JP4508267B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
ここで、用紙のカールの種類は、順カールと筒カールとに主に区別される。順カールとは、用紙が、その搬送方向における下流側へ向うに従って、表側または裏側のどちらかへ湾曲することである。筒カールとは、用紙が、その搬送方向と直交する方向(直交方向という。)における両端側へ向うに従って、表側または裏側のどちらかへ湾曲することであり、著しく筒カールした用紙は、搬送方向に沿った中心軸を有する筒状になる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記両端部の湾曲の程度に応じて、前記両端部に対する前記当接部材の当接荷重が変化することを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記当接部材の少なくとも一部は、前記定着部における前記記録媒体の搬送方向から投影したときに、前記定着部と重なることを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記画像形成装置の筐体に含まれるカバーと、前記カバーに設けられ、前記当接部材の位置を変化させることで、前記両端部に対する前記当接部材の当接荷重を変化させる調整部材とを備えていることを特徴としている。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の発明において、前記排出部において、排出された前記記録媒体が積み重ねられる部分は、前記搬送方向における上流側から下流側へ向かう途中で、上向きに凸湾曲していることを特徴としている。
記録媒体において、その搬送方向に対する直交方向の両端部が定着部による熱定着に起因して湾曲した場合(記録媒体が筒カールした場合)には、当接部材が、その両端部に対して、両端部の湾曲側から当接する。これにより、両端部の湾曲(記録媒体の筒カール)を解消することができる。
さらに、当接部材において記録媒体と対向する対向領域は、記録媒体の両端部と直交方向において一致する第1部分から、直交方向における記録媒体の中央部と直交方向において一致する第2部分へ向かうに従って記録媒体から離間するように凹んでいる。そのため、当接部材が記録媒体と対向した場合、当接部材の対向領域において、第1部分を記録媒体の両端部に当接させることができる一方で、第1部分以外の部分を記録媒体から離間させることができる。これにより、当接部材は、筒カールした記録媒体において湾曲した両端部だけに当接することができるので、記録媒体の筒カールを効果的に解消することができる。
請求項2に記載の発明によれば、搬送経路を区画する壁面において、記録媒体を挟んで当接部材の対向領域と対向する部分は、記録媒体の両端部と直交方向において一致する第3部分から、記録媒体の中央部と直交方向において一致する第4部分へ向かうに従って記録媒体に接近するように突き出ている。ここで、第3部分は、対向領域の第1部分と直交方向において一致し、第4部分は、対向領域の第2部分と直交方向において一致する。
請求項6に記載の発明によれば、当接部材の少なくとも一部は、定着部における記録媒体の搬送方向から投影したときに、定着部と重なる。つまり、当接部材は、定着部の近傍に配置される。そのため、当接部材は、現像剤像が熱定着された直後の記録媒体の両端部に当接することができる。現像剤像が熱定着された直後の記録媒体は、熱により軟化しているので、このような記録媒体の両端部に当接部材が当接することによって、記録媒体の筒カールを容易に解消することができる。
そして、当接部材は、記録媒体の両端部に当接して筒カールを解消するだけでなく、記録媒体を搬送経路また反転経路へ選択的にガイドすることができる。これにより、記録媒体を搬送経路また反転経路へ選択的にガイドするための部品を別途設けずに済むので、部品点数の削減を図ることができる。
そして、調整部材が、付勢部材の付勢力を変化させることで、記録媒体の両端部に対する当接部材の当接荷重を変化させるので、記録媒体の筒カールを、その程度に応じて適切に解消することができ、また、筒カールした記録媒体を順カールさせて筒カールを解消することができる。
<レーザプリンタの全体構成>
図1は、本発明に係るレーザプリンタの一実施形態を示す左側断面図である。図2は、図1の要部拡大図である。図3は、定着ユニットを左前側から見た斜視図である。図4は、図3において、フラッパが第1位置にある状態を示す。
レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体の一例としての用紙3を給紙するための給紙ユニット4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成ユニット5と、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙ユニット7とを備えている。
1.給紙ユニット
給紙ユニット4は、画像形成時における用紙3の搬送方向(以下では、単に「搬送方向」といい、図示した太い実線矢印参照。)における上流側から見て、給紙トレイ6と、給紙ローラ8と、給紙パッド9と、1対の搬送ローラ11と、1対のレジストローラ12とを順に備えている。
給紙ローラ8および給紙パッド9は、互いに対向した状態で、給紙トレイ6の後端部の上方に配置されている。
1対のレジストローラ12は、互いに対向した状態で、1対の第1ローラ11の上方に配置されている。
給紙ユニット4は、給紙パス13をさらに備えている。
そして、レジストローラ12は、用紙3を、レジスト後に、画像形成ユニット5(詳しくは上述した搬送ベルト25の上側部分25A)に搬送する。
2.画像形成ユニット
画像形成ユニット5は、スキャナユニット16と、プロセスユニット17と、定着部の一例としての定着ユニット18とを備えている。
(1)スキャナユニット
スキャナユニット16は、本体ケーシング2の上部に設けられている。スキャナユニット16は、レーザ発光部(図示せず)と、回転駆動されるポリゴンミラー19と、複数のレンズ20と、複数の反射鏡22とを備えている。
(2)プロセスユニット
プロセスユニット17は、上下方向において、スキャナユニット16と給紙トレイ6との間に配置されている。
(2−1)カートリッジ
4つのカートリッジ23は、前後方向に沿って並列配置されており、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。
各カートリッジ23は、ドラム部26と、ドラム部26の上方に位置する現像部28とを備えている。ドラム部26と現像部28とは、分離可能であってもよい。
現像ローラ31および供給ローラ33は、それぞれの中心軸が幅方向に延びるように、回転可能に配置されている。現像ローラ31は、感光ドラム27に対して斜め後側上方から圧接されている。供給ローラ33は、現像ローラ31に対して斜め後側上方から圧接されている。
トナー収容室34は、供給ローラ33の上側に配置されている。トナー収容室34の内部は、供給ローラ33側に連通している。
(2−2)転写ローラおよび搬送ベルト
4つの転写ローラ24は、それぞれの中心軸が幅方向に延びるように、回転可能に配置されており、前後方向に間隔を隔てて並んでいる。
(2−3)画像形成時におけるプロセスユニットの動作
画像形成時には、各カートリッジ23において、トナー収容室34内のトナーが、回転するアジテータ36によって攪拌されつつ落下し、供給ローラ33に供給される。供給ローラ33に供給されたトナーは、供給ローラ33および現像ローラ31の回転に伴って、押圧ゴム40と現像ローラ31との間に進入して薄層となり、現像ローラ31の表面に担持される。
そして、感光ドラム27および現像ローラ31の回転に伴って、現像ローラ31の表面に担持されているトナーが、感光ドラム27の表面の静電潜像に供給される。これにより、各カートリッジ23において、静電潜像が現像(可視像化)されて、感光ドラム27の表面には、トナー収容室34の収容されたトナーの色に応じたトナー像が担持される。
(3)定着ユニット
定着ユニット18は、プロセスユニット17の前側に配置されており、定着ケーシング37と、加熱ローラ41と、加圧ローラ42と、ころ43とを備えている。また、定着ユニット18は、当接部材の一例としてのフラッパ49をさらに備えているが、フラッパ49については、後で詳説する。
加熱ローラ41の外周面は、フッ素樹脂などで被覆されている。加熱ローラ41には、加熱ローラ41の外周面を加熱するためのハロゲンランプ(図示せず)が内蔵されている。
図5(a)は、筒カールを説明するための図である。図5(b)は、順カールを説明するための図である。
3.排紙ユニット
図1に示すように、排紙ユニット7は、排出部の一例としての排紙トレイ44と、排紙ローラ45と、搬送経路の一例としての排紙パス46と、中継ローラ47とを備えている。
図2に示すように、排紙ローラ45は、たとえば3つ設けられており、それぞれの中心軸が幅方向に延びた状態で、排紙トレイ44に対して前側から臨むように、回転可能に配置されている。詳しくは、2つの排紙ローラ45(第1排紙ローラ45Aという。)が、互いに対向した状態で前後方向に並んでおり、残りの1つの排紙ローラ45(第2排紙ローラ45Bという。)が、これらの第2排紙ローラ45Aに対して上側から圧接されている。そして、これらの排紙ローラ45のうち、排紙トレイ44に最も近い位置にある排紙ローラ45(後側の第1排紙ローラ45A)は、幅方向から見て歯車に似た形状をなしており、その外周面に、複数の凹凸が周方向において交互に配置されるように形成されている。
排紙パス46は、上述した定着ユニット18のニップ位置Nと、排紙ローラ45(詳しくは2つの第1排紙ローラ45Aと第2排紙ローラ45Bとの接触位置)の間とを繋いでおり、排紙トレイ44に対して前側から臨んでいる。排紙パス46は、ニップ位置Nから前側へ延びた後に、定着ケーシング37の出口39を経由して上昇しつつ後側へ滑らかにUターンし、2つの第1排紙ローラ45Aと第2排紙ローラ45Bとの接触位置まで延びている。つまり、排紙パス46は、ニップ位置N側(搬送方向上流側)から排紙ローラ45側(搬送方向下流側)へ向かって、幅方向から見て後側が開放された略U字状に湾曲している。
詳しくは、2つの中継ローラ47(第1中継ローラ47Aという。)が、上下方向に所定の間隔を隔てて並んだ状態で、内面53から排紙パス46内に臨んでいる。これらの第1中継ローラ47Aに関連して、内面53には、ホルダ35が設けられている。ホルダ35は、2つの第1中継ローラ47Aを回転自在に支持しており、前後移動することによって排紙パス46内に対して進退することができる。また、残りの1つの中継ローラ47(第2中継ローラ47Bという。)は、外面54によって回転自在に支持されており、外面54から排紙パス46内に臨んでいる。第2中継ローラ47Bは、第1中継ローラ47Aよりも大径である。
図1に示すように、画像形成時において、定着ユニット18で第1面3Aにトナー像が熱定着された後に排紙ユニット7へ搬送される用紙3は、排紙パス46を通過して排紙ローラ45まで搬送される。用紙3が排紙パス46を通過する間、用紙3では、第1面3Aが内面53に対向し、第2面3Bが外面54に対向する。そして、この用紙3は、正方向(図2の実線矢印参照)に回転する排紙ローラ45によって排紙トレイ44に搬送(排出)され、前側から後側へ搬送されつつ排紙トレイ44の載置面44A上に載置される。複数の用紙3が排出される場合には、これらの用紙3は、排出される順に、載置面44A上に積み重ねられる。
以上のように、図1に示す給紙トレイ6の用紙3は、画像形成時には、給紙ユニット4の給紙パス13、画像形成ユニット5の各転写位置T、排紙ユニット7の排紙パス46を順に通過して、排紙トレイ44上に排出される。このとき、用紙3の移動軌跡は、左側面視において逆S字をなす(図示した太い実線矢印参照)。
4.その他
このレーザプリンタ1は、用紙3の両面(第1面3Aおよび第2面3B)に画像を形成することができる。そこで、本体ケーシング2には、用紙3の両面に画像を形成するときに用紙3を通過させるための、反転経路の一例としての反転パス48が設けられている。
反転パス48の途中には、互いに対向配置された1対の反転ローラ52の組が、複数配置されている。
<定着ユニットの詳細>
ここでは、定着ユニット18のフラッパ49について説明する。
1.フラッパの構成
図8に示すように、フラッパ49は、幅方向に長手の板状であり、幅方向から見て、略上下方向に沿って延びている(図1および図2も参照)。
また、フラッパ49の後面58は、図10に示すように、幅方向において、第2部分の一例としての中央部58Cと、第1部分の一例としての両端部58Dとに区別される。
図2に示すように、下側領域58Bは、上側領域58Aに対して、下側(上述した搬送方向における上流側)から連続している。下側領域58Bも、上側領域58Aと同様に、搬送方向から見て、凹んでいてもよい(図10参照)。
そして、下端部49Aの右側壁には、幅方向から見て軸51と一致する位置に、挿通穴59が形成されている。
前壁下部37Aは、フラッパ49より僅かに幅広の板状であり、定着ケーシング37から分離可能である。前壁下部37Aの下端部には、幅方向外側へ突出する軸64が形成されている。軸64は、定着ケーシング37において前壁下部37Aを除く部分(たとえば定着ケーシング37の左右の側壁)に挿通されている。これにより、前壁下部37Aは、軸64を中心に揺動することができるが、常態では、定着ケーシング37と一体化されている(図2参照)。
図2を参照して、フラッパ49が第1位置にある場合(点線で示したフラッパ49を参照)、フラッパ49の後面58が、上述した外面54に対して、ほぼ面一になるように沿っており、排紙パス46内にほとんどはみ出していない。このとき、フラッパ49は、分岐部分Xにおいて反転パス48を塞ぐことによって排紙パス46と反転パス48との間を遮断する。その一方で、フラッパ49は、定着ケーシング37の出口39を開放し、排紙パス46において、分岐部分Xより上流側46Aと、分岐部分Xより下流側46Bとを連続させる。
フラッパ49は、第2位置にある場合、排紙パス46内にはみ出る。このとき、フラッパ49の後面58の上側領域58Aが、上述した内面53(詳しくは内面分岐部分53A)に対して前側から接触する。詳しくは、上側領域58Aでは、少なくとも両端部58D(図10参照)が、内面53に接触する。これにより、フラッパ49が、分岐部分Xにおける排紙パス46(詳しくは、定着ケーシング37の出口39)を塞ぐ。つまり、フラッパ49は、排紙パス46における上流側46Aと下流側46Bとの間を遮断する。その一方で、フラッパ49は、反転パス48を下流側46Bへ開放することによって、反転パス48と下流側46Bとを連続させる。また、このとき、フラッパ49の後面58の下側領域58Bは、内面53に対して、隙間を隔てて前側から対向している。
ばね63は、針金を1巻き以上巻回した巻回部63Aと、巻回部63Aから接線方向に突出した2本の腕部(第1腕部63Bおよび第2腕部63C)とを一体的に備えている。ばね63では、巻回部63Aが左側から軸51に外嵌され、2本の腕部のうちの一方(ここでは第1腕部63B)が係止部62に係止されている。図8に示すように第1腕部63Bのみを係止した状態(第2腕部63Cが何かに係止されていない状態)では、第1腕部63Bは、前上側へ延び、第2腕部63Cは、実線で示すように、第1腕部63Bの前方で、前上側へ延びている。
そして、図9に示すように、ばね63の第2腕部63Cの先端には、把持部57が取り付けられている。上述したようにカバー60(図1参照)を開いて本体ケーシング2の内部が開放されると、把持部57がユーザ側に露出される。把持部57をつまんで動かすことによって、第2腕部63Cを、2つのフック66(第1フック66Aおよび第2フック66B)のうちの所望のフック66に選択的に係止することができる。
2.フラッパの動作
(1)用紙の片面にのみ画像を形成する場合
図2を参照して、上述したように片面(ここでは、図1に示す第1面3A)にのみトナー像が熱定着された(画像が形成された)用紙3を排紙トレイ44に排出する場合について説明する。この場合、熱定着後の用紙3は、上述したように筒カールしている(図5(a)参照)。また、上述したばね63の第2腕部63Cは、下側の第1フック66Aに係止されており、ばね63の付勢力は、第2腕部63Cを上側の第2フック66Bに係止する場合よりも小さい(図9参照)。
このとき、ばね63の付勢力によって第2位置へ戻ろうと揺動するフラッパ49は、図10に示すように用紙3において外面54側(内面53の反対側)へ湾曲した両端部3Dへ、ばね63によって付勢される。そのため、フラッパ49の後面58の上側領域58Aの両端部58Dは、両端部3Dに対して、両端部3Dの湾曲側(つまり外面54側)から当接する。そして、フラッパ49は、ばね63によって第2位置側へ付勢されているので、上側領域58Aの両端部58Dは、両端部3Dを内面53へ押圧する。これにより、両端部3Dの湾曲(つまり用紙3の筒カール)が解消される。ここで、フラッパ49において、両端部3Dに当接する部分と上側領域58Aとが、搬送方向において一致していること(つまり、両端部3Dに当接する部分が上側領域58Aであること)がわかる(図2も参照)。
排紙トレイ44に排出された用紙3がまだ筒カールしている場合には(図6(a)参照)、用紙3の両端部3Dに対するフラッパ49の当接荷重が不足している(図10参照)。そこで、図9を参照して、上述した把持部57をつまんでばね63の第2腕部63Cを下側の第1フック66Aから外し、上の第2フック66Bに係止する。これにより、上述したばね63の付勢力が大きくなり、これに応じて、フラッパ49の当接荷重が増える。つまり、フック66は、ばね63の付勢力を変化させることで、両端部3Dに対するフラッパ49の当接荷重を変化させることができる。そして、このように、両端部3Dの湾曲の程度(用紙3の筒カールの程度)に応じて、両端部3Dに対するフラッパ49の当接荷重を変化させることができる。
また、フラッパ49の当接荷重が増えると、上側領域58A(図10参照)が、用紙3を、先端から順に、略U字状に湾曲した内面53(図2参照)に強く押し付ける。これにより、用紙3を、内面53に沿わせ、第1面3A側へ湾曲するように順カールさせることができる。
このように順カールした用紙3は、排紙トレイ44へ排出されると、上述したように、載置面44Aに沿うように、載置面44A上に積み重ねられる(図6(b)および図7(b)参照)。
(2)用紙の両面に画像を形成する場合
次に、用紙3の両面(第1面3Aおよび第2面3B)に画像を形成する場合について説明する。
そして、用紙3の最後尾(搬送方向における上流側の端)が分岐部分Xを越えると(排紙パス46の下流側46Bに至ると)、排紙ローラ45の正回転が停止する。このとき、用紙3は、第1排紙ローラ45Aと第2排紙ローラ45Bとによって挟まれている。なお、上述したように、用紙3がフラッパ49と内面53(内面分岐部分53A)の間を通過している最中には、用紙3の筒カールが解消され、また、フラッパ49が第1位置側(点線で示したフラッパ49を参照)へ移動している。そして、用紙3がフラッパ49と内面53の間を通過し終えると、フラッパ49は完全に第2位置に戻る(実線で示したフラッパ49を参照)。
排紙ローラ45が逆回転することにより、用紙3は、排紙パス46の下流側46Bにおいて、逆向き(排紙ローラ45から分岐部分Xへ戻る向き)に搬送され、分岐部分Xにおいて、下流側46Bから反転パス48へ受け渡される。このとき、図1を参照して、用紙3では、第1面3Aが用紙3の上面をなし、第2面3Bが用紙3の下面をなしている。
その後、この用紙3は、反転パス48に沿って、給紙パス13の合流部分Yまで搬送され、反転パス48から給紙パス13に受け渡される。そして、この用紙3は、上述したようにUターンする給紙パス13を通り、これに伴って、用紙3の第1面3Aおよび第2面3Bの上下の向きが逆になる。つまり、反転パス48に受け渡されたときに用紙3の上面をなしていた第1面3Aが、給紙パス13においてUターンした部分を通ることによって、用紙3の下面をなす。一方、反転パス48に受け渡されたときに用紙3の下面をなしていた第2面3Bが、給紙パス13においてUターンした部分を通ることによって、用紙3の上面をなす。
そして、フラッパ49は、第1位置(点線で示したフラッパ49を参照)と第2位置(実線で示したフラッパ49を参照)との間で揺動することによって、用紙3を排紙パス46(厳密には下流側46B)または反転パス48へ選択的にガイドする。
<実施形態の作用効果>
(1)図1に示すように、このレーザプリンタ1では、用紙3に転写されたトナー像が定着ユニット18によって熱定着され、この用紙3は排紙トレイ44に排出される。そして、定着ユニット18から排紙トレイ44へ搬送される用紙3を通過させる排紙パス46へ付勢されたフラッパ49が備えられている。
さらに、フラッパ49において用紙3と対向する後面58は、図10に示すように、用紙3の両端部3Dと幅方向において一致する両端部58Dから、幅方向における用紙3の中央部3Cと幅方向において一致する中央部58Cへ向かうに従って用紙3から離間するように凹んでいる。そのため、フラッパ49が用紙3と対向した場合、フラッパ49の後面58において、両端部58Dを用紙3の両端部3Dに当接させることができる一方で、両端部58D以外の部分を用紙3から離間させることができる。これにより、フラッパ49は、筒カールした用紙3において湾曲した両端部3Dだけに当接することができるので、用紙3の筒カールを効果的に解消することができる。
(2)排紙パス46を区画する壁面(内面53)において、用紙3を挟んでフラッパ49の後面58と対向する内面分岐部分53A(図4も参照)は、用紙3の両端部3Dと幅方向において一致する両端部53Dから、用紙3の中央部3Cと幅方向において一致する中央部53Cへ向かうに従って用紙3に接近するように突き出ている。ここで、内面53(内面分岐部分53A)の両端部53Dは、後面58の両端部58Dと幅方向において一致し、内面53の中央部53Cは、後面58の中央部58Cと幅方向において一致する。
(3)図2に示すように、排紙パス46が、搬送方向における上流側から下流側へ向かって湾曲している。そのため、用紙3は、排紙パス46を通過すると、搬送方向において下流側から順に湾曲する(図5(b)に示すように順カールする)。これにより、筒カールした用紙3を、排紙パス46を通過させることによって強制的に順カールさせて、筒カールを確実に解消することができる。
(4)用紙3の両端部3Dの湾曲の程度に応じて、両端部3Dに対するフラッパ49の当接荷重が変化する。そのため、用紙3の筒カールを、その程度に応じて適切に解消することができる。さらに、この当接荷重を変化させることによって、用紙3を、搬送方向において下流側から順に湾曲させる(順カールさせる)ことができる。これにより、筒カールした用紙3を順カールさせることによって、筒カールを自然に解消することができる。
(5)フラッパ49は、揺動することによって用紙3の両端部3Dに当接するので、フラッパ49をスライド移動させる場合と比べて、フラッパ49を簡易に構成することができ、また、フラッパ49に生じるフリクションロスを低減することができる。
(6)フラッパ49の少なくとも一部は、定着ユニット18における用紙3の搬送方向(搬送方向Z)から投影したときに、定着ユニット18と重なる。つまり、フラッパ49は、定着ユニット18の近傍に配置される。そのため、フラッパ49は、トナー像が熱定着された直後の用紙3の両端部3Dに当接することができる。トナー像が熱定着された直後の用紙3は、熱により軟化しているので、このような用紙3の両端部3Dにフラッパ49が当接することによって、用紙3の筒カールを容易に解消することができる。
(7)図1に示すように、このレーザプリンタ1は、排紙パス46から分岐した反転パス48を備えている。この反転パス48は、一方の面(ここでは第1面3A)にトナー像が熱定着された用紙3の向きを反転させるので、他方の面(ここでは第2面3B)にもトナー像を熱定着させることができる。そのため、用紙3における表裏の両面に画像を形成することができる。
(8)ばね63(図8参照)がフラッパ49を用紙3の両端部3Dへ向けて付勢するので(図10参照)、ばね63の付勢力によって、フラッパ49は、用紙3の両端部3Dに当接して筒カールを解消することができる。
(9)フラッパ49において用紙3と対向する後面58は、搬送方向における上流側から下流側へ向かって湾曲している。そのため、用紙3は、後面58を通過すると、後面58に接触することによって、搬送方向において下流側から順に湾曲する(順カールする)。これにより、筒カールした用紙3を、後面58を通過させることによって強制的に順カールさせて、筒カールを確実に解消することができる。
(10)排紙トレイ44において、排出された用紙3が積み重ねられる載置面44Aは、搬送方向における上流側から下流側へ向かう途中で、上向きに凸湾曲している。そのため、搬送方向における上流側から下流側へ向かうに従って上向きに凸湾曲した(順カールした)用紙3を、排紙トレイ44に沿わせて良好に積み重ねることができる(図6(b)および図7(b)参照)。
<変形例>
1.変形例1
図11は、カバーを左後側から見た斜視図である。図12は、定着ユニットの要部およびカバーを左後側から見た斜視図である。
これに代え、フラッパ49の移動範囲(揺動範囲)を変化させる(規制する)ことで、両端部3Dに対するフラッパ49の当接荷重を変化させてもよい。
切換部材68は、図11および図12でのカバー60の姿勢を基準として、カバー60の後面、つまり、上述した外面54の左端部の上下方向略中央に設けられている。切換部材68は、幅方向に長手のブロック形状である。切換部材68の後面は、左側へ向かうに従って、後側へ階段状に突出している。詳しくは、図12に示すように、切換部材68の後面は、右側から順に、第1部68Aと、第2部68Bと、第3部68Cとに区画されている。第1部68A、第2部68Bおよび第3部68Cのそれぞれは、幅方向に沿って平坦に形成されているが、第2部68Bは第1部68Aよりも後側に位置し、第3部68Cは第2部68Bよりも後側に位置している。
また、切換部材68には、1対の掴み部材69が一体的に設けられている。掴み部材69は、上下方向に薄く前後方向に長手の板状に形成されており、1対の掴み部材69が、切換部材68の左端部を上下方向から挟持している。
切換部材68が左端位置にあると、第1部68Aが突起67に対向する。第1部68Aは、切換部材68の後面において最も前側に位置している。そのため、第2位置にあるフラッパ49(図2において実線で示したフラッパ49を参照)を第1位置(図2において点線で示したフラッパ49を参照)へ向けて前側へ移動させても、その途中で突起67が切換部材68にぶつかることはなく、フラッパ49は第1位置まで移動することができる。この場合、フラッパ49は、第1位置と第2位置との間のすべての範囲において移動することができる。
なお、上記の実施形態では、フラッパ49が揺動するように構成しているが、これに代え、フラッパ49がスライド移動するように構成してもよい。
2.変形例2
上記の実施形態では、図1に示すように複数の感光ドラム27から用紙3に直接トナー像を転写するダイレクト転写方式のカラープリンタを例示したが、本発明はこれに限らず、各感光ドラム27のトナー像を一旦中間転写体に転写してから用紙3に一括転写する中間転写方式のカラープリンタやモノクロプリンタに適用することもできる。また、感光ドラム27をレーザによって露光させたが、LED素子によって感光ドラム27を露光させるレーザプリンタにも本発明は適用可能である。
2 本体ケーシング
3 用紙
3C 中央部
3D 両端部
18 定着ユニット
44 排紙トレイ
44A 載置面
46 排紙パス
48 反転パス
49 フラッパ
53 内面
53C 中央部
53D 両端部
58 後面
58C 中央部
58D 両端部
60 カバー
63 ばね
66 フック
68 切換部材
Z 搬送方向
Claims (11)
- 記録媒体に転写された現像剤像を熱定着する定着部と、
現像剤像が熱定着された前記記録媒体が排出される排出部と、
前記定着部から前記排出部へ搬送される前記記録媒体を通過させる搬送経路と、
前記記録媒体の搬送方向に対する直交方向の両端部が前記定着部による熱定着に起因して湾曲した前記記録媒体の前記両端部に対して、前記両端部の湾曲側から当接するように前記搬送経路へ付勢された当接部材とを備え、
前記当接部材において前記記録媒体と対向する対向領域は、前記両端部と前記直交方向において一致する第1部分から、前記直交方向における前記記録媒体の中央部と前記直交方向において一致する第2部分へ向かうのに従って前記記録媒体から離間するように凹んでいることを特徴とする、画像形成装置。 - 前記搬送経路を区画する壁面において、前記記録媒体を挟んで前記対向領域と対向する部分は、前記両端部と前記直交方向において一致する第3部分から、前記中央部と前記直交方向において一致する第4部分へ向かうのに従って前記記録媒体に接近するように突き出ていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記搬送経路は、前記搬送方向における上流側から下流側へ向かって湾曲していることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記両端部の湾曲の程度に応じて、前記両端部に対する前記当接部材の当接荷重が変化することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記当接部材は、揺動することによって前記両端部に当接することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記当接部材の少なくとも一部は、前記定着部における前記記録媒体の搬送方向から投影したときに、前記定着部と重なることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記搬送経路から分岐し、前記記録媒体における表裏の両面に画像を形成するために、一方の面に現像剤像が熱定着された前記記録媒体の向きを反転させる反転経路を備え、
前記当接部材は、前記記録媒体を、前記搬送経路また前記反転経路へ選択的にガイドすることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記当接部材を前記両端部へ向けて付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力を変化させることで、前記両端部に対する前記当接部材の当接荷重を変化させる調整部材と
を備えていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置の筐体に含まれるカバーと、
前記カバーに設けられ、前記当接部材の位置を変化させることで、前記両端部に対する前記当接部材の当接荷重を変化させる調整部材と
を備えていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記対向領域は、前記搬送方向における上流側から下流側へ向かって湾曲していることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記排出部において、排出された前記記録媒体が積み重ねられる部分は、前記搬送方向における上流側から下流側へ向かう途中で、上向きに凸湾曲していることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
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