この発明は複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒又はカラー用のデジタル複合機や複写機に適用して好適な画像形成装置に関するものである。
近年、色付きの原稿画像から取得した赤(R)色、緑(G)色、青(B)色に係るカラー画像データに基づいてカラー画像形成を行うデジタルカラー複写機が使用されるに至っている。この種の複写機では原稿の画像情報がスキャナ等により読み込まれ、その原稿の画像情報に係るカラー画像データが取得される。
また、複写機にはレーザ記録装置が実装されており、スキャナ等から得られたRGB画像データをイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色の画像データに色変換したYMCK画像データに基づいて半導体レーザ光源から出射されるレーザ光を所定の電位の感光体ドラム上に露光走査して画像を記録するようになされる。感光体ドラム上に記録された画像は各色のトナーにより現像され、例えば、中間転写体上で色が重ね合わされ、この中間転写体から所定の用紙へ色画像が転写され定着される。この結果、カラー原稿画像を複写(コピー)することができる。
この種のカラー画像形成装置において、用紙の両面にカラー画像が形成可能な装置も開発され製造されている。両面画像形成機能は、例えば、小冊子を作成する場合に、用紙に表紙及び裏表紙用の画像を形成する場合に利用される。表紙及び裏表紙用の用紙には、本文の用紙よりも厚い用紙が使用される場合が多い。
両面画像形成後の表紙及び裏表紙用の用紙は、中折り処理や、ステープル処理等の後処理するようになされる。このような両面画像形成処理において、用紙の片面に画像を形成した後、当該用紙が収縮することが知られている。これは、カラートナー像が転写された用紙が定着処理によって熱収縮するためであり、用紙が厚い程その収縮が著しい。
図17(A)及び(B)は、両面作像時の紙サイズの収縮例を説明する図である。図17(A)に示す用紙Pは、カラートナー像を二次転写された定着前の状態である。用紙Pの紙サイズは、縦の長さがLmmであり、横幅がWmmである。図17(B)に示す用紙P’は、用紙Pを定着した後の状態である。用紙P’の紙サイズは、縦の長さがL’mmに収縮し、横幅がW’mmに収縮している。紙サイズの収縮原因は定着時の水分発散と考えられている。このような用紙Pの紙サイズの収縮に対応して用紙裏面に作像しなければならない。因みに、収縮後の紙サイズL’mm×W’mmに、作像条件を合わせ込まないと表裏面の画像形成位置(サイズ)がずれてしまう。
このような用紙Pの紙サイズの収縮に対応して、ポリゴンモータの駆動クロック(以下CLKという)周波数が変更される。収縮前、つまり、表面作像時のポリゴン駆動CLK周波数をF0とし、収縮後、つまり、裏面作像時のポリゴン駆動CLK周波数をFとすると、F=F0×L/L’に設定するようになされる。
また、レーザビームを制御する画素CLK周波数が変更される。収縮前の画素CLK周波数をf0とし、収縮後の画素CLK周波数をfとすると、f=(L/L’)×(W/W’)×f0に設定するようになされる。このように、用紙Pの紙サイズの収縮に対応して、ポリゴン駆動CLK周波数及び画素CLK周波数を変更することで、表裏レジストの合った画像を得ることができる。
更に、収縮前のプロセス線速をV0とし、収縮前のプロセス間ギャップをG0とし、ユニット間の距離をプロセスギャップGとし、プロセス線速をVとしたとき、ポリゴン駆動CLK周波数をF0からFに変更した場合、
1.見かけ上のプロセス線速がV=V0×F0/F=V0×L’/L
2.プロセス間ギャップG(画素)=G0×V0/V=G0×L/L’
のように見かけのプロセス線速Vが変わってしまう。ここで、プロセス線速Vは、作像される像担持体である感光体の回転速度に相当する。
このため、プロセス間ギャップGに相当する色ずれ補正量に対しても、表裏変倍速量分の補正(以下表裏倍率補正又は画像サイズ補正ともいう)が必要となる。従って、ポリゴンミラーの面位相調整を有するものは、表裏切り換え時に、面位相制御を実行するようになされる。上述したポリゴンミラーの回転速度及びY,M,C各色用のポリゴンミラーの面位相制御は、両面作像処理に限らず、トレイ切り換え時にも実行される。
このような用紙表面と用紙裏面又はトレイ切り換え時における画像サイズ補正をするために、ポリゴンミラーの回転速度及び位相を制御する方法が採られる。図18(A)〜(I)は、従来例に係るY,M,C,K色用の画像書込みユニットにおけるトレイ切り換え時の作像動作例(Y色基準)を示すタイムチャートである。
図18(A)に示すVTOP信号は、トレイ1から繰り出された用紙の先端が、図示しない先端検知センサにより検出された後、図18(H)に示すK色作像用のインデックス信号(以下KIDX信号という)に同期して立ち上がる信号である。図18(B)に示すYVV開始タイミングは、図示しないKIDXカウンタが起動され、KIDX信号のパルス数がカウントされ、そのKIDX信号に同期して立ち上がる信号である。
図18(C)に示すYVV信号は、図18(D)に示すY色作像用のインデックス信号(以下YIDX信号という)に同期して立ち上がる信号である。このYVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にY色の作像がなされ、その終了後に、Y色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御がされる。このとき、ポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、YIDX信号の周波数が変動する。トレイ2から繰り出された2ページ目の用紙については、このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Ty1を待ってY色作像が開始される。
同様にして、図18(E)に示すMVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にM色の作像がなされ、その終了後に、M色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御がされる。このとき、M色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、図示しないMIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tm1を待って位相変更制御がなされる。トレイ2から繰り出された2ページ目の用紙については、M色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tm2を待ってM色作像が開始される。
また、図18(F)に示すCVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にC色の作像がなされ、その終了後に、C色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御がされる。このとき、C色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、図示しないCIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tc1を待って位相変更制御がなされる。トレイ2から繰り出された2ページ目の用紙については、C色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tc2を待ってC色作像が開始される。
更に、図18(G)に示すKVV開始タイミングは、図示しないKIDXカウンタが起動され、KIDX信号のパルス数がカウントされ、そのKIDX信号に同期して立ち上がる信号である。図18(H)に示すKVV信号は、図18(I)に示すKIDX信号に同期して立ち上がる信号である。KVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にK色の作像がなされ、その終了後に、K色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御がされる。
このとき、K色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、KIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tk1を待って位相変更制御がなされる。トレイ2から繰り出された2ページ目の用紙については、K色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tk2を待ってK色作像が開始される。このようなトレイ切り換え時の作像動作例において、Y,M,C各色作像用のポリゴンミラーの回転速度及び位相制御は、KIDX信号に基づいて行われるため、K色作像用のポリゴンミラーの回転速度制御が完了してから実行される。
上述のポリゴンミラーの制御に関連して、特許文献1には、レーザビーム走査装置が開示されている。このレーザビーム走査装置によれば、基準のポリゴンミラーに対応する光ビーム検出信号に対して、残りのポリゴンミラーに対応する光ビーム検出信号との時間差を算出し、この時間差に基づく位相制御データと、基準のポリゴンミラーに対応する位相制御データとを比較して回転周波数を発生する回転位相演算手段を備えるものである。このような回転位相演算手段を備えることで、簡単に、ポリゴンミラーのミラー面の向きが制御できるというものである。
ところで、本発明者らが、現在、特許出願中の画像形成装置によれば、擬似インデックス信号を使用してポリゴンミラーの回転速度や位相を変更することにより表裏倍率を補正する方法が採られている。
図19(A)〜(O)は、カラー画像形成装置の表裏倍率補正時の動作例(Y色基準)を示すタイムチャートである。
図19(A)に示すVTOP信号は、トレイ1から繰り出された用紙の先端が検出され、図19(F)に示すYIDX信号に同期して立ち上がる信号である。図19(D)に示すYVV開始タイミングは、図示しないYIDXカウンタが起動され、YIDX信号のパルス数がカウントされ、そのYIDX信号に同期して立ち上がる信号である。図19(E)に示すYVV信号は、図19(F)に示したYIDX信号に同期して立ち上がる信号である。このYVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にY色作像がなされる。
Y色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御は、当該用紙表面のY色作像処理が終了した後、すなわち、図19(H)に示すMVV信号が立ち上がった後に実行される。このとき、Y色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、YIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Ty1’を待って位相変更制御がなされる。用紙裏面については、Y色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Ty2’を待ってY色作像処理が開始される。
用紙表面へのM色作像は、図19(H)に示すMVV信号の「H」レベルの期間になされ、その終了後に、M色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御が実行される。このとき、M色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、MIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tm1’を待って位相変更制御がなされる。用紙裏面については、M色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tm2’を待ってM色作像処理が開始される。
その用紙表面へのC色作像は、図19(J)に示すCVV信号の「H」レベルの期間になされ、その終了後に、C色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御が実行される。このとき、C色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、CIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tc1’を待って位相変更制御がなされる。用紙裏面については、C色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tc2’を待ってC色作像処理が開始される。
図19(L)に示すKVV開始タイミングは、図示しないKIDXカウンタが起動され、YIDX信号のパルス数がカウントされ、そのYIDX信号に同期して立ち上がる信号である。図19(L)に示すKVV信号は、図19(M)に示すKIDX信号に同期して立ち上がる信号である。KVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にK色作像がなされ、その終了後に、K色作像用のポリゴンミラーの回転速度を変更する制御がされる。
このとき、K色用のポリゴンミラーの回転速度が安定するまで、KIDX信号の周波数が変動する。このポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tk1’を待って位相変更制御がなされる。用紙裏面については、K色用のポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間Tk2’を待ってK色作像が開始される。なお、図19(O)に示すT1はMST−IDX1信号をカウントソースとして、表面作像時のYVV信号、MVV信号及びCVV信号の開始タイミングを決める期間を示しており、T2は、MST−IDX2信号をカウントソースとして、裏面作像時のYVV信号、MVV信号及びCVV信号の開始タイミングを決める期間を示している。このように表裏倍率補正について、擬似インデックス信号を使用することで生産性を向上させている。
しかしながら、従来例に係るカラー画像形成装置によれば、次のような問題がある。
i.ポリゴンモータの回転速度の変更指示により、ポリゴンミラーが安定した回転に至るまで、その位相変更制御を開始することができない。また、その位相変更制御を実行した後も、ポリゴンミラーが安定した回転になるまで作像処理開始できない。このため倍率補正を行った際は、その切り換えに時間を要し、両面動作の生産性が倍率補正動作を行うことにより低下してしまう。
図18(A)〜(I)に示したトレイ切り換え時における画像サイズ補正例によれば、Y色作像処理後、Y色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Ty1を待ち、M色作像処理後、M色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Tm1+Tm2を待ち、C色作像処理後、C色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Tc1+Tc2を待ち、K色作像処理後、K色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Tk1+Tk2を待たなければ、次の各色の作像処理を開始することができない。従って、これらの整定時間Ty1、Tm1+Tm,Tc1+Tc2,Tk1+Tk2を待つことが高速画像形成処理の妨げとなっている。
ii.上述した課題は、図19(A)〜(O)に示した擬似インデックス信号を使用して表裏作像処理を切り換える場合にも同様に発生する。この場合によれば、Y色作像処理後、Y色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Ty1’+Ty2’を待ち、M色作像処理後、M色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Tm1’+Tm2’を待ち、C色作像処理後、C色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Tc1’+Tc2’を待ち、K色作像処理後、K色用ポリゴンミラー回転安定のための整定時間Tk1’+Tk2’を待たなければ、次の各色の作像処理を開始することができない。従って、これらの整定時間Ty1’+Ty2’,Tm1’+Tm2’,Tc1’+Tc2’,Tk1’+Tk2’を待つことが高速画像形成処理の妨げとなっている。
iii.特許文献1に見られるレーザビーム装置によれば、ポリゴンミラーの位相制御に関して、カウンタ周期及びカウント値とディテクタパルス信号(インデックス信号)の位相差から算出した立ち上げポイント値とを比較してポリゴンクロックを生成する方法が採られている。この方法でも、ポリゴンミラーの位相制御後に、その回転が安定するまで整定時間を待たなければ、次のページの色作像処理を開始することができない。従って、画像サイズ補正動作時の生産性が低下すると共に、カラー画像の連続高速処理の妨げとなる。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、画像サイズ補正時の生産性の低下を抑制できるようにすると共に、カラー画像の連続高速処理に寄与できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の画像形成装置は、ページ単位に画像サイズを補正する機能を有し、少なくとも、二色以上で構成されるカラー画像を連続して形成可能な1パス方式のカラー画像形成装置において、各色作像ユニット毎に独立に設けられた多面鏡回転体と、この多面鏡回転体で走査される露光ビームによって像を担持し、現像によってカラー像が形成される像担持体と、この像担持体に形成された各カラー像の色ずれを検出する色ずれ検出手段と、この色ずれ検出手段から得られる色ずれ検出量に応じて色ずれを補正する色ずれ補正手段と、この色ずれ補正手段によって補正された後の色ずれ補正量を倍率調整量に応じ補正して算出される位相制御量、多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の周期を決めるために各色独立に設けられて独立に制御されるカウンタの出力値、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1の色作像ユニット用の多面鏡回転体で走査される露光ビームを走査光路内に配置されたセンサで検出することにより発生する第1の主走査基準信号と、第2の色作像ユニット用の多面鏡回転体で走査される露光ビームを走査光路内に配置されたセンサで検出することにより発生する第2の主走査基準信号との位相差、及び、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1、第2の色作像ユニットの多面鏡回転体の駆動クロック信号生成用のカウンタのカウント周期の基点及び画像サイズの倍率補正後用のカウント周期になった状態のカウント周期の基点との位相差に基づいて次ページの多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを演算する演算手段を有して、当該演算手段の出力に基づいて生成した多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号で画像サイズの倍率補正時の多面鏡回転体駆動制御を実行する制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
第1の画像形成装置によれば、ページ単位に画像サイズを補正する場合に、像担持体には、多面鏡回転体で走査される露光ビームによって像が担持され、現像によってカラー像が形成される。色ずれ検出手段は、像担持体に形成された各カラー像の色ずれを検出する。色ずれ補正手段は、色ずれ検出手段から得られる色ずれ検出量に応じて色ずれを補正する。これを前提にして、制御装置では、演算手段が、色ずれ補正量を倍率調整量に応じ補正して算出される位相制御量、駆動クロック信号の周期を決めるために各色独立に設けられて独立に制御されるカウンタの出力値、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1の主走査基準信号と第2の主走査基準信号との位相差、多面鏡回転体の駆動クロック信号生成用のカウンタのカウント周期の基点及び画像サイズの倍率補正後用のカウント周期になった状態のカウント周期の基点との位相差に基づいて次ページの多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを演算するようになされる。
従って、多面鏡回転体の速度制御及び位相制御を同時に実行できるので、従来方式に比べて多面鏡回転体の回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。
本発明に係る第2の画像形成装置は、ページ単位に画像サイズを補正する機能を有し、少なくとも、二色以上で構成されるカラー画像を連続して形成可能なタンデム方式のカラー画像形成装置において、各色作像ユニット毎に独立に設けられた多面鏡回転体と、この多面鏡回転体で走査される露光ビームによって像を担持し、現像によってカラー像が形成される像担持体と、この像担持体に形成された各カラー像の色ずれを検出する色ずれ検出手段と、この色ずれ検出手段から得られる色ずれ検出量に応じて色ずれを補正する色ずれ補正手段と、この色ずれ補正手段によって補正された後の色ずれ補正量を倍率調整量に応じて補正して算出される位相制御量、多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の周期を決めるために各色独立に設けられて独立に制御されるカウンタの出力値、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1の色作像ユニット用の多面鏡回転体で走査される露光ビームを走査光路内に配置されたセンサで検出することにより発生する第1の主走査基準信号と、第2の色作像ユニット用の多面鏡回転体で走査される露光ビームを走査光路内に配置されたセンサで検出することにより発生する第2の主走査基準信号との位相差及び、多面鏡回転体の回転位相制御を実行するに当たり、当該多面鏡回転体の駆動クロック信号の生成に共通に用いられる原発振器の源発振信号を多面鏡1面の周期に一致するように分周して得られる擬似インデックス信号を用いるものであって、擬似インデックス信号を生成するカウント周期の基点と、各色ユニット用の多面鏡回転体の駆動クロック信号生成用のカウンタ周期の基点との位相差に基づいて次ページの多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを演算する演算手段を有して、当該演算手段の出力に基づいて生成した多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号で画像サイズの倍率補正時の多面鏡回転体駆動制御を実行する制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
第2の画像形成装置によれば、ページ単位に画像サイズを補正する場合に、像担持体には、多面鏡回転体で走査される露光ビームによって像が担持され、現像によってカラー像が形成される。色ずれ検出手段は、像担持体に形成された各カラー像の色ずれを検出する。色ずれ補正手段は、色ずれ検出手段から得られる色ずれ検出量に応じて色ずれを補正する。これを前提にして、制御装置では、演算手段が、色ずれ補正量を倍率調整量に応じ補正して算出される位相制御量、駆動クロック信号の周期を決めるために各色独立に設けられて独立に制御されるカウンタの出力値、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1の主走査基準信号と第2の主走査基準信号との位相差、擬似インデックス信号を生成するカウント周期の基点と、各色ユニット用の多面鏡回転体の駆動クロック信号生成用のカウンタ周期の基点との位相差に基づいて次ページの多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを演算するようになされる。
従って、多面鏡回転体の速度制御及び位相制御を同時に実行できるので、従来方式に比べて多面鏡回転体の回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。
本発明に係る第1の画像形成装置によれば、ページ単位に画像サイズを補正するための演算手段を有する制御装置を備え、この演算手段は、色ずれ補正量を倍率調整量に応じ補正して算出される位相制御量、駆動クロック信号の周期を決めるために各色独立に設けられて独立に制御されるカウンタの出力値、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1の主走査基準信号と第2の主走査基準信号との位相差、多面鏡回転体の駆動クロック信号生成用のカウンタのカウント周期の基点及び画像サイズの倍率補正後用のカウント周期になった状態のカウント周期の基点との位相差に基づいて次ページの多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを演算するようになされる。
この構成によって、多面鏡回転体の速度制御及び位相制御を同時に実行できるので、従来方式に比べて多面鏡回転体の回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。これにより、画像サイズ補正動作時の生産性の低下を抑制することができ、カラー画像の連続高速処理に寄与するところが大きい。
本発明に係る第2の画像形成装置によれば、ページ単位に画像サイズを補正するための演算手段を有する制御装置を備え、この演算手段は、色ずれ補正量を倍率調整量に応じ補正して算出される位相制御量、駆動クロック信号の周期を決めるために各色独立に設けられて独立に制御されるカウンタの出力値、画像サイズの倍率補正を行う直前の第1の主走査基準信号と第2の主走査基準信号との位相差、及び、擬似インデックス信号を生成するカウント周期の基点と、各色ユニット用の多面鏡回転体の駆動クロック信号生成用のカウンタ周期の基点との位相差に基づいて次ページの多面鏡回転体の回転速度を制御する駆動クロック信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを演算するようになされる。
この構成によって、多面鏡回転体の速度制御及び位相制御を同時に実行できるので、従来方式に比べて多面鏡回転体の回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。これにより、画像サイズ補正動作時の生産性の低下を抑制することができ、カラー画像の連続高速処理に寄与するところが大きい。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施例に係る画像形成装置について説明をする。
図1は、本発明の第1の実施例としてのカラー複写機100の断面の構成例を示す概念図である。
図1に示すカラー複写機100は第1、第2又は第3の画像形成装置の一例であり、ページ単位に画像サイズを補正する機能を有し、少なくとも、二色以上で構成されるカラー画像を連続して形成可能な装置である。本発明に係る画像形成装置は、カラー複写機100の他に、カラープリンタや、ファクシミリ装置、これらの複合機等に適用してもよい。
カラー複写機100は、複写機本体101と画像読取装置102から構成される。複写機本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿30は図示しない搬送部により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、デジタルの画像データDinとなる。画像データDinは、Y,M,C,K色作像用の画像データDy,Dm,Dc,Dkに変換された後に、画像形成部60を構成する画像書込みユニット(レーザ書込みユニット)3Y,3M,3C,3Kへ送られる。
上述の自動原稿給紙装置201は、原稿載置台上から給送される多数枚の原稿30の内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶部に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、あるいはファクシミリ機能により多数枚の原稿30を送信する場合等に便利に使用される。
複写機本体101は、タンデム型のカラー画像形成装置を構成し、4つの画像形成ユニット(画像形成系)10Y,10M,10C,10Kと、無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送部と、トナー像を定着するための定着装置17と、画像形成系へ転写材(以下用紙という)Pを給紙する給紙部20とを備えている。給紙部20は画像形成系の下方に設けられる。給紙部20は、例えば、3つの給紙トレイ20A,20B,20Cから構成される。給紙部20から繰り出された用紙Pは、画像形成ユニット10K下に搬送される。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは画像形成部60を構成し、各色毎にポリゴンミラー及び感光体ドラムを有すると共に、主走査基準信号(以下インデックス信号という)又は/及び擬似主走査基準信号(以下擬似インデックス信号という)に基づいて所定の用紙Pに色画像を形成するようになされる。
例えば、画像形成ユニット10Yは、ポリゴンミラー42Y及び感光体ドラム(像担持体)1Yを有し、画像形成ユニット10Mは、ポリゴンミラー42M及び感光体ドラム1Mを有し、画像形成ユニット10Cは、ポリゴンミラー42C及び感光体ドラム1Cを有し、画像形成ユニット10Kは、ポリゴンミラー42K及び感光体ドラム1Kを有している。このように、ポリゴンミラー42Y〜42Kは、各色独立に設けられ、ポリゴンミラー42Y〜42Kの走査光によって像を担持し、現像によってカラー像が形成される。
この例で、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像を形成する感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色作像用の帯電器2Y、画像書込みユニット3Y、現像器4Y及び像担持体用のクリーニング部8Yを有する。
マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、M色のトナー像を形成する感光体ドラム1Mと、M色作像用の帯電器2M、画像書込みユニット3M、現像器4M及び像担持体用のクリーニング部8Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、C色のトナー像を形成する感光体ドラム1Cと、C色作像用の帯電器2C、画像書込みユニット3C、現像器4C及び像担持体用のクリーニング部8Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、K色のトナー像を形成する感光体ドラム1Kと、K色作像用の帯電器2K、画像書込みユニット3K、現像器4K及び像担持体用のクリーニング部8Kを有する。
帯電器2Yと画像書込みユニット3Y、帯電器2Mと画像書込みユニット3M、帯電器2Cと画像書込みユニット3C及び帯電器2Kと画像書込みユニット3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像器4Y,4M,4C,4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施例においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持され、各々の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたY色、M色、C色、K色の各トナー像を転写するようになされる。
ここで画像形成プロセスの概要について以下に説明をする。画像形成ユニット10Y,10M,10C及び10Kにより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施例においては正極性)の一次転写バイアス(不図示)が印加される一次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写され(一次転写)、カラートナー像が重合(合成)されてカラー画像(色画像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
給紙トレイ20A,20B,20C内に収容された用紙Pは、給紙トレイ20A,20B,20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B,22C,22D、レジストローラ23及び28等を経て、二次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(二次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの周面上に残った転写残トナーは、像担持体クリーニング部8Y,8M,8C,8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐部26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23及び28を経て、再度二次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙、83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。一方、二次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング部8Aにより残留トナーが除去される。この例で、クリーニング部8Aの上流側には、色ずれ検出手段の一例となるレジストセンサ5が配置され、中間転写ベルト6に形成された各カラー像の色ずれを検出するようになされる。
複写機本体101には制御装置15が備えられ、副走査方向の画像サイズを変更するためにポリゴンミラー42Y等の回転速度を変更する制御と、画像サイズの倍率補正に応じて色ずれ補正量を補正し、補正後の色ずれ補正量に応じてポリゴンミラー42Yの回転位相を調整する制御とを同時に実行する(第1の画像形成装置)。制御装置15は、色ずれ補正手段の一部を構成し、レジストセンサ5から得られる色ずれ検出量に応じて色ずれを補正するようになされる。例えば、制御装置15で、ポリゴンミラー42Y〜42Kの位相制御(面位相制御ともいう)を実行することで副走査方向の微小なずれ量を調整するようになされる。
図2は、カラー複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示すカラー複写機100は、Y色、M色、C色又はK色作像用の基準信号(以下各色作像用のインデックス信号をYIDX、MIDX、CIDX又はKIDX信号という)に基づいて用紙Pの所定の面における作像開始タイミングを決定する制御装置15を有している。ここに基準信号とは、各色作像ユニット用のポリゴンミラー42Y等で走査されるレーザ(露光)ビームを走査光路内に配置したインデックスセンサで検出して発生させる、主走査基準信号(INDEX信号)をいう。
この制御装置15には、水晶発振器(源発振器)11、画像メモリ13、画像処理部16、通信部19、給紙部20、操作パネル48、画像形成部60及び画像読取装置102が接続される。
水晶発振器11は、カラー画像形成時の基準信号である基準クロック信号(以下CLK1信号という)を発振する。水晶発振器11で発振されたCLK1信号は、例えば、Y,M,C,K色作像用の画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kや制御装置15等に各々出力される。
制御装置15は、ROM(Read Only Memory)53、ワーク用のRAM(Random Access Memory)54及びCPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)55を有している。ROM53には当該複写機全体を制御するためのシステムプログラムデータや、ポリゴンミラー42Y等の回転速度や位相を制御するための情報が格納される。これらの情報には、カウンタ制御信号(以下CNTPRD信号という)及び位相制御信号(以下PHASE信号という)が含まれる。RAM54には、各種モード実行時の制御コマンド等を一時記憶するようになされる。
CPU55は電源がオンされると、ROM53からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、当該複写機全体を制御するようになされる。CPU55は、例えば、Y色を基準にして、所定の用紙Pに色画像を形成する場合に、CLK1信号と、YIDX信号に基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。YIDX信号は、ポリゴンミラー42Y等の回転速度制御及び位相制御によって周期が変動する。CPU55は、YIDX信号に基づいて用紙Pの表面から裏面への色作像処理における画像先端信号(以下VTOP信号という)や、トレイ1からトレイ2へ給紙を切り換える際の色作像処理におけるVTOP信号を決定するようになされる。VTOP信号は、用紙Pの搬送タイミングと作像タイミングとを合わせるための信号である。
画像形成部60は、Y,M,C,K色作像用の画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kを有している。CPU55は、色作像時において、周波数制御信号Sg、CNTPRD信号及びPHASE信号を画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kに各々設定する。Y−画像書込みユニット3Yでは、Y色作像用の画像メモリからY色作像用の画像データDyを入力し、周波数制御信号Sg、CNTPRD信号、PHASE信号、CLK1信号及び図示しないYIDX信号に基づいてY色トナー像を形成するように動作する。YIDX信号は、Y色作像用のポリゴンミラー42Yの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Yにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Yを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。
同様にして、M−画像書込みユニット3Mでは、M色作像用の画像メモリからM色作像用の画像データDmを入力し、周波数制御信号Sg、CNTPRD信号、PHASE信号、CLK1信号及びMIDX信号に基づいてM色トナー像を形成するように動作する。MIDX信号は、M色作像用のポリゴンミラー42Mの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Mにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Mを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。
C−画像書込みユニット3Cでは、C色作像用の画像メモリからC色作像用の画像データDcを入力し、周波数制御信号Sg、CNTPRD信号、PHASE信号、CLK1信号及びMIDX信号に基づいてC色トナー像を形成するように動作する。CIDX信号は、C色作像用のポリゴンミラー42Cの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Cにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Cを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。
K−画像書込みユニット3Kでは、K色作像用の画像メモリからK色作像用の画像データDkを入力し、周波数制御信号Sg、CNTPRD信号、PHASE信号、CLK1信号及びMIDX信号に基づいてK色トナー像を形成するように動作する。KIDX信号は、K色作像用のポリゴンミラー42Kの回転速度及び位相を制御して感光体ドラム1Mにレーザビームを走査するときの基準信号であり、ポリゴンミラー42Kを反射したレーザビームを検出することにより得られる信号である。
この例で、制御装置15は、YIDX信号とVTOP信号とに基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。これにより、用紙表裏面に色画像を形成する場合に、表面画像形成後に用紙Pが縮んでも、用紙Pの表面と裏面とで画像サイズを補正することができる。また、トレイ1からトレイ2へ給紙を切り換えて色画像を形成する場合に、トレイ1の紙種とトレイ2の紙種とが異なっていても、異なる用紙において、画像サイズを補正することができる。
なお、操作パネル48は制御装置15に接続され、図示しないが、タッチパネルから構成される操作部14と、液晶表示パネルから構成される表示部18とを有している。操作パネル48にはGUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が使用される。電源スイッチ等は、操作パネル48に設けられる。表示部18は、例えば、操作部14と連動して表示動作する。
操作パネル48は、画像形成条件や給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に操作される。例えば、普通紙、再生紙、コート紙、OHT紙等の用紙Pの種類(紙種)を選択したり、当該用紙Pが収納されている給紙トレイ20A〜20Cを選択する際に操作部14が操作され、画像形成条件が設定される。なお、操作パネル48で設定された画像形成条件や給紙トレイ選択情報等は、操作データD3となってCPU55に出力される。
上述の制御装置15は、操作部14から出力される操作データD3又は通信部19を介して受信した情報に基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。例えば、制御装置15は、設定された用紙Pの種類又は設定された給紙トレイ20A〜20Cに対応して当該用紙Pの表裏の画像サイズ及び当該用紙Pの表裏の位置合わせ処理を実行する。
画像読取装置102は、制御装置15に接続され、図1に示した原稿30から画像を読み取ってデジタルのカラー用の画像データDin(R,G,Bの各色成分データ)を制御装置15に出力するようになされる。制御装置15では画像データDinを画像メモリ13に記憶するようになされる。画像処理部16は、画像メモリ13から画像データDinを読み出し、R,G,Bの各色成分データをY色作像用の画像データDy,M色作像用の画像データDm,C色の画像データDc,K色作像用の画像データDkに色変換処理をする。色変換処理後のY,M,C,K色作像用の画像データDy,Dm,Dc,Dkは、画像メモリ13又は図示しないY,M,C,K色作像用の画像メモリに記憶するようになされる。
通信部19は、LAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。当該カラー複写機100をプリンタとして使用する場合に、そのプリント動作モード時に、通信部19は外部のコンピュータからプリントデータDin’を受信するように使用される。なお、プリントデータDin’には、画像形成条件や給紙トレイ選択情報等も含まれている。上述のY,M,C,K色作像用の画像データDy,Dm,Dc,Dkには、通信部19を介して外部のコンピュータ等から受信したものを使用してもよい。
給紙部20は、給紙トレイ20A〜20Cを駆動するための、図示しないモータに接続され、給紙制御信号Sfに基づいてモータの回転を制御し、当該給紙トレイ20A、20B又は20Cから繰り出した用紙Pを画像形成系に搬送するように動作する。給紙制御信号Sfは、制御装置15から給紙部20に供給される。
図3は、図2に示したY色作像用の画像書込みユニット3Y及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
図3に示すY−画像書込みユニット3Yは、水晶発振器11及びCPU55に接続される。画像書込みユニット3Yは、例えば、水晶発振器31、画素CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、レーザ(LD)駆動回路35、ポリゴンモータ36Y、モータ駆動回路37Y、インデックスセンサ38Y、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、タイミング発生器40、Y−VV(Valid)生成回路41Y及びカウンタ回路43Yから構成される。
カウンタ回路43Yは、ポリゴンミラー42Yの回転速度を制御するYP−CLK信号の周期を決めるものであって、Y−CNTPRD信号に基づいてCLK1信号のパルス数をカウントして、第1周期のY−CNT信号及び第2周期のY−ORG信号を出力する。CLK1信号は、水晶発振器11からカウンタ回路43Yへ出力される。Y−CNTPRD信号は、カウンタ回路43Yの目標カウント値を設定する信号であって、YP−CLK信号の周期、すなわち、ポリゴンモータ36Yの速度を設定する信号である。Y−CNTPRD信号は、表裏面作像時、CPU55からカウンタ回路43Yへ出力される。この信号は、ポリゴンミラー42Y等の回転速度制御に使用される。カウンタ回路43Yからポリゴン駆動CLK生成回路39YにはY−CNT信号及びY−ORG信号が出力される。
カウンタ回路43Y及びCPU55には、回転速度変更部を構成するポリゴン駆動CLK生成回路39Yが接続され、Y−PHASE信号、Y−CNT信号、Y−ORG信号及びYIDX信号を入力して、これらの信号を処理してY色作像用のポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号)を生成する。Y−PHASE信号は、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yに位相調整量を設定する信号であって、ポリゴンミラー42Y等の位相制御に使用される。また、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yでは、縦倍調整量に応じてポリゴンミラー42Y〜42Kの回転速度を変更する。
YIDX信号は、インデックスセンサ38Yからポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。CLK1信号は水晶発振器11からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。ポリゴン駆動CLK生成回路39Yの内部構成例については、図4で説明をする。
ポリゴン駆動CLK生成回路39Yには、モータ駆動回路37Yが接続される。モータ駆動回路37Yはポリゴンモータ36Yに接続され、YP−CLK信号に基づいてポリゴンモータ36Yを駆動する。ポリゴンモータ36Yにはポリゴンミラー42Yが取り付けられ、ポリゴンモータ36Yの駆動力によって主走査方向に回転するように動作する。
上述のLD駆動回路36で図示しないダイオードから輻射されたレーザビームLYは、副走査方向に回転する感光体ドラム1Yに対して、ポリゴンミラー42Yが回転されることで主走査され、静電潜像が感光体ドラム1Yに書き込まれる。感光体ドラム1Yに書き込まれた静電潜像は、Y色作像用のトナー部材により現像される。感光体ドラム1Y上のY色トナー画像は、副走査方向に回転する中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
なお、水晶発振器31には画素CLK生成回路32が接続され、基準クロック信号(以下CLK2信号という)を発振して画素CLK生成回路32に出力する。画素CLK生成回路32は、画素クロック周波数変更部を構成し、CPU55より出力された周波数制御信号Sgに基づいてY色作像用画素クロック信号(以下G−CLK信号という)を生成して水平同期回路33に出力するように動作する。
画素CLK生成回路32は、ポリゴンミラー42Y〜42Kの回転速度変更量と横倍率調整量に応じて画素クロック周波数を変更する。例えば、表面作像時のG−CLK信号の周波数f0に(L/L')・(W/W')を乗じた値が裏面作像時のY色作像用画素CLK周波数fとして設定される。上述の画素CLK生成回路32及びポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、倍率補正手段を構成し、ページ単位に画像サイズを倍率補正するようになされる。
水平同期回路33は画素CLK生成回路32及びPWM信号生成回路34に接続され、YIDX信号に基づいて水平同期信号Shを検出してPWM信号生成回路34に出力する。YIDX信号は、Y色作像用のインデックスセンサ38Yから水平同期回路33へ出力される他に、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力される。インデックスセンサ38Yは受光素子から構成される。
また、PWM信号生成回路34はY色作像用の画像メモリ83からY色作像用の画像データDyを入力し、この画像データDyをパルス幅変調してY色作像用のレーザ駆動信号SyをLD駆動回路35に出力する。上述のPWM信号生成回路34にはLD駆動回路35が接続される。LD駆動回路35には、図示しないレーザダイオードが接続される。LD駆動回路35は、レーザ駆動信号Syに基づいてレーザダイオードを駆動し、所定強度のY色作像用のレーザビームLYを発生し、ポリゴンミラー42Yに向けて輻射するようになされる。
上述の水晶発振器11には、Y色作像用の作像開始タイミングを決定するためのタイミング信号発生器40が接続される。タイミング信号発生器40は、更に、CPU55に接続され、例えば、表面作像時に、CPU55から出力されるVTOP信号に基づいて、YIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用の作像開始タイミングを決定する。このY色作像用の作像開始タイミングの決定と共に、作像開始信号(以下STT信号という)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用の副走査有効領域信号(以下YVV信号という)を作成する。YVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。
上述のPWM信号生成回路34には、Y色作像用の画像メモリ83が接続され、用紙表面及び用紙裏面の画像形成時に、YVV信号に基づいてY色作像用の画像データDyを読み出すようになされる。画像データDyは、画像処理部16で図2に示した画像メモリ13からR,G,B色の画像データが読み出され、そのR,G,B色の画像データが色変換処理された、そのY,M,C,K色の画像データのうちの1つである。
また、タイミング信号発生器40は、例えば、裏面作像開始直前に、CPU55から出力されるVTOP信号に基づいて、YIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用の作像開始タイミングを決定する。このY色作像用の作像開始タイミングの決定と共に、STT信号(作像開始信号)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用のYVV信号を作成する。YVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。
なお、他の色作像用の画像書込みユニット3M,3C,3Kについても同様な構成及び機能を有するので、その説明は省略する。この例で、水晶発振器31、画素CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、タイミング発生器40、Y−VV生成回路41Y及びカウンタ43Y等を画像書込みユニット3Yに含めて説明したが、これに限られることはなく、これらの回路要素を画像処理部16あるいは制御装置15内に含めて構成してもよい。
その場合、タイミング発生器40の機能をCPU55に持たせ、用紙表面作像時、CLK1信号に基づいてVTOP信号を立ち上げ、このVTOP信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面における最初のY色の作像開始タイミングを決定するようにしてもよい。ここで決定されたSTT信号(作像開始信号)に基づいてY色作像用のYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用のYVV信号を作成するように画像書込みユニット3Y等を制御する。
また、用紙裏面作像時、CPU55は、CLK1信号に基づいてVTOP信号を立ち上げ、このVTOP信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面における最初のY色の作像開始タイミングを決定する。
CPU55は、決定された作像開始タイミングに基づいて各色作像用のYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用のYVV信号を作成するように画像書込みユニット3Y等の入出力を制御するようにしてもよい。
この例で、CPU55は、用紙表面の各色作像が終了した順に、YP−CLK信号の周波数を各色毎に制御してポリゴンミラー42Y等の回転速度を裏面用に設定し、その後、当該MST−IDX信号に対して位相制御を実行する。
このように制御すると、基準色のIDX信号に依存することなく、所定の周期に設定されたMST−IDX信号に基づいて各色作像終了後にポリゴンミラー42Y等の回転速度変更及び位相変更等の制御を実行できるようになる。
これにより、基準色に設定されたポリゴンミラー42Kの回転速度の安定を待つことなく、しかも、他の全ての色作像が開始されるまでのタイミング調整を待つことなく、当該色作像用のポリゴンミラーの回転速度変更及び位相変更制御を実行できる。
図4は、各色作像用のポリゴンミラー駆動系の構成例を示すブロック図であり、図2に示した各色の画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kから各色作像用のポリゴンミラー駆動系(以下単にY,M,C又はKユニットという)を抽出した図である。
図4に示すYユニット3Yは、カウンタ回路43Y、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、モータ駆動回路37Y、ポリゴンモータ36Y及びインデックスセンサ38Yを有して構成される。
カウンタ回路43Yは、ポリゴンモータ36Y(ポリゴンミラー42Y)を駆動するためのYP−CLK信号の出力タイミングを決定する。この出力タイミングとは、YP−CLK信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジをいう。CPU55は、Y色作像を基準にしたとき、カウンタ回路43Yの出力値Y−CNT信号、YIDX信号とYIDX信号との位相差、カウンタ回路43YによるY−ORG信号のカウント周期の基点とY−ORG信号のカウント周期の基点との間の位相差、及び、ポリゴンミラー42Yの位相制御量を示すY−PHASE信号に基づいて次ページのYP−CLK信号の出力タイミングを決定する。ここに位相制御量とは、画像サイズの倍率補正前の色ずれ補正量を倍率調整量に応じて補正して算出されるものをいう。
CPU55は、ポリゴンミラー42Y〜42Kに独立に設定されたカウント周期をCLK1信号に基づいてカウンタ回路43Y,43M,43C,43Kを介して個別に制御する。CPU55は、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yから出力されるYP−CLK信号に基づいてポリゴンモータ36Yを駆動する場合であって、同一ページの作像に関して、カウント周期が同一となるようにカウンタ回路43Y,43M,43C,43Kを制御すると共に、カウント周期を各色の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに個別に設定して速度制御を実行する。
カウンタ回路43Yには、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yが接続され、カウンタ回路43Yの出力値を参照してYP−CLK生成する。ポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、インデックス用の位相検出回路301、カウンタ用の位相検出回路302及び演算&比較部303を有している。
インデックス用の位相検出回路301では、Y色作像用のYIDX信号とYIDX信号との位相差PYが検出される。カウンタ用の位相検出回路302では、Y色作像用のカウンタ回路43YによるY−ORG信号のカウント周期の基点とY−ORG信号のカウント周期の基点との間の位相差AYが検出される。位相検出回路301及び302には、演算手段の一例を構成する演算&比較部303が接続され、位相差PY、位相差AY及びY−PHASEを演算して位相調整量を算出する。この例では、Y色作像基準なので、位相調整量=0を出力する。演算&比較部303は、演算結果に基づいて生成したポリゴンミラー42Y等の回転速度を制御するYP−CLK信号で画像サイズの倍率補正時のポリゴンミラー駆動制御を実行する。
また、カウンタ回路43Mには、ポリゴン駆動CLK生成回路39Mが接続され、カウンタ回路43Mの出力値を参照してMP−CLKを生成する。ポリゴン駆動CLK生成回路39Mは、インデックス用の位相検出回路304、カウンタ用の位相検出回路305及び演算&比較部306を有している。
インデックス用の位相検出回路304では、Y色作像用のYIDX信号とM色作像用のMIDX信号との位相差PMが検出される。この場合のYIDX信号とMIDX信号との位相差PMとは、画像サイズの倍率補正を行う直前のY色画像書込みユニット3Y用の主走査基準信号とM色画像書込みユニット3M用の主走査基準信号間の位相差をいう。カウンタ用の位相検出回路305では、Y色作像用のカウンタ回路43YによるY−ORG信号のカウント周期の基点とM色作像用のM−ORG信号のカウント周期の基点との間の位相差AM,AM’が検出される。この位相差AMとは、画像サイズの倍率補正を行う直前のY色画像書込みユニット3Y用のカウンタ回路43Yのカウント周期の基点、M色画像書込みユニット3M用のカウンタ回路43Mのカウント周期の基点であり、位相差AM’とは、画像サイズの倍率補正後用のカウンタ回路43Y,43Mがカウント周期になった状態のカウント周期の基点との位相差をいう。
位相検出回路304及び305には、演算&比較部306が接続され、位相差PM、位相差AM,AM’及びM−PHASEを演算して位相調整量を算出する。Yユニット3Y,Mユニット3Mの他のC〜Kユニット3C〜3Kについても、同様な構成が採られ、同様な機能を備えるのでその説明を省略する。
図5(A)〜(F)は、画像形成部60における倍率補正制御前の動作例(YP−CLK基準時)を示すタイムチャートである。この例では、YP−CLK信号を基準にした場合の倍率補正制御前の状態(CNTPRD Y=CNTPRD M=N1)を示している。
図5(A)に示すYIDX信号は、倍率補正制御前の図4に示したインデックスセンサ38Yから位相検出回路301及び位相検出回路304に出力される。図5(B)に示すY−CNT信号は、図4に示したカウンタ回路43Yから演算&比較部303に出力される。図5(B)において、カウンタ周期がY−CNTPRD信号により出力値N1に設定される。
図5(C)に示すYP−CLK信号は、図4に示した演算&比較部303からモータ駆動回路37Yに出力される。図5(C)中で、期間(t5−t1)が倍率補正制御前のYP−CLK信号のクロック周期である。カウンタ回路43YがN1/2をカウントした時点でYP−CLK信号がハイ・レベルからロー・レベルに反転する。
図5(D)に示すMIDX信号は、倍率補正制御前の図4に示したインデックスセンサ38Mから位相検出回路304に出力される。図5(E)に示すM−CNT信号は、図4に示したカウンタ回路43Mから演算&比較部306に出力される。図5(E)において、カウンタ周期がM−CNTPRD信号により出力値N1に設定される。図5(F)に示すMP−CLK信号は、演算&比較部306からモータ駆動回路37Yに出力される。図5(F)中で、期間(t6−t2)が倍率補正制御前のMP−CLK信号のクロック周期である。カウンタ回路43MがN1/2をカウントした時点でMP−CLK信号がハイ・レベルからロー・レベルに反転する。
この例では、図5(C)に示すYP−CLK信号の立ち上がり時刻t1、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点と、MP−CLK信号の立ち上がり時刻t2、すなわち、M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差をA1とすると、位相検出回路305は、この位相差A1を検出する。
また、図5(A)に示すYIDX信号の立ち上がり時刻t3と、図5(D)に示すMIDX信号の立ち上がり時刻t4との位相差をP1とすると、位相検出回路304は、この位相差P1を検出する。なお、図5(E)に示す倍率補正制御前のM色作像用のMP−CLK信号の立ち上がりエッジをE1とする。この例では、E1=0である。
図6(A)〜(F)は、画像形成部60における倍率補正制御後の動作例(YP−CLK信号基準時)を示すタイムチャートである。この例では、YP−CLK信号を基準にした場合の倍率補正制御後の状態(CNTPRD Y=CNTPRD M=N1)を示している。
図6(A)に示すYIDX信号は、倍率補正制御後の図4に示したインデックスセンサ38Yから位相検出回路301及び位相検出回路304に出力される。図6Bに示すY−CNT信号は、図4に示したカウンタ回路43Yから演算&比較部303に出力される。図6(B)において、カウンタ周期がY−CNTPRD信号により出力値N2に設定される。
図6(C)に示すYP−CLK信号は、図4に示した演算&比較部303からモータ駆動回路37Yに出力される。図6(C)中で、期間(t14−t11)が倍率補正制御後のYP−CLK信号のクロック周期である。カウンタ回路43YがN2/2をカウントした時点でYP−CLK信号がハイ・レベルからロー・レベルに反転する。
図6(D)に示すMIDX信号は、倍率補正制御後の図4に示したインデックスセンサ38Mから位相検出回路304に出力される。図6(E)に示すM−CNT信号は、図4に示したカウンタ回路43Mから演算&比較部306に出力される。図6(E)において、カウンタ周期がM−CNTPRD信号により出力値N2に設定される。図6(F)に示すMP−CLK信号は、演算&比較部306からモータ駆動回路37Yに出力される。図6(E)中で、倍率補正制御後のMP−CLK信号のクロックがE2で立ち上がるようになされる。
この例では、図6(C)に示すYP−CLK信号の立ち上がり時刻t11、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点と、MP−CLK信号の立ち上がり時刻t13、すなわち、M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差をA2とすると、位相検出回路305は、この位相差A2を検出する。
また、演算&比較部306は、例えば、倍率補正制御前のMP−CLK信号のカウンタ出力値をN1とし、倍率補正制御後のMP−CLK信号のカウンタ出力値をN2とし、ポリゴンミラー42Mの位相制御量をΔPとし、倍率補正制御後のYIDX信号とM色作像用のMIDX信号との位相差をP2としたとき、(1)式、すなわち、
P2=(P1+ΔP)×N2/N1 ・・・・・(1)
を演算する。
図6(E)に示す倍率補正制御後のM色作像用のカウンタ基点をE2とする。これと共に、演算&比較部306は、倍率補正制御前のY色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点とM色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差をA1とし、倍率補正制御後のY色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点とM色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差をA2とし、倍率補正制御前のM色作像用のカウンタ基点をE1とし、倍率補正制御後の次ページの当該M色作像用のMP−CLK信号の立ち上がりエッジをE2としたとき、(2)式、すなわち、
E2=(A2−A1)+(P2−P1)+E1・・・・・(2)
を演算するようになされる。このような演算によりポリゴンモータを駆動制御することにより、ポリゴンミラー42Y等の速度制御及び位相制御を同時に実行し、回転安定待ち時間を減らせる。
なお、Cユニット3C及びKユニット3Kは、Mユニット3Mと同様な構成を採る。CLK1信号は、Y,M,C,K色作像用のカウンタ回路43Y,43M,43C,43Kに共通に供給される。他の色作像用のカウンタ回路43Y,43C又は43K間においても、同様な演算処理がなされるので、その説明は省略する。
このように、YP−CLK信号、MP−CLK信号、CP−CLK信号、KP−CLK信号の立ち上がり及び立ち下がりのエッジ位置に関して、YP−CLK信号、MP−CLK信号、CP−CLK信号、KP−CLK信号生成用のカウンタ回路43Y,43M間等の位相を比較することにより、カウンタ値をいくつに設定するかを決定することで、出力タイミングを決定できるので、YIDX信号、MIDX信号、CIDX信号、KIDX信号の位相とを改めて比較しなくても、CPU55は、速度制御及び位相制御を同時に実行できるようになる。従って、生産性の低下を抑制できるようになる。
図7(A)〜(H)は、カラー複写機100の倍率補正制御前後の動作例(Y色基準)を示すタイムチャートである。
この例では、トレイ1からの用紙への作像処理が全て終了した後に、トレイ2から繰り出された用紙へのY色作像処理を実行する場合を前提とする。この場合、トレイ1からの用紙への作像処理を倍率補正制御前の状態とし、トレイ2から繰り出された用紙へのY色作像処理を倍率補正制御後の状態とする。この倍率補正制御前の状態、位相制御量ΔPを与えない、つまり、基準を動かす前の状態で、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点と、M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A1や、YIDX信号の立ち上がり時刻と、MIDX信号の立ち上がり時刻との位相差P1を検出するようになされる。
[倍率補正制御前]
これらを動作条件にして、図7(A)に示すVTOP信号は、トレイ1から繰り出された用紙の先端が検出され、図7(D)に示すYIDX信号に同期した時刻T21’で立ち上がる。図7(B)に示すYVV開始タイミングは、図示しないYIDXカウンタが起動され、YIDX信号のパルス数がカウントされ、そのYIDX信号に同期した時刻T22’で立ち上がる。図7(C)に示すYVV信号は、図7(D)に示したYIDX信号に同期した時刻T23’で立ち上がる。このYVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙にY色作像がなされる。
このとき、倍率補正制御前の図4に示したインデックスセンサ38Yから位相検出回路301及び位相検出回路304には、図5(A)に示したYIDX信号が出力される。また、図4に示したカウンタ回路43Yから演算&比較部303には、図5(B)に示したY−CNT信号が出力される。このとき、Y−CNTPRD信号により図5(B)に示したカウンタ周期が出力値N1に設定される。また、演算&比較部303からモータ駆動回路37Yには、図5(C)に示したYP−CLK信号が出力される。図5(C)に示した例では、期間(t5−t1)が倍率補正制御前のYP−CLK信号のクロック周期である。
トレイ1からの用紙へのM色作像は、図7(E)に示すMVV信号の「H」レベルの期間になされる。このとき、図4に示したインデックスセンサ38Mから位相検出回路304には、図5(D)に示した倍率補正制御前のMIDX信号が出力される。図4に示したカウンタ回路43Mから演算&比較部306には、図5(E)に示したM−CNT信号が出力される。また、M−CNTPRD信号により図5(E)に示したカウンタ周期が出力値N1に設定される。演算&比較部306からモータ駆動回路37Yには、図5Fに示したMP−CLK信号が出力される。図5(F)に示した例では、期間(t6−t2)が倍率補正制御前のMP−CLK信号のクロック周期である。
トレイ1の用紙へのC色作像は、図7(F)に示すCVV信号の「H」レベルの期間になされる。図7(G)に示すKVV開始タイミングは、図示しないKIDXカウンタが起動され、YIDX信号のパルス数がカウントされ、そのYIDX信号に同期した時刻T24’で立ち上がる。図7(H)に示すKVV信号は、図7(I)に示すKIDX信号に同期した時刻T25’で立ち上がる。KVV信号の「H」レベルでK色作像が開始され、その「H」レベル期間に、トレイ1からの用紙にK色作像がなされる。
[倍率補正制御後]
トレイ1からの用紙へのY色作像を終了した画像形成ユニット3Yでは、次ページの作像のために、倍率補正制御を実行するべく、Y色作像用のポリゴンミラーの回転速度制御がされる。Y色作像用のポリゴンミラーの回転速度制御は、図7(H)に示すKVV信号が立ち上がった後に実行される。これは、各色の作像開始タイミングがY色を基準にして作成されているためである。この速度変更制御時、YIDX信号の周波数が変動する。
この例で、図4に示したインデックスセンサ38Yから位相検出回路301及び位相検出回路304には、倍率補正制御後の図6(A)に示したYIDX信号が出力される。同図に示したカウンタ回路43Yから演算&比較部303には、図6(B)に示したY−CNT信号が出力される。
図6(B)に示した例では、Y−CNTPRD信号によりカウンタ周期が出力値N2に設定される。演算&比較部303からモータ駆動回路37Yには、図6(C)に示したYP−CLK信号が出力される。図6(C)に示した例では、期間(t14−t11)が倍率補正制御後のYP−CLK信号のクロック周期となる。この例では、ポリゴンモータ36Yの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Yの回転が安定するまでの整定時間Tyを待ってトレイ2から繰り出された用紙へのY色作像処理を開始するようになされる。
この例で、トレイ1からの用紙へのY色作像終了後(M色作像中でもよい)、図4に示したカウンタ回路43Mから演算&比較部306には、例えば、図6(E)に示したM−CNT信号が出力される。図6(E)において、カウンタ周期がM−CNTPRD信号により出力値N2に設定される。更に、M−PHASE信号により位相制御量ΔPが設定される。
位相検出回路305は、図5(C)に示したYP−CLK信号の立ち上がり時刻t1、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点と、MP−CLK信号の立ち上がり時刻t2、すなわち、M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A1を検出する。また、図5(A)に示したYIDX信号の立ち上がり時刻t3と、図5(D)に示したMIDX信号の立ち上がり時刻t4との位相差P1が位相検出回路304によって検出される。なお、図5(E)に示した倍率補正制御前のM色作像用のMP−CLK信号の立ち上がりエッジはE1=0となされる。
このとき、演算&比較部306は、倍率補正制御前のMP−CLK信号のカウンタ出力値N1と、倍率補正制御後のMP−CLK信号のカウンタ出力値N2と、ポリゴンミラー42Mの位相制御量ΔPと、YIDX信号の立ち上がり時刻と、MIDX信号の立ち上がり時刻との位相差P1とを入力し、先に説明した(1)式を演算して、倍率補正制御後のYIDX信号とM色作像用のMIDX信号との位相差P2を算出する。
そして、図4に示したインデックスセンサ38Mから位相検出回路304には、図6(D)に示した倍率補正制御後のMIDX信号が出力される。同図に示したカウンタ回路43Mから演算&比較部306には、図6(E)に示したM−CNT信号が出力される。図6(E)に示した例では、M−CNTPRD信号によりカウンタ周期が出力値N2に設定される。演算&比較部306からモータ駆動回路37Mには、図6(F)に示したMP−CLK信号が出力される。
この例では、図6(C)に示したYP−CLK信号の立ち上がり時刻t11、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点と、MP−CLK信号の立ち上がり時刻t13、すなわち、M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A2が位相検出回路305によって検出される。
図6(E)に示した例では、倍率補正制御後のMP−CLK信号のクロックがE2で立ち上がるようになる。このとき、演算&比較部306は、倍率補正制御前のY色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点とM色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A1と、倍率補正制御後のY色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点とM色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A2と、YIDX信号の立ち上がり時刻と、MIDX信号の立ち上がり時刻との位相差P1と、位相制御量ΔPにより算出される倍率補正制御後のYIDX信号とM色作像用のMIDX信号との位相差P2と、倍率補正制御前のM色作像用のカウンタ基点E1とを入力し、(2)式を演算して、倍率補正制御後のトレイ2からの用紙の当該M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点E2を算出するようになされる。
このカウント基点E2に基づいてポリゴンモータ36Mの回転速度が変更される。この例でも、ポリゴンモータ36Mの回転速度変更及びポリゴンミラー42Mの位相変更後、ポリゴンミラー42Mの回転が安定するまでの整定時間Tmを待ってトレイ2から繰り出された用紙へのM色作像処理を開始するようになされる。
なお、トレイ1の用紙へのC色作像終了後に、上述したM色作像と同様にしてC色作像用のポリゴンミラーの回転速度及びその位相変更制御がされる。この例では、ポリゴンモータ36Cの回転速度変更及びポリゴンミラー42Cの位相変更後、ポリゴンミラー42Cの回転が安定するまでの整定時間Tcを待って、トレイ2から繰り出された用紙へのC色作像処理を開始するようになされる。
また、トレイ1からの用紙へのK色作像終了後に、K色作像用のポリゴンミラーの回転速度及びその位相変更制御がされる。KIDX信号は、速度及び位相変更制御時、周波数が変動する。この例では、ポリゴンモータ36Kの回転速度変更及びポリゴンミラー42Kの位相変更後、ポリゴンミラー42Kの回転が安定するまでの整定時間Tkを待って、トレイ2から繰り出された用紙へのK色作像処理を開始するようになされる。このようなトレイ切り換え時の作像動作例においては、トレイ1からの用紙への作像処理が全て終了する前に、トレイ2から繰り出された用紙へのY色作像処理を開始できるというメリットがある。
このように、第1の実施例としてのカラー複写機100によれば、各色独立にポリゴンミラー42Y〜42Kが設けられる。これを前提にして、Y色作像を基準とした場合、演算&比較部306は、倍率補正制御前のカウンタ回路43Yのカウント基点とカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A1と、倍率補正制御後のカウンタ回路43Yのカウント基点とカウンタ回路43Mのカウント基点との間の位相差A2と、YIDX信号の立ち上がり時刻と、MIDX信号の立ち上がり時刻との位相差P1と、位相制御量ΔPにより算出される倍率補正制御後のYIDX信号とM色作像用のMIDX信号との位相差P2と、倍率補正制御前のカウンタ基点E1とを入力し、(2)式を演算して、倍率補正制御後のトレイ2からの用紙の当該M色作像用のカウンタ回路43Mのカウント基点E2を算出するようになる。
従って、ポリゴンミラー42Mの速度制御及び位相制御を同時に、ポリゴンミラー42Cの速度制御及び位相制御を同時に、更に、ポリゴンミラー42Kの速度制御及び位相制御を各々同時に実行できるので、従来方式に比べてポリゴンミラー42Y〜42Kの回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。これにより、倍率変更に要する時間を大幅に低減できるようになり、倍率補正制御動作時の生産性の低下を抑制することができ、カラー画像の連続高速動作に寄与するところが大きい。換言すると、当該ページの作像終了と共に従来方式の整定時間の約半分を待った後に、次ページの作像を開始できるので、倍率補正制御動作を実行する際にも、倍率補正制御動作を実行しないときと同じ生産性を確保できるようになる。
この例でCPU55は、第1番目の作像色であるY色作像用の画像形成ユニット10Yのカウンタ回路43Yを基準にして位相制御を実行する。このようにすると、整定時間を少なくし、無駄のない制御が可能となる。
この例でCPU55は、作像順が早い順にY,M,C,K色画像書込みユニット3Y,3M,3C,3Kであるとしたとき、M色作像ユニット3MがY色画像書込みユニット3Yのポリゴンミラー42Yのポリゴン駆動CLK生成用カウンタ回路43Yのカウント周期の基点を基準とし、C色画像書込みユニット3CがM色画像書込みユニット3Mのポリゴンミラー42Mのポリゴン駆動CLK生成用カウンタ回路43Mのカウント周期の基点を基準とし、K色画像書込みユニット3KがC色画像書込みユニット3Cのポリゴンミラー42Cのポリゴン駆動CLK生成用カウンタ回路43Cのカウント周期の基点を基準とするように、各々のポリゴンミラー42Y,42M,42C,42Kの回転位相制御を実行する。このようにすると、機械規模が大きくても、タイミング制約を抑制でき、ポリゴンミラーの回転が安定するまでの整定時間を少なくした制御ができるようになる。
図8は、第2の実施例としてのカラー複写機200の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、第1の実施例と異なり、擬似インデックス信号生成回路(以下擬似IDX生成回路12という)を備え、擬似インデックス信号(主走査基準信号)に基づいて倍率補正前後の各色作像におけるポリゴンミラーの回転速度変更及び位相変更制御を同時に実行する(第2の画像形成装置)。ここに擬似インデックス信号(以下MST−IDX信号という)とは、ポリゴンミラーを駆動制御するのための主走査基準信号(インデックス信号;以下IDX信号という)の周期に基づいて周期設定されて作成された信号をいう。
以上
図8は、カラー複写機200の制御系の構成例を示すブロック図である。図8に示すカラー複写機200は、MST−IDX信号に基づいて用紙Pの所定の面における作像開始タイミングを決定する制御装置15’を有している。この制御装置15’には、擬似IDX生成回路12、画像メモリ13、画像処理部16、通信部19、給紙部20、操作パネル48、画像形成部60’及び画像読取装置102が接続される。
制御装置15’は、ROM53、ワーク用のRAM54及びCPU55’を有している。CPU55’は、所定の用紙Pに色画像を形成する場合に、ポリゴンミラー42Y等の回転速度制御及び位相制御によって周期が変動するIDX信号と、固定周期を有するMST−IDX信号とに基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。この例では、CPU55’が単一のMST−IDX信号に基づいて用紙Pの表面から裏面への色作像処理におけるVTOP信号や、トレイ1からトレイ2へ給紙を切り換える際の色作像処理におけるVTOP信号を決定するようになされる。
画像形成部60’は、Y,M,C,K色作像用の画像書込みユニット3Y’,3M’,3C’,3K’を有しており、Y,M,C,K色作像用の画像メモリからY,M,C,K色作像用の画像データDy,Dm,Dc,Dkを入力し、Y,M,C,K色作像用のIDX信号及びMST−IDX信号に基づいて用紙Pの所定の面に画像を形成するように動作する。
また、制御装置15’には擬似IDX生成回路12が接続され、カラー画像形成時の基準信号となるMST−IDX信号を作成する。なお、YIDX信号等がポリゴンミラー42Yの回転速度制御及び位相制御によって周期が変動するのに対し、MST−IDX信号は、ポリゴンミラーの周期変動の影響は受けない信号であり、所定の周期に設定可能となっている。
制御装置15’は、1つのMST−IDX信号に基づいて用紙Pの表面から裏面への色作像処理における作像開始トリガ(VTOP)信号や、トレイ1からトレイ2へ給紙を切り換える際の色作像処理におけるVTOP信号を決定するようになされる。制御装置15’は、擬似IDX生成回路12により作成されたMST−IDX信号と、Y,M,C,K色のIDX信号に基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行する。
これにより、例えば、用紙表裏面に色画像を形成する場合に、表面画像形成後に用紙Pが縮んでも、用紙Pの表面と裏面とで倍率補正制御を精度良く実行することができる。また、トレイ1からトレイ2へ給紙を切り換えて色画像を形成する場合に、トレイ1の紙種とトレイ2の紙種とが異なっていても、異なる用紙において、倍率補正制御を精度良く実行できるようになる。このMST−IDX信号を使用することで、ポリゴンミラーの回転速度変更に要する時間が短縮でき、機械サイズによらず最大の生産性を確保できるようになる。
擬似IDX生成回路12には、水晶発振器11が接続され、CLK1信号を発生して、この擬似IDX生成回路12と、Y,M,C,K色作像用の画像書込みユニット3Y’,3M’,3C’,3K’に各々出力される。なお、第1の実施例と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するのでその説明を省略する。
図9は、図8に示したY色作像用の画像書込みユニット3Y’及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。図9に示すY色作像用の画像書込みユニット3Y’は、水晶発振器11、擬似IDX生成回路12及びCPU55’に接続される。画像書込みユニット3Y’は、例えば、水晶発振器31、画素CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、レーザ(LD)駆動回路35、ポリゴンモータ36Y、モータ駆動回路37Y、インデックスセンサ38Y、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、タイミング発生器40’及びY−VV(Valid)生成回路41Yから構成される。
この例で、制御装置15’のCPU55’は、MST−IDX信号の周期を設定するIDXカウンタ回路401の出力値を基準にして位相制御を実行する。例えば、CPU55’は、シーケンスプログラムに基づいて位相制御値であるY−PHASE信号をポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力する。Y−PHASE信号は、ポリゴンミラー42Y等の位相制御の開始前に設定される。
また、CPU55’は、同様にして、シーケンスプログラムに基づいて画像先端信号(以下VTOP信号という)をタイミング信号発生器40’に出力する。VTOP信号は、用紙Pの搬送タイミングと作像タイミングとを合わせるための信号である。
このようにすると、Y色作像用のポリゴンモータ36Yに供給するYP−CLK信号の周波数を他のM,C,K色作像用の画像形成ユニット10M,10C,10K毎に独立してCPU55’で制御できるようになる。
上述の擬似IDX生成回路12には、Y色作像用の作像開始タイミングを決定するためのタイミング信号発生器40’が接続される。タイミング信号発生器40’は、更に、CPU55’に接続され、例えば、表面作像時に、CPU55’から出力されるVTOP信号に基づいて、擬似IDX生成回路12から出力されるMST−IDX信号を選択すると共に、そのMST−IDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用の作像開始タイミングを決定する。このY色作像用の作像開始タイミングの決定と共に、作像開始信号(以下STT信号という)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40’から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用の副走査有効領域信号(以下YVV信号という)を作成する。YVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。
また、タイミング信号発生器40’は、例えば、裏面作像開始直前に、CPU55’から出力されるVTOP信号に基づいて、擬似IDX生成回路12から出力されるMST−IDX信号を選択すると共に、MST−IDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用の作像開始タイミングを決定する。このY色作像用の作像開始タイミングの決定と共に、STT信号(作像開始信号)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40’から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用のYVV信号を作成する。YVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。
また、水晶発振器11、擬似IDX生成回路12及びCPU55’には、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yが接続され、YIDX信号、CLK1信号、MST−IDX信号、Y−CNTPRD信号に基づいてY色作像用のポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号)を生成するように動作する。
Y−CNTPRD信号は、表裏面作像時、CPU55’からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。YIDX信号は、インデックスセンサ38Yからポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。CLK1信号は水晶発振器11からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。MST−IDX信号は、擬似IDX生成回路12からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。ポリゴン駆動CLK生成回路39Yの内部構成例については、図10で説明をする。なお、他の色作像用の画像書込みユニット3M’,3C’,3K’についても同様な構成及び機能を有するので、その説明は省略する。
この例で、水晶発振器31、画素CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、タイミング発生器40’及びY−VV生成回路41Yを画像書込みユニット3Y’に含めて説明したが、これに限られることはなく、これらの回路要素を画像処理部16あるいは制御装置15’内に含めて構成してもよい。
このように制御装置15’を構成して、所定の周期に設定されたMST−IDX信号に基づいて各色作像終了後にポリゴンミラー42Y等の回転速度変更及び位相変更等の制御を実行する。これにより、他の色作像が開始されるまでのタイミング調整を待つことなく、当該色作像用のポリゴンミラーの回転速度変更及び位相変更制御を実行できる。なお、第1の実施例と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するのでその説明を省略する。
図10は、擬似IDX生成回路を含むポリゴンミラー駆動系の構成例を示すブロック図である。
この実施例で、図4に示したポリゴンミラー駆動系と異なるのは、擬似IDX生成回路12を備え、MST−IDX信号をY,M,C,Kユニット3Y’〜3K’に供給してポリゴンミラー42Y〜42Kを制御するようになされる。
図10に示す擬似IDX生成回路12は、IDXカウンタ回路401及び比較器402を有して構成される。IDXカウンタ回路401は、水晶発振器11及びCPU55’に接続され、I−CNTPRD信号に基づいてCLK1信号をカウントしてI−CNT信号(出力値)を比較器402に出力する。I−CNTPRD信号は、MST−IDX信号の周期を設定するための信号であり、CPU55’からIDXカウンタ回路401に設定される。
比較器402は、IDXカウンタ回路401から出力されるI−CNT信号と、CPU55’から出力される、MST−IDX信号のハイ(H)レベルの期間を決定するためのW−MASTIDX信号を比較してMST−IDX信号を出力する。MST−IDX信号は、Y,M,C,Kユニット3Y’〜3K’に各々出力される。Yユニット3Y’は、カウンタ回路43Y、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y、モータ駆動回路37Y、ポリゴンモータ36Y及びインデックスセンサ38Yを有して構成される。
カウンタ回路43Yは、ポリゴンモータ36Y(ポリゴンミラー42Y)を駆動するためのYP−CLK信号の出力タイミングを決定する。CPU55’は、色作像時、MST−IDX信号を基準にしたとき、カウンタ回路43Yの出力値Y−CNT信号、MST−IDX信号とYIDX信号との位相差、カウンタ回路401によるI−ORG信号のカウント周期の基点とカウンタ回路43YによるY−ORG信号のカウント周期の基点との間の位相差、及び、ポリゴンミラー42Yの位相制御量を示すY−PHASE信号に基づいて次ページのYP−CLK信号の出力タイミングを制御する。
CPU55’は、図1に示したポリゴンミラー42Y〜42Kに独立に設定されたカウント周期をMST−IDX信号に基づいてY,M,C,Kユニット3Y’〜3K’を介して個別に制御する。CPU55’は、YP−CLK信号に基づいてポリゴンモータ36Yを駆動する場合であって、同一ページの作像に関して、カウント周期が同一となるようにY,M,C,Kユニット3Y’〜3K’を制御すると共に、カウント周期をY,M,C,Kユニット3Y’〜3K’に個別に設定して速度制御を実行する。
更に、CPU55’は、IDXカウンタ回路401によるI−ORG信号のカウント周期の基点と上述の速度制御が完了したカウンタ回路43Yによるカウント周期の基点と、位相制御量(位相差ずれ調整量)から位相調整量を算出するように演算&比較部303を制御し、この位相調整量に基づいてYP−CLK信号の位相を制御する位相制御を実行する。
カウンタ回路43Yには、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yが接続され、カウンタ回路43Yの出力値を参照してYP−CLK信号を生成する。ポリゴン駆動CLK生成回路39Yは、インデックス用の位相検出回路301、カウンタ用の位相検出回路302及び演算&比較部303を有している。
位相検出回路301では、MST−IDX信号とYIDX信号との位相差PYが検出される。位相検出回路302では、Y色作像用のカウンタ回路43YによるY−ORG信号のカウント周期の基点とY−ORG信号のカウント周期の基点との間の位相差AYが検出される。位相検出回路301及び302には、演算手段の一例を構成する演算&比較部303が接続され、位相差PY、位相差AY及びY−PHASEを演算して位相調整量を算出する。この例では、Y色作像基準なので、位相調整量=0を出力する。なお、M,C,Kユニット3Y’〜3K’の内部構成については、Yユニット3Y’と同じ構成を採り、同じ機能を有するので、その説明を省略する。
図11(A)〜(E)は、画像形成部60’における倍率補正制御前の動作例(MST−IDX基準時)を示すタイムチャートである。この例では、MST−IDX信号を基準にした場合の倍率補正制御前の状態(CNTPRD I=CNTPRD M=N1)を示している。
図11(A)に示すMST−IDX信号は、倍率補正制御前の図10に示した比較器402からYユニット3Y’の位相検出回路301及び図示しない他のM,C,Kユニットの位相検出回路に出力される。図11(B)に示すI−CNT信号は、図10に示した擬似IDX生成回路12のIDXカウンタ回路401から比較器402へ出力される。図11(B)において、カウンタ周期がI−CNTPRD信号により出力値N1に設定される。
図11(C)に示すYIDX信号は、倍率補正制御前の図10に示したインデックスセンサ38Yから位相検出回路301に出力される。図11(D)に示すY−CNT信号は、図10に示したカウンタ回路43Yから演算&比較部303に出力される。図11(D)において、カウンタ周期がY−CNTPRD信号により出力値N1に設定される。
図11(E)に示すYP−CLK信号は、図10に示した演算&比較部303からモータ駆動回路37Yに出力される。図11(C)中で、期間(t5−t1)が倍率補正制御前のYP−CLK信号のクロック周期である。カウンタ回路43YがN1/2をカウントした時点でYP−CLK信号がハイ・レベルからロー・レベルに反転する。
この例では、図11(A)に示すIDXカウンタ回路401のカウント基点、すなわち、MST−IDX信号の立ち上がり時刻t21と、図11(C)に示すYIDX信号の立ち上がり時刻t23との位相差をP1’とすると、位相検出回路301は、この位相差P1’を検出する。
また、図11(A)に示すMST−IDX信号の立ち上がり時刻t21、すなわち、IDXカウンタ回路401のカウント基点と、図11(D)に示すYP−CLK信号の立ち上がり時刻t22、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点との間の位相差をA1’とすると、位相検出回路302は、この位相差A1’を検出する。なお、図11(D)に示す倍率補正制御前のY色作像用のカウンタ基点をE1’とする。この例では、E1’=0である。
図12(A)〜(E)は、画像形成部60’における倍率補正制御後の動作例(MST−IDX基準時)を示すタイムチャートである。この例では、MST−IDX信号を基準にした場合の倍率補正制御後の状態(CNTPRD I=CNTPRD M=N2)を示している。
図12(A)に示すMST−IDX信号は、倍率補正制御後の図10に示した比較器402からYユニット3Y’の位相検出回路301及び図示しない他のM,C,Kユニットの位相検出回路に出力される。図12(B)に示すI−CNT信号は、図10に示した擬似IDX生成回路12のIDXカウンタ回路401から比較器402へ出力される。図12(B)において、カウンタ周期がI−CNTPRD信号により出力値N2に設定される。
図12(C)に示すYIDX信号は、倍率補正制御後の図10に示したインデックスセンサ38Yから位相検出回路301及び位相検出回路304に出力される。図12(D)に示すY−CNT信号は、図10に示したカウンタ回路43Yから演算&比較部303に出力される。図12(D)において、カウンタ周期がY−CNTPRD信号により出力値N2に設定される。図12(E)に示すYP−CLK信号は、図10に示した演算&比較部303からモータ駆動回路37Yに出力される。
この例では、図12(B)に示すIDXカウンタ回路401のカウント基点(時刻t31)と、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点(時刻t32)との間の位相差をA2’とすると、位相検出回路302は、この位相差A2’を検出する。
演算&比較部303は、例えば、倍率補正制御前のYP−CLK信号のカウンタ出力値をN1とし、倍率補正制御後のYP−CLK信号のカウンタ出力値をN2とし、図11(A)に示したMST−IDX信号の立ち上がり時刻t21と、図11(C)に示したYIDX信号の立ち上がり時刻t23との位相差をP1’とし、ポリゴンミラー42Yの位相制御量をΔPとし、倍率補正制御後のMST−IDX信号とY色作像用のYIDX信号との位相差をP2’としたとき、(3)式、すなわち、
P2’=(P1’+ΔP)×N2/N1 ・・・・・(3)
を演算する。
ここで、図12(E)に示す倍率補正制御後のY色作像用のカウンタ基点をE2とする。演算&比較部303は、位相差P2’の算出と共に、図11(A)に示したMST−IDX信号の立ち上がり時刻t21、すなわち、IDXカウンタ回路401のカウント基点と、図11(D)に示したYP−CLK信号の立ち上がり時刻t22、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点との間の位相差をA1’とし、また、図12(B)に示したIDXカウンタ回路401のカウント基点(時刻t31)と、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点(時刻t32)との間の位相差をA2’とし、倍率補正制御前のY色作像用のカウンタ基点をE1’とし、倍率補正制御後の次ページの当該Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点をE2’としたとき、(4)式、すなわち、
E2’=(A2’−A1’)+(P2’−P1’)+E1’・・・・(4)
を演算するようになされる。
なお、Mユニット3M’、Cユニット3C’及びKユニット3K’は、Yユニット3Y’と同様な構成を採る。CLK1信号は、Y,M,C,K色作像用のカウンタ回路43Y,43M,43C,43Kに共通に供給される。他の色作像用のカウンタ回路43M,43C又は43KとIDXカウンタ回路401間においても、同様な演算処理がなされるので、その説明は省略する。
このように、YP−CLK信号、MP−CLK信号、CP−CLK信号、KP−CLK信号の立ち上がり及び立ち下がりのエッジ位置に関して、YP−CLK信号、MP−CLK信号、CP−CLK信号、KP−CLK信号生成用のカウンタ回路43Y,43M,43C,43KとIDXカウンタ回路401間等の位相を比較することにより、カウンタ値をいくつに設定するかを決定することができる。従って、CPU55’は、単一のMST−IDX信号を基準にした場合も、速度制御及び位相制御を同時に実行できるようになる。従って、倍率補正制御をを伴う場合であっても、その生産性の低下を抑制できるようになる。
続いて、第2の実施例に係るカラー複写機200の動作を説明する。図13A〜Mは、カラー複写機200の倍率補正制御前後の動作例(MST−IDX信号基準)を示すタイムチャートである。
この実施例では、図10に示した擬似IDX生成回路12から単一のMST−IDX信号が出力される場合であって、所定の周期(周波数)に固定されたMST−IDX信号を基準にしてY,M,C,K色のポリゴンミラー42Y等の速度・位相制御を実行する場合を例に挙げる。この例では、図13(L)に示すMST−IDX信号をポリゴン位相調整時の基準インデックス信号として使用するようになされる。
また、Y,M,C,K色のYVV,MVV,CVV,KVV開始タイミングに関しては、トレイ1表面作像用のVTOP信号の立ち上がり時刻から、トレイ1表面用設定値をトレイ2表面用設定値に書き換える時刻に至る期間TXにおいて、MST−IDX信号をカウントソースとして、そのパルス数をカウントすることにより決める場合を例に採る。なお、MST−IDX用の分周設定値に関しては、図示しないプリントスタートと共に図13(M)に示すトレイ1表面用設定値がRAM54等に格納される。その後は、トレイ1表面用設定値や、トレイ2表面用設定値、トレイ1裏面用設定値、トレイ2裏面用設定値が順次、セットされる。
この例で、MST−IDX信号の分周設定変更タイミングは、最終色(K色)のKVV信号が立ち上がった後であって、かつ、第1作像色(Y)の位相変更開始前に決定される。また、トレイ1からの用紙P1の第1作像色(Y)の位相変更制御完了後に、トレイ2表面作像用のVTOP信号を検出できるように、用紙P2をトレイ2から画像形成系へ繰り出すような給紙制御が実行される。
[トレイ1表面の制御例]
図13(A)に示すトレイ1表面用のVTOP信号は、トレイ1から繰り出された用紙P1の先端が検出された時刻T11で立ち上がる。その後、図13(B)に示すYVV開始タイミングは、VTOP信号立ち上がり後、図示しないMST−IDXカウンタによって、MST−IDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のMST−IDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻T12で立ち上がる。その後、YVV開始タイミングは、MST−IDX信号の2個目のパルスカウント出力に同期した時刻T13で立ち下がる。
図13(C)に示すトレイ1表面用のYVV信号は、YVV開始タイミング発生後、図示しないYIDXカウンタによって、図13(D)に示したYIDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のYIDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻T14で立ち上がる。YVV信号の「H」レベル期間は、実際のYIDX信号のパルス数をカウントして決定される。このYVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙P1の表面にY色作像処理がなされる。このY色作像処理終了後であって、K色のKVV信号が「L」レベルから「H」レベルに切り替わった後、MST−IDX用カウンタの分周(比)設定を変更し、その後、Y色作像用のポリゴンミラー42Yの回転速度・位相制御が実行される。この例で、CPU55’は、MST−IDX信号に基づいてY色のポリゴンミラー42Yの回転速度・位相制御を実行する。
例えば、CPU55’からY−CNTPRED信号及びY−PHASE信号が設定されたYユニット3Y’の演算&比較部303では、倍率補正制御前のYP−CLK信号のカウンタ出力値N1と、倍率補正制御後のYP−CLK信号のカウンタ出力値N2と、図11(A)に示したIDXカウンタ回路401のカウント基点、すなわち、MST−IDX信号の立ち上がり時刻t21と、図11(C)に示したYIDX信号の立ち上がり時刻t23との位相差P1’と、ポリゴンミラー42Yの位相制御量ΔPを入力して、上述した(3)式に基づいて倍率補正制御後のMST−IDX信号とY色作像用のYIDX信号との位相差P2’を演算する。
これと共に、演算&比較部303は、例えば、図11(A)に示したMST−IDX信号の立ち上がり時刻t21、すなわち、IDXカウンタ回路401のカウント基点と、図11(D)に示したYP−CLK信号の立ち上がり時刻t22、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点との間の位相差A1’と、図12(B)に示したIDXカウンタ回路401のカウント基点(時刻t31)と、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点(時刻t32)との間の位相差A2’と、倍率補正制御前のY色作像用のカウンタ基点E1’とを入力して、先に説明した(4)式から、倍率補正制御後の次のトレイ(次ページ)の当該Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点E2’を演算するようになされる。この例では、ポリゴンモータ36Yの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Yの回転が安定するまでの整定時間Ty’を待ってトレイ2から繰り出された用紙へのY色作像処理を開始するようになされる。
また、図13(E)に示すMVV開始タイミングは、図示しないMST−IDXカウンタによって、YVV開始タイミング発生後もMST−IDX信号のパルス数がカウントされ、この例では、そのMST−IDX信号の4個目のパルスカウント出力に同期した時刻に立ち上がり、5個目のパルスカウント出力に同期した時刻に立ち下がる。図13(F)に示すトレイ1表面用のMVV信号は、MVV開始タイミング発生後、図示しないMIDXカウンタによって、MIDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のMIDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻で立ち上がる。MVV信号の「H」レベル期間は、実際のMIDX信号のパルス数をカウントして決定される。このMVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙P1の表面にM色作像処理がなされる。このM色作像処理終了後に、M色作像用のポリゴンミラー42Mの回転速度・位相制御が実行される。なお、Mユニット3M’における動作は、Yユニット3Y’と同様であるためその説明を省略する。この例では、ポリゴンモータ36Mの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Mの回転が安定するまでの整定時間Tm’を待ってトレイ2から繰り出された用紙へのM色作像処理を開始するようになされる。
図13(G)に示すCVV開始タイミングは、図示しないMST−IDXカウンタによって、YVV開始タイミング及びMVV開始タイミング発生後もMST−IDX信号のパルス数がカウントされ、この例では、そのMST−IDX信号の7個目のパルスカウント出力に同期した時刻に立ち上がり、8個目のパルスカウント出力に同期した時刻に立ち下がる。図13(H)に示すトレイ1表面用のCVV信号は、CVV開始タイミング発生後、図示しないCIDXカウンタによって、CIDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のCIDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻で立ち上がる。
CVV信号の「H」レベル期間は、実際のCIDX信号のパルス数をカウントして決定される。このCVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙P1の表面にC色作像処理がなされる。このC色作像処理終了後に、C色作像用のポリゴンミラー42Cの回転速度・位相制御が実行される。なお、Cユニット3C’における動作は、Yユニット3Y’と同様であるためその説明を省略する。この例では、ポリゴンモータ36Cの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Cの回転が安定するまでの整定時間Tc’を待ってトレイ2から繰り出された用紙へのC色作像処理を開始するようになされる。
図13(I)に示すKVV開始タイミングは、図示しないMST−IDXカウンタによって、YVV開始タイミング、MVV開始タイミング及びCVV開始タイミング発生後もMST−IDX信号のパルス数がカウントされ、この例では、そのMST−IDX信号の10個目のパルスカウント出力に同期した時刻に立ち上がり、11個目のパルスカウント出力に同期した時刻に立ち下がる。図13(J)に示すトレイ1表面用のKVV信号は、KVV開始タイミング発生後、図示しないKIDXカウンタによって、図13(K)に示すKIDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のKIDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻で立ち上がる。KVV信号の「H」レベル期間は、実際のKIDX信号のパルス数をカウントして決定される。このKVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ1からの用紙P1の表面にK色作像処理がなされる。
この例では、最終色(K色)のKVV信号が立ち上がった後、時刻T15に、図13(M)に示すMST−IDX用の分周設定値がトレイ1表面用設定値からトレイ2表面用設定値へ書き換えられる。この設定値のり切り換えは、Y色作像用のポリゴンミラー42Yの回転速度・位相制御が実行され、その位相変更制御前であって、図13(K)に示すKIDX信号に同期して立ち上がるKVV信号の立ち上がりをトリガにして実行される。この例では、ポリゴンモータ36Kの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Kの回転が安定するまでの整定時間Tk’を待ってトレイ2から繰り出された用紙へのK色作像処理を開始するようになされる。
[トレイ2表面の制御例]
また、トレイ1からの用紙P1への表面のY色作像が完了して、Y色作像用のポリゴンミラー42Yの位相変更制御も完了した後に、CPU55’の給紙制御によって、用紙P2がトレイ2から画像形成系へ繰り出される。トレイ2から繰り出された用紙P2の先端は、図13(A)に示す時刻T16で検出され、トレイ2表面用のVTOP信号が立ち上がる。
このVTOP信号の立ち上がり後、図示しないMST−IDXカウンタによって、MST−IDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のMST−IDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻T17で図13(B)に示すトレイ2表面用のYVV開始タイミング信号が立ち上がる。その後、YVV開始タイミング信号は、MST−IDX信号の2個目のパルスカウント出力に同期した時刻T18で立ち下がる。
図13(C)に示すトレイ2表面用のYVV信号は、YVV開始タイミング発生後、図示しないYIDXカウンタによって、図13(D)に示したYIDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のYIDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻T19で立ち上がる。この例では、トレイ2表面用のYVV信号が立ち上がった後に、K色作像処理が終了し、その後、K色作像用のポリゴンミラー42Kの回転速度・位相制御が実行される。なお、Kユニット3K’における動作は、Yユニット3Y’と同様であるためその説明を省略する。
図13(C)に示すトレイ2表面用のYVV信号は、YVV開始タイミング発生後、図示しないYIDXカウンタによって、図13(D)に示したYIDX信号のパルス数がカウントされ、その最初のYIDX信号のパルスカウント出力に同期した時刻T19で立ち上がる。YVV信号の「H」レベル期間は、実際のYIDX信号のパルス数をカウントして決定される。このYVV信号の「H」レベルの期間に、トレイ2からの用紙P2の表面にY色作像処理がなされる。このY色作像処理終了後に、Y色作像用のポリゴンミラー42Yの回転速度・位相制御が実行される。なお、Yユニット3Y’のトレイ2表面における動作は、Yユニット3Y’のトレイ1表面と同様であるためその説明を省略する。
このように、第2の実施例に係るカラー複写機200によれば、擬似IDX生成回路12を備え、MST−IDX信号に基づいて倍率補正前後の各色作像におけるポリゴンミラーの回転速度・位相変更制御を同時に実行する。これを前提にして、Y色作像を基準とした場合、CPU55’からY−CNTPRED信号及びY−PHASE信号が設定されたYユニット3Y’の演算&比較部303では、(3)式に基づいて倍率補正制御後のMST−IDX信号とY色作像用のYIDX信号との位相差P2’を演算する。これと共に、Yユニット3Y’の演算&比較部303は、先に説明した(4)式から、倍率補正制御後の当該Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点E2’を演算するようになされる。M〜Kユニット3M’〜3K’についても同様に演算するようになされる。
従って、ポリゴンミラー42Yの速度制御及び位相制御を同時に、ポリゴンミラー42Mの速度制御及び位相制御を同時に、ポリゴンミラー42Cの速度制御及び位相制御をポリゴンミラー42Cの速度制御及び位相制御を同時に、更に、ポリゴンミラー42Kの速度制御及び位相制御を各々同時に実行できるので、従来方式に比べてポリゴンミラー42Y〜42Kの回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。これにより、倍率補正制御動作時の生産性の低下を抑制することができ、カラー画像の連続高速動作に寄与するところが大きい。換言すると、当該トレイ1の作像終了と共に、従来方式の約半分の整定時間を待った後に、次のトレイ2の作像を開始できるので、倍率補正制御動作を実行する際にも、倍率補正制御動作を実行しないときと同じ生産性を確保できるようになる。
図14は、第3の実施例に係るカラー複写機300の制御系の構成例を示すブロック図である。
図14に示すカラー複写機300は、二つの擬似主走査基準信号に基づいて用紙Pの所定の面における色作像制御を実行するものである。カラー複写機300には、擬似IDX生成回路12’、画像メモリ13、制御装置15”、画像処理部16、通信部19、給紙部20、操作パネル48、画像形成部60”及び画像読取装置102が備えられ、これらは制御装置15”に接続される。
擬似IDX生成回路12’は、カラー画像形成時の基準信号であって、所定の周期が任意に設定可能な第1及び第2のMST−IDX信号を作成するようになされる。擬似IDX生成回路12’は、例えば、第1の周期を有した第1のMST−IDX1信号と、第1の周期よりも短い第2の周期を有した第2のMST−IDX2信号とを作成する。このMST−IDX1信号を使用して用紙表面を作像し、MST−IDX2信号を使用して用紙裏面を作像する。
制御装置15”は、ROM53,RAM54及びCPU55”を有している。この例で、擬似IDX生成回路12’が、MST−IDX1及びMST−IDX2信号を作成する場合であって、CPU55”は、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号に基づいて用紙P1の他方の面、あるいは、次の用紙P2の一方の面における作像開始タイミングを決定する他に、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号の周期を設定し、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号に基づいて倍率補正前後の各色作像におけるポリゴンミラーの回転速度変更及び位相変更制御を同時に実行する。
制御装置15”には画像形成部60”が接続されている。画像形成部60”は、Y,M,C,K色用の画像書込みユニット3Y”,3M”,3C”,3K”を有しており、Y,M,C,K色用の画像メモリ13からY,M,C,K色用の画像データDy,Dm,Dc,Dkを入力し、MST−IDX1又はMST−IDX2信号、選択制御信号SS1、SS2、CNTPRD信号、PHASE信号に基づいて用紙Pの所定の面に画像を形成するように動作する。なお、第1及び第2の実施例で説明した同じ名称及び同じ符号のものは、同じ機能を有するためのその説明を省略する。
図15は、図14から抽出したY色作像用の画像書込みユニット3Y”及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。図15に示すY色作像用の画像書込みユニット3Y”は、水晶発振器11、擬似IDX生成回路12’及びCPU55”に接続される。
第2の実施例と異なるところは、擬似IDX生成回路12’がCLK1信号に基づいてMST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を作成する点である。CLK1信号は、水晶発振器11から擬似IDX生成回路12’及びポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力される。
この例で、CPU55”は、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号の周期を設定して、図示しないIDXカウンタ回路の出力値を基準にして位相制御を実行する。例えば、ポリゴン駆動CLK生成回路39Yには図示しないセレクタが備えられ、選択制御信号SS1に基づいてMST−IDX1信号又はMST−IDX2信号のいずれかを選択するようになされる。
CPU55”は、シーケンスプログラムに基づいて選択制御信号SS1をポリゴン駆動CLK生成回路39Yに出力する。選択制御信号SS1は、ポリゴンミラー42Y等の面位相制御の開始前に設定される。同様にして、CPU55”は、シーケンスプログラムに基づいて選択制御信号SS2をタイミング信号発生器40”に出力する。選択制御信号SS2は、裏面作像又はトレイ切り換えを指示する制御コマンドに基づいて発生され、画像先端信号(以下VTOP信号という)が立ち上がる前に設定される。VTOP信号は、用紙Pの搬送タイミングと作像タイミングとを合わせるための信号である。
この例で、選択制御信号SS1及びSS2は、ロー・レベル(以下「L」レベルという)で例えば表面又はトレイ1の選択を示し、ハイ・レベル(以下「H」レベルという)で裏面又はトレイ2等の選択を各々示している。このようにすると、Y色用のポリゴンモータ36に供給するYP−CLK信号の周波数を他のM,C,K色用の画像形成ユニット10M,10C,10K毎に独立してCPU55”で制御できるようになる。
上述の擬似IDX生成回路12には、Y色作像用の作像開始タイミングを決定するためのタイミング信号発生器40”が接続される。タイミング信号発生器40”は、表面作像時に、CPU55”から出力されるVTOP信号及び選択制御信号SS2に基づいて、擬似IDX生成回路12’から出力されるMST−IDX1信号又はMST−IDX2信号を選択すると共に、そのMST−IDX1信号又はMST−IDX2信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用の作像開始タイミングを決定する。このY色作像用の作像開始タイミングの決定と共に、作像開始信号(以下STT信号という)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40”から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用の副走査有効領域信号(以下YVV信号という)を作成する。YVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。
また、タイミング信号発生器40”は、例えば、裏面作像開始直前に、CPU55”から出力されるVTOP信号及び選択制御信号SS2に基づいて、擬似IDX生成回路12’から出力されるMST−IDX1信号又はMST−IDX2信号を選択すると共に、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用の作像開始タイミングを決定する。このY色作像用の作像開始タイミングの決定と共に、STT信号(作像開始信号)がY−VV作成回路41Yに出力される。
Y−VV作成回路41Yは、タイミング信号発生器40”から出力されるSTT信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面におけるY色作像用のYVV信号を作成する。YVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。
また、水晶発振器11、擬似IDX生成回路12及びCPU55’には、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”が接続され、YIDX信号、CLK1信号、MST−IDX信号、Y−CNTPRD信号に基づいてY色作像用のポリゴン駆動クロック信号(YP−CLK信号)を生成するように動作する。
Y−CNTPRD信号は、表裏面作像時、CPU55”からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。YIDX信号は、インデックスセンサ38Yからポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。CLK1信号は水晶発振器11からポリゴン駆動CLK生成回路39Yへ出力される。MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号は、擬似IDX生成回路12からポリゴン駆動CLK生成回路39Y”へ出力される。ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”の内部構成例については、図10を参照されたい。なお、他の色作像用の画像書込みユニット3M’,3C’,3K’についても同様な構成及び機能を有するので、その説明は省略する。
この例で、水晶発振器31、画素CLK生成回路32、水平同期回路33、PWM信号生成回路34、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”、タイミング発生器40”及びY−VV生成回路41Yを画像書込みユニット3Y”に含めて説明したが、これに限られることはなく、これらの回路要素を画像処理部16あるいは制御装置15”内に含めて構成してもよい。
続いて、カラー複写機300の動作例について説明する。図16(A)〜(O)は、カラー複写機300の倍率補正制御前後の動作例を示すタイムチャートである。この実施例では、用紙の表裏面作像切り換え時に、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号に基づいて用紙Pの裏面における作像開始タイミングを決定すると共、各色のポリゴンミラー42Y〜42Kの回転速度・位相制御に同時に実行する。その際に、用紙裏面におけるYP−CLK信号の立ち上がりタイミングを決定するようになされる。
図16(O)において、T1はMST−IDX1信号をカウントソースとして、表面作像時のYVV信号、MVV信号及びCVV信号の開始タイミングを決める期間を示している。なお、表面作像時のYVV信号、MVV信号及びCVV信号の各々の副走査有効領域幅(VV幅)は、インデックスセンサ38Yから得られる実際のYIDX信号、MIDX信号及びCIDX信号等を使用して決定する。ポリゴンミラー42Y等の速度・位相制御時の基準IDX信号には、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号を例えば、交互に使用するようになされる。
また、図16(O)において、T2はCPU55”によって選択された、MST−IDX2信号をカウントソースとして、裏面作像時のYVV信号、MVV信号及びCVV信号の開始タイミングを決める期間を示している。なお、裏面作像時のYVV信号、MVV信号及びCVV信号の各々の副走査有効領域幅(VV幅)は、インデックスセンサ38Yから得られる実際のYIDX信号、MIDX信号及びCIDX信号等を使用して決定する。ポリゴンミラー42Y等の速度・位相制御時の基準IDX信号には、MST−IDX2信号を使用する。
この例では、中間転写ベルト6に作像されたカラートナー像は、K色,C色,M色及びY色の順に副走査方向に搬送される。従って、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kでは、Y色,M色,C色及びK色の順に作像される。各々の画像書込みユニット3Y”,3M”,3C”,3K”では、擬似的なMST−IDX1信号又はMST−IDX2信号を基準にして速度・位相制御を実行する。
表面作像時のY色作像用のSTT信号(作像開始信号)は、MST−IDX1信号でラッチしたものを画像書込みユニット3Y”のY−VV作成回路41Yに入力し、これをカウントすることでYVV信号の開始タイミングを決定する。このY色作像用のSTT信号(作像開始信号)を基準にして、画像書込みユニット3Y”のYIDX信号をカウントしてYVV信号を作成する。以下、表面作像時、表裏面切り換え時及び裏面作像時の3つに分けて説明をする。
[表面作像時]
これらを動作条件にして、図16(N)に示す時刻t1において、MST−IDX1信号に同期して、図16(A)で表面作像を示すVTOP信号(画像先端信号)が立ち上がり、そのVTOP信号がCPU55”から各々の色作像用のタイミング信号発生器40”、Y−VV生成回路41Y、Y−VV生成回路41M、C−VV生成回路41C、K−VV生成回路41Kへ各々出力される。
その後、タイミング信号発生器40”では図16(N)に示したMST−IDX1信号のパルス数がカウントされ、図16(D)に示す時刻t2でY色作像用のSTT信号(以下SST−Y信号という)が立ち上がる。このSTT−Y信号は、Y色作像用の画像形成ユニット10Yの表面作像開始を指示する作像開始信号である。このSTT−Y信号が時刻t3で立ち下がり、更に、Y−VV生成回路41Yで、STT−Y信号に基づいてMST−IDX1信号のパルス数がカウントされ、Y−VV生成回路41Yは、図16(E)に示す時刻t4でYVV信号を立ち上げる。
例えば、Y−VV作成回路41Yでは、CPU55”から出力されるVTOP信号及び「L」レベルの選択制御信号SS2に基づき、擬似IDX生成回路12’から出力されるMST−IDX1信号を選択すると共に、VTOP信号に基づいてYIDX信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙表面におけるY色作像用のYVV信号(Y色作像用の副走査有効領域信号)を作成する。
図16(E)に示すYVV信号は、Y色作像用の画像メモリ83等に出力される。このとき、図15に示した水平同期回路33は、YIDX信号に基づいて水平同期信号Shを検出してPWM信号生成回路34に出力するように動作する。図16(F)に示すYIDX信号は、Y色作像用のインデックスセンサ38Yから水平同期回路33へ出力される他に、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”に出力される。
PWM信号生成回路34は、水平同期信号Sh及びY色作像用の画像データDyを入力し、画像データDyをパルス幅変調してY色作像用のレーザ駆動信号SyをLD駆動回路35に出力するように動作する。LD駆動回路35は、レーザ駆動信号Syに基づいてレーザダイオードを駆動し、所定強度のY色作像用のレーザビームLYを発生し、ポリゴンミラー42Yに向けて輻射するようになされる。
また、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”は、YIDX信号、CLK1信号、MST−IDX1信号、MST−IDX2信号、Y−CNTPRD信号、「L」レベルの選択制御信号SS1に基づいてYP−CLK信号を生成する。
モータ駆動回路37Yは、YP−CLK信号に基づいてポリゴンモータ36Yを駆動する。ポリゴンモータ36Yは、ポリゴンミラー42Yを回転するように動作する。モータ駆動回路37Yに接続されたレーザダイオードは、レーザビームLYを輻射し、レーザビームLYは、副走査方向に回転する感光体ドラム1Yに対して、ポリゴンミラー42Yが回転されることで主走査される。この主走査で、静電潜像が感光体ドラム1Yに書き込まれる。感光体ドラム1Yに書き込まれた静電潜像は、Y色作像用のトナー部材により現像される。感光体ドラム1Y上のY色トナー画像は、副走査方向に回転する中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
そして、Y色作像中も、更に、MST−IDX1信号のパルス数がカウントされ、MST−IDX1信号に基づいて図16(G)に示すM色作像用の作像開始信号(STT−M信号)が立ち上がった後、順次、図16(H)に示す時刻t5で、MVV信号が立ち上がり、MST−IDX1信号に基づいて図16(I)でC色作像用の作像開始信号(STT−C信号)が立ち上がった後、時刻t6で、図16(J)に示すCVV信号が立ち上がり、MST−IDX1信号に基づいて図16(K)で、K色作像用の作像開始信号(STT−K信号)が立ち上がった後、図16(L)に示す時刻t7で、KVV信号が立ち上がる。M、C,K色作像用の画像書込みユニット3M”、3C”,3K”においても、上述したような処理がなされる。なお、Y色作像が完了して、図16(E)に示す時刻t8でYVV信号が立ち下がると、画像書込みユニット3Y”では、用紙裏面のY色作像に対して、図16(F)に示すYIDX信号に基づいて回転速度・位相変更制御がなされる。
[表裏面切り換え時]
この例で、CPU55”は、シーケンスプログラムに基づいて選択制御信号SS1をポリゴン駆動CLK生成回路39Y”に出力し、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号に基づいてY色のポリゴンミラー42Yの回転速度・位相制御を実行する。例えば、CPU55”から画像書込みユニット3Y”には、Y−CNTPRED信号及びY−PHASE信号が設定される。このY−CNTPRED信号及びY−PHASE信号が設定された画像書込みユニット3Y”では、図16(E)に示す時刻t8でYVV信号の立ち下がりを検出して、図16(B)に示す時刻t9で選択制御信号SS1を「H」レベルに立ち上げる。この「H」レベルの選択制御信号SS1は周波数制御信号Sgと共に、CPU55”から各々の色用のポリゴン駆動CLK生成回路39Y”,39M”,39C”,39K”に出力される。
ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”では、図11及び図12に示した例を適用すると、倍率補正制御前のYP−CLK信号のカウンタ出力値N1と、倍率補正制御後のYP−CLK信号のカウンタ出力値N2と、擬似インデックス生成回路12’内のIDXカウンタ回路のカウント基点、すなわち、MST−IDX1信号又はMST−IDX2信号の立ち上がり時刻t21と、Y色作像用のYIDX信号の立ち上がり時刻t23との位相差P1’と、ポリゴンミラー42Yの位相制御量ΔPを入力して、上述した(3)式に基づいて倍率補正制御後のMST−IDX1又はMST−IDX2信号とY色作像用のYIDX信号との位相差P2’を演算する。
これと共に、ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”では、例えば、図11(A)に示したMST−IDX信号の立ち上がり時刻t21、すなわち、IDXカウンタ回路401のカウント基点と、図11(D)に示したYP−CLK信号の立ち上がり時刻t22、すなわち、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点との間の位相差A1’と、図12(B)に示したIDXカウンタ回路401のカウント基点(時刻t31)と、Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点(時刻t32)との間の位相差A2’と、倍率補正制御前のY色作像用のカウンタ基点E1’とを入力して、先に説明した(4)式から、倍率補正制御後の用紙裏面(次ページ)の当該Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点E2’を演算するようになされる。
この演算によって、用紙裏面におけるYP−CLK信号の立ち上がりタイミングを決定することができる。ポリゴン駆動CLK生成回路39Y”では、カウンタ回路43Yのカウント基点E2’に基づいて生成され、位相調整された裏面作像用のYP−CLK信号がポリゴンモータ36Yに出力するようになされる。他の画像書込みユニット3M”,3C”,3K”においても、同様な演算処理がなされる。
[裏面作像時]
この例では、用紙裏面作像時、CPU55”は、MST−IDX2信号に基づいて用紙裏面作像信号(VTOP信号)を立ち上げ、このVTOP信号に基づいてMST−IDX2信号のパルス数をカウントし、当該パルスカウント数に基づいて用紙裏面における作像開始タイミングを決定する。また、ポリゴンモータ36Yの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Yの回転が安定するまでの整定時間Ty”を待って用紙裏面へのY色作像処理を開始するようになされる。
また、図16(H)に示した時刻t10でM色作像が完了して、MVV信号が立ち下がると、画像書込みユニット3M”では、回転速度・位相変更制御がなされる。この例では、ポリゴンモータ36Mの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Mの回転が安定するまでの整定時間Tm”を待って時刻t17で用紙裏面へのM色作像処理を開始するようになされる。
更に、図16(A)に示す時刻t12でC色作像が完了して、CVV信号が立ち下がると、画像書込みユニット3C”では、回転速度・位相変更制御がなされる。この例では、ポリゴンモータ36Cの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Cの回転が安定するまでの整定時間Tc”を待って時刻t18で用紙裏面へのC色作像処理を開始するようになされる。
また、図16(L)に示す時刻t16でK色作像が完了して、KVV信号が立ち下がると、画像書込みユニット3K”では、回転速度・位相変更制御がなされる。この例では、ポリゴンモータ36Kの回転速度変更後、ポリゴンミラー42Kの回転が安定するまでの整定時間Tk”を待って時刻t19で用紙裏面へのK色作像処理を開始するようになされる。
このように、第3の実施例に係るカラー複写機300によれば、擬似IDX生成回路12’を備え、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号に基づいて倍率補正前後の各色作像におけるポリゴンミラーの回転速度・位相変更制御を同時に実行する。これを前提にして、Y色作像を基準とした場合、CPU55”からY−CNTPRED信号及びY−PHASE信号が設定された画像書込みユニット3Y”では、(3)式に基づいて倍率補正制御後のMST−IDX1信号又はMST−IDX2信号とY色作像用のYIDX信号との位相差P2’を演算する。これと共に、画像書込みユニット3Y”は、先に説明した(4)式から、倍率補正制御後の当該Y色作像用のカウンタ回路43Yのカウント基点E2’を演算するようになされる。画像書込みユニット3M”〜3K”についても同様に演算するようになされる。
従って、ポリゴンミラー42Yの速度制御及び位相制御を同時に、ポリゴンミラー42Mの速度制御及び位相制御を同時に、ポリゴンミラー42Cの速度制御及び位相制御をポリゴンミラー42Cの速度制御及び位相制御を同時に、更に、ポリゴンミラー42Kの速度制御及び位相制御を各々同時にできるので、従来方式に比べてポリゴンミラー42Y〜42Kの回転が安定するまでの整定時間を短縮することができる。
これにより、MST−IDX1信号及びMST−IDX2信号を適用した場合も、倍率補正制御動作時の生産性の低下を抑制することができ、カラー画像の連続高速動作に寄与するところが大きい。換言すると、当該トレイ1の作像終了と共に一定の安定時間を待った後に、次のトレイ2の作像を開始できるので、倍率補正制御動作を実行する際にも、倍率補正制御動作を実行しないときと同じ生産性を確保できるようになる。
この発明は、複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を備えた白黒及びカラー用のデジタル複合機や複写機等に適用して極めて好適である。
本発明の第1の実施例としてのカラー複写機100の構成例を示す概念図である。
カラー複写機100の制御系の構成例を示すブロック図である。
図2に示したY色作像用の画像書込みユニット3Y及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
各色作像用のポリゴンミラー駆動系の構成例を示すブロック図である。
(A)〜(F)は、画像形成部60における倍率補正制御前の動作例(YP−CLK基準時)を示すタイムチャートである。
(A)〜(F)は、画像形成部60における倍率補正制御後の動作例(YP−CLK信号基準時)を示すタイムチャートである。
(A)〜(H)は、カラー複写機100の倍率補正制御前後の動作例(Y色基準)を示すタイムチャートである。
第2の実施例としてのカラー複写機200の構成例を示すブロック図である。
図8に示したY色作像用の画像書込みユニット3Y’及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
擬似IDX生成回路を含むポリゴンミラー駆動系の構成例を示すブロック図である。
(A)〜(E)は、画像形成部60’における倍率補正制御前の動作例(MST−IDX基準時)を示すタイムチャートである。
(A)〜(E)は、画像形成部60’における倍率補正制御後の動作例(MST−IDX基準時)を示すタイムチャートである。
(A)〜(M)は、カラー複写機200の倍率補正制御前後の動作例(MST−IDX信号基準)を示すタイムチャートである。
第3の実施例に係るカラー複写機300の制御系の構成例を示すブロック図である。
図14から抽出したY色作像用の画像書込みユニット3Y”及びその周辺回路の構成例を示すブロック図である。
(A)〜(O)は、カラー複写機300の倍率補正制御前後の動作例を示すタイムチャートである。
(A)及び(B)は、両面作像時の紙サイズの収縮例を説明する図である。
(A)〜(I)は、従来例に係るY,M,C,K色用の画像書込みユニットにおけるトレイ切り換え時の画像サイズ補正例(K色基準)を示すタイムチャートである。
(A)〜(L)は、カラー画像形成装置の表裏倍率補正時の動作例(Y色基準)を示すタイムチャートである。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(像担持体)
2Y,2M,2C,2K 帯電器(画像形成手段)
3Y,3M,3C,3K 画像書込みユニット(画像形成手段)
4Y,4M,4C,4K 現像器(画像形成手段)
6 中間転写ベルト
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成手段)
12,12’ 擬似IDX生成回路(信号作成回路)
13,83 画像メモリ
15,15’,15” 制御装置
16 画像処理部
36Y,36M,36C,36K ポリゴンモータ
39Y,39M,39C,39K ポリゴン駆動CLK生成回路(信号生成回路)
40,40’,40” タイミング発生器
41Y Y−VV生成回路
42Y,42M,42C,42K ポリゴンミラー(多面鏡回転体)
43Y,43M,43C,43K カウンタ回路
55,55’,55” CPU(制御手段)
60,60’,60” 画像形成部(画像形成手段)
100,200,300 カラー複写機(画像形成装置)