JP2001224246A - 緑化用の植生マット - Google Patents

緑化用の植生マット

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JP2001224246A
JP2001224246A JP2000038741A JP2000038741A JP2001224246A JP 2001224246 A JP2001224246 A JP 2001224246A JP 2000038741 A JP2000038741 A JP 2000038741A JP 2000038741 A JP2000038741 A JP 2000038741A JP 2001224246 A JP2001224246 A JP 2001224246A
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coarse
fibers
fiber layer
mat
vegetation
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JP2000038741A
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Michihei Sakate
三千兵 坂手
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Nisshoku Corp
Original Assignee
Nisshoku Corp
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  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Revetment (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌表面への密着性が非常に良くて、表層
土、植物種子、肥料などの移動を確実に防止することが
でき、しかも、保水機能が高くて、植物種子の乾燥を防
止することができ、その結果、発芽むら、生育むらが発
生しにくく、侵入植生も定着しやすい緑化用の植生マッ
トを提供すること。 【解決手段】 線状又は帯状に形成された複数の粗大繊
維2をそれぞれ螺旋状にカールさせた状態で、これら粗
大繊維2同士を絡ませてマット状に集積してある粗大繊
維層3を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば道路や山
腹の法面、河川敷、川岸や湖岸などの緑化に用いられる
緑化用の植生マットに関する。
【0002】
【従来の技術】植物種子の発芽や幼芽の生育の妨げにな
らないような目の粗いネットを使用した緑化用の植生マ
ットとしては、(1)ネットの片面にシート状の薄綿を
積層し、薄綿表面に植物種子や肥料を水溶性接着剤で接
着して保持させたものや、(2)ネットの片面に、天然
の例えば木毛繊維などの粗大繊維を水溶性接着剤で接着
してマット状に集積した粗大繊維層を積層し、粗大繊維
層に植物種子や肥料を水溶性接着剤で接着して保持させ
たもの、あるいは、(3)前記粗大繊維同士を水溶性接
着剤で接着してなる粗大繊維層を有し、この粗大繊維層
に植物種子や肥料を水溶性接着剤で接着して保持させた
ものが知られている。
【0003】前記(1),(2),(3)の植生マット
は、植物種子の保持面を下にして、法面などに敷設さ
れ、ネットを貫通する止め串で固定される。そして、降
雨により、前記(1)の植生マットでは、シート状の薄
綿がネットから剥がれ落ち、前記(2)の植生マットで
は、粗大繊維層がネットから剥がれ落ちて、植物種子が
土壌表面に落下し、植物種子が粗大繊維層で被覆される
ことにより、直射日光から保護され、表面のネットで粗
大繊維層を抑えた状態で、植物種子の発芽、生育が行わ
れることになる。また、前記(3)の植生マットでも、
粗大繊維層で植物種子を被覆することで降雨などによっ
て植物種子が流され難くなり、かつ、粗大繊維そのもの
と粗大繊維層内の空気とが保温性を保つことから良好な
発芽を期することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、前記(1)の植生マットにおいては、降雨により薄
綿がネットから剥がれ落ちた時、薄綿の繊維どうしが絡
み合っているため、薄綿が土壌表面の凹部に密着せず、
宙に浮いた状態となるため、植物種子や肥料が雨水で流
されるなどして移動し、発芽むら、生育むらが生ずるこ
とがあった。
【0005】また、前記(2),(3)の植生マットに
おいては、前記粗大繊維の一本の長さが実際には100
〜400mmと非常に長く、たとえ折れたとしても依然
長いものであり、しかもこの長い前記粗大繊維自体は線
状又は帯状に形成されてはいるが、どちらかと言えば直
線的な形状を有する。そのため、前記(2)の植生マッ
トのように、降雨によりネットから剥がれ落ちた粗大繊
維層がばらけた後や、前記(3)の植生マットのよう
に、降雨により粗大繊維層がばらけた後は前記粗大繊維
が土壌表面の凹部に入り込むことがない。つまり、粗大
繊維層がばらけた後は前記粗大繊維が前記凹部に密着せ
ずに宙に浮いた状態となる。しかも直線的な形状のた
め、粗大繊維同士が絡み難く土壌表面全体を均一に覆う
ことはできない。よって、植物種子、肥料、表層土など
の移動を抑えるのが難しい。また、前記粗大繊維層の保
水性が不十分なために植物種子が乾燥して、発芽むら、
生育むらが生じるという問題点があった。
【0006】更に、前記(2),(3)の植生マットに
おいては、降雨により前記粗大繊維層がばらけると、粗
大繊維間に多くの隙間を有するものの、長く直線的な形
状を有する粗大繊維に、発芽した植物種子の幼芽がひっ
かかるような事態も発生する。この場合、粗大繊維にひ
っかかった幼芽が重い前記粗大繊維を持ち上げる形にな
って幼芽が上昇伸長するのを阻害されるおそれがあっ
た。
【0007】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、土壌表面への密着性が非常に良
くて、表層土、植物種子、肥料などの移動を確実に防止
することができ、しかも、保水機能が高くて、植物種子
の乾燥を防止することができ、その結果、発芽むら、生
育むらが発生しにくく、侵入植生も定着しやすい緑化用
の植生マットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の緑化用の植生マットは、線状又は帯状に
形成された複数の粗大繊維をそれぞれ螺旋状にカールさ
せた状態で、これら粗大繊維同士を絡ませてマット状に
集積してある粗大繊維層を有する。
【0009】また、この発明は別の観点から、開繊ロー
ラによって線状又は帯状に開繊された複数の粗大繊維同
士を絡ませてマット状に集積してある粗大繊維層を有す
ることを特徴とする緑化用の植生マットを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照しながら説明する。
【0011】図1は、線状又は帯状に形成された複数の
粗大繊維をそれぞれ螺旋状にカールさせ、これら粗大繊
維同士を絡ませてマット状に集積した粗大繊維層を有す
るこの発明の第1の実施形態を示している。
【0012】図1において、1は緑化用の植生マット
(以下、単に植生マットという)で、粗大繊維2をマッ
ト状に集積してある粗大繊維層3を有する。
【0013】前記粗大繊維2の素材としては、木毛繊
維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、
ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維、線状
又は帯状の生分解性プラスチック繊維、あるいはプラス
チック、金属などの耐腐食性繊維の単体または組合せた
ものを選択して使用することができる。
【0014】そして、この発明では、前記粗大繊維2と
して螺旋状にカールさせたものを使用している。この螺
旋形態は、例えば長さ50mm当たり、1〜10回転の
カールを有する。そして、螺旋状にカールした状態での
前記粗大繊維2の全長Aとしは、20〜400mmが好
ましい。上限を400mmに設定したのは、これ以上長
い繊維を使用すると繊維が長すぎて絡まり過ぎ、一定の
厚みに形成し難くなるからである。また、下限を20m
mに設定したのは、繊維が短すぎて繊維同士の絡まりが
悪く植生マットがばらばらになり易いからである。この
実施形態では、前記全長Aが50〜200mmである。
また、粗大繊維2として、幅1.0〜5.0mm、厚さ
0.1〜1.0mmに切断された100g/m2 程度の
木毛繊維を使用している。この木毛繊維は、巨大な鉛筆
削り状の刃物を用いて切削形成されたり、木材チップ
を、例えば、回転の異なる上下のローラを通すなどの開
繊ローラで圧削、圧延して形成される。
【0015】つまり、各粗大繊維2は一種のコイルを構
成しており、螺旋端部である開放端部2a,2aと、こ
の開放端部2a,2a間に挟まれた螺旋部2bとよりな
る渦巻き型の平面曲線を有する。
【0016】そして、前記粗大繊維層3は、この実施形
態では、前記粗大繊維2同士をパウダー状や繊維状ある
いは液状の水溶性接着剤で接着し、圧着ローラで加圧し
たり、単に粗大繊維2の集積物を加圧して、任意の厚さ
(例えば2〜30mm程度)のマット状に集積したもの
である。この場合、粗大繊維2同士の絡みは多種多様で
ある。例えば、それぞれ開放端部2a同士を介して絡ん
だり、開放端部2aと螺旋部2bを介して絡んだり、螺
旋部2b同士を介して絡んだりしている。
【0017】そのため、植物種子が播かれた法面の土壌
表面に植生マット1を敷設した状態では、従来の前記
(3)の植生マットの粗大繊維層に比して、前記粗大繊
維層3の方が土壌表面によく馴染む。
【0018】更に、植生マット1の敷設後の降雨あるい
は散水により、水溶性接着剤が溶けて、粗大繊維2同士
の接着が解除されて粗大繊維層3がばらけるが、螺旋状
にカールさせた粗大繊維2は相互に移動可能なように絡
みながら、土壌表面の凹部も含めて粗大繊維層3が土壌
表面に食い込んだ状態に密着する。
【0019】したがって、植物種子、肥料や表層土など
が降雨あるいは散水により移動しようとしても、これら
が粗大繊維2に絡み付き、植物種子、肥料、土壌改良材
のみならず表層土の移動を阻止できる。すなわち、植物
種子、肥料、土壌改良材、表層土の流亡を抑制できる。
【0020】また、前記粗大繊維層2による保水機能を
発揮でき、植物種子の乾燥が防止されることになる。
【0021】更に、粗大繊維2は、これが相互に移動可
能なように絡み合っているので、土壌表面の凹部に位置
する植物種子であっても、その幼芽の伸長に伴って容易
に移動できる。よって、幼芽は粗大繊維2による生育の
妨げを受けないので、この粗大繊維2を押し広げて容易
に上昇伸長するようになり、法面はこの植物種子の生育
によって均一に植生被覆される。
【0022】このように、発芽むら、生育むらの発生が
確実に抑制される。
【0023】また、粗大繊維層3の存在により、植生マ
ット1の空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子や
侵入植生も定着しやすい。そして、粗大繊維2が木毛繊
維よりなるので、やがては腐食・分解により土壌と同化
し、肥料として利用されることになる。
【0024】なお、前記水溶性接着剤として、乾燥状態
では接着機能が発現しないポリビニルアルコール(PV
A)の繊維状接着剤を、例えば、太さ1.0〜20デニ
ール、長さ2〜30mm等に切断したものを選択し、一
時的な湿潤雰囲気を通過させることにより接着機能を発
現させて使用している。なお、マット状の集積方法とし
ては、上記の他に、単に圧着ローラを通過させること
で、粗大繊維2同士を絡ませてマット状に形成する手法
もある。
【0025】なお、この実施形態のように水溶性接着剤
を用いた場合は、降雨によって水溶性接着剤が溶けて、
粗大繊維2同士の結合が解かれることで、粗大繊維2が
ルーズな状態になることから、植物種子の発芽・生育面
で一層好適であるが、例えばエチレン酢ビエマルジョン
やアクリル酢ビエマルジョンなどを前記水溶性接着剤に
混合し、これらの接着剤と粗大繊維2とを混合して植生
マット1を成形してもよく、この場合、接着剤表面に水
に溶けない膜が形成されることから、粗大繊維2の結合
が長期間にわたって解かれなくなる。
【0026】図2は、この発明の第2の実施形態を示
す。なお、図2において、図1に示した符号と同一のも
のは同一または相当物である。
【0027】この実施形態においては、粗大繊維層3に
植生基材10を水溶性接着剤で接着して保持させてい
る。前記植生基材10としては、植物種子11のみであ
ってもよいが、この例では、植物種子10と、肥料1
2、保水材13、土壌改良材14の少なくとも一つとを
混合したものを使用している。
【0028】この場合、粗大繊維層3に植生基材10を
保持させてあるので、法面などの施工対象の土壌表面に
播種する手間を省くことができ、しかも飛来する植物種
子や侵入植生に依存せずに緑化を行うことができる。
【0029】図3〜図5は、粗大繊維層3の片面に補強
用の粗目のネット8が装着されているこの発明の第3の
実施形態を示す。なお、図3〜図5において、図1、図
2に示した符号と同一のものは同一または相当物であ
る。
【0030】前記ネット8と粗大繊維層3は前記水溶性
接着剤で接着することによって一体化して構成されてい
る。前記ネット8は、ポリエチレン、生分解性プラスチ
ック、天然繊維などの単体又はそれらの組合せを素材と
するものであり、ラッセル織り、絡み織り、平織り、熱
融着などの手段により製造され、植物種子の発芽や幼芽
の生育の妨げにならないような粗い網目、例えば、1.
5〜5.0cm程度の網目に設定される。上記の組み合
わせ方法は、経糸又は(及び)緯糸を、単体繊維のどれ
かを限定し、これを1本又は数本おきに編織して、これ
を繰り返すものなどがある。例えば、生分解性プラスチ
ック糸を縦横1本おきに、他の糸を天然繊維のジュート
糸にするなどである。
【0031】具体的には、この例では、図3に示すよう
に、前記ネット8を、ポリエチレンのフラットヤーン3
00〜1000デニールを目合い15.7mm×20m
mのラッセル織りして成るベースネット8aと、ポリエ
チレンのモノフィラメント500〜1300デニールを
目合い50mm×50mmに編み込んだ補強ネット8b
との2層構造としてある。その他、ネット8の他の実施
例として、ネットを構成する経糸、緯糸の少なくとも一
方を、天然繊維、例えばジュート繊維と生分解性プラス
チック糸とを引き揃えて、(ラッセル織りの場合は経糸
又は緯糸の鎖に単に挿入して)ネットの構成糸として縦
横3〜25mmの目合いのネットを編織する場合があ
り、こうすると、天然繊維が短期間に腐食した後にも生
分解性の糸がしばらくは(約2年程度)補強材として機
能する。生分解性糸の引き揃え又は挿入はネットを構成
する糸の1本又は数本おきに入れる場合がある。
【0032】上記構成よりなる植生マット1は、図4
(A)に示すように、例えば施工対象面としての法面の
土壌表面25に植物種子26を播き、必要により肥料や
土壌改良材を散布した後、これらを覆うように粗大繊維
層3を下にして敷設され、ネット8を貫通する止め串7
で固定される。
【0033】そして、植生マット1の施工後の降雨ある
いは散水により、粗大繊維層3が水を含んで重くなると
ともに、水溶性接着剤が溶けて、ネット8と粗大繊維層
3との接着が解除されるので、図2(B)に示すよう
に、粗大繊維層3が土壌表面に食い込んだ状態に密着す
る。
【0034】したがって、表層土、植物種子26、肥料
などの移動が防止されるとともに、粗大繊維層3による
保水機能が発揮されるので、植物種子26の乾燥が防止
されることになり、しかも、図5(A)〜(D)に示す
ように、植物種子26が粗大繊維2に付着し堆積した表
層土30と混じり合って、ほどよく覆土され、これらの
結果、発芽むら、生育むらの発生が確実に抑制される。
また、粗大繊維層3の存在により、植生マット1の空隙
が多くなり、外部から飛来する植物種子や侵入植生も定
着しやすい。そして、粗大繊維2の素材が木毛繊維など
の腐食性繊維や生分解性プラスチックよりなるので、や
がては腐食・分解により土壌と同化し、肥料として利用
されることになる。また、ネット8が腐食性素材よりな
る場合は、これも同様に肥料として利用される。なお、
粗大繊維の素材として、プラスチック、金属などの耐腐
食性素材を使用すると、緑化用の植生マットの法面被覆
効果を急傾斜の切り土法面等長期間必要とする場合に有
利である。
【0035】したがって、表層土や植生基材10の移動
が防止されるとともに、粗大繊維層4による保水機能が
発揮され、植物種子6の乾燥が防止されることになり、
これらの結果、発芽むら、生育むらの発生が確実に抑制
され、法面5などの緑化保護が良好に行われるのであ
る。また、粗大繊維層4の存在により、植生マット1の
空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子や侵入植生
も定着しやすい。そして、ネット2が腐食性素材よりな
るとともに、粗大繊維3が木毛繊維などの腐食性繊維や
生分解性プラスチックよりなるので、やがては腐食・分
解により土壌と同化し、肥料として利用されることにな
る。
【0036】また、この第3の実施形態の変形例として
以下のものを挙げることができる。すなわち、この例に
おいては、ネット8の上に粗大繊維層3を載置した状態
で、木綿、麻あるいは生分解性プラスチックなどの腐食
性素材よりなる縫製糸を用いて縫い目を粗くして縫製す
ることにより、両者8,3を一体化している。このよう
に構成した植生マット1の作用効果は、第3の実施形態
の植生マット1と同様であるので、その説明を省略す
る。なお、縫製により植生マット1を形成する場合、金
網と粗大繊維2とを積層して一体的に縫製してもよい。
また、前記縫製糸は、強度、経済性、取り扱い易さなど
を考慮した場合、ポリエチレンやポリプロピレンなどの
プラスチック素材を使用することもある。
【0037】図6は、粗大繊維層3の片面にシート状の
薄綿30が装着され、この薄綿30の外面にネット8が
装着されてなるこの発明の第4の実施形態を示す。な
お、図6において、図1〜図5に示した符号と同一のも
のは同一または相当物である。
【0038】この場合、目の粗いネット8の片面にシー
ト状の薄綿30を積層し、薄綿30の上に、螺旋状にカ
ールさせた粗大繊維2を前記水溶性接着剤で接着してマ
ット状に集積した粗大繊維層3を積層することによって
構成されている。
【0039】シート状の薄綿30は、例えば、ポリエス
テル等の化学繊維の薄綿、スフやレーヨンなどの薄綿
(25〜30g/m2 )をシート状に成形したものであ
り、水分により早期に分散するように構成されている。
【0040】シート状の薄綿30とネット8は、ネット
8がヤシ繊維やシュロ毛で製造された表面の毛羽立った
ネット2である場合、ネット8の片面にシート状の薄綿
30を重ね合わせ、ローラ等で加圧して、薄綿30の繊
維をネット8に絡み付かせることによって一体化するこ
とができるが、この例では、ネット8が上述したとおり
ポリエチレン製であるため、ネット8にポリビニルアル
コール(PVA)などの液状の水溶性接着剤を噴霧し
て、薄綿30を貼り合わせることにより、両者8,30
を一体化してある。
【0041】そして、植生マット1施工後の降雨あるい
は散水により、薄綿30や粗大繊維層4が水を含んで重
くなると共に、水溶性接着剤が溶けて、接合が解かれる
ので、薄綿30がネット8から剥がれ落ち、薄綿30下
の粗大繊維層3が土壌表面に食い込んだ状態に密着する
と共に、粗大繊維層3が保水性の高い薄綿30で覆われ
て、粗大繊維層3の移動と乾燥が防止される。
【0042】従って、表層土、植物種子、肥料等の移動
が防止され、且つ、粗大繊維層3が保水性の高い薄綿3
0で覆われることにより、薄綿30と粗大繊維層3とに
よる二重の保水機能が発揮されるので、粗大繊維層3の
乾燥に起因する植物種子の乾燥が防止されることにな
り、これらの結果、発芽むら、生育むらの発生が確実に
抑制される。
【0043】図7は、例えば、回転の異なる上下のロー
ラを通すなどの開繊ローラによって木材片等を圧削、圧
延するようにして線状又は帯状に開繊されたさまざまな
形の複数の粗大繊維2a同士を絡ませてマット状に集積
してある粗大繊維層3aを有するこの発明の第5の実施
形態を示す。なお、図7において、図1〜図6に示した
符号と同一のものは同一または相当物である。
【0044】粗大繊維2aの素材としては、木毛繊維、
ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラ
やヨシに代表される草本類などの腐食性繊維、線状又は
帯状の生分解性プラスチック繊維、あるいはプラスチッ
ク、金属などの耐腐食性繊維の単体または組合せたもの
を選択して使用することができる。
【0045】粗大繊維層3aは、粗大繊維2a同士を、
パウダー状や繊維状あるいは液状の水溶性接着剤で接着
し、圧着ローラで加圧して、任意の厚さ(例えば2〜3
0mm程度)のマット状に集積したものである。
【0046】具体的には、この例では、粗大繊維2aと
して、幅1.0mm、長さ10〜100mm、厚さ0.
1〜1.0mmに切断された100g/m2 程度の木毛
繊維を使用しており、水溶性接着剤として、乾燥状態で
は接着機能が発現しないポリビニルアルコール(PV
A)の粉体(100メッシュ)を、一時的な湿潤雰囲気
を通過させることにより接着機能を発現させて使用して
いる。この木毛繊維は、木材チップを開繊ローラで圧
削、圧延してなるもので、これにより線状又は帯状に形
成されており、直線的な形状を有する。しかし、この粗
大繊維2aの特徴は、従来の100〜400mmと非常
に長い粗大繊維に比して、長さが短い点である。
【0047】この植生マット1は、法面などの土壌表面
に植物種子を播種し、必要であれば肥料や土壌改良材を
散布した後、これらを覆うように敷設され、粗大繊維層
3aを貫通する止め串で固定される。
【0048】ところで、前記粗大繊維2aは、従来の1
00〜400mmと非常に長い粗大繊維に比して、短い
長さ(10〜100mm)を有するので、降雨により粗
大繊維層3aがばらけた後は粗大繊維2aが土壌表面の
凹部に入り込むことができる。つまり、粗大繊維層3a
がばらけた後は前記粗大繊維2aが前記凹部に密着す
る。したがって、表層土、植物種子、肥料等の移動を確
実に防止できる。なお、粗大繊維2aの下限を10mm
に設定したのは、粗大繊維が短すぎると、繊維同士の絡
み合いが不十分で、マット状になり難いからである。な
お、この場合においても、ネット類を重合したり、薄綿
を併用したりすることも前述の通りであり、また、縫製
により粗大繊維層を形成することも前記と同様にするこ
とができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、線状又は帯状に形成された複数の粗大繊維をそれぞ
れ螺旋状にカールさせた状態で、これら粗大繊維同士を
絡ませてマット状に集積してある粗大繊維層を有するの
で、土壌表面への密着性が非常に良くて、表層土、植物
種子、肥料等の移動を確実に防止でき、しかも、保水機
能が高くて、植物種子の乾燥を防止でき、これらの結
果、発芽むら、生育むらが発生しにくく、侵入植生も定
着しやすい緑化用の植生マットを得ることができ、所望
の施工を行うことができる。
【0050】また、この発明は、開繊ローラによって線
状又は帯状に開繊された複数の粗大繊維同士を絡ませて
マット状に集積してある粗大繊維層を有するので、発芽
むら、生育むらが発生しにくく、侵入植生も定着しやす
い緑化用の植生マットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】この発明の第2の実施形態を示す図である。
【図3】この発明の第3の実施形態を示す図である。
【図4】(A)は、上記第3の実施形態における施工直
後の敷設状態を示す構成説明図である。(B)は、上記
第3の実施形態において、降雨により粗大繊維層がばら
けた後の状態を示す構成説明図である。
【図5】(A)は、上記第3の実施形態において、降雨
により粗大繊維層がばらけた直後の状態を示す構成説明
図である。(B)は、上記第3の実施形態において、粗
大繊維が植物種子、表層土の移動を阻止している状態を
示す構成説明図である。(C)は、上記第3の実施形態
において、植物種子が発芽している状態を示す構成説明
図である。(D)は、上記第3の実施形態において、粗
大繊維とネットが腐食・分解により土壌と同化している
状態を示す構成説明図である。
【図6】この発明の第4の実施形態を示す図である。
【図7】この発明の第5の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1…植生マット、2…螺旋状にカールした粗大繊維、3
…粗大繊維層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状又は帯状に形成された複数の粗大繊
    維をそれぞれ螺旋状にカールさせた状態で、これら粗大
    繊維同士を絡ませてマット状に集積してある粗大繊維層
    を有することを特徴とする緑化用の植生マット。
  2. 【請求項2】 開繊ローラによって線状又は帯状に開繊
    された複数の粗大繊維同士を絡ませてマット状に集積し
    てある粗大繊維層を有することを特徴とする緑化用の植
    生マット。
  3. 【請求項3】 前記粗大繊維層に植物種子、肥料、土壌
    改良材および保水材の少なくとも一種類を担持させてあ
    る請求項1または請求項2に記載の緑化用の植生マッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記粗大繊維層の少なくとも片面に補強
    用の粗目のネットが装着されている請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の緑化用の植生マット。
  5. 【請求項5】 前記粗大繊維層の片面にシート状の薄綿
    が装着され、この薄綿の外面にネットが装着されてなる
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の緑化用の植
    生マット。
  6. 【請求項6】 前記粗大繊維が、木毛繊維、ヤシ繊維、
    木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代
    表される草本類などの腐食性繊維、線状又は帯状の生分
    解性プラスチック繊維、あるいはプラスチック、金属な
    どの耐腐食性繊維のいずれかである請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載の緑化用の植生マット。
  7. 【請求項7】 前記粗大繊維が、木材チップを開繊ロー
    ラで圧削、圧延してなる木毛繊維である請求項6に記載
    の緑化用の植生マット。
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