JP4560242B2 - 硬質急斜面用緑化工 - Google Patents

硬質急斜面用緑化工 Download PDF

Info

Publication number
JP4560242B2
JP4560242B2 JP2001177991A JP2001177991A JP4560242B2 JP 4560242 B2 JP4560242 B2 JP 4560242B2 JP 2001177991 A JP2001177991 A JP 2001177991A JP 2001177991 A JP2001177991 A JP 2001177991A JP 4560242 B2 JP4560242 B2 JP 4560242B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mat
greening
vegetation
growth
slope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001177991A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002363991A (ja
Inventor
康隆 入岡
Original Assignee
西日本金網工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 西日本金網工業株式会社 filed Critical 西日本金網工業株式会社
Priority to JP2001177991A priority Critical patent/JP4560242B2/ja
Publication of JP2002363991A publication Critical patent/JP2002363991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4560242B2 publication Critical patent/JP4560242B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬質急斜面用緑化工に係り、詳しくは、緑化用マットとその上に吹きつけられる種子配合客土とにより、硬質な地山の急斜面部での早期緑化と地元木本類による自然景観の復元ならびに地山の安定を図ることができるようにした法面緑化工に関するものである。
【0002】
最近の緑化工には、天然素材を使用した環境に優しく自然にできるだけ負荷をかけないもの、さらには早期に自然景観を復元できるものが求められている。現在、岩盤や硬質土等の法面の緑化ではバーク材などの厚層基材の吹付けが主流であるが、客土注入工法や天然素材をベースにした植生マット工も導入され、厚層基材吹付工の欠点を解消できる工法として注目を浴びつつある。
【0003】
下地に金網を張って客土を吹きつける上記した厚層基材吹付工は、施工実績が多いが、これはバーク材を法面に機械的手段によって迅速かつ均等に堆積させやすいからである。しかし、バーク材は気象の影響を受けやすく、また有機質であるのでバクテリアに食われることもあり、層厚が減少するたびに客土の補充も要求される。接着剤を加えて地山との付着性を向上させるなどしている例も見受けられるが、接着剤もいずれは劣化する。したがって、客土が2・3年で剥離したり滑落し、地山に張った金網が現れて地肌も見え、植生も駄目になってしまうケースもある。
【0004】
また、客土は全面に吹きつけられるのが通常であるが、吹きつけ操作を容易にすると共に牧草の生育に好適なバーク材が客土の大部分を占める結果、吹きつけ面全体は客土に含ませた種子から発芽する草本類で覆われることになる。この場合、種子の種類を分別して吹きつけることは不可能に近く、どうしても単一種に偏った緑化となりがちである。
【0005】
ところで、牧草の生育は極めて旺盛であり、したがって草本類により被圧を受けると地元の在来木本種の進入や成長が阻まれ、周囲に馴染んだ自然景観の復元に多大の時間を要する。それのみならず、草本の植根は岩肌面までしか届かず、剥がれやすい。いずれ地山が露出することにもなる。しかしながら、上記した客土注入工法も植生マット工も、今のところ厚層基材吹付工にとって代わるところまで発展しているとは言いがたい。
【0006】
と言うのは、客土注入工法では、強力な基布を使用するため、植根の地山への伸長が阻害され、また客土の劣化が植生を衰退させる。在来種の進入も円滑を欠く。植生マット工には、マットの保水力が大きくないため発芽が遅延する傾向にある。凹凸が激しかったり変化の大きい地山ではマットの浮き上がりが避けられない。そのうえ、マットは地山に対して手張りされるため、作業性が著しく落ちる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の例は、いずれも主として牧草で緑化しようとするものである。しかし、草本類による早期緑化だけでは見た目の対策に過ぎず、法面の安定を図るためにも在来木本種の導入が望まれる。特開2000−160561号公報には、それを実現すべく、人工客土が天然繊維であるジュートクロスを表皮にして覆った袋詰め状態の植生マットを使用する例が提案されている。
【0008】
これは天然繊維の厚手のベースマットに人工客土を載せ、それにジュートクロスを被せて法面に設置したとき略水平となる方向へ伸びる多数の縫い目で押さえた植生マットとなっている。その人工客土はベースマットの全面に存在するものでないが、縫い目と縫い目の間に形成された山状部は幾つかが連なり、ジュートクロスがベースマットに密着して人工客土を存在させない平坦部が、意図的に山状部一つ分程度の幅で断続的に残されている。
【0009】
山状部は人工客土を保持しておくために形成されたものであることは言うまでもないが、その人工客土には草本類の種子が混入されており、一枚の植生マットの大部分の面で、早期の緑化が図られる。その植生マットには、植物繊維糸束を編んだカバーネットが重ねられており、周辺の山野から飛来する郷土の木本類の種子を捕捉しやすいようになっている。
【0010】
その捕捉された種子のうち山状部では草本類の被圧を受けやすくなるが、平坦部の種子は被圧を避けて発芽の機会が与えられる。したがって、この植生マットによれば、草本類による早期緑化と、その後に自然発生的に生育する地元木本類による周囲景観との融和が時期をずらせて達成され、二段階的な緑化を経て地盤の安定も図られる。
【0011】
この植生マットを使用すれば、客土の消費量を大幅に低減できる利点がある。
その反面、以下に記す難点は避けがたい。まず、植生マットはベースマットに人工客土を配置してからジュートクロスで押さえてミシン掛けするので、その製作作業は容易でない。しかも、人工客土にも針を通すことになるので、その縫い目が極めて粗く、細かくしても5センチメートルにはなる。
【0012】
その結果、植生マットを搬送するなどの間に人工客土がいずれかの山状部に偏ってしまうといったことが起こり、法面に敷設したときに山状部の嵩張りに不均等が生じたり、それを手直しするために多大の手間や時間が要求されたりする。
また、平坦部の面積は全体の3割前後有るとはいえそれぞれは山状部に比べてかなり狭いので、在来の木本類が繁茂するまでには長い年月を要しがちとなる。草本類は初期の緑化に貢献するが長続きすることはなく、木本類の成長を待つ間には緑化の停滞も生じかねない。
【0013】
このようなことを少しでも改善するため、草本類と木本類の両方の種子を客土に混ぜておくといったことも試みられているが、両種の併存は被圧の問題を引き起こし、成長の旺盛な牧草によって木本類の成長はなかなか捗らない。草本類を入れないか控えめにして一・二種類の木本類の種子だけを入れることにすれば、単一種林となって雑木林の多い日本では違和感を与えることにもなる。
【0014】
ちなみに、この植生マットにおいては人工客土に種子や肥料を混入させているので、マット上に厚層基材を吹きつける必要がない。と言うのは、粗密があるとはいえ山状部がマット全面に配列されているので、厚層基材を植生マット上に吹きつけたとしても滑落させてしまうことになるだけであって、吹きつけ基材による効を奏することは期待しがたいからである。
【0015】
特開平9−151458号公報には、一つずつ製作した植生袋を近接して配列し、これを腐蝕性の薄手シートと椰子の実繊維マットとで上下から挟み、Uピン類で上下を締結した植生マットが開示されている。この植生マットにおいても客土に種子や肥料さらには保水材を担持させているので、厚層基材の吹きつけは必要でない。仮に吹きつけたところで、植生袋は特開2000−160561号公報の例の場合以上に粗密なく配置されているので、厚層基材保持作用は望みようがない。
【0016】
以上述べたような種類の植生マットはマット全体に植生袋が数珠つなぎ状に並ぶためマットの剛性が高く、整地の行き届いたところでなければ敷設することが容易でない。したがって、硬質土壌,軟岩法面,無土壌地,凍上地帯に適用するには、それ相応の条件が整っていなければならず、敷設適用面のフレキシビリティの低下は否めない。
【0017】
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、前記した3つの工法の欠点を可及的にクリアしたもので、吹付基材の剥離・滑落を防止し、吹付基材と地山の馴染みを良くし、安定した植生基盤を形成するといったように、厚層基材吹付工の長所と植生マット工の利点を兼ね備える一方、それぞれが抱える短所である草本種の被圧や在来木本種の進入遅延を回避して、スムーズな植物遷移を進めることにより、自然景観を早期に復元できるようにした硬質急斜面用緑化工を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、硬質な地山の急斜面部に緑化用マットを敷設し、草本類による早期緑化と在来木本種の自然発生的な生育促進により、周囲環境と調和のとれた自然景観の復元と地盤の安定を図るようにした法面緑化工に適用される。その特徴とするところは、図1を参照して、フェルトのベースマット6の上に、種子を混入させない人工土壌11(図3の(c)を参照)が装填された複数の袋部12aからなる10ないし30センチメートル幅LT (図6を参照)の連袋群9が、25ないし35センチメートルの上下間隔LG (図6を参照)で配置される。その連袋群9および連袋群の存在しない空所部7を覆うように、ベースマット6の略全体には化繊ネット10が被せられると共に、その化繊ネットの縁辺部および連袋群9の端部がベースマットの縁辺部で縫い止められて植生マット2が形成される(図8を参照)。袋部12aが略水平となるように植生マットを所定の法面に多数敷設すると、植生マット2を覆うようにして金網4が被せられる。アンカーピン16で地山1に固定した金網により法面に密着させた植生マット2上の空所部に向けて、草本類17(図9を参照)の種子を含んだ厚層基材5が金網4の上から吹きつけられて草本生育床7を形成する。そして、飛来する種子を捕捉すると共に草本生育床7で生育する草本類からの被圧の及びにくい連袋群9では、在来種の成長を促進する木本生育床8が形成されていることである。
【0019】
人工土壌は、腐葉土,バーク材等の有機質土壌、およびピートモス等の保水材が含まれる。その人工土壌に木炭を混入させておくこともできる。
【0020】
ベースマットは、ジュートに反毛を混合したフェルトとしておくことが好ましい。
【0021】
化繊ネットの目開きは、20ないし30ミリメートルとしておく。図8に示すように、編み目の全部もしくは一部に地山側へ傾くループ10aを設けておくとよい。
【0022】
袋部は、1ミリメートル以下の大きさに細かく砕かれたバーク材を装填してもほとんど目こぼれしない程度の化繊クロスが使用される。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、有機土壌を中心にした種子を含まない人工土壌のスペースを植生マット上に確保してこれを木本生育床とし、牧草類の種子を含んだ厚層基材の吹きつけで形成させた草本生育床を木本生育床とは重ならないように設けることができる。これによって早期緑化を図る一方、半永久的に繁茂する郷土種木本類の自然発生的生育を助勢し、周囲環境と調和のとれた自然景観を再現することができる。木本類の生育は岩盤中へも伸長する植根によって表土と地盤との一体性も高め、法面の安定性が増強される。
【0024】
連袋群で形成される木本生育床は10ないし30センチメートルとなり、厚層基材の堆積する非連袋群部分である草本生育床は25ないし35センチメートル確保される結果、草本生育床は植生マットの半分もしくはそれ以上を占めることになり、初期段階においては種子飛来待ちの木本生育床も草本生育床で成長した草本類の茂りで覆われ、植生マット上の略全面の早期緑化が達成される。一方、木本生育床は植生マット上に少なくとも略30%は残されかつ化繊ネットも配備されているため、在来木本類の種子捕捉率を高めることができる。
【0025】
金網は植生マットの固定に寄与すると共に、化繊ネットと協働して吹きつけられた厚層基材の流亡を抑制し、それによって降雨時の厚層基材の吸水能力を高める。ひいては植生マットの保水力が高く発揮され、草本生育床のみならず木本生育床においても発芽の促進が図られる。
【0026】
連袋群を形成する各袋部に装填された人工土壌を、腐葉土,バーク材等の有機質土壌、およびピートモス等の保水材から構成しておけば、捕捉された在来木本類の生育を促すべく、根づきやすい下地作りがなされ、周囲との同化が早められる。なお、この人工土壌に木炭も混入させておけば植根の活性が図られ、また保水性も向上させることができる。
【0027】
植生マットの基体をジュートに反毛を混合させたフェルトのベースマットとしておけば、ジュート単体のベースマットに比べて保水力を著しく増大させることができる。南向きや西向きの斜面等の乾燥が激しいところでは、その効果がおおいに発揮される。
【0028】
植生マットに被せてベースマットに縫い止められる化繊ネットは、その目開きを20ないし30ミリメートルとしておくと、木本生育床においては連袋群上に露出して郷土木本類の飛来種子の捕捉作用を発揮し、草本生育床においては厚層基材と植生マットとの一体化を強めるように機能する。化繊ネットの各編み目に地山側へ傾くループが設けられていれば、飛来種子の捕捉率と厚層基材の定着率を一段と高めることができる。
【0029】
連袋群を形成する各袋部を、1ミリメートル以下の大きさに細かく砕かれたバーク材が装填されてもほとんど目こぼれさせない程度の化繊クロスで製作されていると、飛来種子の捕捉が化繊クロス面でも可能となる。その一方、捕捉種子から伸びる植根の袋部への進入も阻まれにくくなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る硬質急斜面用緑化工を、その実施の形態を表した図面をもとにして詳細に説明する。図1は、硬質な地山1の急斜面部に緑化用の植生マット2を敷設し、草本類による早期緑化と在来木本類の自然発生的な生育促進により、最終的には図2に示すように、周囲環境と調和のとれた自然景観の復元と地盤の安定を図るようにした法面緑化工3を得ることができるようにしたものである。
【0031】
これは、従来技術の項で述べた厚層基材の吹付け工,客土注入工,植生マット工の各欠点を補うようにしたもので、工事対象法面をより早く周辺の景観に馴染ませることができるように、飛来種子の発芽や根づきを容易とする下地作りをしておこうとするものである。
【0032】
この硬質急斜面用緑化工3は、硬質な地山1の急斜面部に敷設される植生マットとその上に客土として吹きつけられる種子配合厚層基材とにより、客土の保持と早期緑化を図るものである。そのため、図1に示したように、植生マット2と金網4と厚層基材5とからなっている。
【0033】
この緑化工においては植生マットと地山の馴染みが良く、また植生マットと吹付基材との一体性が高められ、吹付基材の剥離・滑落を防止できるだけでなく、草本種による被圧作用の抑制や在来木本種の進入遅延を回避して、スムーズな植物遷移を進め、自然景観を早期に復元することができる。
【0034】
植生マット2は、後で詳しく述べる図7の(b)に示すように、ベースマット6の上に草本生育床7と木本生育床8とが繰り返して形成されるもので、同図の(c)のように、ベースマット6,連袋群9,化繊ネット10からなっている。
その連袋群9は図3の(c)に示すように、種子を含まない人工土壌11が装填された袋体12が一つまたは二つ場合によっては三つと並べられて上下方向の長さLT (図5および図6を参照)が10ないし30センチメートルをなし、これが木本生育床8を構成する。
【0035】
なお、袋体12は図3の(c)に示すように、複数の袋部12a,12a(図示の例では2つ)が連続して並んだもので、一つの袋体が幅10センチメートルで製作されているなら、連袋群9は図5や図6の場合、少なくとも10センチメートルや20センチメートルとなる。これらの連袋群9は25ないし35センチメートルの上下間隔LG をあけて配置され、連袋群と連袋群との間に形成される空所部が草本生育床7として確保される。
【0036】
図6は、約20センチメートル幅LT の連袋群9がフェルトのベースマット6の上に一定の間隔で配置された例である。この連袋群9および連袋群の存在しない空所部7を覆うように、ベースマット6の略全体に図8のごとく化繊ネット10が被せられ、この化繊ネットの縁辺部および連袋群の端部がベースマット6の縁辺部で同時にミシン縫いして(縫い目は符号13で示されている)、植生マット2が製作される。なお、その縫い止めは差し当たってはベースマットの左右縁辺のみで十分である。
【0037】
上記したフェルトのベースマット6は客土との馴染みがよい。これは、ジュートに反毛(植物繊維・動物繊維・合成繊維の各種衣料を解体して得られた糸屑)を混合して圧縮したものとしておくのが最適である。そのサイズは連袋群9の長さL9 (図6を参照)にもよるが、例えば幅W6 (図8を参照)が110センチメートル、長さL6 が310センチメートルのものが採用される。
【0038】
ジュートは言うまでもなく天然繊維であるが、これは瞬間的な保水容量が大きいものの脱水も早いという特質がある。これを重量的には6として反毛を4配合して使えば、ジュート100%に比べて保水力(水を保持している時間的長さ)を3ないし4割アップさせることができる。法面が南向きや西向きで乾燥が激しいところでは、その効果がおおいに期待される。
【0039】
なお、このベースマット6は有機質繊維を含みいずれは朽ちるが、一部残存することがあってもこれが地山に密着すれば、却って穿掘防止に役立たせることができる。このようなことから、長期にわたって地山が雨に洗われ、また浸蝕されるのを防いでおくことができる。
【0040】
化繊ネット10はポリエチレン製の例えばラッシェル編みされたもので、その目開きは20ないし30ミリメートルのものが使用される。これは塩化ビニルなどと違って無公害品であるにもかかわらず、10年前後の耐用が可能である。なお、目開きを上記程度のサイズとしておけば、厚層基材5を吹きつけた場合に草本生育床7における空間を簡単に埋めることができ(図1を参照)、また木本生育床8においては飛来する木本類の種子の捕捉もしやすくなる。要するに厚層基材5の目通りを妨げず、その一方で郷土の木本種による緑化の再生を進めやすくもするのである。
【0041】
このような化繊ネット10には、編み目の全部もしくは一部に地山側へ傾くループ10aを設けておくとよい。ループは、その製編の都合上必ず一方の面に少し倒れ気味となるからである。図8に示したように、格子の一辺を迂回するようなループがあれば、これが露出している箇所では飛来する種子の捕捉率がより一層高くなる。一方、厚層基材で覆われるところでは、ループが厚層基材内に埋没して「すさ」として機能し、化繊ネット10による客土の保持力向上と植根の絡みつきを助長する。もちろん、厚層基材5と植生マット2との一体性の増強が図られることは言うまでもない。
【0042】
袋体12には、0.3ないし1ミリメートル目の化繊クロスが使用される。連袋群9の最小の単位は、図3の(a)に表したように例えば二枚の化繊クロス12b,12bを重ねてヨの字形の細かいミシン目14を施し、その袋体12を(b)のように膨らませて(c)のように人工土壌11を入れ、最後に図4のように入口部分をミシン掛けして縫い目15を与えたものである。
【0043】
この袋体12は、従来技術の項で示した特開2000−160561号公報に記載の山状部とは、仕切り能力の点でおおいに異なる。図3の(b)や(c)のようにミシン目14によって隣の袋とは完全に隔離されており、袋部12a,12a間で人工土壌11が移動することはない。したがって各袋部には同等量の土壌が常時存在し、法面に敷設する際やその後に偏在するといった不均一な植生床を形成することはなくなる。
【0044】
一つの袋部12aの大きさは直径が約5センチメートル、長さが約1メートルといったサイズである。各袋部を形成するためのミシン目の間隔は少なくとも8センチメートルが必要となり、結局左右の縫い代を含めると、各化繊クロス12bは図3の(a)のように広げた状態で、18ないし20センチメートル×1メートルの大きさとなる。
【0045】
この化繊クロスは栽培用遮光ネットのようなもので十分であり、色こそ黒ではないが、1ミリメートル以下のバーク材が目こぼれしない程度の編み目を有している。したがって、後述するごとく、飛来した木本類の種子を捕捉するに適した素地を備える。これは腐らない材料のポリエステルなどが採用されるが、或る程度の目開きとなっておりまた劣化すればボロボロとなるもので、発芽に支障をきたしたり、植根の袋部内への進入を阻むといったこともない。
【0046】
袋体12は二つの袋部12aからなるものに限らないが、これを多数製作しておけば、各種幅サイズの連袋群9を容易に形成させることができて都合がよい。
図6は二つの袋体12,12を並べて一つの連袋群9を形成させ、例えば30センチメートルの間隔LG を置いて次の連袋群9が並べられたものである。このようにすれば、植生マット2には20センチメートルの木本生育床8と30センチメートルの草本生育床7とが形成され、これが繰り返される(図7の(c)を参照)。
【0047】
なお、厚層基材は、法面がかなり急峻な場合(例えば傾斜45度)、40センチメートルを越えると剥離や滑落の頻度が増すが、空所部7を25ないし35センチメートルにとどめておけば、上記斜度においてもベースマット6に対する定着性が高く維持される。ましてや植生マット2には連袋群9が存在しこれによって客土が支えられ、厚層基材の流亡を抑止して植生床の安定した状態が長く保たれる。
【0048】
以上のような構成の植生マットは、図7の(a)のように、まずベースマット6を広げ、その上に(b)のごとく適数個の袋体12,12からなる連袋群9を配列し、(c)のように化繊ネット10を被せ、図8のようにベースマット6に連袋群9と化繊ネット10とを縫いつけて製作される。
【0049】
設備の整った工場で製作された植生マット2を現場に搬入し、それぞれの縁辺を重ねかつ袋部が略水平となるように所定の法面に多数敷設する。図7の(d)のように植生マット2を覆うようにして金網(ラス)4が被せられ、図1のようにアンカーピン16を適宜打って金網4が固定される。
【0050】
金網としては、5センチメートル×5センチメートル目合いの菱形金網で十分である。地山1に固定した金網4により植生マット2が法面に密着され、その植生マットに対し袋部12aが存在しない空所部7に向けて厚層基材5が金網4の上から吹きつけられる。その吹きつけ嵩厚は、金網がほとんど見えなくなる程度とされる。袋部は約5センチメートルの高さであるので、通常は3ないし5センチメートル、気候風土によってはそれより少し厚い層をなすように吹きつけられる。
【0051】
このようにして、空所部は厚層基材5で覆われ、図9のようにいずれは牧草17が生い茂る草本生育床7が形成される。その一方、連袋群9は飛来する種子を捕捉すると共に厚層基材で生育する草本類17からの被圧を受けにくくした木本生育床8を形成する。
【0052】
連袋群9に厚層基材の一部が被ることがあっても、降雨があれば直ちに下方の草本生育床7に移行するので、連袋群が在来種の発芽の機会を与え、その生育の準備が常時整えられる。原則的には木本生育床である連袋群9を避けて厚層基材5が客土として吹きつけられるから、現場での厚層基材吹きつけ作業量も軽減され、コストダウンにもおおいに寄与する。
【0053】
なお、厚層基材は牧草の生育に適したバーク材が主体で、草本類の種子と共に必要に応じてピートモス等の保水材や肥料が混入される。バーク材はバーク(樹皮)をチップにして発酵させ、細かく砕いたもので、吸水性があり保水性にも富む。そのうえ、次に述べる人工土壌が入った連袋群9の存在もあり、客土として吹きつけても早期に乾燥することはなく、剥離をきたすことも少ない。種子としては、発芽の早いものや一年を通して緑を維持するもの、ガゼル,ホワイトクローバ,よもぎ,メドハギ,バーミューダグラスといったものが採用され、法面施工後短期間のうちに緑化が実現される。
【0054】
一方、袋部には腐葉土,バーク材等の有機質土壌、ピートモス等の保水材を含む人工土壌が入れられる。これには、必要に応じて木炭やバーミキュライトも混ぜられる。木炭は植物の根を活性化し、生育を促進する。その粒は大きいほど保水性を高く発揮する。バーミキュライトも多孔質であり、保水性を有して無機質土壌改良材となるほか、軽量の増嵩材としても機能する。いずれにしても、飛来した木本類が発芽し根づきやすい土壌構成や保水状態となっている。このような人工土壌も先に述べた厚層基材も、現在では大量生産が可能なものである。
【0055】
このような説明から分かるように、硬質急斜面用緑化工3はベースマット6,連袋群9,化繊ネット10,金網4の四層構造体となっており、しっかりとした植生基盤を形成しておくことができる。在来木本種の進入促進を図る植生スペースが確保され、草本類による早期緑化の後に郷土の木本種による周囲との調和のとれた緑化が実現される。
【0056】
連袋群やベースマットの上に張られる化繊ネットは吹付け厚層基材の剥離や滑落の防止に大いに寄与する。空所部の存在によって、植生マットを柔軟な構造にしておくことができ、凹凸が大きかったり激しく変化する法面においても密着して敷設することが可能となる。敷設した植生マット全体に金網を張りアンカーピンで法面に密着固定するので、硬質急斜面用緑化工を長期にわたり安定させておくことができる。
【0057】
木本生育床8は初期の段階で図9のように草本生育床7で茂る草本類17の長い葉や茎で覆われることになるが、連袋群9自体の袋部12aと袋部12aとの間のくびれ12c(図3の(c)を参照),化繊ネット10,金網4が飛来した郷土木本類の種子の捕捉率を高め、袋素地での定着性の向上を支える。袋部には草本類の種子が入れられていないから、それが存在すれば受けるであろう被圧もなく、木本類の生育に好適な環境が連袋群で醸成される。
【0058】
草本生育床7から画成された木本生育床8での在来種の生育が活発化すると、牧草類はその勢いが衰える。草本類の植根はベースマットを越えて広がるが、岩肌に張りつく程度であり、植生床が枯渇したり草本類が枯死状態に近づくと植根が剥がれやすく、客土も流亡しやすくなる。
【0059】
一方、木本類の植根は岩肌に到達した後に岩の僅かな隙間や岩盤の割れ目にも伸びて地山に力強く根づく。図2に示すように、木本類18の生育は植生マット2や厚層基材5を法面に定着させる効果も発揮する。木本類の成長が進めばもはや草本類17の生育は日照不足等によって衰退し、草本生育床7における牧草類は下草的に生えるにとどまる。
【0060】
このように自然発生的に木本類を発芽させ成長させるには時間を要するので、本発明においてはこれを念頭に置き、在来木本種18が成長するまでの間の緑化は草本類17に担わせておくといった、二段構えの緑化構造を採用している。植生マット2はまさしく木本類と草本類との成長を調整しつつ、最終的には近隣の山野から呼び込んだ在来種を繁茂させ、その地にふさわしい山林を再現して周囲のと調和のとれた自然景観を再現することができるようになる。
【0061】
ちなみに、植生マットは、適用される地山の性状や地域の環境によって、木本生育床と草本生育床との面積比を違えたものを使用することができる。草本生育床は厚層基材の吹きつけによって形成されるものであるので、上下長さを30センチメートル前後としておくことになるが、木本生育床8のためには、図5や図6のように10センチメートルや20センチメートルと異なる構成の植生マットを混用しても差し支えない。法面の凹凸の大きさや激しさに応じて、袋密度の異なる植生マットを使い分けることができる。
【0062】
なお、法面の斜度が小さければ滑落の心配は少なく、したがって、厚層基材の上下寸法を40センチメートル以上といったように広くした植生マットも使用できなくはない。その場合には、連袋群における保水力や在来木本類の定着率を考慮して、個々の寸法を決定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る硬質急斜面用緑化工を表した法面の断面図。
【図2】 木本類による緑化が進行した状態の法面の景観図。
【図3】 連袋群を構成する袋体を示し、(a)は化繊クロスを重ねて袋体とするためミシン目を施した斜視図、(b)は膨らませた状態の断面図、(c)は人工土壌を装填した状態の断面図。
【図4】 二つの袋部からなる袋体単体の斜視図。
【図5】 ベースマットに一つの袋体からなる連袋群を配置した平面図。
【図6】 ベースマットに二つの袋体からなる連袋群を配置した平面図。
【図7】 植生マットを製作する工程およびそれを法面に適用できる状態にした様子を表し、(a)はベースマットを広げた状態の側面図、(b)は二つの袋体からなる連袋群を配置した状態図、(c)は化繊ネットを掛けた状態図、(d)は金網を被せた状態図。
【図8】 化繊ネットを縫い付けて仕上げた植生マットの平面図。
【図9】 草本類によって早期緑化をさせた段階の法面緑化工の断面図。
【符号の説明】
1…地山、2…植生マット、3…硬質急斜面用緑化工、4…金網、5…厚層基材(客土)、6…ベースマット、7…草本生育床(空所部)、8…木本生育床、9…連袋群、10…化繊ネット、10a…ループ、11…人工土壌、12a…袋部、12b…化繊クロス(布)、16…アンカーピン、17…草本類、18…木本類、LG …連袋群間の上下間隔(草本生育床の長さ)、LT …木本生育床の上下方向の長さ(連袋群の幅)。

Claims (7)

  1. 硬質な地山の急斜面部に緑化用マットを敷設し、草本類による早期緑化と在来木本種の自然発生的な生育促進により、周囲環境と調和のとれた自然景観の復元と地盤の安定を図るようにした法面緑化工において、
    フェルトのベースマットの上に、種子を混入させない人工土壌が装填された複数の袋部からなる10ないし30センチメートル幅の連袋群が、25ないし35センチメートルの上下間隔で配置され、
    該連袋群および連袋群の存在しない空所部を覆うように、前記ベースマットの略全体には化繊ネットが被せられると共に、該化繊ネットの縁辺部および連袋群の端部がベースマットの縁辺部で縫い止められて植生マットが形成され、
    前記袋部が略水平となるように植生マットを所定の法面に多数敷設すると、植生マットを覆うようにして金網が被せられ、アンカーピンで地山に固定した金網により法面に密着させた植生マット上の空所部に向けて草本類の種子を含んだ厚層基材が前記金網の上から吹きつけられて草本生育床を形成し、飛来する種子を捕捉すると共に前記草本生育床で生育する草本類からの被圧の及びにくい連袋群が、在来種の成長を促進する木本生育床となっていることを特徴とする硬質急斜面用緑化工。
  2. 前記人工土壌は、腐葉土,バーク材等の有機質土壌、およびピートモス等の保水材が含まれていることを特徴とする請求項1に記載された硬質急斜面用緑化工。
  3. 前記人工土壌には木炭も混入されていることを特徴とする請求項2に記載された硬質急斜面用緑化工。
  4. 前記ベースマットはジュートに反毛を混合したフェルトであることを特徴とする請求項1に記載された硬質急斜面用緑化工。
  5. 前記化繊ネットの目開きは、20ないし30ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載された硬質急斜面用緑化工。
  6. 前記化繊ネットには、編み目の全部もしくは一部に地山側へ傾くループが設けられていることを特徴とする請求項1に記載された硬質急斜面用緑化工。
  7. 前記袋部は、1ミリメートル以下の大きさに細かく砕かれたバーク材を装填してもほとんど目こぼれしない程度の化繊クロスが使用されていることを特徴とする請求項1に記載された硬質急斜面用緑化工。
JP2001177991A 2001-06-13 2001-06-13 硬質急斜面用緑化工 Expired - Fee Related JP4560242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001177991A JP4560242B2 (ja) 2001-06-13 2001-06-13 硬質急斜面用緑化工

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001177991A JP4560242B2 (ja) 2001-06-13 2001-06-13 硬質急斜面用緑化工

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002363991A JP2002363991A (ja) 2002-12-18
JP4560242B2 true JP4560242B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=19018758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001177991A Expired - Fee Related JP4560242B2 (ja) 2001-06-13 2001-06-13 硬質急斜面用緑化工

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4560242B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100749930B1 (ko) 2006-09-01 2007-08-21 김광호 흙채움 마대 및 철근을 이용한 붕괴사면의 복원공법
JP5215066B2 (ja) * 2008-07-18 2013-06-19 日本植生株式会社 緑化工法
CN103782812A (zh) * 2014-02-28 2014-05-14 吴砺 一种植物草方格植草装置及植草方法
CN109537567A (zh) * 2019-01-23 2019-03-29 西施生态科技股份有限公司 堆积煤矸石复绿工程的施工方法与施工结构
CN109892133B (zh) * 2019-04-11 2023-12-01 北京林业大学 一种在河岸水陆交错带挂淤生态袋及利用生态袋进行的生态修复方法
CN115024056B (zh) * 2022-02-18 2023-05-26 湖北三峡职业技术学院 一种边坡园林种子喷播落种架及安装设备

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60114607U (ja) * 1984-01-10 1985-08-02 林 陽一 草木本類の生育、導入を促進せしめる張芝状植生基体
JPH037250B2 (ja) * 1983-02-08 1991-02-01 Mazda Motor
JPH0477088B2 (ja) * 1987-12-25 1992-12-07 Mochizuki Henshoku Kogyo Kk
JPH0516835U (ja) * 1991-08-12 1993-03-02 株式会社シバケン工業 人工土壌ポツト
JP2000008382A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Nisshoku Corp 法面の植栽棚併用緑化工法
JP2000160561A (ja) * 1998-12-01 2000-06-13 Tesac Corp 法面緑化用植生材

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH037250B2 (ja) * 1983-02-08 1991-02-01 Mazda Motor
JPS60114607U (ja) * 1984-01-10 1985-08-02 林 陽一 草木本類の生育、導入を促進せしめる張芝状植生基体
JPH0477088B2 (ja) * 1987-12-25 1992-12-07 Mochizuki Henshoku Kogyo Kk
JPH0516835U (ja) * 1991-08-12 1993-03-02 株式会社シバケン工業 人工土壌ポツト
JP2000008382A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Nisshoku Corp 法面の植栽棚併用緑化工法
JP2000160561A (ja) * 1998-12-01 2000-06-13 Tesac Corp 法面緑化用植生材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002363991A (ja) 2002-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5226255A (en) Plant mat and method
US6247267B1 (en) Method for stabilizing natural turf with dual primary stabilizer
JP5038071B2 (ja) 自然植生誘導ネット及び斜面の自然植生誘導構造
WO1996003027A1 (fr) Structure en feuille pour la croissance des plantes, structure en feuille pour la croissance du gazon naturel, procede pour faire pousser du gazon et procede pour poser des structures en feuille portant du gazon
CN104542220A (zh) 一种边坡修复用植生网毯及边坡修复方法
JPH10164973A (ja) 張芝要素および張芝を形成する方法
RU2234207C2 (ru) Газонный элемент для озеленения искусственных или естественных участков и способ его получения
JP4560242B2 (ja) 硬質急斜面用緑化工
CN101457525B (zh) 一种处治黄土边坡中厚层剥落病害的方法
CN110447481A (zh) 一种团粒喷播施工方法
CN110249756A (zh) 一种团粒混合纤维喷播方法
CN207331716U (zh) 一种双网植生棒生态护坡结构
JP4239186B2 (ja) 植生マット
JPH08228512A (ja) 芝等の植物を育成するための植物育成シート構造体及び天然芝シート構造体並びに人工芝構造体
CN212812952U (zh) 一种用于硬质地面绿化的地被植物成品集成种植单元
JPH10338934A (ja) 無土壌法面の緑化工法
JP4868429B2 (ja) 厚層基材吹付工法
CN101461309B (zh) 一种处治黄土边坡剥落病害的方法
JPH10292379A (ja) 仕切材付き緑化マット
CN1483901A (zh) 用尼龙网和无纺布固定基质的陡坡喷播方法
JP2784757B2 (ja) 植生用マット
CN108934796A (zh) 利用草绳网的边坡绿化方法
JP2000160561A (ja) 法面緑化用植生材
CN1167318C (zh) 絮棉状无纺布锚根草坪毯在屋顶绿化上的施工方法
JP2717368B2 (ja) 法面植栽工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees