JP4692703B2 - 圧電共振部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発振回路などを構成する際に用いられる圧電共振部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、発振周波数を得る共振子として、セラミック圧電振動子を用いた圧電共振部品が知られている。圧電振動子は、圧電基板の一面及び他面に、1対の振動電極を付与した構造を有する。この圧電振動子は、2個の負荷容量を形成する容量基板の上に搭載され、キャップで封止される。
【0003】
このような圧電共振部品は、例えば、特開昭60ー125120号公報、特開平1−236715号公報、特開平8ー237066号公報または特開平10ー135215号公報等に開示されている。
【0004】
しかし、これらの先行技術文献に記載された圧電共振部品は、共振周波数一反共振周波数の幅で示される帯域幅が比較的広いため、様々な理由に起因して発生するインピーダンスの微少変化、それに伴う発振周波数の微少なずれを生じ易い。このため、高精度の周波数安定度を有する共振子を得ることが難しい。
【0005】
高精度な周波数安定を要求される場合には、帯域幅を、要求されるQ値を満たした上で、極力小さくする必要がある。その手段として、圧電基板の上に補助電極を設け、補助電極によって取得される容量を、圧電共振子に対する等価並列容量として利用することにより、帯域幅を狭める方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、補助電極には、振動特性に影響を与えない大きさ、位置、材質等の制限が加わるから、これらの制限事項をクリヤした上で、狭帯域化に必要な等価並列容量を確保することは、容易ではない。
【0007】
しかも、圧電基板は、本来の圧電特性を満たすことを前提にして、材料、厚み等が選定されており、補助電極によって構成されるべき容量のために適した材料、厚みが保証されている訳ではないので、狭帯域化に必要な等価並列容量を確保することは必ずしも容易ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、帯域幅を狭めることにより、安定した発振特性が得られる圧電共振部品を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの課題は、狭帯域化のために必要な等価並列容量を確実に確保し得る圧電共振部品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る圧電共振子は、誘電体基板と、圧電共振子とを含む。前記誘電体基板は、表面に第1の端子電極及び第2の端子電極を有する。前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極は間隔を隔てて対向しいる。
【0011】
前記圧電共振子は、圧電基板と、第1の振動電極と、第2の振動電極と、第1のリード電極と、第2のリード電極とを含む。前記第1の振動電極は、前記圧電基板の厚み方向の一面に備えられている。前記第2の振動電極は、前記圧電基板の厚み方向の他面に備えられ、第1の振動電極と向きあっている。前記第1のリード電極は、第1の振動電極に電気的に導通しており、前記第2のリード電極は、前記第2の振動電極に電気的に導通している。
【0012】
前記圧電共振子は、前記基板の前記表面に搭載され、前記第1及び第2のリード電極が、前記第1及び第2の端子電極にそれぞれ接続される。
【0013】
そして、前記誘電体基板の前記表面側において、前記第1及び第2の端子電極の間に生ずる等価容量を、前記圧電共振子に対する等価並列容量として利用する。
【0014】
上述したように、本発明に係る圧電共振部品は、誘電体基板を含んでおり、誘電体基板の表面には、第1の端子電極及び第2の端子電極が、間隔を隔てて対向して設けられているから、誘電体基板の表面側において、第1及び第2の端子電極の間に等価容量が生じる。
【0015】
圧電共振子は、圧電基板と、第1の振動電極と、第2の振動電極とを含んでおり、第1の振動電極が圧電基板の厚み方向の一面に備えられ、第2の振動電極が圧電基板の厚み方向の他面に備えられ、第1の振動電極と向きあっている。従って、第1の振動電極及び第2の振動電極に励振エネルギーを供給することにより、所定の共振特性を得ることができる。利用する共振モードは、特に限定はないが、Q値を高くするという観点からは、基本波厚み縦振動モードを利用するのが望ましい。
【0016】
更に、圧電共振子は、第1のリード電極と、第2のリード電極とを含む。前記第1のリード電極は、第1の振動電極に電気的に導通しており、前記第2のリード電極は、前記第2の振動電極に電気的に導通している。従って、振動特性に影響を与えない位置から、第1及び第2のリード電極を介して、第1及び第2の振動電極に励振エネルギーを供給することができる。
【0017】
ここで、本発明において、誘電体基板の表面側において、第1及び第2の端子電極の間に容量が生じるから、圧電共振子が誘電体基板の表面に搭載され、第1及び第2のリード電極が、第1及び第2の端子電極にそれぞれ接続された場合、第1及び第2の端子電極の間に生じる等価並列容量を利用して、共振周波数と反共振周波数との間の帯域幅を狭くし、従来と比べて、発振周波数を安定させることができる。
【0018】
しかも、等価並列容量は、圧電共振子とは異なる誘電体基板を利用して取得されるので、圧電共振子を構成する圧電基板に補助電極を設けて等価並列容量を取得する従来技術と異なって、等価並列容量を取得する第1及び第2の端子電極に対する制限が著しく緩和される。このため、狭帯域化に必要な等価並列容量を、必要な値に確実に設定することができる。
【0019】
また、誘電体基板は、圧電特性の影響を受けずに、これから独立して、等価並列容量を取得するのに適した材料によって構成できるので、狭帯域化に必要な等価並列容量を、簡単、かつ、確実に取得し得る。
【0020】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。図は単なる例に過ぎない。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る圧電共振部品の分解斜視図、図2は図1に図示された圧電共振部品の組立状態を示す斜視図、図3は図1及び図2に示した圧電共振部品の正面断面図である。図示された圧電共振部品は、誘電体基板2と、圧電共振子7とを含む。
【0022】
誘電体基板2は、表面に第1の端子電極61及び第2の端子電極62を有する。第1の端子電極61及び第2の端子電極62は間隔G1を隔てて対向している。図示実施例において、第1の端子電極61及び第2の端子電極62は、相対向する端縁部610、620を突出させ、その突出量によって間隔G1をコントロールしてある。上述した間隔G1のコントロールにより、誘電体基板2の表面側において、相対向する端縁部610、620の間に生じる等価容量C3の値がコントロールされる。等価容量C3は、実際には、端縁部610、620の間に生じる静電容量であり、これを集中定数として、等価的に表示してある。誘電体基板2としては、Ba(Ti,Zr)O3系セラミック誘電体材料を使用することができる。
【0023】
図示実施例の誘電体基板2は、裏面側に、第1の容量電極63と、第3の容量電極65と、第2の容量電極64とを有する。第1の容量電極63は、第1の側面電極66を介して、第1の端子電極61と電気的に導通しており、第3の容量電極65は、第2の側面電極67を介して、第2の端子電極62と電気的に導通している。
【0024】
第2の容量電極64は、第1の容量電極63と第3の容量電極65との間に配置され、両者に対して、間隔G2、G3を隔てて対向する(図3参照)。
【0025】
圧電共振子7は、圧電基板1と、第1の振動電極21と、第2の振動電極22と、第1のリード電極41と、第2のリード電極42とを含む。圧電基板1のサイズは、一例として示すと、幅1.2mm、長さ1.2mm、厚さ0.5mmである。
【0026】
圧電基板1は、燒結体を所定厚みに研磨し、高電界で、厚み方向に分極処理をしたものである。圧電基板1の材質は、環境への配慮から、PbOを含まない非鉛材料を用いる。圧電基板1は、実効ポアソン比が1/3未満の圧電材料によって構成することができる。実効ポアソン比が1/3未満の材料を用いても基本波について良好な波形が得られる。
【0027】
実効ポアソン比が1/3未満の圧電材料としては、例えば、タンタル酸化合物あるいはニオブ酸化合物などのペロブスカイト構造を有する化合物およびその固溶体、イルメナイト構造を有する化合物および固溶体、パイロクロア構造を有する化合物、ビスマスを含む層状構造化合物、またはタングステンーブロンズ構造を有する化合物などが挙げられる。この圧電基板1はこれらの圧電材料を最大含有成分である主成分として含んでいる。
【0028】
タンタル酸化合物またはニオブ酸化合物としては、例えば、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、およびリチウム(Li)などからなる群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、タンタル(Ta)およびニオブ(Nb)からなる群のうちの少なくとも1種の第2の元素と、酸素とを含むものが挙げられる。これらは、第1の元素をAとし、第2の元素をBとすると、一般式
ABO3
で表される。また、ビスマスを含む層状構造化合物としては、例えば、ビスマスと、ナトリウム、カリウム、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、鉛(Pb)、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)、およびランタノイド(Ln)およびビスマスなどからなる群のうちの少なくとも1種の第1の元素と、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)、ニオブ、タンタル、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)などからなる群のうちの少なくとも1種の第2の元素と、酸素とを含むものが挙げられる。これらは、第1の元素をCとし、第2の元素をDとすると、次の一般式
(Bi2O2)2+(Cm-1DmO3m+1)2-
但し、m:1から8までの整数
で表される。更に、ダングステンブロンズ化合物には一般式はなく、例えば、
NaW06BaNaNbO15
などがある。但し、ここで示した化学式はいずれも科学量論組成で表したものであり、圧電基板1を構成する圧電材料としては科学量論組成でないものが用いられてもよい。
【0029】
ちなみに、これらの中でも、ビスマスを含む層状構造化合物は圧電基板1を構成する圧電材料として好ましい。機械的品質係数Qmおよびキュリー温度が大きく、特にレゾネータとして優れた特性を得ることができるからである。例えば、ビスマスとストロンチウムとチタンと酸素とを含む層状構造化合物が好ましく、特に、この層状構造化合物にランタンを含むものはより好ましい。
【0030】
第1の振動電極21は、圧電基板1の厚み方向の一面101に備えられている。第2の振動電極22は、圧電基板1の厚み方向の他面102に備えられ、第1の振動電極21と向きあっている。第1の振動電極21及び第2の振動電極22は、図示の矩形状の他、円形状の形状を採用することができる。これらの第1及び第2の振動電極21、22は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などの薄膜技術や厚膜印刷技術によって形成することができる。材質としては、Au、Ag、Cu、Crまたはそれらの合金などを用いることができる。
【0031】
第1のリード電極41は、第1の振動電極21に電気的に導通しており、第2のリード電極42は、第2の振動電極22に電気的に導通している。第1及び第2のリード電極41、42も、真空蒸着法、スパッタリング法などの薄膜技術や厚膜印刷技術によって形成することができる。材質としては、Au、Ag、Cu、Crまたはそれらの合金などを用いることができる。
【0032】
圧電共振子7は、誘電体基板2の表面に搭載され、第1及び第2のリード電極41、42が、半田、金属接合材、合金接合材またはその他の接合材5によって、第1及び第2の端子電極61、62にそれぞれ接続される。誘電体基板2の上に実装された圧電共振子7の周りは、ケース8によって封止される(図3参照)図4は図1乃至図3に示した圧電共振部品の等価回路図である。圧電共振部品は、圧電共振子7に含まれる等価抵抗R、等価インダクタンスL及び等価容量C1の直列回路に、等価容量C2を並列接続した圧電共振子7の等価回路に対し、第1の端子電極61ー62間の等価並列容量C3が構成される。更に、端子電極63ー64間に容量C4を接続し、端子電極64ー65間に容量C5を接続した回路構成となる。
【0033】
図1〜図3に図示された圧電共振子7は、誘電体基板2に搭載されており、誘電体基板2の表面には、第1の端子電極61及び第2の端子電極62が、間隔G1を隔てて対向して設けられているから、誘電体基板2の表面側において、第1及び第2の端子電極61、62の間に等価並列容量C3(図4参照)が生じる。
【0034】
圧電共振子7は、圧電基板1と、第1の振動電極21と、第2の振動電極22とを含んでおり、第1の振動電極21が圧電基板1の厚み方向の一面に備えられ、第2の振動電極22が圧電基板1の厚み方向の他面に備えられ、第1の振動電極21と向きあっている。従って、第1の振動電極21及び第2の振動電極22に励振エネルギーを供給することにより、所定の共振特性を得ることができる。利用する共振モードは、特に限定はないが、Q値を高くするという観点からは、基本波厚み縦振動モードを利用するのが望ましい。
【0035】
更に、圧電共振子7は、第1のリード電極41と、第2のリード電極42とを含む。第1のリード電極41は、第1の振動電極21に電気的に導通しており、第2のリード電極42は、第2の振動電極22に電気的に導通している。従って、振動特性に影響を与えない位置から、第1及び第2のリード電極41、42を介して、第1及び第2の振動電極21、22に励振エネルギーを供給することができる。
【0036】
圧電共振子7は、誘電体基板2の表面に搭載され、第1及び第2のリード電極41、42が、第1及び第2の端子電極61、62にそれぞれ接続される。第1及び第2の端子電極61、62は、誘電体基板2の裏面に設けられた第1及び第3の容量電極63、65に連なり、第1及び第3の容量電極63、65の間には、第2の容量電極64が設けられている。従って、圧電共振部品は、第1〜第3の容量電極63〜65を利用して、回路基板等に実装することができる。
【0037】
誘電体基板2の表面側において、第1及び第2の端子電極61、62の間に等価並列容量C3が生じるから、圧電共振子7が誘電体基板2の表面に搭載され、第1及び第2のリード電極41、42が、第1及び第2の端子電極61、62にそれぞれ接続された場合、第1及び第2の端子電極61、62の間に生じる等価並列容量C3をコントロールすることにより、共振周波数と反共振周波数との間の帯域幅を狭くし、発振周波数を安定させることができる。
【0038】
しかも、等価並列容量C3は、圧電共振子7とは異なる誘電体基板2を利用して取得されるので、圧電共振子7を構成する圧電基板1に補助電極を設けて等価並列容量C3を取得する従来技術と異なって、等価並列容量C3を取得する第1及び第2の端子電極61、62に対する制限が著しく緩和される。このため、狭帯域化に必要な等価並列容量C3を、必要な値に確実に設定することができる。
【0039】
また、誘電体基板2は、圧電特性の影響を受けずに、これから独立して、等価並列容量C3を取得するのに適した材料によって構成できるので、狭帯域化に必要な等価並列容量C3を、簡単、かつ、確実に取得し得る。
【0040】
図5は本発明に係る圧電共振部品の別の実施例を示す分解斜視図、図6は図5に図示した圧電共振部品の組立状態を示す斜視図、図7は図5及び図6に示した圧電共振部品に含まれる圧電共振子を底面側から見た斜視図、図8は図7のパッド部分拡大図である。図において、図1乃至図3に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付し、重複説明は省略する。
【0041】
図示された圧電共振子7は、厚み縦振動モードで動作するのに適した例を示している。より具体的には、基本波振動モードを利用する。第1のリード電極41は第1のパッド51を有しており、第2のリード電極42は第2のパッド52を有する。
【0042】
第1及び第2のパッド51、52のそれぞれは、圧電基板1の厚み方向の他面102のコーナ部に備えられている。第1及び第2のパッド51、52は、コーナ部において、特に、振動変位量の小さな領域を選択して、その領域内に形成する。図示された第1及び第2のパッド51、52は、円形状であるが、他の形状、例えば、角形状であってもよい。
【0043】
第1のパッド51は、導体でなり、第1の振動電極21に電気的に導通している。図示実施例において、第1のパッド51は、第1の振動電極21の形成された一面101とは反対側の他面102に形成されているので、他面102及び一面101を通るリード電極41を介して、第1の振動電極21に電気的に接続される。リード電極41は、基本的には、第1の振動電極21と同材質の導体材料によって形成される。
【0044】
図示された第1のパッド51は、図8に拡大して示すように、導体膜511と、バンプ512とを含んでいる。導体膜511は、圧電基板1の他面102に、直接に付着されている。バンプ512は、導体膜511の上に突出するように、付着されている。バンプ512は、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ni、Alもしくはそれらの合金、または半田から選択された少なくとも一種を含むことができる。導体膜511も同様である。
【0045】
第2のパッド52は、導体でなり、第2の振動電極22に電気的に導通する。図示実施例の場合、第2のパッド52は、第2の振動電極22の形成された他面102に形成されており、他面102に形成されたリード電極42により、第2の振動電極22に電気的に接続される。リード電極42は、基本的には、第2の振動電極22と同材質の導体材料によって形成される。
【0046】
第2のパッド52も、図8を参照して説明した第1のパッド51と同様に、導体膜521と、バンプ522とを含んでいる。導体膜521は、圧電基板1の他面102に、直接に付着されている。バンプ522は、導体膜521の上に、突出するように、付着される(図8参照)。第2のパッド52の厚みは、第1のパッド51の厚みと一致させてある。
【0047】
図5〜図8に図示した実施例では、更に、第3のパッド53と、第4のパッド54とを含んでいる。第3のパッド53及び第4のパッド54のそれぞれは、圧電基板1の他面102のコーナ部に備えられている。第3及び第4のパッド53、54は、コーナ部において、特に、振動変位量の小さな領域を選択して、その領域内に形成する。第3及び第4のパッド53、54の厚みは、第1及び第2のパッド51、52の厚みと一致させてある。図示された第3及び第4のパッド53、54は、円形状であるが、他の形状、例えば、多角形状であってもよい。
【0048】
図示された第3のパッド53は、図8に拡大して示すように、導体膜531と、バンプ532とを含んでいる。導体膜531は、圧電基板1の他面102に、直接に付着されている。バンプ532は、導体膜531の上に突出するように、付着されている。
【0049】
第4のパッド54も、図8を参照して説明した第1のパッド51と同様に、導体膜541と、バンプ542とを含んでいる。導体膜541は、圧電基板1の他面102に、直接に付着されている。バンプ542は、導体膜541の上に、突出するように、付着される。
【0050】
第2のパッド52〜第4のパッド54において、導体膜521、531、541及びバンプ522、532、542は、Au、Pt、Pd、Ag、Cu、Ni、Alもしくはそれらの合金、または半田から選択された少なくとも一種を含むことができる。
【0051】
図5〜図8に示した圧電共振子7でも、圧電基板1の厚み方向の一面に、第1の振動電極21が備えられており、圧電基板1の厚み方向の他面に、第2の振動電極22が備えられている。この第2の振動電極22は、第1の振動電極21と向きあっている。従って、第1の振動電極21及び第2の振動電極22に、電気エネルギーを供給することにより、当該圧電共振子7を、厚み縦振動モードで動作させることができる。
【0052】
誘電体基板2に備えられた第1の端子電極61及び第2の端子電極62のうち、第1の端子電極61は第1のパッド51及び第3のパッド53を受ける部分に、突出部611、612を有し、第2の端子電極62は、第2のパッド52及び第4のパッド54を受ける部分に、突出部621、622を有する。第1及び第2の端子電極61と第2の端子電極62との間には、主として、突出部611、612と突出部621、622との間の間隔G11、G12及び対向長さ等によって定まる等価並列容量C3が生じる。
【0053】
圧電共振子7は、第1及び第2のパッド51、52を備えており、第1のパッド51は、導体でなり、第1の振動電極21に電気的に導通し、第2のパッド52は、導体でなり、第2の振動電極22に電気的に導通する。従って、第1及び第2のパッド51、52に電気エネルギーを供給して、圧電共振子7を励振することができる。
【0054】
六面体である圧電基板1を、厚み縦振動モードで動作させた場合、厚み方向の両面のそれぞれにおいて、その4つのコーナ部に、振動変位が最小になる領域が生じる。実施例においては、第1及び第2のパッド51、52のそれぞれは、圧電基板1の他面102のコーナ部に備えられている。従って、第1及び第2のパッド51、52は、振動変位の小さい位置に設けられることになる。このため、第1及び第2のパッド51、52による振動エネルギーの減衰を最小限に抑えて、圧電共振子7を安定に支持し得る。
【0055】
実施例の場合、第3及び第4のパッド53、54も、圧電基板1の他面102のコーナ部に備えられている。このため、第1〜第4のバッド51〜54による4つの支点が形成されると共、第3及び第4のパッド53、54による振動エネルギーの減衰を最小限に抑えて、圧電共振子7を安定に支持し得る。第3及び第4のパッド53、54の一方を省略し、3点支持構造としてもよい。
【0056】
上述した作用により、振動エネルギーの放散、不要振動の抑圧不足、共振特性の劣化、及び、不安定な発振飛びなどの発振不良を抑え、共振特性の代表値であるQmax値が大きく、安定した共振特性を発揮し得る圧電共振子7が実現される。
【0057】
実施例では、更に、第1のパッド51、第2のパッド52、第3のパッド53及び第4のパッド54は、導体膜511、521、531、541と、バンプ512、522、532、542とを含む。導体膜511、521、531、541は圧電基板1の表面に付着され、バンプ512、522、532、542は導体膜511、521、531、541の上に付着されている。
【0058】
圧電共振子7を、誘電体基板2等の上に搭載する場合、従来は、導電性ペースト等を用い、直接に接着してていた。しかし、基本波振動モードを利用する圧電共振子7の場合、圧電基板1の誘電基板上への搭載接続において、導電ペースト接続時の粘度変化による接着面積のバラツキおよび滲み出し等により、周波数特性や接続強度が不安定となり、圧電共振子7の振動エネルギーの抑制による特性劣化、不要振動の抑圧不足による共振特性の劣化を発生し、不安定な発振飛びなど発振不良を発生することがある。第1のパッド51及び第2のパッド52を構成するに当り、圧電基板1の表面に導体膜511、521、531、541を付着し、導体膜511、521、531、541の上にバンプ512、522、532、542を設け、これらのバンプを介して導電ペースト、はんだペーストまたは超音波接合等の手段により、上述した問題点を解決できる。
【0059】
付着した場合、このような導電性ペーストに起因する問題点を解決できる。
【0060】
図9は本発明に係る圧電共振部品の別の実施例を示す斜視図である。図において、図1乃至図8に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。この実施例では、第3及び第4のパッド53、54は、絶縁体で構成されている。この実施例は、第3及び第4のパッド53、54は、必ずしも、第1及び第2のパッド51、52と同様の導体構造とする必要がないことを示している。
【0061】
圧電基板1の他面102には、第2のパッド52、第3のパッド53、第4のパッド54及び第5のパッド55が備えられている。即ち、第1のパッド51と第2のパッド52とは、異なる面に配置することができる。
【0062】
圧電基板1の一面101に形成された第1のパッド51は、例えば、ワイヤボンディグ46等の手段によって、端子電極62に接続してある。
【0063】
圧電基板1を製造する工程は、既によく知られている。例えば、出発原料として、主に酸化物の原料を用い、それらを所望の組成となるように秤量し、純水あるいはアセトンなどの溶媒中で、ジルコニアボールを使い、ボールミル混合を行う。次いで、混合した原料粉末を十分に乾燥させたのち、例えば、プレス成形により700〜900℃の温度で仮焼成をする。
【0064】
続いて、例えば、この仮焼成体を再度ボールミル粉砕したのち、乾燥させ、バインダーとしてポリビニルアルコールを適量加えて造粒する。
【0065】
造粒したのち、例えば、この造粒粉を、一軸プレス成型器を用いて、200〜300MPaの加重により、縦20mm、横20mm、厚み約1.5mmの薄板状に成形する。
【0066】
次に、例えば、熱処理により、成形体からバインダーを揮発させ、1100〜1350℃の温度で本焼成を行う。本焼成を行ったのち、この焼成体の厚さを、例えば、ラップ研磨機により研磨して整え、その後、鏡面加工を施して圧電基板1の母材板を形成する。
【0067】
母材板を形成した後、例えば、銅(Cu)を真空蒸着することにより、母材板の両面に分極処理用電極を形成する。その後、例えば、この分極処理用電極を形成した母材板を、200〜300℃に加熱したシリコンオイル中に浸し、5〜10Kv/mmの電界を1分間印加して分極処理を行う。
【0068】
分極処理を行った後、分極処理用電極を除去してダイシングなどにより母材板の大きさを整え、圧電基板1を形成する。次に、圧電基板1の対向面にたとえばスパッタ形成により、銀などの金属よりなる電極を形成する。これにより圧電共振子7が形成される。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)帯域幅を狭めることにより、安定した発振特性が得られる圧電共振部品を提供することができる。
(b)狭帯域化のために必要な等価並列容量を確実に確保し得る圧電共振部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電共振部品の分解斜視図である。
【図2】図1に図示された圧電共振部品の組立状態を示す斜視図である。
【図3】図1及び図2に示した圧電共振部品の正面断面図である。
【図4】図1乃至図3に示した圧電共振部品の等価回路図である。
【図5】本発明に係る圧電共振部品の別の実施例を示す分解斜視図である。
【図6】図5に図示した圧電共振部品の組立状態を示す斜視図である。
【図7】図5及び図6に示した圧電共振部品に含まれる圧電共振子を底面側から見た斜視図である。
【図8】図7のパッド部分の拡大図である。
【図9】本発明に係る圧電共振部品の別の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 圧電基板
21、22 第1及び第2の振動電極
Claims (7)
- 誘電体基板と、圧電共振子とを含む圧電共振部品であって、
前記誘電体基板は、表面に第1の端子電極及び第2の端子電極を有し、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極は間隔を隔てて対向しており、
前記圧電共振子は、圧電基板と、第1の振動電極と、第2の振動電極と、第1のリード電極と、第2のリード電極とを含み、
前記第1の振動電極は、前記圧電基板の厚み方向の一面に備えられており、
前記第2の振動電極は、前記圧電基板の厚み方向の他面に備えられ、第1の振動電極と向きあっており、
前記第1のリード電極は、前記第1の振動電極に電気的に導通しており、
前記第2のリード電極は、前記第2の振動電極に電気的に導通しており、
前記圧電共振子は、前記基板の前記表面に搭載され、前記第1及び第2のリード電極が、前記第1及び第2の端子電極にそれぞれ接続されており、
前記誘電体基板の前記表面側において、前記第1及び第2の端子電極の間に生ずる等価容量が、前記圧電共振子に対し、その共振周波数と反共振周波数との間の帯域幅を狭める等価並列容量となるものであり、
前記第1及び第2の端子電極は、相対向する端縁部を突出させてあり、
前記等価容量の値は、前記端縁部の突出量によって定まる間隔によりコントロールされる、
圧電共振部品。 - 請求項1に記載された圧電共振部品であって、前記第1及び前記第2の端子電極の間の前記間隔は、ほぼ一定である圧電共振部品。
- 請求項1に記載された圧電共振部品であって、前記第1及び第2の端子電極の間の前記間隔は、その対向長さの中で変化する圧電共振部品。
- 請求項1乃至3の何れかに記載された圧電共振部品であって、前記誘電体基板は、裏面側に第1の容量電極と、第2の容量電極と、第3の容量電極とを有しており、前記第1の容量電極は、前記第1の端子電極に電気的に導通しており、前記第3の容量電極は、前記第2の端子電極に電気的に導通しており、前記第2の容量電極は、前記第1の容量電極と前記第3の容量電極との間に配置され、両者に対して間隔を隔てて対向する圧電共振部品。
- 請求項1乃至4の何れかに記載された圧電共振部品であって、前記第1のリード電極は、第1のパッドを含み、前記第1のパッドの部分で前記第1の端子電極に接続され、前記第2のリード電極は、第2のパッドを含み、前記第2のパッドの部分で、前記第2の端子電極に接続されている圧電共振部品。
- 請求項5に記載された圧電共振部品であって、前記第1及び前記第2のパッドのそれぞれは、前記圧電基板の厚み方向の少なくとも一面であって、振動変位の小さい部分に備えられている圧電共振部品。
- 請求項5に記載された圧電共振部品であって、前記振動変位の小さい部分は、少なくとも、前記一面の4つのコーナ部において選択された部分である圧電共振部品。
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