JPH10338934A - 無土壌法面の緑化工法 - Google Patents
無土壌法面の緑化工法Info
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- JPH10338934A JPH10338934A JP16523397A JP16523397A JPH10338934A JP H10338934 A JPH10338934 A JP H10338934A JP 16523397 A JP16523397 A JP 16523397A JP 16523397 A JP16523397 A JP 16523397A JP H10338934 A JPH10338934 A JP H10338934A
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- soil
- rope
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- slope
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- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 急勾配で平坦な無土壌法面における植生基盤
の保水性を改善し、吹付客土の部分的な滑落や流失があ
っても均一かつ永続的な緑化を実現すること。 【解決手段】 無土壌法面1に、肥料,保水剤,人工土
壌等が保水性の高い天然繊維の不織布を基体にして一体
化された植生マット4を敷設して定着する。植物繊維の
不織布で構成される保水材を植物繊維で覆って一方向へ
延びる保水用ロープ10が予め金網2に一体化されてお
り、その金網2を保水用ロープ10が水平となるように
植生マット4上に配置して施工法面に固定し、種子入り
の客土3を金網2上に吹き付ける。無土壌法面において
も草本の育成に必要な厚みの植生基盤が確保され、金網
に張りめぐらせた保水用ロープによって客土の流落が抑
制される。保水用ロープ10の高い保水性により適度な
湿潤を客土に与えて法面での密着性を上げ、また草本の
生育を助長することができる。
の保水性を改善し、吹付客土の部分的な滑落や流失があ
っても均一かつ永続的な緑化を実現すること。 【解決手段】 無土壌法面1に、肥料,保水剤,人工土
壌等が保水性の高い天然繊維の不織布を基体にして一体
化された植生マット4を敷設して定着する。植物繊維の
不織布で構成される保水材を植物繊維で覆って一方向へ
延びる保水用ロープ10が予め金網2に一体化されてお
り、その金網2を保水用ロープ10が水平となるように
植生マット4上に配置して施工法面に固定し、種子入り
の客土3を金網2上に吹き付ける。無土壌法面において
も草本の育成に必要な厚みの植生基盤が確保され、金網
に張りめぐらせた保水用ロープによって客土の流落が抑
制される。保水用ロープ10の高い保水性により適度な
湿潤を客土に与えて法面での密着性を上げ、また草本の
生育を助長することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無土壌法面の緑化工
法に係り、詳しくは、傾斜地に植生マットを敷設するマ
ット工法と客土を吹き付ける厚層基材吹付工法とを混成
すると共に、ロープ状保水材を加えて植生基盤の保水性
を飛躍的に向上させ、客土の滑落を抑制することができ
るようにしたコンクリート面や岩盤面等における緑化工
法に関するものである。
法に係り、詳しくは、傾斜地に植生マットを敷設するマ
ット工法と客土を吹き付ける厚層基材吹付工法とを混成
すると共に、ロープ状保水材を加えて植生基盤の保水性
を飛躍的に向上させ、客土の滑落を抑制することができ
るようにしたコンクリート面や岩盤面等における緑化工
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】道路脇等の傾斜地を緑化するための工法
として、客土吹付工法やマット工法が知られている。前
者には種々の形態を採るものがあるが、金網を法面に張
りつけて固定し、その上に有機系植生基盤材を3cmな
いし10cmの厚みとなるように吹き付けるものが代表
的である。これによれば、金網が傾斜地の転石を固定し
たり表面浸食を抑え、植生基盤の安定を図っておくこと
ができる。
として、客土吹付工法やマット工法が知られている。前
者には種々の形態を採るものがあるが、金網を法面に張
りつけて固定し、その上に有機系植生基盤材を3cmな
いし10cmの厚みとなるように吹き付けるものが代表
的である。これによれば、金網が傾斜地の転石を固定し
たり表面浸食を抑え、植生基盤の安定を図っておくこと
ができる。
【0003】後者のマット工法では、種子,肥料,保水
材,人工土壌を天然繊維で被覆した植生マットを法面に
敷設し、金網等により押さえるようにしている。これは
厚層基材の吹付け作業を回避して敷設密度の均一化や施
工の迅速化を図ると共に、土壌流失の防止を実現するも
のであるが、植生根の伸張が可能な主として軟岩法面に
適するように配慮された工法である。いずれの工法も、
原則的にはある程度の土壌が存在する地山の緑化を目的
としていることが多い。
材,人工土壌を天然繊維で被覆した植生マットを法面に
敷設し、金網等により押さえるようにしている。これは
厚層基材の吹付け作業を回避して敷設密度の均一化や施
工の迅速化を図ると共に、土壌流失の防止を実現するも
のであるが、植生根の伸張が可能な主として軟岩法面に
適するように配慮された工法である。いずれの工法も、
原則的にはある程度の土壌が存在する地山の緑化を目的
としていることが多い。
【0004】ところが、岩盤が露出している傾斜面や凭
れ擁壁などのコンクリート面は無土壌であり、従来から
採用されている上記の工法では緑化が不可能であるか十
分なものとすることができない。無土壌法面の場合には
保水性を持たせることが概して容易でなく、また厚層基
材吹付工法による客土は滑落や流落が激しく、その定着
性が損なわれやすいからである。
れ擁壁などのコンクリート面は無土壌であり、従来から
採用されている上記の工法では緑化が不可能であるか十
分なものとすることができない。無土壌法面の場合には
保水性を持たせることが概して容易でなく、また厚層基
材吹付工法による客土は滑落や流落が激しく、その定着
性が損なわれやすいからである。
【0005】とりわけ、コンクリート面等は軟岩法面と
は異なり亀裂がないために植生根の伸張がなく、厚みの
ある植生基盤の造成が不可欠であり、また保水性の高い
ことが要求される。さらに、擁壁などにおいては急勾配
でかつ平坦であることから植生基盤が流亡しやすいとい
ったように、植生環境としては極めて過酷な条件となる
ことが避けられない。
は異なり亀裂がないために植生根の伸張がなく、厚みの
ある植生基盤の造成が不可欠であり、また保水性の高い
ことが要求される。さらに、擁壁などにおいては急勾配
でかつ平坦であることから植生基盤が流亡しやすいとい
ったように、植生環境としては極めて過酷な条件となる
ことが避けられない。
【0006】客土吹付工法においては、その保水性の向
上や客土の安定化を図るために金網を張設した法面に鉄
筋を縦横に配し、鉄筋を覆うようにモルタル・コンクリ
ートを吹き付けて連続法枠を形成するといった改良工法
も採用されるようになってきている。マット工法におい
ては天然繊維のフエルトや不織布等を基体として採用す
ることによって厚層化し、マットの保水性を改善すると
いったことも行われつつある。
上や客土の安定化を図るために金網を張設した法面に鉄
筋を縦横に配し、鉄筋を覆うようにモルタル・コンクリ
ートを吹き付けて連続法枠を形成するといった改良工法
も採用されるようになってきている。マット工法におい
ては天然繊維のフエルトや不織布等を基体として採用す
ることによって厚層化し、マットの保水性を改善すると
いったことも行われつつある。
【0007】ちなみに、マット工法は従来の種子吹付工
法や客土吹付工法とは異なり、軟岩法面や比較的急斜面
での緑化に採用されるため、マットの上に客土を吹き付
けるようなことはなく、またその必要性も少ないのが一
般的である。なお、植生マットは工場において製品化さ
れるので、現場施工において大型機械の導入も必要でな
いという利点がある。
法や客土吹付工法とは異なり、軟岩法面や比較的急斜面
での緑化に採用されるため、マットの上に客土を吹き付
けるようなことはなく、またその必要性も少ないのが一
般的である。なお、植生マットは工場において製品化さ
れるので、現場施工において大型機械の導入も必要でな
いという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの工法
においても、無土壌法面において最も問題となる保水性
の大幅な改善は期待しがたく、ましてや客土吹付工法に
おいては依然として厚層基材の流失や部分的な滑落とい
ったことは避けられない。そこで、切取斜面、緑化の不
可能な自然環境の厳しい法面、風化が激しく土壌層の薄
い軟岩法面、寒冷地山岳地帯等での凍結の激しい法面、
硬質土砂質土から硬岩法面に至るまで、さらにはコンク
リート擁壁といったいずれの無土壌法面においても適用
可能な緑化法が強く望まれている。
においても、無土壌法面において最も問題となる保水性
の大幅な改善は期待しがたく、ましてや客土吹付工法に
おいては依然として厚層基材の流失や部分的な滑落とい
ったことは避けられない。そこで、切取斜面、緑化の不
可能な自然環境の厳しい法面、風化が激しく土壌層の薄
い軟岩法面、寒冷地山岳地帯等での凍結の激しい法面、
硬質土砂質土から硬岩法面に至るまで、さらにはコンク
リート擁壁といったいずれの無土壌法面においても適用
可能な緑化法が強く望まれている。
【0009】ちなみに、上記した客土吹付工法におい
て、ロープを這わせた金網を使用する工法も最近では目
にするようになってきている。このロープは特殊肥料基
袋であって肥効を長期にわたり持続させ、岩盤や崖錐等
の無土壌法面や礫質土粘質土等の硬質土壌の法面におけ
る緑化を促進するようにしたものである。
て、ロープを這わせた金網を使用する工法も最近では目
にするようになってきている。このロープは特殊肥料基
袋であって肥効を長期にわたり持続させ、岩盤や崖錐等
の無土壌法面や礫質土粘質土等の硬質土壌の法面におけ
る緑化を促進するようにしたものである。
【0010】上記の基袋には育成すべき草本に適した肥
料が入れられているが、それ被覆する表皮には和紙等が
採用されている。これは、法面工事中やその直後に簡単
に肥料が漏出することのないようにする一方、時間の経
過に伴う紙質表皮の有機化により客土中の低下した肥効
を補充しようとするものである。
料が入れられているが、それ被覆する表皮には和紙等が
採用されている。これは、法面工事中やその直後に簡単
に肥料が漏出することのないようにする一方、時間の経
過に伴う紙質表皮の有機化により客土中の低下した肥効
を補充しようとするものである。
【0011】このロープ状に製作された特殊肥料基袋は
無土壌法面の肥沃化をある程度促すことはできるが、比
較的短い期間に表皮を有機化して消失させることを意図
していることから、吹付け時は別としてもその後に客土
が流失しようとするのを防止する機能はほとんど有しな
い。また、細いロープ状であるために保水を目的として
おらず、たとえ土壌や保水材を封入しようとしても太さ
や被覆材の資質からして不可能なものとなっている。
無土壌法面の肥沃化をある程度促すことはできるが、比
較的短い期間に表皮を有機化して消失させることを意図
していることから、吹付け時は別としてもその後に客土
が流失しようとするのを防止する機能はほとんど有しな
い。また、細いロープ状であるために保水を目的として
おらず、たとえ土壌や保水材を封入しようとしても太さ
や被覆材の資質からして不可能なものとなっている。
【0012】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、無土壌法面とりわけコンクリート擁壁
などの平坦で急勾配地における保水性の改善や客土の滑
落流失を可及的に抑制し、また客土の部分的な流亡があ
っても緑化が妨げられることなく、無土壌法面の均一で
永続的な緑化を実現することができる緑化工法を提供す
ることである。
で、その目的は、無土壌法面とりわけコンクリート擁壁
などの平坦で急勾配地における保水性の改善や客土の滑
落流失を可及的に抑制し、また客土の部分的な流亡があ
っても緑化が妨げられることなく、無土壌法面の均一で
永続的な緑化を実現することができる緑化工法を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、凭れ擁壁など
のコンクリート面や岩盤に金網を敷設し、その金網面に
客土を吹きつけるようにした無土壌法面の緑化工法に適
用される。その特徴とするところは、図1および図2を
参照して、まず、肥料,保水剤,人工土壌等5が保水性
の高い天然繊維の不織布を基体6にして一体化された植
生マット4を、無土壌法面1に敷設する。植物繊維の不
織布で構成される保水材8(図3を参照)を植物繊維品
で覆って一方向へ延びる保水用ロープ10が予め金網2
に一体化され、その金網2を保水用ロープ10が水平と
なるように植生マット4上に配置して施工法面に固定す
る。そして、種子入りの客土3を金網2上に吹き付ける
ようにしたことである。
のコンクリート面や岩盤に金網を敷設し、その金網面に
客土を吹きつけるようにした無土壌法面の緑化工法に適
用される。その特徴とするところは、図1および図2を
参照して、まず、肥料,保水剤,人工土壌等5が保水性
の高い天然繊維の不織布を基体6にして一体化された植
生マット4を、無土壌法面1に敷設する。植物繊維の不
織布で構成される保水材8(図3を参照)を植物繊維品
で覆って一方向へ延びる保水用ロープ10が予め金網2
に一体化され、その金網2を保水用ロープ10が水平と
なるように植生マット4上に配置して施工法面に固定す
る。そして、種子入りの客土3を金網2上に吹き付ける
ようにしたことである。
【0014】植生マット4には、草本類の種子を含めて
おいてもよい。一方、保水用ロープ10は、図3のよう
に表皮9がジュート糸束9aでもって籠編みされる。な
お、その保水用ロープ10に化成肥料層12を内包させ
ておくこともできる。
おいてもよい。一方、保水用ロープ10は、図3のよう
に表皮9がジュート糸束9aでもって籠編みされる。な
お、その保水用ロープ10に化成肥料層12を内包させ
ておくこともできる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、金網で固定した植生マ
ットの上に客土を吹き付けるようにしているので、急勾
配や平坦な無土壌法面においても草本の育成に必要な厚
みの植生基盤を確保しやすくなる。法面に広げられた金
網には保水用ロープが水平に張りめぐらされているので
客土の吹付け時や工事後の流落を抑制することができ、
ロープの高い保水性によって適度な湿潤を客土に与えて
法面での密着性を上げ、草本の生育を助長することがで
きる。また、たとえ客土が部分的に流失したり剥離する
ことがあっても、植生マットによって生育に必要な植生
基盤が残存され、法面全面の永続的な緑化が実現され
る。
ットの上に客土を吹き付けるようにしているので、急勾
配や平坦な無土壌法面においても草本の育成に必要な厚
みの植生基盤を確保しやすくなる。法面に広げられた金
網には保水用ロープが水平に張りめぐらされているので
客土の吹付け時や工事後の流落を抑制することができ、
ロープの高い保水性によって適度な湿潤を客土に与えて
法面での密着性を上げ、草本の生育を助長することがで
きる。また、たとえ客土が部分的に流失したり剥離する
ことがあっても、植生マットによって生育に必要な植生
基盤が残存され、法面全面の永続的な緑化が実現され
る。
【0016】植生マットに草本類の種子を含めておけ
ば、客土の部分的な滑落があっても植生マットから発芽
させることにより均一性の高い緑化が図られまた緑化面
の手直し作業も軽減できる。保水用ロープはその表皮が
ジュート糸束でもって籠編みされ保水材を内包している
ので、保水作用が高くかつ吹付け時の客土垂れや吹付け
後の客土の崩落等を防止しやすくなる。保水用ロープに
化成肥料を包含させておく場合には、土壌乾燥時に保水
材から発生する湿潤雰囲気でもって施肥効果も発揮させ
ることができるようになる。
ば、客土の部分的な滑落があっても植生マットから発芽
させることにより均一性の高い緑化が図られまた緑化面
の手直し作業も軽減できる。保水用ロープはその表皮が
ジュート糸束でもって籠編みされ保水材を内包している
ので、保水作用が高くかつ吹付け時の客土垂れや吹付け
後の客土の崩落等を防止しやすくなる。保水用ロープに
化成肥料を包含させておく場合には、土壌乾燥時に保水
材から発生する湿潤雰囲気でもって施肥効果も発揮させ
ることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る無土壌法面
の緑化工法を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳
細に説明する。図1は例えば道路脇に構築された凭れ擁
壁などのコンクリート面1に金網2を敷設し、その金網
の上に客土3を吹き付けるようにした無土壌法面の緑化
工法を適用した傾斜地の断面図である。
の緑化工法を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳
細に説明する。図1は例えば道路脇に構築された凭れ擁
壁などのコンクリート面1に金網2を敷設し、その金網
の上に客土3を吹き付けるようにした無土壌法面の緑化
工法を適用した傾斜地の断面図である。
【0018】コンクリート面1には下層に厚みが30m
mないし50mm程度の植生マット4が敷設されてお
り、この植生マット上に金網2が張りめぐらされてい
る。そして、この金網に厚層材としての客土3が吹きつ
けられて上層が形成され、法面上の植生基盤が全体とし
て80mmないし120mm程度の厚みとなっている。
mないし50mm程度の植生マット4が敷設されてお
り、この植生マット上に金網2が張りめぐらされてい
る。そして、この金網に厚層材としての客土3が吹きつ
けられて上層が形成され、法面上の植生基盤が全体とし
て80mmないし120mm程度の厚みとなっている。
【0019】植生マット4は、図2に示すように、肥
料,保水剤,人工土壌等5が保水性の高い天然繊維の不
織布等を基体6にして一体化されており、天然繊維織布
の表皮7によって被覆したマットとなっている。その基
体6やマット表皮7は、有機化が可能でありかつ保水性
の高いジュートが採用されている。
料,保水剤,人工土壌等5が保水性の高い天然繊維の不
織布等を基体6にして一体化されており、天然繊維織布
の表皮7によって被覆したマットとなっている。その基
体6やマット表皮7は、有機化が可能でありかつ保水性
の高いジュートが採用されている。
【0020】このような植生マット4では人工土壌等5
の流失がないことや土壌密度が高いことなどから、その
厚みが30mmである場合、厚層基材吹付工法における
客土の吹厚50mmの土壌基盤と等価であり、50mm
の場合には吹厚100mmにも相当して、植生基盤とし
ての機能を発揮するものとなっている。
の流失がないことや土壌密度が高いことなどから、その
厚みが30mmである場合、厚層基材吹付工法における
客土の吹厚50mmの土壌基盤と等価であり、50mm
の場合には吹厚100mmにも相当して、植生基盤とし
ての機能を発揮するものとなっている。
【0021】このような構造を有した植生マット4は図
1のごとくコンクリート面1に広げて敷設された状態に
おいて、適数個の図示しない止めピン等によって仮止め
されるか、後述する金網2で押さえるなどして定着され
る。なお、客土には後述するように草本類の種子が混入
されており、客土の流亡も本発明によれば可及的に抑制
されるので、植生マットに種子を入れておかなければな
らないというものではない。少々の滑落があってもその
部分の残存客土からの発芽が可能となるからである。
1のごとくコンクリート面1に広げて敷設された状態に
おいて、適数個の図示しない止めピン等によって仮止め
されるか、後述する金網2で押さえるなどして定着され
る。なお、客土には後述するように草本類の種子が混入
されており、客土の流亡も本発明によれば可及的に抑制
されるので、植生マットに種子を入れておかなければな
らないというものではない。少々の滑落があってもその
部分の残存客土からの発芽が可能となるからである。
【0022】しかし、種子を含んだ植生マットを採用し
ておいてもよく、その場合には、客土の部分的な滑落が
あったときに植生マットが露出しても、その部分の植生
マットからの発芽が可能となり、法面の均一な緑化や爾
後的な手直し作業のより一層の軽減が図られることは言
うまでもない。
ておいてもよく、その場合には、客土の部分的な滑落が
あったときに植生マットが露出しても、その部分の植生
マットからの発芽が可能となり、法面の均一な緑化や爾
後的な手直し作業のより一層の軽減が図られることは言
うまでもない。
【0023】金網2としては2.0mmないし3.2m
m径の鉄線からなる通常の菱形金網や場合によっては亀
甲金網さらにはロープリングを連結した特殊なリングネ
ットなどが採用され、これを植生マット4の全面に被せ
てコンクリート面1に固定される。この金網2は植生マ
ット4を単に押さえるだけでなく、保水機能をも強力に
発揮するように25mmないし50mm直径の多数の特
殊なロープが一方向へ延びるようにして予め絡められて
いる。
m径の鉄線からなる通常の菱形金網や場合によっては亀
甲金網さらにはロープリングを連結した特殊なリングネ
ットなどが採用され、これを植生マット4の全面に被せ
てコンクリート面1に固定される。この金網2は植生マ
ット4を単に押さえるだけでなく、保水機能をも強力に
発揮するように25mmないし50mm直径の多数の特
殊なロープが一方向へ延びるようにして予め絡められて
いる。
【0024】このロープは図3に示すように植物繊維の
不織布で構成される保水材8を植物繊維の表皮9で覆っ
た保水用ロープ10であり、金網を施工法面に広げたと
き法面下方の道路面などに平行してすなわち水平となる
ように配置される。なお、その上下の配列ピッチは30
cmないし50cmとされるが、この保水用ロープ10
に発揮させようとする吹付け時の客土垂れ防止作用、吹
付け後の客土崩落防止作用、吸水および保水作用、保水
能力等を考慮して35cm程度に選定しておくことが好
ましい。
不織布で構成される保水材8を植物繊維の表皮9で覆っ
た保水用ロープ10であり、金網を施工法面に広げたと
き法面下方の道路面などに平行してすなわち水平となる
ように配置される。なお、その上下の配列ピッチは30
cmないし50cmとされるが、この保水用ロープ10
に発揮させようとする吹付け時の客土垂れ防止作用、吹
付け後の客土崩落防止作用、吸水および保水作用、保水
能力等を考慮して35cm程度に選定しておくことが好
ましい。
【0025】上記の金網2は、図1のように主アンカー
や補助アンカーなど固定箇所に応じて選定された所望長
さのアンカーピン11を打ち込んでコンクリート面1に
固定される。吹き付けられる客土3は種子を混入させた
土壌であり、金網2上に30mmないし70mmの厚み
となるように吹付けガン等によって吹きつけられる。例
えば50mm厚みの植生マット4が使用されている場合
に吹厚30mmとなるように客土が施される。この場
合、コンクリート面1上には80mm程度の層厚が形成
されるが、客土のみを吹き付けた場合の吹厚130mm
に匹敵する植生基盤となる。
や補助アンカーなど固定箇所に応じて選定された所望長
さのアンカーピン11を打ち込んでコンクリート面1に
固定される。吹き付けられる客土3は種子を混入させた
土壌であり、金網2上に30mmないし70mmの厚み
となるように吹付けガン等によって吹きつけられる。例
えば50mm厚みの植生マット4が使用されている場合
に吹厚30mmとなるように客土が施される。この場
合、コンクリート面1上には80mm程度の層厚が形成
されるが、客土のみを吹き付けた場合の吹厚130mm
に匹敵する植生基盤となる。
【0026】ところで、上記した保水用ロープ10はジ
ュート糸束を籠編みした表皮9を備えているので、いず
れは有機化することにより土壌中に消失しつつ肥料とな
る。これには、図3の(a)および(b)に示すよう
に、内部に化成肥料層12が存在し、この化成肥料層を
とり囲むように吸水性不織布の保水材8が配置されてい
る。そして、多数本のジュート糸束9aを編んで形成し
た表皮9によってロープ全体が保形されている。
ュート糸束を籠編みした表皮9を備えているので、いず
れは有機化することにより土壌中に消失しつつ肥料とな
る。これには、図3の(a)および(b)に示すよう
に、内部に化成肥料層12が存在し、この化成肥料層を
とり囲むように吸水性不織布の保水材8が配置されてい
る。そして、多数本のジュート糸束9aを編んで形成し
た表皮9によってロープ全体が保形されている。
【0027】上記の化成肥料層12は一般的には図示の
ごとく粒状の肥料が使用される。もちろん、肥料だけで
なく土壌と混合したものでもよいが、その場合には通常
粉状の肥料が採用される。肥料自体は即効性であっても
差し支えないが、保水用ロープを本発明の目的により一
層沿わせるためには短期間に溶出しにくい遅効性のもの
としておけばよい。なお、保水材8を円筒状にして籠編
みされた表皮9で覆った状態で立てかければ、簡単に肥
料を装填することができる。
ごとく粒状の肥料が使用される。もちろん、肥料だけで
なく土壌と混合したものでもよいが、その場合には通常
粉状の肥料が採用される。肥料自体は即効性であっても
差し支えないが、保水用ロープを本発明の目的により一
層沿わせるためには短期間に溶出しにくい遅効性のもの
としておけばよい。なお、保水材8を円筒状にして籠編
みされた表皮9で覆った状態で立てかければ、簡単に肥
料を装填することができる。
【0028】肥料層を覆う保水材8としての吸水性不織
布は、ロープの吸水性や保水性を高めると共に有機化を
可能にするために綿繊維が採用される。図の例において
は、化成肥料層12の中心部に芯材13が設けられてい
る。これはロープ自体の保形性を高めるものであるが、
内部での保水能力をより一層向上するようにも機能す
る。この芯材13は、綿糸束や吸水性不織布を撚って細
くしたものなどが採用される。
布は、ロープの吸水性や保水性を高めると共に有機化を
可能にするために綿繊維が採用される。図の例において
は、化成肥料層12の中心部に芯材13が設けられてい
る。これはロープ自体の保形性を高めるものであるが、
内部での保水能力をより一層向上するようにも機能す
る。この芯材13は、綿糸束や吸水性不織布を撚って細
くしたものなどが採用される。
【0029】なお、保水用ロープ10に種子を入れてお
いてもよいが、その必要性は一般的に極めて低い。とり
わけ、植生マット4に種子を混入させている場合には保
水用ロープに種子を入れておく必要がほとんどない。ち
なみに、本例においては、表皮9をジュート糸束9aの
みで構成させるのではなく、吸水の迅速化を図るべく適
数本の吸水性不織布束9bも編み込まれている。
いてもよいが、その必要性は一般的に極めて低い。とり
わけ、植生マット4に種子を混入させている場合には保
水用ロープに種子を入れておく必要がほとんどない。ち
なみに、本例においては、表皮9をジュート糸束9aの
みで構成させるのではなく、吸水の迅速化を図るべく適
数本の吸水性不織布束9bも編み込まれている。
【0030】ところで、金網が菱形金網である場合、保
水用ロープは金網を製作する段階で左右の鉄線に上下交
互となるように絡めて一体化される。ロープ径が大きい
ときには金網の片面側に鉄線等によってくくりつけられ
る。いずれにしてもロープは全て同じ水平方向に延びて
いるので、金網を輸送する際にはロール状にして取り扱
うことができる。
水用ロープは金網を製作する段階で左右の鉄線に上下交
互となるように絡めて一体化される。ロープ径が大きい
ときには金網の片面側に鉄線等によってくくりつけられ
る。いずれにしてもロープは全て同じ水平方向に延びて
いるので、金網を輸送する際にはロール状にして取り扱
うことができる。
【0031】以上述べた植生マット4、保水用ロープ1
0を伴った金網2および客土3をもって、凭れ擁壁など
のコンクリート面や岩盤等の無土壌法面の緑化が実現さ
れるが、次にそれぞれの詳細を説明する。まず植生マッ
ト4が図1のごとく法面1に広げられ、ずり落ちること
のないように適宜仮止めされる。植生マットは天然繊維
不織布を基体6にして種子,肥料,保水剤,人工土壌を
一体化したものであるで、土壌層の薄い軟岩法面,凍上
や降雨で地表が移動しやすい砂地,痩せ地,岩盤や崖錐
状態の無土壌地等においても簡単に敷設することができ
る。
0を伴った金網2および客土3をもって、凭れ擁壁など
のコンクリート面や岩盤等の無土壌法面の緑化が実現さ
れるが、次にそれぞれの詳細を説明する。まず植生マッ
ト4が図1のごとく法面1に広げられ、ずり落ちること
のないように適宜仮止めされる。植生マットは天然繊維
不織布を基体6にして種子,肥料,保水剤,人工土壌を
一体化したものであるで、土壌層の薄い軟岩法面,凍上
や降雨で地表が移動しやすい砂地,痩せ地,岩盤や崖錐
状態の無土壌地等においても簡単に敷設することができ
る。
【0032】例えば50mm厚みの植生マット4の上に
菱形金網2が載せられ、100平米あたり200本前後
のアンカーピン11によって法面1に固定される。この
金網2は表土としての客土の崩落や植生の滑落を防止す
ることは言うまでもないが、例えば30mm直径の保水
用ロープ10を伴っているので、このロープが後に吹き
付けられる客土の滑落を可及的に抑制する。そのため、
金網2は、保水用ロープ10が前述したように滑落方向
に直角すなわち地面に水平となるように広げられる。
菱形金網2が載せられ、100平米あたり200本前後
のアンカーピン11によって法面1に固定される。この
金網2は表土としての客土の崩落や植生の滑落を防止す
ることは言うまでもないが、例えば30mm直径の保水
用ロープ10を伴っているので、このロープが後に吹き
付けられる客土の滑落を可及的に抑制する。そのため、
金網2は、保水用ロープ10が前述したように滑落方向
に直角すなわち地面に水平となるように広げられる。
【0033】次に客土3が約30mmもしくはそれ以上
の吹厚となるように、金網2の全面を覆うように吹き付
けられる。保水用ロープ10が植生マット4の上にある
ので保水用ロープ10が隠れる程度もしくは埋没させる
ように客土3が被せられる。これによって法面1には約
80mmの層厚の土壌層が形成されるが、50mm厚さ
の植生マット4は実質的には流亡等を考慮した100m
m吹厚の客土に相当する機能を発揮することから、13
0mmの客土層が形成されているのと同じ効果が得られ
る。
の吹厚となるように、金網2の全面を覆うように吹き付
けられる。保水用ロープ10が植生マット4の上にある
ので保水用ロープ10が隠れる程度もしくは埋没させる
ように客土3が被せられる。これによって法面1には約
80mmの層厚の土壌層が形成されるが、50mm厚さ
の植生マット4は実質的には流亡等を考慮した100m
m吹厚の客土に相当する機能を発揮することから、13
0mmの客土層が形成されているのと同じ効果が得られ
る。
【0034】保水用ロープ10は保水のためのみらず、
客土吹付け時の客土の定着性を向上させることは言うま
でもない。なお、保水用ロープ10として50mm直径
が採用されている場合は客土の吹厚も50mmとされる
ので、その場合には植生マットとして40mm厚みを使
用するといったように適宜の組み合わせを選択すればよ
い。なお、保水用ロープに肥料層や芯材を設けず保水材
としてのみ機能させる場合には、外径が15mmないし
25mmといった細い保水用ロープとしておいてもよ
い。
客土吹付け時の客土の定着性を向上させることは言うま
でもない。なお、保水用ロープ10として50mm直径
が採用されている場合は客土の吹厚も50mmとされる
ので、その場合には植生マットとして40mm厚みを使
用するといったように適宜の組み合わせを選択すればよ
い。なお、保水用ロープに肥料層や芯材を設けず保水材
としてのみ機能させる場合には、外径が15mmないし
25mmといった細い保水用ロープとしておいてもよ
い。
【0035】植生マットは保水性の高い人工土壌を使用
しているが、下層の基体,中間層の人工客土,表層のジ
ュートクロスといった三層構造であり、もちろん客土の
流亡がない。ジュートマットを基体としているので保水
性保温性が高く、また法面に少々の凹凸が存在しても密
着性はよく、植生群落が形成される前の降雨風蝕凍上融
雪等による浸食は著しく防止される。
しているが、下層の基体,中間層の人工客土,表層のジ
ュートクロスといった三層構造であり、もちろん客土の
流亡がない。ジュートマットを基体としているので保水
性保温性が高く、また法面に少々の凹凸が存在しても密
着性はよく、植生群落が形成される前の降雨風蝕凍上融
雪等による浸食は著しく防止される。
【0036】植生マット内の人工土壌等は偏りが少な
く、法面の全体に均一な緑化が図られる。また金網や保
水用ロープによって吹付け客土の流亡も抑制しておくこ
とができる。たとえ客土の部分的な滑落や流失があった
としても植生マットは金網に押さえられ、残存客土中の
種子もしくは植生マット中の種子が植生マットから発芽
し、不均一な緑化となることは回避される。なお、種子
としては、コンクリート面において草丈が余り長くなら
なく耐乾耐暑耐寒性に富み、一年を通じて緑を維持する
ガゼル,ホワイトクローバー,よもぎ,メドハギ,バー
ミューダグラス等の草本類が選定される。
く、法面の全体に均一な緑化が図られる。また金網や保
水用ロープによって吹付け客土の流亡も抑制しておくこ
とができる。たとえ客土の部分的な滑落や流失があった
としても植生マットは金網に押さえられ、残存客土中の
種子もしくは植生マット中の種子が植生マットから発芽
し、不均一な緑化となることは回避される。なお、種子
としては、コンクリート面において草丈が余り長くなら
なく耐乾耐暑耐寒性に富み、一年を通じて緑を維持する
ガゼル,ホワイトクローバー,よもぎ,メドハギ,バー
ミューダグラス等の草本類が選定される。
【0037】このように植生マットは土壌層を形成して
客土を補完するだけでなく、それに内包された人工土壌
としてピートモスやバーミキュライトといった保水性保
肥力の富んだものを採用しておけば、傾斜の大きい法面
や無土壌法面への適用性も高くなる。基体を構成するジ
ュートマットにパルプ材,土壌改良材,土壌菌を混入し
ておけば、数年後には良質の有機質肥料となる。
客土を補完するだけでなく、それに内包された人工土壌
としてピートモスやバーミキュライトといった保水性保
肥力の富んだものを採用しておけば、傾斜の大きい法面
や無土壌法面への適用性も高くなる。基体を構成するジ
ュートマットにパルプ材,土壌改良材,土壌菌を混入し
ておけば、数年後には良質の有機質肥料となる。
【0038】植生マットには即効性,遅効性,超弛効性
さらには有機性の肥料が適切に配合されるので、爾後的
な施肥も必要でない。そのためにも、特に有機質肥料や
コーティング肥料を主体としておくことが好ましい。な
お、保水用ロープにも肥料が含められている場合には、
それぞれを覆う素材の有機化時期や溶出性の難易を見計
らって肥料の種類が選定される。
さらには有機性の肥料が適切に配合されるので、爾後的
な施肥も必要でない。そのためにも、特に有機質肥料や
コーティング肥料を主体としておくことが好ましい。な
お、保水用ロープにも肥料が含められている場合には、
それぞれを覆う素材の有機化時期や溶出性の難易を見計
らって肥料の種類が選定される。
【0039】保水用ロープは従来技術のところで述べた
特殊肥料基袋と同様に金網に取り付けられるが、肥料基
袋はあくまで施肥のみを目的としているので紙質外皮で
肥料を覆っている。一方、保水用ロープは肥料を含むか
どうかは施工事情によって異なり、その主たる目的は無
土壌法面の保水性をより一層顕著なものとするためのも
のである。その構成や機能は前述したとおりであって、
特殊肥料基袋とは全く異なるものであることが分かる。
特殊肥料基袋と同様に金網に取り付けられるが、肥料基
袋はあくまで施肥のみを目的としているので紙質外皮で
肥料を覆っている。一方、保水用ロープは肥料を含むか
どうかは施工事情によって異なり、その主たる目的は無
土壌法面の保水性をより一層顕著なものとするためのも
のである。その構成や機能は前述したとおりであって、
特殊肥料基袋とは全く異なるものであることが分かる。
【0040】このような保水用ロープによれば、上で述
べたごとく吹付け客土の安定性定着性を向上させるだけ
でなく法面に小段を形成することにもなり、客土吹付け
作業時の客土垂れを防止し、さらには植生も促される。
降雨後の雨水が短期間には有機化しない籠編み表皮のジ
ュート糸束さらには適数本の吸水性の極めて高い不織布
束から浸透し、保水材としての吸水性不織綿布に蓄えら
れる。吸水性の高い芯材があれば内部への浸透がより一
層促進されることは勿論である。
べたごとく吹付け客土の安定性定着性を向上させるだけ
でなく法面に小段を形成することにもなり、客土吹付け
作業時の客土垂れを防止し、さらには植生も促される。
降雨後の雨水が短期間には有機化しない籠編み表皮のジ
ュート糸束さらには適数本の吸水性の極めて高い不織布
束から浸透し、保水材としての吸水性不織綿布に蓄えら
れる。吸水性の高い芯材があれば内部への浸透がより一
層促進されることは勿論である。
【0041】逆に降雨が少なく客土が乾燥しやすくなっ
ても、保水用ロープから放出される水分により客土のひ
び割れや剥離が防止される。保水用ロープに化成肥料等
を包含させておく場合には、土壌乾燥時に保水材から発
生する湿潤雰囲気に伴われて爾後的な施肥作用も発揮さ
れる。
ても、保水用ロープから放出される水分により客土のひ
び割れや剥離が防止される。保水用ロープに化成肥料等
を包含させておく場合には、土壌乾燥時に保水材から発
生する湿潤雰囲気に伴われて爾後的な施肥作用も発揮さ
れる。
【0042】植生マットに吹き付けられる客土も、バー
ク肥やピートモスを主体にした人工土壌が使用される。
植生マットに内包された人工土壌と同様に保水性保肥力
の富んだものであり、急傾斜地や無土壌法面としては最
適なものとなる。なお、人工客土には流亡を抑えるため
に適宜接合剤を混入しておくことが好ましい。
ク肥やピートモスを主体にした人工土壌が使用される。
植生マットに内包された人工土壌と同様に保水性保肥力
の富んだものであり、急傾斜地や無土壌法面としては最
適なものとなる。なお、人工客土には流亡を抑えるため
に適宜接合剤を混入しておくことが好ましい。
【0043】以上詳細に述べたことから分かるように、
植生マットと吹付け客土とからなるだけでなく保水用ロ
ープをも備えた無土壌法面の本緑化工法によれば、植生
根の深い伸張が不可能なコンクリート面において実質的
に大きな厚みのある植生基盤の造成が可能となる。保水
性の極めて乏しい平坦で急勾配な法面においても高い保
水性と客土の高い定着性を持った植生基盤が構成され、
その流亡も可及的に少なくなる。たとえ吹付け客土が部
分的に滑落しても植生マットにおける植生基盤がそれを
補完して、法面全面の均一で永続性のある緑化が実現さ
れる。
植生マットと吹付け客土とからなるだけでなく保水用ロ
ープをも備えた無土壌法面の本緑化工法によれば、植生
根の深い伸張が不可能なコンクリート面において実質的
に大きな厚みのある植生基盤の造成が可能となる。保水
性の極めて乏しい平坦で急勾配な法面においても高い保
水性と客土の高い定着性を持った植生基盤が構成され、
その流亡も可及的に少なくなる。たとえ吹付け客土が部
分的に滑落しても植生マットにおける植生基盤がそれを
補完して、法面全面の均一で永続性のある緑化が実現さ
れる。
【0044】施工作業においては植生マットを広げて金
網を敷設するので、その後に吹き付けられる客土の層厚
は概して少なくなる。それゆえ、現場作業で手間の要す
る客土吹付け作業の軽減が図られ、施工性が向上する。
たとえ吹付け作業において吹厚にばらつきがあっても植
生マットにより補完され、植生基盤が不均一厚みになる
ことは少ない。
網を敷設するので、その後に吹き付けられる客土の層厚
は概して少なくなる。それゆえ、現場作業で手間の要す
る客土吹付け作業の軽減が図られ、施工性が向上する。
たとえ吹付け作業において吹厚にばらつきがあっても植
生マットにより補完され、植生基盤が不均一厚みになる
ことは少ない。
【図1】 本発明に係る無土壌法面の緑化工法を適用し
て形成されたコンクリート傾斜面の断面構成図。
て形成されたコンクリート傾斜面の断面構成図。
【図2】 植生マットの構成を示す部分斜視図。
【図3】 保水用ロープを示し、(a)は内部構造を一
部表した外観図、(b)は断面図。
部表した外観図、(b)は断面図。
1…無土壌法面(コンクリート面)、2…金網、3…客
土、4…植生マット、5…人工土壌等、6…基体、8…
保水材、9…表皮、9a…ジュート糸束、10…保水用
ロープ、12…化成肥料層。
土、4…植生マット、5…人工土壌等、6…基体、8…
保水材、9…表皮、9a…ジュート糸束、10…保水用
ロープ、12…化成肥料層。
Claims (4)
- 【請求項1】 凭れ擁壁などのコンクリート面や岩盤に
金網を敷設し、その金網面に客土を吹きつけるようにし
た無土壌法面の緑化工法において、 肥料,保水剤,人工土壌等が保水性の高い天然繊維の不
織布を基体にして一体化された植生マットを無土壌法面
に敷設し、 植物繊維の不織布で構成される保水材を植物繊維で覆っ
て一方向へ延びる保水用ロープが予め金網に一体化さ
れ、その金網を前記保水用ロープが水平となるように前
記植生マット上に配置して施工法面に固定し、 種子入りの客土を前記金網上に吹き付けるようにしたこ
とを特徴とする無土壌法面の緑化工法。 - 【請求項2】 前記植生マットには草本類の種子が含ま
れていることを特徴とする請求項1に記載された無土壌
法面の緑化工法。 - 【請求項3】 前記保水用ロープの表皮はジュート糸束
でもって籠編みされていることを特徴とする請求項1に
記載された無土壌法面の緑化工法。 - 【請求項4】 前記保水用ロープには化成肥料が包含さ
れていることを特徴とする請求項1に記載された無土壌
法面の緑化工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16523397A JPH10338934A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 無土壌法面の緑化工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16523397A JPH10338934A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 無土壌法面の緑化工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10338934A true JPH10338934A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15808396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16523397A Pending JPH10338934A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 無土壌法面の緑化工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10338934A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002004292A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-09 | Takinou Filter Kk | 植生用ロール状物 |
JP2010285745A (ja) * | 2009-06-09 | 2010-12-24 | Tankatsu:Kk | モルタル・コンクリート法面の緑化工法 |
CN109329259A (zh) * | 2018-09-04 | 2019-02-15 | 湖北二零九工程有限公司 | 一种用于水土保持的团粒胶囊喷播植物措施方法 |
CN113940166A (zh) * | 2021-10-09 | 2022-01-18 | 金隅星节能保温科技(唐山)有限公司 | 一种生态多孔纤维棉应用于渣山绿化的方法 |
CN114809033A (zh) * | 2022-04-18 | 2022-07-29 | 内蒙古蒙草土壤科技有限责任公司 | 一种采煤塌陷区生态重建用生态基材喷播施工工艺 |
CN115142443A (zh) * | 2022-07-25 | 2022-10-04 | 青岛地质工程勘察院(青岛地质勘查开发局) | 高陡边坡绿化防护工艺及其装置 |
-
1997
- 1997-06-06 JP JP16523397A patent/JPH10338934A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002004292A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-09 | Takinou Filter Kk | 植生用ロール状物 |
JP2010285745A (ja) * | 2009-06-09 | 2010-12-24 | Tankatsu:Kk | モルタル・コンクリート法面の緑化工法 |
CN109329259A (zh) * | 2018-09-04 | 2019-02-15 | 湖北二零九工程有限公司 | 一种用于水土保持的团粒胶囊喷播植物措施方法 |
CN109329259B (zh) * | 2018-09-04 | 2021-08-27 | 湖北二零九工程有限公司 | 一种用于水土保持的团粒胶囊喷播植物措施方法 |
CN113940166A (zh) * | 2021-10-09 | 2022-01-18 | 金隅星节能保温科技(唐山)有限公司 | 一种生态多孔纤维棉应用于渣山绿化的方法 |
CN114809033A (zh) * | 2022-04-18 | 2022-07-29 | 内蒙古蒙草土壤科技有限责任公司 | 一种采煤塌陷区生态重建用生态基材喷播施工工艺 |
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