以下、本発明の実施の形態について説明する。
<画像形成装置例>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。以下、図示するカラー画像形成でタンデム方式といわれる二次転写機構を有する電子写真方式の画像形成装置を例に説明する。
画像形成装置100は、中間転写ユニットを有する。また、この中間転写ユニットは、無端ベルトの中間転写ベルト10を有する。さらに、この中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14乃至16に掛けられ、時計回りに回転する。
中間転写体クリーニングユニット17は、作像プロセスの後、中間転写ベルト10の上に残留するトナーを除去する。
作像装置20は、クリーニングユニットと、帯電ユニット18と、除電ユニットと、現像ユニットと、感光体ユニット40とを色ごとに有する。
画像形成装置100は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)(以下括弧内の記号で色を示す場合がある。)等の各色の作像を行う作像装置20を有する。
作像装置20は、第1支持ローラ14と、第2支持ローラ15との間に設置される。また、作像装置20は、中間転写ベルト10の搬送方向に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の順で設置されるとする。なお、作像装置20は、画像形成装置100に対して脱着が可能でもよい。
光ビーム走査装置21は、画像形成を行うため、各色の感光体ユニット40が有する感光体ドラムにレーザ光を照射する。
二次転写ユニット22は、2つのローラ23と、二次転写ベルト24とを有する。
二次転写ベルト24は、無端ベルトである。また、二次転写ベルト24は、2つのローラ23に掛けられ、回転する。さらに、ローラ23及び二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を押し上げて、第3支持ローラ16に押し当てるように設置される。
二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10の上に形成される画像を、媒体へ転写する。なお、媒体は、例えば紙又はプラスチックシート等である。
定着ユニット25は、画像を媒体に定着させるプロセスを行う。定着ユニット25には、トナー画像が転写された媒体が送られる。また、定着ユニット25は、定着ベルト26と、加圧ローラ27とを有する。定着ベルト26は無端ベルトである。なお、定着ベルト26及び加圧ローラ27は、定着ベルト26に、加圧ローラ27を押し当てるように設置される。また、定着ユニット25は、加熱を行う。
シート反転ユニット28は、送られる媒体の表面と裏面を反転させる。なお、シート反転ユニット28は、表面に画像形成した後、裏面に画像形成する場合に用いられる。
自動給紙装置(ADF(Auto Document Feeder))400は、操作ユニットが有するスタートボタンが押され、かつ、給紙台30の上に媒体がある場合には、媒体をコンタクトガラス32の上へ搬送する。一方で、自動給紙装置400は、給紙台30の上に媒体がない場合には、ユーザによって置かれるコンタクトガラス32の上の媒体を読み取るために、画像読み取りユニット300を起動させる。
画像読み取りユニット300は、第1キャリッジ33と、第2キャリッジ34と、結像レンズ35と、CCD(Charge Coupled Device)36と、光源とを有する。
画像読み取りユニット300は、コンタクトガラス32の上の媒体を読み取るために、第1キャリッジ33及び第2キャリッジ34を動作させる。
第1キャリッジ33が有する光源から、コンタクトガラス32に向かって、光が発光される。次に、第1キャリッジ33が有する光源からの光は、コンタクトガラス32の上の媒体で反射する。
反射した光は、第1キャリッジ33にある第1ミラーで、第2キャリッジ34に向かって反射する。次に、第2キャリッジ34で反射した光は、結像レンズ35を通して、読み取りセンサであるCCD36に結像される。
画像形成装置100は、CCD36から取得されるデータに基づいて、Y、M、C及びK、すなわち、各色の画像データを作成する。
画像形成装置100は、操作ユニットが有するスタートボタンが押される場合、PC(Personal Computer)等の外部装置から画像形成の指示がある場合、又はファクシミリの出力指示がある場合には、中間転写ベルト10の回転を開始する。
中間転写ベルト10の回転が開始されると、作像装置20は、作像プロセスを開始する。まず、トナー画像が転写された媒体は、定着ユニット25に送られる。次に、定着ユニット25が定着のプロセスを行うと、媒体に画像が画像形成される。
給紙テーブル200は、給紙ローラ42と、給紙ユニット43と、分離ローラ45と、搬送コロユニット48とを有する。また、給紙ユニット43は、複数の給紙トレイ44を有する。さらに、搬送コロユニット48は、搬送ローラ47を有する。
給紙テーブル200は、給紙ローラ42のうち、1つの給紙ローラを選択する。次に、給紙テーブル200は、選択される給紙ローラ42を回転させる。
給紙ユニット43は、複数の給紙トレイ44のうち、1つの給紙トレイを選択し、給紙トレイ44から媒体を送る。次に、送り出された媒体は、分離ローラ45によって1枚に分離され、搬送路46に送られる。続いて、搬送路46では、搬送ローラ47によって媒体が画像形成装置100に送る。
画像形成装置100に送られる媒体は、給紙路53を介してレジストローラ49へ送られる。次に、レジストローラ49へ送られた媒体は、レジストローラ49に突き当てて止められる。続いて、媒体は、トナー画像が二次転写ユニット22に進入する際に、二次転写ユニット22に送られる。
なお、媒体は、手差しトレイ51から送られてもよい。手差しトレイ51から媒体を送る場合、画像形成装置100は、給紙ローラ50を回転させる。次に、給紙ローラ50は、手差しトレイ51上にある複数の媒体から1枚の媒体に分離させる。続いて、給紙ローラ50は、分離させた媒体を給紙路53へ送る。さらに、給紙路53へ送られる媒体は、レジストローラ49へ送られる。また、媒体がレジストローラ49へ送られた以降の処理は、例えば、給紙テーブル200から媒体を送る場合と同様である。
媒体は、定着ユニット25によって定着が行われ、排出される。また、定着ユニット25から排出される媒体は、切換爪55によって、排出ローラ56に送られる。次に、排出ローラ56は、送られる媒体を排紙トレイ57に送り、排紙する。
また、切換爪55は、定着ユニット25から排出された媒体をシート反転ユニット28に送ってもよい。シート反転ユニット28は、送られてきた媒体の表面と裏面を反転させる。反転させられた媒体は、表面と同様に裏面に画像形成が行われ、排紙トレイ57へ送られる。
一方、中間転写ベルト10に残るトナーは、中間転写体クリーニングユニット17によって除去される。画像形成装置100は、中間転写ベルト10に残るトナーが除去されると、次の画像形成を行う。
<作像装置例>
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する作像装置の構成の一例を示す概略図である。
作像装置20は、中間転写ベルト10と、中間転写体クリーニングユニット17と、二次転写ユニット22とを有する。さらに、作像装置20は、色ごとに、すなわち、この例では、4つの光ビーム走査装置21と、4つの作像ユニット20Uとを有する。
作像装置20は、複数の色、すなわち、4色の画像を中間転写ベルト10上に重ねて形成し、カラー画像を画像形成する。すなわち、作像装置20は、作像プロセスを行う。具体的には、電子写真方式における画像形成のプロセスは、帯電、露光、現像、転写及び定着の5つのプロセス等が行われる。そのうち、作像プロセスは、例えば、帯電、露光、現像及び転写である。
作像装置20では、まず、光ビーム走査装置21から感光体ユニット40に、光ビームが入射される。したがって、感光体ユニット40には、画像データに基づいて変調される光ビームが入射される。
各感光体ユニット40の周辺には、クリーニングユニット13と、帯電ユニット18と、除電ユニット19と、現像ユニット29とがそれぞれ設置される。
帯電ユニット18は、帯電のプロセスを行う。なお、帯電のプロセスは、帯電ユニット18が感光体ユニット40の表面を帯電させるプロセスである。
帯電した感光体ユニット40は、光ビームにより露光のプロセスが行われる。なお、露光のプロセスは、感光体ユニット40の表面に、静電潜像が形成されるプロセスである。
現像ユニット29は、現像のプロセスを行う。なお、現像のプロセスは、感光体ユニット40に形成される静電潜像に対してトナーを付着させ、トナー画像を形成するプロセスである。また、現像ユニット29には、トナーボトルからトナーの供給が行われる。
現像ユニット29は、現像ローラを有する。この現像ローラは、現像のプロセスにおいて、感光体ユニット40に対して、トナーを付着させる。そのため、現像ローラが停止又は減速すると、現像ユニット29から出るトナーの量は、少なくなる。
次に、トナー画像は、転写器62によって中間転写ベルト10上へ転写される。続いて、作像された各色のトナー画像は、中間転写ベルト10の上で重ねられ、1つのトナー画像となる。なお、転写の後、除電ユニット19は、感光体ユニット40を除電し、クリーニングユニット13は、クリーニングを行う。
また、転写されたトナー画像が二次転写ユニット22に送られると、媒体は、二次転写ユニット22に送られる。これにより、二次転写ユニット22に送られる媒体に、中間転写ベルト10の上のトナー画像が、転写される。
次に、二次転写ユニット22は、中間転写ベルト10に形成される4色のトナー画像を媒体へ転写する。その後、定着ユニット25が定着のプロセスを行う。このように、定着までのプロセスが行われると、媒体上に画像が形成される。なお、中間転写体クリーニングユニット17は、転写プロセスの後、4色のカラーのトナー画像を除去する。
また、位置ずれ補正等を行うため、第1センサSEN1及び第2センサSEN2が設置される。なお、第1センサSEN1及び第2センサSEN2は、例えば、反射型の光学センサ等である。具体的には、第1センサSEN1及び第2センサSEN2は、位置ずれ補正等のために、中間転写ベルト10の上に形成される所定の形状のパターン(以下「補正用パターン」という。)を検出する。この検出結果に基づいて、色ごとに、主走査方向及び副走査方向の位置ずれが補正される。なお、この検出結果に基づいて、主走査方向の倍率等が補正されてもよい。
<光ビーム走査装置例>
図3は、本発明の一実施形態に係る作像装置が有する光ビーム走査装置の構成の一例を示す概略図である。図示するように、光ビーム走査装置21は、ポリゴンミラー11と、fθレンズ12と、LD(Laser Diode)制御ボード31と、折り返しミラー37と、同期ミラー38と、同期レンズ39と、シリンダレンズ41と、同期センサ54とを有する。なお、各色の構成は、例えば、同一である。以下、同一である場合を例に説明する。そのため、重複する説明を省略する。
図示する例では、光ビーム走査装置21は、LD制御ボード31が光源を有する。まず、LD制御ボード31が有する光源は、画像データに基づいて制御され、発光する。そのため、例えば、光ビーム走査部の例である光ビーム走査装置21に、画像データが入力するのを停止させると、光ビーム走査装置21は、感光体に対して照射しなくなる。ゆえに、画像データが入力するのを停止させると、感光体に静電潜像が形成されるのが制限される。また、感光体に静電潜像が形成されないと、補正用パターン等の形成は、制限される。すなわち、光ビーム走査装置21に画像データが入力するのを停止させると、画像形成装置は、補正用パターン等の形成を制限することができる。
次に、LD制御ボード31から発光される光ビームは、シリンダレンズ41を通り、ポリゴンミラー11に入射する。続いて、ポリゴンミラー11は、モータ等によって回転し、入射してきた光ビームを反射させる。また、ポリゴンミラー11が回転することで、光ビームは、偏向される。さらに、ポリゴンミラー11で反射し、fθレンズ12を通して折り返しミラー37に光ビームが入射されると、光ビームは、感光体ドラム上を走査する。
また、主走査方向において、書き出しが行われる端部には、例えば、図示するように、同期ミラー38と、同期レンズ39と、同期センサ54とが設置される。まず、fθレンズ12を通して、光ビームは、同期ミラー38に入射する。次に、光ビームは、同期ミラー38で反射する。続いて、同期ミラー38で反射した光ビームは、同期レンズ39で集光される。さらに、集光された光ビームは、同期センサ54に入射する。このようにして、同期センサ54は、入射する光ビームから主走査方向において、書き出し開始のタイミングを検出する。
図4は、本発明の一実施形態に係る作像装置が有する光ビーム走査装置及びその周辺のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図示する構成例は、1色分の光ビーム走査装置の構成である。
光ビーム走査装置21には、ポリゴンモータ制御装置211と、LD制御装置212と、同期検出用点灯制御装置213と、画素クロック生成装置214と、書出開始位置制御装置215とが接続される。さらに、ポリゴンモータ制御装置211等には、プリンタ制御装置1が接続される。さらにまた、プリンタ制御装置1には、第1センサSEN1、第2センサSEN2及び記憶装置MEMが接続される。
LD制御ボード31から発光される光ビームは、同期センサ54等によって検出される。次に、光ビームが検出されると、同期センサ54は、同期検出信号XDETPを出力する。また、同期検出信号XDETPは、同期検出用点灯制御装置213と、画素クロック生成装置214と、書出開始位置制御装置215とに送られる。
同期検出用点灯制御装置213は、同期検出信号XDETPを生成するため、LD強制点灯信号BDをONにする。次に、LD強制点灯信号BDがONとなると、LD制御装置212は、LD制御ボード31に光ビームを発光させる。一方で、同期検出信号XDETPが出力された後は、同期検出信号XDETP及び画素クロック信号PCLKに基づいて、同期検出用点灯制御装置213は、LD制御ボード31に光ビームを発光させる。具体的には、フレア光が発生しない程度、かつ、同期検出信号XDETPが生成できるようなタイミングで、LD制御装置212は、LD制御ボード31に光ビームを発光させる。さらに、同期検出信号XDETPが検出されると、同期検出用点灯制御装置213は、LDを消灯させるようなLD強制点灯信号BDを生成し、LD制御装置212に送る。
また、LDの光量制御タイミング信号APCは、同期検出信号XDETP及び画素クロック信号PCLKに基づいて、生成される。次に、光量制御タイミング信号APCは、LD制御装置212に送られる。また、光量制御タイミング信号APCに基づく処理は、画像書き込み領域外で行われる。すなわち、光量制御タイミング信号APCが送られるタイミングで、光量を調整する制御等が行われる。
LD制御装置212は、LD強制点灯信号BD、光量制御タイミング信号APC及び画素クロック信号PCLKに同期した画像データDIMGを示す信号に基づいて、LD制御ボード31に光ビームを発光させる。そして、LD制御ボード31から光ビームが発光されると、ポリゴンミラー11に、光ビームが入射される。次に、ポリゴンミラー11によって偏向された光ビームは、fθレンズ12を通して、感光体ユニット40上を走査する。
ポリゴンモータ制御装置211は、プリンタ制御装置1からの制御信号に基づいて、ポリゴンモータを所定の回転数で回転させる制御を行う。
書出開始位置制御装置215は、プリンタ制御装置1からの制御信号、同期検出信号XDETP及び画素クロック信号PCLK等に基づいて、書出開始タイミング及び画像の幅を決定する信号を生成する。なお、書出開始タイミング及び画像の幅を決定する信号は、主走査制御信号XRGATE及び副走査制御信号XFGATEである。
第1センサSEN1及び第2センサSEN2は、補正用パターンを検出すると、検出結果をプリンタ制御装置1に送る。次に、プリンタ制御装置1は、検出結果に基づいて、位置ずれ量を計算する。続いて、プリンタ制御装置1は、位置ずれ量に基づいて、補正データを生成する。さらに、プリンタ制御装置1は、補正データに基づいて、画素クロック生成装置214及び書出開始位置制御装置215の設定を行う。また、プリンタ制御装置1は、記憶装置MEMに補正データを記憶させる。すなわち、記憶装置MEMに記憶される補正データは、画像形成を行う際に、プリンタ制御装置1によって読み出され、画素クロック生成装置214及び書出開始位置制御装置215の設定が行われる。
画素クロック生成装置214は、基準クロック生成装置2141と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)クロック生成装置2142と、位相同期クロック生成装置2143とを有する。
基準クロック生成装置2141は、基準クロック信号FREFを生成する。
VCOクロック生成装置2142は、VCOクロック信号VCLKを生成する。
図5は、本発明の一実施形態に係るVCOクロック生成装置の構成例を示すブロック図である。図示するように、VCOクロック生成装置2142は、位相比較器21421と、ローパスフィルタ(Low Pass Filter)21422と、VCO21423と、1/N分周器21424とを有する。
位相比較器21421には、基準クロック生成装置2141から基準クロック信号FREFと、1/N分周器21424によって1/Nに分周されるクロック信号とが入力される。また、位相比較器21421は、入力される2つの信号の立ち下がりエッジの位相を比較し、誤差成分を所定の電流で出力する。
ローパスフィルタ21422は、位相比較器21421の出力から高周波成分を取り除き、直流電圧を出力する。
VCO21423は、ローパスフィルタ21422の出力に基づいて、所定の周波数であるVCOクロック信号VCLKを出力する。
1/N分周器21424は、入力されるVCOクロック信号VCLKを、設定される分周比Nで1/Nに分周する。
なお、プリンタ制御装置1から基準クロック信号FREFの周波数と、分周比Nは、設定が可能である。したがって、画素クロック生成装置214に対して、基準クロック信号FREFの周波数と、分周比Nの値とを変更する設定を行うことで、VCOクロック信号VCLKの周波数が変更される。
図4に戻り、位相同期クロック生成装置2143には、VCOクロック生成装置2142から入力されるVCOクロック信号VCLKと、同期検出信号XDETPとが入力される。また、位相同期クロック生成装置2143は、同期検出信号XDETPに同期させた画素クロック信号PCLKを同期検出用点灯制御装置213等に出力する。
図6は、本発明の一実施形態に係る書出開始位置制御装置の構成例を示すブロック図である。図示するように、書出開始位置制御装置215は、主走査ライン同期信号発生器2151を有する。また、書出開始位置制御装置215は、主走査用及び副走査用に、カウンタ2152、コンパレータ2153及び制御信号生成器2154をそれぞれ有する。
書出開始位置制御装置215は、主走査制御信号XRGATE及び副走査制御信号XFGATEを生成する。なお、主走査制御信号XRGATEは、主走査方向において、画像データを示す信号の取り込み、すなわち、画像の書き出しタイミングを示すように生成される。一方で、副走査制御信号XFGATEは、副走査方向において、画像データを示す信号の取り込み、すなわち、画像の書き出しタイミングを示すように生成される。
各カウンタ2152は、カウンタ動作信号XLSYNCが入力されると、動作する。
主走査用のコンパレータ2153は、カウンタ動作信号XLSYNC及び画素クロック信号PCLKに基づいて動作する主走査用のカウンタ2152が示す値と、第1設定値SET1とを比較する。なお、第1設定値SET1は、プリンタ制御装置1(図4)から入力される。また、第1設定値SET1は、補正データに基づいて定まる値である。
主走査用の制御信号生成器2154は、主走査用のコンパレータ2153から出力される比較結果に基づいて、主走査制御信号XRGATEを生成する。
副走査用のカウンタ2152には、プリンタ制御装置1から印刷開始信号SRTが入力される。そして、副走査用のカウンタ2152は、印刷開始信号SRT、カウンタ動作信号XLSYNC及び画素クロック信号PCLKに基づいて動作する。
副走査用のコンパレータ2153は、副走査用のカウンタ2152が示す値と、第2設定値SET2とを比較する。なお、第2設定値SET2は、プリンタ制御装置1から入力される。また、第2設定値SET2は、補正データに基づいて定まる値である。
副走査用の制御信号生成器2154は、副走査用のコンパレータ2153から出力される比較結果に基づいて、副走査制御信号XFGATEを生成する。
書出開始位置制御装置215は、主走査方向において、画素クロック信号PCLKの単位、すなわち、1ドット単位で書出位置を補正できる。一方で、書出開始位置制御装置215は、副走査方向において、カウンタ動作信号XLSYNCの単位、すなわち、1ライン単位で書出位置を補正できる。
図7は、本発明の一実施形態に係る主走査方向における書出開始位置の制御例を示すタイミングチャートである。なお、以下の説明では、同期検出信号XDETP、カウンタ動作信号XLSYNC、主走査制御信号XRGATE及び副走査制御信号XFGATEは、ローレベルを有効とする信号、すなわち、ローアクティブ信号とする例で説明する。
カウンタ動作信号XLSYNCによって、主走査カウンタが、リセットされる。なお、主走査カウンタは、図6に示す主走査用のカウンタ2152が示すカウンタ値である。
主走査カウンタは、画素クロック信号PCLKによって、カウントアップする。
主走査カウンタが示す値が第1設定値SET1(図6)となると、主走査用のコンパレータ2153(図6)は、比較結果として、信号を出力する。なお、この例では、第1設定値SET1は、「X」である。次に、主走査用のコンパレータ2153から、第1設定値SET1となったことを示す信号が出力されると、主走査用の制御信号生成器2154(図6)は、主走査制御信号XRGATEをローレベルにする。なお、主走査制御信号XRGATEは、主走査方向の画像幅分、ローレベルとなる信号である。
図8は、本発明の一実施形態に係る副走査方向における書出開始位置の制御例を示すタイミングチャートである。
印刷開始信号SRTによって、副走査カウンタが、リセットされる。なお、副走査カウンタは、図6に示す副走査用のカウンタ2152が示すカウンタ値である。
副走査カウンタは、カウンタ動作信号XLSYNCによって、カウントアップする。
副走査カウンタが示す値が第2設定値SET2(図6)となると、副走査用のコンパレータ2153(図6)は、比較結果として、信号を出力する。なお、この例では、第2設定値SET2は、「Y」である。次に、この副走査用のコンパレータ2153から、第2設定値SET2となったことを示す信号が出力されると、副走査用の制御信号生成器2154(図6)は、副走査制御信号XFGATEをローレベルにする。なお、副走査制御信号XFGATEは、副走査方向の画像長さ分、ローレベルとなる信号である。
図9は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有するラインメモリの一例を示す概略図である。図示するラインメモリLMEMは、例えば、図4に示す構成の前段等に用いられる。
ラインメモリLMEMには、副走査制御信号XFGATE等が示すタイミングで、プリンタコントローラ、フレームメモリ又はスキャナ等から取り込まれる画像データが記憶される。また、記憶される画像データは、画素クロック信号PCLKに同期して、数ビーム分の信号が出力されるとする。また、ラインメモリLMEMから出力される信号は、LD制御装置212に送られ、信号が示すタイミングでLDが点灯するように制御される。
<位置ずれ補正例>
図10は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によるフルカラーに係る補正用パターンを利用した補正の一例を示す図である。図示する例では、各色の補正用パターンが形成される。また、この例は、図示するように、あらかじめ設定されるタイミングで、中間転写ベルト10上に、横線及び斜め線の形状の補正用パターンがそれぞれ形成される例である。
中間転写ベルト10が移動方向に動くと、各補正用パターンが、第1センサSEN1及び第2センサSEN2によって、それぞれ検出される。次に、この検出結果が、プリンタ制御装置1(図4)に送られると、基準となる色の補正用パターンに対する各色の補正用パターンのずれ量(時間)が算出される。
また、ずれがあると、斜め線の補正用パターンは、検出されるタイミングが所定のタイミングと異なるため、斜め線の補正用パターンによって、主走査方向の画像の位置及び倍率のずれが補正できる。
一方で、ずれがあると、横線の補正用パターンは、検出されるタイミングが所定のタイミングと異なるため、横線の補正用パターンによって、副走査方向の画像の位置のずれが補正できる。
図示する補正用パターンの例のうち、第1ブラックパターンK1、第2ブラックパターンK2、第3ブラックパターンK3及び第4ブラックパターンK4は、ブラックである。同様に、第1シアンパターンC1、第2シアンパターンC2、第3シアンパターンC3及び第4シアンパターンC4は、シアンである。さらに、第1マゼンタパターンM1、第2マゼンタパターンM2、第3マゼンタパターンM3及び第4マゼンタパターンM4は、マゼンタである。さらにまた、第1イエローパターンY1、第2イエローパターンY2、第3イエローパターンY3及び第4イエローパターンY4は、イエローである。
また、図示する補正用パターンの例のうち、第1ブラックパターンK1、第3ブラックパターンK3、第1シアンパターンC1及び第3シアンパターンC3は、横線である。同様に、第1マゼンタパターンM1、第3マゼンタパターンM3、第1イエローパターンY1及び第3イエローパターンY3は、横線である。
さらに、図示する補正用パターンの例のうち、第2ブラックパターンK2、第4ブラックパターンK4、第2シアンパターンC2及び第4シアンパターンC4は、斜め線である。同様に、第2マゼンタパターンM2、第4マゼンタパターンM4、第2イエローパターンY2及び第4イエローパターンY4は、斜め線である。以下、同様の色及び形状の補正用パターンは、同一の符号を付して説明する。
まず、主走査方向において、第1ブラックパターンK1及び第2ブラックパターンK2を基準としてずれ量が検出されるとする。すなわち、以下、ブラックを基準の色としてずれ量が計算される例で説明する。
具体的には、第1ブラックパターンK1が検出されてから第2ブラックパターンK2が検出されるまでの時間と、第1シアンパターンC1が検出されてから第2シアンパターンC2が検出されるまでの時間とが比較される。以下、この比較結果によるずれ量を「TKC12」という。
同様に、第3ブラックパターンK3が検出されてから第4ブラックパターンK4が検出されるまでの時間と、第3シアンパターンC3が検出されてから第4シアンパターンC4が検出されるまでの時間とが比較される。以下、この比較結果によるずれ量を「TKC34」という。
次に、「TKC34−TKC12」を計算すると、シアンと、ブラックとの倍率誤差が計算できる。したがって、「TKC34−TKC12」で計算される倍率に係るずれ量に基づいて、画素クロックの周波数を変更すると、位置ずれのうち、倍率誤差が補正できる。
さらに、「TKC12」から倍率誤差を補正する補正分を差し引くと、シアンと、ブラックとの主走査方向に係るずれ量が計算できる。次に、この計算される主走査方向に係るずれ量に基づいて、主走査制御信号XRGATE(図7)が出力されるタイミングを変更すると、位置ずれのうち、主走査方向について、ずれが補正できる。なお、他の色、すなわち、マゼンタ及びイエローについても同様に補正することができる。
また、位置ずれのうち、副走査方向について、ずれは、例えば、以下の方法等で補正できる。まず、理想の時間を「Tc」と定める。次に、第1センサSEN1による検出結果に基づいて、第1ブラックパターンK1が検出されてから第1シアンパターンC1が検出されるまでの時間を「TKC1」とする。同様に、第2センサSEN2による検出結果に基づいて、第3ブラックパターンK3が検出されてから第3シアンパターンC3が検出されるまでの時間を「TKC3」とする。
シアンと、ブラックとの副走査方向に係るずれ量は、「{(TKC3+TKC1)/2}−Tc」によって、計算できる。次に、この計算される副走査方向に係るずれ量に基づいて、副走査制御信号XFGATE(図7)が出力されるタイミングを変更すると、位置ずれのうち、副走査方向について、ずれが補正できる。なお、他の色、すなわち、マゼンタ及びイエローについても同様に補正することができる。
なお、補正用パターンの形状、形成される数及び位置は、図示する以外のものであってもよい。
図11は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によるブラック及びイエローに係る補正用パターンを利用した補正の一例を示す図である。図示する例は、図10と比較すると、第1シアンパターンC1、第2シアンパターンC2、第3シアンパターンC3、第4シアンパターンC4、第1マゼンタパターンM1、第2マゼンタパターンM2、第3マゼンタパターンM3及び第4マゼンタパターンM4がない点が異なる。
この例では、図10と同様に、ブラックを基準の色としてずれ量が計算される。各ずれ量及び補正方法は、例えば、図10と同様である。
この例では、ブラックと、イエローとの2色について位置ずれが補正される。なお、イエローは、マゼンタ又はシアンでもよい。
図12は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によるシアン及びマゼンタに係る補正用パターンを利用した補正の一例を示す図である。図示する例は、図10と比較すると、第1ブラックパターンK1、第2ブラックパターンK2、第3ブラックパターンK3、第4ブラックパターンK4、第1イエローパターンY1、第2イエローパターンY2、第3イエローパターンY3及び第4イエローパターンY4がない点が異なる。
この例では、図10及び図11のようにブラックがないため、例えば、シアンを基準の色としてずれ量が計算される。各ずれ量及び補正方法は、例えば、図10及び図11と同様である。具体的には、主走査方向に係るずれ量は、第1シアンパターンC1が検出されてから第2シアンパターンC2が検出されるまでの時間と、第1マゼンタパターンM1が検出されてから第2マゼンタパターンM2が検出されるまでの時間とが比較される。以下、この比較結果によるずれ量を「TCM12」という。
同様に、第3シアンパターンC3が検出されてから第4シアンパターンC4が検出されるまでの時間と、第3マゼンタパターンM3が検出されてから第4マゼンタパターンM4が検出されるまでの時間とが比較される。以下、この比較結果によるずれ量を「TCM34」という。
次に、「TCM34−TCM12」を計算すると、シアンと、マゼンタとの倍率誤差が計算できる。したがって、「TCM34−TCM12」で計算される倍率に係るずれ量に基づいて、画素クロックの周波数を変更すると、位置ずれのうち、倍率誤差が補正できる。
さらに、「TCM12」から倍率誤差を補正する補正分を差し引くと、シアンと、マゼンタとの主走査方向に係るずれ量が計算できる。次に、この計算される主走査方向に係るずれ量に基づいて、主走査制御信号XRGATE(図7)が出力されるタイミングを変更すると、位置ずれのうち、主走査方向について、ずれが補正できる。
また、位置ずれのうち、副走査方向について、ずれは、例えば、以下の方法等で補正できる。まず、理想の時間を「Tc'」と定める。次に、第1センサSEN1による検出結果に基づいて、第1シアンパターンC1が検出されてから第1マゼンタパターンM1が検出されるまでの時間を「TCM1」とする。同様に、第2センサSEN2による検出結果に基づいて、第3シアンパターンC3が検出されてから第3マゼンタパターンM3が検出されるまでの時間を「TCM3」とする。
シアンと、マゼンタとの副走査方向に係るずれ量は、「{(TCM3+TCM1)/2}−Tc'」によって、計算できる。次に、この計算される副走査方向に係るずれ量に基づいて、副走査制御信号XFGATE(図7)が出力されるタイミングを変更すると、位置ずれのうち、副走査方向について、ずれが補正できる。なお、他の色についても同様に補正することができる。
図13は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による現像部に対する第1制御例を示すタイミングチャートである。図示する例では、「画像の種類」が画像形成に用いられる色を示し、「YMCK」は、4色、すなわち、フルカラーである場合を示す。また、「YK」は、イエロー及びブラックの2色のカラーである場合を示す。さらに、「MC」は、マゼンタ及びシアンの2色のカラーである場合を示す。
また、図示する例では、「Y色現像」、「M色現像」、「C色現像」及び「K色現像」は、各色の現像部を制限するか否かを制御する信号である。すなわち、信号が「ON」、図では、ハイレベルであると、各現像部は、現像が行える状態となる。一方で、信号が「OFF」、図では、ローレベルであると、各現像部は、停止又は減速した状態となる。
具体的には、信号が「OFF」になると、画像形成装置は、「OFF」になった色の現像ユニット29(図2)が有する現像ローラの回転を停止又は減速させる。さらに、信号が「OFF」になると、画像形成装置は、「OFF」になった色の画像データが光ビーム走査装置21(図2)に入力されるのを停止させる。
「YMCK」の画像形成を行う期間(以下「第1期間T1」という。)では、各現像部に対しては、すべての信号が「ON」とされる。なお、第1期間T1に行われる補正は、図10に示す補正である。また、補正は、第1センサSEN1(図10)及び第2センサSEN2(図1)が画像形成される画像より外側に位置する場合には、画像形成中に行われてもよい。他にも、補正は、ページと、ページとの間、すなわち、第1期間T1において図示する「※」のタイミング等に行われてもよい。
「YK」の画像形成を行う期間(以下「第2期間T2」という。)では、各現像部のうち、ブラック及びイエローに対しては、信号が「ON」とされる。一方で、各現像部のうち、マゼンタ及びシアンに対しては、信号が「OFF」とされる。なお、第2期間T2に行われる補正は、図11に示す補正である。また、補正は、第1センサSEN1及び第2センサSEN2が画像形成される画像より外側に位置する場合には、画像形成中に行われてもよい。他にも、補正は、ページと、ページとの間、すなわち、第2期間T2において図示する「※」のタイミング等に行われてもよい。
「MC」の画像形成を行う期間(以下「第3期間T3」という。)では、各現像部のうち、マゼンタ及びシアンに対しては、信号が「ON」とされる。一方で、各現像部のうち、ブラック及びイエローに対しては、信号が「OFF」とされる。なお、第3期間T3に行われる補正は、図12に示す補正である。また、補正は、第1センサSEN1及び第2センサSEN2が画像形成される画像より外側に位置する場合には、画像形成中に行われてもよい。他にも、補正は、ページと、ページとの間、すなわち、第3期間T3において図示する「※」のタイミング等に行われてもよい。
図14は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による現像部に対する第2制御例を示すタイミングチャートである。図示するような制御が行われてもよい。図13に示す制御例と比較すると、図14に示す制御例では、「画像の種類」が「YK」であっても、第1期間T1、すなわち、フルカラー用の制御が行われる点が異なる。
例えば、フルカラーの画像形成が行われる途中等で、フルカラーでない、すなわち、図示するように2色を用いるカラーの画像形成を行う場合には、画像形成装置は、画像データの入力がなくとも、現像装置を停止又は減速させずに、画像形成動作が行われるように制御してもよい。つまり、「YK」の画像形成が行われる場合であっても、フルカラーの画像形成の間にあらかじめ設定される所定のページ数以下の「YK」の画像形成が行われる場合には、フルカラー用の制御が行われてもよい。このようにすると、切替動作によって、画像形成装置は、画像形成を行う速度が遅くなるのを少なくできる。この場合には、補正は、フルカラー用、すなわち、図10に示す補正が行われてもよい。
図15は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による現像部に対する第3制御例を示すタイミングチャートである。図示する制御例では、まず、第3期間T3、すなわち、「MC」の2色についてカラーの画像形成が行われる。次に、第1期間T1、すなわち、フルカラーの画像形成が行われる。
このように、第3期間T3から第1期間T1に切り替わると、画像形成に用いられる色の種類が、2色から4色に増える。この場合、すなわち、画像形成に用いられる色が増えるように変更される場合には、画像形成装置は、変更後の色について補正が行ってもよい。具体的には、図示する「★」のタイミング等で、「YMCK」の4色について補正が行われてもよい。
第3期間T3では、「MC」以外の色が用いられない。そのため、「MC」の色に対して、「YK」等が経時的に変動し、位置ずれが起きる場合がある。したがって、切り替えの際等に、図10に示す補正等を行うと、位置ずれが少なくなるように補正できる。
また、このような場合は、図12で説明する通り、最初の第3期間T3では、シアンを基準の色とし、ずれ量が計算される。一方で、第1期間T1では、ブラックを基準の色とし、ずれ量が計算される。このように、基準となる色が変更される場合には、画像形成装置は、変更後の色について補正が行ってもよい。具体的には、図示する「★」のタイミング等で、「YMCK」の4色について補正が行われてもよい。
なお、第1期間T1からに第3期間T3切り替わる、すなわち、画像形成に用いられる色が減る場合には、画像形成装置は、補正を省略してもよい。この場合に行われる補正は、省略されても画質が低下することが少ないため、画像形成装置は、補正を省略して、トナーの消費量等を少なくできる。
<全体処理例>
図16は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による全体処理の一例を説明するフローチャートである。例えば、画像形成装置は、図示する処理を行って、画像形成を行う。まず、操作パネル上のスタートボタンが押されると、全体処理が開始されるとする。
ステップS01では、画像形成装置は、ポリゴンモータを回転させる。具体的には、ステップS01では、画像形成装置は、ポリゴンモータ(図4)をプリンタ制御装置1(図4)からの指示に基づいて、規定の回転数で回転させる。
ステップS02では、画像形成装置は、補正データを設定する。具体的には、ステップS02では、画像形成装置は、主走査方向及び副走査方向において、各書出開始位置を定める設定値を入力する。すなわち、ステップS02では、画像形成装置は、第1設定値SET1(図6)及び第2設定値SET2(図6)等を設定する。
ステップS03では、画像形成装置は、LDを点灯させる。具体的には、ステップS03では、画像形成装置は、同期検出信号XDETP(図4)等を出力させるため、各LDが規定の光量で点灯できる状態、いわゆるAPC動作等を行う。
ステップS04では、画像形成装置は、画像形成を行う。なお、画像形成は、例えば、ページごとに行われる。
ステップS05では、画像形成装置は、次のページがあるか否か判断する。
次のページがあると判断されると(ステップS05でYES)、画像形成装置は、ステップS04に進む。一方で、次のページがないと判断されると(ステップS05でNO)、画像形成装置は、ステップS06に進む。
ステップS06では、画像形成装置は、LDを消灯させる。
ステップS07では、ポリゴンモータを停止させる。
図17は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による制御及び補正を行う処理の一例を説明するフローチャートである。図示する処理は、プリンタ制御装置が指示する場合、規定される印刷枚数に達した場合、計測される温度が規定以上に変化した場合、印刷開始の場合、電源が投入された場合又は操作パネル上でユーザが指示した場合等に行われる。すなわち、図16では、全体処理が開始された後、全体処理が終了後又はステップS05でYESと判断された後等に図17に示す処理が行われる。なお、センサの設置位置によっては、画像形成中、すなわち、図16では、ステップS04と並行して図17に示す処理が行われてもよい。
ステップS10では、画像形成装置は、補正データを設定する。なお、例えば、設定が電源投入の際等にあらかじめ行われた場合には、ステップS10は、省略されてもよい。
ステップS11では、画像形成装置は、補正用パターンを形成する。例えば、フルカラーの画像形成を行う場合等には、画像形成装置は、図10に示す補正用パターンを形成する。
ステップS12では、画像形成装置は、補正用パターンを検出する。すなわち、図10に示す例では、第1センサSEN1及び第2センサSEN2等によって、画像形成装置は、補正用パターンを検出する。
ステップS13では、画像形成装置は、ずれ量を計算する。
ステップS14では、画像形成装置は、補正するか否かを判断する。具体的には、ステップS14では、画像形成装置は、ステップS13で計算される基準となる色に対するずれ量に基づいて判断する。例えば、ずれ量が補正分解能の「1/2」以上であれば補正すると判断する等のように、ずれ量があらかじめ定められる値以上となると、画像形成装置は、補正すると判断する。
補正すると判断されると(ステップS14でYES)、画像形成装置は、ステップS15に進む。一方で、補正しないと判断されると(ステップS14でNO)、画像形成装置は、処理を終了する。つまり、補正しないと判断されると、画像形成装置は、補正データを更新せず、その後に画像形成を行う場合には、電源投入の際等にあらかじめ設定される設定値に基づいて画像形成を行う。
ステップS15では、画像形成装置は、補正データを算出する。すなわち、ステップS15では、画像形成装置は、ステップS13で計算されるずれ量等に基づいて、補正データを算出する。
ステップS16では、画像形成装置は、補正データを記憶する。すなわち、ステップS16では、画像形成装置は、補正データを更新する。電源がONであれば、補正データによって設定された設定値は、更新された状態となる。一方で、電源がOFFとなると、設定値は、クリアされる場合が多い。そこで、電源がOFFとなり、次に、電源がONとなる場合に、更新された状態に設定値がなるようにするため、補正データを記憶する。このようにすると、電源がOFFとなっても、ステップS15で算出される補正データが反映されるようにできる。
ステップS17では、画像形成装置は、補正データを設定する。
なお、補正データは、主走査方向の倍率を決定する画素クロックの周波数を決定する設定値、主走査方向の位置を決定する設定値及び副走査方向の位置を決定する設定値等を示すデータである。具体的には、補正データは、図6に示す主走査制御信号XRGATE及び副走査制御信号XFGATEの設定値等を示す。
図示する処理の後、補正が行われる。例えば、「YK」の2色について、カラーの画像形成を行う場合には、画像形成装置は、「MC」の2色に係る現像ユニット29(図2)を停止又は減速させる。そのため、補正は、例えば、図11に示すように、「YK」の2色について行い、一方で、「MC」の2色については、補正用パターンの形成が制限される。同様に、例えば、「MC」の2色について、カラーの画像形成を行う場合には、画像形成装置は、「YK」の2色に係る現像ユニット29(図2)を停止又は減速させる。そのため、補正は、例えば、図12に示すように、「MC」の2色について行い、一方で、「YK」の2色については、補正用パターンの形成が制限される。
また、画像形成を行う場合には、印刷開始信号SRT(図8)がトリガ信号となり、各色の副走査制御信号XFGATE(図8)等の信号が生成される。これらの信号に基づいて、画像形成装置は、紙等に画像形成を行う。さらに、現像装置等の制御は、画像形成を開始する際等に、画像データに基づいて判断される。
<機能構成例>
図18は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図示するように、画像形成装置100は、各色のそれぞれの現像部100F1と、制限部100F2と、パターン形成部100F3と、補正部100F4とを備える。
以下、図11のように、画像形成装置100が画像データ等に基づいて、ブラック及びイエローの2色について画像形成を行う場合を例に説明する。なお、この例では、ブラック及びイエローの2色を以下「第1色CLR1」という。一方で、この例において、複数の色のうち、画像形成されない色、すなわち、シアン及びマゼンタの2色を以下「第2色CLR2」という。
現像部100F1は、複数の色のうち、各色をそれぞれ現像する。なお、現像部100F1は、例えば、現像ユニット29(図2)等によって実現される。
制限部100F2は、現像部100F1が行う各現像のうち、画像形成される第1色CLR1以外の第2色CLR2に係る現像を制限する。なお、制限部100F2は、例えば、現像ユニット29等によって実現される。また、図13に示すように、「Y色現像」等の各色の現像部100F1を制御する信号をOFFにすると、現像が制限される。
パターン形成部100F3は、第1色CLR1の第1補正用パターンPTN1を形成し、かつ、第2色CLR2の第2補正用パターンPTN2の形成を制限する。なお、パターン形成部100F3は、光ビーム走査装置21(図4)等によって実現される。
補正部100F4は、第1補正用パターンPTN1に基づいて補正を行う。なお、補正部100F4は、例えば、第1センサSEN1及び第2センサSEN2(図4)等によって実現される。
<まとめ>
例えば、複数の色を用いて画像形成を行う場合、いわゆるカラーモード等の場合には、用いられる色を問わず、常にフルカラー用の補正が行われる場合がある。これに対して、本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、図18に示すように、第1色CLR1については、現像部100F1によって、現像する。一方で、第2色CLR2については、制限部100F2によって、現像部100F1による現像を制限する。具体的には、図13のように、画像形成装置は、第2色CLR2の現像部100F1を制御する信号をOFFにする。
さらに、パターン形成部100F3は、第1色CLR1の第1補正用パターンPTN1を形成し、一方で、第2色CLR2の第2補正用パターンPTN2の形成を制限する。すなわち、図11に示す例では、第1補正用パターンは、第1ブラックパターンK1、第2ブラックパターンK2、第3ブラックパターンK3、第4ブラックパターンK4、第1イエローパターンY1、第2イエローパターンY2、第3イエローパターンY3及び第4イエローパターンY4である。また、図11に示す例では、第2補正用パターンは、第1シアンパターンC1、第2シアンパターンC2、第3シアンパターンC3、第4シアンパターンC4、第1マゼンタパターンM1、第2マゼンタパターンM2、第3マゼンタパターンM3及び第4マゼンタパターンM4である。
このようにすると、図11に示すように、画像形成装置は、第1色CLR1について位置ずれを補正することができる。つまり、画像形成装置は、複数の色を用いて画像形成を行う場合において、画像形成に用いられる色、すなわち、第1色CLR1に合う色を位置ずれ補正することができる。
一方で、第2色CLR2については、制限部100F2によって、現像部100F1が停止又は減速される。このように、制限された色については、画像形成装置は、補正用パターンを制限し、補正用パターンが形成されないようにする。そのため、印刷速度を低下させることなく、画像形成装置は、画像形成を行うことができる。
また、画像形成装置は、停止していた現像装置を動作させ、現像可能になった場合であっても、その色について画像位置ずれが発生してしまうのを少なくできる。ゆえに、画像形成装置は、画像形成する画像の画質を向上させることができる。
さらに、画像形成装置は、現像装置を停止させて現像させないようにしているにも関わらず、画像パターンを停止させない無駄な書込み動作が行われるのを少なくできる。そのため、画像形成装置は、レーザの寿命を長くすることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではない。すなわち、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。