JP4684956B2 - 植生基体およびそれを用いた緑化工法 - Google Patents

植生基体およびそれを用いた緑化工法 Download PDF

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本発明は、法面などの浸食を防止する植生基体およびそれを用いた法面などの緑化工法に関するものである。
法面などの浸食防止に用いる植生基体としては、ネットとその裏面(施工時の下面)に積層したシート状の薄綿とで構成されたものが、特許文献1等によって知られており、数多くの施工実績がある。この植生基体は、ネットとシート状の薄綿の両方で浸食防止効果を発揮させるように意図されたものである。即ち、ネットの下面に積層されたシート状の薄綿は、夜露程度の僅かな水分でネットから剥がれ落ちて、地表の凹凸面に密着し、薄綿が分解するまでの期間、表面土壌を包み込むことにより、雨滴による表面土壌の流亡(微小土粒子の飛散、移動)を防止する役目を果たし、ネットは、植生基体としての形状を保持することにより施工性を確保し且つ風によるシート状の薄綿の散逸を防止すると共に、地表を全体にわたり押さえ付けて、保護する役目を果たすものである。
従って、この植生基体の場合、ネット自体には、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能は少なく、シート状の薄綿が分解した後は、表面土壌の流亡防止効果が半減するという問題点がある。
そのため、シート状の薄綿として、分解速度の異なる複数種類の繊維(例えば、レーヨンとポリ乳酸繊維)を混合し、その配合比により分解速度を調整して、少なくとも半年の間(薄綿に接着した植物種子、周辺から飛来して来る植物種子などが発芽・発根して、植生による表面土壌の流亡効果が発揮されるまでの期間)は、浸食防止効果を維持できるようにした植生基体が、特許文献2によって提案されている。
しかし、これによる場合は、シート状の薄綿をネットに積層して一体化しないと、保形性に欠けるので、法面などの施工対象地に敷設する作業や現場への運搬等に不便であり、シート状の薄綿だけでは施工性が悪いという問題点がある。
特許第3073726号公報 特願2005−98502号
本発明は、上記の問題点をふまえて成されたものであって、ネット自体に、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能をより多く持たせた施工性の良い植生基体を提供することを第一の目的とする。本発明の第二の目的は、この植生基体を用いた法面などの緑化工法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明による植生基体は、縦糸と横糸とで編織されるネットにおける前記縦糸として、水溶性縦糸と非水溶性縦糸とを使用し、水溶性縦糸と非水溶性縦糸を所定本数ずつ交互に配置し、横糸を水溶性縦糸に対して該横糸をたるませるのに必要な回数絡ませ、水溶性縦糸が溶解することにより、水溶性縦糸に絡んでいた横糸が水溶性縦糸に絡められた長さ分たるんで、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を形成するように構成してあることを特徴としている。尚、ここで、所定本数ずつ交互に配置するとは、同数本(1本又は複数本)ずつ交互に配置する場合や、複数本と1本とを交互に配置する場合や、複数本と、それと同数でない複数本とを交互に配置する場合の全てを包含する意味である。
請求項2に記載の発明による植生基体は、縦糸と横糸とで編織されるネットにおける前記縦糸として、水溶性縦糸と非水溶性縦糸とを使用し、水溶性縦糸と非水溶性縦糸を所定本数ずつ交互に配置し、横糸を水溶性縦糸に対して該横糸をたるませるのに必要な回数絡ませ、水溶性縦糸が溶解することにより、水溶性縦糸に絡んでいた横糸が水溶性縦糸に絡められた長さ分たるんで、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を形成するように構成すると共に、ネット裏面にシート状物を積層してあることを特徴としている。
請求項3に記載の発明のように、シート状物には少なくとも植物種子を接着するのが普通であるが、周辺植生地から飛来する植物種子の発芽・生育による緑化(植生誘導工)を行う場合は、シート状物に植物種子は接着しない。尚、シート状物とは、シート状に形成した薄綿、水解紙などからなる紙や不織布等、ネットに貼着可能で浸食防止効果を有する腐食性のシート全てを包含する意味である。
請求項4に記載の発明による緑化工法は、請求項1に記載の植生基体を施工対象地に敷設し、飛来した植物種子を植生基体により定着させて施工対象地を緑化することを特徴としている。
請求項5に記載の発明による緑化工法は、請求項1に記載の植生基体を施工対象地に敷設し、植生基体の上に植物種子を含む植生材料を吹き付けて、施工対象地を緑化することを特徴としている。
請求項6に記載の発明による緑化工法は、請求項3に記載の植生基体を施工対象地に敷設し、シート状物に接着されていた植物種子を発芽・生育させて施工対象地を緑化することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、横糸と絡み合ってネットを編織している縦糸のうち、横方向に所定本数おきに位置する縦糸には、水溶性の縦糸が用いられており、これらの水溶性縦糸が溶解することにより、水溶性縦糸に絡んでいた横糸がたるんで、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸となる。換言すれば、所定本数おきに位置する水溶性縦糸が溶解することによって、ネット裏面にループ状のたるみ糸が全面にわたって略均一な分布状態に現出することになる。
従って、本発明の植生基体を法面などの施工対象地に敷設しておくことにより、雨水や地表の水分によって、水溶性縦糸が溶解し、ループ状のたるみ糸がネット全面にわたって略均一な分布状態に現出することになり、これらのループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着するので、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子がループ状のたるみ糸に絡んで捕獲され、微小土粒子の飛散、移動が防止されることになる。尚、前記たるみ糸は、それらの土粒子を完全に固定するわけではなく、ある程度(浸食被害が発生しない程度)の移動を可能にするため、植物種子と土粒子が混ざり合い易く、植物の生育に適した土壌環境を創出できるのである。
このように、本発明の植生基体は、施工性の良いネット自体に微小土粒子の飛散、移動を防止する機能を持たせたものであるから、薄綿などのシート状物を使用せずに法面などの浸食防止を行うことが可能であり、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
請求項2,3に記載の発明によれば、水溶性縦糸が溶解することによってループ状のたるみ糸が現出するようにしたネットと、シート状物とで植生基体を構成したので、シート状物が分解するまでの間は、従来通り、ネットとシート状物の両方で浸食防止効果を発揮させることができ、シート状物が分解した後は、ネットに現出したループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着することで、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
請求項4に記載の発明によれば、雨水や地表の水分によって、水溶性縦糸が溶解することにより、ループ状のたるみ糸がネット裏面に全面にわたって略均一な分布状態に現出し、これらのループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着して、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子と周辺の植生地から飛来した植物種子とを捕獲し、移動を阻止すると共に土粒子と植物種子とが混ざり合うことになるので、飛来した植物種子が定着しやすくなる。
従って、周辺の植生地からの植生誘導による緑化工法であるにもかかわらず飛来した植物種子の発芽・生育が確実で、生態系を配慮した多様な植生相を早期に成立させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、植物種子を含む植生材料を吹き付けることにより、植生材料の水分で水溶性縦糸が溶解され、ループ状のたるみ糸がネット裏面に全面にわたって略均一な分布状態に現出し、これらのループ状のたるみ糸がネットの網目を通過した植生材料に埋め込まれることで、植生材料の流亡を防止することができ、植物種子の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。
請求項6に記載の発明によれば、シート状物が分解するまでの間は、従来通り、ネットとシート状物の両方で浸食防止効果を発揮させることができ、シート状物が分解した後は、ネット裏面に現出したループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着することで、ネット自体による微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できるので、シート状物に接着された植物種子の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。
図1〜図3は、本発明に係る植生基体Aの一例を示す。この植生基体Aは、ネット自体に微小土粒子の飛散、移動を防止する機能を持たせたものであって、縦糸1と横糸2とで編織されるネット3における前記縦糸1として、水溶性縦糸1aと非水溶性縦糸1bとを使用し、水溶性縦糸1aと非水溶性縦糸1bを1本ずつ交互に配置し、水溶性縦糸1aが溶解することにより、水溶性縦糸1aに絡んでいた横糸2がたるんで、ネット裏面に、非水溶性縦糸1b,1bに対する連結点P,Q間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸2aを形成するように構成してある。
具体的には、図2に示すように、ダブルラッセルのバック側において、互いに適当間隔(例えば、1インチ間隔)を隔てた2本の非水溶性縦糸1b,1b間に、1本の水溶性縦糸1aを配置し、2本の非水溶性縦糸1b,1bに連結されて、適当な目合い(例えば、1インチ×1インチの目合い)の網目を形成する横糸2のうち、網目の対角方向に挿入される横糸2部分を、この水溶性縦糸1aに必要回数絡ませてある。そして、水溶性縦糸1aが溶解することにより、図2の下段に示したように、網目の対角方向に挿入される横糸2部分に、水溶性縦糸1aに絡められた長さ分のたるみが生じて、ネット裏面とでループを形成するループ状のたるみ糸2aが形成されるように構成してある。ループ状のたるみ糸2aの長さは、非水溶性縦糸1b,1bに対する連結点P1,Q2間の直線距離、連結点P2,Q1間の直線距離の1.1〜2倍程度を標準とするが、その長さを調整することで、たるみの程度に変化を持たせることができる。
尚、図2において、横糸2の縦方向における挿入間隔の狭い領域は、ダブルラッセルのフロント側の非水溶性縦糸1bとバック側の非水溶性縦糸1bとの連結を数目合い分だけ止め、フロント側とバック側とを分離することによって形成した袋収納部4であり、図3に示すように、肥料袋(これには、植物種子を混入させることもある。)5を横方向から挿入することができる。袋収納部4における横糸2の挿入間隔を狭くしたのは、肥料袋5の挿入をスムーズに行えるように配慮したものである。袋収納部4は植生基体Aにとって必ずしも必要ではなく、袋収納部4を設けずに実施してもよい。また、ネットの一部にスリットを設け、該スリット部から肥料袋や植生袋(例えば埋土種子を含む表土を詰め込んだ袋体など)を挿入できるようにすることも可能であり、本構成によれば施工の後であっても袋体をネットに装着することができ好適である。
上記の構成によれば、横糸2と絡み合ってネット3を編織している縦糸1のうち、横方向に1本おきに位置する縦糸1には、水溶性縦糸1aが用いられており、これらの水溶性縦糸1aが溶解することにより、水溶性縦糸1aに絡んでいた横糸2がたるんで、ネット裏面に、非水溶性縦糸1b,1bに対する連結点P1,Q2間の直線距離および連結点P2,Q1間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸2aとなる。換言すれば、1本おきに位置する水溶性縦糸1aが溶解することによって、ネット裏面にループ状のたるみ糸2aが全面にわたって略均一な分布状態に現出することになる。
従って、この植生基体Aを法面などの施工対象地に敷設しておくことにより、雨水や地表の水分によって、水溶性縦糸1aが溶解し、ループ状のたるみ糸2aがネット全面にわたって略均一な分布状態に現出することになり、これらのループ状のたるみ糸2aが地表の凹凸面に密着するので、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子がループ状のたるみ糸に絡んで捕獲され、微小土粒子の飛散、移動が防止されることになる。
このように、上記の植生基体Aは、シート状の薄綿に比較して保形性があるため施工性が良いネット自体に微小土粒子の飛散、移動を防止する機能を持たせたものであるから、シート状の薄綿を併用せずに法面などの浸食防止を行うことが可能であり、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
尚、ループ状のたるみ糸2aを、連結点P1,Q1間や連結点P2,Q2間に形成するようにネット3を編織してもよいが、植生基体Aを法面に縦糸1が等高線と直角になるように敷設した状態において、ループ状のたるみ糸2aの全体が非水溶性縦糸1bと平行な直線状になる虞がなく、法面を傾斜方向に移動する微小土粒子に対する係止作用が効果的に発揮される点では、図2で示したように、ループ状のたるみ糸2aを網目の対角方向に形成する方が望ましい。また、上記とは逆にダブルラッセルのフロント側に水溶性縦糸1aを配置することも可能であり、更には、ダブルラッセルのバック側だけでなく、ダブルラッセルの縦糸1のうち、バック側とフロント側に交互に水溶性縦糸1aを用いても、同様な表面土壌の流亡防止効果を発揮させることができる。何れの場合も、横糸2としては、例えばポリエチレンより成るフラットヤーンが用いられるが、毛糸など捩れのあるもの、水分により膨張するもの、水分によって数本にバラけるもの、水分を吸収することによって粘着力が生じるものなどに代替可能であり、これらを使用することにより、浸食防止効果を高めることができる。また、遠赤外線の発生量の多いポリエステル繊維を用いれば、保温効果、発芽促進効果が期待できる。更には、1本の横糸2で構成している例のみを記載しているが、これに限られるものではなく、浸食防止効果を高めるために、同一箇所に複数本の横糸2を引き揃えてネットを構成させることも可能である。
図4は、本発明の他の実施形態を示し、シングルネットに本発明を適用した点に特徴がある。即ち、縦糸1と横糸2とで編織されるネット3における前記縦糸1として、水溶性縦糸1aと非水溶性縦糸1bとを使用し、3本の水溶性縦糸1aと1本の非水溶性縦糸1bとを交互に配置して、非水溶性縦糸1bと横糸2とで大きな格子状の網目を形成し、この網目内に3本の水溶性縦糸1aと横糸2とで縦横4列の小さな網目を形成し、水溶性縦糸1aが溶解することにより、水溶性縦糸1aに絡んでいた横糸2がたるんで、ネット裏面に、非水溶性縦糸1bに対する連結点P,Q間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸2aと、両側の非水溶性縦糸1b,1bと連結されて大きな格子状の網目を形成する横糸2に対する連結点P0,Q0間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸2bとを形成するように構成してある。その他の構成、作用は先の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、上述した植生基体Aのうち任意の植生基体Aにおけるネット3の裏面に、シート状の薄綿6を積層して植生基体Aを構成した点に特徴がある。シート状の薄綿6には、植物種子7や肥料、保水材などが接着されているが、周辺植生地から飛来する植物種子の発芽・生育による緑化(植生誘導工)を行う場合は、シート状の薄綿6に植物種子7は接着しない。
尚、シート状の薄綿6の材料、配合等は従来と同じでよい。また、シート状の薄綿6をネット裏面に積層して一体化する手段としては、ローラによる加圧、水溶性接着剤による接着、ネット裏面に重ねたシート状の薄綿6の上から高圧空気を吹き付けるか、ネット表面側から空気を吸引して、薄綿6をネット3に絡み付かせる方法、或いは、それらの組合せなど、任意の公知手段を採用できる。また、薄綿6の代替として、水解紙などの紙や不織布等からなるシート状物を採用することも可能である。
上記の構成によれば、水溶性縦糸1aが溶解することによってループ状のたるみ糸が現出するようにしたネット3と、シート状の薄綿6とで植生基体Aを構成したので、シート状の薄綿6が分解するまでの間は、従来通り、ネット3とシート状の薄綿6の両方で浸食防止効果を発揮させることができ、シート状の薄綿6が分解した後は、ネット3に現出したループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着することで、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
図6、図7の(A),(B),(C)は、本発明に係る緑化工法の一例を示す。この緑化工法は、図1〜図3で示した植生基体Aを施工対象地である法面Bにアンカーや止め釘(図示せず)で固定された状態に敷設し、飛来した植物種子7を植生基体Aにより定着させて法面Bを緑化することを特徴としている。
この緑化工法によれば、図7の(A)に示すように、植生基体Aを敷設した時点で、植生基体Aと法面Bの間に、地表の凹凸による隙間があっても、図7の(B)に示すように、降雨により、水溶性縦糸1aが溶解して、ネット裏面にループ状のたるみ糸2aが略均一な分布状態に現出するので、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子8や周辺植生地から飛来した植物種子7がループ状のたるみ糸2aで捕獲され、移動を阻止されることになる。ただし、前記たるみ糸2aはそれらの微小土粒子8を完全に固定するわけではなく、ある程度(浸食被害が発生しない程度)の移動を可能にするため、植物種子7と微小土粒子8が法面B表層で混ざり合い易くなるのである。従って、植物種子7が定着しやすく、図7の(C)に示すように、周辺の植生地からの植生誘導による緑化工法であるにもかかわらず飛来した植物種子の発芽・生育が確実で、生態系を配慮した多様な植生相を早期に成立させることができる。
図8は、本発明に係る緑化工法の他の例を示す。この緑化工法は、図1〜図3で示した植生基体Aを施工対象地である法面Bにアンカーや止め釘(図示せず)で固定された状態に敷設し、植生基体Aの上に、肥料、土壌改良材、保水材等の一種以上と植物種子7とを含む植生材料9を吹き付けて、法面Bを緑化することを特徴としている。
この緑化工法によれば、植物種子7を含む植生材料9を吹き付けることにより、植生材料9の水分で水溶性縦糸が溶解され、ループ状のたるみ糸2aがネット裏面に全面にわたって略均一な分布状態に現出し、これらのループ状のたるみ糸2aがネット3の網目を通過した植生材料9に埋め込まれることで、植生材料9の流亡を防止することができ、植物種子7の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。この際、植物種子7として施工地周辺から採取した表土シードバンクに含まれる埋土種子を使用することで、周辺植生をより早期に復元することができ好適である。
図9の(A),(B),(C)は、本発明に係る緑化工法の他の例を示す。この緑化工法は、図5で示した植生基体Aを施工対象地である法面Bにアンカーや止め釘(図示せず)で固定された状態に敷設し、シート状の薄綿6に接着された植物種子7を発芽・生育させて法面Bを緑化することを特徴としている。
この緑化工法によれば、シート状の薄綿6が分解するまでの間は、従来通り、ネット3とシート状の薄綿6の両方で浸食防止効果を発揮させることができる。即ち、図9の(A)に示すように、植生基体Aを敷設した時点で、植生基体Aと法面Bの間に、地表の凹凸による隙間があっても、図9の(B)に示すように、降雨や夜露により、シート状の薄綿6がネット3から剥がれ落ちて、地表の凹凸面に密着し、薄綿が分解するまでの期間、表面土壌を包み込むことにより、雨滴による表面土壌の流亡(微小土粒子の飛散、移動)や植物種子7の流亡を防止する役目を果たし、ネット3は、植生基体Aとしての形状を保持することにより施工性を確保し且つ風によるシート状の薄綿6の散逸を防止すると共に、地表を全体にわたり押さえ付けて、保護する役目を果たす。
シート状の薄綿6が分解した後は、図9の(C)に示すように、雨水などによって前記水溶性縦糸1aが溶解することによってネット裏面に現出したループ状のたるみ糸2aが地表の凹凸面に密着することで、ネット自体による微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できるので、薄綿6に接着された植物種子7の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。
本発明の実施形態を示し、植生基体を説明する斜視図である。 上記の植生基体を説明する図である。 上記の植生基体の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す植生基体の概略斜視図である。 本発明の実施形態を示し、緑化工法を説明する斜視図である。 上記の緑化工法を説明する縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示し、緑化工法を説明する縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示し、緑化工法を説明する縦断面図である。
A 植生基体
1 縦糸
1a 水溶性縦糸
1b 非水溶性縦糸
2 横糸
2a ループ状のたるみ糸
3 ネット
6 薄綿

Claims (6)

  1. 縦糸と横糸とで編織されるネットにおける前記縦糸として、水溶性縦糸と非水溶性縦糸とを使用し、水溶性縦糸と非水溶性縦糸を所定本数ずつ交互に配置し、横糸を水溶性縦糸に対して該横糸をたるませるのに必要な回数絡ませ、水溶性縦糸が溶解することにより、水溶性縦糸に絡んでいた横糸が水溶性縦糸に絡められた長さ分たるんで、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を形成するように構成してあることを特徴とする植生基体。
  2. 縦糸と横糸とで編織されるネットにおける前記縦糸として、水溶性縦糸と非水溶性縦糸とを使用し、水溶性縦糸と非水溶性縦糸を所定本数ずつ交互に配置し、横糸を水溶性縦糸に対して該横糸をたるませるのに必要な回数絡ませ、水溶性縦糸が溶解することにより、水溶性縦糸に絡んでいた横糸が水溶性縦糸に絡められた長さ分たるんで、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を形成するように構成すると共に、ネット裏面にシート状物を積層してあることを特徴とする植生基体。
  3. シート状物に植物種子が接着されていることを特徴とする請求項2に記載の植生基体。
  4. 請求項1に記載の植生基体を施工対象地に敷設し、飛来した植物種子を植生基体により定着させて施工対象地を緑化することを特徴とする緑化工法。
  5. 請求項1に記載の植生基体を施工対象地に敷設し、植生基体の上に植物種子を含む植生材料を吹き付けて、施工対象地を緑化することを特徴とする緑化工法。
  6. 請求項3に記載の植生基体を施工対象地に敷設し、シート状物に接着されていた植物種子を発芽・生育させて施工対象地を緑化することを特徴とする緑化工法。
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