JP4693332B2 - 新規な4−置換フェニルフェノール類 - Google Patents

新規な4−置換フェニルフェノール類 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な4−置換フェニルフェノール類に関し、詳しくは、フェニル置換基の4位にフェニル置換非対称アルキル基を有する4−置換フェニルフェノール類に関する。
【0002】
このような4−置換フェニルフェノール類は、液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の合成樹脂の原料や、種々の電子表示素子の原料、半導体等のフォトレジストの原料等として有用である。
【0003】
【従来の技術】
従来、4−置換フェニルフェノール類等の4−フェニルベンゼン誘導体に関しては、例えば、特開平1−168632号公報に、1,4−シクロヘキサンジオンとフェノールから1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを製造し、これを分解脱水素して、4,4”−ジヒドロキシフェニル−p−ターフェニルを製造することが記載されている。
【0004】
また、特開平2−212449号公報には、4−メトキシ−4’−ブロムビフェニルと4−メトキシブロムフェニルをグリニヤールカップリングし、次いで、脱メチルして、4,4”−ジヒドロキシ−3−フェニル−p−ターフェニルを製造することが記載されている。
【0005】
4−フェニルベンゼン誘導体は、上述したように、液晶ポリエステルやポリカーボネート等の合成樹脂の原料、種々の電子表示素子の原料、半導体等のフォトレジストの原料等の分野において有用である。しかし、これらの分野においては、原料としての4−フェニルベンゼン誘導体についても、要求される性能が益々多様化、高度化してきているところ、上述したような従来より知られているものは、例えば、耐熱性、親油性、溶剤への溶解性等において十分ではない。
【0006】
そこで、近年、溶剤への溶解性等の性能が改善された4−フェニルベンゼン誘導体が強く要望されている。
【0007】
本発明者らは、上述した要望に応えるべく、鋭意、研究した結果、フェニル置換基の4位にフェニル置換非対称アルキル基を導入することによって、溶剤への溶解性や、更には、耐熱性や親油性の改善が期待できる新規な4−フェニルフェノール類を得ることができることを見出して、本発明に至ったものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、フェニル置換基の4位に非対称アルキル置換フェノール基を有する新規な4−置換フェニルフェノール類を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による新規な4−置換フェニルフェノール類は、一般式(I)
【0010】
【化2】
Figure 0004693332
【0011】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R1 が水素原子のとき、R2 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1 がメチル基のとき、R2 は炭素原子数2〜8のアルキル基を示す。)
で表される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による新規な4―置換フェニルフェノール類は、上記一般式(I)で表される。ここに、R1 は水素原子又はメチル基であり、R2 は、R1 が水素原子のとき、炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1 がメチル基のとき、炭素原子数2〜8のアルキル基である。R2 は、具体的には、メチル基(R1 が水素原子のときのみ)、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基であり、炭素原子数3以上のアルキル基であるとき、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
【0013】
特に、本発明によれば、上記一般式(I)で表される4―置換フェニルフェノール類において、R2 は、好ましくは、エチル基、プロピル基又はブチル基である。
【0014】
従って、本発明による4−置換フェニルフェノール類の具体例としては、例えば、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジメチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−エチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)オクチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルヘプチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−エチルヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチルヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジメチルプロピル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジメチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジメチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2,3−トリメチルブチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘプチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−3−エチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4,4−トリメチルペンチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルオクチル)シフェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルヘプチル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−3−エチルヘキシル)フェニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,5−ジメチルヘキシル)フェニル)フェノール
等を挙げることができる。
【0015】
このような、本発明による4−置換フェニルフェノール類は、例えば、一般式(II)
【0016】
【化3】
Figure 0004693332
【0017】
(式中、R1 及びR2 は前記と同じである。)
で表される4−置換シクロヘキセニルフェノール類を脱水素触媒の存在下にそのシクロヘキセン環を脱水素することによって得ることができる。
【0018】
また、上記4−置換シクロヘキセニルフェノール類は、例えば、一般式(III)
【0019】
【化4】
Figure 0004693332
【0020】
(式中、R1 及びR2 は前記と同じである。)
で表される4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を、好ましくは、アルカリ触媒の存在下に、熱分解することによって得ることができる。
【0021】
従って、本発明による4−置換フェニルフェノール類は、1つの方法として、上記4−置換シクロヘキセニルフェノール類を脱水素化することによって得ることができる。
【0022】
また、別の方法として、上記一般式(III)で表される4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を熱分解して、4−置換シクロヘキセニルフェノール類を含む反応混合物を得、ここに、この熱分解にアルカリ触媒を用いた場合には、反応終了後、得られた反応混合物に酸を加えてアルカリを中和した後、晶析、濾過等の精製を施すことなく、そのまま、脱水素触媒の存在下に脱水素することによって、本発明による4−置換フェニルフェノール類を得ることができる。
【0023】
他方、上記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解にアルカリ触媒を用いなかった場合には、反応終了後、得られた4−置換シクロヘキセニルフェノール類を含む反応混合物に晶析、濾過等の精製を施すことなく、そのまま、これを脱水素触媒の存在下に脱水素すれば、本発明による4−置換フェニルフェノール類を得ることができる。
【0024】
上記一般式(II)で表される4−置換シクロヘキセニルフェノール類の具体例として、前述した本発明による4−置換フェニルフェノール類の具体例に対応して、例えば、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキシル))−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジメチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3―メチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−エチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ジメチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)オクチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルヘプチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−エチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−メチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジメチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジメチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジメチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2,3−トリメチルブチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘプチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−3−エチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4,4−トリメチルペンチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルオクチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジメチルヘプチル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−3−エチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール、
4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,5−ジメチルヘキシル)−1−シクロヘキセニル)フェノール
等を挙げることができる。
【0025】
また、上記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の具体例として、例えば、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ブチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−(2−メチルプロピル))シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ペンチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキシル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)オクチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルブチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルペンチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジメチルブチル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘキシル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルヘプチル)シクロヘキサン
等を挙げることができる。
【0026】
このような4−置換シクロヘキセニルフェノール類の脱水素、詳しくは、シクロヘキセン環の脱水素反応によって、本発明による4−置換フェニルフェノール類を得るには、例えば、脱水素触媒の存在下に、溶媒中、4−置換シクロヘキセニルフェノール類か、又は4−置換シクロヘキシリデンビスフェノールの熱分解によって得られた4−置換シクロヘキセニルフェノール類を含む反応混合物を100〜250℃の範囲の温度にて、脱水素反応すればよい。
【0027】
上記脱水素触媒としては、従来より知られているものが適宜に用いられる。従って、例えば、ラネーニッケル、還元ニッケル、坦持触媒等のニッケル触媒、ラネーコバルト、還元コバルト、コバルト担持触媒等のコバルト触媒、ラネー銅等の銅触媒、酸化パラジウム、パラジウム黒、カーポン担持パラジウム等のパラジウム触媒、プラチナ黒、カーボン担持プラチナ等のプラチナ触媒、ロジウム触媒、クロム触媒、鋼クロム触媒等が用いられる。これらのなかでは、特に、パラジウム等の白金族触媒が好ましく、特に、パラジウム触媒が好ましく用いられる。
【0028】
このような脱水素触媒は、原料である4−置換シクロヘキセニルフェノール類100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは、0.2〜10重量部の範囲で用いられる。
【0029】
また、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を出発原料とする場合は、出発原料である4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは、0.2〜10重量部の範囲で用いられる。
【0030】
上述したような4−置換シクロヘキセニルフェノール類の脱水素か、又は4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物の脱水素反応においては、水素受容体を共存させても、させなくてもよいが、より高収率にて目的物を得るためには、水素受容体を共存させることが好ましい。このような水素受容体としては、特に限定されるものではないが、例えば、α−メチルスチレン等のスチレン類、ニトロベンゼン、メチルイソブチルケトン、フェノール等が好ましく用いられる。
【0031】
脱水素反応の温度は、通常、100〜250℃の範囲、好ましくは130〜200℃の範囲である。
【0032】
脱水素反応は、気相においても行うことができるが、用いる原料と反応生成物の融点が高いので、その液状性の改善を図るため、更には、反応生成物の熱重合を防止するため、反応溶媒を用いて、溶液中で行うのが好ましい。この反応溶媒としては、前記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物を脱水素反応に付す場合は、工程の簡略化の観点から、熱分解反応において用いた溶媒をそのまま用いることが好ましい。
【0033】
また、反応は、好ましくは、常圧下で行われる。このような反応条件において、脱水素反応は、通常、3〜6時間で終了する。
【0034】
上記溶媒としては、脱水素反応において、不活性であると共に、留出せず、また、原料である4−置換シクロヘキセニルフェノール類や、得られる4−置換フェニルフェノール類が溶解しやすいという理由から、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、グリセリン等の多価アルコール類、これらの混合物が用いられる。また、市販の有機熱媒体である「サームエス」(新日鐵化学(株)製)や「SK−OIL」(綜研化学(株)製)も用いられる。
【0035】
このような溶媒は、用いる4−置換シクロヘキセニルフェノール類に対して、又は4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物に対して、通常、1〜150重量部、好ましくは、3〜50重量部の範囲で用いられる。
【0036】
本発明によれば、上記溶媒を用いることによって、4−置換シクロヘキセニルフェノール類の転化率が高く、しかも、自的とする4−置換フェニルフェノール類の選択率も高くすることができるので、目的とする4−置換フェニルフェノール類を高収率で得ることができる,
4−置換シクロヘキセニルフェノール類の脱水素は、反応器内を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで置換した後、行うことが望ましい。
【0037】
このようにして、4−置換シクロヘキセニルフェノール類を脱水素し、かくして、得られた4−置換フェニルフェノール類は、必要に応じて、精製される。4−置換フェニルフェノール類を精製するには、例えば、上記反応によって得られた反応混合物から触媒を濾過分離して除去した後、常法に従って、晶析、濾過等を行えばよい。必要に応じて、再溶解、晶析、濾過、乾燥等の方法にて精製すれば、更に、高純度品を得ることができる。
【0038】
4−置換シクロヘキセニルフェノール類の製造に用いる前記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類は、例えば、一般式(IV)
【0039】
【化5】
Figure 0004693332
【0040】
(式中、R1 及びR2 は前記と同じである。)
で表される置換シクロヘキサノン類とフェノールを反応溶媒中、酸触媒の存在下に、脱水縮合反応することによって得ることができる。
【0041】
上記置換シクロヘキサノン類の具体例としては、例えば、
1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン
等を挙げることができる。
【0042】
上記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、触媒の不存在下に行ってもよいが、好ましくは、アルカリ触媒の存在下に行われる。このアルカリ触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド等のアルカリ金属フェノキシド、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく用いられる。
【0043】
このように、上記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解において、アルカリ触媒を用いる場合、そのアルカリ触媒は、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類100重量部に対して、通常、0.01〜30重量部、好ましくは、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。
【0044】
このようなアルカリ触媒は、どのような形態で用いられてもよいが、仕込み操作が容易である点から、好ましくは、通常、10〜50重量%の水溶液として用いられる。
【0045】
上記4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、原料である4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類及び/又はその熱分解による反応生成物の融点が高いので、その液状性を改善し、更には、その熱分解反応生成物の熱重合を防止するために、好ましくは、反応溶媒の存在下に行われる。
【0046】
上記反応溶媒としては、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解反応に際して、不活性であると共に、反応混合物から留出しない溶媒であれば、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、グリセリン等の多価アルコール類等が好ましく用いられる。また、市販の有機熱媒体である「サームエス」(新日鉄化学(株)製)や「SK−OIL」(綜研化学(株)製)等も用いられる。
【0047】
このような溶媒は、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類100重量部に対して、通常、10〜150重量部、好ましくは、30〜100重量部の範囲で用いられる。
【0048】
4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、通常、150〜300℃の範囲、好ましくは、180〜250℃の範囲の温度で行われる。熱分解温度が低すぎるときは、反応速度が遅すぎ、他方、熱分解温度が高すぎるときは、望ましくない副反応が多くなるからである。また、熱分解の反応圧力は、特に限定されるものではないが、通常、常圧乃至減圧下の範囲であり、例えば、1〜760mmHgゲージ圧の範囲、好ましくは、30〜50mmHgゲージ圧の範囲である。
【0049】
このような反応条件において、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、通常、1〜6時間程度で終了する。ここに、熱分解反応は、例えば、熱分解反応によって生成するフェノールの留出がなくなった時点をその終点とすることができる。
【0050】
好ましい態様によれば、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解反応は、例えば、反応容器に4―置換シクロヘキシリデンビスフェノール類とアルカリ触媒とテトラエチレングリコール等の溶媒を仕込み、温度190〜220℃、圧力30〜50mmHgゲージ圧で3〜6時間程度、分解反応によって生成したフェノールを留出させながら、攪拌することによって行われる。
【0051】
このようにして、4−置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を熱分解し、反応終了後、通常、得られた反応混合物から分解生成物であるフェノールを留去することによって、反応生成物を含む残留物を得る。そこで、この残留物に酸を加えて、アルカリを中和した後、必要に応じて、これを晶析、濾過等により精製すれば、4−置換シクロヘキセニルフェノール類を得ることができる。
【0052】
このようにして、4−置換シクロヘキシリデンピスフェノールを熱分解し、次いで、得られた4−置換シクロヘキセニルフェノール類を含む反応混合物を脱水素反応に付することによって、本発明による4−置換フェニルフェノール類を得ることができる。
【0053】
前記一般式(IV)で表される置換シクロヘキサノン類は、例えば、一般式(V)
【0054】
【化6】
Figure 0004693332
【0055】
(式中、R1 及びR2 は前記と同じである。)
で表されるビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類を反応溶媒中、パラジウム触媒の存在下に選択的水素化することによって得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、フェニル置換基の4位に非対称アルキル置換フェノール基を有する新規な4−置換フェニルフェノール類が提供される。このような4−置換フェニルフェノール類は、溶剤への溶解性や、更には、耐熱性や親油性にすぐれることが期待され、かくして、新規な液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の合成樹脂の原料として有用である。また、種々の電子表示素子の原料、半導体等のフォトレジストの原料等としても有用である。
することを
【0057】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、反応生成物の純度は、液体クロマトグラフィー分析による純度である。
【0058】
参考例1
(1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの製造)
1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン100g(0.439モル)と酢酸エチル150gと共に、ナトリウム約1.5重量%とパラジウム5重量%とをカーボン粉末に担持させてなるパラジウム・カーボン触媒3.0g(含水触媒の乾燥重量換算量)を1L容量のガラス製オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を70℃まで昇温した後、内圧を解放して、圧力(ゲージ圧)を0MPaとした。
【0059】
次いで、オートクレーブを密閉し、内温を1 4 0℃まで昇温した後、オートクレーブ内に水素を0.5MPaまで導入した。この後、オートクレーブ内の水素圧力を0.5MPaに保つように、水素を適宜、オートクレーブ内に補充しながら、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの水素化を行い、オートクレーブ内の水素吸収量が理論水素吸収量(原料モル量の2倍モル量)の1.1倍量となった時点(反応の開始から5時間後)で反応を終了した。その結果、原料の転化率は94.2%であり、目的物の選択率は92.2%であった。
【0060】
反応終了後、オートクレーブ内を70℃まで降温し、窒素ガス置換した後、65℃で触媒を濾別した。得られた濾液を加熱濃縮し、酢酸エチル50gを留出させた後、濃縮物を室温まで冷却し、析出した結晶を濾取し、乾燥して、1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン58.0gを白色結晶として得た。純度は99.2%(ガスクロマトグラフィー分析による。)であり、収率は56.5%であった。
【0061】
参考例2
(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサンの製造)
温度計、滴下漏斗、還流冷却管及び攪拌機を備えた2L容量四つ口フラスコにフェノール307.2g(3.2モル)と35%塩酸243.1gを仕込み、反応容器内を窒素置換した後、常圧下、温度40℃に昇温した。
【0062】
参考例1で得た1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン150.0g(0.65モル)をフェノール193.0g(2.1モル)に溶解して、溶液を調製した。上記フラスコ内に攪拌下、40℃を保ちながら、この溶液を1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、温度40℃において16時間撹拌下に反応を行った。
【0063】
反応終了後、得られた反応混合物に16%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和後の反応混合物から水層を分液除去し、油層混合物を得た。次いで、この油層混合物から減圧蒸留にてフェノールを除去して、目的とする1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサンを含む蒸留残留物を得た。これにトルエンとメチルイソブチルケトンと水との混合溶液を加え、晶析濾過し、更に、晶析物を乾燥して、目的物である1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサン110gを白色結晶として得た。純度は94.9%であった。
【0064】
これを更にヘプタン、メチルイソブチルケトン及び水の混合物を加え、晶析、濾過し、乾燥して、純度99.0%の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサンの精製物を白色結晶として得た。1−(4−オキソシクロヘキシル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対する収率は40.2モル%であった。
【0065】
融点(示差熱分析法):149℃、133℃
分子量(質量分析法、M+):402
赤外線吸収スペクトル(KBr法):
水酸基:3510.2cm-1
ベンゼン環:1612.4〜1510.2cm-1
シクロヘキサン環:1451.3cm-1
プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d):
【0066】
【化7】
Figure 0004693332
【0067】
【表1】
Figure 0004693332
【0068】
実施例1
(4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)フェニル)フェノールの製造)
参考例2で得られた1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)シクロヘキサン20g(0.05モル)、テトラエチレングリコール77g及び48%水酸化ナトリウム水溶液0.1gを反応容器(300mL容量4つ口フラスコ)に仕込んだ後、反応容器内を窒素置換した。次いで、温度200℃、圧力5.3KPaでフェノールを留出しつつ、3時間熱分解反応を行って、4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノールを含む蒸留残留物を得た。
【0069】
この残留物に7.5%リン酸水溶液を加えて中和した後、α−メチルスチレン14.8g(0.13モル)とカーボン坦持5%パラジウム触媒1.5g(含水品、エヌ・イー・ケムキャット(株)製)を加え、大気圧下の窒素気流中、温度162℃で3時間脱水素反応を行った。
【0070】
このようにして得られた反応混合物にメタノールを加え、触媒を濾別、除去し、更に、触媒を除去した後の濾液からメタノールとα−メチルスチレンを蒸留にて留去して、目的物を含む蒸留残留物を得た。これにメチルイソブチルケトンとイオン交換水を加え、洗浄、分液を2回繰り返した。この洗浄、分液後の油層からメチルイソブチルケトンを留去した後、これにトルエンを加え、冷却し、晶析、濾過、乾燥して、目的物である4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)フェニル)フェノール10.9gを淡褐色粉末として得た。純度は85.1%であり、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)シクロヘキサンに対する収率は62.1モル%であった。
【0071】
融点(示差熱分析法):168℃
分子量(質量分析法):304(M+
赤外線吸収スペクトル分析(KBr法)
水酸基:3246.9cm−1
ベンゼン環:1607.6〜1497.6cm-1
プロトンNMRスペクトル分析(400MHz、溶媒DMSO―d):
【0072】
【化8】
Figure 0004693332
【0073】
【表2】
Figure 0004693332
【0074】
参考例3
(2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンの製造)
2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン100g(0.413モル)を原料として用いると共に、反応溶媒を酢酸エチルから2−ブタノールに代え、更に、水素化触媒として、パラジウム5重量%をカーボン粉末に担持させたパラジウム・カーボン触媒3g(含水触媒の乾燥重量換算量)と助触媒として炭酸ナトリウム0.1gを用い、反応圧力を0.4MPaとした以外は、参考例1と同様にして、2.5時間反応を行った。その結果、原料の転化率は95.5%であり、目的物の選択率は94.9%であった。
【0075】
反応終了後、オートクレーブ内を9 0℃まで降温し、窒素ガス置換した後、8 0℃で触媒を濾別した。得られた濾液を加熱、濃縮して2−ブタノール75gを留出させた後、濃縮物を室温まで冷却し、析出した結晶を濾取し、乾燥して、2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン57.9gを白色結晶として得た。純度は98.8%(ガスクロマトグラフィー分析による。)であり、収率は56.3%であった。
【0076】
参考例4
(4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノールの製造)
フェノール235g(2.5モル)と35%塩酸37.6g(フェノールに対して10重量%)を反応容器(1L容量四つ口フラスコ)に仕込み、反応容器を窒素置換した後、塩化水素ガスで置換し、フラスコ内の温度を40℃とした。
【0077】
これに参考例3で得た2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン123g(0.5モル)をフェノール141g(1.5モル)に溶解した溶液を40℃にて撹拌下に1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、撹拌下に、同じ温度で3時間反応させた。
【0078】
反応終了後、得られた反応混合物に16%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、中和した。中和終了後、反応混合物から水層を分液し、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)シクロヘキサンを含む油層を得た。
【0079】
次に、この油層に48%水酸化ナトリウム水溶液0.75gを加えた後、反応容器を窒素置換し、反応容器内を圧力5.3KPaの減圧とし、温度200℃において、3時間熱分解反応を行った。留出物の留出がなくなった時点を反応の終点とした。
【0080】
反応終了後、得られた反応混合物にメチルイソブチルケトン156.3gとイオン交換水156.3gを加え、更に、7.5%リン酸水溶液を加えて中和した後、イオン交換水で2回洗浄し、得られた油層からメチルイソブチルケトンを蒸留により留去した。得られた残留物にトルエンを加え、冷却し、晶析濾過を行い、得られた結晶を乾燥して、4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノール130.7gを黄色結晶として得た。純度は92.8%であり、2−(4−オキソシクロヘキシル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンに対する収率は75.3モル%であった。
【0081】
融点(示差熱分析法):130℃
分子量(質量分析法):322(M+
赤外線吸収スペクトル分析(KBr法):
水酸基:3242.1cm-1
ベンゼン環:1608.5〜1513.1cm-1
シクロヘキサン環:1448.4cm-1
プロトンNMRスペクトル分析(400MHz、溶媒DMSO−d):
【0082】
【化9】
Figure 0004693332
【0083】
【表3】
Figure 0004693332
【0084】
実施例2
(4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)フェニル)フェノールの製造)
参考例4で得られた4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノール10g(0.29モル)、α−メチルスチレン9.2g、テトラエチレングリコール50g及びカーポン坦持5%パラジウム触媒0.5g(乾燥品、エヌ・イー・ケムキャット(株)製)を反応容器(300mL容量の4つ口フラスコ)に仕込んだ後、反応容器内を窒素置換した。次いで、大気圧下の窒素気流中で、温度185℃において、4時間、脱水素反応を行った。
【0085】
得られた反応混合物にメタノールを加え、触媒を濾別、除去し、更に、触媒を除去した後の濾液からメタノールとα−メチルスチレンを蒸留により留去して、目的物を含む蒸留残留物を得た。これにメチルイソブチルケトン200gとイオン交換水100gを加え、洗浄、分液を2回繰り返した。洗浄、分液後の油層からメチルイソブチルケトンを留去した後、これにトルエンを加え、冷却し、晶析濾過、乾燥して、目的物である4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)フェニル)フェノール6.7gを白色結晶として得た。純度は90.9%であり、4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)−1−シクロヘキセニル)フェノールに対する収率は66.4モル%であった。
【0086】
融点(示差熱分析法):136℃
分子量(質量分析法):318(M+
赤外線吸収スペクトル分析(KBr法):
水酸基:3253.7cm-1
ベンゼン環:1612.4〜1497.6cm-1
プロトンNMRスペクトル分析(400MHz、溶媒DMSO−d):
【0087】
【化10】
Figure 0004693332
【0088】
【表4】
Figure 0004693332

Claims (3)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004693332
    (式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R1 が水素原子のとき、R2 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R1 がメチル基のとき、R2 は炭素原子数2〜8のアルキル基を示す。)
    で表される4−置換フェニルフェノール類。
  2. 4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル)フェニル)フェノール。
  3. 4−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル)フェニル)フェノール。
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