JP5215066B2 - 緑化工法 - Google Patents

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Description

この発明は、自然植生を導入する緑化工法に関するものである。
従来のたとえば法面緑化では、植物による早期の法面保護を図るため、牧草などの種子を混合した植生基盤材をガンキと呼ばれる機械で吹き付ける手法が取られていた。
この手法においては、確かに早期の緑化が図れるものの、施工地(法面)周辺の生態系とは異なる植物を導入することになり、生態系の破壊や遷移スピードの低下が懸念されていた。また、植生基盤材を吹き付けるために大型の機械を用いねばならず、小面積の施工などでは全体の工事費に対する機械運搬費の割合が高くなってしまい、コスト増加の一因となっていた。
そこで、本発明者らは、下記特許文献1において、自然からの植生を侵入し易くするための植生マットを提案している。この植生マットを用いれば、人力で植生マットを施工地(法面)に張設するだけで法面表層の浸食を防止すると共に、周囲から飛来する種子を高確率で捕捉・定着させて自然の力による緑化を促進させることができる。
特開2006−266043号公報
しかしながら、このような飛来種子緑化は、緑化を達成するためには種子の飛来を待つだけであり、自然の条件に大きく左右されてしまうという特徴も併せ持つ。そこで、的確な施工地の選定などを行えばこのランダム性は小さくできるものの、その選定には高度な専門性が求められるため、より簡易で確実に自然植生を導入する方法の開発が望まれていた。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、大型の機械を用いることなく、より積極的に施工地周辺からの自然植生を導入させることのできる緑化工法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明の緑化工法は、浸食防止機能およびバイオマス付着・堆積機能を併せ持つ植生基体を施工地に張設する工程と、施工地周辺に存在する現地バイオマスを吸引採取することなく前記施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる作業を施す工程とを含み、
さらに、前記施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる作業として、前記現地バイオマスを吹き飛ばす作業、あるいは、前記現地バイオマスを撒き散らす作業が施されるものである(請求項1)。
この発明における現地バイオマスとは、枝葉や根茎、種子、腐葉土、菌類や土壌微生物など、施工地周辺に存在する生物資源全般を指す語句である。例えば前記施工地が法面であり、前記施工地周辺が、法面に隣接した状態で法面上側に存在する林地である場合(図1,2参照)、現地バイオマスとは、林地内に存在する林内バイオマスを言う。
この発明において、移動させる現地バイオマスは、基本的には施工地周辺の地表面付近のものであるが、時期によっては施工地周辺に存在する樹木や草本に結実している種子や葉なども含んでおり、これら樹木や草本に結実している種子や葉を、一旦施工地周辺の地表面に落下させた後それらを施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させたり、また、施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させてもよい。
この発明で使用する植生基体としては、直接落下してくる現地バイオマスが付着・堆積することによって現地バイオマスを配置させうる構成を持つものを挙げることができ、例えば、植生ネットや経絡マット(ヘチマ状のマット)やフィブリル化繊維のネットなどを用いることが可能である。
以下、植生基体の一例としての前記植生ネットについて詳述する。この植生ネットは、後述する実施形態で用いられる。
植生基体の一例としての前記植生ネットとしては、
施工地(例えば法面)上に配置される第1ネットと、この第1ネットの上部に位置するよう重ねた状態で第1ネットに連結される第2ネットと、施工地への設置状態において両ネット間に収容させた肥料袋と、第1ネットに取り付けられた短繊維不織シートとを主として有し、この短繊維不織シートが施工地(例えば法面)に当接するとともに、前記肥料袋が等高線状に適宜間隔で配置されるように施工地(例えば法面)に固定した立体ネット(図3参照)が好適である。
この場合、前記短繊維不織シートは、根茎や種子、土壌微粒子などの現地バイオマスを絡ませることにより容易に外れないようにして長期間にわたって付着させる機能ならびに保水・保温機能を有する。これら機能を発揮させため前記短繊維不織シートを例えば法面全面に配置するのが好ましい。もちろん前記短繊維不織シートは、飛来種子をも絡ませるうるものである。
すなわち、前記短繊維不織シートは、凹凸のある例えば法面に容易に密着できる程度の柔軟性を有し、前記第1ネットの下面に例えば熱融着や接着剤などによって取り付けられるもであり、長期間にわたって例えば法面を保護できるように分解速度の異なる2種類以上の素材からなる繊維を混合させて十分な耐蝕性や吸水性を兼ね備えるようにすることにより、前記短繊維不織シートは施工後例えば1年以上経過しても完全に分解しないものとすることができ、植生ネット上へ直接落下した現地バイオマスを長期間にわたって付着することができる。また、前記短繊維不織シートは、これに絡まった現地バイオマスなどから生育する植物が例えば法面に十分に根づくまでの間、表層土壌を雨水による流亡や冬期の凍土から保護するとともに、植物の生育に必要な水分を保つことができる。そして、この短繊維不織シートは最終的には微生物によって分解されて養分となる。
このように、前記短繊維不織シートは施工後例えば1年以上は完全に分解しないものであり、少なくとも数カ月以上は例えば法面に対して雨風が当たらないようにするものである。
前記短繊維不織シートとしては、レーヨン(吸水性に優れた繊維の一例)にポリ乳酸繊維(耐蝕性のある繊維の一例)などの生分解性プラスチックの素材からなる繊維を混合したものを挙げることができる。レーヨンもポリ乳酸繊維も最終的には微生物によって完全に分解される。
さらに、前記短繊維不織シートを構成する繊維はレーヨンやポリ乳酸繊維に限定されるものではない。吸水性のある繊維は、レーヨンだけではなく、やし繊維など種々のものを用いることができる一方、耐蝕性のある繊維としては、ポリ乳酸繊維以外の生分解性プラスチックを用いてもよく、羊毛などの動物性繊維を用いても、やし繊維や竹繊維などの強度のある植物性繊維を用いてもよく、金属繊維などを用いることも可能である。
さらに、この発明で使用する植生基体としては、前記植生ネット、経絡マット(ヘチマ状のマット)やフィブリル化繊維のネット以外でも後述する(施工地)浸食防止機能および(現地バイオマス)付着・堆積機能を併せ持つものであれば特に限定するものではない。
この発明において、植生基体が併せ持つ浸食防止機能とは、施工地を例えば法面とした場合、施工後に前記植生基体の少なくとも一部(例えば前記植生ネットの短繊維不織シートや経絡マットやフィブリル化繊維のネットなど)が法面に密着し、雨風が法面に直接的に当たらないようにすることができるとともに、前記植生基体によって保水や保温、排水などを行うことができる、という表層土壌の浸食を防止させうる法面浸食防止機能を意味する。
この発明において、植生基体が併せ持つバイオマス付着・堆積機能とは、植生基体によって根茎や種子、土壌微粒子などの現地バイオマスを付着することができる、という現地バイオマスを付着させうる現地バイオマス付着機能、ならびに、
例えば経絡マット状の植生基体においてはその内部に現地バイオマスを取り込んで包含するように堆積させたり、例えば前記植生ネットのような、前記肥料袋などの突起物を施工地(例えば法面)に設けてなる植生基体においては前記突起物の堰止め効果によって現地バイオマスを堆積させることができる、という現地バイオマスを堆積させうる現地バイオマス堆積機能を意味する。
なお、植生基体の一例である前記植生ネットの好適な構成の一つとして上述した、前記肥料袋を等高線状に適宜間隔で配置した立体ネットにおいて、第1ネット、第2ネットの目合および両ネットを構成する素材の形態ならびに第2ネットを例えば法面から浮かせた状態で配置する構造等は、前述した(施工地)浸食防止機能と(現地バイオマス)付着・堆積機能を助長・促進させうる構成のものであれば特に限定するものではなく、適宜設定されうる。
この場合、立体ネットの形態として、例えば、第2ネットをモノフィラメント、第1ネットをフラットヤーンによって形成するなどネットを構成する繊維の形態を変えたり、異なる素材の繊維を用いることによって、第2ネットを構成する繊維を第1ネットを構成する繊維に比べて熱収縮率の高いものとするのが好ましい。つまり、前記短繊維不織シートの取り付け時に第1ネットとこれに連結される第2ネットを加熱することにより第2ネットを収縮させることができ、施工時には第1ネットに例えば法面に密着する程度の弛みを持たせた状態で、第2ネットに十分な張力をかけて第1ネットの上部に位置させることができるとともに、施工後の太陽熱などを利用して第2ネットを収縮させることもできる。すなわち、第2ネットと第1ネットによる立体的な二重ネット構造を確実なものとすることができる。
この発明において、施工地周辺に存在する現地バイオマスを吸引採取することなく施工地周辺より植生基体上へ直接的に移動させる作業としては、例えばコンプレッサーから伸ばしたホースを配置し、ホース先端から放出される圧縮空気による現地バイオマスの吹き飛ばしや(図1参照)、例えば小型のブロアーなどを用いて空気で現地バイオマスを吹き飛ばしたり、例えばレーキや箒などを使って人力で現地バイオマスを撒き散らすなどの作業が施される。このように施工地周辺に存在する現地バイオマスをホースを介して吸引採取(一旦回収)することなく、施工地周辺より植生基体上へ直接的に移動させる、という手法をこの発明は採用しており、一旦回収したりせずに直接的に現地バイオマスの移動を行うことにより、例えば前記ホース内に現地バイオマスが付着してこれが残存するといった、回収による付着ロスが無くなり、現地バイオマスの状態や能力を低減させること無く利用が可能となるのである。特に、前記圧縮空気を利用した吹き飛ばしによる方法が、コンプレッサー1台のみの搬入で済むことから運搬コストをかけずに労力の低減ができ、更には人の手が届かない個所(上述したような、時期によっては施工地周辺に存在する樹木や草本に結実している種子や葉など)であっても利用することができるため好適である。また、むやみやたらに樹木の根などを傷つけるおそれもない。
必要であれば、利用しようとする現地バイオマスに予め肥料や保水材などを添加しておくことで、施工地(例えば法面上)に、より理想的な植物生育環境を形成させることができる。
一方、前記ホース先端から圧縮空気を放出することで現地バイオマスを吸引採取することなく施工地(例えば法面)周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる際、圧縮空気の圧力や圧縮空気の吹き出し方向の調整を行わなければ現地バイオマスが施工地(例えば法面)を超えて行ってしまう可能性がある。そこで、施工地周辺(例えば林地)から出される現地バイオマスを確実に施工地(例えば法面)上へと導くことができる防止部材を配置することが好適である(図4,5参照)。この防止部材としては施工地周辺(例えば林地)から出される現地バイオマスが跳ね返って施工地(例えば法面)側に戻ってくるような構成のものならば特に限定は無く、板、網、シートなどを選択することができる。軽量な樹脂製のシートを用いることがコスト的・労力的に好適である。
上記観点から、
この発明では、吹き飛ばされたり、あるいは、撒き散らされたりした前記現地バイオマスが前記施工地を超えるのを防止する防止部材を設ける作業が施されるのが好ましい(請求項2)。
また、この発明の適用例としては、前記施工地が法面であり、前記施工地周辺が、前記施工地に隣接した状態で施工地上側(施工地上部)に存在する林地であり、前記現地バイオマスが、林地内に存在する林内バイオマスである場合(請求項3)を挙げることができる。
この発明は、浸食防止機能およびバイオマス付着・堆積機能を併せ持つ植生基体を施工地に張設する工程と、施工地周辺に存在する現地バイオマスを吸引採取することなく前記施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる作業を施す工程とを含み、さらに、前記施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる作業として、前記現地バイオマスを吹き飛ばす作業、あるいは、前記現地バイオマスを撒き散らす作業が施される
このようにすることで、従来は待ち一辺倒だった飛来種子による緑化に加え、施工地周辺からその施工地生態系に合った植物や生育環境の導入が可能となる。すなわち、堆積状態で植生基体上に配置された現地バイオマスは、植物の生育基盤となったり、現地バイオマスに含まれる土壌微生物の働きによって施工地の土壌環境を改善させたり、現地バイオマスに含まれる種子や根茎から新たな植物が発芽したりして、施工地の例えば法面上に多様な植物相を導入することができる。
また、通常飛来種子緑化は風散布性の植物が多く繁茂することになるが、この発明では、現地バイオマスを用いることで、飛来種子以外の植物も施工初期段階から施工地へ侵入することができる。その結果、施工地生態系に合った自然植生による早期の施工地保護を図ることができる。すなわち、従来の飛来種子緑化は、自然の力による緑化を達成するためには種子の飛来を待つだけであり、自然の条件に大きく左右されてしまうという特徴も併せ持つが、この発明では施工初期段階から施工地周辺に存在する現地バイオマスを人為的に、かつ積極的に植生基体上へ移動させることにより、大型の機械を用いることなく、より簡易で自然の条件に左右されることなく安定的にかつ確実に自然植生を導入できる緑化工法を提供できるものであり、植物による早期の法面保護を自然の条件に大きく左右されることなく必要なときにはいつでも行える点で大変有利である。
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
図1〜3は、法面(施工地の一例)浸食防止効果と林内バイオマス(現地バイオマスの一例)付着・堆積効果を併せ持つ植生ネット(植生基体の一例)を法面に張設し、法面の上部に存在する林地(施工地周辺の一例)より林内バイオマスを吸引採取することなく植生ネット上へ直接落下させるように構成したこの発明の一実施形態を示す。なお、ここで言う林内バイオマスとは、枝葉や根茎、種子、腐葉土、菌類や土壌微生物など、林地内に存在する生物資源全般を指す語句である。
図1〜3において、1は、植生基体の一例としての植生ネット(例えば特開2006−266043号公報参照)である。この植生ネット1は立体ネットであり、平面視矩形である。すなわち、植生ネット1は、法面2上に配置される第1ネット3と、この第1ネット3の上部に位置するよう重ねた状態で第1ネット3に連結される第2ネット4と、法面2への設置状態において両ネット3,4間に横方向に形成された収容部A内に縦方向(両矢印Bで示す方向)に沿って交互に収容させた肥料袋5および基材袋8と、第1ネット3に法面全面に配置されるよう取り付けられた短繊維不織シート6とを有する。さらに、植生ネット1は、前記短繊維不織シート6が法面2に当接するとともに、前記肥料袋5と基材袋8が等高線状に適宜間隔で配置されるよう法面2に固定されている。収容部AはB方向に適宜間隔を有して配置されている。
植生ネット1は、肥料袋5,5間、または基材袋8,8間に、飛来種子に加えて、直接落下してくる林内バイオマスCを配置するための十分な面積を有する配置領域を有している。Rは肥料袋5,5間の配置領域である。
前記肥料袋5は例えば耐腐蝕性の不織布によって構成された袋5a内に、配置領域R内に付着あるいは堆積により配置されている林内バイオマスCや飛来種子に少しずつ溶出する程度の養分を、少なくとも数カ月〜数年といった長い肥効期間にわたって供給する超遅効性の肥料5bを収容してなるものである。加えて、袋5a内に保水材や土壌改良剤などが含められていてもよい。
前記基材袋8は、耐腐蝕性の不織布によって構成された袋8a内に、例えば保水材、土壌改良剤、肥料などの植生基材8bが収容されている。
肥料袋5および基材袋8はそれぞれ止め釘9およびサブアンカー10など止着部材によって植生ネット1を法面2に打ちつけて固定されている。
11は、コンプレッサーである。12は、法面2の上部に存在する林地であり、樹木Eや草本Fが生い茂っている。13はその林地12の地表面であり、図1,2にはコンプレッサー11から伸ばしたホース14の先端に設置されるノズル15から放出される圧縮空気Gによりノズル15を地表面13の草本Fあるいは樹木Eに向かうよう上下方向(a,b方向)(図2参照)、左右方向等任意の方向に動かして林内バイオマスCを吹き飛ばしている状態が示されている。
一方、第1ネット3の目合いを第2ネット4の目合いよりも密にするため第1ネット3を構成する繊維が第2ネット4を構成する繊維に比べて太くしてある。これにより、飛来種子や直接落下してくる林内バイオマスCが第2ネット4の目合いを通りやすくできる。一方、雨水などは例えばフラットヤーンのように太い繊維からなる第1ネット3に当たることにより減速しやすくなり、それだけ法面2の保護を行うことができる。また、第2ネット4は例えばモノフィラメントの編成によって形成されている。そのため、第2ネット4は十分な強度を備えながら第1ネット3に比べて細く形成することができる。
具体的には、第1ネット3は、例えばポリエチレン(PE)系の合成樹脂からなるフラットヤーンからなる緯糸と、この緯糸に直交する例えはポリエチレン(PE)系の合成樹脂からなるモノフィラメントを鎖編みすることにより形成された経糸とからなり、緯糸は経糸間をジグザグに進ようにして編み込んて形成したものである。また、その目合いは、林内バイオマスCよりも幾らか大きい程度の大きさを有する。
また、第2ネット4は、例えばポリエチレン(PE)系の合成樹脂からなるモノフィラメントを鎖編みすることにより形成された緯糸と、この緯糸に直交する例えはポリエチレン(PE)系の合成樹脂からなるモノフィラメントを鎖編みすることにより形成された経糸とからなる。そして、第1ネット3の経糸と第2ネット4の経糸同士を中閉じ糸Dによって連結することにより、第1ネット3の上部の所定高さ位置に第2ネット4を位置させることができる。また、第2ネット4の緯糸を構成するモノフィラメントは第1ネット3の緯糸を構成するフラットヤーンよりも細い繊維であるから、その目合いを第1ネット3のものよりも大きくすることができる。
以下、法面緑化工法について説明する。
まず始めに、植生ネット1を法面2に施工する。その後、法面2の上側に存在する林地12へ、コンプレッサー11から伸ばしたホース14を配置し、ホース先端に設けたノズル15から圧縮空気Gを放出することで林内バイオマスCを植生ネット1上へ移動させる。すなわち、林地12に存在する林内バイオマスCを吸引採取することなく林地12より植生ネット1上へ直接落下させるため林地12より圧縮空気Gにより林内バイオマスCを吹き飛ばす作業を行う。この場合、図2に示すように、地表面13側だけではなく、二点鎖線で示すノズル15のように、人の手が届かない個所、すなわち、林地12に存在する樹木Eに向かって圧縮空気Gを放出することもでき、樹木Eに結実している林内バイオマスCに含まれる種子や葉なども植生ネット1上へ直接落下させることができる。また、むやみやたらに樹木Eの根などを傷つけるおそれもない。
また、図3(A)において、Kは、圧縮空気Gによる林内バイオマスCの吹き飛ばされる方向を示す。この場合、ほとんど全ての林内バイオマスCは植生ネット1上へ向かう方向に落下している。なお、レーキや箒などを用いる場合は、林内バイオマスCを撒き散らす作業が施される。
そして、植生ネット1上へ直接落下してきた林内バイオマスCは、第2ネット4に当たるなどしてその落下速度が低下し、第1ネット3や短繊維不織シート6に当たることによって、配置領域Rを含む法面2の表面に林内バイオマスCを配置させることができる〔図3(B)参照〕。この場合、第2ネット4は第1ネット3の上部に位置するように配置されているので、外部からの風が第2ネット4に当たることにより緩和され、法面2の表面に配置した林内バイオマスCを吹き飛ばしにくくできる。飛来種子の場合も同様である。 例えば、短繊維不織シート6の上に落下した林内バイオマスCは短繊維不織シート6に絡まることにより短繊維不織シート6から容易に外れないようにすることができて、その場に付着する。このように短繊維不織シート6によって、根茎や種子、土壌微粒子などの林内バイオマスCを付着することができ、これらから植物を生育させることができる。
一方、転がりやすい形状の林内バイオマスCは短繊維不織シート6の繊維に絡まることなく外部からの風を受けるなどして第1ネット3上を転がることも考えられる。植生ネット1上へ一旦落下した転がりやすい形状の林内バイオマスCは、第2ネット4により外部からの風によって吹き飛ばされることから保護されており、第1ネット3上を転がった林内バイオマスCは重力によって谷側に移動する。そして、肥料袋5、基材袋8によって形成される小段に当接して肥料袋5、基材袋8の上側に少なくとも転がりやすい形状の林内バイオマスCは堆積していくので、これらから植物を生育させることができる。すなわち、付着しきれなかった林内バイオマスCも肥料袋5、基材袋8の堰止め効果によって堆積させることができる。
その結果、植生ネット1上に配置された林内バイオマスCは、植物の生育基盤となったり、林内バイオマスCに含まれる土壌微生物の働きによって法面2の土壌環境を改善させたり、林内バイオマスCに含まれる種子や根茎から新たな植物が発芽したりして、法面2上に多様な植物相を導入することができる。
ところで、圧縮空気Gの圧力や圧縮空気Gの吹き出し方向の加減でこれらの調整を行わなければ林地12から出される林内バイオマスCが法面2を超えて行ってしまう可能性がある。そのために、吹き飛ばされたり、あるいは、撒き散らされたりした林内バイオマスCが法面2を超えるのを防止する対策を施すのが好ましい。
図4は、吹き飛ばされたり、あるいは、撒き散らされたりした林内バイオマスCが前記法面2を超えるのを防止するため、図1,2で示した林地12に防止部材を設ける作業が施された後、林内バイオマスCを圧縮空気Gにより吹き飛ばす作業が施されるこの発明の他の実施形態を示す。なお、図4において、図1〜3に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
図4において、16は、防止部材である。この防止部材16としては林地12から出される林内バイオマスCが跳ね返って法面2側に戻ってくるような構成のものならば特に限定は無く、板、網、シートなどを選択することができる。この実施形態では、防止部材16として、法面2に張設された植生ネット1との間に跳ね返り空間Sを有する状態で植生ネット1の上部(山側の植生ネット部分)の表面の少なくとも一部を上方から覆うことが可能な平面形状を備えた透明シートを使用している。
21は、林地12に設置された足場で、複数のパイプより構成される一対の足場部分を含む。すなわち、パイプ22とパイプ23は下端が地表面13に埋設固定され、上端同士を略直立状態のパイプ22に対しパイプ23を法面側に傾斜させた状態でクランプ部材24によって連結されて一方の足場部分21aが構成される。Tは連結部分である。そして、一方の足場部分21aとは横方向に植生ネット1の少なくとも横幅に相当する間隔を有しながら足場部分21aと同一構成の他方の足場部分(図示せず)が林地12に設置されている。25は、パイプ22とパイプ23の略中間高さ位置にそれぞれクランプ部材26によって連結固定された透明シート支えパイプであり、同一構成の支えパイプが他方の足場部分にも備わっている。
透明シート16の設置にあたっては、透明シート16の上部分(山側の部分)16aを足場21にこれを覆い隠すように設置する。この場合、一方の足場部分21aの連結部分Tと他方の足場部分の連結部分、ならびに、一方の足場部分21aの透明シート支えパイプ25の支え部tと他方の足場部分の透明シート支えパイプの支え部とに透明シート16の上部分(山側の部分)16aを架けて外れないように固定する。透明シート16の下部分16b(谷側の部分)は上部分(山側の部分)16aが足場21に支えられた状態で跳ね返り空間Sを有しながら植生ネット1の下部(谷側の植生ネット部分)の表面の一部または全部を覆う。
そのため、林内バイオマスCが法面2を超えて行ってしまう方向(矢印Jで示す方向)に吹き飛ばされても透明シート16に当たって法面2側に跳ね返され、J方向に吹き飛ばされた林内バイオマスCを確実に法面2へと導くことができる。
そして、植生ネット1上へ直接落下してきた林内バイオマスCは、第2ネット4に当たるなどしてその落下速度が低下し、第1ネット3や短繊維不織シート6に当たることによって、林内バイオマスCを法面2の表面に配置させることができる。この場合、第2ネット4は第1ネット3の上部に位置するように配置されているので、外部からの風が第2ネット4に当たることにより緩和され、法面2の表面に配置した林内バイオマスCを吹き飛ばしにくくできる。飛来種子の場合も同様である。
例えば、短繊維不織シート6の上に落下した林内バイオマスCは短繊維不織シート6に絡まることにより短繊維不織シート6から容易に外れないようにすることができて、その場に付着する。このように短繊維不織シート6によって、根茎や種子、土壌微粒子などの林内バイオマスCを付着することができる。
一方、転がりやすい形状の林内バイオマスCは短繊維不織シート6の繊維に絡まることなく外部からの風を受けるなどして第1ネット4上を転がることも考えられる。植生ネット1上へ一旦落下した転がりやすい形状の林内バイオマスCは、第2ネット4により外部からの風によって吹き飛ばされることから保護されており、第1ネット3上を転がった林内バイオマスCは重力によって谷側に移動する。そして、肥料袋5、基材袋8によって形成される小段に当接して肥料袋5、基材袋8の上側に少なくとも転がりやすい形状の林内バイオマスCは堆積していくので、これらから植物を生育させることができる。すなわち、付着しきれなかった林内バイオマスCも肥料袋5、基材袋8の堰止め効果によって堆積させることができる。
その結果、植生ネット1上に配置された林内バイオマスCは、植物の生育基盤となったり、林内バイオマスCに含まれる土壌微生物の働きによって法面2の土壌環境を改善させたり、林内バイオマスCに含まれる種子や根茎から新たな植物が発芽したりして、法面2上に多様な植物相を導入することができる。
図5は、防止部材として、板体を用いたこの発明のさらに他の実施形態を示す。なお、図5において、図1〜4に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
図4のものと図5のものとの違いは、透明シート16に代えて板体30を林地12に設置された足場21に設置した点である。板体30は、法面2に張設された植生ネット1との間に跳ね返り空間Sを有する状態で植生ネット1の上部(山側の植生ネット部分)の表面の少なくとも一部を上方から覆うことが可能な平面形状を備えている。
この発明の一実施形態を説明するための全体構成説明図である。 上記実施形態において、圧縮空気により林内バイオマスを吹き飛ばす作業形態を示す構成説明図である。 (A)および(B)はそれぞれ、圧縮空気による林内バイオマスの吹き飛ばされ方を示す構成説明図および法面表面における林内バイオマスの配置形態を示す構成説明図である。 この発明の他の実施形態を説明するための全体構成説明図である。 この発明のさらに他の実施形態を説明するための全体構成説明図である。
1 植生ネット(植生基体)
2 法面(施工地)
12 林地(施工地周辺)
C 林内バイオマス(現地バイオマス)

Claims (3)

  1. 浸食防止機能およびバイオマス付着・堆積機能を併せ持つ植生基体を施工地に張設する工程と、施工地周辺に存在する現地バイオマスを吸引採取することなく前記施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる作業を施す工程とを含み、
    さらに、前記施工地周辺より前記植生基体上へ直接的に移動させる作業として、前記現地バイオマスを吹き飛ばす作業、あるいは、前記現地バイオマスを撒き散らす作業が施されることを特徴とする緑化工法。
  2. き飛ばされたり、あるいは、撒き散らされたりした前記現地バイオマスが前記施工地を超えるのを防止する防止部材を設ける作業が施される請求項1に記載の緑化工法。
  3. 前記施工地が法面であり、前記施工地周辺が、前記施工地に隣接した状態で施工地上側に存在する林地であり、前記現地バイオマスが、林地内に存在する林内バイオマスである請求項1または2に記載の緑化工法。
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