折れ曲がることはない。
(後席乗降時)
後席への乗降時には、後席乗員は、ベルト11を後方へ移動させるだけでベルト11およびブーツ部材17を格納位置に戻し、これらベルト11,ブーツ部材17が邪魔になることなく、シートバック2とBピラー5の間を通過することができる。
すなわち、図2において実線で示す状態から、ベルト11を後方に押すあるいは引っ張ると、その力がブーツ部材17を後方に回動させるように作用し、その作用力が前傾保持手段20の磁石21の磁着力を上回った時点で、保持が解除されて、ブーツ部材17はベルト11と共に後方へ回動する。
同時に、巻取機構12の巻取付勢力が作用することから、ベルト11およびブーツ部材17は、図2において点線で示す格納位置に移動する。
したがって、後席乗員は、ベルト11およびブーツ部材17が邪魔になることなくシートバック2とBピラー5との間を通って後席へ乗降することができる。
このように、ベルト11を後方へ移動させるだけで、前傾保持手段20の保持を解除してブーツ部材17およびベルト11を格納位置に移動させることができるもので、特別な操作が不要で操作性に優れるとともに、このようにブーツ部材17が後方へ回動するため、ブーツ部材17が破損することもなく、強度の設定が容易である。
また、後席への乗降の際に、弾性力などの付勢力でシートSを前方へスライドさせることのできる機構を有しているウォークイン構造が知られている。このウォークイン構造を有している場合、作動時に、シートSをブーツ部材17から離れる量だけ前方にスライドさせるようにするとともに、その付勢力を、前記ブーツ部材17とシートSの間で、前記磁石21と鉄板22とで引き合う磁着力よりも大きく作用するように設定する。
これにより、このウォークイン機構を作動させると、シートSの前方スライドに伴い前傾保持手段20において磁石21と鉄板22とが離れ、上述のように、巻取機構12の巻取付勢力でベルト11ならびにブーツ部材17が格納位置に戻る。
この場合、後席乗員は、ベルト11を後方へ移動させる操作も不要になる。
(ブーツ部材17の使用位置への移動)
上述の後席への乗降時などのように、ブーツ部材17を格納位置へ移動させた後に、ブーツ部材17を使用位置に戻すのは、乗員Hがベルト11を装着するだけでよく、特別な操作は不要である。
この操作について説明すると、シートSに座った乗員が、タング部材16を引っ張ってバックル15に係合させると、図3に示すように、腰ベルト部11aが乗員の腰に掛け渡され、また、ショルダ部11bが、図示は省略するが、乗員の車両中央側の腰から車両外側の肩にかけて斜めに掛け渡されることになる。
この装着に伴い、ブーツ部材17は、腰ベルト部11aに引っ張られることで前方に回動し、適正領域Cまで回動した時点で、前傾保持手段20の磁石21が鉄板22に磁着してブーツ部材17をこの使用位置に保持する。
このように、ベルト11を装着するだけで、ブーツ部材17が使用位置に戻り、前傾保持手段20がこの使用位置に保持する。
なお、このようにブーツ部材17を使用位置に戻すにあたり、乗員Hは、シートSに座る前に、あらかじめベルト11を前方に引き寄せて、ブーツ部材17を使用位置に保持させてベルト11を取り出し容易な状態としてから、シートSに座ってベルト11を装着することもできる。この場合であっても、操作は、ベルト11を前方に引くだけであり、容易である。
(シートスライド時)
上述のようにブーツ部材17を使用位置に保持した状態において、乗員HがシートSを前後にスライドさせたときには、磁石21は鉄板22上から離れることなく鉄板22上を移動するもので、ブーツ部材17は傾きを変えながらも、その上端部を適正領域C内であって鉄板22上に保持され続ける。
このようにシートSをスライドさせても、ブーツ部材17は傾きを変えながらもその上端部は適正領域Cに保持され、取り出し容易で、かつ腰ベルト部11aを腰に適正に装着できる状態に維持できる。
すなわち、磁着部材としての鉄板22を細長い長方形(棒状)に形成し、かつ乗員Hの腰に向かうように前上がりに斜めに配置しているため、磁着部材を小範囲に設けた場合に比べてシートSの幅広いスライド範囲でブーツ部材17を適正領域Cに保持させることができ、また、磁着部材を適性領域Cの一杯に広く設けた場合に比べて、ブーツ部材17の上端部を前述の不適な領域A,Bに近づけさせることなく、より確実に適正領域Cに保持させることができ、ブーツ部材17に対する方向付けをより強く与えることができる。
(過大入力時)
ベルト装着時に、巻取機構12がロックしてベルト11の引き出しが規制されている状態で乗員Hが無理に動いたり、シートSを前方にスライドさせたりしたときのように、ベルト11に過大な入力があった場合、ブーツ部材17では、その入力が磁石21の磁着力を越えた時点で、保持を解除して、ブーツ部材17が回動するのを許す。このように、過大入力時には、前傾保持手段20による保持を解除するため、樹脂製のブーツ部材17が破損することがない。
(実施例1の効果)
以上説明した実施例1のシートベルト装置にあっては、以下に列挙する効果を有する。
a)通常、前傾保持手段20は、その磁石21と鉄板22との磁着によりブーツ部材17を、その先端部が適正領域Cに配置された使用位置に保持している。
したがって、ベルト11が格納位置よりも前方に配置され、取出性に優れるとともに、ベルト11の装着時には、ベルト11が乗員Hの腰に弛み無く適正に装着され、装着性に優れる。
b)ブーツ部材17を使用位置に保持させる場合、乗員Hがベルト11を装着するだけで、前傾保持手段20がブーツ部材17を使用位置に保持でき、特別な操作が不要で操作性に優れる。
c)後席の乗降時には、ベルト11を後方へ移動させるだけで、前傾保持手段20の保持を解除してブーツ部材17およびベルト11を格納位置に移動させることができ、特別な操作が不要で操作性に優れるとともに、このように所定以上の入力で保持を解除してブーツ部材17が後方へ回動するため、ブーツ部材17が破損することもなく、強度の設定が容易である。
d)前傾保持手段20をブーツ部材17側の磁石21とシートS側の鉄板22とで形成し、かつ、鉄板22を、細長い長方形に形成するとともに、シートクッション1とシートバック2との境界近傍において適正領域C内で前上がりに傾斜させたため、シートSを前後にスライドさせても、ブーツ部材17の先端部を適正領域Cに保持して、腰ベルト部11aを腰に適正に装着することができる効果、ブーツ部材17に対し、乗員Hの腰の方向へ向ける方向付けをより強く与え、適正な装着をより確実に行うことができる効果、シートS側の前傾保持手段としても磁石を用いた構成ならびに適正領域Cの全体に設けた構成に比べて安価に製造することができる効果、を得ることができる。
e)磁石21と鉄板22を、それぞれ、ブーツ部材17の内部とシートフィニッシャ3の裏側に設け、表面に現れないようにしたため、外観品質に優れ、かつ、シートSの側面に突出しないから、図外のドアトリムとのクリアランスに与える影響を抑えることができる。
f)前傾保持手段20がブーツ部材17を使用位置に保持した状態では、ブーツ部材17は、シートフィニッシャ3に磁力で離れずに密着しており、かつ、ブーツ部材17を樹脂製として柔軟性を有しているため、車両走行時の振動で低級音が発生することがない。
g)ブーツ部材17への過大入力時には、前傾保持手段20による保持を解除するため、樹脂製のブーツ部材17が破損することがなく、耐久性に優れる。
h)ブーツ部材17側の前傾保持手段20としての磁石21を、ブーツ部材17の上端部に設けたため、前傾位置に配置したときにブーツ部材17の上端部に巻取機構12の巻取力が作用したときに前傾保持手段20の保持力でブーツ部材17が折れ曲がらないようにできる。これにより、ブーツ部材17を柔軟に形成して、低級音の発生や外力入力による破損を抑えることが可能となる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
すなわち、実施例1では、前傾保持手段20として磁石21と鉄板22からなる手段を示したが、前傾保持手段20は、これに限定されるものではなく、ブーツ部材をシート下部に保持できるものであれば、例えば、面ファスナーなど他の手段を用いてもよい。
また、磁石21が磁着する磁着部材として、実施例1では鉄板22を示したが、これに限定されるものではなく、磁石21が磁着できるものであれば、他の金属や、磁石や、磁性を有した樹脂などを用いることができる。
また、実施例1では、前傾保持手段20は、磁石21をブーツ部材17に、鉄板22をシートSに設けたが、これとは逆に、鉄板22と同形状の磁石をシートに、鉄板などの磁着部材をブーツ部材に設けてもよい。
また、実施例1では、棒状の磁着部材の一例として長方形の鉄板22を示したが、この磁着部材の形状は、これに限らず、長方形以外の板状のものを用いてもよいし、あるいは、丸や多角形断面の棒状のものを用いてもよい。
また、実施例1では、シート側の前傾保持手段20としての鉄板22を、シートフィニッシャ3の裏側に設けた例を示したが、これに限定されず、例えば、シート表皮の側面や裏面に設けることもできる。
また、実施例1では、前傾保持手段20による保持時には、ブーツ部材17をシートフィニッシャ3に密着させるようにしたが、このような磁着力でブーツ部材を所定位置に保持させる場合、シート側に密着させずに、両者の間に空間を介在させた保持を行うようにしてもよい。
実施例1では、シートベルト装置を2ドアタイプの車両のシートに用いた例を示したが、本発明のシートベルト装置は、これ以外の車両に用いることもできる。
本発明の実施の形態の実施例1のシートSおよび実施例1のシートベルト装置の主要部を示す斜視図である。 前記実施例1のシートベルト装置の側面図である。 前記実施例1のシートベルト装置を装着した状態を示す側面図である。
符号の説明
3 シートフィニッシャ
11 ベルト
12 巻取機構
14 アウタアンカ
17 ブーツ部材
20 前傾保持手段
21 磁石
22 鉄板
C 適正領域
H 乗員
S シート

Claims (7)

  1. 乗員拘束用のベルトと、
    このベルトの基端側を巻き取る巻取機構と、
    前記ベルトの先端部が連結され、シート後方の車体下部に車両前後方向に回動可能に取り付けられたアウタアンカと、
    を備えたシートベルト装置において、
    前記アウタアンカに、ベルトの先端部分を包む形状で前記シート下部に届く長さのブーツ部材を設け、
    前記ブーツ部材とシート下部とに、乗員が前記ベルトを装着するのに伴って前記ブーツ部材がベルト装着時の位置である使用位置に回動したときに相互に係わり合ってこの使用位置に保持するとともに、前記相互の係わり合いを超える操作力で保持を解除する前傾保持手段を設けたことを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記前傾保持手段として、磁石とこの磁石が磁着する磁着部材とを有し、磁力により前記係わり合いを持つ手段を用い、
    前記磁石を前記ブーツ部材と前記シート下部の一方に設け、前記磁着部材を前記ブーツ部材と前記シート下部の他方に設けたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記磁石を、前記ブーツ部材の上端部に設け、
    前記磁着部材を、前記シート下部において、前記シートを車両前後方向にスライドさせても前記ブーツ部材上端部を前記ベルトが適正に装着できる位置に配置できる領域に設けたことを特徴とする請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記磁着部材を、棒状に形成するとともに、前記シートのシートクッションとシートバックとの境界近傍において、前上がりに傾けて配置したことを特徴とする請求項3に記載のシートベルト装置。
  5. 前記磁着部材を、鉄板としたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のシートベルト装置。
  6. 前記磁着部材を、前記シート下部を覆うシートフィニッシャの内部に設けたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のシートベルト装置。
  7. 前記ブーツ部材を樹脂により形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシートベルト装置。
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