JP4690787B2 - 微生物検知チップ及び微生物検知システム並びに微生物検知方法 - Google Patents

微生物検知チップ及び微生物検知システム並びに微生物検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、微生物検知チップ及び微生物検知システム並びに微生物検知方法に係り、特に、大気中に浮遊する微生物を捕集してその微生物を検知する微生物検知チップ及び微生物検知システム並びに微生物検知方法に好適なものである。
室内の空中浮遊菌を捕集する従来のポータブル型空中浮遊菌サンプラとして、特開2000−125843号公報(特許文献1)に開示されたものがある。このポータブル型空中浮遊菌サンプラは、大気中に浮遊する微生物などによる汚染状態を調べ管理するために用いられるものであり、複数孔を有するノズルと、該ノズルを保持するノズル保持部材と、前記ノズルの下流に位置し培地を収納するシャーレを支持するシャーレ支持部と、空気流を形成するファンとを有するものである。このポータブル型空中浮遊菌サンプラを用いて大気を吸引し、シャーレに設けた培地に微生物を高速で衝突させて培地上に微生物を捕集するようになっている。
また、取り扱いが容易で安価、かつ試料から遺伝子の抽出・分析までが一括して自動化できる分析チップを備えた従来の小型・可搬式の分析装置として、特開2005−65607号公報(特許文献2)に開示されたものがある。この分析装置に用いる遺伝子処理チップは、遺伝子を含む試料が供給される注入口と、注入口に供給された試料に導入される溶解液を保管する溶解液保管部と、試料と溶解液とを混合した液が導入され、遺伝子と結合する遺伝子結合担体を備える遺伝子抽出部と、遺伝子抽出部に導入される洗浄液を保管する洗浄液保管部と、遺伝子抽出部に導入される溶離液を保管する溶離液保管部と、溶離液により溶離された遺伝子が導入される反応部と、を備えて構成されている。
その分析方法は次の通りである。まず、試料にカオトロピックイオンを含む溶液を混合し、対象となる遺伝子を包んでいるウィルスや細胞の膜をカオトロピックイオンの働きにより溶解して破壊する。溶解後の混合物にシリカを加え、カオトロピックイオンの働きにより、遺伝子とシリカを特異的に結合させる。この遺伝子−シリカ結合物を高濃度のエタノールで洗浄して試料に含まれる蛋白質やカオトロピックイオンを除去する。洗浄後に、水もしくは低塩濃度の溶液を遺伝子−シリカ結合物に加え、遺伝子をシリカから溶離する。この溶離した遺伝子にプライマ、DNA合成酵素および四種類の基質(dNTP)等を加え、温度サイクル「熱変性−アニーリング−相補鎖の合成」をかけることで遺伝子を増幅する。予め上記試薬と共に蛍光色素を注入しておき、励起光を照射しながら温度サイクルをかけることで、遺伝子の増幅をリアルタイムに検出する。
特開2000−125843号公報 特開2005−65607号公報
上述した特許文献1には、ポータブル型空中浮遊菌サンプラを用いて、シャーレに設けた培地上に微生物を捕集することが開示されているが、この培地上に捕集した微生物を検知する方法については開示されていない。特許文献1ではシャーレに設けた培地上に微生物を捕集することから考えて、この培地上で微生物を培養して微生物が増殖するかを観察する、いわゆる培養法による検知方法が用いられると見受けられるが、その場合には、微生物の培養に通常2〜7日間と長期間を要するという問題がある。
近年では、微生物の遺伝子を増幅し、その遺伝子を検出することで目的微生物の有無を早期に判別する遺伝子検知方法も取り入れられている。例えば、炭そ菌やセレウス菌などの細菌は、周囲に水分が少なく、栄養が枯渇した状況になると、数時間内で芽胞を形成する。この芽胞は、非常に固い殻状の物質であり、熱、化学物質、紫外線等に強い抵抗力を持つため、適切な芽胞の処理が必要である。しかしながら、この芽胞処理や細菌からの遺伝子抽出の工程が、従来ではすべて手操作で行われていたため、操作が非常に煩雑で検査者が限定される上に、検査者に感染の恐れがあること、さらには手操作で使用する反応容器やピペット等がすべて汚染された廃棄物となり、二次汚染の恐れも懸念されると共に、手操作による分析精度の不安定化を招くおそれがあった。
一方、特許文献2の分析装置に用いられる遺伝子処理チップは、遺伝子を含む試料が注入口より供給されて用いられるものである。従って、この遺伝子処理チップは、試料を捕集する時から用いられるものではなく、捕集から遺伝子処理へ移行する操作上の使い勝手については配慮されていなかった。
また、特許文献2では、1つの遺伝子処理チップで全ての遺伝子処理工程を行うものであるため、遺伝子処理チップが大型化し、分析装置の大型化を招くと共に、高価になってしまうという問題があった。同一試料および同一の分析装置を用いて複数回の分析を行って分析精度を向上を図る場合に、全処理工程を再度行うことが必要で分析に長時間かかってしまうと共に、高価な遺伝子処理チップを複数用いることによりコストアップが嵩むために、複数回の分析で分析精度を向上することが実用上困難となっていた。
本発明の目的は、使い勝手が良好で、迅速にしかも精度良く微生物の検知が可能な微生物検知チップ及び微生物検知システム並びに微生物検知方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、使用する機器を小形、安価にしつつ、迅速および安全性を確保して精度良く微生物の検知が可能な微生物検知方法を提供することにある。
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様は、大気中の微生物を付着して捕集する捕集材と、この捕集材を装着した板状の基板とを備えた微生物検知チップであって、前記基板は、前記捕集材を収納した捕集材収納部と、微生物の検知処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備え、前記捕集材は、濃度が2〜5%の寒天であり、且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されており、前記複数の試薬保管槽は前記捕集材収納部に接続されている構成としたものである。
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記捕集材収納部は、微生物を含む大気を取り入れる開口面を有する浅い凹部で形成されると共に、その開口面に対向する底部に前記捕集材を収納し、前記開口面は前記捕集材に微生物が付着された状態でシール材により封止されていること。
(2)前記(1)において、前記試薬保管槽から前記捕集材収納部に試薬が送液される状態における前記捕集材収納部の上部が外部に開口する空気穴に連通されていること。
(3)前記捕集材収納部は前記基板の中央部に配置され、前記複数の試薬保管槽は前記捕集材収納部の周囲を取り囲むように配置されていること。
(4)前記(3)において、前記複数の試薬保管槽は、細長い微細流路で形成され、それぞれの一側が前記捕集材収納部に接続されると共に、それぞれの他側が外部との接続口になるチップポートに接続されていること
)細菌芽胞を形成した細菌の遺伝子を検知用として用いられるものであり、前記試薬保管槽は、発芽促進剤を保管する試薬保管槽と、細胞壁破壊液を保管する試薬保管槽と、カオトロピックイオンを保管する試薬保管槽とを有すること。
)前記基板および前記捕集材を焼却可能な素材で形成されていること。
また、前述の目的を達成するための本発明の第2の態様は、捕集機と、捕集チップおよび分析チップからなる微生物検知チップと、分析装置とを備えた微生物検知システムであって、前記捕集チップは、大気中の微生物を付着して捕集する捕集材と、この捕集材を装着した薄い板状の捕集チップ基板とを備え、前記捕集材は、濃度が2〜5%の寒天であり、且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されており、前記捕集チップ基板は、前記捕集材を収納した捕集材収納部と、微生物の検知前処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備え、前記捕集機は、前記捕集チップを装着した状態で、前記捕集材に大気中の微生物を衝突させて付着させるものであり、前記分析チップは薄い板状の分析チップ基板を備え、前記分析チップ基板は、前記捕集チップで前処理された試料を貯留する試料溜めと、微生物の検知後処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備え、前記分析装置は、前記捕集チップを設置した状態で前記捕集チップによる前処理を行わせると共に、前記分析チップを設置した状態で前記分析チップによる後処理を行わせるものである。
係る本発明の第2の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記捕集機と前記分析装置とは兼用して構成されていること。
(2)前記捕集機は、大気を導入するためのノズルと、このノズルの出口側に設けられた捕集室と、前記捕集チップを着脱する機構と、捕集室に導かれた空気を上記ノズルと反対側に排気するための排気部とを有するものであり、前記ノズル孔の内径は4〜15mmの範囲内にあること。
(3)前記分析チップが前記分析装置に縦置きに設置されること
(4)前記捕集チップの複数の試薬保管槽は、それぞれの一側が前記捕集材収納部に接続されると共に、それぞれの他側が外部との接続口になる複数のチップポートに接続され、前記分析装置は、前記捕集チップの各チップポートに接続される複数の流路を有する分析装置基板と、前記分析装置基板の複数の流路から前記捕集チップの各チップポートに流体をバルブを介して選択的に供給する流体供給機構とを備えていること。
(5)前記(4)において、前記分析チップの複数の試薬保管槽は外部との接続口になるチップポートに接続され、前記分析装置基板は前記分析チップの各チップポートに接続される複数の流路を有し、流体供給機構は前記分析装置基板の複数の流路から前記分析チップの各チップポートに流体をバルブを介して選択的に供給するように構成されていること。
また、前述の目的を達成するための本発明の第3の態様は、濃度が2〜5%の寒天であり且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されている捕集材を収納した捕集材収納部と微生物の検知処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備えた微生物検知チップを捕集機に装着して、前記捕集機の送風機構を動作することにより前記捕集材に大気中の微生物を衝突させて付着させ、微生物を付着された前記微生物検知チップを分析装置に装着して、この分析装置の送液機構を動作させて前記微生物検知チップの複数の試薬保管槽内の試薬を前記捕集材に順次供給することにより微生物検知処理を行う微生物検知方法である。
さらには、前述の別の目的を達成するための本発明の第4の態様は、濃度が2〜5%の寒天であり且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されている捕集材を収納した捕集材収納部と微生物の検知前処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備えた第1の微生物検知チップを捕集機に装着して、前記捕集機の送風機構を動作することにより前記捕集材に大気中の微生物を衝突させて付着させ、微生物を付着された前記第1の微生物検知チップを分析装置に装着して、この分析装置の送液機構を動作させて前記第1の微生物検知チップの複数の試薬保管槽内の試薬を前記捕集材に順次供給することにより微生物検知前処理を行い、試料溜めと検知後処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽と反応槽とを備えた第2の微生物検知チップを前記試料溜めに前記検知前処理をした試料を充填した状態で分析装置に装着して、この分析装置の送液機構を動作させて前記第2の微生物検知チップの試料溜めの試料および複数の試薬保管槽内の試薬を前記反応槽に順次供給することにより微生物検知後処理を行う微生物検知方法である。
係る本発明の第4の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)細菌芽胞を形成した細菌の遺伝子を検知を行うものであり、第1の微生物検知チップにおける前処理は発芽促進剤を保管する工程と細胞壁の溶解を行う工程とからなり、第2の微生物検知チップにおける後処理は細胞壁が溶解された遺伝子を遺伝子結合担体に結合させる工程と遺伝子−遺伝子結合担体結合物を洗浄する工程と遺伝子を遺伝子結合担体から溶離する工程と溶離した遺伝子を検出する工程とからなること。
本発明によれば、使い勝手が良好で、迅速にしかも精度良く微生物の検知が可能な微生物検知チップ及び微生物検知システム並びに微生物検知方法を提供することができる。
また、本発明によれば、使用する機器を小形、安価にしつつ、迅速および安全性を確保して精度良く微生物の検知が可能な微生物検知方法を提供することができる。
以下、本発明の複数の実施形態について説明する。なお、本発明は、各実施形態に開示した形態に限られるものではなく、公知技術などに基づく変更を許容するものである。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1から図14を用いて説明する。本発明の第1実施形態として、芽胞を形成した細菌を大気中から捕集し、芽胞を処理した後に細菌から遺伝子を抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応により遺伝子を増幅させることで、対象の細菌が存在するか否かを検出する例を説明する。ここで、芽胞を形成する細菌とは、バチルス属菌、クロストリディウム属菌等の細菌であることができる。
(細菌検知の流れ)
第1実施形態の細菌の検知方法は、大きく分けて、細菌を捕集する工程と、細菌芽胞に発芽促進剤を添加して細菌芽胞を発芽させる工程と、発芽した細菌から遺伝子を抽出する工程と、遺伝子を増幅・検出する工程と、からなっている。ここで、遺伝子の抽出は、一般的に知られる固相抽出法により行う。固相抽出法とは、まず固体表面に遺伝子を特異的に結合させ,次に他物質と区別して遺伝子のみを水溶液に溶離させることで抽出する方法である。
図1を参照して、第1実施形態の細菌の検知方法を説明する。図1は本発明の第1実施形態の細菌の検知方法の手順を示すフローチャート図である。
ステップ1において、衝突法による細菌の捕集を行う。具体的には、ここで用いる衝突法は、検知の対象となる空気をノズルの入口から吸引してノズルの出口から高速で噴出させ、ノズルの出口側に設けた衝突板である捕集材に細菌を捕集する方法である。空気中の細菌は、その粒径の2乗に比例した慣性力を得て、衝突板に付着する。この捕集方法によれば、フィルタ法のように目詰まりを起こさず、細菌が濃縮されて集まるという利点がある。
次に、ステップ2において、細菌芽胞の発芽を行う。具体的には、捕集した細菌(試料)の細菌芽胞に発芽促進剤を加え、所定時間が経過すると、細菌芽胞が発芽を開始する。発芽する段階で、細菌は自ら芽胞を壊すので、発芽により細菌の細胞壁がむき出しの状態になる。
次に、ステップ3において、細胞壁及び細胞膜の溶解を行う。細菌は細胞壁と細胞膜との二重構造から成る。先ず、試料に特定の酵素を加え、細菌の細胞壁を壊す。次に、試料にカオトロピックイオン(分子の直径が大きい−1価の陰イオン)を含む溶液を混合し、細菌の細胞膜をカオトロピックイオンの働きにより溶解して破壊する。また、カオトロピックイオンは、同時に、試料中に含まれる多くの蛋白質を変性し、ヌクレアーゼ(核酸を分解する酵素)の働きを阻害する。
次に、ステップ4において、遺伝子の捕獲を行う。具体的には、溶解後の混合物にシリカを加える。シリカを加えると、カオトロピックイオンの働きにより、遺伝子とシリカが特異的に結合し、遺伝子−シリカ結合物となる。一般的には、溶解後の混合物をガラスフィルタに通すことにより、遺伝子とシリカとを結合する方法が用いられる。
次に、ステップ5において、遺伝子−シリカ結合物の洗浄を行う。具体的には、試料に含まれる蛋白質やカオトロピックイオンが遺伝子の抽出物に混入すると、遺伝子増幅による遺伝子の検出を阻害するので、遺伝子−シリカ結合物を洗浄する操作が必要となる。通常では高濃度のエタノールにより洗浄する。遺伝子はこれらの溶液に溶解しにくい性質を持っているため、シリカに吸着している遺伝子はこの過程で溶離しない。
次に、ステップ6において、遺伝子をシリカから溶離する。具体的には、洗浄後、水もしくは低塩濃度の溶液を遺伝子−シリカ結合物に加え、遺伝子をシリカから溶離する。
次に、ステップ7において、溶離した遺伝子の検出を行う。具体的には、溶離した遺伝子に、プライマ(目的とするDNA領域の両末端の20塩基ほどと同じ塩基配列をもつ一本鎖DNA)、DNA合成酵素(ポリメラーゼ)及び四種類の基質(dNTP)等の試薬を加え、温度サイクル「熱変性−アニーリング−相補鎖の合成」をかける。これによって、遺伝子は増幅する(ポリメラーゼ連鎖反応)。ここで、上記試薬に加え、蛍光色素を予め注入しておき、励起光を照射しながら温度サイクルをかけることで、遺伝子の増幅をリアルタイムに検出することができる。
(検知システムの構成、動作)
第1実施形態の検知システムの構成、動作を図2を用いて説明する。図2は本発明の第1実施形態の細菌検知システムの構成を示す図である。
検知システムは、捕集機100、微生物検知チップ(200、300)、および分析装置400から構成される。微生物検知チップは、第1のチップでる捕集チップ200と第2のチップである分析チップ300とから構成されている。
図1のステップ2(芽胞の発芽)からステップ3(細胞膜の溶解)までの処理に用いる複数の試薬が予め内蔵されている捕集チップ200を捕集機100にセットする。大気中に浮遊する細菌を捕集機100により吸引し、捕集機100にセットされた捕集チップ200の捕集材201(図5及び図6参照)に細菌を捕集する。この捕集チップ200を捕集機100から取り出して捕集チップ200の捕集材収納部203(図5及び図6参照)の開口をシール材で閉塞し、或いはこの捕集チップ200の開口をシール材で閉塞してから捕集機100から取り出し、分析装置400にセットする。すなわち、捕集材に微生物を付着した状態で前記開口面をシール材で封止してなる捕集チップ200を分析装置400にセットする。このように捕集チップ200の開口をシール材で閉塞して取り扱うことにより、捕集チップ200を安全に取り扱うことができる。分析装置400には送液手段が備えられており、捕集チップ200を分析装置400にセットした状態で、捕集チップ200内の試薬を送液し、捕集チップ200の中で細菌芽胞の発芽および細胞膜の溶解の処理を行う。
このように、複数の試薬が予め内蔵された捕集チップ200を用いて細菌を捕集し、細菌を捕集した捕集チップ200をそのまま用いて次の複数の微生物検知処理に移行できるので、使い勝手良く捕集から微生物検知処理に移行できる。
次いで、捕集チップ200を分析装置400から取り出し、捕集チップ200で処理された液(既に細菌は溶解して破壊されているため、触れても汚染されることはない)の一部を分析チップ300に移す。
この分析チップ300を分析装置400にセットする。この時、分析チップ300は捕集チップ200がセットされた部位と同じ場所にセットされるようになっている。ここで、分析チップ300には図1のステップ4(遺伝子の捕獲)からステップ7(遺伝子の検出)までの処理で用いる試薬が予め内蔵されている。分析チップ300を分析装置400にセットした状態で、分析装置400の送液手段により分析チップ300内の試薬を送液し、分析チップ300の中で遺伝子の抽出から検出までを行う。そして、分析終了後、分析チップ300を分析装置400から取り出し、分析チップ300を廃棄する。
このように、2種類の微生物検知チップ(捕集チップ200、分析チップ300)の中に、細菌の前処理から検出に至るまでの工程に必要な試薬が全て予め内蔵されており、従来から行われている煩雑な試薬操作を省略化することができる。すなわち、従来の検知工程では、試料である細菌に試薬を加えて処理をした後に別の容器に移し、といった具合に試料がいくつもの容器を介して動いていくため、煩雑かつ検査者に汚染の恐れがあった。しかしながら、この第1実施形態によれば、2種類のチップ200、300間での試料の受け渡しの工程以外は、試料がチップから出ることはなく、閉じられた系において分析がおこなわれるため、非常に安全である。また、廃棄物はチップ200、300のみとすることができ、そのチップ200、300を焼却可能な素材にしておくことで、二次汚染の危険性を低減することができる。さらに、2種類のチップ200、300に内蔵される試薬は、一検査分のみであり、チップ200、300は使い切りとすることができることから、屋外で簡便に遺伝子レベルの高精度な細菌検査を行うことができる。
しかも、試薬を内蔵した2種類のチップ200、300を細菌の捕集から溶解までを処理するチップ200とそれ以後の分析の処理をするチップ300とに分けているので、捕集から溶解までの処理が同一である試料を用いて複数回の分析が容易となり、安全性を確保しつつ、分析精度の向上を容易に図ることができる。
(捕集機の構成、動作)
図3及び図4を参照して捕集機100の構成、動作を具体的に説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る捕集機100の透視斜視図、図4は図3の捕集機100に捕集チップ200を装着する方法を示す斜視図である。ここで、図4(a)は捕集機100の蓋部110及びチップ支持部130を開いた状態を示す図、図4(b)は図4(a)から捕集チップ200を装着して支持部130を閉じた状態を示す図である。
捕集機100は、図3に示すように、蓋部110、ノズル部120、一次フィルタ121、チップ支持部130、二次フィルタ140、支持板150、ファンモータ160、排出口170、制御部180、表示部181、バッテリ185およびケーシング190を備えて構成されている。
蓋部110はノズル部120を有する正方形または短形の部材からなり、両側面に固定手段111を有する。ノズル部120の内径は捕集効率に大きく関係する。ノズル120の内径を10[mm]より小さくするほど、細菌を濃縮して捕集することができるが、ノズル部120を通過する空気流速が増大するため、圧力損失が増加する。圧力損失は、空気流速の2乗に比例して増加する。それにより、ファンモータ160の負荷が増加し、バッテリ185の電圧が低下する。例えば、ノズル部120の内径を3[mm]以下とすると、可搬型の細菌捕集機100に搭載可能なバッテリ185(リチウムー水素)で駆動可能な仕事量を超える。従って、ノズル部120の内径Wは4〜15[mm]が適当である。より好ましくは、ノズル部120の内径Wを8〜12[mm]にすると良い。これにより、高い捕集効率を得ながら、ノズル部120の直下に細菌を濃縮して捕集することができる。
ノズル部120には一次フィルタ121が装着されている。一次フィルタ121は、大気中の粗大粒子をトラップするために設けられている。したがって、その目開きは100〜200μmが望ましい。花粉の飛散量が増加する時期には、目開きが10〜100μmであることが望ましい。それにより、粒子径10μm以上の花粉と粒子径10μm未満の細菌とを簡便に分級することができる。一次フィルタ121は、蓋部110から着脱可能で、洗浄と高温滅菌が容易なステンレス製またはフッ素樹脂製が好ましい。
チップ支持部130は二次フィルタ140の上(前方)に設置されている。チップ支持部130は、図4に示すように開閉式になっており、捕集チップ200を挟んで蓋を閉めることで捕集チップ200を容易に捕集機100にセットすることができる。チップ支持部130は捕集チップ200のいわば外周に相当するため、細菌が付着しやすい。よって、チップ支持部130は、二次フィルタ140から着脱可能で、洗浄と高温滅菌が容易なステンレス製またはフッ素樹脂製とすることが好ましい。
二次フィルタ140は、支持板150に設置され、捕集チップ200で捕集できなかった細菌等の微粒子が排出口170から大気中に放出されることを防止するために設けられている。二次フィルタ140には、0.3μm以上の微粒子を99.97%以上捕集可能なHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタを使用することが好ましい。また、0.1〜0.2μmの微粒子を99.999%以上捕集可能なULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタを使用することが更に好ましい。ULPAを用いることにより、排出口170から大気に放出する空気の清浄度を更に上げることができる。
ケーシング190内には、制御部180、表示部181、およびバッテリ185が設けられている。ケーシング190の上面には掴み部191が設けられている。
次に、捕集機100の動作を説明する。ファンモータ160を駆動すると、大気はノズル部120に吸引される。吸引された大気はノズル部120によって加速され、一次フィルタ121を通過する。このとき、一次フィルタ121によって空気中の粗大粒子が除去される。蓋部110内に導入された空気中の微粒子は、捕集チップ200の中央に設けた捕集材201に慣性衝突して付着する。蓋部110内に導入された空気は二次フィルタ140を通過し、ファンモータ160の下部の排出口170より外部へ排出される。二次フィルタ140によって、捕集チップ200に捕集されなかった微粒子が除去される。
(捕集チップの構成、動作)
図5及び図6を参照して捕集チップ200の構成、動作を具体的に説明する。図5は本発明の第1実施形態に係る捕集チップ200の正面図、図6は図5の捕集チップ200の縦断面図である。
捕集チップ200は、図1におけるステップ1(細菌の捕集)からステップ3(細胞膜の溶解)までを担う。すなわち、まず、捕集チップ200を捕集機100にセットして細菌を捕集した後(ステップ1)、捕集チップ200を捕集機100から取り外し、捕集チップ200を分析装置400にセットして、芽胞の発芽処理(ステップ2)から細胞膜の溶解処理(ステップ3)までの処理工程を行う。
捕集チップ200はチップの構成要素をかたどるパターンをフォトリソグラフィー技術を用いて作製される。すなわち、捕集チップ200はこのパターンを樹脂に転写成形することにより成型される。このパターンの大部分は微細流路であり、微細流路を形成した2枚の樹脂を張り合わせることで、樹脂に刻まれたパターンが流路となる。チップの材料としては、加工費用が高くまた割れやすいガラスよりも、廃棄処理性に優れる樹脂のほうが好ましい。樹脂の種類は特に限定されるものではないが、この第1実施形態では、以下の優れた特性を有するポリジメチルシロキサン(PDMS:ダウコーニングアジア社製,シルポット184)を使用した。
・生体適合性が良好である(通常のシリコンゴムは生理的に不活性である)。
・サブミクロンの精度で型の転写が可能である(硬化前は低粘度で流動性に富むため,複雑な形状の細部まで良好に浸透する)。
・低コストである(従来の汎用マイクロデバイス材料であるパイレックス(登録商標)ガラスよりも一般的に安価である)。
・焼却により容易に廃棄可能である。
捕集チップ200は、大気中から微生物(本実施形態では芽胞を形成した細菌)を付着して捕集する捕集材201と、この捕集材201を装着した薄い板状の基板202とを備えて構成されている。この捕集チップ200は、捕集材201を収納する捕集材収納部203と、複数の試薬保管槽(210、220、230、240)チップ背面に開口されたチップポート211、221、231、241と、チップ正面に開口された空気穴250とを有している。
複数の試薬保管槽は、発芽促進剤を保管する発芽促進剤保管槽210と、2種類の細胞壁溶解液を保管する酵素A保管槽220及び酵素B保管槽230と、カオトロピックイオンを保管するカオトロピック保管槽240とを有している。そして、複数の試薬保管槽210〜240は、捕集材収納部203の周囲を取り囲むように配置されている。これによって、基板202をコンパクトなものとすることができる。
試薬保管槽210〜240は細長い流路によって構成されている。いずれの試薬保管槽210〜240も、細長い流路形状とすることが好ましい。試薬保管槽210〜240内の試薬を送液するために、試薬保管槽210〜240の背後から気体を試薬保管槽210〜240に送る。このとき、試薬保管槽210〜240が細長い流路形状でなかった場合、気体の通り抜けやすい部位のみ試薬が押し出され、その他の部位の試薬が試薬保管槽に残るためである。消費する試薬の量を減らすために、試薬保管槽210〜240を細長い流路形状にするのは効果的である。流路の断面形状は特に限定されないが、横/縦10以下が好ましい。横/縦が10以上となると、流路天井部の樹脂がたわんで流路の矩形構造が崩れる恐れがある。試薬保管槽210〜240の細長い流路は、蛇行状に形成されている。これによって、基板203における流路の占有面積を小さなものとしつつ、流路における試薬の保管容量を確保することができる。
試薬保管槽210〜240の一端は捕集材収納部203に連通して接続され、試薬保管槽210〜240の他端はチップポート211〜241に連通して接続されている。試薬保管槽210〜240の一端側および他端側にそれぞれ堰204が設けられている。これにより、各試薬保管槽210〜240の保管される試薬の流出をより確実に防止することができる。チップポート211〜241は、外部の流路との接点を構成する。具体的には、発芽促進剤保管槽210、酵素A保管槽220、酵素B保管槽230及びカオトロピック保管槽240は、いずれも、捕集材収納部203と連通されている。従って、捕集材収納部203は、発芽促進剤保管槽210、酵素A保管槽220、酵素B保管槽230及びカオトロピック保管槽240、およびチップポート211〜241を介して外部の流路に接続されている。なお、試薬保管槽210〜240の流路幅を10〜50μmまで狭めることで、捕集材収納部203の側からの空気の流入を防ぐことができる。
発芽促進剤保管槽210の体積は20〜100μL、酵素A保管槽220の体積は20〜100μL、酵素B保管槽230の体積は5〜20μL、カオトロピック保管槽240の体積は400〜800μLが好ましい。カオトロピックイオンの体積が、発芽促進剤と2種類の細胞壁溶解液の体積の和の2倍以上とすることで、細胞膜の破壊が促進される。より好ましくは4倍以上、最適なのは、8倍以上である。
捕集材201として寒天が好適である。寒天の特徴は、ゲル表面の自由水(ゲル網目間の水)由来の「付着性」を有することである。寒天濃度は2〜5%にするのが好適であり、寒天濃度3〜4%が最適である。寒天濃度が2%未満では水分が多いため、高速の空気が当たり続ける捕集材201として強度不足である。一方、寒天濃度が6%より大きいと、寒天表面の水分(自由水)が少なくなり、付着性が著しく低下する。
寒天の強度を上げ、かつ水分の蒸発を防止するため、アルコール類を添加すると良い、このアルコール類は凍結防止、乾燥防止、ゲル強化剤として作用する。具体的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。アルコール類の添加量は、寒天の40〜80%、好ましくは50〜70%が好ましい。アルコール類が40%未満では、水分の蒸発防止が十分でない。また、80%を超えると寒天表面の水分(自由水)が少なくなり、付着性が低下する。
捕集チップ200の使用方法の一例を具体的に説明する。
捕集チップ200を捕集機100のチップ支持台に取り付けて、所定時間大気を吸引する。大気の吸引量は、例えば約1000Lである。大気中の細菌は捕集チップ200の捕集材201表面に付着する。次に、捕集チップ200をチップ支持台から外し、捕集チップ200の捕集材収納部203の開口面をシール材で封止した後に捕集チップ200を分析装置400にセットする。捕集材収納部203の封止は、手動でも良いが、捕集機100にシール機構がついていることがより好ましい。捕集材収納部203の封止により、細菌が捕集チップ200の外部に露出することがなくなり、より安全となる。
捕集チップ200の試薬保管槽210〜240はチップポート211〜241を介して分析装置400の流路と接続されているので、分析装置400の流路側から所定の制御動作で空気をチップポート211〜241を介して供給することにより、試薬保管槽210〜240に予め封入された発芽促進剤、細胞壁溶解液、細胞膜溶解液、およびカオトロピックイオンが所定時間ごとに捕集材収納部203内(捕集材201上)に送液される。捕集材収納部203の正面は封止されているが、空気穴250が捕集材収納部203の一部に連通しており、空気穴250は大気開放となっているので、試薬の送液の際に捕集材201の上(捕集材収納部203内)に存在する空気は空気穴250より放出される。特に、各試薬の送液時に空気穴250が捕集材収納部203の上部に連通しているため、捕集材収納部203内の空気は確実に放出することができる。
かかる試薬保管槽210〜240から捕集材201へ試薬を送液することについての詳細を説明する。
まず、捕集材201に発芽促進剤を100μL送液する。ここで、発芽促進剤としては、アラニン、アデノシン、グルコースを含むブイヨンが好ましい。特にL−アラニンを1mM〜10mM含有するブイヨンが最適である。そして、10分以上を経過すると、細菌芽胞が発芽を開始し、30分間経過すると、全体の50%以上が発芽する。よって、芽胞の発芽処理は30分以上が好ましい。細菌芽胞を発芽させるのにより好ましいのは35℃〜40℃であり、最も好ましいのは35℃〜37℃である。細菌芽胞が発芽する段階で、細菌は自ら芽胞を壊すので、発芽により細菌の細胞壁がむき出しの状態になる。
次に、細菌の細胞壁を壊す2種類の蛋白質変性酵素A、Bを順次捕集材201に送液し、至適温度に所定時間保持する。酵素処理の時間はそれぞれ10分以上が望ましく、30分が好適である。ここで蛋白質変性酵素としては、リゾチーム(至適温度:37℃)100μLとプロテアーゼK(至適温度:55℃〜60℃)20μLが好適である。これらの酵素処理により、捕集チップ200内の細菌は細胞膜がむき出しの状態になる。なお、発芽促進剤とリゾチームは同じタイミングで注入して処理することも可能であるが、リゾチームとプロテアーゼKを同時に添加することは酵素活性が低下するため好ましくない。
最後に、カオトロピックイオン800μLを捕集材201に送液する。この送液により、細菌の細胞膜が破壊され、細菌の遺伝子が細胞外部に放出される。ここで、カオトロピックイオンとしては、グアニジンチオシアン酸塩、グアニジン塩酸、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウムが挙げられる。捕集チップ200の使用方法として、捕集チップ200の冷蔵あるいは冷凍により試薬の活性を長期間維持する方法が考えられる。よって、捕集チップ200に封入して冷蔵あるいは冷凍をした際に、組成の変化が極めて少ないグアニジン塩酸が好適である。
また、カオトロピック塩に界面活性剤や緩衝剤を含有させることが好ましい。界面活性剤として特に限定はされないが、ツイーン−20やトリトンX−100等が挙げられる。緩衝剤として特に限定はされないが、トリス−塩酸塩、リン酸2水素カリウム−4ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。
以上の工程により、捕集チップ200に捕集した細菌の芽胞および細胞壁を処理することができる。すなわち、図1におけるステップ2〜3までをチップ上で自動化することができるため、試薬の分注操作を省略することができる。捕集チップ200は細菌の捕集から前処理までの工程を担い、分析チップ300は細菌遺伝子の分析の工程を担う。分析の精度を上げるために、同一の試料に対して複数回の分析、或いはターゲットの細菌を複数設定するためには、1枚の捕集チップ200で処理した試料を複数の分析チップ300に分配して分析する方が好適であり、2種類のチップ200、300を供している。
なお、この捕集チップ200を凍結した状態でユーザーに提供し、ユーザーが0℃で捕集チップ200を凍結保存することで、試薬の活性は1ヶ月保たれる。また、−20℃で凍結保存しておけば、半年以上試薬の活性を保つことが可能である。
(分析チップの構成、動作)
図7から図10を参照して分析チップ300を具体的に説明する。図7は本発明の第1実施形態に係る分析チップ300の正面図、図8は図7のA−A’断面図である。なお、図8は分析チップ300を縦置きにしたときの断面図である。
分析チップ300は、図1におけるステップ4(遺伝子の捕獲)からステップ7(遺伝子の検出)までを担う。捕集チップで処理された液の一部を移した状態の分析チップを分析装置400にセットする。分析チップ300には、図1のステップ4(遺伝子の捕獲)からステップ7(遺伝子の検出)までの処理に用いられる試薬が予め内蔵されている。分析チップ300を分析装置400にセットした状態で、分析装置400には送液手段を動作させて分析チップ300内の試薬を送液し、分析チップ300の中で遺伝子の抽出から検出までの処理を行う。なお、分析チップ300の素材は捕集チップ200と同様の樹脂である。
分析チップ300は、チップ正面に開口された試料注入口310と、試料溜め315と、遺伝子結合担体を流路に充填した遺伝子抽出エリア320と、廃液槽330と、洗浄液Aを保管する洗浄液A保管槽340と、洗浄液Bを保管する洗浄液B保管槽350と、遺伝子溶離液を保管する溶離液保管槽360と、遺伝子増幅試薬Aを保管する遺伝子増幅試薬A保管槽370と、遺伝子増幅試薬Bを保管する遺伝子増幅試薬B保管槽380と、遺伝子の増幅・検出を行う反応槽390と、チップ背面に開口されたチップポート311、331、341、351、361、371、381とを有している。これらの試薬保管槽340〜380は捕集チップ200の試薬の保管槽210〜240と同様に細長い流路によって構成されている。保管槽340〜380の流路の断面形状は特に限定されないが、捕集チップ200の流路と同様、横/縦10以下が好ましい。横/縦が10以上となると、流路天井部の樹脂がたわんで流路の矩形構造が崩れる恐れがある。この第1実施形態においては縦1mm、横1mmで形成している。
試料溜め315、廃液槽330、および試薬保管槽340〜380の一端にはチップポート311〜381が形成されている。チップポート311〜381は、外部である分析装置400の流路との接点を構成する。試薬保管槽340〜380内の試薬を送液するために、チップポート341〜381を介して分析チップ300の外部である分析装置400から空気を試薬保管槽340〜380に送る。この送る空気の代わりに、分析に支障のない水やその他の流体(例えば窒素ガス)を用いてもよい。
試料溜め315、洗浄液A保管槽340、洗浄液B保管槽350、および溶離液保管槽360は、いずれも、遺伝子抽出エリア320と連通している。また、遺伝子抽出エリア320、遺伝子増幅試薬A保管槽370および遺伝子増幅試薬B保管槽380は、反応槽390に連通している。反応槽390の下部の拡大図を図9に示す。遺伝子増幅試薬A保管槽370から反応槽390に送られた遺伝子増幅試薬Aおよび遺伝子増幅試薬B保管槽380から反応槽390に送られた溶離液が一度反応槽390に入った後、試薬が逆流しないように流路が狭まっている局部的な突出部である堰392が設けられている。流路幅を1/10〜1/20に狭めるのが好適である。
試料溜め315の体積は100〜200μL、遺伝子抽出エリア320の体積は100〜200μL、洗浄液A保管槽340の体積は80〜200μL、洗浄液B保管槽350の体積は20〜50μL、溶離液保管槽360の体積は10〜20μL、遺伝子増幅試薬A保管槽370の体積は10〜20μL、遺伝子増幅試薬B保管槽380の体積は20〜30μLが好ましい。
遺伝子抽出エリア320に充填する遺伝子結合担体として、石英ウール、ガラスウール、ガラスファイバー、ガラスビーズが適用可能である。ガラスビーズ適用の際は、接触面積を大きくするためにビーズサイズを50μm以下とするのが好ましく、流路への堰き止めを考慮すると20〜30μmが最適である。遺伝子保持担体を堰きとめるために、遺伝子抽出エリア320を構成する流路中に1箇所以上の堰325を設けるのが好ましい。図10に、堰325の構成の一例を示す。遺伝子抽出エリア320の流路中、流路幅を数箇所10〜50μmまで狭めることで、狭められた流路が遺伝子結合担体に対して堰となる。流路を10μm未満にすると流体抵抗が大きく流体制御が困難になる。よって、堰325としての流路幅は10〜50μmが好適である。
(分析装置の構成、動作)
図11から図13を参照して分析装置400の構成、動作を具体的に説明する。図11は本発明の第1実施形態に係る分析装置400の斜視透視図、図12は図11の分析装置400の断面構成図、図13は図11の分析装置400の基板410を示す図である。
分析装置400は、大きく分けて、チップ設置部、流体系、温調系、そして光学検出系の4つから構成される。
捕集チップ200および分析チップ300がセットされるのは、前蓋401の内側に設けられた基板410である。この第1実施形態では、両チップ200、300を縦置きにセットするので、基板410の下部には、チップ200、300を止めるチップストッパ411が備えられる。チップ200、300を基板410にセットして前蓋401を閉めると、チップ200、300は基板410とチップホールダ420の間に固定される。基板410とチップホールダ420には、チップ200、300の温度を最適化するための温度制御機構415が内蔵されている。温度制御機構415としては、様々な発熱体が適用可能であるが、例えば、好ましいのはペルチェである。ペルチェを使用した場合、印加電流の向きを変えるだけでチップ200、300の昇温・冷却操作を簡便に行うことができる。
チップ200、300をセットする基板410には、複数の基板流路412が設置されており、基板流路412の一端はチップ200、300のポート211〜241、311〜381に連通され、基板流路412の他端は装置内流路402に連通されている。基板410に予め複数の基板流路412が設置されることで、捕集チップ200および分析チップ300のいずれのチップポート211〜241、311〜381にも対応することでき、分析装置400は捕集チップ200と分析チップ300のプラットフォームとなり得る。
複数の装置内流路402は、それぞれバルブ430を介してポンプ440に接続される。チップ200、300内のある試薬槽の試薬を送液するには、バルブ430を切り替えてその試薬槽に連通する流路のみに送風を行う。すなわち、ポンプ440によって送られた気体は選択された装置内流路402および基板410流路を経てチップ200、300内に到達し、試薬槽の試薬を送液する。試薬槽に予め所定量の試薬のみ内蔵されているので、試薬槽内の試薬をすべて時間管理で排出するのみでよく、ポンプ440の送液精度は求められない。よって、ポンプ440は、送風のみで吸引を行わない、簡素で小型なものを使用することができる。
このように流体を制御するバルブ430をチップの内部ではなく、分析装置400側に設けることが好ましい。これにより、チップ101には機械部品がなくなり、小型化・ディスポーザブル化を実現することができる。
光検出系は、チップ反応槽390内の遺伝子に励起光を照射する光源450と、励起光の特定の波長のみを透過する励起フィルタ455と、チップ反応槽390から生じた蛍光の光路を変更するミラー460と、蛍光の特定の波長のみを透過する検出フィルタ475と蛍光を測定する光検出器470とから構成される。光源450は様々な波長領域のものが使用可能であるが、波長領域の広いキセノンランプを用いることができる。また、波長が限定される場合には、LEDを使うこともできる。光検出器470としてはCCDカメラ、光電子倍増管、フォトダイオード等を使用できるが、装置を小型化するにはフォトダイオードが好ましい。光検出器470によって検出された遺伝子の光信号は光信号変換機480によってデジタル化され、データ表示画面490に信号強度が表示される。
そのほか、分析装置400には各機器の制御を行う制御機構が備えられている。具体的には、分析装置400に、バルブ430を制御するバルブ制御機構431、ポンプ440を制御するポンプ制御機構441、光源450を制御する光源制御機構451、光検出器470を制御する光検出器制御機構471が搭載されている。
第1実施形態では、機械部品を内蔵しない小型の分析チップ300を基板410上に置いて簡便な光検出器470を組み合わせるだけの、小型で可搬の分析装置400を提供することが出来る。
(分析の手順)
図7、図12、および図14を参照しながら分析チップ300と分析装置400とを用いた分析の手順を説明する。図14は本発明の第1実施形態の流体ハンドリングのプロファイルを示す図である。
分析チップ300を用いた分析の手順としては、主に以下の手順を有することができる。
まず、捕集チップ200で細胞壁が溶解された細菌試料を分析チップ300に注入し、分析チップ300内においてこの細菌試料を遺伝子保持担体が充填された流路に送液する。そして、試料に含まれる蛋白質等を洗浄する洗浄液を前記遺伝子保持担体が充填された流路に送液する。次に、遺伝子保持担体に吸着された遺伝子を溶離する溶離液を前記遺伝子保持担体が充填された流路に送液し、さらに遺伝子を検出する反応槽へと送液する。その後、分析対象の遺伝子の有無を検出する。
以下に、その分析手順の一例を具体的に説明する。なお、ステップ101〜104、111〜113の表示は図示されていない。
初めに、5種類の試薬、すなわち洗浄液A、洗浄液B、遺伝子溶離液、遺伝子増幅試薬A、遺伝子増幅試薬Bがそれぞれ洗浄液A保管槽340、洗浄液B保管槽350、溶離液保管槽360、遺伝子増幅試薬A保管槽370、遺伝子増幅試薬B保管槽380に内蔵され、冷蔵あるいは冷凍保存しておいた分析チップ300を室温で解凍する。分析チップ300に予め1検査分のみの試薬を内蔵してユーザーに提供することで、分析チップ300を1検査の使い切りとしても試薬の無駄がなく、経済性が向上する。また、ユーザーは試薬を各試薬保存槽に分注する手間を省くことができ、時間が短縮されるだけでなく、汚染を防ぐことも出来る。さらに、この分析チップ300を凍結した状態でユーザーに提供し、ユーザーが0℃で分析チップ300を凍結保存することで、試薬の活性は1ヶ月保たれる。また、−20℃で凍結保存しておけば、半年以上試薬の活性を保つことが可能である。このように、使い捨て可能な分析チップ300に予め1検査分のみの試薬を内蔵し、分析チップ300を冷蔵あるいは冷凍した状態でユーザーに提供することで、簡便な分析環境を作ることができる。(ステップ101)
分析チップ300の解凍後、捕集チップ200の処理液を分析チップ300の試料注入口310に約100μL移す。(ステップ102)
そして試料注入口310にカバーをして穴を塞ぐ。カバーは、分析チップ300と同素材の薄い樹脂シートが好ましい。樹脂同士の密着性が良く、また安価であるため使い捨てに好適である。試料注入口310をカバーする工程は、手動でもよいが、分析装置400側に試料注入口310を覆う機構が備わっているとより好ましい。(ステップ103)
次に、分析装置400の前蓋401を開いて、前蓋401に設けられたチップガイドに沿って分析チップ300を分析装置400にセットした後、分析装置400の前蓋401を閉める。これにより、分析チップ300が基板410に固定され、チップポートと装置内流路402が連通する。なお、分析チップ300は横置き、縦置きいずれでも可能であるが、ここでは縦置きの場合について述べる。(ステップ104)
次に、分析装置400内のバルブ430を切り替えて試料ポート311にのみポンプ440から流体を流す(ポート311、331:開、他のポート:閉とし、図14で開を白丸、閉を黒丸で示す)。ここで使用する流体は空気や窒素など試薬と接した時に試薬の活性が損なわれない気体であればよい。試料溜め315内の試料は遺伝子抽出エリア320に移動される。試料中のカオトロピックイオンの働きにより、試料中の細菌遺伝子は、遺伝子抽出エリア320に充填された遺伝子結合担体に結合する。細菌遺伝子と遺伝子結合担体との結合を促進するために、試料が遺伝子抽出エリア320を通過する時間は10分以上が好ましい。そして、遺伝子抽出エリア320を通過した試料は廃液槽330に貯まる。送液用の気体は廃液ポート331に抜ける。なお、チップ300を縦置きにすることで、試料が廃液ポート331から漏れるのを防ぐことができる。(ステップ105)
次に、分析装置400内のバルブ430を切り替えてポート311を閉じ、洗浄液Aポート341を開く。そして洗浄液Aポート341にのみポンプ440から流体を流す(ポート331、341:開、他のポート:閉)。洗浄液A保管槽340内の洗浄液A200μLは、流体によって遺伝子抽出エリア320に送液される。ここで、洗浄液Aとしては、グアニジンチオシアン酸塩、グアニジン塩化水素、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム等のカオトロピックイオンが好ましい。この洗浄液Aにより、遺伝子抽出エリア320に残留する蛋白質が除去される。そして遺伝子抽出エリア320を通過した洗浄液Aは廃液槽330に貯まる。(ステップ106)
次に、分析装置400内のバルブ430を切り替えてポート341を閉じ、洗浄液Bポート351を開く。そして洗浄液Bポート351にのみポンプ440から流体を流す(ポート331、351:開、他のポート:閉)。洗浄液B保管槽350内の洗浄液B50μLは、流体によって遺伝子抽出エリア320に送液される。ここで洗浄液Bとしては、50%以上の高濃度エタノールや酢酸カリウム溶液が好ましい。この洗浄液Bにより、遺伝子抽出エリア320に残留するカオトロピックイオンが除去される。そして遺伝子抽出エリア320を通過した洗浄液Bは廃液槽330に貯まる。(ステップ107)
次に、分析装置400内のバルブ430を切り替えてポート331、ポート351を閉じ、遺伝子増幅試薬Aポート361および反応槽ポート391を開く。そして遺伝子増幅試薬Aポート361にのみポンプ440から流体を流す(ポート361、391:開、他のポート:閉)。遺伝子増幅試薬A保管槽370内の遺伝子増幅試薬A10μLは、流体によって反応槽390に送液される。ここで遺伝子増幅試薬Aとしては、4種類のdNTP(dATP、dCTP,dGTP、dTTP)、バッファ(TRIS塩酸、KCl、MgCl2など)、プライマなどから構成される。送液用の気体は、反応槽ポート391に抜ける。(ステップ108)
次に、分析装置400内のバルブ430を切り替えてポート361を閉じ、遺伝子増幅試薬Bポート371を開く。そして遺伝子増幅試薬Bポート371にのみポンプ440から流体を流す(ポート371、391:開、他のポート:閉)。遺伝子増幅試薬B保管槽380内の遺伝子増幅試薬B30μLは、流体によって反応槽390に送液される。ここで遺伝子増幅試薬Bとしては、DNA合成酵素(TaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、VentDNAポリメラーゼ、サーモシーケナーゼなど)、蛍光色素(エチジウムブロマイド、SYBR GREEN(Molecular Probe製)、FAM,ROXなど)などから構成される。(ステップ109)
次に、分析装置400内のバルブ430を切り替えてポート371を閉じ、溶離液ポート381を開く。そして溶離液ポート381にのみポンプ440から流体を流す(ポート381、391:開、他のポート:閉)。溶離液保管槽360内の溶離液10μLは、流体によって遺伝子抽出エリア320に送液される。ここで溶離液としては、滅菌蒸留水、TRIS−EDTAやTRIS−アセテート等のバッファ溶液が使用可能である。この溶離液により、遺伝子抽出エリア320の遺伝子結合担体に捕獲されていた遺伝子が溶離する。溶離した遺伝子は反応槽390に送液される。(ステップ110)
以上の手順により、分析チップ300の反応槽390に細菌遺伝子と2種類の遺伝子増幅試薬が導入される。反応槽390内の細菌遺伝子を増幅・検出するために、温度制御機構415を駆動し、反応槽390の温度が下記の2種類の設定値を往復するように温度サイクルをかける。(ステップ111)
温度サイクル例としては、下記の程度を実施する。
「90〜95℃10〜30秒⇔65〜70℃10〜30秒」×30〜45回
好ましい一例として、以下の温度サイクルを実施する。
「94℃30秒⇔68℃30秒」×45回
温度サイクルをかけながら、光源450からの励起光を反応槽390に照射する。遺伝子は、2本鎖の内部にインターカレートした蛍光色素を有すると,吸収した光源450の光エネルギーを蛍光色素に渡す(エネルギー転移)。その結果,蛍光色素は励起こされて蛍光を発する。すなわち、試料中に目的遺伝子が存在した場合、遺伝子が増幅するに従って発する蛍光量が増加する。よって、温度サイクルの間、光検出器181により反応槽390内の蛍光量をモニタすることで、図7に示されるように、目的遺伝子の有無をリアルタイムに検出可能となる。なお、分析チップ300を分析装置400に縦置きにセットすることにより、温度サイクル中の反応物質の一部が蒸発し、蒸気が反応槽390上部に滞留しても、蛍光を検出する反応槽390の側面は蒸気によって曇らない、よって検出感度が低下しない、という長所を有する。(ステップ112)。
そして最後に、分析が完了した時、分析チップ300を分析装置400から取り出し、廃棄する。試料や試薬の後処理が必要ない上に、反応検出部の洗浄操作が必要ないため、簡便・迅速な分析を提供することができる。(ステップ113)
以上説明したように、第1実施形態によれば、捕集チップ200および分析チップ300と、捕集機100および分析装置400を組み合わせて使用することで、細菌の捕集から細菌の検出までの工程が2種類の小型のチップ200、300内で自動化される。細菌芽胞の処理や遺伝子抽出工程に人手を一切介さないため、誰でも安全に分析が可能である。さらに、チップ200、300にバルブ等の機械部品が含まれないので、使い捨て用途に好適なチップ200、300が提供できる。また、反応槽や流路を微細加工により作製し容積を微小化した結果、試薬量が削減され低コストとなるだけでなく、温度制御が迅速、混合が迅速、反応が均一といった長所が得られる。さらに、ディスポーザブルなチップ200、300に予め1検査分のみの試薬を内蔵し、チップ200、300を冷蔵・冷凍した状態でユーザーに提供することで、極めて簡便・迅速な遺伝子の検出が可能、かつ分析後に試薬と共に処分しうる分析チップを提供することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態においては、分析チップ300内の反応槽390の個数が1個の例を示した。しかし、検査する対象が多数ある場合に対応する等の観点で、反応槽390が複数個であってもよい。その場合、検査対象の各細菌に対応したプライマが必要となるため、プライマを包含する遺伝子増幅試薬Aの保管槽も複数個必要となる。さらに、複数の反応槽390内の反応を検出するために光源450からの励起光の照射位置を反応槽390に対して切り替える必要があるが、1枚の分析チップ上で複数の細菌を同時に検査できる長所を有する。
[第3実施形態]
第1実施形態においては、捕集チップ200と分析チップ300とをセットするチップ設置部が一つの例を示した。しかし、捕集チップ200の処理と分析チップ300の処理を同時に平行して行うために、チップ設置部を2箇所設けて捕集機と分析装置とを兼用させることも可能である。捕集チップ200の処理工程では、光学検出系が不要のため、流体系、温調系を2系統にすることで2つのチップ設置部を設けることができる。装置のサイズが若干大きくなるが、捕集チップ200と分析チップ300を同時処理することで、多検体の処理時間を短縮することができる。
[第4実施形態]
この第4実施形態は、第1実施形態と比較して、分析チップ300の底部に水晶振動子や表面弾性波素子などの圧電素子を設置した点で相違する。圧電素子は、その電極上に付着した重さを発振周波数の変化に定量的に変換することから、微量な質量変化を反応雰囲気下で連続的に測定する手法として広く利用されている。そこで、所定の予め塩基配列が既知の様々なヌクレオチドを圧電素子に固定しておく。固定方法は下記の如くが好ましい。まず、圧電素子の電極上にスパッタリング、蒸着などの方法でガラス薄膜を形成する。ガラスとしては、電極素材であるクロムやチタンと最も接着性のよいSiO2を主成分としたものが好ましい。このガラス薄膜にアミノプロピルトリメトキシシラン(APS)を添加し、120〜160℃程度でベークすると、ガラス薄膜の表面にアミノ基が固定される。ここで、電極とガラス薄膜の厚みがそれぞれ0.1〜1μmであることが好ましい。双方の厚みが1μmを超えると、圧電素子の周波数応答が悪くなるためである。さらに、アミノ基がコーティングされたガラス薄膜にヌクレオチドを塗布し、恒温恒湿槽内で37℃、湿度90%で1時間保温する。その後、UVクロスリンカーを用いて60mJ/cmの紫外線を圧電素子に照射することで、ヌクレオチドは圧電素子に強固に固定される。
第4実施形態における試料から遺伝子を抽出するまでの工程は、第1実施形態と同じである。そして反応槽390に送液された遺伝子を温度制御機構413により94℃付近まで昇温すると、遺伝子は熱変性して一本鎖となる。この一本鎖遺伝子とチップ底部上に固定されたヌクレオチドが結合したとき、圧電素子の発振周波数が変化する。よって、この周波数変化を測定することにより、固定したヌクレオチドと相補的な遺伝子の配列を読み取りが可能となる。
液中で圧電素子を使用した場合、液温が1℃変化すると周波数は15〜30Hz変化するため液温の正確な制御が必須となるが、本実施例では、遺伝子増幅試薬が不要となり、また温度サイクルが要らないため検出時間が短くなる長所がある。
本発明の第1実施形態の細菌の検知方法の手順を示すフローチャート図である。 同第1実施形態の細菌検知システムの構成を示す図である。 同第1実施形態に係る捕集機の透視斜視図である。 図3の捕集機に捕集チップを装着する方法を示す斜視図である。 同第1実施形態に係る捕集チップの正面図である。 図5の捕集チップの縦断面図である。 同第1実施形態に係る分析チップの正面図である。 図7のA−A’断面図である。 図7の分析チップの反応槽下部の拡大図である。 図7の分析チップの遺伝子抽出エリアの堰を示す拡大図である。 同第1実施形態に係る分析装置の斜視透視図である。 図11の分析装置の断面構成図である。 図11の分析装置の基板を示す図である。 同第1実施形態の流体ハンドリングのプロファイルを示す図である。
符号の説明
100…捕集機、110…蓋部、111…固定手段、120…ノズル部、121…一次フィルタ、130…チップ支持部、140…二次フィルタ、150…支持板、160…ファンモータ、170…排出口、180…制御部、181…表示部、185…バッテリ、190…ケーシング、191…掴み部、200…捕集チップ、201…捕集材、202…基板、203…捕集材収納部、204…堰、210…発芽促進剤保管槽、211…チップポート、220…酵素A保管槽、221…チップポート、230…酵素B保管槽、231…チップポート、240…カオトロピック保管槽、241…チップポート、250…空気穴、300…分析チップ、310…試料注入口、311…チップポート、315…試料溜め、320…遺伝子抽出エリア、325…堰、330…廃液槽、331…チップポート、340…洗浄液A保管槽、341…チップポート、350…洗浄液B保管槽、351…チップポート、360…溶離液保管槽、361…チップポート、370…遺伝子増幅試薬A保管槽、371…チップポート、380…遺伝子増幅試薬B保管槽、381…チップポート、390…反応槽、391…チップポート(反応槽ポート)、392…堰、400…分析装置、401…前蓋、402…装置内流路、405…電源、410…基板、411…チップストッパ、412…基板流路、415…温度制御機構、420…チップホールダ、430…バルブ、440…ポンプ、450…光源、455…励起フィルタ、460…ミラー、470…光検出器、475…検出フィルタ、480…光信号変換機、490…データ表示画面。

Claims (16)

  1. 大気中の微生物を付着して捕集する捕集材と、この捕集材を装着した板状の基板とを備えた微生物検知チップであって、
    前記基板は、前記捕集材を収納した捕集材収納部と、微生物の検知処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備え、
    前記捕集材は、濃度が2〜5%の寒天であり、且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されており、
    前記複数の試薬保管槽は前記捕集材収納部に接続されている
    ことを特徴とする微生物検知チップ。
  2. 請求項1の微生物検知チップにおいて、前記捕集材収納部は、微生物を含む大気を取り入れる開口面を有する浅い凹部で形成されると共に、その開口面に対向する底部に前記捕集材を収納し、前記開口面は前記捕集材に微生物が付着された状態でシール材により封止されていることを特徴とする微生物検知チップ。
  3. 請求項2の微生物検知チップにおいて、前記試薬保管槽から前記捕集材収納部に試薬が送液される状態における前記捕集材収納部の上部が外部に開口する空気穴に連通されていることを特徴とする微生物検知チップ。
  4. 請求項1の微生物検知チップにおいて、前記捕集材収納部は前記基板の中央部に配置され、前記複数の試薬保管槽は前記捕集材収納部の周囲を取り囲むように配置されていることを特徴とする微生物検知チップ。
  5. 請求項4の微生物検知チップにおいて、前記複数の試薬保管槽は、細長い微細流路で形成され、それぞれの一側が前記捕集材収納部に接続されると共に、それぞれの他側が外部との接続口になるチップポートに接続されていることを特徴とする微生物検知チップ。
  6. 請求項1の微生物検知チップにおいて、細菌芽胞を形成した細菌の遺伝子を検知用として用いられるものであり、前記試薬保管槽は、発芽促進剤を保管する試薬保管槽と、細胞壁破壊液を保管する試薬保管槽と、カオトロピックイオンを保管する試薬保管槽とを有することを特徴とする微生物検知チップ。
  7. 請求項1の微生物検知チップにおいて、前記基板および前記捕集材を焼却可能な素材で構成したことを特徴とする微生物検知チップ。
  8. 捕集機と、捕集チップおよび分析チップからなる微生物検知チップと、分析装置とを備えた微生物検知システムであって、
    前記捕集チップは、大気中の微生物を付着して捕集する捕集材と、この捕集材を装着した薄い板状の捕集チップ基板とを備え、
    前記捕集材は、濃度が2〜5%の寒天であり、且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されており、
    前記捕集チップ基板は、前記捕集材を収納した捕集材収納部と、微生物の検知前処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備え、
    前記捕集機は、前記捕集チップを装着した状態で、前記捕集材に大気中の微生物を衝突させて付着させるものであり、
    前記分析チップは薄い板状の分析チップ基板を備え、
    前記分析チップ基板は、前記捕集チップで前処理された試料を貯留する試料溜めと、微生物の検知後処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備え、
    前記分析装置は、前記捕集チップを設置した状態で前記捕集チップによる前処理を行わせると共に、前記分析チップを設置した状態で前記分析チップによる後処理を行わせるものである
    ことを特徴とする微生物検知システム
  9. 請求項8に記載された微生物検知システムにおいて、前記捕集機と前記分析装置とは兼用して構成されていることを特徴とする微生物検知システム。
  10. 請求項8に記載された微生物検知システムにおいて、前記捕集機は、大気を導入するためのノズルと、このノズルの出口側に設けられた捕集室と、前記捕集チップを着脱する機構と、捕集室に導かれた空気を上記ノズルと反対側に排気するための排気部とを有するものであり、前記ノズル孔の内径は4〜15mmの範囲内にあることを特徴とする微生物検知システム。
  11. 請求項8に記載された微生物検知システムにおいて、前記分析チップが前記分析装置に縦置きに設置されることを特徴とする微生物検知システム。
  12. 請求項8に記載された微生物検知システムにおいて、前記捕集チップの複数の試薬保管槽は、それぞれの一側が前記捕集材収納部に接続されると共に、それぞれの他側が外部との接続口になる複数のチップポートに接続され、前記分析装置は、前記捕集チップの各チップポートに接続される複数の流路を有する分析装置基板と、前記分析装置基板の複数の流路から前記捕集チップの各チップポートに流体をバルブを介して選択的に供給する流体供給機構とを備えていることを特徴とする微生物検知システム。
  13. 請求項12に記載された微生物検知システムにおいて、前記分析チップの複数の試薬保管槽は外部との接続口になるチップポートに接続され、前記分析装置基板は前記分析チップの各チップポートに接続される複数の流路を有し、流体供給機構は前記分析装置基板の複数の流路から前記分析チップの各チップポートに流体をバルブを介して選択的に供給するように構成されていることを特徴とする微生物検知システム。
  14. 濃度が2〜5%の寒天であり且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されている捕集材を収納した捕集材収納部と微生物の検知処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備えた微生物検知チップを捕集機に装着して、前記捕集機の送風機構を動作することにより前記捕集材に大気中の微生物を衝突させて付着させ、
    微生物を付着された前記微生物検知チップを分析装置に装着して、この分析装置の送液機構を動作させて前記微生物検知チップの複数の試薬保管槽内の試薬を前記捕集材に順次供給することにより微生物検知処理を行う
    ことを特徴とする微生物検知方法
  15. 濃度が2〜5%の寒天であり且つ40〜80%濃度のアルコール類が添加されている捕集材を収納した捕集材収納部と微生物の検知前処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽とを備えた第1の微生物検知チップを捕集機に装着して、前記捕集機の送風機構を動作することにより前記捕集材に大気中の微生物を衝突させて付着させ、
    微生物を付着された前記第1の微生物検知チップを分析装置に装着して、この分析装置の送液機構を動作させて前記第1の微生物検知チップの複数の試薬保管槽内の試薬を前記捕集材に順次供給することにより微生物検知前処理を行い、
    試料溜めと検知後処理をするための試薬を貯留した複数の試薬保管槽と反応槽とを備えた第2の微生物検知チップを前記試料溜めに前記検知前処理をした試料を充填した状態で分析装置に装着して、この分析装置の送液機構を動作させて前記第2の微生物検知チップの試料溜めの試料および複数の試薬保管槽内の試薬を前記反応槽に順次供給することにより微生物検知後処理を行う
    ことを特徴とする微生物検知方法。
  16. 請求項15の微生物検知方法において、細菌芽胞を形成した細菌の遺伝子を検知を行うものであり、第1の微生物検知チップにおける前処理は発芽促進剤を保管する工程と細胞壁の溶解を行う工程とからなり、第2の微生物検知チップにおける後処理は細胞壁が溶解された遺伝子を遺伝子結合担体に結合させる工程と遺伝子−遺伝子結合担体結合物を洗浄する工程と遺伝子を遺伝子結合担体から溶離する工程と溶離した遺伝子を検出する工程とからなることを特徴とする微生物検知方法。
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