JP4687388B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は電子写真方式の画像形成装置(レーザプリンタ)に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、周知のごとく、画像転写ユニットの感光ドラムを回転させながら、その円筒面に付着したトナーを紙やOHP用紙等の記録媒体に転写するとともに、記録媒体に転写されたトナーを加熱ローラにて加熱することより、トナーを記録媒体に定着させて記録媒体に画像を形成するものである。
しかし、加熱ローラにて記録媒体を加熱する際に、記録媒体のうち加熱ローラ側が熱収縮してしまうので、記録媒体が加熱ローラに沿うように湾曲(カール)してしまい易い。
このカールに対して、例えば特許文献1に記載の発明では、加熱ローラの直後にカール取り機能を有するローラ(以下、カール取りローラという。)を設けて記録媒体のカールを除去している。
なお、カール取りローラは、発生したカール(湾曲)の向きと逆向きのカール(湾曲)を記録媒体に付与することにより、既に発生したカールを相殺するようにしてカールを除去するものである。
特開2004−177880号公報
ところで、一般的な電子写真方式の画像形成装置では、搬送時における上面側にトナーを転写するので、加熱ローラも記録媒体の上面側に配設される。このため、加熱ローラから排出される記録媒体は、加熱ローラ側に曲率中心が存在するように下向きに凸となるような湾曲の向きを有することとなるので、加熱ローラから排出される記録媒体は、その搬送方向先端側が上方側に向かうようになる。
一方、カール取りローラは、加熱ローラで発生したカール(湾曲)の向きと逆向きのカールを付与するので、カール取りローラから排出される記録媒体は、その搬送方向先端側が下方側に向かうようになる。
また、一般的な電子写真方式の画像形成装置では、加熱ローラにてトナーの定着を終えた記録媒体は、その搬送方向が鉛直方向上方側に転向させられるので、加熱ローラの直後にカール取りローラを設けると、カール取りローラから排出された記録媒体の搬送方向が下向きになってしまうため、搬送方向を鉛直方向上方側に転向させるためには、カール取りローラから排出された記録媒体の搬送方向を90°以上転向させる必要がある。
そして、搬送方向を滑らかに転向させるには、大きな曲率半径を有するように湾曲した搬送経路(搬送ガイド)を必要とするので、搬送方向を90°以上転向させるには、更に大きな曲率半径を有するように湾曲した搬送経路を必要としてしまい、画像形成装置の大型化を招いてしまう。
また、十分なカール取り機能をカール取りローラに発揮させるには、カール取りローラの直径を大きくすることが望ましいが、カール取りローラの直径を大きくすると、カール取りローラから排出された記録媒体の搬送方向が更に大きく下向きになるので、更に画像形成装置の大型化を招いてしまう。
本発明は、上記点に鑑み、画像形成装置の小型化を図りながら、加熱ローラで発生したカールを除去することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、電子写真方式の画像形成装置であって、記録媒体にトナー画像を転写する画像転写ユニット(80)と、画像転写ユニットにて記録媒体に転写されたトナーを加熱しながら記録媒体に搬送力を付与する加熱ローラ(91)、及び加熱ローラ(91)の下方側に配設され、記録媒体を加熱ローラ(91)側に押圧する加圧ローラ(92)を有する定着ユニット(90)と、定着ユニット(90)から排出された記録媒体の搬送方向を上方側に略90°転向させる搬送方向転向手段(32)と、搬送方向転向手段(32)にて搬送方向が転向させられた記録媒体を排出部(7)に排出させる排出ローラ(33)と、搬送方向転向手段(32)から排出ローラ(33)に至る搬送経路に設けられ、加熱ローラ(91)にて記録媒体に付与された湾曲の向きと逆向きに記録媒体を湾曲させるカール取りローラ(40)とを備えることを特徴とする。
本発明においても、加熱ローラ(91)が加圧ローラ(92)の上方側に配置されているので、定着ユニット(90)から排出される記録媒体は、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、下向きに凸となるような湾曲の向きを有している。
したがって、加熱ローラ(91)から排出される記録媒体は、その搬送方向先端側が上方側に向かうようになっているので、大きな曲率半径を有するように湾曲した搬送経路(搬送ガイド)を設けることなく、滑らかに記録媒体の搬送方向を上方側に略90°転向させることができる。
また、カール取りローラ(40)は、搬送方向転向手段(32)から排出ローラ(33)に至る搬送経路、つまり、記録媒体の搬送方向が上方側に略90°転向した後に設けられているので、搬送方向転向手段(32)から排出ローラ(33)に至る搬送経路の曲率半径に影響が殆どない。
したがって、定着ユニット(90)から排出される記録媒体を自然に鉛直方向上方側に略90°転向させることができるので、搬送経路の曲率半径を大きくすることなく、搬送方向を転向させることができ、画像形成装置の大型化を抑制できる。
また、カール取りローラ(40)の存在が搬送方向転向手段(32)から排出ローラ(33)に至る搬送経路の曲率半径に影響が殆どないので、カール取りローラ(40)の直径を大きくしても、画像形成装置が大型化してしまうことを抑制できる。
以上に説明したように、本発明によれば、画像形成装置の小型化を図りながら、加熱ローラで発生したカールを除去することができる。
さらに、本発明では、カール取りローラ(40)を通過した記録媒体の搬送方向を逆転させて、記録媒体を再びカール取りローラ(40)に搬送する搬送方向逆転手段(33)と、搬送方向逆転手段(33)により搬送方向が逆転されて再びカール取りローラ(40)を通過した記録媒体を、画像転写ユニット(80)に搬送する両面印刷搬送経路手段(52、30)とを備えることも特徴とする。
これにより、本発明では、両面印刷時には、記録媒体がカール取りローラ(40)を2回通過することとなるので、記録媒体に発生したカールを確実に除去することができる。
請求項2に記載の発明では、搬送方向転向手段(32)からカール取りローラ(40)に至る搬送経路に設けられ、搬送方向転向手段(32)からカール取りローラ(40)に搬送される記録媒体に、定着ユニット(90)側に向かう搬送方向成分を付与する搬送方向内転手段(31b)を備えることを特徴とする。
これにより、搬送方向転向手段(32)により搬送方向を上方側に略90°転向させられた記録媒体は、搬送方向内転手段(31b)により定着ユニット(90)側、つまり画像形成装置の内側に傾くようしてカール取りローラ(40)に向けて搬送されることとなる。
したがって、搬送方向転向手段(32)により搬送方向を単純に鉛直方向に転向させた場合のみに比べて、カール取りローラ(40)を画像形成装置の内側に配置することができるので、画像形成装置を更に小型にすることができる。
請求項3に記載の発明では、カール取りローラ(40)と接触するようにカール取りローラ(40)と対向配置された第1ニップ用ローラ(41)と、第1ニップ用ローラ(41)より排出ローラ(33)側においてカール取りローラ(40)と接触するようにカール取りローラ(40)と対向配置された第2ニップ用ローラ(42)とを備えており、加熱ローラ(91)と記録媒体との接点における記録媒体の搬送方向前進側を後方側とした場合において、第1ニップ用ローラ(41)は、カール取りローラ(40)と第1ニップ用ローラ(41)との接点における記録媒体の搬送方向後退側が後方側に向くように配設され、さらに、第2ニップ用ローラ(42)は、カール取りローラ(40)と第2ニップ用ローラ(42)との接点における記録媒体の搬送方向前進側が後方側に向くように配設されていることを特徴とする。
ところで、請求項3に記載の発明においては、カール取りローラ(40)に到達した記録媒体は、カール取りローラ(40)と第1ニップ用ローラ(41)との接点からカール取りローラ(40)と第2ニップ用ローラ(42)との接点までの円弧範囲において、カール取りローラ(40)に巻き付くようになる。そして、カール除去機能は、記録媒体のカール取りローラ(40)への巻き付き量、つまり前記円弧範囲の大きさが大きいほど、効果的である。
このとき、本発明では、カール取りローラ(40)と第1ニップ用ローラ(41)との接点における記録媒体の搬送方向後退側が後方側に向くように配設され、さらに、第2ニップ用ローラ(42)は、カール取りローラ(40)と第2ニップ用ローラ(42)との接点における記録媒体の搬送方向前進側が後方側に向くように配設されているので、前記円弧範囲を比較的大きくすることができる。したがって、カール除去機能を効果的に発揮させることができる。
なお、請求項3における搬送方向とは、後述するように、片面印刷時、又は両面印刷の場合において最初の印刷時における記録媒体の搬送方向をいう
求項に記載の発明では搬送方向内転手段(31b)は、鉛直方向に対して傾いた案内面(31b)を有しており、さらに、搬送方向逆転手段(33)により搬送方向が逆転されて再びカール取りローラ(40)を通過した記録媒体を、画像転写ユニット(80)に搬送する両面印刷搬送経路(50)の入口部(51)は、案内面(31b)から滑らかに連続した壁面(51a)を有して構成されていることを特徴とする。
これにより、本発明では、両面印刷搬送経路(50)の入口部(51)は、案内面(31b)から滑らかに連続した壁面(51a)を有して構成されているので、搬送方向が逆転されてカール取りローラ(40)を通過した記録媒体は、その搬送方向先端が案内面(31b)及び壁面(51a)に沿うように両面印刷搬送経路(50)に案内されいく。
したがって、表面印刷時に記録媒体が搬送される搬送経路と裏面印刷時に記録媒体が搬送される搬送経路とを切り替える経路切り替え手段を設けることなく、記録媒体の搬送を適切に制御することができる。
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
以下に本実施形態を図面と共に説明する。
1.レーザプリンタの全体構成
図1は本実施形態に係るレーザプリンタ1の外観を示す斜視図であり、このレーザプリンタ1は、紙面上側を重力方向上方側として設置され、通常、紙面手前側を前側として使用される。
そして、レーザプリンタ1の筐体3は略箱状(立方体状)に形成されており、この筐体3の上面側には、印刷を終えて筐体3から排出される記録媒体が載置される排紙トレイ5が設けられている。なお、本実施形態では、記録媒体として、紙やOHPシート等の用紙を想定している。
また、排紙トレイ5は、後方側に向かうほど、筐体3の上面から下がるように傾斜した傾斜面5aにて構成されており、この傾斜面5aの後端側には、印刷が終了した記録媒体が排出される排出部7が設けられている。
2.レーザプリンタの概略構成
図2はレーザプリンタ1の要部を示す側断面図である。そして、画像形成部10は記録媒体に画像を形成する画像形成手段を構成するものであり、フィーダ部20は、画像形成部10に記録媒体を供給する搬送手段の一部を構成するものである。
排出シュート30は、画像形成部10にて画像形成が終了した記録媒体の搬送方向をUターンさせるように略180°転向させて、記録媒体を定着器ユニット90の上方に設けられた排出部7に案内する案内部材を構成するものである。
そして、排出シュート30により形成される記録媒体の搬送経路31の中間部には、排出部7に記録媒体を搬送する中間搬送ローラ40が設けられ、搬送経路31の上流側であって定着ユニット90の出口側には、定着ユニット90(加熱ローラ91)から排出された記録媒体の搬送方向を紙面上方側に略90°転向させる転向ローラ32が設けられ、搬送経路31の最下流部には、排出ローラ33が設けられている。
この排出ローラ33は、中間搬送ローラ40を経由して搬送されてきた記録媒体を排出部7から排紙トレイ5に排出するとともに、両面印刷時には、ローラの回転方向を逆転させることにより記録媒体の搬送方向を反転させる搬送方向逆転手段を構成するものである。
2.1.フィーダ部
フィーダ部20は、筐体3の最下部に収納された給紙トレイ21、給紙トレイ21の前端部上方に設けられて画像形成部10に記録媒体を搬送する給紙ローラ22、並びに給紙ローラ22にて搬送される記録媒体を1枚毎に分離する分離ローラ23及び分離パッド24等を有して構成されている。そして、給紙トレイ21に載置されている記録媒体は、筐体3内前側にてUターンするようにして、筐体3内の略中央部に配設された画像形成部10に搬送される。
なお、給紙トレイ21から画像形成部10に至る記録媒体の搬送経路のうち、略U字状に転向する部位の頂部外側には、記録媒体の画像形成面(印刷面)に付着した紙粉等を取り除く紙粉取りローラ25が配設され、その頂部内側には搬送される記録媒体を紙粉取りローラ25に押圧する対向ローラ26が配設されている。
また、給紙トレイ21から画像形成部10に至る搬送経路のうち画像形成部10の入口には、記録媒体に搬送抵抗を付与して記録媒体の搬送状態を整える一対のローラからなるレジストローラ27が配設されている。
2.2.画像形成部
画像形成部10は、スキャナ部70、プロセスカートリッジ80及び定着器ユニット90等を有して構成されている。
2.2.1.スキャナ部
スキャナ部70は、筐体3内の上部に設けられて後述する感光ドラム81の表面に静電潜像を形成するものであり、具体的には、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、及び反射鏡等から構成されている。
そして、レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向されて、fθレンズを通過した後、反射鏡によって光路が折り返された後、反射鏡によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、感光ドラム81の表面上に照射され、静電潜像が形成される。
2.2.2.プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ80は、スキャナ部70の下方側において着脱可能に筐体3内に配設されて記録媒体にトナー画像を転写する画像転写ユニットを構成するものであり、このプロセスカートリッジ80は、感光ドラム81、帯電器82、転写ローラ83及び現像カートリッジ84等から構成されている。
そして、感光ドラム81は、記録媒体に転写される画像を担持する画像担持手段をなすもので、最表層がポリカーボネート等からなる正帯電性の感光層により形成される円筒状のドラム本体81aと、このドラム本体81aの軸心において、ドラム本体81aの長手方向に沿って延びてドラム本体81aを回転可能に支持するドラム軸81bとを有して構成されている。
帯電器82は、感光ドラム81の表面を帯電させる帯電手段をなすもので、感光ドラム81の後側斜め上方において、感光ドラム81と接触しないように所定間隔を有して感光ドラム81と対向配設されている。なお、本実施形態に係る帯電器82は、コロナ放電を利用して感光ドラム81の表面に略均一に正電荷を帯電させるスコロトロン型帯電器を採用している。
転写ローラ83は、感光ドラム81と対向して配設されて感光ドラム81の回転と連動して回転し、記録媒体が感光ドラム81近傍を通過する際に、感光ドラム81に帯電した電荷と反対の電荷(本実施形態では、負電荷)を印刷面とは反対側から記録媒体に作用させることにより、感光ドラム81の表面に付着したトナーを記録媒体の印刷面に転写させる転写手段をなすものである。
現像カートリッジ84は、トナーが収容されたトナー収容室84a、トナーを感光ドラム81に供給するトナー供給ローラ84b及び現像ローラ84c等を有して構成されている。
そして、トナー収容室84aに収容されているトナーは、トナー供給ローラ84bの回転によって現像ローラ84c側に供給され、さらに、現像ローラ84c側に供給されたトナーは、現像ローラ84cの表面に担持されるとともに、層厚規制ブレード84dにより担持されたトナーの厚みが所定の厚みにて一定(均一)となる調整された後、スキャナ部70にて露光された感光ドラム81の表面に供給される。
2.2.3.定着ユニット
定着ユニット90は、記録媒体の搬送方向において感光ドラム81より後流側に配設され、記録媒体に転写されたトナーを加熱溶融させて定着させるものである。具体的には、定着ユニット90は、記録媒体の印刷面側に配設されてトナーを加熱しながら記録媒体に搬送力を付与する加熱ローラ91、及び記録媒体を挟んで加熱ローラ91の下側に配設されて記録媒体を加熱ローラ91側に押圧する加圧ローラ92等を有して構成されている。
因みに、加熱ローラ91は、図示しないモータ等の駆動手段により駆動され、一方、加圧ローラ92は、加熱ローラ91に接触する記録媒体を介して加熱ローラ91から回転力を受けて従動回転する。
そして、以上に説明した画像形成部10においては、以下のようにして記録媒体に画像が形成される。
すなわち、感光ドラム81の表面は、その回転に伴って、帯電器82により一様に正帯電された後、スキャナ部70から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、感光ドラム81の表面には、記録媒体に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ84cの回転により、現像ローラ84c上に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム81に対向して接触するときに、感光ドラム81の表面上に形成されている静電潜像、つまり、一様に正帯電されている感光ドラム81の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム81の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム81の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
その後、感光ドラム81の表面上に担持されたトナー像は、転写ローラ83に印加される転写バイアスによって記録媒体に転写される。そして、トナー像が転写された記録媒体は定着ユニット90に搬送されて加熱され、トナー像として転写されたトナーが記録媒体に定着して、画像形成が完了する。
2.3.排出シュート30及び搬送経路等
図3は排出シュート30及び搬送経路31の拡大模式図である。
排出シュート30は、図3に示すように、定着ユニット90(加熱ローラ91)から排出された記録媒体を上方側に略90°転向させた後、略水平方向に再び略90°転向させることにより、定着ユニット90から排出された記録媒体を180°転向させて排出ローラ33に案内する案内壁を構成するもので、転向ローラ32の搬送方向上流側には、加熱ローラ91にて加熱された記録媒体と加熱ローラ91とを剥離させる剥離ブレード34が配設されている。
また、搬送経路31の中間に設けられた中間搬送ローラ40は、加熱ローラ91にて加熱ローラ91側に曲率中心が存在するように略U字状に湾曲させられた記録媒体が、逆向き(前方側)に凸となるような押圧力を作用させている。
つまり、加熱ローラ91による湾曲(カール)に加えて搬送経路31にて搬送経路31が180°転向させられるので、搬送経路31では、記録媒体は後方側に凸となるように湾曲する。そこで、本実施形態では、前方側に凸となるように記録媒体が湾曲する押圧力を中間搬送ローラ40で付与している。
ここで、「後方側」とは、加熱ローラ91と記録媒体との接点における記録媒体の搬送方向前進側D1をいい、本実施形態では、レーザプリンタ1の後方側と一致する。
また、搬送される記録媒体を挟んで中間搬送ローラ40と反対側には、中間搬送ローラ40と接触するように第1、2ニップローラ41、42が対向配置されており、これら第1、2ニップローラ41、42は、バネ等の弾性手段(図示せず。)により中間搬送ローラ40側に押圧され、搬送される記録媒体に連動して従動回転する。
そして、搬送方向上流側の第1ニップローラ41は、中間搬送ローラ40と第1ニップローラ41との接点における記録媒体の搬送方向後退側D2が後方側に向くように配設され、搬送方向下流側の第2ニップローラ42は、中間搬送ローラ40と第2ニップローラ42との接点における記録媒体の搬送方向前進側D3が後方側に向くように配設されている。
なお、ここで、搬送方向前進側及び搬送方向後退側とは、片面印刷時における記録媒体の搬送方向をいい、具体的には、搬送方向前進側の記録媒体が図3の下方側から上方側に搬送されるときの搬送方向をいう。
また、搬送経路31のうち転向ローラ32から中間搬送ローラ40に至る搬送経路には、中間搬送ローラ40と記録媒体との接点P1、つまり中間搬送ローラ40と第1ニップローラ41との接点より後方側に拡がる拡大空間31aが設けられており、この拡大空間31aは、接点P1から搬送方向上流側(紙面下方側)に向かうほど、徐々に後方側に拡大するように構成されている。
このため、拡大空間31aを構成する案内壁面31bは、鉛直方向に対して傾くように形成されているとともに、転向ローラ32から中間搬送ローラ40に搬送される記録媒体に、定着ユニット90側(前方側)に向かう搬送方向成分を付与する搬送方向内転手段として機能する。
また、両面印刷搬送経路50は、両面印刷時に排出ローラ33にて搬送方向が転向された記録媒体を再び画像形成部10に搬送する搬送経路であり、この両面印刷搬送経路50の入口部51は、案内壁面31bから滑らかに連続した壁面51aを有して構成されている
なお、両面印刷搬送経路50は、給紙トレイ21とプロセスカートリッジ80及び定着器ユニット90との間に装着された両面印刷ユニット52(図2参照)、並びに排出シュート30のうち拡大空間31aから連なる部位等により構成されている。
また、排出ローラ33と対向する位置には、搬送される記録媒体を挟むようにニップローラ33aが配設されており、このニップローラ33aは、バネ等の弾性手段(図示せず。)により排出ローラ33側に押圧され、搬送される記録媒体に連動して従動回転する。
以上に説明した構成において、片面印刷時には、定着ユニット90から排出された記録媒体は、中間搬送ローラ40を経由して排出ローラ33から排紙トレイ5に排出される。
また、両面印刷時には、定着ユニット90から排出された記録媒体は、中間搬送ローラ40を経由して排出ローラ33に搬送され、記録媒体の搬送方向後端が排出ローラ33に到達した時に、その搬送方向が逆転されて再び中間搬送ローラ40に向けて搬送される。
このとき、中間搬送ローラ40と第1ニップローラ41との接点における記録媒体の搬送方向D2が後方側に向くように配設されているので、中間搬送ローラ40を通過した記録媒体は、その搬送方向先端が案内壁面31bに沿うように両面印刷搬送経路50に案内されていく。
なお、図2中、太い一点鎖線は片面印刷時における搬送経路を示し、太い二点鎖線は両面印刷時において裏面側を印刷するときの搬送経路を示している。
3.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態においても、加熱ローラ91が加圧ローラ92の上方側に配置されているので、定着ユニット90から排出される記録媒体は、「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、下向きに凸となるような湾曲の向きを有している。
したがって、加熱ローラ91から排出される記録媒体は、既にその搬送方向先端側が上方側に向かうようになっているので、大きな曲率半径を有するように湾曲した搬送経路(搬送ガイド)を設けることなく、滑らかに記録媒体の搬送方向を上方側に略90°転向させることができる。
また、中間搬送ローラ40は、転向ローラ32から排出ローラ33に至る搬送経路、つまり、記録媒体の搬送方向が上方側に略90°転向した後に設けられているので、転向ローラ32から排出ローラ33に至る搬送経路の曲率半径に影響が殆どない。
したがって、定着ユニット90から排出される記録媒体を自然に鉛直方向上方側に略90°転向させることができるので、搬送経路の曲率半径を大きくすることなく、搬送方向を転向させることができ、画像形成装置の大型化を抑制できる。
また、中間搬送ローラ40の存在が転向ローラ32から排出ローラ33に至る搬送経路の曲率半径に影響が殆どないので、中間搬送ローラ40の直径を大きくしても、画像形成装置が大型化してしまうことを抑制できる。
以上に説明したように、本実施形態によれば、画像形成装置の小型化を図りながら、加熱ローラ91で発生したカールを除去することができる。
また、案内壁面31bは、鉛直方向に対して傾くように形成されて記録媒体に定着ユニット90側(前方側)に向かう搬送方向成分を付与するので、転向ローラ32により搬送方向を上方側に略90°転向させられた記録媒体は、案内壁面31bにより定着ユニット90側、つまり画像形成装置の内側に傾くようして中間搬送ローラ40に向けて搬送されることとなる。
したがって、転向ローラ32により搬送方向を単純に鉛直方向に転向させた場合のみに比べて、中間搬送ローラ40を画像形成装置の内側に配置することができるので、画像形成装置を更に小型にすることができる。
ところで、中間搬送ローラ40に到達した記録媒体は、中間搬送ローラ40と第1ニップ用ローラ41との接点から中間搬送ローラ40と第2ニップ用ローラ42との接点までの円弧範囲において、中間搬送ローラ40に巻き付くようになる。そして、カール除去機能は、記録媒体の中間搬送ローラ40への巻き付き量、つまり円弧範囲の大きさが大きいほど、効果的である。
このとき、本実施形態では、中間搬送ローラ40と第1ニップ用ローラ41との接点における記録媒体の搬送方向が後方側に向くように配設され、さらに、第2ニップ用ローラ42は、中間搬送ローラ40と第2ニップ用ローラ42との接点における記録媒体の搬送方向が後方側に向くように配設されているので、前記円弧範囲比較的大きくすることができ、カール除去機能を効果的に発揮させることができる。
また、本実施形態では、両面印刷時には、記録媒体が中間搬送ローラ40を2回通過することとなるので、記録媒体に発生したカールを確実に除去することができる。
ところで、両面印刷時には、前述したように、排出ローラ33の回転方向を逆転させるが、当然ながら、記録媒体が排出ローラ33を完全に通過した後では、記録媒体に搬送力を付与することができない。
そこで、通常、記録媒体の搬送方向後端側が排出ローラ33に到達する時(直前)に排出ローラ33の回転方向を逆転させるが、排出ローラ33の回転方向を逆転させる際(瞬間)に大きなトルクが記録媒体に作用するので、記録媒体の後端側がL字状に曲がってしまう、いわゆる猫の手カールが発生してしまうおそれがある。
しかし、本実施形態では、搬送方向を逆転させて裏面側に印刷を行うときも、中間搬送ローラ40を通過してカール除去が行われるので、搬送方向を逆転させる際に発生する猫の手カールを除去することができる。
また、両面印刷搬送経路50の入口部51は、案内壁面31bから滑らかに連続した壁面51aを有して構成されているので、搬送方向が逆転されて中間搬送ローラ40を通過した記録媒体は、その搬送方向先端が案内壁面31b及び壁面51aに沿うように両面印刷搬送経路50に案内されていく。
したがって、表面印刷時に記録媒体が搬送される搬送経路と裏面印刷時に記録媒体が搬送される搬送経路とを切り替えるフラッパ等の経路切り替え手段を設けることなく、記録媒体の搬送を適切に制御することができる。
4.発明特定事項と本実施形態との対応関係
本実施形態では、中間搬送ローラ40が特許請求の範囲に記載されたカール取りローラに相当し、転向ローラ32が特許請求の範囲に記載された搬送方向転向手段に相当し、排出ローラ33が特許請求の範囲に記載された排出ローラ及び搬送方向逆転手段を兼ねる。
また、両面印刷ユニット52(図2参照)、並びに排出シュート30のうち拡大空間31aから連なる部位等により特許請求の範囲に記載された両面印刷搬送経路手段が構成されている。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、搬送方向転向手段を回転するローラ(コロ)で構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、曲面状の摺動面を有する案内面にて搬送方向転向手段を構成してもよい。
また、上述の実施形態では、拡大空間31aを設けていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡大空間31aを廃止してもよい。
また、上述の実施形態では、排出ローラ33が特許請求の範囲に記載された排出ローラ及び搬送方向逆転手段を兼ねていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬送方向逆転手段を構成する専用のローラを設けてもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
本発明の本実施形態に係るレーザプリンタ1の外観を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るレーザプリンタ1の要部を示す側断面図である。 本発明の実施形態に係るレーザプリンタにおける排出シュート30及び搬送経路31の拡大模式図である。
符号の説明
1…レーザプリンタ、3…筐体、5…排紙トレイ、5a…傾斜面、7…排出部、
10…画像形成部、20…フィーダ部、21…給紙トレイ、22…給紙ローラ、
25…紙粉取りローラ、26…対向ローラ、27…レジストローラ、
30…排出シュート、31…搬送経路、31a…拡大空間、32…転向ローラ、
33…排出ローラ、33a…ニップローラ、34…剥離ブレード、
40…中間搬送ローラ、41…ニップローラ、41…第1ニップローラ、
42…第2ニップローラ、70…スキャナ部、80…プロセスカートリッジ、
81…感光ドラム、81a…ドラム本体、81b…ドラム軸、82…帯電器、
83…転写ローラ、84…現像カートリッジ、84a…トナー収容室、
84b…トナー供給ローラ、84c…現像ローラ、84d…層厚規制ブレード、
90…定着ユニット、90…定着ユニット、90…略、91…加熱ローラ、
92…加圧ローラ。

Claims (4)

  1. 電子写真方式の画像形成装置であって、
    記録媒体にトナー画像を転写する画像転写ユニットと、
    前記画像転写ユニットにて記録媒体に転写されたトナーを加熱しながら記録媒体に搬送力を付与する加熱ローラ、及び前記加熱ローラの下方側に配設され、記録媒体を前記加熱ローラ側に押圧する加圧ローラを有する定着ユニットと、
    前記定着ユニットから排出された記録媒体の搬送方向を上方側に略90°転向させる搬送方向転向手段と、
    前記搬送方向転向手段にて搬送方向が転向させられた記録媒体を排出部に排出させる排出ローラと、
    前記搬送方向転向手段から前記排出ローラに至る搬送経路に設けられ、前記加熱ローラにて記録媒体に付与された湾曲の向きと逆向きに記録媒体を湾曲させるカール取りローラと
    前記カール取りローラを通過した記録媒体の搬送方向を逆転させて、記録媒体を再び前記カール取りローラに搬送する搬送方向逆転手段と、
    前記搬送方向逆転手段により搬送方向が逆転されて再び前記カール取りローラを通過した記録媒体を、前記画像転写ユニットに搬送する両面印刷搬送経路手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記搬送方向転向手段から前記カール取りローラに至る搬送経路に設けられ、前記搬送方向転向手段から前記カール取りローラに搬送される記録媒体に、前記定着ユニット側に向かう搬送方向成分を付与する搬送方向内転手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記カール取りローラと接触するように前記カール取りローラと対向配置された第1ニップ用ローラと、
    前記第1ニップ用ローラより前記排出ローラ側において前記カール取りローラと接触するように前記カール取りローラと対向配置された第2ニップ用ローラとを備えており、
    前記加熱ローラと記録媒体との接点における記録媒体の搬送方向前進側を後方側とした場合において、
    前記第1ニップ用ローラは、前記カール取りローラと前記第1ニップ用ローラとの接点における記録媒体の搬送方向後退側が前記後方側に向くように配設され、
    さらに、前記第2ニップ用ローラは、前記カール取りローラと前記第2ニップ用ローラとの接点における記録媒体の搬送方向前進側が前記後方側に向くように配設されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 記搬送方向内転手段は、鉛直方向に対して傾いた案内面を有しており、
    さらに、前記搬送方向逆転手段により搬送方向が逆転されて再び前記カール取りローラを通過した記録媒体を、前記画像転写ユニットに搬送する両面印刷搬送経路の入口部は、前記案内面から滑らかに連続した壁面を有して構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
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