JP4691223B1 - 凍結防止機能を備えた道路用カーブミラー - Google Patents

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Abstract

【課題】カーブミラーの鏡面に着氷した氷を効率的に融氷する融氷構造を備えたカーブミラーを提供する。
【解決手段】カーブミラー100は、凸面体状の透明プラスチック板又はガラス板のミラー用凸面体10と、ミラー用凸面体10の裏面に形成した鏡面金属層20と、鏡面金属層20の裏面に配設した通電により発熱する発熱体30と、発熱体30を挟み込むように鏡面金属層20の裏面に貼り付けた金属シート40と、金属シート40の裏面に設けた断熱材50を備えている。金属シート40を発熱体30の形に沿わせ、鏡面金属層20と発熱体30と金属シート40を接触せしめた状態で貼り合わせ、表面の凍結を防止する。
【選択図】図2

Description

本考案は、見通しの悪い道路などに設置されているカーブミラーに関し、冬季など低気温時に鏡面上の水分や雪などが凍結して着氷することを防止し、従来のカーブミラーであれば着氷がついて鏡面上の乱反射などにより正常な鏡面反射作用が得られなくなる環境下でも融氷し、正常な鏡面反射作用を保持するカーブミラーに関する。
一般に道路の曲がり角や見通しの悪い所には、車両の走行及び歩行者の通行の安全を確保するためにカーブミラーと呼ばれる反射鏡が設置されている。
カーブミラーとは、道路側方に所定の高さに凸面鏡を配置して、直接に目視できない位置にある対向車両等の有無を自動車の運転手に知らせようとするものである。カーブミラーの凸面鏡は、通常は凸面状に加工された金属基板面にガラス層を形成して、支柱などにより路面から所定の高さに位置するように配置されているものが一般的である。
カーブミラーは、一般には道路脇に設置されるものであり、直接、雨や雪にさらされる環境に置かれるため、特に、山間部や水辺を通る道路に設置されたものは、冬季などの寒冷期間において、鏡面が0度以下となって結露や雪が凍結して着氷するという現象がしばしば発生していた。
つまり、従来のカーブミラーであれば着氷がついて鏡面上の乱反射などにより正常な鏡面反射作用が得られなくなってしまう。そのため、運転者がカーブミラー上の像を視認できなくなり、対向車との出会い頭の衝突事故などが起きることがあった。
このように、カーブミラーの凸面鏡の鏡面に付着した霜や氷を除去しなくては、安全を確保することが困難になるため、カーブミラーの着氷対策は交通機関の安全運行上重大な意義を有するものである。
従来のカーブミラーでは、人手による作業で凸面鏡の除氷を行なう必要があるが、人手では手間と人件費がかかりすぎるという問題がある。
そこで、人手に頼らず、自動的に融氷を行なうことを狙った技術として、例えば、実用新案登録第3083992号公報(結露除去カーブミラー)などが知られていた。実用新案登録第3083992号公報の技術は、図7に示すように、断熱材6に熱線8の配線を行なっておき、これに電流を流して、カーブミラーの鏡面を暖めて氷を溶かそうというものである。なお、カーブミラーは山間部などの電気の供給が難しい道路脇などに設置されているため、実用新案登録第3083992号公報では、電源として、太陽電池10と、蓄電池を備え、さらに、通電時間の制御をするためにタイマーを組み合わせたものとなっている。
つまり、鏡面に着氷する原因として、周囲の空気の露点より鏡面の温度が低くなることによって結露が生じたり、降雪により雪が着雪したりし、さらに、カーブミラー鏡面の温度が0度以下となる状態が続くと氷として着氷してしまう環境において、上記の従来技術は、鏡面の裏側に発熱体を付設し、該発熱体を商用電源や太陽電池により発熱させて鏡面を暖めることにより、融氷しようというものであった。
実用新案登録第3083992号公報
しかし、上記の実用新案登録第3083992号公報に開示された従来技術では、以下に示す問題があった。
それは、厳しい寒冷地では、上記の従来技術の構成では実際には融氷できないという問題である。
出願人が実際に寒冷地で実験したところ、単に、カーブミラーの裏面に発熱体を配設した断熱材を取り付けた状態では、効率的に融氷できないことが分かった。もっとも上記の従来技術の構成においても、多量の電流を流せば、融氷は可能であるが、商用電源を利用できない山間部の道路脇であれば、常に多量の電流を流すためには大きな発電機や蓄電設備が必要となるため、そのような設備を供することは現実的ではない。カーブミラー上部に配設する太陽光発電装置でまかなえる電力で融氷するにはもっと効率的な融氷の仕組みが必要である。
上記の従来技術の実用新案登録第3083992号公報に開示された技術では、熱線自体は発熱するが、熱線は断熱材で覆われているため、熱線のうち鏡面方向に直接熱を供給できるのは鏡面に対向している正面方向のみであり、熱線のうち上下方向や左右方向や裏面方向の部分は断熱材で遮られており、かえって鏡面の方向に伝導しにくい構造となっている。つまり、断熱材が熱の移動を遮ってしまうものとなっている。
そのため、熱線が配設されている線上の部分のみが融氷され、熱線が配設されていない線上以外の領域には氷が残ってしまう結果となる。
上記問題点に鑑み、本発明は、カーブミラーの鏡面に着氷した氷を効率的に融氷する融氷構造を備えたカーブミラーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1のカーブミラーは、凸面体状の透明プラスチック板又はガラス板のミラー用凸面体と、前記ミラー用凸面体の裏面に形成した鏡面金属層と、前記鏡面金属層の裏面に配設した通電により発熱する発熱体と、前記発熱体を挟み込みつつ前記鏡面金属層の裏面に貼り付けた金属シートと、前記金属シートの裏面に設けた断熱材を備え、前記金属シートを前記発熱体の形に沿わせ、前記鏡面金属層と前記発熱体と前記金属シートを接触せしめた状態で貼り合わせたことを特徴とする凍結防止機能を備えた道路用カーブミラーである。
上記構成により、発熱体を鏡面金属層と金属シートという熱伝導性の高い基材に接触させる構造であり、発熱体で発生した熱を効率的にミラー用凸面体に伝え、着氷した氷を溶かすことができる。
また、本発明の第2のカーブミラーは、凸面体状の透明プラスチック板又はガラス板のミラー用凸面体と、前記ミラー用凸面体の裏面に形成した鏡面金属層と、前記鏡面金属層の裏面に配設した通電により発熱する発熱体と、前記発熱体を挟み込みつつ前記鏡面金属層の裏面に貼り付けた金属シートと、前記金属シートの裏面に設けた断熱材を備え、配設されている前記発熱体の側面に金属粉末を含有した熱伝導性塗料を塗布し、前記発熱体の側面を前記熱伝導性塗料膜で埋設し、前記鏡面金属層と前記発熱体と前記熱伝導性塗料膜と前記金属シートを接触せしめた状態で貼り合わせたことを特徴とする凍結防止機能を備えた道路用カーブミラーである。
上記構成により、発熱体の側面に金属粉末を含有した熱伝導性塗料膜で埋設した構造であり、鏡面金属層と金属シートに加え、側面にも熱伝導性塗料という熱伝導性の高い基材に接触させる構造であり、発熱体で発生した熱を効率的にミラー用凸面体に伝え、着氷した氷を溶かすことができる。
なお、山道など電力供給が難しい箇所に設置されている場合を想定し、安定的に前記発熱体に電力供給を行なうための太陽光発電手段または/および風力発電手段を備えた電力供給部と、前記太陽光発電手段または/および風力発電手段により発生した電力を蓄えて前記発熱体に供給する蓄電部とを備えている構成が好ましい。
また、常に発熱体に電力を供給する必要はなく、カーブミラーの表面に着氷がある時のみ発熱体に電力を供給すれば良い。従来の実用新案登録第3083992号公報に開示された技術は電流を流す開始時刻と終了時刻とを設定するものであったが、カーブミラー表面に着氷が生じていない気象条件でも時間通りに発熱体に電流を流す構成であり問題があった。そこで、本発明では、カーブミラーの表面に着氷があるか否かを判別する方法として以下の方法がある。
第1には、ミラー用凸面体の温度を検知する温度検知部を備え、ミラー用凸面体の温度が所定値以下になった場合に前記蓄電部から前記発熱体に通電する通電制御部を備えている構成である。
第2には、ミラー表面に検知光を照射する照射手段と、前記ミラー表面で反射した光を受光する受光手段を備え、前記受光手段で受光した検知光の変化より前記ミラー表面の着氷を判別する着氷判別手段を備え、前記着氷判別手段により前記ミラー表面に着氷があると判別された場合に前記蓄電部から前記発熱体に通電する通電制御部を備えている構成である。
この方法によれば、カーブミラーの表面に着氷があるか否かを判別することができ、着氷があるときに発熱体に電力を供給できる。
本発明のカーブミラーによれば、発熱体を鏡面金属層、金属シート、金属粉末を含有した熱伝導性塗料という熱伝導性の高い基材に接触させる構造であり、発熱体で発生した熱を効率的にミラー用凸面体に伝え、着氷した氷を溶かすことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明のカーブミラーの実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例1に係る凍結防止機能を備えたカーブミラー100について説明する。例として、カーブミラーは山道など商用電源からの電力供給が難しい位置に設けられるものとして説明する。
図1は、本発明の実施例1のカーブミラーの構成例を簡単に示す図である。図1(a)は外観正面図、図1(b)は外観側面図を示した図、図2(a)はミラー用凸面体10および鏡面金属層20の裏面に配設されている発熱体30を模式的に示した図、図2(b)は内部構造を簡単に示した断面図である。また、図3はミラー面を構成する各層を拡大して示した図である。
実施例1のカーブミラー100は、図1、図2、図3に示すように、ミラー用凸面体10と、鏡面金属層20と、発熱体30、金属シート40、断熱材50、電力供給部60、蓄電部70、通電制御部80、支柱90を備えた構造となっている。
ミラー用凸面体10は、一般のカーブミラーで採用されている凸面体で良く、芯材となる透明プラスチック板又はガラス板を凸面状に加工したものである。素材は、例えば、ポリカーボネートやアクリルなどの透明プラスチックとする。なお、裏面の形状は凹面状となっている。なお、後述するようにカーブミラー100の内部に断熱材50が充填される場合、カーブミラー100全体の裏面は必ずしも凹面状となっている必要はない。
ミラー用凸面体10は支柱90に取り付けられ、ミラー用凸面体10の上方には降雪除けのフード91が設けられている。
鏡面金属層20は、ミラー用凸面体10の裏面にアルミニウム膜などを形成させた金属箔である。形成方法は、プラズマ処理やスパッタリングやイオンプレーティング等で金属を蒸着させる「乾式法」や、電気メッキや化学メッキによる「湿式法」のいずれでも良い。例えば、乾式法ではアルミニウムやクロムの蒸着鏡や、ガラスにシリコンの薄い膜を何層も熱蒸着した蒸着鏡などがある。
発熱体30は、通電により発熱する発熱体であり、ミラー用凸面体10の鏡面を加熱するために鏡面金属層20の裏面に配設されている。つまり、発熱体30の前面が鏡面金属層20に対して接した状態となっている。例えば、鏡面金属層20の裏面に配設した熱線などがある。
金属シート40は、発熱体30を挟み込むように鏡面金属層20の裏面に貼り付けたアルミ箔などの金属シートであり、発熱体30で四方八方に放散する熱を効率的に鏡面金属層20側に伝達するものである。金属シート40は、発熱体30の形に沿わせ、できるだけ発熱体30との接触面積が大きい状態で、鏡面金属層20と発熱体30と金属シート40を接触せしめて貼り合わせている。
断熱材50は、発熱体30で発熱した熱の熱損失を防ぐために、金属シート40の裏面に設けられているものである。断熱体50は、断熱性素材、例えば、発泡樹脂等の材質などで形成される。なお、発泡樹脂等で充填する代わりにミラー用凸面体10の裏面に形成される内部空間の空気を抜いて減圧状態にしても良い。空気が抜かれていれば、発熱体30が鏡面の裏側方向へ放射する熱が裏面方向に伝導することを防止する役割を果たす。
電力供給部60は、発熱体30に電力供給を行なうための太陽光発電手段や風力発電手段を備えたものである。山道など商用電力の供給が難しい箇所に設置されている場合、自主電源を備えることが好ましい。図に示した構成例では一例として太陽光発電パネル61が搭載された例となっている。電力供給部60は、太陽光発電手段や風力発電手段により電力を自家発電・供給する能力を備えている。太陽光発電手段、風力発電手段は特に限定されず、様々なタイプのものが適用可能である。図示した構成例では、支柱の上部に太陽光発電パネル61がやや斜めに傾斜させた角度で取り付けられ、蓄電部70まで配線が接続されている(図示せず)。
蓄電部70は、電力供給部60により発生した電力を蓄えて発熱体30に供給するバッテリーである。バッテリーは特に限定されず、様々なタイプのものが適用可能である。
通電制御部80は、蓄電部70と発熱体30との間に介在し、電力供給のオンオフを制御する部分である。例えば、発熱体30と蓄電部70は通電制御部80を介して直列回路を構成しており、通電制御部80のオンオフ制御により発熱体に対する通電状態を制御することができる構成となっている。
なお、ミラー表面に着氷がないときにまで電力を供給すると電力の無駄使いになるため、ミラー表面に着氷があるときに電力を供給すればよいので、着氷判別部81を備えた構成が望ましい。着氷判別部81によりミラー面に着氷の存在を検知した場合には通電制御部80がオンとなり、発熱体30に電力が供給されるように構成されている。
例えば、通電制御部80によるオンオフ制御方法として温度検知制御方式と、表面の反射率変化検知方式の2つの方式がある。
温度検知制御方式は、通電制御部80がサーミスタなどのミラー用凸面体10の表面温度を検知する温度検知素子を備え、ミラー用凸面体10の温度を検知し、所定値以下になった場合に蓄電部70から発熱体30に通電するものである。図2に示すように、温度検知素子によりミラー用凸面体10の温度を検知し、所定値以下、例えば、0度以下となった場合に通電制御部80がオンとなり、蓄電部70から発熱体30に電力が供給され、発熱体30が発熱する仕組みとなっている。
反射率変化検知方式は、通電制御部80がミラー表面に検知光を照射する照射手段とミラー表面で反射した光を受光する受光手段を備えた反射率変化検知素子を備え、着氷によるミラー用凸面体10の表面の反射率の変化を検知し、反射率の変化が所定値以上になった場合にミラー表面の着氷を判別する着氷判別手段を備えた構成となっている。着氷判別手段によりミラー表面に着氷があると判断された場合、蓄電部70から発熱体30に通電するものである。
次に、発熱体30で発生した熱がミラー表面に伝導して着氷を融氷する状態を説明する。
図4は、通電制御部80により蓄電部70から発熱体30に電力が供給され、発熱体30が発熱した場合の熱の伝導を簡単に示した図であり、金属シート40の効果を説明する図である。
図4(a)は金属シート40が設けられている構成の場合の熱の伝導、図4(b)は比較のため、金属シート40が設けられていない構成の場合の熱の伝導を示している。
発熱体30で発生した熱は四方八方に放散するが、図4(a)に示すように、金属シート40が設けられている構成の場合、発熱体30の正面側はアルミニウムなどの鏡面金属層20と接しているため、前面方向に放射された熱はそのまま前面に伝導してミラー用凸面体10表面のミラー面に伝導する。また、発熱体30の後面側はアルミニウムなどの金属シート40により覆われており、後方に放射された熱は熱伝導率の高い金属シート40に沿って移動し、熱伝導の高いルートに沿って熱が拡散してゆく(図中では上下方向)。つまり、金属シート40の裏面側は断熱材50があるが、断熱材50の熱伝導率は低く熱伝導を阻害するものであるので、後方に放射された熱は熱伝導率が高い金属シート40に沿って移動することとなる。金属シート40は前面が鏡面金属層20と接しており、金属シート40に沿って移動する熱はやがて前面の鏡面金属層20に移動してゆき、さらに前方のミラー用凸面体10表面のミラー面に伝導する。
一方、図4(b)に示すように、金属シート40が設けられていない構成の場合、発熱体30の正面側はアルミニウムなどの鏡面金属層20と接しており、前面方向に放射された熱はそのまま前面に伝導してミラー用凸面体10表面のミラー面に伝導するが、後面側は断熱材50があるのみである。断熱材50の熱伝導率は低く熱伝導を阻害するものであるので、後方に放射された熱は前方には折り返されず、そのまま熱がこもってしまい、前方への熱の伝導は効率的であるとは言えない。
このように、金属シート40を設けることにより、発熱体30で発生して四方八方に放散する熱を効率的に前方のミラー用凸面体10表面のミラー面に伝導することができる。
次に、凍結したカーブミラーを実験で再現し、金属シート40を設けた構成の場合の融氷結果と金属シート40を設けない構成の場合の融氷結果を検証した結果を示す。
図5は、金属シート40を設ける効果を検証した様子を示す写真を図示したものである。
発熱体30は中央部分の裏面のみに配設され、周辺部分には配設されていない。
図5(a)は、発熱体30への電力供給をせず、融氷を行わない場合の状態を示すものであり、全面が凍結したカーブミラーの表面の様子を示すものである。着氷により鏡としてまったく機能していない様子が分かる。
図5(b)は、中央に発熱体30が配設されているが、金属シート40を設けない構成の場合の融氷結果を示したものである。図5(b)に見るように、発熱体30が配設されている中央部分のみは融氷され、周辺部分は着氷したままで融氷されていない。その結果、中央部分のみが鏡として機能しているものの、周辺は鏡として機能していない。
図5(c)は、中央に発熱体30が配設し、さらに、図4に示すように、金属シート40を設けた場合の融氷結果を示したものである。図5(c)に見るように、発熱体30が配設されている中央部分のみならず、周辺部分も融氷されており、その結果、ミラー全面が鏡として機能していることが分かる。
次に、本発明の実施例2に係る凍結防止機能を備えたカーブミラー100aについて説明する。実施例2に係る凍結防止機能を備えたカーブミラー100aは、鏡面金属層20と金属シート40との間の熱伝導性をさらに高める構造としたものである。
図6は、鏡面金属層20と金属シート40との間の接触状態を示す図である。図6(a)は発熱体30を挟み込みつつ金属シート40を鏡面金属層20に押し付けて接触させた場合の接触状態を示す図、図6(b)は発熱体30の側面を熱伝導性塗料膜31で埋設した場合の接触状態を示す図である。
図6(a)に示すように、発熱体30を挟み込みつつ金属シート40を鏡面金属層20に押し付けて接触させた場合、金属シート40をできるだけ発熱体30の外周形に沿わせるようにして鏡面金属層20に押し付けるが、どうしても発熱体30の周囲には空間が残ってしまう。この空間には空気が抜けきれずに存在するため、熱の伝導を阻害する要因となるおそれがある。
また、もし、鏡面金属層20と金属シート40との間を有機系接着剤などで接着する場合、有機系接着剤は熱伝導率が低いため、熱の伝導を阻害する可能性がある。そのため、有機系接着剤などを介在させずに直付けに接触させるために金属シート40を鏡面金属層20に押し付ければ良いが、アルミ箔などの金属シート40が鏡面金属層20から部分的に浮きが生じて空気が混入し、その部分の熱の伝導を阻害する要因となるおそれがある。
そこで、本実施例2のカーブミラー100aは、図6(b)に示すように、発熱体30に金属粉末を含有した熱伝導性塗料31を塗布し、発熱体30の側面を熱伝導性塗料膜31で埋設し、鏡面金属層20と金属シート40との間に熱伝導性塗料31が介在させることにより空気が混入しない構造となっている。
金属粉末を含有した熱伝導性塗料31は、例えば熱伝導率の高い金属の粉末、例えばアルミニウム粉末、マグネシウム粉末、銅粉末などを熱伝導性塗料に練り込んだものである。熱伝導性塗料としては、熱伝導性セラミック系接着剤、熱伝導性エポキシ接着剤などがある。
このように、発熱体30の側面を熱伝導性塗料膜31で埋設し、鏡面金属層20と金属シート40との間に熱伝導性塗料31が介在する構造となっておれば、発熱体30で発生した熱は同様に四方八方に放散するが、後方に放射された熱は、実施例1と同様、熱伝導率の高い金属シート40に沿って移動し、熱伝導の高いルートに沿って熱が拡散してゆく(図中では上下方向)。金属シート40の裏面には断熱材50があるために後方には伝導せず、前方の熱伝導性塗料膜31を介して効率的に鏡面金属層20に移動し、前方のミラー用凸面体10表面のミラー面に伝導することができる。
以上、本発明のカーブミラーの構成例における好ましい実施例を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の融氷構造を備えたカーブミラーは、冬季などにカーブミラーの鏡面に着氷する不具合が発生する箇所に設置されるカーブミラーに適用することができる。特に、山道など商用電力の利用が難しい箇所に設置されるカーブミラーに適用することができる。
本発明の実施例1のカーブミラーの構成例を簡単に示す図 発熱体30を模式的に示した図および内部構造を簡単に示した断面図 ミラー面を構成する各層を拡大して示した図 発熱体30が発熱した場合の熱の伝導を簡単に示した図 金属シート40を設ける効果を検証した様子を示す写真を図示したもの 実施例2のカーブミラー100aにおける鏡面金属層20と金属シート40との間の接触状態を示す図 従来の実用新案登録第3083992号公報に記載されたカーブミラーを示す図
10 ミラー用凸面体
20 鏡面金属層
30 発熱体
31 熱伝導性塗料
40 金属シート
50 断熱材
60 電力供給部
70 蓄電部
80 通電制御部
90 支柱
91 フード
100 カーブミラー

Claims (4)

  1. 凸面体状の透明プラスチック板又はガラス板のミラー用凸面体と、
    前記ミラー用凸面体の裏面に形成した鏡面金属層と、
    前記鏡面金属層の裏面に配設した通電により発熱する発熱体と、
    前記発熱体を挟み込みつつ前記鏡面金属層の裏面に貼り付けた金属シートと、
    前記金属シートの裏面に設けた断熱材を備え、
    配設されている前記発熱体の側面に金属粉末を含有した熱伝導性塗料を塗布し、前記発熱体の側面を前記熱伝導性塗料膜で埋設し、前記鏡面金属層と前記発熱体と前記熱伝導性塗料膜と前記金属シートを接触せしめた状態で貼り合わせたことを特徴とする凍結防止機能を備えた道路用カーブミラー。
  2. 前記発熱体に電力供給を行なうための太陽光発電手段または/および風力発電手段を備えた電力供給部と、前記電力供給部により発生した電力を蓄えて前記発熱体に供給する蓄電部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結防止機能を備えた道路用カーブミラー。
  3. ミラー用凸面体の温度が所定値以下になった場合に前記蓄電部から前記発熱体に通電する通電制御部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の凍結防止機能を備えた道路用カーブミラー。
  4. ミラー表面に検知光を照射する照射手段と、前記ミラー表面で反射した光を受光する受光手段を備え、前記受光手段で受光した検知光の変化より前記ミラー表面の着氷を判別する着氷判別手段を備え、前記着氷判別手段により前記ミラー表面に着氷があると判別された場合に前記蓄電部から前記発熱体に通電する通電制御部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の凍結防止機能を備えた道路用カーブミラー。
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