JP3734869B2 - 緑化工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面等の緑化工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保全の面からモルタル吹付けによる法面保護工については自然を阻害するのみならず、風致上も好ましくないという理由で自然復旧を前提に緑化植生が図られている。
【0003】
切土法面にモルタルを吹き付けた場合は地山にある岩の亀裂、風化帯、土砂部を全てモルタルで被覆してしまうので植物の生育を拒み、わずかにモルタル亀裂箇所とか水抜孔によもぎ、かや等の育成が散見される程度である。このようなモルタル面に通常の岩盤緑化を施工しても植物の根が発育出来ず、植生後数年で枯死、剥落が生じ、特に寒冷地とか日照の激しい南西向きに法面においてこれが顕著である。
【0004】
建設工事では、一般に地山を切土する際、表土まで除去し岩盤を露出させるので、長年月かけて形成された植物に必要な自然植生がなく、植物の自然発生を願っても復元に至るまでには、表土の形成がなされるまでの月日が必要となるので、岩盤緑化工事では、人為的に表土に替わる植土(基盤材)に緑化を目的とした品種を吹付けし、繁茂させることで法面に安定を計り自然の復元を期待するものである。
【0005】
従来このような目的をもって行う工事として最も重要な点は植土の選定であり、この植土が物理的に流失したり、科学的に植物の育成を阻害しては目的を達せられない。この植土には現在のところバーク系の堆肥にピートモス系の繊維ボイド(吸水性)を得る為のパーライト系、あるいは砂などを粘着剤で混合し法面に吹き付けることになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、植物の育成に不可欠な水分の補給に対する配慮がなされていなかったり、モルタル法面は地山の水がモルタルと植土の間で遮断されているので浸透水が植物の根におよぼすことがきわめて少なく、また、保水性に欠けるので枯死の原因になっていた。
【0007】
また、多少水分がある場合(モルタルは透水性が若干ある)においては、植物の根が土層厚内で育成することになるが、根がモルタル面で止まるので草丈が大きくなれば草根がその分だけ伸長し、最終的には根先が地表に出る現象(株上がり)ができ、日照等により根が枯死したりする場合もある。
【0008】
さらに、草根が植土厚の深さで止まることは、モルタル面と草根が平面的に重なっているのでその接着面にスベリが発生したり、寒期凍土(気象条件による)したりして、降雨の時に支持がなくなり滑落の原因になっている。
【0009】
本発明の目的は前記の従来例の不都合を解消し、植物に必要な養分を供給できるとともに、保水性に優れ、植物の乾燥害を緩和し、法面等急勾配の場所でも肥沃な土壌を安定して造ることができる緑化工法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、連続する小径の穴を長さ方向に貫通させた長尺体を輪切りにしてなるもので、ピートモスやバーク堆肥による有機物基盤材を主材として成形したブロック体に上下方向に小径の穴を複数形成した練炭状のブロック体を設置し、バーク肥料やピートモス等の有機質基盤材、被覆肥料、高吸水性ポリマーによる保水剤、普通ポルトランドセメントや高分子等樹脂による接合材に各種の種子を混入した厚層基材をモルタルガンホースによりノズルマンが吹き付けて前記練炭状のブロック体を厚層基材中に埋設すること、第2に、連続する小径の穴を長さ方向に貫通させた長尺体を輪切りにしてなるもので、ピートモスやバーク堆肥による有機物基盤材を主材として成形したブロック体に上下方向に小径の穴を複数形成した練炭状のブロック体を設置し、連続繊維をジェット水と一緒に噴射し、これを砂と三次元的に混合することで補強土による法面を構築する連続繊維による補強土中に前記練炭状のブロック体を埋設すること、第3に、練炭状のブロック体の上にはネズミモチやシャリンバイ等の苗木を植えることを要旨とするものである。
【0011】
本発明によれば、練炭状のブロック体はピートモスやバーク堆肥による有機物基盤材を主材として成形したのでこれが植物に必要な養分を供給し、肥沃な土壌を造るとともに、上下方向に小径の穴を形成してあるので、この中に根先が入り込み易く、植物の根の成長を促す空隙を持ち、また、ブロック体の周囲にも毛根がまとわりつき易い安定した根入れが可能となる。
【0012】
さらに、小径の穴の中に水が溜まり易く、保水性にも優れたものとなる。これに加えて、穴の中に種の植え付けを行うようにすることもできる。
【0013】
このようにして、急勾配の法面でも本発明の練炭状のブロック体を埋設することにより法面全体の緑化が簡単に可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の緑化工法の第1実施形態を示す側面図で、木本植物を導入する方法には播種と苗木植栽の二通りがあるが、苗木を設置する場合である。
【0015】
図中1は地山であり、この地山1の上に金網2を張設し、厚層基材3を吹き付けるが、地山1の凹部4に練炭状のブロック体5を設置して前記厚層基材3の中にこのブロック体5を埋設する。
【0016】
先にブロック体5について述べると、ピートモスやバーク堆肥による有機物基盤材を主材として成形したものであり、図2〜図4に示すように上下方向に小径の穴6を形成した。
【0017】
一例として、ブロック体5はピートモス3、バーク堆肥5、バーミキュライト0.5 、ゼオライト0.5 、ベントナイト0.5 、パーライト0.5 の割合で圧縮成形するものとする。
【0018】
図2は孔径11〜15(mm)の穴6が2〜4個の場合で、全体は高さ8(cm)、直径φ10(cm)、重量400(g)程度のもの、図3は孔径11〜15(mm)の穴6が4個の場合で、高さ8(cm)、直径φ12(cm)、重量600(g)程度のもの、図4は孔径16〜20(mm)の穴6が3個の場合で、高さ8(cm)、直径φ18(cm)、重量1,300(g)程度のものである。
【0019】
また、このような穴6を有する練炭状のブロック体5を得るには、図5に示すように押し出し成形等で連続する小径の穴6を長さ方向に貫通させた長尺体7を成形し、該長尺体7を適宜長さで輪切りにすると少ない工程で、形状の揃ったブロック体5が得られる。
【0020】
一方、厚層基材3はモルタルガンホースによりノズルマンが吹き付けるものであるが、バーク肥料やピートモス等の有機質基盤材、被覆肥料、高吸水性ポリマーによる保水剤、普通ポルトランドセメントや高分子等樹脂による接合材に各種の種子を混入した。
【0021】
さらに、前記練炭状のブロック体5の上にはネズミモチやシャリンバイ等の苗木8を植える。
【0022】
このようにすれば、練炭状のブロック体5は植物に必要な養分を供給し、肥沃な土壌を造るとともに、上下方向に小径の穴6を形成してあるので、この中に苗木8の根先が入り込み易く、苗木8の根の成長を促す空隙を穴6で確保して、ブロック体5の周囲にも毛根がまとわりつく。
【0023】
さらに、小径の穴6の中に水が溜まり易く、保水性にも優れたものとなる。
【0024】
図6は本発明の第2実施形態を示すもので、地山1に適度な凹凸がない場合にはブロック体5は金網2に挟んで固定する。金網2は厚みのあるものを使用するか、通常の金網を用いて、ブロック体5の位置の金網を切って折り曲げ、その間にブロック体5を挟み込む。このようにすれば、厚層基材3を吹き付ける際にブロック体5の上側が完全に覆われるようにすることができる。
【0025】
図7は本発明の第3実施形態を示すもので、ブロック体5はアンカーピン9により地山1に打ち付け固定するようにした。このようにすることで、金網2によりブロック体5が浮き上がり地山への根の侵入が妨げられることを防止できる。
【0026】
第4実施形態として、図8に示すように連続繊維をジェット水と一緒に噴射し、これを砂と三次元的に混合することで補強土10による法面を構築する連続繊維による補強土工法をもってなる急勾配法面の内部に前記ブロック体5を埋設配置することも可能である。
【0027】
いずれの実施形態の場合も苗木8は成長していく段階で、根がブロック体5の空隙にまとわりつき水分、肥料分を摂取して成育する。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の緑化工法は、植物に必要な養分を供給できるとともに、保水性に優れ、植物の乾燥害を緩和し、法面等急勾配の場所でも肥沃な土壌を安定して造ることができ、さらに、製品として品質管理された二次製品ブロックを利用することで施工性にも優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の緑化工法の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】 本発明で使用するブロック体の第1例を示す斜視図である。
【図3】 本発明で使用するブロック体の第2例を示す斜視図である。
【図4】 本発明で使用するブロック体の第3例を示す斜視図である。
【図5】 ブロック体の製作例を示す斜視図である。
【図6】 本発明の緑化工法の第2実施形態を示す縦断側面図である。
【図7】 本発明の緑化工法の第3実施形態を示す縦断側面図である。
【図8】 本発明の緑化工法の第4実施形態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…地山 2…金網
3…厚層基材 4…凹部
5…ブロック体 6…穴
7…長尺体 8…苗木
9…アンカーピン 10…補強土
Claims (3)
- 連続する小径の穴を長さ方向に貫通させた長尺体を輪切りにしてなるもので、ピートモスやバーク堆肥による有機物基盤材を主材として成形したブロック体に上下方向に小径の穴を複数形成した練炭状のブロック体を設置し、バーク肥料やピートモス等の有機質基盤材、被覆肥料、高吸水性ポリマーによる保水剤、普通ポルトランドセメントや高分子等樹脂による接合材に各種の種子を混入した厚層基材をモルタルガンホースによりノズルマンが吹き付けて前記練炭状のブロック体を厚層基材中に埋設することを特徴とする緑化工法。
- 連続する小径の穴を長さ方向に貫通させた長尺体を輪切りにしてなるもので、ピートモスやバーク堆肥による有機物基盤材を主材として成形したブロック体に上下方向に小径の穴を複数形成した練炭状のブロック体を設置し、連続繊維をジェット水と一緒に噴射し、これを砂と三次元的に混合することで補強土による法面を構築する連続繊維による補強土中に前記練炭状のブロック体を埋設することを特徴とする緑化工法。
- 練炭状のブロック体の上にはネズミモチやシャリンバイ等の苗木を植える請求項1または請求項2のいずれかに記載の緑化工法。
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