JP4693698B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機には、多数の種類があるが、従来、所謂一般電役(普通電役)と言われるパチンコ遊技機が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
この一般電役と呼ばれるパチンコ遊技機では、複数の普通変動入賞装置(例えば、一般電動役物、普通電動役物、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれるが、以下、変動入賞装置と称する)が遊技盤に設けられている。各変動入賞装置は、遊技球が入賞できない第1状態(閉塞状態)と、遊技球が入賞し易い第2状態(開放状態)との間で変動可能となっている。
そして、このようなパチンコ遊技機においては、例えば、変動入賞装置が4つ設けられるとともに、各変動入賞装置に順位が付けられており、例えば、第1位(最上位)の変動入賞装置が2つ、第2位の変動入賞装置が1つ、第3位(最下位)の変動入賞装置が1つ設けられている。
また、2つの第1位の変動入賞装置を第1状態から第2状態に変動させる契機をそれぞれ付与する二つの始動口を有する。
また、各変動入賞装置は、少なくとものその一部が、例えば、パチンコ遊技機の遊技球が発射される遊技領域を形成する遊技盤の右側に偏って設けられており、所謂右打ちを行うことにより、第2状態となった変動入賞装置に遊技球を入賞させやすい状態となっている。
また、一方の始動口は、遊技盤の左右の中央に設けられ、他方の始動口は、遊技盤の中央より右よりに設けらており、通常の打ち方(遊技盤の中央や中央よりやや左よりを狙う打ち方)の場合に一方の始動口に遊技球が入賞(通過)しやすく、右打ちの場合に他方の始動口に遊技球が入賞(通過)しやすいように設定されていた。
また、各変動入賞装置は、閉塞状態から開放状態となった際に、所定時間の経過および所定個数の遊技球の入賞という二つの所定条件のうちの少なくとも一方の所定条件が成立した場合に、開放状態から閉塞状態に戻るようになっている。
また、最下位となる第3位の変動入賞装置を除く二つの始動口と、三つ(第1位及び第2位)の変動入賞装置は、それぞれ、遊技球が入賞することに基づいて、抽選を行い、抽選結果が当たりの場合に、対応する変動入賞装置を第1状態から第2状態に変動するようになっている。
例えば、一方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく抽選が当たりとなった場合に二つの第1位の変動入賞装置のうちの一方の第1位の変動入賞装置が開放する。また、他方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく抽選が当たりとなった場合に他方の第1位の変動入賞装置が開放する。また、二つの第1位の変動入賞装置の何れかに遊技球が入賞したことに基づく抽選で当たりとなった場合に、第2位の変動入賞装置が開放する。また、第2位の変動入賞装置に遊技球が入賞したことに基づく抽選で当たりとなった場合に、第3位の変動入賞装置が開放する。
また、2つの始動口への遊技球の入賞に基づく抽選の当選確率が低いもの(例えば、数十分の一〜数百分の一)であるのに対して、第1および第2位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づく抽選の当選確率は極めて高く(はずれとなる確率が数百分の一から数千分の1)となっている。したがって、始動口に遊技球が入賞しても第1位の変動入賞装置は開放しない場合がほとんどであるが、第1位の変動入賞装置が開放して遊技球が入賞すると、ほとんどの場合に、第2位および第3位の変動入賞装置が開放するようになっている。
また、始動口および第1位及び第2位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づく抽選において、既に前の遊技球の入賞に基づく抽選が行われている間は、次の抽選を行わないようになっているが、所定数(例えば、4個以下)に限って抽選を開始する契機(権利)を記憶(保留)するようになっている。
これにより、例えば、第1位の変動入賞装置が開放して遊技球が4個以上入賞することに基づいて、極めて高い確率で当選となる抽選の契機が4回付与され、通常、第2位の変動入賞装置が4回開放することになる。また、第2位の変動入賞装置が開放して遊技球が4個以上入賞することに基づいて、極めて高い確率で当選となる抽選の契機が4回付与され、通常、第3位の変動入賞装置が4回開放することになる。
ここで、上述のように保留数を4つとすると、第1位置の変動入賞装置の開放に基づいて4回開放する第2位の変動入賞装置が開放するたびに、第3位の変動入賞装置が4回開放することになり、第3の変動入賞装置は、第1位の変動入賞装置が1回開放状態となることに基づく一連の開閉動作として、最大16回開放する。これにより、遊技者に遊技球の入賞に基づく大量の賞球(遊技球)の獲得の機会を与えることができ、これらの第1位から第3位の変動入賞装置が順次開放すると共に、第2位および第3位の変動入賞装置が繰り返し開放する状態が大当たり状態となる。
また、通常の打ち方で、一方の始動口に遊技球を入賞(もしくは通過)させることに基づいて、大当たり状態となった後に右打ちすると、他方の始動口に遊技球が入賞することになり、この他方の始動口の入賞に基づいて大当たり状態が発生可能であり、大当たり状態が連続して発生する可能性がある。
特開2000−342818号公報 特開2001−79190号公報
ところで、上述のような普通電役のパチンコ遊技機では、複数回の大当たり状態が連続して発生する可能性はあるが、1回の大当たり状態は、例えば、上述のようなパチンコ遊技機では、第1位の変動入賞装置が1回、第2位の変動入賞装置が4回、第3位の変動入賞装置が16回開放することにより大当たり状態が終了する。なお、変動入賞装置が開放状態となってから閉塞状態とする際の閉塞条件となる遊技球の入賞個数や上述の保留数により、各変動入賞装置の最大開放回数は異なるものとなるが、同一機種では、各変動入賞装置が開放した際にその保留数以上の遊技球が入賞すれば、同一の開放回数となる。
したがって、同一の機種となるパチンコ遊技機においては、大当たり状態における各変動入賞装置の開放回数、各変動入賞装置の開放回数と閉塞条件とに基づく遊技球の入賞個数、遊技球の入賞個数に対応する賞球の払出数がほぼ同じとなり、大当たり状態は画一的なものとなる。
また、前記特許文献1では、設計段階での自由度を高めるようにしているが、製造された遊技機において、大当たり状態はやはり画一的となる。
前記特許文献2では、大当たり状態における変動入賞装置の開放の順番が変化するとともに、1回の大当たり状態における賞球数も変化することになるが、1回の大当たり状態における最大となる賞球数はほぼ一定であり、その範囲内での変化(1回の大当たり状態で獲得可能な賞球数が、最大より少なくなるだけの変化)となってしまい、大当たり状態を状況に応じて十分に変化させることは望めないものであった。
また、上述のように大当たり状態が画一的か、特許文献2に示されるように、大当たり状態に変化があるものとしても獲得可能な賞球数が最大となる場合よりも少なくなるように変化するだけなので、遊技者は、大当たり状態が連続するか否かに高い関心を示すことになる。したがって、上述のように大当たり状態中に右打ちをすることから、大当たり状態中に次の大当たり状態を連続して発生させるための抽選を開始することを可能とするために、通常の打ち方用の始動入賞口と、右打ち用の始動入賞口とを設けなければならなかった。
ここで、一般電役と呼ばれる遊技機では、上述のように通常のパチンコ遊技機よりも変動入賞装置が多いとともに、最下位の変動入賞装置を除いて、変動入賞装置が他の変動入賞装置の始動口としての機能を有し、始動口も多くなることから、変動入賞装置に付随するセンサや駆動源の配線等が煩雑になるが、上述のように始動入賞口が二つ必要になることも、これらの要因となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、複数の変動入賞装置が連動して順に開放する大当たり状態を発生する遊技機において、大当たり状態を画一的ではなく多彩なものとするとともに、構成を簡略化可能とすることを目的とする。
請求項1記載の発明は、遊技球が入賞できない第1状態と、遊技球が入賞し易い第2状態との間で変動するとともに、第2状態となった場合に所定条件の成立に基づいて第1状態に戻り、かつ、それぞれに第2状態への変動開始に係わる順位が付けられた複数の変動入賞装置と、
遊技球の流入に基づいて最上位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とするか否かを決定する抽選の契機を付与する始動口とを備え、
上位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づいて下位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とするとともに、少なくとも最下位の変動入賞装置が、それより上位の変動入賞装置への複数の遊技球の入賞および第1状態への復帰に基づき所定回数を限度とする回数に渡って第1状態から第2状態となる遊技機において、
第2状態となった最下位の変動入賞装置に遊技球が入賞したことを契機として、最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とする当たりか否かを決定する抽選を行う戻り抽選手段と、
前記戻り抽選手段により前記当たりか否かの抽選の結果が決定されてから、最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置への遊技球の入賞回数に対応する回数に渡って最下位の変動入賞装置が第1状態と第2状態との間で変動を開始してから終了するまでの期間に対応する表示猶予時間が経過した後に前記戻り抽選手段による前記抽選の結果を表示する戻り抽選結果表示手段と、
前記変動入賞装置の変動を制御する変動制御手段とを備え、
前記変動制御手段は、前記戻り抽選結果表示手段により当たりの前記抽選の結果が表示された際に、当該当たりの前記抽選結果に基づいて最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とすることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、従来のように最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置への遊技球の入賞回数に対応する回数に渡って最下位の変動入賞装置が第1状態(閉塞状態)と第2状態(開放状態)との間で変動を行ったところで大当たり状態が終了するとは限らず、最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づく戻り抽選手段による抽選が当たれば、再び、上位の変動入賞装置が開放状態となり、これに基づいて最下位の変動入賞装置も再び開放状態となる。
そして、最下位の変動入賞装置が再び開放状態となれば、再び戻り抽選手段による戻り抽選が行われることになり、戻り抽選手段による戻り抽選がはずれとなるまで、大当たり状態が継続することになる。したがって、戻り抽選手段の戻り抽選の結果に応じて、大当たり状態となる期間が大幅に異なり、大当たり状態中に遊技者が獲得する遊技球数も異なることになり、遊技者は、大当たり状態が発生すると(最上位の変動入賞装置が開放状態)となると、いつまで大当たり状態が継続するかに強い関心を示すことになる。
また、複数回開放状態となる最初の開放状態で最初に遊技球が入賞した際に、戻り抽選手段により戻り抽選処理が開始されると、その抽選結果は、複数回の開放状態が終了するまで表示されず、最下位の変動入賞装置の一連の開放の最後の開放が終了して最下位の変動入賞装置が閉じた後に戻り抽選の結果が表示され、この際に戻り抽選の結果が当たりならば、上位の変動入賞装置が開放されることになる。
したがって、上位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づいて最下位の変動入賞装置が開閉を繰り返している途中で、継続後の大当たりによる変動入賞装置の開放が行われないようにすることができ、継続前の大当たり状態と継続後の大当たり状態が同時進行しているような煩雑な状態もしくは継続前の大当たり状態を途中で終了して継続後の大当たり状態に移行してしまうような状態となるのを防止することができる。
また、最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づいて、抽選が行われ、再び、上位の変動入賞装置が開放することから、従来のように大当たり状態中に次の大当たりを発生させる抽選を行わなくとも、大当たり状態が続行するので、ゲーム性を考慮した場合に、従来の大当たり状態中の右打ち用の始動口を設ける必要は必ずしもない。したがって、右打ち用の始動口を設けない構成として遊技機の構成の簡略化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記戻り抽選手段が最下位の変動入賞装置に遊技球が入賞したことを契機として前記抽選により当たりか否かを決定してから前記抽選の結果が戻り抽選結果表示手段により表示されるまでの期間内における最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づく前記戻り抽選手段による前記抽選の契機を無効とする開始契機無効化手段を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、最下位の変動入賞装置がそれより上位の変動入賞装置への複数の遊技球の入賞に基づいて、複数回開放状態となるとともに、各開放状態で複数個の遊技球が入賞する可能性があるが、上述のように、最下位の変動入賞装置に最初に入賞した遊技球による戻り抽選の結果は、最下位の変動入賞装置の一連の開閉動作が終了するまで表示されず、かつ、この間に最下位の変動入賞装置に入賞した遊技球に基づく戻り抽選開始の契機が無効とされるので、大当たり状態中に1回だけ戻り抽選が行われる。
すなわち、最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置への複数回の遊技球の入賞に基づく一連の最下位の変動入賞装置の開放動作に対して、最初に遊技球が入賞した際に発生する戻り抽選の契機だけが有効とされ、他は無効とされる。したがって、1回の大当たり状態において、最下位の変動入賞装置に最初に入賞した遊技球のみが大当たり状態を継続するか否かの戻り抽選の契機となり、それ以降の最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞は、大当たり状態継続の抽選(戻り抽選)の契機とはならない。
これにより、最下位の変動入賞装置が複数回開放されて多くの遊技球が入賞するものとしても、最初の入賞でしか抽選が行われないので、遊技内容や遊技の制御処理が煩雑になるのを防止することができ、遊技者にわかりやすい状態で遊技を行うことができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記戻り抽選結果表示手段は、抽選結果を表示する段階で、前記戻り抽選手段による前記抽選の結果が最下位より上位の変動入賞装置を第2状態とすることがないはずれで、かつ、前記始動口への遊技球の流入に基づく抽選が行われ、かつ、行われた抽選の結果が最上位の変動入賞装置を第2状態とする当たりとなっている場合に、前記戻り抽選手段の前記抽選によるはずれの抽選結果の表示を中止することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞を契機として行われる抽選にはずれとなることにより、大当たり状態が終了する際に、始動口への遊技球の入賞に基づいて新たな大当たり状態が発生することが決定されている場合に、最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞を契機として行われたはずれの抽選結果が表示されず、次の大当たり状態が発生することになる。
この場合に、最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞を契機とする抽選のはずれの抽選結果は大当たり状態の終了を示すものとなり、はずれの抽選結果が表示されると、遊技者が一時的に遊技球の発射を停止したり、休憩や遊技終了のために遊技球の発射を止めたりする可能性があるが、上述の状況では直ぐに次の大当たりが発生することになる。
そして、次の大当たりが発生して、最上位の変動入賞装置が開放している間に最上位の変動入賞装置にできるだけ多くの遊技球を入賞させないと、下位の変動入賞装置が開放しなかったり、開放回数が減ってしまったりする可能性がある。すなわち、遊技球の発射を停止していた遊技者が大当たり状態の発生に基づいて直ぐに遊技球の発射を開始できないと、遊技球の獲得の機会を逃してしまうことになる。
そこで、上述のように次の大当たり状態が発生する場合には、大当たり状態の終了を意味する戻り抽選のはずれの表示を行わないことで、一時的に開放している変動入賞装置がなくなっても、大当たり状態の継続がなくなることを示す戻り抽選のはずれの結果表示がないことから、次に直ぐ変動入賞装置が開放すると遊技者に思わせることができ、大当たり状態の終了後に直ぐに大当たり状態が発生しても、遊技者をあわてさせたり、遊技球の獲得の機会を逃させたりすることがないようにできる。また、遊技者が大当たり状態の終了から次の大当たり状態の発生まで遊技球を発射した状態に保持する可能性を高めることができ、遊技機において遊技球の発射が停止されることによる遊技機の稼働率の低下を防止し、遊技店における遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
本発明の遊技機によれば、複数の変動入賞装置が順番に開放することにより遊技者に大量の遊技球を獲得可能とする大当たり状態を発生させる場合に、大当たり状態を多彩なものとするとともに、遊技機の構成を簡略化することができる。
以下、図面を参照して、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技媒体(例えば、遊技球やメダル等)の供給に基づいて遊技者に遊技を行わせる遊技機(例えば、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機)の構成及び動作について説明する。
パチンコ遊技機は、所謂一般電役と呼ばれる種類のパチンコ遊技機としての基本的な構成を有するもので、周知のパチンコ遊技機と同様に矩形枠状で島設備に取り付けられる機枠(図示略)と、機枠に扉状に開閉自在に取り付けられ、図1に示す遊技盤1が収容されて取り付けられる前面枠(図示略)と、前面枠の前側に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス枠(図示略)とを備えている。
図1に示すように、遊技盤1の前面のガイドレール2等で囲まれた部分に遊技球が発射されて流下する遊技領域3が形成されている。
遊技盤1の盤面の遊技領域3内には、その中央部の僅かに上側に可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4は、例えば、液晶表示装置からなるもので、後述の主制御装置31(遊技制御装置)で行われる第1段抽選処理の当たり・はずれの抽選結果を演出表示するものであるが、抽選結果の演出表示に際し変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの当たりはずれによって上述の抽選結果を表示するようになっている。
すなわち、可変表示装置4は、装飾図柄による変動表示ゲームを表示するものである。また、主制御装置31の制御下で表示制御手段としての後述のサブ制御装置(図柄制御装置61)の制御により可変表示装置4に変動表示ゲームを表示するようになっている。
変動表示ゲームは、基本的に周知のもので、例えば、数字等の複数の装飾図柄(識別情報)を複数の表示領域でそれぞれ切り換えるように変動表示し、予め抽選で決定された変動パターンにおける変動表示時間が経過した際に、変動表示を終了して、ぞれぞれの表示領域に一つずつの装飾図柄を停止表示し、停止表示された装飾図柄の組み合わせが特別の組み合わせ(例えば、全て同じ種類(ゾロ目)の図柄が表示された状態)となった場合に当たりとして後述の大当たり状態を発生させるものである。なお、可変表示装置4は液晶表示装置に限られるものではなく、周知の各種表示装置を用いることができる。なお、装飾図柄には、各種キャラクタ(独自のキャラクタや、既存のアニメ、タレント等のキャラクタ)が含まれる場合が多く、キャラ図とも称する。
また、可変表示装置4においては、上述の変動表示ゲームの表示において単に装飾図柄を順次切り換えて表示するだけではなく、様々な演出的な表示が行われ、装飾図柄に関係するキャラクタやその他キャラクタのアニメーション表示等も行われる。また、可変表示装置4においては、後述の第1段抽選処理の抽選結果が当たりとなった場合、すなわち変動表示ゲームが当たりとなった場合に、当たりとなる可能性が高い後述の第2段抽選処理、第3弾抽選処理に関する演出表示を行うようにしてもよい。また、後述の戻り抽選処理にの抽選結果を報知する演出表示を行うようになっている。
また、可変表示装置4は、その周囲を遊技球の流入を防止する周囲壁5で囲まれている。また、周囲壁5の底部となる部分には、遊技球がその下側から跳ねて流入可能で、流入した遊技球の一部を後述の始動口12及び開放状態となった後述の第3変動入賞装置19および第4変動入賞装置20に誘導するステージ6が形成されている。また、周囲壁5には、例えば、その側部の外側から内側に遊技球を流入させ、ステージ6上に導出させる遊技球誘導手段7を備え、周囲壁5の周囲を流下する遊技球の一部をステージ6上に誘導するようになっている。
また、可変表示装置4の上下の左右には、それそれ保留球数表示器を兼用する第1〜第4可変表示器8,9,10,11が設けられている。そして、可変表示装置4の左右の中央の真下には、始動口12が設けられている。また、可変表示装置4の右側には、第1入賞口13が設けられ、可変表示装置4の左側斜め下方には、第2〜第4入賞口14,15,16が設けられている。
また、可変表示装置4の右側斜め下方には、第1変動入賞装置17が設けられ、第1変動入賞装置17の左斜め下方に第2変動入賞装置18が設けられ、第2変動入賞装置18の左斜め下方で、始動口12の真下となる位置に第3変動入賞装置19が設けられ、第3変動入賞装置19の真下に第4変動入賞装置20が設けられている。
第1〜第3変動入賞装置17〜19は、所謂電動チューリップ(電チュー)としての構成を有し、入賞口の部分に左右二つの可動片21,21を備えるもので、これら可動片21,21が遊技球が入賞口に入賞できない第1状態(閉塞状態)と遊技球が入賞口に入賞しやすい第2状態(開放状)との間で変動するようになっている。
なお、可動片21,21は、第1状態において、その間隔が遊技球の直径より僅かに広いものとして、第1〜第3変動入賞装置17〜19内に遊技球が流入(入賞)可能なものとなっているが、可動片21,21同士の間の上方には、後述の遊技釘22,…もしくは図示しない遊技釘が配置され、可動片21,21同士の間に遊技球が流入可能な間隔が開いていても、第1状態では遊技球が入賞できない状態となっている。
また、第1〜第3変動入賞装置17〜19が第2状態となった場合には、可動片21,21が左右に開くとともに、可動片21,21の上面がそれぞれ中央に向かって下り傾斜となることにより、第1〜第3変動入賞装置17〜19が遊技球を補足可能な左右範囲が広くなり、単に遊技球の流入口がある状態より遊技球が流入し易い状態となっている。
また、第4変動入賞装置20は、所謂アタッカーとしての構成を有するもので、左右に長い矩形状の入賞口を下辺に沿った回転軸回りに回転することで開閉する可動扉23を有するものとなっており、可動扉23が閉じて遊技球が入賞できない第1状態(閉塞状態)と、可動扉23が下辺を中心として前に倒れ込むように開いて遊技球が入賞し易い第2状態(開放状態)との間で変動するようになっている。
遊技領域3の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外部に排出するアウト口24が形成されている。
また、遊技盤1の盤面には、始動口12、各入賞口13〜16、各変動入賞装置17〜20への遊技球の入賞率等の調整のために遊技盤1上の遊技領域を流下する遊技球を誘導するように接触した遊技球の流下方向を変換する遊技球流下方向変換部材としての上記遊技釘22(一部だけ図示)や図示しない風車等が設けられている。
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を図2に示されるブロック図を参照して説明する。
パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部30と、副制御部60と、これら主制御部30および副制御部60に電力を供給する電源供給装置90とから構成されている。
主制御部30には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置31が備えられ、主制御装置31には、プログラムを実行するCPU32、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM33や、プログラムに基づいて発生したデータやROM33から読み出した各種データ等を記憶するRAM34や同期信号やタイマによる時間の計測等のための周波数発生回路部35等が備えられている。
主制御装置31(CPU32)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能となっており、始動口12に遊技球が入賞したことを検知する始動口入賞球検知センサ38と、第1入賞口13〜第4入賞口16にそれぞれ遊技球が入賞したことを検知する第1入賞球検知センサ39〜第4入賞球検知センサ42と、第1変動入賞装置17〜第4変動入賞装置20にそれぞれ遊技球が入賞したことを検知する第1変動入賞球検知センサ43〜第4変動入賞球検知センサ46とが接続されている。
さらに、主制御装置31には、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置56から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ47、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ48等が接続されている。
また、主制御装置31は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置31には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置50が主制御装置31からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置31には、サブ制御装置としての払出制御装置51、図柄制御装置61、ランプ制御装置71、音声制御装置81が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能に接続されている。
なお、ここで、払出制御装置51は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部30に含まれるものとし、主に遊技の演出に係わる図柄制御装置61、ランプ制御装置71、音声制御装置81は副制御部60に含まれるものとなっている。
また、主制御装置31には、上述の第1変動入賞装置17〜第3変動入賞装置19にそれぞれ設けられた二枚ずつの可動片21,21を駆動する第1変動ソレノイド52〜第3変動ソレノイド54が接続され、かつ、第4変動入賞装置20に設けられた可動扉23を駆動する第4変動ソレノイド55が接続されている。そして、これら第1変動ソレノイド52〜第4変動ソレノイド55を主制御装置31が制御することで、主制御装置31は、第1変動入賞装置17〜第4変動入賞装置20の第1状態(閉塞状態)と第2状態(開放状態)との間の変動を制御する。
また、主制御装置31の出力側に接続され、主制御部30の一部となる払出制御装置51には、払出制御装置51により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置56が接続されるとともに、プリペードカード57のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット58が球貸信号制御装置59を介して接続されている。そして、払出制御装置51は、主制御装置31から賞球数を示す賞球信号に基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット58から球貸信号制御装置59を介して入力されて貸球数を示す球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
また、主制御部30には、主制御装置31と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域3に発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置301を制御する発射制御装置302が設けられ、発射制御装置302には、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル303および発射停止釦304が接続されている。そして、回転式操作ハンドル303を操作することにより発射制御装置302に入力する信号に基づいて、発射制御装置302が発射駆動装置301を動作させることで、打球発射装置により遊技盤1上の遊技領域3に遊技球を発射するようになっている。
また、副制御部60の図柄制御装置61は、可変表示装置4を制御するものであり、可変表示装置4はビデオディスプレイプロセッサ62を介して接続されている。なお、可変表示装置4では、少なくとも、主制御装置31で行われる後述の第1段抽選処理に基づく装飾図柄の変動表示ゲームを表示するとともに、主制御装置31で行われる戻り抽選処理の当たり・はずれの結果を報知するための表示が行われる。
また、図柄制御装置61は、CPU、RAM、ROM等を備え、さらにROMには、可変表示装置4の表示に使用される各種表示データおよび変動表示パターンを記憶するROMが含まれており、第1段抽選処理に対応する変動表示ゲームで表示される表示データや戻り抽選処理の抽選結果を報知する表示データが記憶されている。
ここで、主制御装置31からは、第1段抽選処理に基づく装飾図柄の変動表示ゲームを表示するために、少なくとも、第1段抽選処理の開始、すなわち、装飾図柄の変動表示ゲーム開始を示すコマンドと、変動表示ゲームの基本変動パターンとしての変動表示時間を示すコマンドと、前記変動表示ゲームの当たり・はずれ、すなわち、第1段抽選処理の抽選結果としての当たり・はずれを示すコマンドと、第1段抽選処理における抽選結果の確定、すなわち、変動表示ゲームの終了を示すコマンドとが図柄制御装置61に送信される。これらのコマンドに基づいて、図柄制御装置61が可変表示装置4における変動表示ゲームの開始、変動表示ゲームの当たり・もしくははずれの結果の表示、変動表示ゲームの終了を制御する。なお、変動表示パターンとしての変動表示時間は、抽選結果の当たり、はずれに基づいて決定される。また、主制御装置31および図柄制御装置61においては、変動表示時間を計測するタイマ処理が行われるが、このタイマ処理においては、第1〜第4変動入賞装置17〜20が第1状態から第2状態に変動してから第1状態に復帰するまでの開閉変動処理期間だけタイマの進行が停止されるようになっている。
また、主制御装置31からは、戻り抽選処理の抽選結果の報知表示の開始を示すコマンド、前記報知表示で報知される戻り抽選処理の抽選結果を示すコマンド、戻り抽選処理の終了を示すコマンドとが図柄制御装置61に送信される。これらのコマンドに基づいて、図柄制御装置61が可変表示装置4における戻り抽選処理の抽選結果を報知するための表示が行われる。なお、変動表示ゲームも戻り抽選処理の抽選結果の報知も行われていない状態では、例えば、客待ち状態におけるデモンストレーション表示が行われる。
なお、主制御装置31では、始動口12に遊技球が入賞することに基づいて行われる第1段抽選処理の抽選結果が当たりとなって当たり状態が発生することにより、第1〜第4変動入賞装置17〜20が順次第1状態から第2状態に変動して第1状態に復帰している場合も、始動口12への遊技球の入賞に基づく第1段抽選処理を完全に停止することはなく、何れかの変動入賞装置が開閉してから次に何れかの変動入賞装置が開放するまでの間、第1〜第4変動入賞装置17〜20が全て第1状態となっている間に第1段抽選処理を進行させるようになっているとともに、可変表示装置4では第1段抽選処理の抽選結果を表示するための第1変動表示ゲームが、大当たり状態でも表示されている(始動口12のへの遊技球の入賞がなく第1変動表示ゲームが開始されない場合を除く)。
したがって、可変表示装置4において、戻り抽選処理の抽選結果を報知する演出表示を行う場合も、並行して第1変動表示ゲームが表示される。
副制御部60のランプ制御装置71は、主制御装置31で行われる四つの抽選処理(第1段抽選処理、第2段抽選処理、第3段抽選処理、戻り抽選処理)に対応する可変表示ゲームを行うための四つの第1〜第4可変表示器8〜11を制御するものである。主制御装置31からは、各変動表示ゲームの開始(変動表示開始)を示すコマンド、変動表示ゲームの結果、すなわち、抽選処理により決定される当たり・はずれの結果を示すコマンド、変動表示ゲームの終了(変動表示終了)を示すコマンドがLED制御装置71に入力される。
そして、LED制御装置71は、これらのコマンドに基づいて第1〜第4可変表示器8〜11に変動表示ゲームを行っていない状態の客待ち表示、変動表示ゲームにおける変動表示、変動表示ゲームの結果の報知表示を行う。
また、第1可変表示器8、第2可変表示器9、第3可変表示器10では、それぞれ、後述の第1〜第3保留球数の報知も行うようになっており、主制御装置31からLED制御装置71に後述の第1〜第3保留球数を示すコマンドが入力され、それに基づいてLED制御装置71が第1〜第3可変表示器8〜10の当たり、はずれを示すLED以外のLEDの点灯・消灯や発光色の変更により第1〜第3保留球数を表示する。
また、LED制御装置71は、遊技盤1に取り付けられた装飾用のLED(電飾)である盤面関係の電飾76と、図示しないガラス枠や前面枠等に取り付けられた装飾用のLED(電飾)である枠扉関係の電飾77の点灯・消灯の制御を行う。
音声制御装置81には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置82が接続されており、音声制御装置81は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
この遊技機における主制御装置31の主な制御は、各入賞球検知センサ(38〜46)からの遊技球入賞を示す信号の入力対応して、払出制御装置51に払出す遊技球数(賞球数)を示すコマンドを出力して上述のように遊技球を払出すことと、始動口入賞球検知センサ38および第1変動入賞球検知センサ43〜第4変動入賞球検知センサ46からの遊技球入賞を示す信号の入力のそれぞれに対応して、後述の第1〜第3段抽選処理および戻り抽選処理を開始し、これら抽選処理が当たりとなった場合に、第1〜第3段抽選処理および戻り抽選処理のそれぞれに対応する第1変動入賞装置17〜第4変動入賞装置20を開放状態とするとともに、開放状態となった変動入賞装置17〜20についての後述の閉塞条件が成立した場合に閉塞状態とする開閉変動処理を行うことである。
以上のような遊技機における遊技内容およびこの遊技内容を実現するための制御処理を説明する。
主制御装置31は、常時、上述の入賞球検知センサ38〜46からの入賞球の検知信号(入賞信号)の入力を監視する入賞球検知処理を行っており、遊技盤1上の遊技領域3内に遊技球を発射し、遊技領域3内を流下する遊技球が始動口12、第1〜第4入賞口13〜16、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれかに入賞して、それぞれに対応する入賞球検知センサ38〜46から入賞信号が入力した場合に、例えば、始動口12への遊技球の入賞に対して3個、第1〜第4入賞口13〜16への遊技球の入賞に対して10個、第1及び第2変動入賞装置17,18への遊技球の入賞に対して14個、第3および第4変動入賞装置19,20への遊技球の入賞に対して15個の遊技球を払出すように、賞球数を示すコマンドとしての賞球信号を払出制御装置51に出力する。
また、主制御装置31では、上述の入賞球検知処理における始動口入賞球検知センサ38、第1〜第4変動入賞球検知センサ43〜46からの入賞信号に基づく、第1抽選開始処理、第2抽選開始処理、第3抽選開始処理、戻り抽選開始処理が行われる。
第1抽選開始処理は、始動口入賞球検知センサ38からの入賞信号があった場合に、第1変動入賞装置17を第2状態に変動するか否かを抽選で決定する第1段抽選処理の開始の契機を付与する処理であり、前記入賞信号が入力するたびに主制御装置31のRAM34の第1保留球数の記憶領域の値を上限数(例えば4)までの範囲でカウントアップする処理を行う。そして、この第1保留球数が1以上ならば第1段抽選処理の開始の契機が付与されたことになる。
第2抽選開始処理は、第1変動入賞球検知センサ43もしくは第2変動入賞球検知センサ44からの入賞信号があった場合に、第3変動入賞装置19を開放するか否かを抽選により決定する第2段抽選処理の開始の契機を付与する処理であり、前記入賞信号が入力するたびに主制御装置31のRAM34の第2保留球数の記憶領域の値を上限数(例えば1)までの範囲でカウントアップする処理を行う。そして、この第2保留球数が1以上ならば第2段抽選処理の開始の契機が付与されたことになる。
第3抽選開始処理は、第3変動入賞球検知センサ43からの入賞信号があった場合に、第4変動入賞装置19を開放するか否かを抽選により決定する第3段抽選処理の開始の契機を付与する処理であり、前記入賞信号が入力するたびに主制御装置31のRAM34の第3保留球数の記憶領域の値を上限数(例えば4)までの範囲でカウントアップする処理を行う。そして、この第3保留球数が1以上ならば第3段抽選処理の開始の契機が付与されたことになる。
戻り抽選開始処理は、第4変動入賞球検知センサ43からの入賞信号があった場合に、第2変動入賞装置18を開放するか否かを抽選により決定する戻り抽選処理の開始の契機を付与する処理であり、前記入賞信号が入力した際に戻り抽選フラグをセットするものである。なお、戻り抽選フラグがセットされた後に、リセットされるまで再セットされない。そして、戻り抽選フラグがセットされていれば、戻り抽選処理の開始の契機が付与されたことになる。
なお、第1段〜第3段抽選処理および戻り抽選処理それぞれの開始条件の1つは、上述の第1〜第3保留球数がそれぞれ1以上であるかもしくは戻り抽選フラグセットされているかであるが、その他にも開始条件があり、開始条件の二つ目は、第1段抽選処理においては、第1段抽選処理中でないこと(既に第1段抽選処理が開始されている場合に、開始された第1段抽選処理が終了していること)、同様に第2段抽選処理においては、第2段抽選処理中でないこと、同様に第3段抽選処理においては、第3段抽選処理中でないこと、戻り抽選処理においては戻り抽選処理中でないことである。
開始条件の3つ目は、第1段〜第3段抽選処理及び戻り抽選処理全てに共通で、第1〜第4変動入賞装置17〜18のいずれかが開閉変動処理中(第2状態)でないことである。
これら三つの開始条件が全て成立している場合に、第1段〜第3段抽選処理および戻り抽選処理が開始される。
なお、通常の状態(第1段抽選処理の抽選結果が当たりとなって第1変動入賞装置17が開放されて後述の大当たり状態が発生していない状態)では、第1〜第4変動入賞装置17〜20は、全て遊技球が入賞できない第1状態となっている。
したがって、通常の状態において、第1〜第4変動入賞装置17〜20が遊技球の入賞できない第1状態となっていることから、第2抽選開始処理、第3抽選開始処理、戻り抽選開始処理は、第1および第2変動入賞球検知センサ43,44からの入賞信号、第3変動入賞球検知センサ45からの入賞信号、第4変動入賞球検知センサ46からの入賞信号が入力されることがなく、実質的に処理が行われない状態となっている。
なお、ガラス枠を開放して第1〜第4変動入賞装置17〜20を手で開放して遊技球を入賞させた場合や、第1〜第4変動入賞装置17〜20が前に開放して閉塞した際に、可動片21や可動扉23に遊技球が挟まれた状態となり、これら落下して入賞してしまった場合には、通常の状態でも第2抽選開始処理、第3抽選開始処理、戻り抽選開始処理が行われる。なお、大当たり状態でない場合に、第1〜第4入賞球検知センサ43〜46〜入賞信号が入力した場合にエラーとし、第2抽選開始処理、第3抽選開始処理、戻り抽選開始処理を行わないものとしてもよい。
そして、遊技開始時等のように通常の状態においては、第1〜第3抽選開始処理および戻り抽選開始処理のうち、基本的に第1抽選開始処理だけが行われる。
第1抽選開始処理では、始動口12に遊技球が入賞して始動口入賞球検知センサ38からの信号の入力が有るか否かを判定し、前記信号の入力がなければ、前記信号の入力を待機する状態となる。この待機状態では、第1段抽選処理に対応する変動表示ゲームを表示する可変表示装置4および第1可変表示器8が客待ち状態となり、可変表示装置4には、客待ち状態として遊技機をデモンストレーションするためのデモンストレーション画像が表示されるように制御される。
第1可変表示器8でも、例えば、各LEDをゆっくり点滅させる客待ち状態表示が行われるように制御される。また、この状態では、上述のように第2抽選開始処理、第3抽選開始処理、戻り抽選開始処理も待機状態となり、第2段抽選処理、第3段抽選処理、戻り抽選処理に対応する変動表示ゲームを表示する第2〜第4可変表示器9〜11も第1可変表示器8と同様の客待ち状態の表示が行われる。
なお、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれか1つが第2状態に変動すると、第1状態に復帰するまで(開閉変動処理中)、第1段〜第3段抽選処理および戻り抽選処理が停止することになるが、各抽選処理(変動表示ゲーム)の開始の契機となる入賞信号の入力の検知および各抽選開始処理は、各抽選処理とは別に行われており、各抽選開始処理における、例えば、各保留球数のカウントアップや、戻り抽選フラグのセット等は、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれかの開閉変動処理中も行われる。なお、保留球数のカウントダウンおよび戻り抽選フラグのリセット等は、第1〜第3段抽選処理や戻り抽選処理での処理となり、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれかの開閉変動処理中は行われない。
そして、第1抽選開始処理では、始動口入賞球検知センサ38から入賞信号が入力すると、始動口12への遊技球の入賞に基づく第1段抽選処理を行う契機(始動権利)となる第1保留球数(入賞回数)が1カウントアップされる。
また、始動口12に遊技球が入賞することに基づいて行われる第1段抽選処理は、当たりはずれを決定し、当たりとなった場合には、第1変動入賞装置17を第1状態から第2状態に変動させて開放状態とするためのものである。
また、始動口12に対して第1保留球数を上限数(例えば4個)まで記憶可能となっており、始動口12に遊技球が入賞する度に、第1保留球数が上限数より小さければ第1保留球数を1カウントアップする。また、第1段抽選処理が開始される度に第1段抽選処理で第1保留球数を1カウントダウンする。
また、第1段抽選処理が終了するまで、次の第1段抽選処理は開始されず、第1段抽選処理が終了し、かつ、第1保留球数が1以上の場合に次の第1段抽選処理が開始される。なお、後述するように第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれかに対して開閉変動処理が行われている間は、行われている第1段抽選処理を中断する。この場合に、第1段抽選処理の開始も中断状態となるので、上述のように前記開閉変動処理中に実質的に第1段中断処理が開始されることもない。
そして、第1段抽選処理は、上述のように第1段抽選処理が行われておらず、第1保留球数が1以上で、いずれの変動入賞装置も開閉変動処理中でない場合に開始される。なお、第1段抽選処理が当たりとなって終了すると、第1変動入賞装置17に対して前記第1開閉変動処理が行われることになり、第1段抽選処理が終了していても第1段抽選処理が開始されない。
すなわち、第1段抽選処理がはずれの抽選結果となって終了すると、第1保留球数が1以上ならば直ぐに次の第1段抽選処理が開始されるが、第1段抽選処理が当たりの抽選結果となって終了した場合には、当たりの抽選結果に対応して第1変動入賞装置17に対する第1開閉変動処理が終了するまで第1段抽選処理は開始されない。したがって、次の第1段抽選処理は、当たりの抽選結果に対応して第1変動入賞装置17が第2状態となってから第1状態に復帰した際に、第1保留球数が1以上ならば開始されることになる。
また、始動口12に遊技球が入賞した場合には、第1保留球数をカウントアップするとともに、抽選用の(擬似)乱数を取得する。この乱数は、例えば、1秒より極めて短い時間間隔毎に、0〜所定上限数までの範囲で数値を1カウントアップして更新記憶する(上限数に達したら0に更新記憶する)処理を行うとともに、始動口12(他の抽選処理では、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれか)に遊技球が入賞した場合に、上述のように更新記憶されている数値を取得して乱数として記憶する。
また、第1段抽選処理では、予め、0〜所定上限数までの範囲の数値のうち当たりとして設定されている数値が登録された判定テーブルと上述ように取得されて記憶された乱数とを比較し、取得された乱数と同じ数値が判定テーブルに登録されている場合に当たりとなり、乱数と同じ数値が登録されていない場合にはずれとなる。
第1抽選処理において当たりとなる当選確率は、例えば、1/399とされている。
また、第1段抽選処理では、上述の抽選を行う処理だけではなく、第1可変表示器8における変動表示の制御処理が行われる。まず、第1段抽選処理開始でLED制御装置71に第1変動表示ゲーム開始のコマンドが出力されることにより、LED制御装置71の制御により第1可変表示器8において変動表示が開始される。変動表示は、複数のLED(ランプ)の早い点滅により行われる。なお、第1可変表示器8で変動表示が開始されていない状態では、上述の客待ち表示として、変動表示中よりも点滅間隔が長い状態で明らかに変動中の表示と区別できるように複数のLEDが点滅する。
また、抽選等により複数の変動表示パターン(変動表示時間)から選択された表示パターン(変動表示時間)により、変動表示を行う。なお、少なくともはずれと当たりとリーチはずれ(例えば、当たりとなる図柄の組み合わせが全て同じ種類の図柄である場合に、1つだけ図柄が異なる組み合わせがリーチはずれとなる)の変動表示パターンがあり、基本的に当たりの変動表示時間は、後述のトータルのインターバル時間以上の当たり変動表示時間とされ、はずれの変動表示時間はそれより短いはずれ変動表示時間とされ、リーチはずれの場合には、当たり変動表示時間かはずれ変動表示時間のいずれかとされる。
ここで、この例では、第1段抽選処理で当たりとなると、図3のフローチャートに示すように第1変動入賞装置17が1回だけ開放して(ステップS1)遊技球が入賞することにより、第2段抽選処理が開始され、第2段抽選処理が後述のように極めて高い確率で当たりとなって第3変動入賞装置19が1回だけ開放して(ステップS2)遊技球が入賞することにより、第3段抽選処理が開始され、第3段抽選処理が後述のように極めて高い確率で当たりとなって第4変動入賞装置20が4回開閉を繰り返す(ステップS3)ことになる。
さらに、第4変動入賞装置20が開放して遊技球が入賞した場合に戻り抽選処理が開始され、戻り抽選処理が比較的高い確率で当たり(ステップS4)となって第4変動入賞装置20が4回開閉した後に第2変動入賞装置18が1回だけ開放する(ステップS5)ようになっている。
そして、第2変動入賞装置18に遊技球が入賞すると前記第2段抽選処理が開始され、第2段抽選処理、第3段抽選処理、戻り抽選処理のいずれかではずれが決定されない限り、第2変動入賞装置18が1回開放、第3変動入賞装置19が1回開放、第4変動入賞装置20が4回開放を繰り返すことになる。なお、通常は最も当たり確率が低い戻り抽選処理ではずれとなって、第1〜第4変動入賞装置17〜20の全ての開閉変動処理が終了する。
このように第1段抽選処理が当たりとなって第1変動入賞装置17(2回目以降は第2変動入賞装置18)、第3変動入賞装置19、第4変動入賞装置20が順次開放する状態が大当たり状態となる。
このことから第1〜第4変動入賞装置17〜20には(第1状態から第2状態への)変動開始に係わる順位が付けられた状態となっており、第1変動入賞装置17の順位が最初に変動する第1位(最上位)であり、第3変動入賞装置19の順位が2番目に変動する第2位であり、第4変動入賞装置20の順位が3番目に変動する第3位(最下位)である。また、第2変動入賞装置18の順位は、第3位の変動入賞装置20が開放した後に開放することから第3位よりさらに下の第4位ということもできるが、第2変動入賞装置18が開放した後に、第1変動入賞装置17が開放した場合と同様に第3変動入賞装置19、第4変動入賞装置20が開放することから、第1変動入賞装置17と同じ順位となる第1位(最上位)である。
したがって、この例のパチンコ遊技機は、遊技球が入賞できない第1状態と、遊技球が入賞し易い第2状態との間で変動するとともに、第2状態となった場合に所定条件の成立に基づいて第1状態に戻り、かつ、それぞれに第2状態への変動開始に係わる順位が付けられた複数の変動入賞装置17〜20を備えるものである。
また、始動口入賞球検知センサ38を備える始動口12は、遊技球の流入に基づいて最上位の第1変動入賞装置17を第1状態から第2状態とするか否かを決定する第1抽選処理の開始の契機を付与するものとなる。
また、上位の第1〜第3変動入賞装置17〜19への遊技球の入賞に基づいて下位の第3および第4変動入賞装置19,20を第1状態から第2状態とするとともに、少なくとも最下位の第4変動入賞装置20が、それより上位の第1〜第3変動入賞装置17〜19への複数の遊技球の入賞および第1状態への復帰に基づき所定回数を限度として複数回に渡って第1状態から第2状態となることになる。
なお、実際には、上位の第1〜第3変動入賞装置17〜19への遊技球の入賞に基づいて下位の第3および第4変動入賞装置19,20を第1状態から第2状態とする際に、上述の抽選が行われ、はずれた場合には、下位の第3および第4変動入賞装置19,20を第1状態から第2状態とすることはないが、抽選での当たりとなる確率が極めて高く、実質的には、上位の第1〜第3変動入賞装置17〜19に遊技球が入賞すると下位の第3および第4変動入賞装置19,20が第2状態に変動する。
また、この例では、第1変動入賞装置17(2回目以降は第2変動入賞装置18)、第3変動入賞装置19、第4変動入賞装置20が順次開放する状態が大当たり状態の1サイクルとなり、開放した第4変動入賞装置20への遊技球の入賞に基づく戻り抽選処理で当たりとなる度に大当たり状態が1サイクルずつ延長されるようになっている(なお、極めて高い確率で当たりとなる第2段抽選処理および第3段終戦処理ではずれないものと仮定した場合)。
そして、後述のように第2段抽選処理における第2変動表示時間が1秒、第3段抽選処理における第3変動表示時間が2秒とされている。これにより、第1変動入賞装置17が開放した後に閉塞してから第1変動入賞装置への遊技球の入賞により開始される第2変動表示が1秒後に極めて高い確率で当たりとなって終了して第3変動入賞装置19が開放し、第3変動入賞装置19が開放した後に閉塞してから第3変動入賞装置19への遊技球の入賞により開始される第3変動表示が2秒後に極めて高い確率で当たりとなって終了して第4変動入賞装置20が開放する。
また、第4変動入賞装置20が開放した後に閉塞してから再び開始される第3変動表示が2秒後に極めて高い確率で当たりとなって再び第4変動入賞装置20が開放され、この動作がトータルで第4変動入賞装置20が4回開放するまで行われる。
この際の第1変動入賞装置17が開放してから第4変動入賞装置20の4回目の開放が行われるまでの、第1〜第4変動入賞装置17の各開閉変動処理同士の間となる時間(開放インターバル時間)の総計(積算値)が9秒となる。
この場合に、第1〜第4変動入賞装置17のいずれかに対して開放変動処理が行われている間は、主制御装置31の処理において、第1変動表示時間のタイムカウントが中断される(第2変動表示時、第3変動表示時間、戻り変動表示時間も同様)ので、例えば、第1変動表示時間として9秒より多い10秒が設定されていれば、先に行われた第1段抽選処理の結果が当たりとなって第1段抽選処理(第1変動表示ゲーム)が終了した後に、次の第1段抽選処理(第1変動表示ゲーム)が開始されても、先の第1段抽選処理の当たり結果に基づく大当たり状態の少なくとも上述の1サイクル分が終了するまで次の第1段抽選処理が終了することがなく、大当たり状態の上述の1サイクル分が終了した後に、次の第1段抽選処理の結果が当たりとなれば、第1変動入賞装置17が開放することになる。
また、後述の戻り抽選処理においても、同様に9秒以上の戻り変動表示時間が設定されることで、大当たり状態の1サイクル分が終了する前に、第2変動入賞装置18が開放してしまうのを防止している。
また、第1段抽選処理においては、抽選結果が当たりの場合の変動表示時間は、例えば9秒より長い16秒とされるが、大当たり状態中も当たりとなる第1変動表示ゲームでなければ第1変動表示ゲームが少なくとも2回以上(複数回)行えるように、例えば、2秒から4秒程度とされることが好ましい。
なお、大当たり状態中も第1可変表示器8では、第1変動表示ゲームが表示され、上述のようにはずれならば複数回の第1変動表示ゲームが行われるが、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれかに対して開閉変動処理が行われている間は、変動表示時間のタイムカウントが中止することで実質的な変動表示時間が増加することになり、大当たり状態中における第1変動表示ゲームの実質的な長さは、はずれの場合より長くなる。
また、第1段抽選処理の当選確率は、例えば、1/399等のように比較的に低く設定されているので、続けて当たりが発生する確率は極めて低いが、はずれの場合に第1変動表示時間が短くなるのと、比較的高い確率で、戻り抽選処理の抽選結果が当たりとなって、大当たり状態が延長される可能性が高いので、大当たり状態が長くなると、大当たり状態中に第1段抽選処理の抽選結果が当たりとなる可能性が高くなる。
そして、第1段抽選処理では、変動表示開始時に、当たり・はずれの判定処理を終了するが、第1可変表示器8では、変動表示時間の終了時まで変動表示を行い、変動表示時間が終了時に複数のLEDのうちのはずれを示すはずれLEDもしくは当たりを示す当たりLEDのいずれかを点灯する。なお、この際に各LEDの発光色を変更することにより、当たり、はずれを強調してもよい。そして、変動表示時間が終了した時点では、既にはずれLEDもしくは当たりLEDが点灯し、抽選結果が確定表示された状態となる。そして、第1段抽選処理開始から変動表示時間が経過して抽選結果が確定表示されることで第1段抽選処理終了となる。
この際に当たりが確定表示されていれば、第1変動入賞装置17に対して第1開閉変動処理が行われて第1変動入賞装置17が開放する。第1開閉変動処理では、第1段抽選処理で当たり結果が確定した場合に、第1変動入賞装置17の駆動源を駆動して第1変動入賞装置17を第1状態から第2状態に変動する。そして、第1状態から第2状態に変動していから所定時間(例えば、6秒以下)の経過もしくは所定個数(例えば、10個以下でここでは7個)の遊技球の第1変動入賞装置17への入賞のいずれかの閉塞条件が成立した時点で第1変動入賞装置17が第2状態から第1状態に復帰する。
また、第1段抽選処理では、第1可変表示器8による可変表示と並行して、可変表示装置4における第1変動表示ゲームが行われる。可変表示装置4での第1変動表示ゲームでの変動表示開始と、変動表示の終了による抽選結果の確定は、主制御装置31からLED制御装置71の場合と同様に図柄制御装置61に出力されるコマンドにより行われる。可変表示装置4における第1変動表示ゲームは、第1可変表示器8とほぼ同じタイミングで行われ、表示される抽選結果は、第1可変表示器8と可変表示装置4とで同じものとなる。なお、可変表示装置4で行われる第1変動表示ゲームは、上述のように所謂デジパチで行われる可変表示とほぼ同様の表示となる。なお、上述のように大当たり状態中は、第1〜第4変動入賞装置17〜20が開放している間、変動表示時間のタイムカウントが停止されるので、それに対応して図柄制御装置61において、装飾図柄の変動表示ゲームが延長される。
そして、この例の遊技機では、第1段抽選処理の結果が当たりとなって第1変動入賞装置17が開放することで当たり状態での遊技が開始される。言い換えれば、第1段抽選処理が当たりとならなければ、通常の遊技状態が維持され、基本的に始動口12に遊技球が入賞しなければ、全ての変動入賞装置(第1〜第4変動入賞装置17〜20)が客待ち状態となり、可変表示装置4に客待ち状態におけるデモンストレーション画像が表示され、第1〜第4可変表示器8〜11においても、各LEDが低速で点滅する客待ち状態の表示となる。
始動口12に遊技球が入賞し、第1保留球数が1以上となっていれば、第1変動入賞装置17を第2状態とするか否かの第1段抽選処理だけが行われ、可変表示装置4と第1可変表示器8とで変動表示が行われる。
そして、第1段抽選処理で抽選結果が当たりとなり第1変動入賞装置17が第2状態となると、遊技者が所謂右打ちを行うことで、極めて高い確率で第1変動入賞装置17に遊技球が入賞する。ここで、第1変動入賞装置17は例えば6秒間だけ開放することになる(第2状態となる)が、特に異常がなければ、開放中に4個以上の遊技球が入賞可能であるが、入賞個数が7個となると、開放してからの時間が6秒経過していなくとも第1変動入賞装置17が閉塞する。
ここでは、第1変動入賞装置17に遊技球が入賞すると、第1変動入賞装置17への遊技球の入賞に基づく第2段抽選処理を行う契機(始動権利)となる第2保留球数(入賞回数)が1カウントアップされる。なお、第2段抽選処理で抽選結果が当たりとなった場合には、第3変動入賞装置19が第2状態となる。なお、第2変動入賞装置18を第2状態とするか否かを決定するのは後述の戻り抽選処理となる。
ここで、第2保留球数が0の場合には、第1変動入賞装置17への遊技球の入賞により保留球数が0から1にカウントアップされる。そして、第2段抽選処理が開始されることになるが、第1変動入賞装置17が開放している間は、第2段抽選処理が中断した状態となり、実質的に第2段抽選処理が開始されない。したがって、例えば、第1変動入賞装置17が開放している間に、第2保留球数が1以上となっても、第2段抽選処理が開始されて保留球数が1カウントダウンされることはない。
したがって、第1変動入賞装置17が開放している間に第2保留球数の上限数となる個数より多くの遊技球が入賞しても、第2段抽選処理の開始の契機(始動権利)は、第2保留球数の上限数までしか付与されない。
そして、第1変動入賞装置17が閉塞して第2段抽選処理が開始されて第2保留球数が1カウントダウンされると、第2保留球数が上限数より小さくなって、第2保留球数をカウントアップ可能となるが、既に第1変動入賞装置17が閉塞しているので、遊技球が入賞して第2保留球数がカウントアップされることはない。
すなわち、第1変動入賞装置17が開放して遊技球が入賞した後に未だ第1変動入賞装置17が閉塞する前に第2段抽選処理が開始されて第2保留球数が1カウントダウンされることにより、実質的な第2段抽選処理の開始の契機の回数が第2保留球数の上限数+1となることはない。
以上のことから第2保留球数の上限数を1とすると、この段階で1回だけ第2段抽選処理が開始される。
第2段抽選処理は、第1段抽選処理に対して、その開始の契機が始動口12への遊技球の入賞に基づく第1保留球数ではなく、第1変動入賞装置17への遊技球の入賞に基づく第2保留球数である点と、抽選結果が当たりとなる当選確率が1998/1999すなわち、はずれとなる確率が約2千分の1である点と、当たりとなった場合に開放する変動入賞装置が第3変動入賞装置19である点と、第2段抽選処理に対応する変動表示は、可変表示装置4では行われず第2可変表示器9だけで行われる点と、基本的にはずれの確率が低くはずれを想定していないので当たり・はずれに拘わらず変動表示の変動表示パターンとしての変動表示時間は一定とされる点が異なるが、その他については、第1段抽選処理と同様に行われる。
そして、第2段抽選処理の抽選結果が当たりなり、第2可変表示器9で当たりの表示が確定する(第1変動入賞装置17が閉じて変動表示時間として例えば1秒が経過すると)と、第3変動入賞装置19を開放して閉塞するための第2開閉変動処理が行われる。第2開閉変動処理における第3変動入賞装置19が開放した後の閉塞条件は、第1開閉変動処理における閉塞条件と同様である。
そして、第3変動入賞装置19が開放している間は、極めて高い確率で遊技球が入賞するようになっている。
そして、第3変動入賞装置19が開放している間に、第3変動入賞装置19に遊技球が入賞すると、第3段抽選処理において用いられる第3保留球数が上限数(例えば、4個)となるまで、カウントアップされる。
そして、第3保留球数が1以上となることで第3段抽選処理が開始される契機が付与されるが、第2段抽選処理の場合と同様に第3変動入賞装置19が開放している間は、第3段抽選処理が開始されず、第3変動入賞装置19が開放している間に第3保留球数がカウントダウンされることはなく、第3変動入賞装置19が開放している間に得ることが可能な第3段抽選処理の開始の契機となる回数は、第3保留球数の上限数と同じとなる。
そして、第3段抽選処理は、第2段抽選処理に対して、その開始の契機が、第3変動入賞装置19への遊技球の入賞に基づく第3保留球数である点と、第3保留球数の上限数が1ではなく4である点と、抽選結果が当たりとなる当選確率が1996/1997で僅かに異なる点と、当たりとなった場合に開放する変動入賞装置が第4変動入賞装置20である点と、第3段抽選処理に対応する変動表示は、第3可変表示器10で行われる点と、変動表示時間が例えば2秒とされる点が、第2段抽選処理と異なるがその他については、第2段抽選処理と同様に行われる。
また、第3段抽選処理の契機となる第3保留球数の上限数が4とされ、上述のように第3変動入賞装置19が開放している間に、第3保留球数がカウントダウンされることがないことから、第3段抽選処理は、最大4回行われる。なお、第3変動入賞装置19における閉塞条件が第1状態から第2状態に変動してから6秒経過もしくは遊技球の7個入賞となっており、第3変動入賞装置19が開放している間に少なくとも4個以上の遊技球が入賞するように遊技釘22や風車者等の配置が設定されており、通常、第3保留球数は、その上限数である4個となる。
したがって、第3段抽選処理は、通常、4回行われるとともに、当選確率が極めて高いことから通常4回当選となって、第4変動入賞装置20が第1状態から第2状態となって第1状態に復帰する第3開閉変動処理を4回繰り返すことになる。
次に第3開閉変動処理により、第4変動入賞装置20が開放している間に遊技球が入賞すると、戻り抽選処理の開始の契機が付与されることになる。ここで、戻り抽選開始処理においては、保留球数を記憶してカウントアップすることなく、遊技球の入賞信号が入力すると戻り抽選フラグをセットするようになっており、戻り抽選フラグがセットされている場合に、戻り抽選処理が開始される。また、戻り抽選フラグは戻り抽選処理の開始ではなく、戻り抽選処理中に第4変動入賞装置20が4回開閉した後にリセットされる。そして、戻り抽選処理は、上述のように第4変動入賞装置20に対して4回開閉変動処理が行われる間より長い時間に渡って変動表示が行われるように例えば戻り変動表示時間が13秒なっており、第4変動入賞装置20が4回開放して遊技球が入賞している間、次の戻り抽選処理が開始されないように制御される。
ここでは、第4変動入賞装置20が第3段抽選処理の当たりの抽選結果に基づいて上述のように4回開閉する間で、第4変動入賞装置20で開閉変動処理が行われていない間、すなわち、第4変動入賞装置20が第1状態となっている際、第3段抽選処理と並行して第4段抽選処理も行われることになるが、第4段抽選処理においては、保留球数をカウントアップしたりカウントダウンしたりする処理を行わずに戻り抽選フラグをセットした状態に保持するので、第4変動入賞装置20が第1状態から第2状態となった後に第1状態に復帰する変動を4回繰り返す際の第1状態となっている間に、保留球数がカウントダウンされて、次に第4変動入賞装置20が開放して遊技球が入賞した場合に、再び保留球数がカウントアップされるのを防止するようになっている。
これにより、戻り抽選処理が開始されてから第4変動入賞装置20が開閉を繰り返しても、再び、戻り抽選処理の開始の契機が付与されるようなことがない。
逆に言えば、戻り抽選処理においても、第1段〜第3段抽選処理のように所定の入賞口への遊技球の入賞により保留球数をカウントアップし、第1段〜第3段抽選処理のように処理開始時に保留球数をカウントダウンするような構成とすると、戻り抽選処理が第4変動入賞装置20の4回の開閉時間より長く行われるものとしても、戻り抽選処理の開始の契機が二つ付与され、戻り抽選処理が2回行われてしまうことになる。
以上のことから、第4変動入賞装置20が4回開閉する間に、最初に遊技球が入賞して時点で戻り抽選処理が開始され、それ以後、4回開閉する第4変動入賞装置20に多数の遊技球が入賞しても戻り抽選処理は開始されず、戻り抽選処理が1回だけ行われることになる。
戻り抽選処理は、第2段抽選処理に対して、当選確率が93/100と第2段抽選処理より低くされる点と、当たりとなった場合に開放されるのが第2変動入賞装置18である点と、戻り抽選処理に対応する戻り変動表示ゲームが表示されるのが第4可変表示器11である点と、戻り抽選処理の抽選結果を報知する演出表示が可変表示装置4で行われる点が異なる以外は、第2段抽選処理と同様に行われる。そして、戻り抽選処理が当たりとなると、第2変動入賞装置18に対する戻り開閉変動処理が行われるが、この場合の閉塞条件は、前記第1〜第3開閉変動処理の場合と同様である。
そして、第2変動入賞装置18が開放している間に遊技球が入賞すると、上述の第2保留球数がカウントアップされるようになっており、再び、第2段抽選処理が開始され、第2段抽選処理が極めて高い確率で当たりとなることにより第3変動入賞装置19が開放する。これにより、第2段抽選処理、第3段抽選処理、戻り抽選処理が繰り返されることになる。
次に、上述の戻り抽選開始処理および戻り抽選処理について図4,5のフローチャートを参照してより詳細に説明する。
図4のフローチャートに示すように、戻り抽選開始処理は、主制御装置31で極めて短い所定期間毎に繰り返して変動入賞装置4に備えられた第4変動入賞球検知センサ46からの入賞信号を監視する処理であり、まず、戻り抽選フラグがセットされているか否かを判定し、戻り抽選フラグがセットされている場合には、処理を終了する(ステップSa1)。
戻り抽選フラグがセットされていない場合には、第4変動入賞球検知センサ46からの入賞信号の入力が有ったか否かを判定し(ステップSa2)、入力がない場合に処理を終了する。一方、第4変動入賞球検知センサ46からの入賞信号の入力が有った場合に、主制御装置31のRAM34の所定の記憶領域に戻り抽選フラグをセットするとともに(ステップSa3)、上述の第1抽選開始処理の場合と同様に戻り抽選処理で用いられる乱数を取得して記憶し(ステップSa4)、処理を終了する。
次に、戻り抽選処理を説明する。戻り抽選処理も主制御装置31で極めて短い所定期間毎に繰り返し行われる処理である。
図5のフローチャートに示すように、まず、第1〜第4変動入賞装置17〜20のいずれかに対してこれらの1つを第2状態とする前記開閉変動処理が行われているか否かを判定し(ステップSb1)、行われている場合には処理を終了する。
次に変動表示開始フラグがセットされているか否かを判定し(ステップSb2)、変動表示開始フラグがセットされていない場合には、戻り抽選フラグがセットされているか否かを判定し(ステップSb3)、戻り抽選フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。
戻り抽選フラグがセットされている場合には、戻り抽選開始処理で取得された乱数と主制御装置31のROM33に記憶されている戻り抽選開始処理用の判定テーブルに記憶されている当たり判定用の値とを比較し、抽選結果としての当たり・はずれを決定する(ステップSb4)。
次に、LED制御装置71に対して第4可変表示器11において、戻り変動表示ゲームにおける変動表示開始を示すコマンドと、上述のように決定された抽選結果を示すコマンドを出力する(ステップSb5)。
戻り変動表示時間タイマに所定の第1変動表示時間(例えば、7秒)と第2変動表示時間(例えば、13秒)をセットする(ステップSb6)とともに戻り変動表示時間タイマを作動させ(ステップSb7)る。そして、変動表示開始フラグをセットして(ステップSb8)処理を終了する。
ステップSb2で、変動表示開始フラグがセットされている場合には、変動表示時間タイマの戻り変動表示時間にこの処理が行われる所定期間に対応する経過時間を加算し、タイマを進める(ステップSb9)。
次に報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSb10)。
そして、報知フラグがセットされていない場合には、変動表示時間タイマの戻り変動表示時間が第1変動表示時間以上となったか否かを判定し(ステップSb11)、第1変動表示時間以上となっていなければ、処理を終了する。
なお、この第1変動表示時間は、第4変動入賞装置20が4回開放を繰り返す際の第2状態と第2状態との間の第1状態となっている時間(第3変動表示時間として例えば2秒)の3回分を積算した値(例えば、6秒)より長くなっており、第4変動入賞装置20に対する4回の開閉変動処理が確実に終了する時間である。
変動表示時間タイマの戻り変動表示時間が第1変動表示時間以上となっている場合には、
第1段抽選処理が処理中(第1変動表示ゲームが変動表示中)でかつ抽選結果が当たりとなっているか否かを判定する(ステップSb12)。
処理中(第1変動表示時間中)でかつ第1段抽選処理の抽選結果が当たりとなっている場合には、戻り抽選処理の抽選結果が当たりか否かを判定する(ステップSb13)。
そして、第1段抽選処理が処理中でない場合と、第1段抽選処理が処理中(第1変動表示時間中)でかつ処理中の第1段抽選処理の抽選結果が当たりでない場合と、処理中の第1段抽選処理の抽選結果が当たりの場合でかつ戻り抽選処理の結果がはずれでなく当たりの場合には、図柄制御装置61に戻り抽選処理の抽選結果の報知開始を示すコマンドと、抽選結果を示すコマンドを送信する(ステップSb14)。
そして、報知フラグをセットし(ステップSb15)、処理を終了する。
一方、処理中の第1段抽選処理の抽選結果が当たりの場合でかつ戻り抽選処理の結果がはずれの場合は、図柄制御装置61にコマンドを送信することなく、ステップSb15で報知フラグをセットして処理を終了する。
上記処理により、基本的に戻り抽選処理の抽選結果が可変表示装置4に表示されて報知されることになる。しかし、戻り抽選処理の抽選結果がはずれとなって、当たり状態が終了する際に、現在行われている第1段抽選処理(第1変動表示ゲーム)の結果が当たりであることにより、直ぐに次の当たり状態が発生することが確実な場合に、戻り抽選がはずれであること、すなわち、当たり状態が終了したことが報知されないことになる。
そして、ステップSb10で報知フラグがセットされている場合には、変動表示時間タイマの戻り変動表示時間が第2変動表示時間以上となったか否かを判定し(ステップSb16)、第2変動表示時間以上となっていなければ、処理を終了する。
第2変動表示時間以上となっている場合には、図柄制御装置61、LED制御装置71に戻り変動表示ゲームの変動表示の終了と戻り抽選結果報知表示の終了とを示すコマンドを送信する(ステップSb17)。
これにより図柄制御装置61の制御により可変表示装置4での戻り抽選処理の抽選結果の報知の表示が終了し、LED制御装置71の制御により第4可変表示器11での戻り変動表示ゲームの変動表示が終了し、変動表示ゲームの結果が確定した状態となる。すなわち、第1変動表示時間と第2変動表示時間との差となる時間が可変表示装置4における戻り抽選処理における抽選結果の報知時間となる。
また、戻り抽選処理の結果が当たりか否かを判定し(ステップSb18)、当たりの場合に、戻り開閉変動開始フラグをセットする(ステップSb19)。また、戻り抽選フラグ、変動開始フラグ、報知フラグをリセットし(ステップSb20)、処理を終了する。
戻り抽選処理の抽選結果がはずれの場合には、戻り開閉変動開始フラグをセットするこなく、ステップSb20で戻り抽選フラグ、変動開始フラグ、報知フラグをリセットし、処理を終了する。
戻り開閉変動開始フラグは、戻り開閉変動処理で用いられるもので、戻り開閉変動開始フラグがセットされている場合に、戻り開閉変動処理において、第2変動入賞装置18を第1状態から第2状態とする処理が開始される。また、戻り開閉変動開始フラグは、戻り開閉変動処理中にリセットされる。なお、戻り抽選処理の結果が当たりの場合には、戻り開閉変動処理が行われている間も可変表示装置4で抽選結果が当たりであることを示す演出表示を続行してもよい。また、可変表示装置4においても、第4可変表示器11と同様に戻り抽選処理に対応する戻り変動表示ゲームを戻り抽選処理開始時から行い戻り変動表示ゲーム終了時(第4変動入賞装置20の開閉変動処理が全て終了した後)に抽選結果を報知するものとしてもよい。また、可変表示装置4には、第1段抽選処理に基づく第1変動表示ゲームを表示するが、大当たり状態中の戻り抽選処理の抽選結果を報知する変動表示を行う前に大当たり状態中であることを示す演出表示を表示するようにしてもよい。
以上のことから、主制御装置31は、第2状態となった最下位の第4変動入賞装置20に遊技球が入賞したことを契機として、最下位の第4変動入賞装置20より上位の第2変動入賞装置18を第1状態から第2状態とする当たりか否かを決定する戻り抽選処理を行う戻り抽選手段として機能する。
また、図柄制御装置61と可変表示装置4は、戻り抽選手段としての主制御装置31により戻り抽選処理が開始された場合に、最下位の第4変動入賞装置20より上位の第3変動入賞装置19への遊技球の入賞回数に対応する回数に渡って最下位の変動入賞装置20が第1状態と第2状態との間で変動を開始してから終了するまでの期間に対応する表示猶予時間が経過した後に前記戻り抽選手段としての主制御装置31により開始された戻り抽選処理による抽選の結果を表示する戻り抽選結果表示手段として機能する。なお、ここでの表示猶予時間は、上述の第1変動表示時間(例えば、7秒)に第4変動入賞装置20の4回の開閉変動処理時間(6秒×4)を加算したものである。
また、第4可変表示器11は、主制御装置31からのコマンドに基づいてLED制御装置71に制御され、表示猶予時間が経過した後に戻り抽選処理の抽選結果を確定表示するものであり、LED制御装置71と第4可変表示器11とが戻り抽選結果表示手段として機能するものとしてもよい。
また、第1〜第4変動入賞装置17〜20を制御する変動制御手段としての主制御装置31は、前記戻り抽選結果表示手段としての可変表示装置4および第4可変表示器11により当たりの戻り抽選の結果が表示された際に、当該当たりの戻り抽選結果に基づいて最下位の第4変動入賞装置20より上位の第2変動入賞装置18を第1状態から第2状態とすることになる。
また、以上の処理により戻り抽選手段としての主制御装置31が最下位の第4変動入賞装置20に遊技球が入賞したことを契機として戻り抽選処理を開始してから、主制御装置31で開始された戻り抽選処理による抽選の結果が戻り抽選結果表示手段としての可変表示装置4および第4可変表示器11により表示されるまでの期間内における最下位の第4変動入賞装置20への遊技球の入賞に基づく前記戻り抽選手段による戻り抽選処理の開始の契機を無効とする開始契機無効化手段として機能する。
戻り抽選結果表示手段としての図柄制御装置61は、抽選結果を表示する段階で、前記戻り抽選手段としての主制御装置31による戻り抽選の結果が最下位より上位の第2変動入賞装置18を第2状態とすることがないはずれで、かつ、前記始動口12への遊技球の流入に基づく抽選が行われ、かつ、行われた抽選の結果が最上位の第1変動入賞装置17を第2状態とする当たりとなっている場合に、はずれの抽選結果の表示を中止することになる。
以上のことから、本実施の形態のパチンコ遊技機によれば、第1抽選処理で当たりとなると大当たり状態が発生し、大当たり状態が発生した後に、戻り抽選処理で当たりとなると、大当たり状態が延長されることになる。これにより、大当たり状態の長さが大きく変化し、大当たり状態が多彩なものとなる。ここで、大当たり状態は上述のサイクル毎に繰り返されるように延長されることになるが、最初の1サイクルにおける第1〜第4変動入賞装置17〜20全体の開放回数を従来のものより少なくすること、すなわち、第2抽選処理の開始の契機となる第2保留球数の上限を1としたことにより、極めて長い大当たり状態が発生する可能性があっても、所定期間内における遊技機で得られる獲得遊技球数(入球と出玉との差となる差玉数)は、従来と大きく変わることはなく、遊技者に有利になりすぎるようなことはなく、遊技者と遊技店との利益のバランスを保つことができる。これにより、第1抽選処理や戻り抽選処理の当選確率を極端に低くするような必要がなくなり、当たり状態を発生しやすいとともに継続しやすくすることで遊技者の興趣を高めることができる。
また、従来と同様に当たり状態中に右打ちする構成としても、当たり状態中に戻り抽選処理を行えるので、従来のように通常打ち用の始動口と右打ち用の始動口を備えて、右打ち用の始動口を設けることで当たり状態が連続する可能性を高める必要がなく、遊技機の構成を簡略化できる。
戻り抽選処理を行っている間、一回目より後の3回の第3段抽選処理も並行して行われ、第3段抽選処理の結果として、第4変動入賞装置20が1回開放した後にさらに3回開放することになるが、第4変動入賞装置20が開閉している間の第1状態となっているインターバル時間に、戻り抽選処理に置ける戻り変動表示時間が経過することになるが、第4変動入賞装置20が4回開閉する間のトータルのインターバル時間より長い戻り変動表示時間が設定されているので、第4変動入賞装置20の複数回に渡る第3開閉変動処理が終了する前に第2変動入賞装置18が開放するようなことがない。
また、第4変動入賞装置20に対して複数回に渡る第3開閉変動処理が行われて最初の遊技球(入賞球)が入賞した際に戻り抽選フラグをセットし、この戻り抽選フラグに基づいて戻り抽選処理を開始するとともに、戻り抽選フラグを第4変動入賞装置20に対する複数回に渡る第3開閉変動処理が終了した後にリセットすることにより、二番目以降の入賞球を戻り抽選処理の開始に対して無効化することができる。
これにより、第4変動入賞装置20に対して複数回に渡る第3開閉変動処理が開始されて多数の遊技球が入賞する状態でも、最初に入賞した遊技球だけに基づいて1回だけ戻り抽選処理を開始することができ、戻り抽選処理が煩雑になるのを防止するとともに、戻り抽選処理により繰り返し大当たり状態が延長される遊技を遊技者にわかりやすいものとすることができる。
戻り抽選処理がはずれとなって大当たり状態が終了する際に、次の大当たり状態が発生することが確定している場合、すなわち、第1段抽選処理が当たりとなって僅かな時間で第1変動入賞装置17が開放することが確定している場合には、戻り抽選処理のはずれの抽選結果の報知を可変表示装置4で表示しないように制御することで、例えば、大当たり状態の終了となる戻り抽選のはずれを報知された遊技者が、遊技球の発射を止めたり、遊技機から離れてしまったりすることにより、次の大当たり状態発生時に第1変動入賞装置17が開放した際に第1変動入賞装置17に遊技球を入賞させることができず、大当たり状態が終了してしまうような事態を防止することができる。
また、周知の一般電役としてのパチンコ遊技機における遊技球の移動を表示画面上に模擬的に再現するとともに遊技球の入賞口への入賞を判定し、遊技球の発射と入賞とに対応して遊技者の獲得遊技球数を算出して遊技をシミュレーションするプログラムにおいて、上述の本発明に係わるパチンコ遊技機における制御系の処理を付加してコンピュータで実行可能としたプログラムも本発明に含まれるものである。また、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明に含まれる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 前記遊技機の電気系統を説明するためのブロック図である。 前記遊技機の遊技の概要を説明するためのフローチャートである。 前記遊技機の主制御装置における戻り抽選開始処理を説明するためのフローチャートである。 前記主制御装置における戻り抽選処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
4 可変表示装置(戻り抽選結果表示手段)
12 始動口
17 第1変動入賞装置(上位の変動入賞装置、最上位の変動入賞装置)
18 第2変動入賞装置(上位の変動入賞装置、下位の変動入賞装置)
19 第3変動入賞装置(上位の変動入賞装置、下位の変動入賞装置)
10 第4変動入賞装置(下位の変動入賞装置、最下位の変動入賞装置)
31 主制御装置(戻り抽選手段、変動制御手段、開始契機無効化手段)
61 図柄制御装置(戻り抽選結果表示手段)

Claims (3)

  1. 遊技球が入賞できない第1状態と、遊技球が入賞し易い第2状態との間で変動するとともに、第2状態となった場合に所定条件の成立に基づいて第1状態に戻り、かつ、それぞれに第2状態への変動開始に係わる順位が付けられた複数の変動入賞装置と、
    遊技球の流入に基づいて最上位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とするか否かを決定する抽選の契機を付与する始動口とを備え、
    上位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づいて下位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とするとともに、少なくとも最下位の変動入賞装置が、それより上位の変動入賞装置への複数の遊技球の入賞および第1状態への復帰に基づき所定回数を限度とする回数に渡って第1状態から第2状態となる遊技機において、
    第2状態となった最下位の変動入賞装置に遊技球が入賞したことを契機として、最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とする当たりか否かを決定する抽選を行う戻り抽選手段と、
    前記戻り抽選手段により前記当たりか否かの抽選の結果が決定されてから、最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置への遊技球の入賞回数に対応する回数に渡って最下位の変動入賞装置が第1状態と第2状態との間で変動を開始してから終了するまでの期間に対応する表示猶予時間が経過した後に前記戻り抽選手段による前記抽選の結果を表示する戻り抽選結果表示手段と、
    前記変動入賞装置の変動を制御する変動制御手段とを備え、
    前記変動制御手段は、前記戻り抽選結果表示手段により当たりの前記抽選の結果が表示された際に、当該当たりの前記抽選結果に基づいて最下位の変動入賞装置より上位の変動入賞装置を第1状態から第2状態とすることを特徴とする遊技機。
  2. 前記戻り抽選手段が最下位の変動入賞装置に遊技球が入賞したことを契機として前記抽選により当たりか否かを決定してから前記抽選の結果が戻り抽選結果表示手段により表示されるまでの期間内における最下位の変動入賞装置への遊技球の入賞に基づく前記戻り抽選手段による前記抽選の契機を無効とする開始契機無効化手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記戻り抽選結果表示手段は、抽選結果を表示する段階で、前記戻り抽選手段による前記抽選の結果が最下位より上位の変動入賞装置を第2状態とすることがないはずれで、かつ、前記始動口への遊技球の流入に基づく抽選が行われ、かつ、行われた抽選の結果が最上位の変動入賞装置を第2状態とする当たりとなっている場合に、前記戻り抽選手段の前記抽選によるはずれの抽選結果の表示を中止することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
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