JP4414210B2 - 植生材およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は植生材に関する。より詳細には、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物中に、種子および/または農業用添加剤を含有する植生材に関する。
従来より植生を回復させるための手法として、種々の植生シートが提案されていたが、いずれも人工土壌と種子などを混合し、これを合成または天然繊維のシートで作成した袋またはマットに収納していた。
かかる従来の植生シートまたはマットでは、人工土壌を使用するため高価であるという欠点があった。さらに、天然繊維を使用した場合には、腐食にともない土壌が亡失されるという欠点があった。一方、合成繊維を使用しても、水溶性樹脂や生分解性樹脂を使用した場合には天然繊維を使用した場合と同じ課題が生じ、またそれ以外の合成繊維を使用した場合には環境に悪影響を与えるという課題があった。
また、特開2002−254457号には、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物が記載され、植生材料としてとして使用できる旨が記載されている。しかし、かかる植生材料は、雑草の生長を防止するために施設するボードおよび植物の保水性ボードであり、種子や植物の生育に必要な農業用添加剤を含有する植生材とは異なるものである。小片状材料を結合した加圧成型物において、種子などの小さなものや、水溶性の農業用添加剤が長期間保持され、植物の育成に寄与することは予想外の発見である。
特開2002−254457号
本発明は上記の課題を解決することを目的とするものであり、人工土壌の必要のない、安価な植生材を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物を開発し、その用途を種々検討していたが、かかる成型物が植生材基体として好適であることを見いだし、本発明を完成したものである。
本発明は、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物中に、種子および農業用添加剤からなる群から選択される少なくとも1つを含有する植生材を提供する。
本明細書において「植生材」とは、植物が生育する環境を提供することのできる材料をいう。その形状は限定されなるものではなく、たとえばシート、マット、ブロックなどの形状であることができる。
「農業用添加剤」とは、農業上有益な効果を提供することのできる物質をいい、たとえば、肥料、農薬、土壌改良材、水分保持材、成長促進剤、成長抑制剤、および発芽促進剤があげられる。
本発明で使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有するものであればよく、天然樹脂および合成樹脂のいずれであってもよい。また、熱可塑性を有していれば、若干の架橋を有するものであっても良い。
本発明の植生材は、原料として安価な小片状材料を使用することができ、さらに人工土壌を使用する必要がないので、安価に植生材を提供することができる。また、高温に加熱する必要がないため大規模な設備を必要とせず、製造コストが削減でき、さらに小片状材料が得られる場所、または植生をする場所の近くで製造をすることができるので物流コストも低減できるという効果もある。
さらに、成型の際に高温に加熱されないため、種子、添加材に悪影響を与えることがなく、優れた植生材が得られる。
また、天然由来の小片状材料を使用すれば、環境に対して悪影響を与えることなく植生を回復することができる。さらに、本発明の植生材は従来の植生シートに比較して非常に軽く、取り扱いが容易で、施工が簡単である。
さらに成型の際に高温に加熱されないので、種子に悪影響を与えることがなく、また農薬や各種薬剤の分解や劣化を引き起こすこともない。そのため、作業環境による作業者および周囲環境に対する悪影響がなく、また種子や各種薬剤を選択する際の自由度が大きくなるという効果が得られる。また、植生材のそりなどの変形が少なく、形状における自由度が増大し、特に厚い成型品の製造が容易となる。
本発明ではホルムアルデヒドを含有しないポリマー混合物が好ましく使用されるが、その場合にはホルムアルデヒドに起因する製造工程における主として健康上の危険がなく、得られた製品での残留ホルムアルデヒドに起因する問題も生じない。
本発明により得られた植生材は、種々の用途に使用することができるが、代表的には稲作、各種植物の畑作の他、道路の傾斜地法面、牧草地、河川堤防法面、ダムなどの山間地の工事後の緑化、土砂崩れなどの災害斜面の緑化、ゴルフ場およびサッカー場などの運動場の芝、マンションベランダや屋上の緑化用材料、砂漠の緑化用資材として使用できる。
本発明に使用することのできる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に制限はないが、たとえば酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを含むエチレン性不飽和モノマーの共重合体であるアクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体などが好適に使用できる。さらに好ましく本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、酢酸ビニル樹脂、およびエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂である。好ましくは熱可塑性樹脂はエマルジョン重合により製造される。
エマルジョン重合の方法については特に制限はなく、通常の方法で差し支えない。例えば、酢酸ビニル等の単量体を水中で各種乳化剤、保護コロイドの存在下、過硫酸塩等の開始剤を添加することにより得られるが、その際の、単量体の添加方法(一括添加、逐次添加、分割添加等)、乳化剤の種類(アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤等)や保護コロイドの種類(ポリビニルアルコール系高分子、セルロース系高分子等)、開始剤の種類(過硫酸塩等、過酸化水素等のパーオキサイド類、それらとのレドックス反応の用いる重亜硫酸ナトリウム等の還元剤等)やその添加方法(一括添加、逐次添加、分割添加等)、その他攪拌条件、重合温度等の製造条件については公知であり、必要に応じ適宜決定できる。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、エマルジョンの形態で提供されることが、安全性、環境などの観点から好ましい。熱可塑性樹脂のエマルジョンとしては、固形分20−70%のものが好ましく使用される。また、複数の熱可塑性樹脂を混合使用することもできる。
熱可塑性樹脂のエマルジョンの粘度は特に制限はなく、その固形分濃度により変わるが、作業性等の観点で200000mPa・s(23℃、ブルックフィールド粘度計(BH型)、2rpmで測定)以下が好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgは、特に制限はないが、一般的には−40〜60℃の範囲から選択される。Tgは好ましくは−20℃から60℃、より好ましくは0℃から60℃の範囲である。
熱可塑性樹脂は好ましくは酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される。
ポリ酢酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニルモノマーを保護コロイドの存在下で乳化重合して得られるものが好適に使用できる。
ポリ酢酸ビニル系エマルジョンは、粘度が1000〜200000mPa・sであることが好ましい。又、pHは3〜8であることが好ましい。ポリ酢酸ビニルは一般に数十万から数百万の分子量を有するが、いずれのものも使用することができる。好ましくは分子量は10万以上、より好ましくは50万以上である。
エチレン−酢酸ビニルコポリマーとしては、例えば、エチレンと酢酸ビニルモノマーを保護コロイドの存在下で乳化共重合して得られるものが好適に使用できる。エチレン−酢酸ビニルコポリマー中のエチレン含有量は好ましくは5−40%であり、より好ましくは10−25%である。粘度は好ましくは200〜20000mPa・sであり、より好ましくは500〜7000mPa・sである。またpHは4−7であることが好ましい。
また、たとえばエチレン−酢酸ビニルコポリマーをシードとして使用して酢酸ビニルをその上に乳化重合させたような共重合体も、本発明におけるエチレン−酢酸ビニルコポリマーに包含され、好適に使用することができる。
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体は種々のグレードのものが多くの製造者から市販されており、望ましい特性に応じて適宜選択して使用することができる。
また、本発明の植生材は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体からなる群より選ばれる水溶性ポリマーの少なくとも一種を含有することもできる。なかでも、ポリビニルアルコール系高分子が好ましく用いられる。ポリビニルアルコール系高分子としては各種の重合度、鹸化度のものが使用できる。一般的には重合度200〜4000、鹸化度50〜100モル%のものが使用される。また、α−オレフィン系単量体由来の疎水基、カルボキシル基、スルホン酸基、カチオン基、アセトアセチル基、シラノール基等で変性したポリビニルアルコールも使用可能である。
上記水溶性ポリマーを含有させる方法としては、熱可塑性樹脂のエマルジョンと水溶性ポリマーを混合したものを用いる方法の他、ポリビニルアルコール系高分子等の水溶性ポリマーを保護コロイドとして各種単量体を乳化重合することにより得られる熱可塑性エマルジョンを用いる方法が考えられる。後者の場合、乳化重合時に水溶性ポリマーと熱可塑性樹脂が一部グラフト体を形成するため植生材中に確実に水溶性ポリマーが含有される。
本発明で用いられる小片状材料の材質、粒径および形状は、その材料および製造する植生材の種類、要求性能などにより変化するので、公知の技術に基づき当業者が適宜選択することができる。小片状材料としては、木材小片、木材繊維、樹皮等の木材に由来する木質材料が好適に使用される。合板等の木材の廃材、新聞紙および雑誌等の古紙、紙巻、段ボール、木炭、もみがら、コルク栓の製造工程で出る削りくず(コルク粒)等の材料も使用することができる。
これらの材料は必要に応じ、破断粉砕して適当な大きさにして使用することができる。好適な小片状材料は木質材料である。
木質材料を使用する場合に、その木の種類は問わないが、松、杉、ひのき等の針葉樹、ラワン、カポール、ポプラ、ヤナギ等の広葉樹由来のものが好適に使用される。
小片状材料として木材チップを使用する場合には、一般に0.1から5.0mm厚、1から100mmのサイズのものが使用される。小片状材料として樹皮を使用する場合には、一般には15mmメッシュパスのものが好適に使用される。用途に応じて複数種類の小片状材料を混合使用することができる。
植生材の吸湿変形を防止するために、パラフインワックス等の撥水剤を添加することもできる。また必要に応じて、充填材、溶剤、顔料、染料、防腐剤、防虫剤、消泡剤等を添加することができる。
本発明の植生材においては、種子、肥料、農薬、土壌改良材、水分保持材、成長促進剤、成長抑制剤、発芽促進剤からなる群から選択される少なくとも1つが含まれる。
種子は所望により適宜選択できる。種子は必要に応じ、各種コーティングを施すことができる。本発明においては、成型中に高温にさらされることがないので、種子に悪影響を及ぼさないという効果がある。
肥料は公知のものが使用でき、合成肥料のみならず、鶏糞、牛糞などの天然肥料も使用できる。これらは好ましくは造粒され、顆粒状の形態で加えられる。
除草剤、殺虫剤、殺菌剤などの農薬は生育する植物の種類、環境により適宜選択することができる。農薬の種類、形態、必要量は当業者が適宜選択し決定することのできる事項である。
さらに、使用する環境に応じて、公知の土壌改良材、水分保持材、成長促進剤、成長抑制剤、発芽促進剤などの任意のものを使用することができる。これらの用語の意味および該当する具体的化合物は当業者には公知である。上記の農業用添加剤はそれぞれ単独で使用することも、混合して使用することもできる。
使用される農業用添加剤の量は、あまりに多すぎると成型が困難になるので、一般的には木材チップ100重量部に対して1から20重量部程度であり、好ましくは1から10重量部である。
また、植生材中の農業用添加剤の配置は適宜選択することができる。たとえば、種子の場所と肥料の場所とを適宜調節することができる。たとえば、種子のみを有する本発明の植生材と、肥料のみを含む本発明の植生材とを別々に成型し、これを積層して1つの植生材とすることにより、種子と肥料の相対的な配置を決定することができる。
本発明はさらに、
1)熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスおよび小片状材料と混合する工程、
2)得られた混合物を乾燥する工程、
3)種子および農業用添加剤からなる群から選択される少なくとも1つをさらに混合する工程、および
4)得られた混合物を加圧成型する工程を有する、本発明の植生材を製造する方法を提供する。
熱可塑性樹脂が水溶性ポリマーを含む場合には、熱可塑性樹脂、水溶性ポリマー、および小片状材料を混合した後、得られた混合物を乾燥し、その後農業用添加剤をさらに混合し、得られた混合物を加圧成型することにより、本発明の植生材が得られる。
小片状材料は必要に応じ水洗し、乾燥した後使用することができる。熱可塑性樹脂と小片状材料との混合は、公知の任意の方法により行うことができ、例えばスプレー塗布または含浸等の方法により行うことができる。混合方法、混合装置、混合時間などは小片状材料の種類および大きさ、農業用添加剤の種類および量、ならびに熱可塑性樹脂の種類および混合比率に応じて、適宜選択することができる。小片状材料の表面全体に熱可塑性樹脂が存在するように、充分に混合することが望ましい。
小片状材料に対するエマルジョンの塗布量は、材料の種類によって異なるが、例えば木材チップ(含水率5−15%)100重量部に対して、エマルジョンの固形分として5−50重量部、好ましくは10−30重量部である。樹脂量が少ないと結合力が不十分となり、樹脂量が多すぎてもそれに対応する結合力の向上を得ることができない。
得られた混合物の乾燥は公知の方法により行うことができ、たとえば室温における風乾、熱風乾燥、オーブン中における加熱乾燥など、任意の方法が使用できる。乾燥は、エマルジョン中の水分がほぼ蒸発し、半透明ないし透明の樹脂の乾燥皮膜を形成するまで行うことが好ましい。適当な乾燥程度は使用するポリマー混合物の種類、分子量、使用する小片状材料の種類および大きさ、農業用添加剤の種類および量、ならびにポリマー混合物、小片状材料および農業用添加剤との混合比率などによっても変化する。
本発明の製造方法において、加圧成型前に小片状材料に熱可塑性樹脂のエマルジョンを塗布し上記の通り乾燥することも、従来のエマルジョンを用いた小片状材料からなる成型物の製造方法とは大きく異なる。従来は、単に水を含むエマルジョンと小片状材料をウエット状態で混合し型枠等に流し込んだ後、適当に加圧し乾燥することにより成型物を得る方法が公知の方法として一般的であったが、この方法では、乾燥工程が律速となり生産性の向上は望めない上、成型物の寸法安定性等にも大きな問題があった。
種子や水溶性の肥料や農薬などは、熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスと混合する際に悪影響を受けるので、エマルションなどを小片状材料と混合、乾燥したのち、別途混合される。この場合の混合方法も公知の方法を用いることができ、各種のミキサー、ブレンダー等を使用することができる。
加圧時間は材料の種類によって異なるが、典型的には1分から30分程度の短時間で充分である。また、加圧圧力は植生材に求められる要求性能により異なるが、典型的には1kgf/cmから30kgf/cmの圧締力で充分である。
成型は一般に常温において行われる。たとえば、成形は0から120℃の温度範囲で行うことができ、好ましくは0−75℃の範囲で行うことができ、より好ましくは10−75℃、さらに好ましくは20−75℃、最も好ましくは20−70℃の範囲で行うことができる。好ましくは、加熱することなく、周囲温度において成型が行われる。樹脂のTgが高い場合、混合物の水分量が低い場合、及び冬季における成形のように周囲温度の低い条件下の場合などにおいては、必要に応じ若干の加熱をすることが、成形時間を短くするために好ましい場合がある。また、加熱乾燥を行う際には、乾燥工程後、冷却することなくそのままの温度で加圧成形することが生産効率上好ましい。
本発明方法の好ましい態様においては、乾燥後、加圧成形前に混合物を水で湿らせる工程をさらに含む。かかる工程を有することにより、乾燥時の水分量が好ましい範囲内よりも少なくなった場合にも、水分量を調節して好ましい水分量の範囲とし、混合物の粘着性を得ることができる。さらに、乾燥させた混合物を長期間保存しておき、成形前に水分を補充することにより所望の時期に成形することが可能になる。これにより、たとえば小片状材料とポリマー混合物との混合乾燥のみをある期間に行い、農業用添加剤を必要に応じて加え、所望の時期に成形加工を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を何ら制限するものではない。
実施例1
木材チップ(杉材含水率約12%、粒度約4.0メッシュ通過)200gを容器にとり酢酸ビニル樹脂エマルジョン60g(商品名ボンドCX55、固形分55%、ポリビニルアルコール含有、粘度=25,000mPa・s、Tg=13℃、コニシ株式会社製)を添加して充分撹拌混合してからばらばらにして60℃で3時間乾燥させて木材チップ混合物を得た。35〜40℃に冷却後同温度でこのチップ混合物に水20gを湿らす程度加えて撹拌混合後、さらに種子(Medicago sativa中国産)を2g(約850粒)加えた種子入り木材チップ混合物を得た。この混合物を直ちに型枠(200mm×200mm)へ投入し加圧(10kg/cm)して10分間放置し厚さ10mmの植生材を得た。
得られた植生材を土壌の上に放置し一日一回100mlの水を散布し、15日後の発芽状況を観察した。15日後の発芽数は400本であった。生育は順調で20日後にはボード表面をほぼ覆う状態にまで繁茂した。
比較例1
土壌に種子を直播きして同様に観察したが発芽数は395本で、その後の生育も順調であった。
すなわち、実施例1は従来から一般的に行われている比較例1の方法と同程度の発芽と生育が得られた。
実施例2
木材チップ(杉材含水率約12%、粒度約4.0メッシュ通過)200gを容器にとりエチレン酢酸ビニル共樹脂エマルジョン(商品名パンフレックスOM6000、固形分50%、ポリビニルアルコール含有、粘度=2,500mPa・s、Tg=15℃、株式会社クラレ製)を60g添加して充分撹拌混合してからばらばらにして30〜35℃で24時間乾燥させて木材チップ混合物を得た。同温度で、さらに種子(西洋芝)を2g(約5000粒)と肥料として堆肥(含水率約10〜15%、廃棄食品を醗酵処理)を10g加えた種子、堆肥入り木材チップ混合物を得た。同温度で直ちに型枠(200mm×200mm)へ投入し加圧(10kg/cm)して10分間放置し厚さ10mmの植生材を得た。
得られた植生材を土壌の上に放置し一日一回100mlの水を散布し、15日後の発芽状況を観察した。15日後の発芽数は150本であった。発育は順調で20日後にはボード表面をほぼ覆う状態にまで繁茂した。
比較例2
土壌に種子を直播きして同様に観察したが発芽数は140本で、その後の生育も順調であった。
すなわち、実施例は従来から一般的に行われている比較例の方法と同程度の発芽と生育が得られた。

Claims (8)

  1. 1)熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスと、小片状材料とを混合する工程、
    2)得られた混合物を乾燥する工程、
    3)種子および農業用添加剤からなる群から選択される少なくとも1つを、工程2)で得られた混合物と混合する工程、および
    4)工程3)で得られた混合物を加圧成型する工程を有する、
    熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物中に、種子および農業用添加剤からなる群から選択される少なくとも1つを含有する植生材を製造する方法。
  2. 工程2)の後であって、工程3)の前に、混合物を水で湿らせる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 小片状材料が木質材料である、請求項1または2記載の方法。
  4. 農業用添加剤が、肥料、農薬、土壌改良材、水分保持材、成長促進剤、成長抑制剤、および発芽促進剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3または4記載の方法。
  5. 熱可塑性樹脂が酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂である、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
  6. 熱可塑性樹脂が小片状材料の総重量の5〜50重量%で存在する、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
  7. 熱可塑性樹脂がポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体からなる群より選ばれる水溶性ポリマーの少なくとも一種をさらに含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の方法により製造される、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物中に、種子および農業用添加剤からなる群から選択される少なくとも1つを含有する植生材。
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