JP4281979B2 - 緑化用の植生マットおよび緑化用の植生マットの施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば道路や山腹の法面、河川敷、川岸や湖岸などの緑化に用いられる植生マットおよび緑化用の植生マットの施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物種子の発芽や幼芽の生育の妨げにならないような目の粗いネットを使用した緑化用の植生マットとしては、ネットの片面にシート状の薄綿を積層し、薄綿表面に植物種子や肥料を水溶性接着剤で接着して担持させたものや、ネットの片面に、天然のヤシ繊維などの粗大繊維を水溶性接着剤で接着してマット状に集積した粗大繊維層を積層し、粗大繊維層に植物種子や肥料を水溶性接着剤で接着して担持させたものが知られている。
【0003】
これらの植生マットは、植物種子の担持面を下にして、法面などに敷設され、ネットを貫通する止め串で固定される。そして、降雨により、前者の植生マットでは、シート状の薄綿がネットから剥がれ落ち、後者の植生マットでは、粗大繊維層がネットから剥がれ落ちて、植物種子が土壌表面に落下し、薄綿又は粗大繊維層で被覆されることにより、直射日光から保護され、表面のネットで薄綿又は粗大繊維層を抑えた状態で、植物種子の発芽、生育が行われることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、前者の植生マットにおいては、降雨により薄綿がネットから剥がれ落ちた時、薄綿の繊維どうしが絡み合っているため、薄綿が土壌表面の凹部に密着せず、宙に浮いた状態となるため、植物種子や肥料が雨水で流される等して移動し、発芽むら、生育むらが生じることがあった。
【0005】
また、後者の植生マットにおいては、降雨によりネットから剥がれ落ちた粗大繊維層がばらけて、植物種子や肥料が移動したり、粗大繊維層の保水性が不十分なために植物種子が乾燥して、発芽むら、生育むらが生じるという問題点があった。
【0006】
上記の現状に鑑み、本発明は、土壌表面への密着性が非常に良くて、表層土、植物種子、肥料等の移動を確実に防止でき、しかも、保水機能が高くて、植物種子の乾燥を防止でき、これらの結果、発芽むら、生育むらが発生し難く、侵入植生も定着しやすい緑化用の植生マットおよび緑化用の植生マットの施工方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりである。即ち、請求項1に記載の発明、ネットの片面にシート状の薄綿が積層され、薄綿の上に、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の少なくとも一つからなる粗大繊維どうしを水溶性接着剤で接着した状態でこれらを集積してなる粗大繊維層が積層されて成る法面緑化用の植生マットであって、植生マット施工後は降雨あるいは散水により薄綿がネットから剥がれ落ちるように両者を水溶性接着剤により一体化してあり、薄綿下の粗大繊維層を土壌表面に食い込んだ状態に密着させて表層土の移動を防止することを特徴とする緑化用の植生マットである
【0008】
請求項2に記載の発明、ネットの片面にシート状の薄綿が積層され、薄綿の上に、肥料袋が適当間隔おきに接着され、且つ、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の少なくとも一つからなる粗大繊維どうしを水溶性接着剤で接着した状態でこれらを集積してなる粗大繊維層が肥料袋を覆う状態に積層されて成る法面緑化用の植生マットであって、植生マット施工後は降雨あるいは散水により薄綿がネットから剥がれ落ちるように両者を水溶性接着剤により一体化してあり、薄綿下の粗大繊維層を土壌表面に食い込んだ状態に密着させて表層土の移動を防止することを特徴とする緑化用の植生マットである
【0009】
請求項1,2に記載の発明による緑化用の植生マットは、法面などの土壌表面に、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の少なくとも一つからなる粗大繊維層を下にした状態に敷設され、ネットを貫通する止め串で土壌表面に固定される。そして、降雨により、薄綿や粗大繊維層が水を含んで重くなり、薄綿がネットから剥がれ落ち、薄綿下の粗大繊維層が土壌表面に食い込んだ状態に密着すると共に、粗大繊維層が薄綿で覆われて、粗大繊維層の移動と乾燥が防止される。
【0010】
従って、表層土、植物種子、肥料等の移動が防止され、且つ、粗大繊維層が保水性の高い薄綿で覆われることにより、薄綿と粗大繊維層とによる二重の保水機能が発揮されるので、粗大繊維層の乾燥に起因する植物種子の乾燥が防止されることになり、これらの結果、発芽むら、生育むらの発生が確実に抑制される。また、粗大繊維層の存在により、植生マットの空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子や侵入植生も定着しやすい。
【0011】
殊に、請求項2に記載の発明による緑化用の植生マットでは、肥料袋が薄綿に接着されているので、降雨により薄綿がネットから剥がれ落ちた状態では、ネットと肥料袋の機械的な繋がりがなくなり、土壌表面に良く密着することになる。例えば、ネットに筒状部を編成し、これに肥料袋を収納した緑化用の植生マットでは、肥料袋の位置が常にネットで拘束されているため、薄綿がネットから剥がれ落ちても、肥料袋はネットに支持されており、土壌表面に凹部があると、肥料袋が凹部に密着せず、浮き上がった状態になるが、請求項2に記載の発明による緑化用の植生マットでは、このような不都合が生じない。
【0012】
尚、粗大繊維層に植物種子や肥料等の植生基材を担持させない場合は、法面などの土壌表面に予め任意の植物種子を播種した上で、これを覆うように、緑化用の植生マットを設置したり、外部から飛来した植物種子を植生マットの薄綿や粗大繊維層に付着させて発芽、生育させたり、侵入植生を繁茂させて、緑化を行うことになるが、大繊維層に植生基材を担持させておけば、現地で法面などの土壌表面に播種する手間を省くことができ、且つ、飛来する植物種子や侵入植生に依存せずに緑化が行えることになる。また、粗大繊維層を下にして土壌表面に付設し、薄綿下の粗大繊維層を土壌表面に食い込んだ状態に密着させるのが好ましい(請求項3)。
【0013】
本発明の粗大繊維は、自然環境を維持する上で非常に有効であり、殊に、腐食性繊維の一例である木毛繊維は、始末に苦慮している間伐材や倒木などを活用して大量且つ安価に入手できるので、資源活用の面でも好都合である。
【0014】
肥料袋は、小さな形状のものを点在させてもよいが、肥料袋を帯状に形成すれば、緑化用の植生マットを法面に設置する際、帯状の肥料袋が等高線に沿うように植生マットを設置することにより、法面に密着した帯状の肥料袋が表層土の流亡を抑制する柵として機能するので、好都合である。
【0015】
植生基材としては、植物種子のみであってもよいが、物種子と、肥料、保水材、土壌改良材の少なくとも一つとを混合したものであることが、植物種子の発芽、生育を促進する上で好ましい
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る緑化用の植生マット1の一例を示し、図2は、前記植生マット1の施工例を示している。
【0017】
上記の植生マット1は、目の粗いネット2の片面にシート状の薄綿3を積層し、薄綿3の上に、粗大繊維4を水溶性接着剤で接着してマット状に集積した粗大繊維層6を積層することによって構成されている。
【0018】
前記ネット2は、ポリエチレン、生分解性プラスチック、天然繊維などの単体又はそれらの組合せを素材とするものであり、ラッセル織り、絡み織り、平織り、熱融着などの手段により製造され、植物種子の発芽や幼芽の生育の妨げにならないような粗い網目、例えば、1.5cm×2cm程度の網目に設定される。上記の組み合わせ方法は、経糸又は(及び)緯糸を、単体繊維のどれかを限定し、これを1本又は数本おきに編織して、これを繰り返すものなどがある。例えば、生分解性プラスチック糸を縦横1本おきに、他の糸を天然繊維のジュート糸にするなどである。
【0019】
具体的には、この例では、図1に示すように、前記ネット2を、ポリエチレンのフラットヤーン300〜1000デニールを目合い15.7mm×20mmのラッセル織りして成るベースネット2Aと、ポリエチレンのモノフィラメント500〜1300デニールを目合い50mm×50mmに編み込んだ補強ネット2Bとの2層構造としてある。
その他、ネット2の他の実施例として、ネットを構成する経糸、緯糸の少なくとも一方を、天然繊維、例えばジュート繊維と生分解性プラスチック糸とを引き揃えて、(ラッセル織りの場合は経糸又は緯糸の鎖に単に挿入して)ネットの構成糸として縦横3〜25mmの目合いのネットを編織する場合があり、こうすると、天然繊維が短期間に腐食した後にも生分解性の糸がしばらくは(約2年程度)補強材として機能する。生分解性糸の引き揃え又は挿入はネットを構成する糸の1本又は数本おきに入れる場合がある。
【0020】
シート状の薄綿3は、例えば、ポリエステル等の化学繊維の薄綿、スフやレーヨンなどの薄綿(25〜30g/m2 )をシート状に成形したものであり、水分により早期に分散するように構成されている。
【0021】
の例では、ネット2が上述したとおりポリエチレン製であるため、ネット2にポリビニルアルコール(PVA)などの液状の水溶性接着剤を噴霧して、薄綿3を貼り合わせることにより、両者2,3を一体化してある。
【0022】
粗大繊維4の素材としては、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材とか樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の単体又は組合せを選択して使用できる。
【0023】
粗大繊維層6は、粗大繊維4どうしを、パウダー状や繊維状あるいは液状の水溶性接着剤で接着し、圧着ローラで加圧して、任意の厚さ(例えば2〜30mm程度)のマット状に集積したもので、前記水溶性接着剤によって薄綿3に貼り合わせ、薄綿3と一体化される。
【0024】
具体的には、この例では、粗大繊維4として、幅1.0mm、長さ10〜100mm、厚さ0.1〜1.0mmに切断された100g/m2 程度の木毛繊維を使用しており、水溶性接着剤として、乾燥状態では接着機能が発現しないポリビニルアルコール(PVA)の粉体(100メッシュ)を、一時的な湿潤雰囲気を通過させることにより接着機能を発現させて使用している。
【0025】
上記の植生マット1は、例えば、図2の(A)に示すように、法面などの土壌表面に植物種子12を播種し、必要であれば肥料や土壌改良材を散布した後、これらを覆うように粗大繊維層6を下にして敷設され、ネット2を貫通する止め串13で固定される。
【0026】
そして、植生マット1施工後の降雨あるいは散水により、薄綿3や粗大繊維層6が水を含んで重くなると共に、水溶性接着剤が溶けて、接合が解かれるので、図2の(B)に示すように、薄綿3がネット2から剥がれ落ち、薄綿3下の粗大繊維層6が土壌表面に食い込んだ状態に密着すると共に、粗大繊維層6が保水性の高い薄綿3で覆われて、粗大繊維層6の移動と乾燥が防止される。
【0027】
従って、表層土、植物種子12、肥料等の移動が防止され、且つ、粗大繊維層6が保水性の高い薄綿3で覆われることにより、薄綿3と粗大繊維層6とによる二重の保水機能が発揮されるので、粗大繊維層6の乾燥に起因する植物種子12の乾燥が防止されることになり、これらの結果、発芽むら、生育むらの発生が確実に抑制される。また、粗大繊維層6の存在により、植生マット1の空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子や侵入植生も定着しやすい。粗大繊維4は木毛繊維などの腐食性繊維であるから、やがては腐食・分解により土壌と同化し、肥料として利用されることになる。
【0028】
そして、水溶性接着剤を用いているので、降雨によって水溶性接着剤が溶けて、粗大繊維4どうしの接合が解かれることで、粗大繊維4がよりルーズな状態になることから、植物種子の発芽・生育面で一層好適であるが、例えばエチレン酢ビエマルジョンやアクリル酢ビエマルジョン等を上記の水溶性接着剤に混合し、これらの接着剤と粗大繊維4とを混合して植生マット1を成形してもよく、この場合、接着剤表面に水に溶けない膜が形成されることから、粗大繊維4の接合が長期間にわたって解かれなくなる。
【0029】
図3は、本発明に係る緑化用の植生マット1の他の例を示し、粗大繊維層6に植生基材Aを水溶性接着剤で接着して担持させた点に特徴がある。植生基材Aとしては、植物種子12のみであってもよいが、この例では、植生基材Aとして、植物種子12と、肥料14、保水材15、土壌改良材16の少なくとも一つとを混合したものを使用している。
【0030】
この植生マット1を使用すれば、粗大繊維層6に植生基材Aを担持させてあるので、現地で法面などの土壌表面に播種する手間を省くことができ、且つ、飛来する植物種子や侵入植生に依存せずに緑化が行えることになる。
【0031】
図4と図5は、本発明に係る緑化用の植生マット1の他の例を示し、図6と図7は、前記植生マット1の施工例を示している。
【0032】
上記の植生マット1は、目の粗いネット2の片面にシート状の薄綿3を積層し、薄綿3の上に、帯状に形成された肥料袋19を適当間隔(例えば、20〜100cm)おきに接着し、且つ、粗大繊維4を水溶性接着剤で接着してマット状に集積した粗大繊維層6を、前記肥料袋19が覆われる状態に積層すると共に、粗大繊維層6に、植生基材Aを水溶性接着剤で接着して担持させることによって構成されている。植生基材Aとしては、植物種子12のみであってもよいが、この例では、植生基材Aとして、植物種子12と、肥料14、保水材15、土壌改良材16の少なくとも一つとを混合したものを使用している。
【0033】
図示の肥料袋19は、幅5cmの厚手の不織布19aと薄手の不織布19bを貼り合わせたもので、内部に遅効性肥料を主とした肥料20を充填してある。尚、この例では、内部の肥料20が移動し難いように、肥料袋19の幅方向中央部を貼り合わせてある。
【0034】
前記ネット2は、図1や図3で説明した実施の形態と同様に、ポリエチレン、生分解性プラスチック、天然繊維などの単体又はそれらの組合せを素材とするものであり、ラッセル織り、絡み織り、平織り、熱融着などの手段により製造され、植物種子の発芽や幼芽の生育の妨げにならないような粗い網目、例えば、1.5cm×2cm程度の網目に設定される。
【0035】
具体的には、この例では、図5に示すように、前記ネット2を、ポリエチレンのフラットヤーン300〜1000デニールを目合い15.7mm×20mmのラッセル織りして成るベースネット2Aと、ポリエチレンのモノフィラメント500〜1500デニールを目合い50mm×50mmに編み込んだ補強ネット2Bとの2層構造としてある。
【0036】
シート状の薄綿3は、図1や図3で説明した実施の形態と同様に、例えば、ポリエステル等の化学繊維の薄綿、スフやレーヨンなどの薄綿(25〜30g/m2 )をシート状に成形したものであり、水分により早期に分散するように構成されている。
【0037】
この例では、ネット2が上述したとおりポリエチレン製であるため、ネット2にポリビニルアルコール(PVA)などの液状の水溶性接着剤を噴霧して、薄綿3を貼り合わせることにより、両者2,3を一体化してある。
【0038】
肥料袋19は、薄綿3の上に、水溶性接着剤などを用いて略等間隔に接着される。
【0039】
粗大繊維4の素材としては、図1や図3で説明した実施の形態と同様に、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材とか樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の単体又は組合せを選択して使用できる。
【0040】
粗大繊維層6は、図1や図3で説明した実施の形態と同様に、粗大繊維4どうしを、パウダー状や繊維状あるいは液状の水溶性接着剤で接着し、圧着ローラで加圧して、任意の厚さ(例えば2〜30mm程度)のマット状に集積したもので、前記水溶性接着剤によって薄綿3に貼り合わせ、薄綿3と一体化される。
【0041】
具体的には、この例では、粗大繊維4として、幅1.0mm、長さ10〜100mm、厚さ0.1〜1.0mmに切断された100g/m2 程度の木毛繊維を使用しており、水溶性接着剤として、乾燥状態では接着機能が発現しないポリビニルアルコール(PVA)の粉体(100メッシュ)を、一時的な湿潤雰囲気を通過させることにより接着機能を発現させて使用している。
【0042】
上記の植生マット1は、例えば、図6の(A)に示すように、法面などの土壌表面に、粗大繊維層6を下にして敷設され、ネット2を貫通する止め串13で固定される。施工対象が法面である場合には、図示のように、帯状の肥料袋19が等高線に沿うように植生マット1を設置することが望ましい。このように設置すれば、法面に密着した帯状の肥料袋19が表層土の流亡を抑制する柵として機能するからである。
【0043】
植生マット1施工後の降雨あるいは散水により、薄綿3や粗大繊維層6が水を含んで重くなると共に、水溶性接着剤が溶けて、接合が解かれるので、図6の(B)に示すように、薄綿3がネット2から剥がれ落ち、薄綿3下の粗大繊維層6が土壌表面に食い込んだ状態に密着すると共に、粗大繊維層6が保水性の高い薄綿3で覆われて、粗大繊維層6の移動と乾燥が防止される。
【0044】
従って、表層土や植生基材Aの移動が防止され、且つ、粗大繊維層6が保水性の高い薄綿3で覆われることにより、薄綿3と粗大繊維層6とによる二重の保水機能が発揮されるので、粗大繊維層6の乾燥に起因する植物種子12の乾燥が防止されることになり、しかも、図7の(A)〜(D)に示すように、植生基材Aが粗大繊維4に付着し堆積した表層土と混じり合って、程よく覆土され、これらの結果、発芽むら、生育むらの発生が確実に抑制され、法面などの緑化保護が良好に行われるのである。また、粗大繊維層6の存在により、植生マット1の空隙が多くなり、外部から飛来する植物種子や侵入植生も定着しやすい。粗大繊維4は木毛繊維などの腐食性繊維であるから、やがては腐食・分解により土壌と同化し、肥料として利用されることになる。
【0045】
尚、図4〜図7で説明した実施の形態では、粗大繊維層6に植生基材Aを担持させてあるので、現地で法面などの土壌表面に播種する手間を省くことができ、且つ、飛来する植物種子や侵入植生に依存せずに緑化が行えるが、現地で播種する場合には、植生基材Aを担持させずに実施することも可能である。
【0046】
図8は、本発明に係る緑化用の植生マット1の他の例を示し、肥料袋19を、例えば5cm角程度の小さな形状に作製して、適当間隔おきに点在させた点に特徴がある。その他の構成や製造方法は、図4〜図7で説明した植生マット1と同じであるため説明を省略する。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、土壌表面への密着性が非常に良くて、表層土、植物種子、肥料等の移動を確実に防止でき、しかも、保水機能が高くて、植物種子の乾燥を防止でき、これらの結果、発芽むら、生育むらが発生し難く、侵入植生も定着しやすい緑化用の植生マットを実現し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 緑化用の植生マットの構成を説明する図である。
【図2】 図1の植生マットの施工例を説明する図である。
【図3】 他の植生マットの構成を説明する図である。
【図4】 他の植生マットの構成を説明する図である。
【図5】 図4の植生マットの構成を説明する分解斜視図である。
【図6】 図4の植生マットの施工例を説明する図である。
【図7】 図4の植生マットの作用を説明する図である。
【図8】 他の植生マットの構成を説明する図である。
【符号の説明】
1…植生マット、2…ネット、3…薄綿、4…粗大繊維、6…粗大繊維層、19…肥料袋、A…植生基材。

Claims (3)

  1. ネットの片面にシート状の薄綿が積層され、薄綿の上に、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の少なくとも一つからなる粗大繊維どうしを水溶性接着剤で接着した状態でこれらを集積してなる粗大繊維層が積層されて成る法面緑化用の植生マットであって、植生マット施工後は降雨あるいは散水により薄綿がネットから剥がれ落ちるように両者を水溶性接着剤により一体化してあり、薄綿下の粗大繊維層を土壌表面に食い込んだ状態に密着させて表層土の移動を防止することを特徴とする緑化用の植生マット。
  2. ネットの片面にシート状の薄綿が積層され、薄綿の上に、肥料袋が適当間隔おきに接着され、且つ、木毛繊維、ヤシ繊維、木質建設廃材や樹木の剪定枝の粉砕物、ワラやヨシに代表される草本類などの腐食性繊維の少なくとも一つからなる粗大繊維どうしを水溶性接着剤で接着した状態でこれらを集積してなる粗大繊維層が肥料袋を覆う状態に積層されて成る法面緑化用の植生マットであって、植生マット施工後は降雨あるいは散水により薄綿がネットから剥がれ落ちるように両者を水溶性接着剤により一体化してあり、薄綿下の粗大繊維層を土壌表面に食い込んだ状態に密着させて表層土の移動を防止することを特徴とする緑化用の植生マット。
  3. 請求項1又は2に記載された緑化用の植生マットを、粗大繊維層を下にして土壌表面に付設し、薄綿下の粗大繊維層を土壌表面に食い込んだ状態密着させることを特徴とする緑化用の植生マットの施工方法。
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