JP4041655B2 - 4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法に関し、詳しくは、液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の合成樹脂原料、表示素子、半導体等のフォトレジスト原料等の用途に有用性が期待できる4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を高純度、高収率で得ることのできる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法としては、例えば、特開平2−212449号公報に、4−メトキシ−4’−ブロモビフェニルと4−メトキシ−3−フェニルマグネシウムブロミドとをグリニヤールカップリングさせ、次いで、脱メチルする方法が開示されている。しかし、この方法によれば、特殊な原料を用いると共に、グリニヤール反応を行うために、製造費用が非常に高く、工業的には実施し難い。
【0003】
また、特開平1−168632号公報には、1,4−シクロヘキサンジオンとフェノールとから1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを製造し、これを熱分解した後、脱水素する方法が開示されている。しかしながら、この方法によれば、1,4−シクロヘキサンジオンとフェノールからの1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの製造は反応収率が低く、原料の製造費用が高い。また、この方法によれば、オートクレーブを用いて、加圧下、高温で反応を行う必要がある。しかも、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの熱分解と脱水素によっては、分子の一方の末端の4−ヒドロキシフェニル基にのみ、置換基を有する非対称の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を製造することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、工業的に容易に入手し得る原料を用いると共に、工業的に実施の容易な反応条件下に反応を行って、特に、分子の一方の末端の4−ヒドロキシフェニル基にのみ、例えば、アルキル基のような置換基をもつ非対称構造の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を高収率、高純度で製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式(I)
【0006】
【化7】
【0007】
(式中、Rは、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基若しくはハロアルコキシル基、それぞれ炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、シクロアルコキシル基若しくはハロシクロアルコキシル基、フェニル基又はヒドロキシル基を示し、nは0〜3の整数である。)
で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を熱分解し、次いで、得られた反応混合物を脱水素反応に付することを特徴とする一般式(II)
【0008】
【化8】
【0009】
(式中、R及びnは上記と同じである。)
で表される4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法が提供される。
【0010】
更に、本発明によれば、化学式(III)
【0011】
【化9】
【0012】
で表される4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンと一般式(IV)
【0013】
【化10】
【0014】
(式中、Rは、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基若しくはハロアルコキシル基、それぞれ炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、シクロアルコキシル基若しくはハロシクロアルコキシル基、フェニル基又はヒドロキシル基を示し、nは0〜3の整数である。)
で表される置換フェノール類を酸触媒の存在下に反応させて、一般式(I)
【0015】
【化11】
【0016】
(式中、R及びnは上記と同じである。)
で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を生成させ、これを熱分解し、次いで、得られた反応混合物を脱水素反応に付することを特徴とする一般式(II)
【0017】
【化12】
【0018】
(式中、R及びnは上記と同じである。)
で表される4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法によれば、出発原料として、一般式(I)
【0020】
【化13】
【0021】
(式中、Rは、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基若しくはハロアルコキシル基、それぞれ炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、シクロアルコキシル基若しくはハロシクロアルコキシル基、フェニル基又はヒドロキシル基を示し、nは0〜3の整数である。)
で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類が用いられる。
【0022】
上記一般式(I)で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類において、Rは、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシル基若しくはハロアルコキシル基、それぞれ炭素数5若しくは6のシクロアルキル基、シクロアルコキシル基若しくはハロシクロアルコキシル基、フェニル基又はヒドロキシル基を示し、nは0〜3の整数である。
【0023】
上記炭素数1〜12のアルキル基として、具体的には、例えば、メチル基又はエチル基のほか、炭素数3以上の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を挙げることができ、それらの具体例として、例えば、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ヘプチル基、n−デシル基等を挙げることができる。上記炭素数5若しくは6のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基を挙げることができる。
【0024】
炭素数1〜12のアルコキシル基としては、具体的には、メトキシル基又はエトキシル基のほか、炭素数3以上の直鎖状又は分岐状のアルコキシル基を含み、例えば、プロポキシル基、イソプロポキシル基、t−ブトキシル基、s−ブトキシル基、n−ヘプトキシル基、n−デシロキシル基等を挙げることができる。上記炭素数5若しくは6のシクロアルコキシル基としては、シクロペントキシル基又はシクロヘキトシキル基を挙げることができる。
【0025】
また、炭素数1〜12のハロアルコキシル基としては、具体的には、例えば、モノクロロメトキシル基、ジクロロメトキシル基、モノクロロエトキシル基、モノクロロイソプロポキシル基、モノブロムメトキシル基、ジブロムメトキシル基、モノブロムエトキシル基、ジフルオロメトキシル基、トリフルオロメトキシル基等を挙げることができる。上記炭素数5若しくは6のハロシクロアルコキシル基としては、クロロシクロペントキシル基又はクロロシクロヘキトシキル基を挙げることができる。
【0026】
これらのなかでは、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシル基、ハロアルコキシル基、フェニル基又はヒドロキシル基であることが好ましい。
【0027】
従って、上記一般式(I)で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類としては、具体的には、例えば、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−イソブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−s−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−イソプロピル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−イソプロピル−5−メチル)−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−n−ヘプチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−シクロヘキシル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−t−ブトキシ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2−モノクロロメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−トリフルオロメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(2,3,4―トリヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
等を挙げることができる。
【0028】
本発明の方法において、出発原料である上記一般式(I)で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類は、例えば、特開2000−63308号公報に記載されているように、酸触媒の存在下に、4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンに置換フェノール類を反応させることによって容易に得ることができる。
【0029】
本発明において、上記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、触媒の不存在下に行ってもよいが、好ましくは、アルカリ触媒の存在下に行われる。このアルカリ触媒としては、特に、限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド等のアルカリ金属フェノキシド、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく用いられる。
【0030】
本発明において、このように、アルカリ触媒を用いる場合は、アルカリ触媒は、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類100重量部に対して、通常、0.01〜30重量部、好ましくは、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。触媒の使用形態は、特に制限はないが、仕込み操作が容易である点から、好ましくは、10〜50重量%の水溶液として用いられる。
【0031】
本発明によれば、上記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、原料であるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類及び/又はその熱分解による反応生成物の融点が高いので、上記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解温度において、その液状性の改善を図るため、更には、その熱分解による反応生成物の熱重合を防止するために、好ましくは、反応溶媒の存在下に行われる。本発明によれば、上記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解による反応生成物は、その脱水素反応による反応生成物の構造に基づいて、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン類であると推定される。
【0032】
上記反応溶媒としては、熱分解温度において不活性であり、しかも、反応混合物から留出しない溶媒であれば、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、グリセリン等の多価アルコール類が用いられる。また、市販の有機熱媒体である「サームエス」(新日鉄化学(株)製)や「SK−OIL」(綜研化学(株)製)等も用いられる。
【0033】
本発明によれば、このような溶媒は、用いるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類100重量部に対して、通常、10〜150重量部、好ましくは、30〜100重量部の範囲で用いられる。
【0034】
本発明によれば、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、通常、150〜300℃の範囲、好ましくは、180〜250℃の範囲の温度で行われる。熱分解温度が低すぎるときは、反応速度が遅すぎ、他方、熱分解温度が高すぎるときは、望ましくない副反応が多くなるからである。また、熱分解の反応圧力は、特に、限定されるものではないが、通常、常圧乃至減圧下の範囲であり、例えば、1〜760mmHgゲージの範囲、好ましくは、30〜50mmHgゲージの範囲である。
【0035】
このような反応条件において、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解は、通常、1〜6時間程度で終了する。熱分解反応は、例えば、分解反応によって生成するアルキルフェノール類の留出がなくなった時点をその終点とすることができる。
【0036】
好ましい態様によれば、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解反応は、例えば、反応容器にヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類とアルカリ触媒とテトラエチレングリコール等の溶媒を仕込み、温度190〜220℃、圧力30〜50mmHgゲージで3〜6時間程度、分解反応によって生成したアルキルフェノール類を留去しながら、撹拌することによって行われる。
【0037】
本発明によれば、このようなヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解反応の終了後、上記熱分解にアルカリ触媒を用いた場合には、得られた反応混合物に酸を加えてアルカリを中和することによって、含水油状の反応混合物を得ることができる。本発明によれば、このような含水油状の反応混合物から、必要に応じて、反応生成物を分離、精製した後、これを次工程の脱水素反応に供することができる。
【0038】
即ち、上記含水油状の反応混合物にメチルイソブチルケトン等の有機溶媒と水を加え、上記中和によって生成した塩と熱分解反応に用いた溶媒(例えば、テトラエチレングリコール)とを水層として分離し、得られた油層から上記有機溶媒(例えば、メチルイソブチルケトン)を蒸留等にて留去し、この後、このようにして得られた蒸留残渣に晶析溶媒を加えて、晶析させ、精製することによって、熱分解反応による反応生成物を精製品として得ることができる。この反応生成物は、種々の分析の結果、原料であるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類に対応して、一般式(V)
【0039】
【化14】
【0040】
(式中、R及びnは前記と同じである。)
で表される1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン類であると推定される。このようにして、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解反応にって得られる反応生成物を分離し、必要に応じて、精製した後、これを次工程の脱水素反応に供するのである。
【0041】
しかしながら、本発明によれば、上記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解にアルカリ触媒を用いた場合には、反応終了後、得られた反応混合物を、これに酸を加えてアルカリを中和した後、晶析、濾過等の精製を施すことなく、そのまま、次工程の脱水素反応の原料として用い、また、上記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解にアルカリ触媒を用いなかった場合には、反応終了後、得られた反応混合物に晶析濾過等の精製を施すことなく、そのまま、これを次工程の脱水素反応の原料として用いることが、反応工程の簡略化の観点から好ましい。
【0042】
かくして、本発明によれば、好ましくは、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を熱分解し、得られた反応混合物を脱水素反応に付することによって、目的とする4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を得ることができる。本発明によれば、このようにして、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類から出発して、目的とする4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を、通常、約75%又はそれ以上の収率にて得ることができる。
【0043】
より詳細には、本発明によれば、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物は、通常、脱水素触媒の存在下に、これを脱水素処理する。この脱水素触媒としては、従来より知られている脱水素触媒を用いることができる。従って、例えば、ラネーニッケル、還元ニッケル、ニッケル担持触媒等のニッケル触媒、ラネーコバルト、還元コバルト、コバルト担持触媒等のコバルト触媒、ラネー銅等の銅触媒、酸化パラジウム、パラジウム黒、パラジウム/カーボン等のパラジウム触媒、プラチナ黒、プラチナ/カーボン等のプラチナ触媒、ロジウム触媒、クロム触媒、銅クロム触媒等が用いられる。これらのなかでは、特に、パラジウム等の白金族触媒が好ましく、特に、パラジウム触媒が好ましく用いられる。
【0044】
このような脱水素触媒は、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは、0.2〜10重量部の範囲で用いられる。
【0045】
この脱水素処理においては、水素受容体を共存させても、させなくてもよいが、より高収率にて目的物を得るためには、水素受容体を共存させることが好ましい。このような水素受容体としては、特に、限定されるものではないが、例えば、α−メチルスチレン等のスチレン類、ニトロベンゼン、メチルイソブチルケトン、フェノール等が好ましく用いられる。また、脱水素反応の反応温度は、通常、100〜250℃の範囲であり、好ましくは、130〜200℃の範囲である。
【0046】
ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物の脱水素処理は、気相においても行うことができるが、操作性の点から、好ましくは、溶液状態で行うのが好ましく、その際、反応溶媒を用いるのが好ましい。この反応溶媒としては、工程の簡略化の観点から、前記ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解反応において用いた溶媒をそのまま用いることが好ましい。また、反応は、好ましくは、常圧下で行われる。このような反応条件において、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物の脱水素処理は、通常、3〜6時間程度で終了する。
【0047】
このようにして、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の熱分解によって得られた反応混合物を脱水素反応に付し、その反応終了後、得られた反応混合物から、常法に従って、触媒を分離した後、晶析濾過等の方法にて、本発明の目的物である4、4”−ジヒドロキシターフェニル類の粗製品を得ることができ、これを、更に必要に応じて、再度、晶析濾過等の方法にて精製すれば、高純度品を得ることができる。
【0048】
従って、本発明の方法によって得られる前記一般式(II)で表される4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類として、具体的には、その原料である前記一般式(I)で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類に対応して、例えば、
4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”,5”−ジメチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”,6”−ジメチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”,3”,5”−トリメチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”,3”,6”−トリメチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−エチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−エチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−イソプロピル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−イソプロピル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−イソブチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−イソブチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−s−ブチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−s−ブチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−イソプロピル−6”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−t−ブチル−5”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−t−ブチル−6”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”,5”−ジ−t−ブチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−トリフルオロメトキシ−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−シクロヘキシル−6”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−n−ヘプチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−シクロヘキシル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”,5”−ジシクロヘキシル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−メトキシ−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−メトキシ−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−t−ブトキシ−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”−モノクロロメトキシ−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”−フェニル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−3”,5”−ジフェニル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシー3”,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、
4−ヒドロキシ−2”,3”,4”−トリヒドロキシ−p−ターフェニル
等を挙げることができる。
【0049】
本発明によれば、出発原料として、前記一般式(III)で表される4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンと前記一般式(IV)で表される置換フェノール類を用い、これらを酸触媒の存在下に反応させて、前記一般式(I)で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を生成させ、次いで、前述したように、これを熱分解し、かくして、得られた反応混合物を前述したように、脱水素反応に付して、目的とする前記一般式(II)で表される4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を得ることができる。
【0050】
上記方法においても、中間生成物であるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類とその熱分解反応生成物をそれぞれの反応終了後に単離し、必要に応じて、それぞれ精製した後に、それらを次の工程の原料として用いてもよく、他方、それぞれの反応終了後、得られた反応生成物を単離、精製することなく、必要に応じて、中和し、又は触媒を分離し、又は必要に応じて、水層を分液し、又は有機溶媒や反応原料、揮発性副生物を減圧蒸留等により分離除去した後に、(晶析濾過等による精製工程前に、)次の工程の原料として用いてもよい。
【0051】
しかしながら、本発明によれば、上記のうち、後者に従って、それぞれの反応終了後、得られた反応生成物を単離、精製することなく、得られた反応混合液を中和し、又は触媒を分離した後、(精製工程前に、)それぞれの反応生成物を含む反応混合物を次工程の原料として用いる方が、中間の反応生成物の分離や精製工程の必要がないので望ましい。
【0052】
酸触媒の存在下、前記一般式(III)で表される4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンと前記一般式(IV)で表される置換フェノール類とを反応させて、前記一般式(Iで表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を得るには、例えば、特開2000−63308号公報に記載されている方法と同様の方法によればよい。
【0053】
上記一般式(IV)で表される置換フェノール類において、R及びnは前記一般式(I)のそれと同じである。従って、上記置換フェノール類として、具体的には、例えば、フェノール、o−又はm−クレゾール、2,3−、2,5−、2,6−、3,5−又は3,6−キシレノール、2,3,5−又は2,3,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、3−n−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、2−n−ブチルフェノール、3−n−ブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、3−イソブチルフェノール、2−s−ブチルフェノール、3−s−ブチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−n−ヘプチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2,6−ジシクロヘキシルフェノール、3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−t−ブトキシフェノール、3−クロロメトキシフェノール、2−トリフルオロメトキシフェノール、o−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、レゾルシノール、カテコール、ピロガール等を挙げることができる。
【0054】
このような置換フェノール類と4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンとの反応において、置換フェノール類は、4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノン1モル部に対して、通常、4〜20モル部の範囲で用いられる。
【0055】
上記置換フェノール類と4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンとの反応において、反応溶剤は用いてもよく、また、用いなくてもよい。反応溶剤を用いる場合、例えば、脂肪族アルコール、芳香族炭化水素又はこれらの混合溶剤が用いられる。アルコールとしては、用いる反応原料、得られる生成物の溶解度、反応条件、反応の経済性等を考慮して、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等を挙げることができる。また、芳香族炭化水素溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン等を挙げることができる。 このような溶剤は、通常、用いる4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノン100重量部に対して、100〜500重量部の範囲で用いられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
本発明において、上記酸触媒としては、乾燥塩化水素ガスが好ましく用いられるが、しかし、これに限定されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸、無水硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、リン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等も用いられる。このような酸触媒は、例えば、乾燥塩化水素ガスの場合は、好ましくは、反応系内を飽和させる量にて用いられる。更に、本発明によれば、反応を促進するために、メルカプタン等(例えば、オクチルメルカプタン)の助触媒を用いることができる。
【0057】
反応は、通常、20〜80℃、好ましくは、20〜50℃の範囲の温度にて、反応器中の反応混合物に乾燥塩化水素ガスを吹き込みながら、攪拌下、2〜48時間程度、通常、6〜24時間程度行なえばよい。
【0058】
反応終了後、得られた反応混合物にアルカリを加えて、酸触媒を中和した後、水層に適宜の晶析溶剤を加えるか、又は水層を分離除去し、必要に応じて、得られた有機層を常圧又は減圧下に蒸留した後、これに適宜の晶析溶剤を加えるかして、粗結晶を析出させ、次いで、この粗結晶を濾取し、これを更に適宜の晶析溶剤から晶析させることによって、ヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類の精製品を得ることができる。本発明によれば、上記粗結晶や精製品を次工程の熱分解の原料として用いることができる。
【0059】
しかし、本発明によれば、前述したように、反応工程を簡略化するために、反応終了後、得られた反応混合物にアルカリを加えて、酸触媒を中和した後、水層を分離除去し、かくして、得られた油状の反応混合物を次工程の熱分解の原料として用いるのが望ましい。
【0060】
このヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を含む油状の反応混合物を前述したようにして、好ましくは、アルカリ触媒の存在下に、熱分解し、次いで、得られた反応混合物を脱水素反応に付することによって、目的とする前記一般式(II)で表される4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明の方法によれば、置換フェノール類と4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノンとから出発する場合を含めて、すべての反応を常圧乃至減圧下に行うことができるので、加圧反応装置のような特殊な反応装置が必要でなく、かくして、本発明によれば、工業的に入手の容易な原料を用いて、工業的な実施の容易な反応条件下に反応を行って、目的とする4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を高収率、高純度で得ることができる。
【0062】
更に、本発明によれば、出発原料として、分子の一方の末端のヒドロキシフェニル基にのみ、例えば、アルキル基のような置換基を有するヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を用いることによって、分子の一方の末端のヒドロキシフェニル基にのみ、例えば、アルキル基のような置換基を有する非対称構造の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類を得ることができる。
【0063】
このような非対称構造の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類は、対称構造の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類に比べて、例えば、有機溶媒への溶解性にすぐれることが期待される。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0065】
実施例1
(4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニルの製造)
熱分解工程
(1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン−1の製造)
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン76.0g(0.211モル)と48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gとテトラエチレングリコール63.4gとを反応容器(200mL容量四つ口フラスコ)に仕込み、反応容器内を窒素置換した後、反応容器内を圧力100〜150mmHgの減圧とし、温度210℃程度において、約3時間、熱分解反応を行った。留出物が留出しなくなった時点を熱分解反応の終点とした。 反応終了後、得られた反応混合物に50%酢酸水溶液を加えて、pH6程度に中和して、含水油状の反応混合物を得た。
【0066】
脱水素工程
(4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニルの製造)
上記含水油状の反応混合物119gにα−メチルスチレン49.8g(4,4”−ヒドロキシフェニル−p−シクロヘキセン−1の理論収量の2倍モル量)と5%パラジウム/カーボン担持触媒(50重量%含水品)5.8gを追加添加し、反応容器内を窒素置換した後、常圧下、温度163℃に昇温して、攪拌下に3時間反応させた。
【0067】
反応終了後、得られた反応混合物にジメチルホルムアミド1400gを加え、混合した。この後、この混合物からパラジウム/カーボン触媒を濾別し、更に、溶媒を蒸留により留去して、目的物を含む蒸留残渣を得た。この蒸留残渣にメタノールを加え、晶析濾過し、得られた固体を乾燥して、純度98.8%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)の4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル41.7gを白色結晶として得た。1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに対する収率は74.5モル%であった。
【0068】
実施例2
(4−ヒドロキシ−3”−メチル−4”−ヒドロキシターフェニルの製造)
熱分解工程
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン50.2g(0.129モル)と48%水酸化ナトリウム水溶液0.3gとテトラエチレングリコール26.3gとを反応容器(300mL容量四つ口フラスコ)に仕込み、反応容器内を窒素置換した後、反応容器内を圧力50mmHgの減圧とし、温度210℃程度において、約4時間、熱分解反応を行った。留出物の留出がなくなった時点を反応の終点とした。
【0069】
反応終了後、得られた反応混合物に50%酢酸水溶液を加えて、pH6程度に中和した後、含水油状の反応混合物64.7gを得た。
【0070】
脱水素工程
上記含水油状の反応混合物64.7gにα−メチルスチレン60.0gと5%パラジウム/カーボン担持触媒(50重量%含水品)3.5gを追加添加し、反応容器内を窒素置換した後、常圧下、温度165℃に昇温して、攪拌下に3時間反応させた。
【0071】
反応終了後、得られた反応混合物にジメチルホルムアミド50gを加え、混合した。この後、この混合物からパラジウム/カーボン触媒を濾別し、更に、溶媒を蒸留により溜去して、目的物を含む蒸留残渣を得た。この蒸留残渣にメタノールを加え、残渣を溶解させ、更に、水を加えた後、晶析濾過し、得られた固体を乾燥して、純度99.1%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)の4,4”−ジヒドロキシ−3”−メチルターフェニル30.5gを白色結晶として得た。1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに対する収率は85.8モル%であった。
【0072】
融点:251.4℃(DSC法)
分子量:276(M+) (質量分析による。)
プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d)(δ(ppm):
2.19(s,3H),6.86(dd,3H,J=8.0Hz,J=3.2Hz),7.32(dd,1H,J=10.2Hz,2.4Hz),7.41(d,1H,J=2.4Hz),7.50(d,2H,J=8.8Hz),7.58(s,4H),9.48(brs.2H)
【0073】
実施例3
(4−ヒドロキシ−3”,5”−ジメチル−4”−ヒドロキシターフェニルの製造)
熱分解工程
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン83.2g(0.200モル)と48%水酸化ナトリウム水溶液0.4gとテトラエチレングリコール32gとを反応容器(300mL容量四つ口フラスコ)に仕込み、反応容器内を窒素置換した後、反応容器内を圧力40mmHgの減圧とし、温度210℃程度において、約4時間、熱分解反応を行った。留出物の留出がなくなった時点を反応の終点とした。 反応終了後、得られた反応混合物に50%酢酸水溶液を加えて、pH6程度に中和した後、含水油状の反応混合物88.0gを得た。
【0074】
脱水素工程
上記含水油状の反応混合物88.0gにα−メチルスチレン90.0gと5%パラジウム/カーボン担持触媒(50重量%含水品)0.56gを追加添加し、反応容器内を窒素置換した後、常圧下、温度160℃に昇温して、攪拌下に6時間反応させた。
【0075】
反応終了後、得られた反応混合物にジメチルホルムアミド96gを加え、混合した。この後、この混合物からパラジウム/カーボン触媒を濾別し、更に、溶媒を蒸留により溜去して、目的物を含む蒸留残渣を得た。この蒸留残渣に水を加え、晶析濾過し、得られた固体にイソプロパノールを加えてスラリーとした後、再度、晶析濾過し、乾燥して、純度98.1%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)の4−ヒドロキシ−3”,5”−ジメチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル47.4gを白色結晶として得た。1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに対する収率は81.7モル%であった。
【0076】
融点:231℃(DSC法)
分子量:290(M+) (質量分析による。)
プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d)(δ(ppm):
2.25(s,6H),6.88(d,2H,J=8.0Hz),7.25(s,2H),7.50(d,2H,J=8.8Hz),7.58(s,4H),8.80(brs,2H)
【0077】
実施例4
(4−ヒドロキシ−3”−イソプロピル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニルの製造)
熱分解工程
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン29.3g(0.0660モル)と48%水酸化ナトリウム水溶液0.2gとテトラエチレングリコール12.0gとを反応容器(300mL容量四つ口フラスコ)に仕込み、反応容器内を窒素置換した後、反応容器内を圧力40mmHgの減圧とし、温度210℃程度において、約3時間、熱分解反応を行った。留出物の留出がなくなった時点を反応の終点とした。
【0078】
反応終了後、得られた反応混合物に50%酢酸水溶液を加えて、pH6程度に中和した後、含水油状の反応混合物33.6gを得た。
【0079】
脱水素工程
上記含水油状の反応混合物33.6gにα−メチルスチレン31.2gと5%パラジウム/カーボン担持触媒(50重量%含水品)0.2gを追加添加し、反応容器内を窒素置換した後、常圧下、温度160℃に昇温して、攪拌下に4時間反応させた。
【0080】
反応終了後、得られた反応混合物にジメチルホルムアミド31.2gを加え、混合した。この後、この混合物からパラジウム/カーボン触媒を濾別し、更に、溶媒を蒸留により溜去して、目的物を含む蒸留残渣を得た。この蒸留残渣にメチルイソブチルケトンと水とを加え、水層を分液除去し、得られた油層から溶媒を留去した後、トルエンを加えて晶析濾過し、乾燥して、純度99.0%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)の4−ヒドロキシ−3”−イソプロピル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニル16.5gを白色結晶として得た。目的物の原料1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに対する反応収率は81.2モル%であった。
【0081】
融点:179℃(DSC法)
分子量:304(M+) (質量分析による。)
プロトンNMR(400MHz、溶媒DMSO−d)(δ(ppm):
1.24(d,6H,J=6.8Hz),3.25〜3.29(m,1H),6.87〜6.90(m,3H),7.33(dd,1H,J=8.4Hz,2.0Hz),7.43(d,1H,J=2.4Hz),7.52(d,2H,J=8.8Hz),7.61(s,4H),9.46(brs,1H),9.56(brs,1H)
【0082】
実施例5
(4−ヒドロキシ−3”−メチル−4”−ヒドロキシ−p−ターフェニルの製造)
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの製造工程
o−クレゾール136g(4−(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの8倍モル)、濃塩酸53.9g、オクチルメルカプタン0.3g及びメタノール27.2gを反応容器(500mL容量四つ口フラスコ)に仕込み、40℃で攪拌した後、これに4−(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン粉末29.0gを2時間かけて加え、この後、更に、40℃で4時間攪拌した。反応選択率は98%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)であった。
【0083】
反応終了後、得られた反応混合物に16%水酸化ナトリウム水溶液135gを加えて中和し、更に、75%リン酸数滴を加えて、pH6に調整した。この後、メチルイソブチルケトン100gを加えて、水層を分液除去し、得られた油層に水50gを加え、分液して、油層を得た。この油層からメタノールとメチルイソブチルケトンとを蒸留によって除去して、赤褐色の液状物244gを残渣として得た。
【0084】
熱分解工程
上記赤褐色の液状物244gに48%水酸化ナトリウム水溶液0.60gとテトラエチレングリコール18gとを加え、減圧度40mmHg、温度182〜204℃にて、o−クレゾールを留去しながら、3時間加熱して、1−(4−ヒドロキシフェニル)−4,4−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの熱分解を行い、赤褐色油状物63.4gを残渣として得た。反応選択率は91%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)であった。
【0085】
この赤褐色油状物63.4gに50%酢酸水溶液1.0gを加えて中和し、90℃で20分間攪拌して、クリーム色のスラリー64gを得た。
【0086】
脱水素工程
このクリーム色のスラリー64gにα−メチルスチレン72gと5%パラジウム/カーボン担持触媒(50重量%含水品)4.2gを加え、常圧下、温度165℃で還流させながら、3時間反応させた。反応選択率は89%(高速液体クロマトグラフィー分析による。)であった。
【0087】
この後、反応混合物を室温まで冷却し、ジメチルホルムアミド60gを加えて溶解させ、触媒を濾過にて除去した後、ジメチルホルムアミドを留去して、残渣98gを得た。これにメタノールを加え、60℃に加温して溶解させた後、水を加えて晶析させ、室温で濾過し、乾燥して、純度99.1%の4,4”−ジヒドロキシ−3”−メチル−p−ターフェニル35.7gを得た。4−(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに対する反応収率は84モル%であった。
Claims (2)
- 化学式(III)
で表される置換フェノール類を酸触媒の存在下に反応させて、一般式(I)
で表されるヒドロキシフェニル置換シクロヘキシリデンビスフェノール類を生成させ、これを熱分解し、次いで、得られた反応混合物を脱水素することを特徴とする一般式(II)
で表される4,4”−ジヒドロキシ−p−ターフェニル類の製造方法。
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