JP2000073369A - 裸地法面の緑化用植生基体 - Google Patents

裸地法面の緑化用植生基体

Info

Publication number
JP2000073369A
JP2000073369A JP10242415A JP24241598A JP2000073369A JP 2000073369 A JP2000073369 A JP 2000073369A JP 10242415 A JP10242415 A JP 10242415A JP 24241598 A JP24241598 A JP 24241598A JP 2000073369 A JP2000073369 A JP 2000073369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetation
seeds
slope
net
bare
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10242415A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kanbe
廣之 神部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshoku Corp
Original Assignee
Nisshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshoku Corp filed Critical Nisshoku Corp
Priority to JP10242415A priority Critical patent/JP2000073369A/ja
Publication of JP2000073369A publication Critical patent/JP2000073369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 裸地法面における土壌の流出及び泥水の発生
を防止し、法面などの裸地を保護する裸地法面の緑化用
の植生基体において、裸地に周辺自然植生を早期に導入
できるようにする。 【解決手段】 ネット2に、所定の幅で、植生種子、肥
料、土壌改良剤などが添着されて形成された植生添着部
6と、これら植生種子、肥料、土壌改良剤などが添着さ
れないで形成された周辺自然植生侵入部7が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面などにおける
土壌の流出及び泥水の発生を防止し、法面などの裸地を
保護する裸地法面の緑化用植生基体に関する。
【0002】
【従来の技術】裸地法面は、これを放置していると、一
般的には表面浸食をまねき、長い年月を要してもなかな
か植生は侵入しない。このため、早期に植生を生育さ
せ、浸食防止を図るために、発芽生育の早い外来草を全
面的に播種する各種の手段が実施されている。
【0003】しかし、外来草の生育が長年にわたり旺盛
であるために、飛散などによって周囲より侵入する周辺
自然植生が、この外来草の生育に負け、相当年数を要し
ないと周辺自然植生に移り変わらない。
【0004】そこで、この外来草の被圧から逃れるため
に、法面に筋状に播種する手段とか、ネットのみを張り
付ける手段などが採用されている。
【0005】ところが、筋状に播種する手段は、筋の間
隔を狭くすると全面播種と同様に被圧を受け、逆に間隔
を広くすると、外来草による被圧は受けなくなるが、植
生生育間の裸地法面が浸食崩壊を受け、周辺自然植生の
定着がなかなか進まない。
【0006】また、ネットのみを張り付ける手段では、
裸地法面に比べれば浸食防止の効果は見られるものの、
その効果は不十分であるうえに、張り付け後、短期間に
緑化が期待できなく、強い降雨があると法面保護効果が
期待できない。以上の理由によって、上記従来の手段
は、いずれも周辺自然植生を早期に導入することが困難
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、上記のように、裸地法面における土壌の流出及び泥
水の発生を防止し、法面などの裸地を保護する裸地法面
の緑化用植生基体であって、前記裸地に周辺自然植生を
早期に導入できるようにすることを課題とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、基本的には、上
記請求項1記載の発明の技術的な課題をうまく達成しな
がら、更に、作業効率を格段に向上でき、殊に法長が短
い裸地法面に好適に適用できるようにすることを課題と
する。
【0009】請求項3記載の発明は、基本的には、上記
請求項1または請求項2に記載された発明の技術的な課
題をうまく達成しながら、更に、裸地法面の表面浸食、
したがって、土壌の流出と泥水の発生を効果的に抑制す
ることを課題とする。
【0010】請求項4記載の発明は、植生基体を簡便に
製造できるようにすることを課題とする。
【0011】請求項5、また、請求項6記載の発明は、
基本的には、上記請求項1または請求項2記載の発明の
技術的な課題をうまく達成しながら、更に、裸地法面に
おける土壌の流出及び泥水の発生を効果的に抑制し、併
せて裸地への周辺自然植生の早期な発芽・生育を可能に
することを課題とする。
【0012】請求項7記載の発明は、基本的には、上記
請求項5に記載された技術的な課題をうまくクリアー
し、併せて裸地法面の表面浸食、したがって、土壌の流
出と泥水の発生とをより理想的に防止して、裸地法面の
緑化をさらに効果的に達成できるようにすることを課題
とする。
【0013】請求項8記載の発明は、基本的には、上記
請求項6に記載された技術的な課題をうまくクリアー
し、併せて裸地法面の表面浸食、したがって、土壌の流
出と泥水の発生とをより理想的に防止して、裸地法面の
緑化をさらに効果的に達成できるようにすることを課題
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、ネットに、所定の幅で、植生種子、肥料、土壌改
良剤などが添着されて形成された植生添着部と、これら
植生種子、肥料、土壌改良剤などが添着されないで形成
された周辺自然植生侵入部が設けられたことである。
【0015】この手段によれば、図1〜図4に示される
ように、植生基体を裸地法面などに前記植生添着部を帯
状や千鳥状になるようにして敷設する。その結果、法面
上に帯状や千鳥状となって早期に外来牧草類を発芽・生
育させ、もって法面のエロージョンをうまく防止する。
そして、周辺自然植生侵入部は、この早期に外来牧草類
を発芽生育した部位に囲まれることになる。
【0016】植生基体を敷設した当初、この周辺自然植
生侵入部は、裸地が剥き出しになっていて、エロージョ
ンのおそれが懸念されるが、前記のとおり、早期に発芽
生育した外来牧草類により小さく区画されることによっ
て、この周辺自然植生侵入部でのエロージョンは殆どみ
られない。
【0017】以上の手段において、前記植生種子として
は、早期に発芽・生育して植生により法面被覆効果を短
期間で発揮させる必要上から、例えば、トールフェス
ク、レッドトップ、クリーピンレッドフェスクなどの外
来牧草類が採用される。
【0018】従って、請求項1記載の発明は以下の効果
を有する。法面の全域にわたって、植生添着部での早期
な添着種子の発芽・生育と、上下に位置する植生添着
部、つまり植生生育域に保護されるこの周辺自然植生侵
入部での飛来植生種子の安定的な定着とがうまく図れ
る。従って、従来の筋状に播種する手段やネットのみを
張り付ける手段等と違って、裸地法面の浸食防止効果が
効率的に達成される上に、降水の流下を分散し流速を減
じ水食崩壊もうまく防止でき、飛来種子が外来種の被圧
を受ける恐れも少なく、早期に発芽・生育して裸地法面
の早期の緑化に大きく貢献し、裸地法面の早期の内の緑
化が可能になった。
【0019】また、請求項2記載の発明は、所定の縦横
寸法のネットに、植生種子、肥料、土壌改良剤などが添
着されてなる植生添着部と、同様に所定の縦横寸法のネ
ットに、これら植生種子、肥料、土壌改良剤などが添着
されないで形成されてなる周辺自然植生侵入部とからな
ることである。
【0020】この手段によると、現場法面において、予
め形作られた植生添着部と周辺自然植生侵入部とを順次
展張させる。
【0021】従って、この請求項2記載の発明は、次の
効果を有する。独立して形成される植生添着部と周辺自
然植生侵入部とを現場において、単に展張させること
で、前記裸地法面の緑化を行え、併せて自在に配置し易
く、作業能率の向上に格段に貢献する。
【0022】また、植生添着部と周辺自然植生侵入部と
は独立して工場生産ができ、取り扱いが格段に容易な大
きさとなるから、現場施工の簡素化、効率アップに更に
大きく貢献する。特に、法長が短い法面では、独立した
これら植生添着部と周辺自然植生侵入部とを地形に応じ
て自在に無駄を少なくして使用することができ、使い勝
手の良い裸地法面の緑化用植生基体を提供できるに至っ
た。
【0023】この発明において、請求項3に記載される
ように、ネットの下面に布帛が係着され、前記植生添着
部では、この布帛に前記植生種子、肥料、土壌改良剤な
どが添着されるのが望ましい。
【0024】この手段によると、 布帛は、敷設後の降
雨により、ネットから離脱して、法面土壌表面に落下し
て、法面表面の細かな凹凸に即応して被覆する。植生種
子添着部では、植生種子、肥料、土壌改良剤などと裸地
法面との馴染みを格段に向上させるように働き、また、
周辺自然植生侵入部では、飛来種子の捕捉がうまく働
く。さらに、雨はネット及びこの布帛によってその勢い
が弱められる。
【0025】このように、布帛は、法面表面の細かな凹
凸に即応してこれを被覆するので、法面表面の微細土壌
粒子の移動・流亡を確実に防止し、植生添着部において
は、種子の移動・流亡がうまく防止でき、また、周辺自
然植生侵入部においては、基本的に飛来種子の定着がよ
り確実に行われる。したがって、植生添着部での早期な
添着種子の発芽・生育と、上下に位置する植生添着部、
つまり植生生育域に保護されるこの周辺自然植生侵入部
での飛来種子の安定的な定着とが一層うまく図れる。そ
の結果、従来の筋状に播種する手段やネットのみを張り
付ける手段などと違って、裸地法面の浸食防止効果が格
段に効率的に達成される上に、降水の流下を分散し流速
を格段に減じ水食崩壊もうまく防止でき、飛来植生種子
が外来種の被圧を受ける恐れも少なく、早期に発芽・生
育して裸地法面の早期の緑化に一層大きく貢献し、裸地
法面の早期の内の緑化が可能になるからである。
【0026】また、請求項4記載のように布帛を水溶性
糊剤でネットに添着させるのが望ましい。ネットにこの
布帛を添着させるのが容易で、植生基体を作りやすく、
併せて降雨などによって、ネットからこの布帛が比較的
早期に、かつ、簡便に離脱するので、この布帛の法面表
面に対する馴染みが比較的早期の内に達成されるからで
ある。
【0027】請求項5や請求項6に記載のように、前記
周辺自然植生侵入部には、植生種子は除いた小径の飛来
種子の定着を促す植生基材袋を、等高線に沿って所定の
間隔で複数段に配置され、飛来種子などの周辺自然種子
が定着しやすいように形成したり、前記植生添着部に
は、小径の植生基材袋が、等高線に沿って所定の間隔で
複数段に配置されたりするのが望ましい。周辺自然植生
侵入部では、この定着を促す植生基材袋により、また、
植生添着部では、植生基材袋により、ともにうまく表層
土壌粒子の移動抑制が図られ、その結果、飛来植生種子
の安定な定着域が形成されるからである。特に、これら
植生基材袋の上部分は、この飛来種子の安定な固定に大
きく貢献する。
【0028】請求項7あるいは請求項8に記載のよう
に、前記飛来種子の定着を促す植生基材袋には、肥料と
最低限柔軟性があり法面の起伏に添いやすい植生基材の
内、少なくとも植生基材が充填され、また、前記植生基
材袋には、植生種子、肥料、最低限柔軟性があり法面の
起伏に添いやすい植生基材の内、少なくとも植生基材が
充填されているのが望ましい。周辺自然植生侵入部、植
生添着部いずれにあっても、この小径の袋が法面表面に
よく馴染んで、法面表面の微細土壌粒子の移動・流亡を
確実に防止し、植生添着部においては、種子の移動・流
亡がうまく防止でき、周辺自然植生侵入部では、飛来植
生種子の安定な固定に大きく貢献できるからである。
【0029】前記最低限柔軟性があり法面の起伏に添い
やすい植生基材としては、例えば、オガグス、ピートモ
ス、バーク堆肥、バーミキュライト、パーライトなどの
植物質、鉱物質の材料が採用される。
【0030】また、この植生基材には肥料が添加される
こともある。この肥料によって、飛来種子の生育促進が
図れて好都合だからである。更に、前記植生添着部に係
着される袋の植生基材には植物種子が混入されることが
ある。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る裸地法面の緑
化用植生基体の実施の形態を図面を参照しながら説明す
る。
【0032】(第1の実施の形態)植生基体1は、図1
に示されるように、まず、一般に使用される、例えば目
合が20×15mm程度で、幅が約1mで、長さが10
〜20m程度の植生ネット2が採用される。このネット
2の裏面には、水溶性糊剤などによって、その全域に布
帛3の一例である薄綿が添着される。また、このネット
2の表面には、裸地法面の等高線に沿うように横向き
に、概ね約10〜30cm間隔、好ましくは20cm間
隔にして、小径、例えば5〜25mm、望ましくは10
mm程度の直径を備える袋4が互いに平行になるように
設けられている。
【0033】前記小径の袋4には、植生基材5が充填さ
れている。この植生基材5は、柔軟性があり、法面の起
伏に添いやすいものであればよく、例えばオガクズ、ピ
ートモス、バーク堆肥、バーミキュライト、パーライト
などの植物質、鉱物質の材料が採用される。また、必要
に応じて、肥料や植物種子が混入される。
【0034】また、このネット2は、その全長が約50
〜100cm単位で区分されようになっている。具体的
には、図1に示されるように、最上位Aの50〜100
cm部分は、前記薄綿3の全域に植生種子、肥料、土壌
改良剤などが、水溶性糊剤を介して一面に添着されて、
植生添着部6が形成されている。そして、この植生種
子、肥料、土壌改良剤などの添着域、つまり植生添着部
6の下方Bには、同様に50〜100cm部分にわたっ
て、何も添着されない域、つまり周辺自然植生侵入部7
が形成される。そして、この周辺自然植生侵入部7の下
側Cには、また、前記植生添着部6が形成されている。
このようにして、ネット2の裏面全域に添着された薄綿
3部分に、50〜100cm間隔で、植生種子、肥料、
土壌改良剤などを添着させた植生添着部6と、何も添着
されない周辺自然植生侵入部7が交互に配置されてい
る。なお、植生添着部6も周辺自然植生侵入部7も、い
ずれもその上下寸法は、種々試験に採用された例を総合
的に勘案すると、80cm前後が望ましい。
【0035】前記一般に使用される植生ネット2とは、
公知の例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのよう
に耐腐食性に優れたものや、麻やジュートなどの植物性
繊維あるいは水溶性の紙やビスコースレーヨンなどのよ
うに比較的短期間で腐蝕されるようなものなど、更に
は、強力レーヨン、防腐処理を施した腐食性素材、腐食
性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維、高分子エマルジ
ョンまたは水溶性ポリマーのうち少なくとも一方をビス
コース溶液に内添した混繊レーヨンなどを素材にしたも
のが採用される。これら以外にも、例えば光分解性また
は生分解性プラスチックネットが採用される。また、目
合は、例えば20×15mm程度のものが採用され、幅
約1mで、全長が10〜20mのものが採用される。
幅、長さは必要に応じて適宜に選択される。
【0036】前記植生添着部6に植生種子、肥料、土壌
改良剤などを添着するための具体的な手段としては、前
記薄綿3に添着させる手段の他、前記植生種子、肥料、
土壌改良剤などを前記ネット2に直接に添着する手段で
ある。この添着に当たっては水溶性の糊剤が採用され
る。これらの手段は、施行現場の状況などに応じて適宜
選択される。
【0037】なお、前記薄綿に代えて、植物種子の発芽
生育の妨げにならず、しかも水分により溶解するクレー
プ紙、高分子系フィルム或いは澱粉系フィルム、寒冷沙
付き水溶性紙、スフ綿、スフ系不織布、パルプ系不織布
などが採用される。このような布帛3は、施工後の降雨
により、ネットから離脱して、法面土壌表面に落下する
ことによって、法面表面の細かい凹凸に即応してこれを
被覆するので、法面表面の微細粒子土壌の移動・流亡を
より確実に防止し、植生添着部においては、種子の移動
・流亡を防止し、周辺自然植生導入部にあっては、飛来
種子の定着をより確実にすることができるので、ネット
2と組み合わせて採用されるのがより理想的である。
【0038】前記小径の袋4をネット2に設けるには、
以下のような手段が採用される。第1には、ネット2上
に緊締することである。また、この緊締以外の手段とし
ては、予め前記ネット2に一体的に編み込まれることで
形成することもできる(図6参照)。
【0039】具体的には、緯糸を、横方向に適宜間隔毎
に多数の経糸により、経糸間隔3〜9本/インチとして
絡み織りで編織してネットを形成し、前記経糸の約半数
を縦方向に緯糸より遊離させ、遊離させた経糸に緯糸を
前記緯糸間隔と同率に編織して二重部分(収容部)を形
成し、この収容部に適宜に前記植生基材5(必要に応じ
て植生種子、肥料、土壌改良剤が混入される)充填した
前記小径の袋4を収容する手段も採用できる。その他に
も、必要に応じて前記小径の袋4を水溶性の糊剤を介し
てネット2上に接着一体化させるという手段も採用でき
る。
【0040】前記小径の袋4は、植生基材5などを充填
中に破断しない程度の引っ張り強度とした耐久性に劣る
繊維で構成された布帛(例えば、補強の端面のナイロン
などのフィラメント長繊維、耐候性強化および土壌流出
防止のためのケバのあるアクリル繊維などの紡績糸、目
ずれ促進のために易劣化性のセルロース、スフ繊維、目
合い拡大のためのポリビニールアルコールなど水溶性繊
維を混織して製作した布帛)からなり、初期の布帛目合
いは、前記植生種子などの流出を阻止できる大きさ(具
体的には、0.1〜2mm程度)に設定される。そし
て、水分に接した状態において、時間の経過につれて、
上記の目合いが、繊維の腐蝕や溶解、目ずれにより植物
の生育の妨げとならない大きさに拡大するようになって
いる。
【0041】また、前記小径の袋4を収容するために形
成される収容部の一方の側端は、ネット2の一方の側端
縁から少しの寸法(約200mm程度)ネット中央側に
偏位させて形成されるのが望ましい。
【0042】このようにして形成された植生基体1は、
ロール状に巻かれて現場まで運ばれ、クレーンなどの重
機を用いて、裸地法面8に一挙に展張施設される。展張
敷設されるに当たっては、図2(A)や同図(B)に示
されるように、最終的に裸地法面8の全域にわたって、
この植生添着部6と周辺自然植生侵入部7とが交互に等
高線上に配置されたり、市松模様状に配置されたりす
る。
【0043】前記のようにして裸地法面に敷設された植
生基体1によって、図3〜6に示されるように、前記植
生添着部6では、早期に添着種子が発芽生育して、この
部分を緑化し、降雨などによるこの部分の裸地の浸食崩
壊防止効果が高まり、法面保護効果を効果的に発揮す
る。また、この植生添着部6の存在によって、この下方
に位置する周辺自然植生侵入部7は、小区画に区分され
ている結果、降水の流下を分散させるような機能を発揮
し、流速を減じ浸食崩壊を効果的に抑制する。このよう
に、この植生添着部6と周辺自然植生侵入部7とが交互
に配されることによって、裸地法面の浸食崩壊が可及的
に効率よく抑制されるのである。
【0044】そして、植生種子などを添着していない周
辺自然植生侵入部7は、上若しくは上下に位置する植生
添着部6に保護されつつ、ネット2と等高線上に配置さ
れた植生基材5が収納された小径の袋4などにより、表
層土壌9の移動抑制が図られ(図6参照)、その結果、
飛来種子10の恰好の、しかも安定した定着域となる。
特にこの植生基材5を収納した小径の袋4の上は、図6
(A),(B),(C)に示されるように、この飛来種
子10の安定な固定に大きな効果を発揮し、この部分を
基にして飛来種子10は発芽生育し、周囲に広がってゆ
くことになる。
【0045】また、植生基材5を収容した小径の袋4に
肥料を混入させた場合は、この肥料を求めて上或いは上
下に位置する植生種子の根の一部が降水の多い時期には
この周辺自然植生侵入部7に侵入し、この周辺自然植生
侵入部7の浸食崩壊をうまく防止するように働く。
【0046】上記の植生基体1は、植生添着部6と周辺
自然植生侵入部7とが交互に形成されて一連に連なった
長尺体として工場生産できるので、特に、法長が長い裸
地法面8では、一連のこれら植生添着部6と周辺自然植
生侵入部7とを一挙に展張して緑化施工が可能になるの
で、斯る点から現場施工に手数が掛からず、現場施工の
簡素化、効率アップに更に大きく貢献でき、使い勝手の
良い裸地法面の緑化用植生基体を提供できる。
【0047】また、薄綿3がネット2の裏面全域に係着
されているために、雨はネット2および薄綿3によって
その勢いが弱められる。また、この薄綿3は、植生基体
1を裸地法面8に敷設した後の降雨により、ネット2か
ら離脱して、法面土壌表面に落下して、この裸地法面8
表面の細かな凹凸に即応してこれを被覆するので、裸地
法面8の表面の微細土壌粒子(表層土壌9)の移動・流
亡を確実に防止する。したがって、植生添着部6におい
ては、種子の移動・流亡を防止し、また、周辺自然植生
侵入部7においては、飛来種子10の定着をより確実に
することができる。その結果、この植生基体1が裸地法
面8に敷設した直後から、この裸地法面8を効果的に保
護することができ、植生添着部6での早期な添着種子の
発芽・生育と周辺自然植生の定着を効果的に促進するこ
とができる。
【0048】このように、ネット2の薄綿3を添着する
ことによって、裸地法面8の全域にわたって、植生添着
部6での早期な添着種子の発芽・生育と、上下に位置す
る植生添着部6、つまり植生生育域に保護されるこの周
辺自然植生侵入部7での飛来種子10の安定的な定着と
が一層うまく図れる。その結果、従来の筋状に播種する
手段やネットのみを張り付ける手段等と違って、裸地法
面8の浸食防止効果が格段に効率的に達成される上に、
降水の流下を分散し流速を格段に減じ水食崩壊もうまく
防止でき、飛来種子10が外来種の被圧を受ける恐れも
少なく、早期に発芽・生育して裸地法面8の早期の緑化
に一層大きく貢献し、裸地法面8を早期の内に理想的に
緑化することが可能になった。
【0049】(第2の実施の形態)次に図7〜9に示さ
れる植生基体11は、殊に法長が短い裸地法面8に好適
に適用される別の実施の形態を示す。前記第1の実施の
形態では、前記植生添着部6と周辺自然植生侵入部7が
一連一体の長尺体に形成され、法長の長い裸地法面8に
好適に適用される場合が例示されているが、本第2の実
施の形態では、この植生添着部61と周辺自然植生侵入
部71が、互いに独立した単体として形成されている。
【0050】具体的には、まず、一般に使用される、例
えば目合が20×15mm程度で、幅が約1mで、長さ
が50〜100cm、好ましくは80cmのネット21
が採用される。
【0051】このネット21の裏面には、水溶性糊剤な
どによって、その全域に布帛の一例である薄綿31が添
着される。また、このネット21には、裸地法面81の
等高線に沿うように横向きに、概ね約10〜30cm間
隔、好ましくは20cm間隔にして、小径、例えば5〜
25mm、望ましくは10mm程度の直径を備える袋4
が互いに並行になるように設けられている。
【0052】前記小径の袋41には、植生基材5が装填
されている。なお、この小径の袋41には、前記第1の
実施の形態と同様に、必要に応じて、肥料の他にも植物
種子、土壌改良材などが混合される。
【0053】また、このネット21の一つは、図7に示
されるように、前記薄綿31の全域に植生種子、肥料、
土壌改良剤などが、水溶性糊剤を介して一面に添着され
て、植生添着部61が形成されている。
【0054】更に別のネット21の一つは、図8に示さ
れるように、何も添着されない域、つまり周辺自然植生
侵入部71が形成される。
【0055】このようにして形成された植生基体11
は、図9(A)〜(C)に示されるように、現場裸地法
面8において、予め工場生産された植生添着部61と周
辺自然植生侵入部71とを現場で交互に展張させること
で、この裸地法面8の緑化を実施できる。
【0056】このように、この第2の実施の形態に採用
される構成では、独立して形成される植生添着部61と
周辺自然植生侵入部71とを現場において、単に展張さ
せることで、前記裸地法面81の緑化が実施でき、併せ
て自在に配置し易く、作業能率の向上に格段に貢献す
る。また、植生添着部61と周辺自然植生侵入部71と
は独立して工場生産でき、また、取り扱いが格段に容易
な大きさとなるから、現場施工の簡素化、効率アップに
更に大きく貢献する。特に、法長が短い裸地法面81で
は、独立したこれら植生添着部61と周辺自然植生侵入
部71とを地形に応じて自在に無駄を少なくして使用す
ることができ、使い勝手の良い裸地法面の緑化用植生基
体を提供できる。
【0057】また、薄綿31がネット21の裏面全域に
係着されているために、雨はネット21および薄綿31
によってその勢いが弱められる。また、この薄綿31
は、植生基体1を裸地法面81に敷設した後の降雨によ
り、ネット21から離脱して、法面土壌表面に落下し
て、この裸地法面81表面の細かな凹凸に即応してこれ
を被覆するので、裸地法面81の表面の微細土壌粒子
(表層土壌)の移動・流亡を確実に防止する。したがっ
て、植生添着部6においては、種子の移動・流亡を防止
し、また、周辺自然植生侵入部71においては、飛来種
子の定着をより確実にすることができる。その結果、こ
の植生基体1が裸地法面81に敷設した直後から、この
裸地法面81を効果的に保護することができ、植生添着
部61での早期な添着種子の発芽・生育と周辺自然植生
の定着を効果的に促進することができる。
【0058】このように、ネット21の薄綿31を添着
することによって、裸地法面81の全域にわたって、植
生添着部61での早期な添着種子の発芽・生育と、上下
に位置する植生添着部61、つまり植生生育域に保護さ
れるこの周辺自然植生侵入部71での飛来種子の安定的
な定着とが一層うまく図れる。その結果、従来の筋状に
播種する手段やネットのみを張り付ける手段等と違っ
て、裸地法面81の浸食防止効果が格段に効率的に達成
される上に、降水の流下を分散し流速を格段に減じ水食
崩壊もうまく防止でき、飛来種子が外来種の被圧を受け
る恐れも少なく、早期に発芽・生育して裸地法面81の
早期の緑化に一層大きく貢献し、裸地法面81を早期の
内に理想的に緑化することが可能になった。
【0059】なお、本実施の形態においても、前記第1
の実施の形態に示されるのと同様に、ネット21に布帛
31が添着されるのがより望ましいが、必要に応じてこ
の布帛31を添着しない構成を採用できる。また、他の
各構成は第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説
明は省略する。更に、各実施の形態の構成は、互いに転
用することができ。例えば、第1の実施の形態で採用さ
れた植生基体1と第2の実施の形態で採用される植生基
体11の植生添着部61と周辺自然植生侵入部71とを
併用することである。法長が長い裸地法面でも、第1の
実施の形態に採用された植生基体では法面の全長をカバ
ーしきれず、法面の上や下に少しの裸地法面が露出する
場合などでは、ここに第2の実施の形態で採用される植
生基体11の植生添着部61や周辺自然植生侵入部71
を敷設することで、植生基体の無駄を少なくでき、併せ
て敷設作業の能率アップに貢献できるからである。その
他、ネットの全域ではなくて部分的に布帛3,31が添
着される構成が採用される。植生添着部6,61では布
帛3,31を添着させることで、植生種子、肥料、土壌
改良剤などを添着させやすく、一方周辺自然植生侵入部
7,71では、裸地法面の土壌の形態によっては、飛来
種子を直にこの土壌に定着させた方が得策であるケース
には、ネット2,21のみにして、飛来種子を土壌によ
り早く定着させ、この周辺自然植生侵入部7,71を早
期の緑化するのに好都合であったりするからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る裸地法面の緑化用の植生基体の第
1の実施の形態を示し、植生基体の一部を拡大して示し
た一部切欠き概観図である。
【図2】図1に示される裸地法面の緑化用の植生基体の
作用の説明外観図で、(A)は植生添着部と周辺自然植
生侵入部が等高線上に配された例を示し、(B)は植生
添着部と周辺自然植生侵入部が千鳥状に配された例を示
している。
【図3】図1に示される裸地法面の緑化用の植生基体の
作用の説明図である。
【図4】図1に示される裸地法面の緑化用の植生基体の
作用の説明図である。
【図5】図1に示される裸地法面の緑化用の植生基体の
作用の説明図である。
【図6】図1に示される裸地法面の緑化用の植生基体の
作用の説明図で、(A)は小径の袋がネットに添着され
た状態を説明する要部拡大断面図、(B)はこの小径の
袋によって流下を阻止された表層土壌に自然植生種子が
飛来する状態を説明する要部の拡大断面図、(C)は飛
来した自然植生種子が生育した状態を説明する要部の拡
大断面図である。
【図7】本発明に係る裸地法面の緑化用の植生基体の第
2の実施の形態を示し、植生添着部の一部を部分的に拡
大して説明した一部切欠き概観図である。
【図8】第2の実施の形態を示し、周辺自然植生侵入部
の一部を部分的に拡大して説明した一部切欠き概観図で
ある。
【図9】第2の実施の形態で採用される敷設作業の工程
説明図で、(A)は第1段階の植生添着部を作成する工
程、(B)は第2段階の植生添着部の下側に周辺自然植
生侵入部を作成する工程、(C)は第3工程の周辺自然
植生侵入部の下側に更に植生添着部を作成する工程をそ
れぞれ示す。
【符号の説明】
1,11…植生基体,2,21…ネット、3,31…布
帛、4,41…小径の袋、5,51…植生基材、6,6
1…植生添着部、7,71…周辺自然植生侵入部、8,
81…裸地法面、9,91…表層土壌、10…飛来種
子。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットに、所定の幅で、植生種子、肥
    料、土壌改良剤などが添着されて形成された植生添着部
    と、これら植生種子、肥料、土壌改良剤などが添着され
    ないで形成された周辺自然植生侵入部が設けられている
    ことを特徴とする裸地法面の緑化用植生基体。
  2. 【請求項2】 所定の縦横寸法のネットに、植生種子、
    肥料、土壌改良剤などが添着されてなる植生添着部と、
    同様に所定の縦横寸法のネットに、これら植生種子、肥
    料、土壌改良剤などが添着されないで形成されてなる周
    辺自然植生侵入部とからなることを特徴とする裸地法面
    の緑化用植生基体。
  3. 【請求項3】 ネットの下面に布帛が係着され、前記植
    生添着部では、この布帛に前記植生種子、肥料、土壌改
    良剤などが添着されている請求項1または請求項2のい
    ずれかに記載の裸地法面の緑化用植生基体。
  4. 【請求項4】 前記布帛は、ネットに水溶性糊剤で添着
    されている請求項3記載の裸地法面の緑化用植生基体。
  5. 【請求項5】 前記周辺自然植生侵入部には、植生種子
    は除いた小径の飛来種子の定着を促す植生基材袋が、等
    高線に沿って所定の間隔で複数段に配置され、飛来種子
    などの周辺自然種子が定着しやすいように形成されてい
    る請求項1または請求項2のいずれかに記載の裸地法面
    の緑化用植生基体。
  6. 【請求項6】 前記植生添着部には、小径の植生基材袋
    が、等高線に沿って所定の間隔で複数段に配置されてい
    る請求項1または請求項2のいずれかに記載の裸地法面
    の緑化用植生基体。
  7. 【請求項7】 前記飛来種子の定着を促す植生基材袋に
    は、肥料と最低限柔軟性があり法面の起伏に添いやすい
    植生基材の内、少なくとも植生基材が充填されている請
    求項5記載の裸地法面の緑化用植生基体。
  8. 【請求項8】 前記植生基材袋には、植生種子、肥料、
    最低限柔軟性があり法面の起伏に添いやすい植生基材の
    内、少なくとも植生基材が充填されている請求項6記載
    の裸地法面の緑化用植生基体。
JP10242415A 1998-08-28 1998-08-28 裸地法面の緑化用植生基体 Pending JP2000073369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10242415A JP2000073369A (ja) 1998-08-28 1998-08-28 裸地法面の緑化用植生基体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10242415A JP2000073369A (ja) 1998-08-28 1998-08-28 裸地法面の緑化用植生基体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000073369A true JP2000073369A (ja) 2000-03-07

Family

ID=17088790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10242415A Pending JP2000073369A (ja) 1998-08-28 1998-08-28 裸地法面の緑化用植生基体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000073369A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285557A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Nisshoku Corp 客土注入マットによる法面の緑化保護工法
WO2008038389A1 (fr) * 2006-09-28 2008-04-03 Fujitsu Limited Appareil d'analyse de performance de programme
JP2011157714A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Ohbayashi Corp 木片コンクリートを用いた緑化構造
JP2014212737A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 日新産業株式会社 植生マット、法面植生構造及び法面緑化方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002285557A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Nisshoku Corp 客土注入マットによる法面の緑化保護工法
JP4521709B2 (ja) * 2001-03-27 2010-08-11 日本植生株式会社 客土注入マットによる法面の緑化保護工法
WO2008038389A1 (fr) * 2006-09-28 2008-04-03 Fujitsu Limited Appareil d'analyse de performance de programme
JP2011157714A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Ohbayashi Corp 木片コンクリートを用いた緑化構造
JP2014212737A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 日新産業株式会社 植生マット、法面植生構造及び法面緑化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996035021A1 (fr) Filet tridimensionnel et procede de retenue de vegetation sur une pente
JP4436777B2 (ja) 周辺植物導入用の植生マットおよび法面保護工法
JP2784760B2 (ja) 植生用マットおよびその施工方法
KR100931619B1 (ko) 호안 및 법면보호 녹화용 보강 식생매트 및 이의 시공방법
JP2006320243A (ja) 袋体
JP2000073369A (ja) 裸地法面の緑化用植生基体
JP3332349B2 (ja) 緑化護岸材
JP2003061460A (ja) 遅速型緑化を可能とする植生用マット
JP2649029B2 (ja) 植生マット
JP2784757B2 (ja) 植生用マット
JP2002121739A (ja) 植生マット
KR20040098783A (ko) 녹지조성을 위한 씨앗 발아용 네트
JP3317484B2 (ja) 植生用ネット及び該ネットを使用した緑化工法
JP2525496B2 (ja) 植生基体及びその保護ネット
JP3685850B2 (ja) マルチング材およびマルチング材を用いた種苗植栽方法
JPH0978586A (ja) 法面保護緑化用マット
JP2572314Y2 (ja) 植生用敷設材
JPH11181779A (ja) 法枠施工方法
JP2002363991A (ja) 硬質急斜面用緑化工
JPH1181324A (ja) 金網付き植生ネット
JP5215066B2 (ja) 緑化工法
JP3285792B2 (ja) 法面緑化工法
JP2691464B2 (ja) 法面緑化用ネット
JP2649027B2 (ja) 植生マット
KR20080097539A (ko) 녹화용 상토 씨줄네트 및 그 제조방법