JP4690220B2 - テープフィーダ - Google Patents

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Description

本発明は、簡単かつ安価な構成で厚さや強弱の異なるトップテープを容易に巻き取ることのできるテープフィーダに関する。
従来より、チップ状電子部品(以下、単に部品という)を保持して、この部品を部品搭載装置に供給するテープ式部品供給装置(以下、単にテープフィーダという)がある。
このテープフィーダは、通常、その後端部にテープリールを着脱自在に装着しており、そのテープリールには部品を満載した部品テープが巻着されている。
部品テープは、本体テープとこの本体テープに側端部を貼り合わせられたトップカバーテープ(以下、トップテープという)の二種類のテープ部材から成る。
本体テープは、多数の凹部を長手方向に沿って一定間隔で備えており、その凹部に部品を収容している。トップテープは、本体テープの部品を収容した凹部の開口部を上から押さえ込むように貼り合わせられており、これにより、部品が凹部から脱落しないようにしている。
部品テープの一方の側端部には、スプロケットの歯が係合する孔が通常4mm間隔で形成されている。スプロケットは、シリンダ機構によるカム操作とラチェットの作用により、所定のタイミングとテープ送り速度で、部品テープをテープリールから引き出して部品供給口へ送り出す。
部品供給口では本体テープからトップテープが剥離され、凹部内で外部に露出した部品が部品搭載装置の吸着ノズルに供給される。
部品テープのトップテープが剥離されて部品の供給を終えた本体テープは、引き続きスプロケットにより機外の排出方向へ搬送され、他方、本体テープから剥離されたトップテープは、取り込み口に対向する2つの巻き取りギアを有するトップテープ収容器に収容される。(例えば、特許文献1参照。)
特開2003−060390号公報(図1(a),(b) )
ところで、部品テープは、どの種類であっても本体テープの厚さや強弱には、さほどの違いはないが、トップテープは、本体テープに対し搬送方向とは逆方向に剥離する関係もあって、部品テープの種類によって、かなり厚さや強弱が異なる。
したがって、そのような部品テープの種類の違いに対処するため、上記特許文献1のテープフィーダは、部品テープや使用済み部分の本体テープを搬送するスプロケットの駆動機構が極めて入り組んでいて複雑である。
また、使用済みトップテープを収容するためのトップテープ収容器の構造も、その巻き取りギアの駆動方式も極めて入り組んでいて複雑である。
このため、テープフィーダ本体内で部品テープにジャムが発生したとき、あるいは構成部品の一部が破損したときなどには、その修復のための保守作業で、分解と組み立てに手数と時間を要し、全体の作業能率が低下する。また、その保守作業には熟練者を必要とするから、保守作業要員の確保にも困難を伴う。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、簡単かつ安価な構成で、厚さや強弱の異なるトップテープを容易に巻き取ることのできるテープフィーダを提供することである。
本発明のテープフィーダは、本体テープと該本体テープに側端部を貼り合わせられたトップテープからなる部品テープを部品供給口まで搬送し上記本体テープの凹部に収容された電子部品を上記部品供給口から部品搭載装置に供給するテープフィーダにおいて、上記部品供給口の近傍において上記部品テープの部品を供給するための供給搬送と使用済み本体テープを機外に排出するための排出搬送を兼ねて行うスプロケットと、上記使用済み本体テープから剥離された使用済みトップテープを機外に排出するための排出搬送を行う排出ギアと、上記スプロケットと上記排出ギアとを駆動伝達系を介して同時に回転駆動する1個の駆動モータと、上記排出ギアに上記使用済みトップテープを介して圧接係合する補助排出ギアと、該補助排出ギアを上記排出ギアへの圧接係合方向に付勢する付勢機構と、該付勢機構の付勢力の強弱を可変する可変機構と、を備えて構成される。
このテープフィーダにおいて、例えば、上記付勢機構は、一方で本体装置に軸支され、他方で上記補助排出ギアの支持軸に軸支された回動部材と、該回動部材に一端を係止させ他端を引き伸ばされて引き付勢力を発生させる螺旋バネと、から成り、上記可変機構は、本体装置に固設され、上記螺旋バネの上記他端を引き伸ばして係止させる複数の係止ピン、から成るように構成され、また、例えば、上記付勢機構は、本体装置に固設された支持ピン部材と、一端を上記補助排出ギアの支持軸に係止させ、中央部を上記支持ピン部材に軸支され、他端を中央部方向に巻き込まれることにより押し付勢力を発生させる線バネ又は板バネと、から成り、上記可変機構は、本体装置に固設され、上記線バネ又は板バネの他端を、該線バネ又は板バネの中央部方向に巻き込む位置で係止させる複数の他端部位置決めピン、から成るように構成される。
本発明によれば、駆動伝達系を介して1個の駆動モータのみでスプロケットとトップテープの排出ギアとを同時に回転駆動する安価な構成でありながら、排出ギア方向へ補助排出ギアを複数段階で強弱付勢する簡単な構成の付勢機構を備えたので、トップテープを引きちぎったり排出ギアが上滑りしてトップテープを排出できないという不具合もなく、複数種類のトップテープの排出に確実に対処できるテープフィーダを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態におけるテープフィーダをその部品供給口近傍の構成を主体として模式的に示す側面図である。同図に示すように、本例のテープフィーダ1は、図では右方となる後端部にテープリール2を着脱自在に装着している。
テープリール2には、部品(図示省略)を満載した部品テープ3が巻着されている。部品テープ3は、本体テープ4と、この本体テープ4に側端部を貼り合わせられたトップテープ5の二種類のテープ部材から形成されている。
図では、定かに示されていないが、本体テープ4は、多数の凹部を長手方向に沿って一定間隔で備えており、その凹部に部品を収容している。トップテープ5は、本体テープ4の部品を収容した凹部の開口部を上から押さえ込むように貼り合わせられており、これにより、部品が本体テープ4から脱落しないようにしている。
部品テープ3の一方の側端部(例えば図面奥行き方向手前側の端部)には、スプロケット6の歯7が係合する孔が通常4mm間隔で形成されている。スプロケット6は、支持軸8に支持され、歯7が形成されている周の径よりもやや小径のギア9を備えている。
このスプロケット6のギア9には、アイドルギア11が歯合しており、アイドルギア11には減速二枚ギア12の小径ギアが歯合し、減速二枚ギア12の大径ギアにはスプロケット6を駆動するための送りモータ13の駆動軸ギアが歯合している。
この送りモータ13は、所定のタイミングとテープ送り速度で、部品テープ3をテープリール2から引き出して部品供給口14へ送り出す。部品供給口14では、トップテープを剥離されて凹部内で外部に露出した部品が不図示の部品搭載装置の吸着ノズルに供給される。
トップテープを剥離され、部品搭載装置に部品を供給して使用済みとなった本体テープ4は、引き続きスプロケット6により機外の排出方向へ矢印aで示すように搬送される。
他方、本体テープ4から剥離されたトップテープ5は、テープフィーダ1の後端部方向に反転し、案内ピン15に摺接しながら斜め下方に走行し、排出ギア16と補助排出ギア17により圧接挟持されて搬送され、機外下方に排出される。
上記の排出ギア16は、他の減速二枚ギア18の小径ギアに歯合し、その減速二枚ギア18の大径ギアが排出ギア16を駆動するための巻取りモータ19の駆動軸ギアが歯合している。
また、補助排出ギア17は、回動支持軸21、回転支持軸22、螺旋バネ23、棒状部材24、及び係止ピン25からなる付勢機構により、排出ギア16方向に付勢されている。
回動支持軸21は本体装置に固設され、棒状部材24は一端を補助排出ギア17の回転支持軸22に支持され、他端を回動支持軸21に回動自在に支持され、ほぼ中央部に螺旋バネ23の一端を係止させている。螺旋バネ23は他端を係止ピン25に係止させ、係止ピン25は本体装置に固設されている。
このテープフィーダ1は、取っ手26を現場オペレータにより持ち上げられて部品搭載装置の所望の装着位置に持ち運ばれ、前端部に突設されている2個の位置決め係合ピン27により装着位置に装着される。また、このとき下方の位置決め係合ピン27の更に下方に設けられているハーネス28が、部品搭載装置のハーネスと係合して部品搭載装置の制御部から制御信号と電源を供給される。
この構成において、部品搭載装置本体からの指示で、送りモータ13と巻取りモータ19に、それぞれ巻き上げ回転の指示が出されて、部品テープ3が部品供給口14に搬送され、使用済みのトップテープ5が機外に排出される。
この場合、それぞれのモータが個別に駆動されるので、つまりトップテープ5の巻取り側は、本体テープ4の送り側と分離しているため、巻取りモータ19に対して、トップテープ5の種類に合せた回転トルクの設定が可能である。
したがって、切れやすいトップテープ5に対しては弱めの回転トルクで巻き上げることが可能である。また、腰の強い丈夫なトップテープ5に対しては、強い回転トルクで回転し、トップテープ5との滑りを発生させながら補助排出ギア17と共にトップテープ5を挟持しながら機外に排出する。
また、送り側に対するトップテープ5の巻き取りや、動作開始のタイミングを可変することも容易である。
ところで、テープフィーダ1に送りモータ13と巻取りモータ19の2つのモータを備えるのは、モータは極めて高価なものであるからテープフィーダの価格が上昇して顧客にとっては好ましいことではない。また、テープフィーダが大型化するという問題も残される。
これらの問題は、図1の減速二枚ギア12と18を1個のモータで駆動するようにすれば解決する。
しかし、トップテープには、材質、厚み、接着剤などの巻き取りに影響する要素が多く、また、トップテープに使用される素材には特別の規格が設定されているわけではないので、前述したようにトップテープを巻き上げる際のテンションは部品テープの種類によって種々変動させる必要がある。
上述した第1の実施形態のように本体テープの送りと、トップテープの巻取りを、完全に分けて2つの駆動系を存在させた場合は、部品テープの種類によってトップテープの巻取りのテンションを変動させることは容易に調整がつく。
しかし、1つの駆動原で本体テープの送りとトップテープの巻取りの2つのことを同時に行うとなると、巻取り側の調整が難しくなる。
ここで本発明者は、1つの駆動原で本体テープの送りとトップテープの巻取りの2つのことを同時に行うことを絶対条件とし、且つ部品テープの種類によってトップテープの巻取りのテンションを変動させることを可能とする構成を考え出した。以下、これを第2の実施形態として説明する。
図2は、第2の実施形態におけるテープフィーダをその部品供給口近傍の構成を主体として模式的に示す側面図である。尚、図2には、図1と同一の構成又は同一の機能部分には図1と同一の番号を付与して示している。
図2に示すように、本例のテープフィーダ30は、図1に示した2個のモータ(送りモータ13と巻取りモータ19)が無く、代わって1個の兼用モータ31が配置され、この兼用モータ31の駆動軸ギアが減速二枚ギア12と18に歯合している。
すなわち、本例のテープフィーダ30においては、スプロケット6と排出ギア16とを駆動伝達系(減速二枚ギア12、18、アイドルギア11)を介して同時に回転駆動する1個の駆動モータ(兼用モータ31)が配設されている。
そして、排出ギア16に使用済みのトップテープ5を介して圧接係合する補助排出ギア17には、この補助排出ギア17を排出ギア16への圧接係合方向に付勢する付勢機構と、この付勢機構の付勢力の強弱を可変する可変機構とが配設されている。
上記の付勢機構は、回動支持軸21、回転支持軸22、螺旋バネ23、及び回動部材32からなる。
回動支持軸21は本体装置に固設され、回動部材32は一端を補助排出ギア17の回転支持軸22に支持され、他端を回動支持軸21に回動自在に支持されている。
また、螺旋バネ23は、その一端を回動部材32の回動支持軸21による支持部と回転支持軸22による支持部の中間に係止させている。螺旋バネ23は、その他端を引き伸ばされることにより引き付勢力を強化させ、引き伸ばしが短いほど引き付勢力が弱まる構成となっている。
また、可変機構は、本体装置に固設された3個の係止ピン25からなる。これら3個の係止ピン25の任意の1個に、上記の螺旋バネ23の他端が係止される。ここで螺旋バネ23の他端が係止される3個の係止ピン25のうちの任意の1個は、現場オペレータが部品テープ3の種類によって選択し決定する。
なお、トップテープ5の素材が弱く、巻上げに耐えられず切れる等の不具合が生じた際は、螺旋バネ23を係止させる係止ピン25を下方の位置にある係止ピン25に変更して、可動側の排出ギア16にテンションを与える補助排出ギア17の接触圧を調整する。
このような場合、つまりトップテープ5を改めて排出ギア16と補助排出ギア17との間に位置設定するときは、図の破線で示すように、回動部材32と共に補助排出ギア17を、回動支持軸21を支点にして反時計回り方向に回動させて、排出ギア16と補助排出ギア17の間に間隙を形成してトップテープ5を導入する。
尚、係止ピン25の配設個数は、3個と限るものではなく、4個以上であってもよく、また、使用する部品テープが限られているテープフィーダによっては2個であってもよい。
このように、部品テープ3の種類によって複数(本例では3個)の係止ピン25の内の適正な位置にある1個の係止ピン25を選択して螺旋バネ23の他端が係止されることにより、螺旋バネ23の引き付勢力の強弱が調整され、テープフィーダ30に使用されている部品テープ3のトップテープ5の巻き上げに適合するテンションが、回動部材32及び補助排出ギア17を介してトップテープ5に加えられる。
これにより、スプロケットと排出ギアとを駆動伝達系を介して同時に回転駆動する1個の駆動モータを配設するだけという簡単かつ安価な構成で、厚さや強弱の異なるトップテープを容易に巻き取ることのできるテープフィーダを提供することが可能となる。
(第2の実施形態における変形例)
図3は、第2の実施形態における変形例としてのテープフィーダの付勢機構と可変機構のみを模式的に示す図である。
同図は図2に示した補助排出ギア17とその回転支持軸22のみを取り出して示し、それらに本変形例の付勢機構と可変機構を示している。
本変形例において、付勢機構は、本体装置に固設された支持ピン部材33と、一端を補助排出ギア17の回転支持軸22に係止させ、中央部を支持ピン部材33に軸支され、他端を中央部方向に巻き込まれることにより押し付勢力を発生させる線バネ又は板バネ34と、から成る。
他方の可変機構は、本体装置に固設され、線バネ又は板バネ34の他端を、この線バネ又は板バネの中央部方向に巻き込む位置で係止させる複数(本例では3個)の他端部位置決めピン35から成る。
線バネ又は板バネ34は、その他端を中央部方向(支持ピン部材33方向)に巻き込まれるほど押し付勢力を強化させ、巻き込みが少ないほど押し付勢力が弱まる構成となっている。
この場合も、現場オペレータは、部品テープ3の種類によって、本体装置に固設された3個の他端部位置決めピン35の任意の1個を選択し、線バネ又は板バネ34の他端を係止させて、その他端部を位置決めする。
これにより、部品テープの種類によって複数(本例では3個)の他端部位置決めピン35の内の適正な位置にある1個のピンを選択して線バネ又は板バネ34の他端が係止され位置決めされることにより、線バネ又は板バネ34の押し付勢力の強弱が調整され、テープフィーダに使用されている部品テープのトップテープの巻き上げに適合するテンションが、補助排出ギア17を介してトップテープに加えられる。
第1の実施形態におけるテープフィーダをその部品供給口近傍の構成を主体として模式的に示す側面図である。 第2の実施形態におけるテープフィーダをその部品供給口近傍の構成を主体として模式的に示す側面図である。 第2の実施形態における変形例としてのテープフィーダの付勢機構と可変機構のみを模式的に示す図である。
符号の説明
1 テープフィーダ
2 テープリール
3 部品テープ
4 本体テープ
5 トップテープ
6 スプロケット
7 歯
8 支持軸
9 ギア
11 アイドルギア
12 減速二枚ギア
13 送りモータ
14 部品供給口
15 案内ピン
16 排出ギア
17 補助排出ギア
18 減速二枚ギア
19 巻取りモータ
21 回動支持軸
22 回転支持軸
23 螺旋バネ
24 棒状部材
25 係止ピン
26 取っ手
27 位置決め係合ピン
28 ハーネス
30 テープフィーダ
31 兼用モータ
32 回動部材
33 支持ピン部材
34 線バネ又は板バネ
35 他端部位置決めピン

Claims (3)

  1. 本体テープと該本体テープに側端部を貼り合わせられたトップテープからなる部品テープを部品供給口まで搬送し前記本体テープの凹部に収容された電子部品を前記部品供給口から部品搭載装置に供給するテープフィーダにおいて、
    前記部品供給口の近傍において前記部品テープの部品を供給するための供給搬送と使用済み本体テープを機外に排出するための排出搬送を兼ねて行うスプロケットと、
    前記使用済み本体テープから剥離された使用済みトップテープを機外に排出するための排出搬送を行う排出ギアと、
    前記スプロケットと前記排出ギアとを駆動伝達系を介して同時に回転駆動する1個の駆動モータと、
    前記排出ギアに前記使用済みトップテープを介して圧接係合する補助排出ギアと、
    該補助排出ギアを前記排出ギアへの圧接係合方向に付勢する付勢機構と、
    該付勢機構の付勢力の強弱を可変する可変機構と、
    を備えたことを特徴とするテープフィーダ。
  2. 前記付勢機構は、一方で本体装置に軸支され、他方で前記補助排出ギアの支持軸に軸支された回動部材と、該回動部材に一端を係止させ他端を引き伸ばされて引き付勢力を発生させる螺旋バネと、から成り、
    前記可変機構は、本体装置に固設され、前記螺旋バネの前記他端を引き伸ばして係止させる複数の係止ピン、から成る、
    ことを特徴とする請求項1記載のテープフィーダ。
  3. 前記付勢機構は、本体装置に固設された支持ピン部材と、一端を前記補助排出ギアの支持軸に係止させ、中央部を前記支持ピン部材に軸支され、他端を中央部方向に巻き込まれることにより押し付勢力を発生させる線バネ又は板バネと、から成り、
    前記可変機構は、本体装置に固設され、前記線バネ又は板バネの他端を、該線バネ又は板バネの中央部方向に巻き込む位置で係止させる複数の他端部位置決めピンから成る、
    ことを特徴とする請求項1記載のテープフィーダ。
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